1 00:03:12,933 --> 00:03:15,833 今から 1800 年ほどの昔 2 00:03:17,871 --> 00:03:21,174 中国では 漢の王朝の支配力が弱まり 3 00:03:21,174 --> 00:03:23,774 戦乱が絶えなかった 4 00:03:28,081 --> 00:03:30,283 その時 5 00:03:30,283 --> 00:03:33,887 天地神明に誓う 6 00:03:33,887 --> 00:03:37,858 ここに劉備 関羽 張飛の三名は 7 00:03:37,858 --> 00:03:42,195 姓を異にすと言えども 兄弟の契りを結びし上は 8 00:03:42,195 --> 00:03:44,765 心を同じゅうして 力を合わせ 9 00:03:44,765 --> 00:03:47,033 上は国家に奉じ 10 00:03:47,033 --> 00:03:49,469 下は民草を安んぜん 11 00:03:49,469 --> 00:03:52,439 同年 同月 同日に 生まれんことは得ざれども 12 00:03:52,439 --> 00:03:56,777 願わくば 同年 同月 同日に死せん! 13 00:03:56,777 --> 00:04:01,448 天地の神々よ 我らが赤心をご照覧あれ! 14 00:04:01,448 --> 00:04:04,351 義に背き 恩を忘れるやからは 15 00:04:04,351 --> 00:04:08,889 天 人 共にこれをちゅう滅せん! 16 00:04:08,889 --> 00:04:11,425 正義の理想国家建設へ 17 00:04:11,425 --> 00:04:13,460 玄徳 関羽 張飛 18 00:04:13,460 --> 00:04:15,862 三人の義兄弟が進む道は 19 00:04:15,862 --> 00:04:18,362 悪戦苦闘の連続であった 20 00:04:27,274 --> 00:04:29,843 呂布 覚悟! 21 00:04:29,843 --> 00:04:31,878 おりゃあ! たあ! 22 00:04:31,878 --> 00:04:34,878 ふん ええい 23 00:04:37,350 --> 00:04:40,450 張飛 張飛 引き返せ 24 00:04:48,895 --> 00:04:52,365 彼らの行く手を阻む者 その一人は 25 00:04:52,365 --> 00:04:54,334 底知れぬ知謀と非情な采配とで 26 00:04:54,334 --> 00:04:57,070 河北の広大な領土を制圧し 27 00:04:57,070 --> 00:04:59,372 なおも天下制覇の野心に燃える 28 00:04:59,372 --> 00:05:02,742 魏の国の曹操 29 00:05:02,742 --> 00:05:05,612 長江の南に豊かな大地を領有して 30 00:05:05,612 --> 00:05:10,851 新進気鋭の勢いを誇る 呉の国の孫権 31 00:05:10,851 --> 00:05:14,221 だが 玄徳は 100 万の軍勢にも匹敵する 32 00:05:14,221 --> 00:05:16,890 強力な同志を得ていた 33 00:05:16,890 --> 00:05:20,727 軍師 諸葛孔明 34 00:05:20,727 --> 00:05:22,662 北方の曹操は帝を擁して 35 00:05:22,662 --> 00:05:26,533 100 万の大軍を動かし 天の時を知り 36 00:05:26,533 --> 00:05:29,536 南方の孫権は 長江で隔てられた 37 00:05:29,536 --> 00:05:31,671 地の利を占める地勢にあり 38 00:05:31,671 --> 00:05:33,907 容易に打ち破れる相手では ありません 39 00:05:33,907 --> 00:05:37,110 されば我らは 人の和をもって勢いとなし 40 00:05:37,110 --> 00:05:40,680 西の方 蜀の地に国を築いて 41 00:05:40,680 --> 00:05:45,151 天下を三分する力を持つことです 42 00:05:45,151 --> 00:05:47,988 こうして 孔明の遠大な計略に踊らされた 43 00:05:47,988 --> 00:05:50,891 曹操と孫権は 長江を挟んで 44 00:05:50,891 --> 00:05:53,426 一大決戦の火ぶたを切った 45 00:05:53,426 --> 00:05:56,426 時 西暦 208 年 46 00:06:00,800 --> 00:06:04,400 敵は混乱している 一気にたたき潰せい! 47 00:06:07,707 --> 00:06:10,207 くそう… 敵艦隊だ 迎撃しろ! 48 00:06:13,947 --> 00:06:16,047 打て! 49 00:06:18,652 --> 00:06:21,555 うろたえるな! このまま接近戦へ持ち込めい 50 00:06:21,555 --> 00:06:23,555 いいぞ 続けろ! 51 00:06:35,535 --> 00:06:37,735 接近戦 成功だ 52 00:06:41,808 --> 00:06:44,508 何ということだ 53 00:06:48,882 --> 00:06:51,782 丞相 早く! 54 00:07:07,267 --> 00:07:10,770 この2大勢力の激突の隙を突いて 55 00:07:10,770 --> 00:07:15,308 玄徳は荊州の地に 初めて自分の城を築いた 56 00:07:15,308 --> 00:07:18,211 そうして いよいよ天下三分の計の 57 00:07:18,211 --> 00:07:20,280 実現をかけて 蜀の地へ 58 00:07:20,280 --> 00:07:23,680 遠征の軍を進めたのである 59 00:07:53,580 --> 00:07:57,980 けへへ けーけけけけけ 60 00:08:02,288 --> 00:08:04,788 きゃきゃきゃ きゃきゃ 61 00:08:11,531 --> 00:08:14,868 曲者だ 怪しい声のした辺りを探せ 62 00:08:14,868 --> 00:08:16,868 は! 63 00:08:18,805 --> 00:08:21,641 殿 おけがは? いや 私の命を 64 00:08:21,641 --> 00:08:23,943 狙ってのことではないようだ 65 00:08:23,943 --> 00:08:26,743 見よ 矢文ではないか 66 00:08:38,458 --> 00:08:41,027 何と書いてある? 67 00:08:41,027 --> 00:08:44,764 蜀中 害心有り 68 00:08:44,764 --> 00:08:47,734 蜀の家臣の中には 殿の入国を喜ばず 69 00:08:47,734 --> 00:08:51,471 武力で阻止せんとする 動きがあると警告のようですが 70 00:08:51,471 --> 00:08:53,406 そんな企てがあるわけがない 71 00:08:53,406 --> 00:08:57,711 蜀の領主 劉璋殿は 私の入国を心待ちにしていると 72 00:08:57,711 --> 00:09:00,113 確かな返事まで 送ってきているのだ 73 00:09:00,113 --> 00:09:03,016 どこかの回し者の 小細工ではないのか 74 00:09:03,016 --> 00:09:05,852 それにしても 岩に矢を突き立てるほどの剛力 75 00:09:05,852 --> 00:09:08,188 ただ者とは思えませんが 76 00:09:08,188 --> 00:09:10,288 ホウ統殿! 77 00:09:12,358 --> 00:09:14,294 曲者は取り逃がしましたが 78 00:09:14,294 --> 00:09:18,164 この者が よく知っているようなので 79 00:09:18,164 --> 00:09:20,100 どういう素性の男だ? 80 00:09:20,100 --> 00:09:22,035 いえ 男じゃごぜえませんで 81 00:09:22,035 --> 00:09:24,337 美しいひい様でごぜえますだ 82 00:09:24,337 --> 00:09:27,941 ご自分では何でも 関羽とかいう偉い将軍様の娘だと 83 00:09:27,941 --> 00:09:33,179 名乗っておられましたがの 関羽将軍の娘… 84 00:09:33,179 --> 00:09:35,148 その女の名は何と申す? へえ 85 00:09:35,148 --> 00:09:38,118 鳳姫様と申し上げておりましたが 86 00:09:38,118 --> 00:09:42,822 鳳姫? 鳳の姫か なるほど 87 00:09:42,822 --> 00:09:45,859 関羽の娘らしい大きい名前だが 88 00:09:45,859 --> 00:09:49,229 お待ちください おお 関平 89 00:09:49,229 --> 00:09:51,464 そちなら心当たりもあろう 90 00:09:51,464 --> 00:09:54,300 拙者は縁あって 関公の養子になった者 91 00:09:54,300 --> 00:09:57,137 家系については 詳しく存じませぬが 92 00:09:57,137 --> 00:10:01,107 父の口から娘がいるとは 一言も聞いたことがございませぬ 93 00:10:01,107 --> 00:10:04,043 その鳳姫とか申す女 父の名をかたる 94 00:10:04,043 --> 00:10:06,813 いやしい物狂いに違いありませぬ 95 00:10:06,813 --> 00:10:11,113 うむ 義兄弟の私でさえ 聞いたことがないのだから 96 00:10:14,420 --> 00:10:17,290 ほう 玄徳公が蜀に入られたか 97 00:10:17,290 --> 00:10:20,193 よおし フコウまで出迎えに参るぞ 98 00:10:20,193 --> 00:10:22,862 それはなりませぬ! 劉備を蜀に招くのは 99 00:10:22,862 --> 00:10:25,165 虎を引き入れるようなものです 100 00:10:25,165 --> 00:10:29,769 黙れ 玄徳公はわが同族 助けを頼んでどこが悪い 101 00:10:29,769 --> 00:10:32,172 さよう 劉備殿に頼らねば 102 00:10:32,172 --> 00:10:35,642 内外不穏の折から 蜀は危機に陥るでしょう 103 00:10:35,642 --> 00:10:38,511 張松の言う通りだ 再び いさめる者は 104 00:10:38,511 --> 00:10:41,911 この劉璋が斬る 心得よ 105 00:10:55,929 --> 00:10:58,832 おお 玄徳公におわすか 106 00:10:58,832 --> 00:11:01,734 劉璋殿 わざわざお出迎え 107 00:11:01,734 --> 00:11:04,003 かたじけのうござる 108 00:11:04,003 --> 00:11:06,603 お待ちしておりましたぞ 109 00:11:08,842 --> 00:11:11,744 身どもはかような若輩で 他国の英雄たちに 110 00:11:11,744 --> 00:11:13,713 くみしていく才覚もなく 111 00:11:13,713 --> 00:11:16,049 心細く思っていたところです 112 00:11:16,049 --> 00:11:18,751 何とぞ お力をお貸しくだされ 113 00:11:18,751 --> 00:11:21,120 この玄徳を信じていただけるなら 114 00:11:21,120 --> 00:11:23,623 手を携えて 蜀を栄えさせましょう 115 00:11:23,623 --> 00:11:26,492 ありがとう 116 00:11:26,492 --> 00:11:29,992 はははは 117 00:11:32,198 --> 00:11:34,298 手はずはよいか… 118 00:11:45,778 --> 00:11:48,548 せっかくのご宴席に 着いたばかりの我々には 119 00:11:48,548 --> 00:11:51,584 何の座興もございませんので 120 00:11:51,584 --> 00:11:53,887 ふつつかながら剣舞をひと刺し 121 00:11:53,887 --> 00:11:56,087 ご覧に興じたく存じます 122 00:11:59,058 --> 00:12:01,558 では! 123 00:12:12,405 --> 00:12:15,675 よいか 魏延が劉璋に一太刀浴びせたら 124 00:12:15,675 --> 00:12:20,075 直ちに突っ込め 蜀の重臣共の首は残らず討ち取れ 125 00:12:43,736 --> 00:12:48,074 あいや 剣舞は相手がなければ 形になりますまい 126 00:12:48,074 --> 00:12:50,874 それがしがお相手つかまつる 127 00:12:58,051 --> 00:13:00,119 いやあ面白い 128 00:13:00,119 --> 00:13:03,323 それがしも加えてくれ 129 00:13:03,323 --> 00:13:06,526 我らも 130 00:13:06,526 --> 00:13:09,426 武舞をお見せしよう 131 00:13:13,933 --> 00:13:16,836 下がれ 132 00:13:16,836 --> 00:13:19,272 下がらぬか 余と劉璋殿は 133 00:13:19,272 --> 00:13:23,276 同じ漢王室の血を引く 兄弟同然のよしみであるぞ 134 00:13:23,276 --> 00:13:26,045 せっかくのうたげに かような物騒な剣技を 135 00:13:26,045 --> 00:13:29,649 競い合うとは無礼である 今 直ちに剣を捨てぬ者は 136 00:13:29,649 --> 00:13:31,651 余が斬って捨てるぞ 137 00:13:31,651 --> 00:13:34,120 玄徳閣下の仰せに従わぬ者は 138 00:13:34,120 --> 00:13:36,220 処罰するぞ 139 00:13:40,059 --> 00:13:43,663 ホウ統 そちの差し金だな 140 00:13:43,663 --> 00:13:45,598 殿 蜀の家臣たちには 141 00:13:45,598 --> 00:13:48,935 殿のお命をうかがおうとする 動きが見えます 142 00:13:48,935 --> 00:13:50,870 この機を逃がさず 劉璋を討ち取って 143 00:13:50,870 --> 00:13:52,805 武力で屈服させなければ 144 00:13:52,805 --> 00:13:55,441 黙らぬか! たとえ劉璋殿の部下に 145 00:13:55,441 --> 00:13:57,410 不心得者がいたとしても 146 00:13:57,410 --> 00:14:00,013 それを理由に武力に訴えては 始めから 147 00:14:00,013 --> 00:14:03,616 余に野心があったと見られても 仕方ないではないか 148 00:14:03,616 --> 00:14:08,121 そちはこの玄徳を 不義の道に陥れようというのか 149 00:14:08,121 --> 00:14:11,090 殿! 150 00:14:11,090 --> 00:14:13,190 一大事でございます 151 00:14:20,299 --> 00:14:23,503 劉璋殿 何か異変でも? 152 00:14:23,503 --> 00:14:26,939 恐れていたことが 漢中の張魯の一族が 153 00:14:26,939 --> 00:14:30,139 国境を破って 領内に侵入してきたのです 154 00:14:36,516 --> 00:14:39,919 葭萌関のとりでを もし失うようなことになれば 155 00:14:39,919 --> 00:14:42,522 彼らの勢いは 止めようがありません 156 00:14:42,522 --> 00:14:44,757 劉璋殿 葭萌関の守備には 157 00:14:44,757 --> 00:14:47,260 私が参りましょう あなたが? 158 00:14:47,260 --> 00:14:50,229 お任せください 張魯軍は 159 00:14:50,229 --> 00:14:52,829 必ず食い止めてご覧にいれます 160 00:14:56,936 --> 00:14:59,772 もし劉璋が心変わりして 背後から我らを 161 00:14:59,772 --> 00:15:02,675 襲うようなことがあれば 張魯軍との板挟みになって 162 00:15:02,675 --> 00:15:05,011 全滅するしかありますまい 163 00:15:05,011 --> 00:15:07,914 葭萌関へ赴くのは 墓場に入るようなものです 164 00:15:07,914 --> 00:15:11,284 劉璋殿の疑いを解くには この難役を買って出るしか 165 00:15:11,284 --> 00:15:14,554 なかったのだ 全てはそこもとがまいた 166 00:15:14,554 --> 00:15:17,654 種ではないか 黙ってついてくるがよい 167 00:15:23,262 --> 00:15:28,134 老師 あの中に 私の父はおりましょうか? 168 00:15:28,134 --> 00:15:31,604 関羽将軍のお姿らしきものは 見えんな 169 00:15:31,604 --> 00:15:34,173 多分 荊州に残っておられるのかも 170 00:15:34,173 --> 00:15:37,076 やっぱり 171 00:15:37,076 --> 00:15:39,479 それなら私が父の代わりに 172 00:15:39,479 --> 00:15:42,215 玄徳様のお供をします 173 00:15:42,215 --> 00:15:44,884 よしなさい 姫を関羽公の娘御だと 174 00:15:44,884 --> 00:15:49,422 信じてくれる者は あの中には一人もおるまい 175 00:15:49,422 --> 00:15:53,126 だからこそ玄徳様に 万一のことがあれば 176 00:15:53,126 --> 00:15:55,528 男に勝る手柄を立てて 177 00:15:55,528 --> 00:15:59,732 関羽の娘だという証しを 立てたいのでございます 178 00:15:59,732 --> 00:16:02,635 そうしなければ 荊州にいるお父さまも 179 00:16:02,635 --> 00:16:05,505 我が子だと 信じてはくださらないでしょう 180 00:16:05,505 --> 00:16:08,007 お別れしたのは 私がまだ目も見えない 181 00:16:08,007 --> 00:16:10,843 赤子の時でしたから 182 00:16:10,843 --> 00:16:13,546 ぐあーきーぎゃぎゃ 183 00:16:13,546 --> 00:16:16,182 きーぎゃぎゃ やかましい! 184 00:16:16,182 --> 00:16:19,218 耳が潰れるではないか 分かっとる 分かっとる 185 00:16:19,218 --> 00:16:21,854 18 年もの間 父を乞うて 186 00:16:21,854 --> 00:16:26,692 泣いてきた娘の気持ちは このわしが一番よう知っとる 187 00:16:26,692 --> 00:16:28,628 しかし焦って無理をしてはいかん 188 00:16:28,628 --> 00:16:31,631 時期を待つのじゃ 時期というのは? 189 00:16:31,631 --> 00:16:34,167 姫が関羽公の血筋であることを 190 00:16:34,167 --> 00:16:37,470 理解してくれる御仁が 必ず現れる 191 00:16:37,470 --> 00:16:41,340 その時こそ わしが伝授した 天書三巻の秘術を駆使して 192 00:16:41,340 --> 00:16:45,211 その御仁を助け 関羽の娘と名乗り出るがよい 193 00:16:45,211 --> 00:16:48,948 さすれば父君との対面も 必ずやかなうじゃろう 194 00:16:48,948 --> 00:16:51,217 そのお方は どこにおられるのですか? 195 00:16:51,217 --> 00:16:55,087 案ずることはない いずれ向こうからやってくる 196 00:16:55,087 --> 00:16:59,692 どれ わしもちょっくら 天下の形勢を見てくるとするか 197 00:16:59,692 --> 00:17:02,962 あ 老師 198 00:17:02,962 --> 00:17:05,231 その頃 曹操と孫権は 199 00:17:05,231 --> 00:17:08,768 長江を挟んで再び対じしていた 200 00:17:08,768 --> 00:17:11,237 だが やむことのない長雨に 201 00:17:11,237 --> 00:17:14,640 両軍は疲れ果て 決戦を迎えることもなく 202 00:17:14,640 --> 00:17:16,709 互いに陣を引いたのである 203 00:17:16,709 --> 00:17:18,909 仕方ない 撤退しよう 204 00:17:25,218 --> 00:17:29,088 そして孫権は その矛先を直ちに玄徳に向けて 205 00:17:29,088 --> 00:17:31,788 秘策をめぐらせていた 206 00:17:34,860 --> 00:17:36,796 孫権殿からの親書では 207 00:17:36,796 --> 00:17:39,699 玄徳公はいずれは 我が国を乗っ取るであろうと 208 00:17:39,699 --> 00:17:43,502 書かれている どこまで信じてよいのだろうか 209 00:17:43,502 --> 00:17:47,073 それこそ我らが かねがね 憂いていたことと合致します 210 00:17:47,073 --> 00:17:50,443 直ちに玄徳公を討って 呉と親交を結ぶことが 211 00:17:50,443 --> 00:17:53,346 国家安泰の道です そのような不義は 212 00:17:53,346 --> 00:17:55,715 天が許しませんぞ 213 00:17:55,715 --> 00:17:58,618 今が今 我らに代わって 張魯軍を防いでいる 214 00:17:58,618 --> 00:18:02,021 玄徳公の誠意を信ずべきだ 215 00:18:02,021 --> 00:18:06,025 現に相次ぐ苦戦で 援軍3万 兵糧 10 万石 216 00:18:06,025 --> 00:18:10,129 直ちに送ってほしいと 使者が駆け付けているではないか 217 00:18:10,129 --> 00:18:12,765 うぬは玄徳と通じておるのだろう 218 00:18:12,765 --> 00:18:16,669 売国奴はうせろ! うわあ 219 00:18:16,669 --> 00:18:19,672 殿 あとは我らにお任せください 220 00:18:19,672 --> 00:18:21,807 わ 私は今更 玄徳公を 221 00:18:21,807 --> 00:18:23,809 裏切るようなことは出来ん 222 00:18:23,809 --> 00:18:26,145 玄徳の方で 我らを裏切るように 223 00:18:26,145 --> 00:18:28,645 仕向ければよろしいのです 224 00:18:34,320 --> 00:18:37,223 劉璋殿からの援軍はまだ来ぬか 225 00:18:37,223 --> 00:18:39,558 使いを出して もう2ヵ月 226 00:18:39,558 --> 00:18:43,562 返事のないのが 劉璋の答えなのかもしれませんぞ 227 00:18:43,562 --> 00:18:45,798 殿! 228 00:18:45,798 --> 00:18:49,001 ただ今 成都から 援軍と兵糧が到着しました 229 00:18:49,001 --> 00:18:51,401 おお 来たか 230 00:18:59,512 --> 00:19:01,947 これが劉璋殿がよこした 231 00:19:01,947 --> 00:19:03,983 援軍と兵糧か 232 00:19:03,983 --> 00:19:08,054 これでは正兵3万 兵糧 10 万石という我々の要請は 233 00:19:08,054 --> 00:19:10,956 無視されたも同然です 234 00:19:10,956 --> 00:19:14,356 おのれ 恩知らずの劉璋め 235 00:19:19,665 --> 00:19:23,202 殿 これで劉璋との 縁は切れましたな 236 00:19:23,202 --> 00:19:26,405 ホウ統 この上はどうしたものであろう 237 00:19:26,405 --> 00:19:28,774 3つの策がございます 238 00:19:28,774 --> 00:19:31,277 上の策は これより直ちに道を返して 239 00:19:31,277 --> 00:19:34,580 劉璋の居城 成都を 攻め落とすこと 240 00:19:34,580 --> 00:19:36,982 中の策は いつでも荊州に戻れる態勢で 241 00:19:36,982 --> 00:19:40,786 一番近い フ水関の要塞を奪うこと 242 00:19:40,786 --> 00:19:43,556 下の策は いったん荊州に引き上げて 243 00:19:43,556 --> 00:19:46,926 態勢を立て直した上で 蜀に攻め入ること 244 00:19:46,926 --> 00:19:49,829 いずれにせよ これ以上 この葭萌関にとどまることは 245 00:19:49,829 --> 00:19:53,132 自滅するだけです 張魯軍に背後を突かれぬか? 246 00:19:53,132 --> 00:19:55,634 思い切って撤退してしまえば かえって用心して 247 00:19:55,634 --> 00:19:57,570 進んではこんでしょう 248 00:19:57,570 --> 00:20:00,373 よおし 分かった 兵も疲れているから 249 00:20:00,373 --> 00:20:04,143 万全を喫して 中の策を取ろう 250 00:20:04,143 --> 00:20:06,746 出陣だ フ水関に向かうぞ 251 00:20:06,746 --> 00:20:09,146 おおー! 252 00:20:13,119 --> 00:20:16,389 うおお ホウ統 大丈夫か 253 00:20:16,389 --> 00:20:18,691 戦いの門出に落馬とは不吉だ 254 00:20:18,691 --> 00:20:21,694 そこもとは遅れて発つがよい さような迷信は 255 00:20:21,694 --> 00:20:24,830 手前は信じておりませぬ ご心配なく 256 00:20:24,830 --> 00:20:26,766 待て それなら 257 00:20:26,766 --> 00:20:30,603 わしの馬と取り換えてやろう 258 00:20:30,603 --> 00:20:33,603 殿 かたじけのうござる 259 00:20:42,181 --> 00:20:45,017 孔明 私が投げたさいは 260 00:20:45,017 --> 00:20:49,355 吉なのか凶なのか 教えてくれ 261 00:20:49,355 --> 00:20:52,324 諸葛孔明は玄徳の留守を守って 262 00:20:52,324 --> 00:20:56,962 荊州の都 襄陽城にとどまっていた 263 00:20:56,962 --> 00:21:00,599 それでは 遠く離れた フ城におられる玄徳公と 264 00:21:00,599 --> 00:21:03,269 我が遠征軍の無事を祈って 265 00:21:03,269 --> 00:21:05,204 あっ 266 00:21:05,204 --> 00:21:08,507 軍師殿 いかがなされましたか? ああ 267 00:21:08,507 --> 00:21:11,410 今 天コウ星が西に流れ落ちた 268 00:21:11,410 --> 00:21:15,281 千里のうちにある我が軍に 大いなる敗戦があったか 269 00:21:15,281 --> 00:21:18,517 将たる者の命が失われたか 270 00:21:18,517 --> 00:21:21,787 いずれかの災いが 起こったに違いない 271 00:21:21,787 --> 00:21:25,458 将たる者と言われますと? 急いで対策を考えねばならぬ 272 00:21:25,458 --> 00:21:29,158 すぐ各地の将軍 諸侯を 呼び集めてくれ 273 00:21:32,231 --> 00:21:35,331 青蛉の関より ただ今 到着致しました 274 00:21:39,705 --> 00:21:42,475 武陵より駆け付けた 張飛だ 開門! 275 00:21:42,475 --> 00:21:46,278 趙雲 江陵よりはせ参じました 276 00:21:46,278 --> 00:21:50,983 遠路 ご苦労でした 急用というのは他でもない 277 00:21:50,983 --> 00:21:53,719 それがしは これより直ちに蜀遠征に出向いて 278 00:21:53,719 --> 00:21:56,088 殿をお守りしなければならぬ 279 00:21:56,088 --> 00:21:58,123 ついては おのおの方のご協力を 280 00:21:58,123 --> 00:22:00,459 ぜひとも得ておきたいのです 281 00:22:00,459 --> 00:22:03,929 お待ちくだされ 遠征軍にはホウ統殿が軍師として 282 00:22:03,929 --> 00:22:05,898 付いておられるではないか 283 00:22:05,898 --> 00:22:09,068 そこもとまで 出向く必要はないと思うが 284 00:22:09,068 --> 00:22:14,440 ホウ統は戦死しました えっ ホウ統殿が戦死 285 00:22:14,440 --> 00:22:17,409 そんな知らせは どっからも聞いておらんぞ 286 00:22:17,409 --> 00:22:21,113 星占いで分かったことです 間もなく訃報を知らせる急使が 287 00:22:21,113 --> 00:22:23,313 ここへ到着するでしょう 288 00:22:27,887 --> 00:22:30,789 申し上げます 289 00:22:30,789 --> 00:22:34,460 ただ今 遠征軍より関平殿が お戻りになられました 290 00:22:34,460 --> 00:22:36,395 おお 関平 291 00:22:36,395 --> 00:22:39,365 父上 軍師殿 292 00:22:39,365 --> 00:22:41,767 殿より火急の知らせにございます 293 00:22:41,767 --> 00:22:43,702 ホウ統が死んだのだな 294 00:22:43,702 --> 00:22:47,206 はっ そのことをどうして? 295 00:22:47,206 --> 00:22:49,241 それより いかなる戦況だったのだ 296 00:22:49,241 --> 00:22:53,679 それを早く申せ はっ 我が軍は蜀の要所 297 00:22:53,679 --> 00:22:55,915 フ水関を難なく占領致し 298 00:22:55,915 --> 00:22:58,484 次なる敵の根拠地 ラク城に 299 00:22:58,484 --> 00:23:00,920 攻めかかった時でございます 300 00:23:00,920 --> 00:23:03,756 おわっ あの先頭の白馬に乗っているのが 301 00:23:03,756 --> 00:23:06,556 玄徳だ あいつを狙え! 302 00:23:13,098 --> 00:23:15,668 うわあ 軍師殿! 303 00:23:15,668 --> 00:23:18,168 うわあ 304 00:23:24,677 --> 00:23:26,877 軍師殿! 305 00:23:34,453 --> 00:23:36,553 くそう 306 00:23:39,191 --> 00:23:42,628 殿! 307 00:23:42,628 --> 00:23:45,130 殿 落鳳坡で軍師殿が 308 00:23:45,130 --> 00:23:47,730 何 ホウ統が? 309 00:23:56,108 --> 00:23:58,708 ホウ統! 310 00:24:00,779 --> 00:24:03,716 ホウ統… 311 00:24:03,716 --> 00:24:08,253 鳳雛先生は私の身代わりで 死んだようなものだ 312 00:24:08,253 --> 00:24:10,189 それで 殿はいかがされておられる? 313 00:24:10,189 --> 00:24:13,058 敵将 張任 冷苞の抵抗が激しく 314 00:24:13,058 --> 00:24:17,458 フ城のとりでにこもって 進退を決めかねておいでです 315 00:24:19,832 --> 00:24:22,434 聞かれた通りです 316 00:24:22,434 --> 00:24:25,638 この上は それがしが一刻も早く 戦場にはせ参じて 317 00:24:25,638 --> 00:24:27,706 殿をお助けするしかない 318 00:24:27,706 --> 00:24:30,576 軍師殿 この荊州が万全であってこその 319 00:24:30,576 --> 00:24:33,812 蜀遠征でござろう 我が君の名代である 320 00:24:33,812 --> 00:24:35,814 そこもとが荊州を離れたら 321 00:24:35,814 --> 00:24:38,684 この地は誰が守るとお考えなのか 322 00:24:38,684 --> 00:24:41,587 それは関羽殿 そこもとにお任せする 323 00:24:41,587 --> 00:24:45,124 めっそうもない わしはそのような大任は 324 00:24:45,124 --> 00:24:47,993 将軍 こうしてご養子の関平殿を 325 00:24:47,993 --> 00:24:50,462 使者に遣わしたのは そこもとに 326 00:24:50,462 --> 00:24:52,398 荊州守備の任を頼むという 327 00:24:52,398 --> 00:24:55,167 殿のご意向があったからに 違いないのです 328 00:24:55,167 --> 00:24:58,070 今 蜀遠征に失態を演ずれば 329 00:24:58,070 --> 00:25:01,507 天下三分の計は 根底から崩れることになり 330 00:25:01,507 --> 00:25:04,507 曹操の思うままの世に なってしまうのです 331 00:25:06,412 --> 00:25:09,948 関羽殿 ぜひとも力を尽くしてくだされ 332 00:25:09,948 --> 00:25:13,719 兄者 この大事な時に臆するのは 兄者らしくないぞ 333 00:25:13,719 --> 00:25:17,022 黙って軍師殿の命令に従うべきだ 334 00:25:17,022 --> 00:25:19,324 これは 我が君からお預かりした 335 00:25:19,324 --> 00:25:22,227 荊州の領主の印綬です 336 00:25:22,227 --> 00:25:25,564 この印綬を奉じて 北の曹操の侵略を防ぎ 337 00:25:25,564 --> 00:25:29,935 東は呉の孫権と和を結んで 事なきをはかる 338 00:25:29,935 --> 00:25:34,306 それが将軍の使命です しかとお頼み申しますぞ 339 00:25:34,306 --> 00:25:36,842 大丈夫たる者 いったんお引き受けした以上は 340 00:25:36,842 --> 00:25:40,079 死を賭しても大任を果たし申す 341 00:25:40,079 --> 00:25:42,815 いや軽々しく 死を口にしてはならぬ 342 00:25:42,815 --> 00:25:44,817 必ず 必ず我らの帰国を 343 00:25:44,817 --> 00:25:47,686 待っていただきたい 344 00:25:47,686 --> 00:25:50,086 お言葉 胸に畳んでおきます 345 00:25:52,224 --> 00:25:54,560 兄者 留守を頼んだぞ 346 00:25:54,560 --> 00:25:56,995 長兄によろしく伝えてくれ 347 00:25:56,995 --> 00:25:58,995 うむ 348 00:26:48,781 --> 00:26:51,984 ああっ 349 00:26:51,984 --> 00:26:54,219 わっ 雪崩だ 350 00:26:54,219 --> 00:26:57,122 うわあ 351 00:26:57,122 --> 00:26:59,122 おわあ 352 00:27:05,364 --> 00:27:07,833 馬良 馬良 353 00:27:07,833 --> 00:27:10,169 軍師殿 ここから早く脱出を 354 00:27:10,169 --> 00:27:12,471 ええい 馬を引けい 355 00:27:12,471 --> 00:27:14,571 はあっ 356 00:27:16,875 --> 00:27:19,075 はあっ 357 00:27:21,313 --> 00:27:23,615 諸葛孔明 358 00:27:23,615 --> 00:27:25,918 命をもらうぞ! 359 00:27:25,918 --> 00:27:27,853 何者だ 名を名乗れ 360 00:27:27,853 --> 00:27:29,822 涼州の浪人 馬超 361 00:27:29,822 --> 00:27:32,291 蜀を征服するのは この俺だ 362 00:27:32,291 --> 00:27:35,561 邪魔者はうせろ! 363 00:27:35,561 --> 00:27:38,463 てやあ 364 00:27:38,463 --> 00:27:41,163 はあっ へあっ 365 00:27:44,236 --> 00:27:47,940 ぐわあ おわあ 366 00:27:47,940 --> 00:27:50,440 ぐあっ 367 00:27:57,115 --> 00:27:59,915 はっ 368 00:28:03,889 --> 00:28:07,359 はっ おわっ 369 00:28:07,359 --> 00:28:09,759 うわっ 370 00:28:13,098 --> 00:28:16,568 おのれ 涼州の馬超と知って 勝負する気か! 371 00:28:16,568 --> 00:28:19,368 下郎 この刀が受けられるか! 372 00:29:05,484 --> 00:29:07,419 とおーっ!けっけっ 373 00:29:07,419 --> 00:29:10,289 このけだものめ 今だ! 374 00:29:10,289 --> 00:29:12,689 このっ! けっけやーっ 375 00:29:17,062 --> 00:29:21,266 けやーっ うわあ 376 00:29:21,266 --> 00:29:24,136 軍師殿! あれを! 377 00:29:24,136 --> 00:29:26,071 きゃーっ 378 00:29:26,071 --> 00:29:28,540 くそう この勝負お預けだ 引けい! 379 00:29:28,540 --> 00:29:31,443 はっ それ 380 00:29:31,443 --> 00:29:35,314 軍師殿 ご無事でしたか 381 00:29:35,314 --> 00:29:38,283 思わぬ義きょうの御仁に 助けられた 382 00:29:38,283 --> 00:29:41,119 劉備玄徳公の軍師を務める 383 00:29:41,119 --> 00:29:43,989 諸葛孔明という者です 384 00:29:43,989 --> 00:29:46,689 ご尊名を聞かせていただけぬか 385 00:29:49,394 --> 00:29:52,331 名乗りを上げるほどの者では ございませぬ 386 00:29:52,331 --> 00:29:55,767 どうかご容赦を いや 女性の身でありながら 387 00:29:55,767 --> 00:29:59,638 ただ今の武勇 孔明 感じ入りました 388 00:29:59,638 --> 00:30:02,441 さだめし由緒ある家柄の姫君かと 389 00:30:02,441 --> 00:30:04,941 お見受けするが 390 00:30:08,714 --> 00:30:11,016 姫が関羽公の血筋であることを 391 00:30:11,016 --> 00:30:14,453 理解してくれる御仁が必ず現れる 392 00:30:14,453 --> 00:30:19,124 その時こそ わしが伝授した 天書三巻の秘術を駆使して 393 00:30:19,124 --> 00:30:23,395 その御仁を助け 関羽の娘と名乗るがよい 394 00:30:23,395 --> 00:30:27,632 私は関羽の娘 鳳姫と申す者でございます 395 00:30:27,632 --> 00:30:32,132 ええっ あはははははははは 396 00:30:50,322 --> 00:30:54,493 関羽将軍の姫君とも知らず 失礼つかまつった 397 00:30:54,493 --> 00:30:57,693 孔明 改めてお礼を申し上げる 398 00:31:00,399 --> 00:31:02,699 ああ… 399 00:31:07,139 --> 00:31:11,009 信じていただけるのですか 私を 400 00:31:11,009 --> 00:31:14,880 その汚れなきお目元 お声 りんりんたるご気性 401 00:31:14,880 --> 00:31:19,151 まるでお父上に お会いしているような思いです 402 00:31:19,151 --> 00:31:22,751 姫にお会い出来たのは それがし 一生の光栄です 403 00:31:25,690 --> 00:31:27,626 孔明先生 404 00:31:27,626 --> 00:31:30,529 姫 この上は我らと行を共にして 405 00:31:30,529 --> 00:31:33,298 お力を貸していただけませんか 406 00:31:33,298 --> 00:31:36,968 はい 私もそのつもりで 407 00:31:36,968 --> 00:31:39,571 玄徳様は今 ラク城を総攻撃して 408 00:31:39,571 --> 00:31:42,774 苦戦が続いているとの うわさでございます 409 00:31:42,774 --> 00:31:45,710 一刻も早く 助勢に駆け付けなければ 410 00:31:45,710 --> 00:31:49,448 ラク城の総攻撃を 411 00:31:49,448 --> 00:31:51,416 突撃! 412 00:31:51,416 --> 00:31:53,819 玄徳軍はろう城する 413 00:31:53,819 --> 00:31:57,689 張任 冷苞軍を相手に 苦戦を強いられ 414 00:31:57,689 --> 00:32:00,389 戦いは1週間に及んでいた 415 00:32:02,561 --> 00:32:04,761 東門を突破しろ 416 00:32:07,365 --> 00:32:10,265 うわっ 417 00:32:12,637 --> 00:32:15,637 おわあ うわあ 418 00:32:18,443 --> 00:32:22,881 ご覧の通り 玄徳軍は すっかり疲れ果てております 419 00:32:22,881 --> 00:32:27,719 玄徳軍をフ城から引き出し ラク城で疲れ果てさす 誘引の計 420 00:32:27,719 --> 00:32:30,355 見事にはまりおったわ 421 00:32:30,355 --> 00:32:33,692 お前たち二人は この東門の黄忠 魏延を相手に 422 00:32:33,692 --> 00:32:37,295 釘付けにしてくれ わしはこの西門から打って出て 423 00:32:37,295 --> 00:32:39,231 玄徳を討つ 424 00:32:39,231 --> 00:32:41,666 その間 一隊は裏山の間道から 425 00:32:41,666 --> 00:32:44,566 玄徳の背後に回り 逃げ道を断つ 426 00:32:47,506 --> 00:32:50,106 これで玄徳の逃げ道はない 427 00:32:52,611 --> 00:32:55,881 張任 しびれを切らして出てきたか 428 00:32:55,881 --> 00:32:57,816 かかれい 429 00:32:57,816 --> 00:33:00,016 うわあ 430 00:33:05,557 --> 00:33:09,427 いつの間に背後に回られた 431 00:33:09,427 --> 00:33:11,927 突撃 432 00:33:38,924 --> 00:33:41,660 殿ー! 433 00:33:41,660 --> 00:33:45,030 敵は東門から討って出 黄忠 義延が苦戦 434 00:33:45,030 --> 00:33:47,365 我が軍は完全に分断されました 435 00:33:47,365 --> 00:33:50,165 くそう 計られたか 436 00:33:58,977 --> 00:34:01,377 退けい 退けい 437 00:34:08,153 --> 00:34:10,253 逃がすな! 438 00:34:25,003 --> 00:34:27,072 わしの命もこれまでか 439 00:34:27,072 --> 00:34:29,441 ひっ捕らえろ! 440 00:34:29,441 --> 00:34:33,311 長兄! 張飛 来てくれたのか 441 00:34:33,311 --> 00:34:35,547 いや 遅れて申し訳ない 442 00:34:35,547 --> 00:34:37,582 実は孔明軍師殿の命令で 443 00:34:37,582 --> 00:34:40,185 重慶を攻め落としていたのです 444 00:34:40,185 --> 00:34:42,988 この張飛が来た以上 もう冷や汗かくようなことは 445 00:34:42,988 --> 00:34:45,657 ございませんぞ 天下にとどろく 446 00:34:45,657 --> 00:34:48,360 燕人 張飛とは俺のことだ 447 00:34:48,360 --> 00:34:50,760 張飛が 448 00:35:01,506 --> 00:35:03,775 誰だ! 張任 449 00:35:03,775 --> 00:35:06,111 この城は諸葛孔明がもらった 450 00:35:06,111 --> 00:35:10,081 早々に成都に戻って 劉璋殿に領地を明け渡すよう 451 00:35:10,081 --> 00:35:13,385 忠告してやるがよい 452 00:35:13,385 --> 00:35:17,555 うぬ一人で何が出来る? 血祭りに上げろ! 453 00:35:17,555 --> 00:35:20,458 待て! 454 00:35:20,458 --> 00:35:24,262 副将 冷苞の首は この馬良が討ち取ったぞ 455 00:35:24,262 --> 00:35:26,462 そらあ! 456 00:35:34,873 --> 00:35:37,873 くそう 退けい 457 00:35:45,317 --> 00:35:49,020 この先は地獄だ 458 00:35:49,020 --> 00:35:52,320 迷わぬように この趙雲が送ってやる! 459 00:36:03,968 --> 00:36:08,506 えい えい おー! 460 00:36:08,506 --> 00:36:11,409 軍師殿 お見事な作戦だった 461 00:36:11,409 --> 00:36:14,746 これでホウ統の供養も出来ました 462 00:36:14,746 --> 00:36:17,782 殿 最後の仕上げは 成都の攻略です 463 00:36:17,782 --> 00:36:20,452 直ちに出陣のご命令を 464 00:36:20,452 --> 00:36:23,088 うむ 465 00:36:23,088 --> 00:36:25,323 こうして玄徳の遠征軍は 466 00:36:25,323 --> 00:36:28,423 成都へ破竹の進撃を続けた 467 00:36:50,315 --> 00:36:52,851 ん? 敵か 468 00:36:52,851 --> 00:36:56,721 西方から流れ込んだ 馬超という浪人の私兵です 469 00:36:56,721 --> 00:36:59,557 蜀の地を侵略するつもりで 我々を目のかたきに 470 00:36:59,557 --> 00:37:01,493 しているのです 471 00:37:01,493 --> 00:37:04,763 馬超という名は聞いている 472 00:37:04,763 --> 00:37:08,333 曹操に殺された 西涼大将 馬騰のせがれで 473 00:37:08,333 --> 00:37:11,336 勇猛果敢な騎馬戦で慣らした男だ 474 00:37:11,336 --> 00:37:14,139 油断はならんぞ お待ちください 475 00:37:14,139 --> 00:37:16,875 前に一度 手合わせしたことがあります 476 00:37:16,875 --> 00:37:19,175 それがしが説得してみましょう 477 00:37:21,212 --> 00:37:25,150 馬超 今度は 前のようなわけにはいかんぞ 478 00:37:25,150 --> 00:37:27,952 我が軍には 張飛 趙雲の豪傑もいる 479 00:37:27,952 --> 00:37:30,321 むざむざ命を捨てるつもりか 480 00:37:30,321 --> 00:37:33,224 待ってくれ そこにおられる劉備閣下は 481 00:37:33,224 --> 00:37:37,629 諸国の賢人 武将を 厚く迎い入れるお方と聞いている 482 00:37:37,629 --> 00:37:41,900 西涼の馬超 張魯の下では 父のかたき 曹操は討てぬと決め 483 00:37:41,900 --> 00:37:45,170 本日ただ今 貴軍に投降してまいった 484 00:37:45,170 --> 00:37:49,170 よく言ってくれた 胸襟を開いて迎えようぞ 485 00:37:56,581 --> 00:38:00,452 馬超 今日より臣下として 従うことをお誓い申す 486 00:38:00,452 --> 00:38:04,956 劉備閣下 わが赤心を酌まれよ 487 00:38:04,956 --> 00:38:07,525 将軍 488 00:38:07,525 --> 00:38:09,594 そこもとの父のかたき 曹操は 489 00:38:09,594 --> 00:38:12,764 余にとっても 不倶戴天の敵でもある 490 00:38:12,764 --> 00:38:15,667 共に手を携えて討とうではないか 491 00:38:15,667 --> 00:38:18,570 ありがたき仰せ 感謝つかまつる 492 00:38:18,570 --> 00:38:20,538 ついては土産代わりの手柄に 493 00:38:20,538 --> 00:38:22,540 それがしが成都に乗り込んで 494 00:38:22,540 --> 00:38:25,410 劉璋に開城を勧めてまいりたい 495 00:38:25,410 --> 00:38:28,213 劉璋と我が一族は 昔から国境を接して 496 00:38:28,213 --> 00:38:31,115 しのぎを削ってきた相手 497 00:38:31,115 --> 00:38:34,315 気合いは十分承知してござる 498 00:38:38,923 --> 00:38:41,292 何 援軍は来ぬと? 499 00:38:41,292 --> 00:38:44,195 さよう 張魯は漢寧王の称号欲しさに 500 00:38:44,195 --> 00:38:46,998 蜀には一兵の援軍も送らぬ 501 00:38:46,998 --> 00:38:49,033 蜀 41 州などもらわなくとも 502 00:38:49,033 --> 00:38:53,338 自分の力で蜀全土を 手に入れられると考えている 503 00:38:53,338 --> 00:38:55,707 それ故 この馬超 張魯に愛想を尽かし 504 00:38:55,707 --> 00:38:57,942 玄徳公のもとに下った 505 00:38:57,942 --> 00:39:01,346 玄徳公はここに 曹操の手の届かぬ国をつくり 506 00:39:01,346 --> 00:39:03,815 曹操が帝の位を狙っているのを 507 00:39:03,815 --> 00:39:06,084 防ごうとしているのだ 508 00:39:06,084 --> 00:39:08,084 あ あー 509 00:39:19,531 --> 00:39:22,467 こうして 劉璋は自ら蜀王の印綬を 510 00:39:22,467 --> 00:39:25,003 劉備玄徳に手渡し 511 00:39:25,003 --> 00:39:28,003 城を明け渡したのである 512 00:39:31,876 --> 00:39:34,379 余が一兵の血も流さずに 513 00:39:34,379 --> 00:39:36,314 成都へ入城出来たのは 514 00:39:36,314 --> 00:39:38,850 貴下の功労が第一である 515 00:39:38,850 --> 00:39:43,087 よって 平西将軍に任じ 褒賞を授ける 516 00:39:43,087 --> 00:39:45,087 身に余る光栄に存じます 517 00:39:50,428 --> 00:39:52,363 殿 この馬超と戦って 518 00:39:52,363 --> 00:39:54,832 降伏を決意させた人物にも 519 00:39:54,832 --> 00:39:57,135 ご恩賞を賜りたいのですが 520 00:39:57,135 --> 00:39:59,804 そのような英雄がいるとは 知らなかった 521 00:39:59,804 --> 00:40:03,804 すぐにこれへ すでに参上しております 522 00:40:14,319 --> 00:40:18,019 関羽将軍のご令嬢 鳳姫殿にございます 523 00:40:20,124 --> 00:40:22,994 鳳姫? ではいつぞや 524 00:40:22,994 --> 00:40:26,431 余に矢文を射かけたあの時の はい 525 00:40:26,431 --> 00:40:29,200 すると関羽の娘だという 526 00:40:29,200 --> 00:40:32,170 あのうわさは誠であったのか 527 00:40:32,170 --> 00:40:34,973 それがしが 身元をお引き受けしている以上 528 00:40:34,973 --> 00:40:37,342 間違いはございません 529 00:40:37,342 --> 00:40:40,378 あの関羽殿の娘御だったのか この人は 530 00:40:40,378 --> 00:40:43,147 どうりでわしも 歯が立たなかったはずだ 531 00:40:43,147 --> 00:40:45,416 いや恐れ入った 532 00:40:45,416 --> 00:40:47,919 はははははは 533 00:40:47,919 --> 00:40:50,188 殿 姫は幼き折 534 00:40:50,188 --> 00:40:53,024 御父君と別れて以来 今日まで 535 00:40:53,024 --> 00:40:56,394 親子の情が 断ち切られたままなのです 536 00:40:56,394 --> 00:40:59,631 何とぞ格別なお計らいで 関羽殿とのご対面を 537 00:40:59,631 --> 00:41:02,166 おとりなしくだされますよう 538 00:41:02,166 --> 00:41:04,135 そうであったか 539 00:41:04,135 --> 00:41:06,404 余と関羽は義兄弟の仲 540 00:41:06,404 --> 00:41:08,640 鳳姫殿は余の娘も同然じゃ 541 00:41:08,640 --> 00:41:11,009 いかようにも力になろうぞ 542 00:41:11,009 --> 00:41:14,879 ぐー 長兄 関羽の兄貴もこんな絶世の美女が 543 00:41:14,879 --> 00:41:17,882 我が娘だと知ったら 飛び上がって喜びますな 544 00:41:17,882 --> 00:41:20,551 早速 荊州へ送る恩賞の使者として 545 00:41:20,551 --> 00:41:23,087 姫を遣わされては? うん それがいい 546 00:41:23,087 --> 00:41:27,425 姫 余の名代として 直ちに荊州に発つがよい 547 00:41:27,425 --> 00:41:30,425 ご厚恩 ありがたくお受け致します 548 00:41:35,033 --> 00:41:37,335 おいおい 549 00:41:37,335 --> 00:41:40,204 黙って行くのか 550 00:41:40,204 --> 00:41:42,540 老師! どうじゃ 551 00:41:42,540 --> 00:41:44,475 わしの言った通りじゃろう 552 00:41:44,475 --> 00:41:46,711 ありがとうございました 老師 553 00:41:46,711 --> 00:41:50,581 礼はまだ早い 荊州には暗雲が立ち込めておるぞ 554 00:41:50,581 --> 00:41:54,252 早くおやじ殿の力に なってやるがよい 555 00:41:54,252 --> 00:41:57,552 はい さらば 556 00:42:03,928 --> 00:42:06,597 この頃 曹操もまた 557 00:42:06,597 --> 00:42:09,434 漢の皇帝 献帝を脅迫して 558 00:42:09,434 --> 00:42:12,336 魏の国の王位についていた 559 00:42:12,336 --> 00:42:16,207 劉備玄徳ごときが 蜀 41 州の王座におさまるとは 560 00:42:16,207 --> 00:42:18,443 何たる厚かましさだ 561 00:42:18,443 --> 00:42:20,745 そちたちは黙って見逃す気か 562 00:42:20,745 --> 00:42:23,781 されば 直ちに 遠征の軍を起こし 563 00:42:23,781 --> 00:42:26,250 まず漢中の張魯を下して 564 00:42:26,250 --> 00:42:30,188 ここを根拠地とし 呉の孫権の動向をうかがってのち 565 00:42:30,188 --> 00:42:34,859 対策を講ずるのが 万全と存じます 566 00:42:34,859 --> 00:42:37,795 よくぞ申した すぐ出陣の支度を致せ 567 00:42:37,795 --> 00:42:40,264 生ぬるいお考えですな 568 00:42:40,264 --> 00:42:45,937 司馬懿か 意見があれば申してみよ 569 00:42:45,937 --> 00:42:48,840 蜀の軍師 諸葛孔明という男は 570 00:42:48,840 --> 00:42:52,477 並大抵の知恵者ではありませんぞ 571 00:42:52,477 --> 00:42:55,179 時間が経てば 国の隅々に至るまで 572 00:42:55,179 --> 00:42:57,415 目を光らせて 大強国を 573 00:42:57,415 --> 00:42:59,650 つくり上げてしまうでしょう 574 00:42:59,650 --> 00:43:01,586 そうなってからでは手遅れです 575 00:43:01,586 --> 00:43:04,622 国の統一が不十分な今のうちこそ 576 00:43:04,622 --> 00:43:08,126 一気に蜀に攻め入って 滅ぼすべきです 577 00:43:08,126 --> 00:43:10,995 戦も知らん青臭い書生の分際で 578 00:43:10,995 --> 00:43:12,930 さような大遠征を強行して 579 00:43:12,930 --> 00:43:16,534 国の守りが がら空きになってる隙に 580 00:43:16,534 --> 00:43:19,837 呉の孫権に攻め込まれたら どうする気じゃ! 581 00:43:19,837 --> 00:43:24,575 孫権の狙いは 関羽が尻を据えている荊州です 582 00:43:24,575 --> 00:43:27,345 あんなところは黙って くれてやればよろしい 583 00:43:27,345 --> 00:43:30,214 蜀をとってしまったら 呉の国なんぞは 584 00:43:30,214 --> 00:43:32,150 いともたやすく潰せます 585 00:43:32,150 --> 00:43:34,886 大口は慎め 586 00:43:34,886 --> 00:43:37,522 今 一足飛びに 蜀まで遠征しようというのは 587 00:43:37,522 --> 00:43:41,425 欲張りすぎじゃ まず漢中を平定しよう 588 00:43:41,425 --> 00:43:44,128 そういう消極的な作戦では 589 00:43:44,128 --> 00:43:48,666 孔明の反撃を受けて 追い返されるのが関の山です 590 00:43:48,666 --> 00:43:52,666 黙れ 軍を動かすのは このわしじゃ 591 00:43:55,973 --> 00:43:58,376 呉の孫権もまた 592 00:43:58,376 --> 00:44:01,279 領土の拡張に動き始めていた 593 00:44:01,279 --> 00:44:03,915 玄徳は蜀まで 手に入れたではないか 594 00:44:03,915 --> 00:44:07,151 荊州をいつまでも やつに渡しておくことはない 595 00:44:07,151 --> 00:44:10,054 即刻 取り戻せ しかしながら あの地には 596 00:44:10,054 --> 00:44:12,456 関羽という剛の者が 597 00:44:12,456 --> 00:44:14,992 関羽一人ぐらいの 首も討ち取れんで 598 00:44:14,992 --> 00:44:17,792 大都督といえるか 599 00:44:31,576 --> 00:44:35,379 ところで将軍 玄徳公も蜀という大きな国を 600 00:44:35,379 --> 00:44:37,849 得られたことでもあるし 601 00:44:37,849 --> 00:44:40,284 以前から 紛糾の種になっている荊州を 602 00:44:40,284 --> 00:44:43,921 この際 我が国に お譲りいただけませんかな 603 00:44:43,921 --> 00:44:45,990 荊州に紛糾などありません 604 00:44:45,990 --> 00:44:48,659 この関羽が無事に治めておる 605 00:44:48,659 --> 00:44:51,562 しかしあの土地は 赤壁の戦いの大勝利で 606 00:44:51,562 --> 00:44:54,465 本来 我が軍が 占領していたはずのところ… 607 00:44:54,465 --> 00:44:56,801 魯粛殿! 608 00:44:56,801 --> 00:44:59,537 かような酒の席で 交渉ごとを持ち出すのは 609 00:44:59,537 --> 00:45:03,808 非礼ではござらぬか 貴殿の招待を快く受けたればこそ 610 00:45:03,808 --> 00:45:06,811 拙者もご覧の通り 手薄な供回りだけで 611 00:45:06,811 --> 00:45:09,013 単身 参ったのでござる 612 00:45:09,013 --> 00:45:12,383 それとも本日は さかな代わりに拙者の首を 613 00:45:12,383 --> 00:45:15,219 ご所望なさっておられるのかな 614 00:45:15,219 --> 00:45:17,719 めっそうもない 615 00:45:21,993 --> 00:45:24,061 閣下 こんな無礼なじじいは 616 00:45:24,061 --> 00:45:27,431 手前がぶん殴ってやります 馬鹿もん! 617 00:45:27,431 --> 00:45:30,234 貴様の出る幕ではないわ 618 00:45:30,234 --> 00:45:32,734 船に戻っておれ 619 00:45:35,506 --> 00:45:40,711 ん?合図だ よし 急げ 620 00:45:40,711 --> 00:45:43,481 いやあ 拙者も少々酔いが回った 621 00:45:43,481 --> 00:45:46,350 あははは これ以上 深酒すると 622 00:45:46,350 --> 00:45:49,553 どんな悪口が飛び出すかも 分からんので 623 00:45:49,553 --> 00:45:51,856 これで失礼致す 624 00:45:51,856 --> 00:45:54,425 おお お主は 孫権公の右腕といわれる 625 00:45:54,425 --> 00:45:57,725 呂蒙殿ではないか 出迎えご苦労 626 00:46:06,938 --> 00:46:10,808 魯粛殿 ごちそうに相成った 呂蒙殿 わしの首が欲しければ 627 00:46:10,808 --> 00:46:14,478 戦場で堂々ととりにくるがよい 628 00:46:14,478 --> 00:46:16,547 くそっ 今一歩のところで 629 00:46:16,547 --> 00:46:19,216 ご安心ください 部下の甘寧が 630 00:46:19,216 --> 00:46:21,152 早舟で待機しています 631 00:46:21,152 --> 00:46:24,352 沖に出たら船ごと 水の中 632 00:46:30,194 --> 00:46:33,194 待ち伏せだ 父上 油断召されるな 633 00:46:40,805 --> 00:46:44,442 打て 634 00:46:44,442 --> 00:46:47,242 おのれ! 635 00:46:51,549 --> 00:46:53,749 はっ 636 00:47:15,506 --> 00:47:18,309 父上… 637 00:47:18,309 --> 00:47:20,811 おお おお 今し方の御女性 638 00:47:20,811 --> 00:47:23,514 かたじけのうござった それがし 639 00:47:23,514 --> 00:47:25,449 関羽雲長と申すもの 640 00:47:25,449 --> 00:47:28,352 いずれのご家中の方でござるか? 641 00:47:28,352 --> 00:47:30,688 名は鳳姫と申します 642 00:47:30,688 --> 00:47:33,424 お父上 お懐かしゅうございます 643 00:47:33,424 --> 00:47:38,729 私を父とは? 私には血を分けた娘はおらぬが 644 00:47:38,729 --> 00:47:41,098 お前だな?蜀の山中で 645 00:47:41,098 --> 00:47:43,401 関羽の娘などと名乗って 646 00:47:43,401 --> 00:47:46,337 殿の御馬前に 矢文を射かけたのは 647 00:47:46,337 --> 00:47:49,507 父上 こいつめは父上の名をかたって 648 00:47:49,507 --> 00:47:52,176 女だてらに 一旗あげようとたくらんでいる 649 00:47:52,176 --> 00:47:55,579 食わせ者です 周倉 ひっ捕らえい 650 00:47:55,579 --> 00:47:58,616 お待ちください 私は真実のことを 651 00:47:58,616 --> 00:48:01,385 申し上げていただけです ええい 神妙にしろ! 652 00:48:01,385 --> 00:48:04,321 父上! 653 00:48:04,321 --> 00:48:07,625 父上 654 00:48:07,625 --> 00:48:10,025 お父上! 655 00:48:12,463 --> 00:48:15,666 ああっ お願いがございます 656 00:48:15,666 --> 00:48:21,105 拙者に出来ることなら 聞いてあげるが 657 00:48:21,105 --> 00:48:24,675 これは昔 父が私を人手に預ける時に 658 00:48:24,675 --> 00:48:28,412 証拠の品として残していった ひた垂の一部です 659 00:48:28,412 --> 00:48:30,347 これを父に見せてくださったら 660 00:48:30,347 --> 00:48:32,683 きっと疑いを 解いてくださるはずです 661 00:48:32,683 --> 00:48:35,219 お願いします 662 00:48:35,219 --> 00:48:37,154 こんな物が将軍の… 663 00:48:37,154 --> 00:48:40,424 どんな素性の女であれ わしを助けてくれたことに 664 00:48:40,424 --> 00:48:43,327 変わりはない あまり責めたてないで 665 00:48:43,327 --> 00:48:45,629 大目に見てやるがよい 666 00:48:45,629 --> 00:48:48,899 は 城外に追放することに致します 667 00:48:48,899 --> 00:48:53,237 ただ今 蜀の成都より 大殿様からの恩賞が届きました 668 00:48:53,237 --> 00:48:57,074 遠路ご苦労じゃった 早速 殿のお言葉を承ろう 669 00:48:57,074 --> 00:49:00,945 あいや 玄徳公の御名代は 我らより一足先に 670 00:49:00,945 --> 00:49:03,848 当城に着いておられるはずですが 671 00:49:03,848 --> 00:49:06,417 はて 何というお方じゃ? 672 00:49:06,417 --> 00:49:09,653 将軍のご令嬢 鳳姫様でございます 673 00:49:09,653 --> 00:49:14,325 鳳姫?ではあの女が 674 00:49:14,325 --> 00:49:17,228 これは解せぬ この関羽 生涯妻をめとらず 675 00:49:17,228 --> 00:49:19,763 従って血を分けた娘もおらぬ 676 00:49:19,763 --> 00:49:23,634 それを玄徳公は わしの娘だと認められたのか? 677 00:49:23,634 --> 00:49:26,270 大殿ばかりか 軍師 孔明殿が 678 00:49:26,270 --> 00:49:28,572 身元の保証人になられて 679 00:49:28,572 --> 00:49:30,574 閣下とのご対面がかなうようにと 680 00:49:30,574 --> 00:49:33,544 御名代として遣わされたのです 681 00:49:33,544 --> 00:49:37,148 軍師殿までが? 閣下 あの女がこれをぜひ 682 00:49:37,148 --> 00:49:41,418 閣下のお目に かけていただきたいと 683 00:49:41,418 --> 00:49:43,354 うーん 684 00:49:43,354 --> 00:49:46,957 父上 その布切れにお心当たりでも? 685 00:49:46,957 --> 00:49:50,561 もう 20 年も昔になる 686 00:49:50,561 --> 00:49:54,861 わしたちが徐州で 袁術の軍と戦った時のことじゃ 687 00:49:58,769 --> 00:50:01,205 うわああ 688 00:50:01,205 --> 00:50:05,009 ぐわああ 689 00:50:05,009 --> 00:50:09,009 うわあああ 690 00:50:10,948 --> 00:50:14,451 下郎! 691 00:50:14,451 --> 00:50:17,688 きゃああ 692 00:50:17,688 --> 00:50:21,992 ああ!すまぬ しっかりせい 693 00:50:21,992 --> 00:50:23,928 あああ… あ… あ… 694 00:50:23,928 --> 00:50:26,664 ああ 695 00:50:26,664 --> 00:50:30,134 うわーん うわーん 696 00:50:30,134 --> 00:50:33,804 あー あーん うわーん 697 00:50:33,804 --> 00:50:37,441 誰かこの子をみてやってくれんか 礼はするぞ 698 00:50:37,441 --> 00:50:42,079 そこにほっときゃあ 山犬が食って片付けてくれるだ 699 00:50:42,079 --> 00:50:44,379 ああ… 700 00:50:46,450 --> 00:50:49,353 わしは徐州の 劉備玄徳公に仕える武将 701 00:50:49,353 --> 00:50:52,623 関羽という者じゃ この子はわしの娘だ 702 00:50:52,623 --> 00:50:54,625 戦が終わって引き取りにくるまで 703 00:50:54,625 --> 00:50:56,860 大事に育ててやってくれ 704 00:50:56,860 --> 00:51:01,131 これがわしの娘だという証しじゃ 705 00:51:01,131 --> 00:51:04,431 頼むぞ よいな へえ 706 00:51:11,775 --> 00:51:13,744 わしの子と言えば 捨てられて 707 00:51:13,744 --> 00:51:17,681 むごい目に遭うようなことは あるまいと思ったのじゃ 708 00:51:17,681 --> 00:51:21,185 だが戦に明け暮れているうちに 記憶も薄れ 709 00:51:21,185 --> 00:51:24,088 今日まで一度も 思い出すことはなかった 710 00:51:24,088 --> 00:51:26,991 そんな薄情な仮親を 忘れもせずに 711 00:51:26,991 --> 00:51:30,861 ここまで慕ってくるとは ふびんな娘よ 712 00:51:30,861 --> 00:51:34,231 父上 事情も知らずに 疑ってかかった私が 713 00:51:34,231 --> 00:51:37,201 悪かったのです どうかあの方を 私の妹として 714 00:51:37,201 --> 00:51:40,037 お迎えしてやってください 715 00:51:40,037 --> 00:51:42,673 孔明軍師殿も 多分 閣下のそのような 716 00:51:42,673 --> 00:51:45,576 お人柄をご承知の上で 鳳姫様の身元を 717 00:51:45,576 --> 00:51:50,414 お引き受けになられたのでしょう 718 00:51:50,414 --> 00:51:52,883 き き きいー 719 00:51:52,883 --> 00:51:55,853 小猿 心配してくれてありがとう 720 00:51:55,853 --> 00:51:59,223 でも私はもう ここから出ないつもりなの 721 00:51:59,223 --> 00:52:01,158 お前は四川の古里の山へ 722 00:52:01,158 --> 00:52:03,658 帰ってちょうだい 723 00:52:08,666 --> 00:52:11,135 我が子よ 娘よ 724 00:52:11,135 --> 00:52:14,638 愛を忘れたこの父を許してくれ 725 00:52:14,638 --> 00:52:16,874 わしは年をとり過ぎた 726 00:52:16,874 --> 00:52:18,809 戦場の勝敗に溺れて 727 00:52:18,809 --> 00:52:21,278 血肉を分けた そなたの上に 728 00:52:21,278 --> 00:52:24,982 思いが及ばなかった 恨みがあるなら聞こう 729 00:52:24,982 --> 00:52:27,851 情があるなら共に泣こう 730 00:52:27,851 --> 00:52:33,057 さあ わしの懐に 飛び込んでくるがよい 731 00:52:33,057 --> 00:52:36,527 さあ! 732 00:52:36,527 --> 00:52:38,827 父上! 733 00:53:22,106 --> 00:53:24,608 閣下!成都より 734 00:53:24,608 --> 00:53:27,010 火急の使者でございます 何ごとじゃ 735 00:53:27,010 --> 00:53:29,713 申し上げます 曹操の大軍 40 万が 736 00:53:29,713 --> 00:53:33,250 漢中に攻め入り 五斗米道の張魯を下して 737 00:53:33,250 --> 00:53:35,786 陽平関より 我が蜀の領土を 738 00:53:35,786 --> 00:53:37,788 侵さんとしております 739 00:53:37,788 --> 00:53:40,057 曹操が漢中にか 740 00:53:40,057 --> 00:53:42,025 は! 大殿は直ちに 741 00:53:42,025 --> 00:53:44,928 軍師孔明殿 張飛 趙雲 馬超 742 00:53:44,928 --> 00:53:47,798 各将軍を従えて 成都を出陣 743 00:53:47,798 --> 00:53:50,734 ただ今 漢水のほとり 定軍山に陣を敷いて 744 00:53:50,734 --> 00:53:54,872 曹操軍と一進一退の決戦を 繰り広げております 745 00:53:54,872 --> 00:53:58,342 その旨 将軍にも お知らせするようにと 746 00:53:58,342 --> 00:54:02,179 ついにきたか 関平 直ちに出陣の支度にかかれ 747 00:54:02,179 --> 00:54:04,581 お待ちください 閣下 748 00:54:04,581 --> 00:54:07,484 閣下の任務は この荊州を守ることです 749 00:54:07,484 --> 00:54:10,387 軽はずみなご出馬はなりません わしが行かんで 750 00:54:10,387 --> 00:54:13,056 誰が曹操の首を討ち取れるか 751 00:54:13,056 --> 00:54:14,992 出陣じゃ 出陣じゃ 752 00:54:14,992 --> 00:54:19,630 父上 私にお任せください 黙れ! 753 00:54:19,630 --> 00:54:21,565 長兄 玄徳公と張飛 754 00:54:21,565 --> 00:54:26,003 このわしの三人は 同じ日に死ぬと誓った義兄弟じゃ 755 00:54:26,003 --> 00:54:27,938 おめおめと座して見ておれるか 756 00:54:27,938 --> 00:54:31,575 わしは行かなければならんのじゃ 757 00:54:31,575 --> 00:54:33,510 父上 758 00:54:33,510 --> 00:54:37,347 私に父上の名代を 務めさせてくださいまし 759 00:54:37,347 --> 00:54:39,283 お前が? 760 00:54:39,283 --> 00:54:42,019 それが私の夢でございました 761 00:54:42,019 --> 00:54:44,588 いつの日か 父上にお会い出来る日が来たら 762 00:54:44,588 --> 00:54:50,194 この体を投げ打って 一生一度の親孝行をしたいと 763 00:54:50,194 --> 00:54:53,794 父上 私に行かせてください 764 00:54:56,433 --> 00:54:59,369 せっかくこうして 結ばれた親子の絆を 765 00:54:59,369 --> 00:55:02,172 自分で断ち切って いこうというのか 766 00:55:02,172 --> 00:55:05,172 いいえ すぐに戻ってまいります 767 00:55:08,078 --> 00:55:10,714 それ程までに思っているのなら 768 00:55:10,714 --> 00:55:13,684 行くがよい それでこそ わが娘じゃ 769 00:55:13,684 --> 00:55:16,353 はい お父様もお達者で 770 00:55:16,353 --> 00:55:18,853 うむ 771 00:55:28,866 --> 00:55:30,801 ムシロ売りの玄徳はおるか 772 00:55:30,801 --> 00:55:35,072 その物々しい行列は 天子を気取ってのものまねか 773 00:55:35,072 --> 00:55:37,074 見苦しいぞ 曹操 774 00:55:37,074 --> 00:55:41,011 黙れ 人の恩も忘れた国賊め 775 00:55:41,011 --> 00:55:44,448 この漢中は わしが張魯から譲り受けた領土だ 776 00:55:44,448 --> 00:55:46,383 今すぐ旗を巻いて うせろ 777 00:55:46,383 --> 00:55:48,986 この土地は人民のものだ 778 00:55:48,986 --> 00:55:50,954 力ずくで領土を奪う貴様に 779 00:55:50,954 --> 00:55:54,558 漢中王の資格はない 早々に立ち去れ 780 00:55:54,558 --> 00:55:56,827 身の程知らぬ下郎め 781 00:55:56,827 --> 00:55:59,696 それ 蹴散らせ 782 00:55:59,696 --> 00:56:02,196 はあああ! 783 00:56:30,694 --> 00:56:34,398 よおし引け 引けい 逃がすな 追え 784 00:56:34,398 --> 00:56:37,698 漢水の岸辺に追い込めば こっちのもんだ 785 00:56:43,540 --> 00:56:46,740 敵がおるぞ 引けえ 786 00:56:53,050 --> 00:56:56,150 今だ 突撃! 787 00:57:02,626 --> 00:57:05,195 引くな 引く者は斬るぞ 788 00:57:05,195 --> 00:57:07,795 三方を囲まれました 何? 789 00:57:11,868 --> 00:57:13,868 殿 ひとまず あの丘へ 790 00:57:19,610 --> 00:57:22,145 さすが長坂橋のつわものども 791 00:57:22,145 --> 00:57:24,545 ここはひとまず 陽平関へ退却しよう 792 00:57:26,850 --> 00:57:28,950 逃がすな! 793 00:57:39,463 --> 00:57:42,366 来たか 曹操 794 00:57:42,366 --> 00:57:44,835 ん? 馬超か 795 00:57:44,835 --> 00:57:47,838 陽平関はすでに落ちた 曹操 今こそお前に 796 00:57:47,838 --> 00:57:50,574 殺された父のかたき はらそうぞ 797 00:57:50,574 --> 00:57:53,274 構わん 突っ込め 798 00:57:59,616 --> 00:58:02,216 今だ! 799 00:58:09,593 --> 00:58:12,193 引けい 引けい 800 00:58:31,948 --> 00:58:34,748 曹操 待っていたぞ 801 00:58:41,658 --> 00:58:44,058 突撃! 802 00:58:46,229 --> 00:58:48,829 殿 さあ早く 803 00:58:58,275 --> 00:59:00,375 追え! 804 00:59:04,514 --> 00:59:07,384 ご苦労じゃのう どこへ運ぶんじゃ? 805 00:59:07,384 --> 00:59:10,420 斜谷の曹操様のご陣屋ですだ 806 00:59:10,420 --> 00:59:13,490 曹操がそんなに たくさんのみかんを食うのか 807 00:59:13,490 --> 00:59:15,992 この前の戦いで前歯を欠いたので 808 00:59:15,992 --> 00:59:18,829 みかんしか食べられないと 聞いてますだ 809 00:59:18,829 --> 00:59:21,732 いやあ こっちはおかげで こんな重い荷物を背負わされて 810 00:59:21,732 --> 00:59:24,634 ああ よしよし 少し軽くしてやろう 811 00:59:24,634 --> 00:59:28,505 おお? ほれ ほれ 812 00:59:28,505 --> 00:59:31,041 これで軽くなったろ? あはは 813 00:59:31,041 --> 00:59:33,477 こりゃ空籠みてえだ 814 00:59:33,477 --> 00:59:37,047 仙人様 ありがとうごぜえますだ 815 00:59:37,047 --> 00:59:39,783 おーほっほほ 816 00:59:39,783 --> 00:59:42,783 さてと 忙しいことになるぞ 817 00:59:51,228 --> 00:59:54,765 ただ今 温州より みかんが到着致しました 818 00:59:54,765 --> 00:59:57,165 うん はようこれへ 819 01:00:00,904 --> 01:00:03,874 どれどれ 820 01:00:03,874 --> 01:00:07,074 何じゃ これは? 中身が空じゃないか 821 01:00:10,080 --> 01:00:13,717 あああ… 822 01:00:13,717 --> 01:00:15,917 ああ ん? 823 01:00:18,188 --> 01:00:22,726 あああ… ううう… 824 01:00:22,726 --> 01:00:25,362 貴様たち わしをからかっとるのか 825 01:00:25,362 --> 01:00:27,831 全員打ち首じゃ お お待ちください 826 01:00:27,831 --> 01:00:31,531 そう言えば人足たちが 奇妙な仙人に出会ったと 827 01:00:39,442 --> 01:00:42,479 きーっき きっきっき! 828 01:00:42,479 --> 01:00:45,782 どうしたの 小猿 829 01:00:45,782 --> 01:00:47,717 どうした? 830 01:00:47,717 --> 01:00:50,921 曹操の手下が こっちに向かってきてるようです 831 01:00:50,921 --> 01:00:53,957 あとは私がけりをつけますから 逃げてください 832 01:00:53,957 --> 01:00:57,694 お前さんの術では まだ曹操に太刀打ち出来んよ 833 01:00:57,694 --> 01:01:00,096 ま わしに任せて あとの手はずを 834 01:01:00,096 --> 01:01:03,396 つけといてくれりゃあええ さ 早く 835 01:01:08,171 --> 01:01:10,173 あのじじいだ ひっ捕らえい! 836 01:01:10,173 --> 01:01:12,273 は! 837 01:01:15,912 --> 01:01:18,815 誰に頼まれて みかんの中身を盗んだ 838 01:01:18,815 --> 01:01:20,915 言わんか! 839 01:01:23,420 --> 01:01:25,820 こいつ 840 01:01:28,258 --> 01:01:31,828 何? 7日間1滴の水も飲まんだと 841 01:01:31,828 --> 01:01:34,631 はい それなのに 肌の色も変わらず 842 01:01:34,631 --> 01:01:39,369 元気そのもので 何とも化け物みたいなやつで 843 01:01:39,369 --> 01:01:41,872 その方たちは たぶらかされておるのじゃ 844 01:01:41,872 --> 01:01:43,807 世が直々に調べる 845 01:01:43,807 --> 01:01:46,207 ここへ引き出せ ははあ 846 01:01:48,511 --> 01:01:53,250 素性は何もんじゃ 姓は左 名は慈 847 01:01:53,250 --> 01:01:55,552 人呼んで烏角先生とも申すな 848 01:01:55,552 --> 01:01:59,422 峨眉山中で道術を学ぶこと 30 年 849 01:01:59,422 --> 01:02:02,125 1日 1000 頭の羊を食っても 満足せず 850 01:02:02,125 --> 01:02:05,462 10 年間水を飲まずとも 生気は衰えぬ 851 01:02:05,462 --> 01:02:09,366 わしをへこまそうとしても 無駄なことじゃよ 852 01:02:09,366 --> 01:02:13,236 余に言いたいことでもあって おかしな術を使っとるのか 853 01:02:13,236 --> 01:02:17,073 さすが天下の奸雄 いかにも言いたいことはある 854 01:02:17,073 --> 01:02:20,644 申してみ 漢中の人民は 戦争で傷つき 855 01:02:20,644 --> 01:02:23,179 家を失い 路頭にしんぎんしておるわい 856 01:02:23,179 --> 01:02:26,783 直ちに兵を引き上げるべしじゃ 857 01:02:26,783 --> 01:02:29,719 劉備玄徳を追い出せば ここも平和になる 858 01:02:29,719 --> 01:02:32,589 玄徳公は人民の代表じゃ 出て行くのは 859 01:02:32,589 --> 01:02:35,825 お前さんの方じゃよ 860 01:02:35,825 --> 01:02:38,561 ふん 貧乏道士が世迷いごとを 861 01:02:38,561 --> 01:02:41,498 よろしい 貴様の道術とやらで 862 01:02:41,498 --> 01:02:43,833 余の欲するものを ここに出してみたら 863 01:02:43,833 --> 01:02:46,469 言い分通りにしてやってもよい 864 01:02:46,469 --> 01:02:51,007 もし出来んようなら この場で首をはねるぞ 865 01:02:51,007 --> 01:02:53,910 何なりと お望みのものを 866 01:02:53,910 --> 01:02:56,880 んん… 867 01:02:56,880 --> 01:03:02,018 この地では咲かぬという ボタンの花が見たい 868 01:03:02,018 --> 01:03:04,118 たやすいこと 869 01:03:14,898 --> 01:03:17,300 ああ! あああ! 870 01:03:17,300 --> 01:03:20,203 んんん… 871 01:03:20,203 --> 01:03:23,573 千里の先にある 紹興のスズキを食べたいが 872 01:03:23,573 --> 01:03:26,473 ここで釣れるか いかにも 873 01:03:33,950 --> 01:03:36,586 うわっ! 874 01:03:36,586 --> 01:03:39,489 んん… 875 01:03:39,489 --> 01:03:41,424 そんなものでごまかされるか 876 01:03:41,424 --> 01:03:44,624 龍の肝を食いたい 龍の肝をこれへ出せ 877 01:03:54,104 --> 01:03:56,673 えい! おのれ 妖術使いめ 878 01:03:56,673 --> 01:03:59,509 生かしてはおけん 879 01:03:59,509 --> 01:04:02,412 ああ… 斬れい 残らず斬れい 880 01:04:02,412 --> 01:04:05,312 は! あっ 881 01:04:07,817 --> 01:04:10,117 ああああ… 882 01:04:15,892 --> 01:04:17,861 はははは 見たか 曹操 883 01:04:17,861 --> 01:04:20,530 これが人民の力じゃ 884 01:04:20,530 --> 01:04:23,867 ははははは あああ… 885 01:04:23,867 --> 01:04:28,271 ああ… ああ 886 01:04:28,271 --> 01:04:32,971 大変だ! 蜀軍が大挙攻め込んできまーす 887 01:05:01,171 --> 01:05:04,007 老師 ありがとうございました 888 01:05:04,007 --> 01:05:07,377 これで私も 父との約束が果たせました 889 01:05:07,377 --> 01:05:10,947 まだじゃよ 曹操にもまして恐るべき大敵が 890 01:05:10,947 --> 01:05:13,183 あそこにおるわい 891 01:05:13,183 --> 01:05:15,118 司馬懿というあの男 892 01:05:15,118 --> 01:05:18,888 必ず報復を考えているはずじゃ 893 01:05:18,888 --> 01:05:21,825 姫 早く荊州に帰るべしじゃ 894 01:05:21,825 --> 01:05:24,828 老師 私が父の元へ戻ったら 895 01:05:24,828 --> 01:05:28,198 この小猿は 一人ぼっちになってしまいます 896 01:05:28,198 --> 01:05:32,068 荊州へ帰る前に この子を 四川のふるさとへ送り返して 897 01:05:32,068 --> 01:05:35,438 人並みな言葉が話せるように してやりたいのですけど 898 01:05:35,438 --> 01:05:38,041 うーん そうじゃの 899 01:05:38,041 --> 01:05:41,441 わしもこんなやかましいやつの 面倒は見きれんしのう 900 01:05:50,120 --> 01:05:53,990 貴国と我が国とは 本来何の恨みもございませんのに 901 01:05:53,990 --> 01:05:57,861 長年 戦争状態にあったのは 全て諸葛孔明の口車に 902 01:05:57,861 --> 01:06:00,597 乗せられたが故でございます 903 01:06:00,597 --> 01:06:05,101 されば この際 貴国は 全力をもって荊州の関羽を討伐し 904 01:06:05,101 --> 01:06:09,405 我が軍は再度 漢中に進撃して 両軍 力を合わせて 905 01:06:09,405 --> 01:06:12,909 蜀に攻め入れば 玄徳一味を滅亡に追い込むのは 906 01:06:12,909 --> 01:06:17,213 たやすいことです かくて長江以南は貴国が統治し 907 01:06:17,213 --> 01:06:21,684 北方は我が国が納めれば 天下太平も夢にあらず 908 01:06:21,684 --> 01:06:26,222 以上が 我が君よりの 申し伝えにございます 909 01:06:26,222 --> 01:06:28,722 曹操殿のお考えはよく分かった 910 01:06:41,437 --> 01:06:45,108 あの方は? 先代 孫策様の娘婿 911 01:06:45,108 --> 01:06:49,879 陸遜殿でござる 陸遜 ただ者ではありませんな 912 01:06:49,879 --> 01:06:54,050 天下広しと言えども 諸葛孔明に対抗出来る軍略家は 913 01:06:54,050 --> 01:06:59,322 この司馬懿とあの陸遜殿の 二人だけかもしれませんぞ 914 01:06:59,322 --> 01:07:01,724 曹操は名うての策士だ 915 01:07:01,724 --> 01:07:05,895 うかつに兵を動かすと つけ込まれる恐れもあるが 916 01:07:05,895 --> 01:07:09,899 曹操は漢中へ出兵中 道術に惑わされて以来 917 01:07:09,899 --> 01:07:12,969 頭痛を病んでいると 聞いております 918 01:07:12,969 --> 01:07:15,872 定めし 弱気になって 我が国の側面炎上を 919 01:07:15,872 --> 01:07:19,842 望んでいるに違いありません この際 荊州を攻撃して 920 01:07:19,842 --> 01:07:24,380 曹操に貸しを作っておくのも 将来のためになりましょう 921 01:07:24,380 --> 01:07:28,251 それなら思い切って 曹操の膝元の徐州を攻めた方が 922 01:07:28,251 --> 01:07:33,523 勝負が早いではないか いやあ 徐州は平原の中の都 923 01:07:33,523 --> 01:07:37,927 水軍で鍛えた我が軍は 陸上の戦闘は不得意でござる 924 01:07:37,927 --> 01:07:41,698 水路の通ずる荊州なら 攻めようもござる 925 01:07:41,698 --> 01:07:43,766 その水路ですが 926 01:07:43,766 --> 01:07:46,436 関羽は我々の進行に備えて 927 01:07:46,436 --> 01:07:50,273 長江沿いの 20 里ごとのせきに のろし台を築き 928 01:07:50,273 --> 01:07:53,576 日夜 監視を怠っておらぬとのことです 929 01:07:53,576 --> 01:07:57,347 防備を固めた関羽の軍隊と 正面からぶつかり合って 930 01:07:57,347 --> 01:08:01,150 勝てる成算は 残念ながら 拙者にはござらん 931 01:08:01,150 --> 01:08:03,152 それなら 関羽の背後を突けば 932 01:08:03,152 --> 01:08:05,421 よろしいでしょう 933 01:08:05,421 --> 01:08:08,858 背後というと? 今 長江を挟んで 934 01:08:08,858 --> 01:08:13,696 関羽の軍隊と対じしているのは 呂蒙将軍 あなたです 935 01:08:13,696 --> 01:08:16,733 あなたの勇猛さを知っているから 関羽は警戒を 936 01:08:16,733 --> 01:08:19,035 厳しくしているのです 937 01:08:19,035 --> 01:08:21,671 もし 呂蒙将軍が病気を装って 938 01:08:21,671 --> 01:08:25,275 前線から退き 曹操の軍に北方で 939 01:08:25,275 --> 01:08:28,778 陽動作戦をとってもらえば 関羽は安心して全軍を 940 01:08:28,778 --> 01:08:32,448 その方へ振り向けるでしょう その時を逃さず 941 01:08:32,448 --> 01:08:35,451 一気に背後を突いて 荊州に攻め入るのです 942 01:08:35,451 --> 01:08:38,821 なかなかの名案じゃ しかし 呂蒙将軍が 943 01:08:38,821 --> 01:08:43,126 仮病を使ってくれたとして 後の司令官には誰がなるのじゃ 944 01:08:43,126 --> 01:08:46,129 それは陸遜殿を置いて 他にはあるまい 945 01:08:46,129 --> 01:08:48,931 いえ 手前のような若輩が 946 01:08:48,931 --> 01:08:51,301 そのような大任はとても 947 01:08:51,301 --> 01:08:54,203 先に病で倒れた 大都督魯粛が 948 01:08:54,203 --> 01:08:56,739 余に言い残していったことがある 949 01:08:56,739 --> 01:09:00,109 計りごとは陸遜に尋ねよとな 950 01:09:00,109 --> 01:09:03,012 そちを呂蒙に代えて 指令官に任命する 951 01:09:03,012 --> 01:09:05,012 おっ… はあ 952 01:09:13,022 --> 01:09:15,391 陸遜の作戦に基づいて 953 01:09:15,391 --> 01:09:17,327 直ちに曹操の一群が 954 01:09:17,327 --> 01:09:21,864 北方から荊州に侵入した 955 01:09:21,864 --> 01:09:23,866 何 樊城が落とされたと 956 01:09:23,866 --> 01:09:27,270 ははあ 敵軍は総大将 総陣以下およそ8万 957 01:09:27,270 --> 01:09:30,640 我が守備軍の力では 到底支えきれず… 958 01:09:30,640 --> 01:09:33,176 父上 すぐ出兵しましょう 959 01:09:33,176 --> 01:09:36,079 いや 長江の対岸には呂蒙の軍が 960 01:09:36,079 --> 01:09:38,981 虎視眈々と隙をうかがっておる 961 01:09:38,981 --> 01:09:41,918 うかつには動けんのじゃ 成都に使者を送り 962 01:09:41,918 --> 01:09:44,018 孔明軍師殿の 策を聞いてからにしよう 963 01:09:46,222 --> 01:09:49,892 ただいま 呉郡の前線司令官 陸遜殿が 964 01:09:49,892 --> 01:09:52,395 新任のごあいさつに お目通り願いたいと 965 01:09:52,395 --> 01:09:55,398 言ってきておりまするが 陸遜… 966 01:09:55,398 --> 01:09:57,398 聞いたことのない名じゃのう 967 01:10:00,436 --> 01:10:04,207 呂蒙殿はいかがなされた はあ… 以前から 968 01:10:04,207 --> 01:10:07,677 胸を病んでおりましたのが 悪化致しまして 969 01:10:07,677 --> 01:10:11,180 それで貴殿が代わりの司令官に 任命されたのか 970 01:10:11,180 --> 01:10:14,617 はあ… かような新参者でございますが 971 01:10:14,617 --> 01:10:17,653 両国のよしみを 一層深めていただければ 972 01:10:17,653 --> 01:10:20,089 それがしも お役目が果たせますので 973 01:10:20,089 --> 01:10:23,489 よしよし そのぐらいの顔なら いくらでも立ててやろうぞ 974 01:10:35,705 --> 01:10:39,842 はあー はははははは! 見たか あの腰抜けぶりを 975 01:10:39,842 --> 01:10:43,546 あんな男を司令官に選ぶようでは 孫権も知れたものじゃ 976 01:10:43,546 --> 01:10:47,383 関平 全軍を出動させて 樊城を奪回するのじゃ 977 01:10:47,383 --> 01:10:49,652 はっ! 閣下 念のため 978 01:10:49,652 --> 01:10:53,523 孔明軍師殿のお考えを 聞いてからになさった方が 979 01:10:53,523 --> 01:10:57,226 心配はいらぬ 万一 呉軍に怪しい動きがあれば 980 01:10:57,226 --> 01:11:00,563 のろし台で伝えてくれる それから手を打っても 981 01:11:00,563 --> 01:11:04,033 あんな腰抜けどもなら 十分間に合う 982 01:11:04,033 --> 01:11:05,968 娘が戻ってきたら伝えてくれ 983 01:11:05,968 --> 01:11:09,772 戦が片付いたら いい婿殿を探してやるとな 984 01:11:09,772 --> 01:11:11,872 わあははは! 985 01:11:15,711 --> 01:11:17,880 出陣したか はっ 986 01:11:17,880 --> 01:11:21,751 襄陽に残るのは1万足らずの 守備兵だけにございます 987 01:11:21,751 --> 01:11:26,322 関羽ほどの英雄でも 自らのおごりに敗れたか 988 01:11:26,322 --> 01:11:28,422 すぐに呂蒙殿を呼び返せ はっ! 989 01:11:34,363 --> 01:11:36,363 ん? 990 01:11:39,302 --> 01:11:42,104 関平!我が軍を高地に移し 991 01:11:42,104 --> 01:11:44,104 船を用意させろ 992 01:11:56,419 --> 01:11:58,419 それ 993 01:12:21,511 --> 01:12:23,511 さあ 来い ! 994 01:12:47,303 --> 01:12:50,606 この周倉が 敵将 ホウ徳を討ち取ったぞ 995 01:12:50,606 --> 01:12:52,906 よおし そのまま東門へ切り込め 996 01:12:58,814 --> 01:13:02,552 うああ 閣下! 997 01:13:02,552 --> 01:13:05,552 俺に構うな そのまま突っ込め 998 01:13:14,096 --> 01:13:16,096 切り込め! 999 01:13:38,020 --> 01:13:40,020 おお? 1000 01:13:42,692 --> 01:13:45,528 こらあ!お前たちは何もんだ! 1001 01:13:45,528 --> 01:13:48,431 へえ 手前どもは川下りの行商人で 1002 01:13:48,431 --> 01:13:50,666 風が強いので 一休みしようと 1003 01:13:50,666 --> 01:13:53,703 それならそうと 酒ぐらい持ってあいさつに来い! 1004 01:13:53,703 --> 01:13:57,440 へええ ただいま 1005 01:13:57,440 --> 01:13:59,440 それっ! 1006 01:14:12,655 --> 01:14:15,157 父上 この方は華佗という 1007 01:14:15,157 --> 01:14:18,060 この地方きっての名医です 傷を見ていただいては 1008 01:14:18,060 --> 01:14:22,632 うむ 利き腕が使えんのでは 戦いも出来ん 頼むぞ 1009 01:14:22,632 --> 01:14:24,632 はい 1010 01:14:27,470 --> 01:14:30,239 骨まで腐り始めております 1011 01:14:30,239 --> 01:14:33,142 早く切開して毒を出しませんと 1012 01:14:33,142 --> 01:14:35,144 すぐ切ってくれ かなり 1013 01:14:35,144 --> 01:14:38,314 痛みの激しい手術になりますが 構わん! 1014 01:14:38,314 --> 01:14:41,350 関平 碁盤を持ってまいれ 1015 01:14:41,350 --> 01:14:43,350 碁盤を? 1016 01:14:47,523 --> 01:14:50,826 ああ あ… 1017 01:14:50,826 --> 01:14:53,562 おお… 1018 01:14:53,562 --> 01:14:56,832 早くやらんか おっ ああ… 1019 01:14:56,832 --> 01:15:00,703 ううん さ これであと 100 日も経てば 1020 01:15:00,703 --> 01:15:04,507 元通りになりましょう 何じゃ もう終わったのか 1021 01:15:04,507 --> 01:15:08,678 こっちの勝負に気を取られて 気が付かなんだ あっはっはっは 1022 01:15:08,678 --> 01:15:12,281 さすが 関羽将軍 ご勇気には恐れ入りました 1023 01:15:12,281 --> 01:15:15,918 なに 痛みを感じなかったのは そちが名医だったからじゃ 1024 01:15:15,918 --> 01:15:18,154 閣下! 1025 01:15:18,154 --> 01:15:20,156 馬良 どうしたのじゃ その姿は 1026 01:15:20,156 --> 01:15:22,925 閣下 面目もございません 1027 01:15:22,925 --> 01:15:25,628 襄陽城が呂蒙の軍に不意打ちを 1028 01:15:25,628 --> 01:15:27,728 何!呂蒙が 1029 01:15:37,306 --> 01:15:40,142 そんなはずはない 1030 01:15:40,142 --> 01:15:42,878 のろし台からの報告は 届かなかったのか 1031 01:15:42,878 --> 01:15:45,448 はっ 人づてに聞いた話では 1032 01:15:45,448 --> 01:15:49,452 のろし台は全て事前に 呂蒙の軍に占領されていたと 1033 01:15:49,452 --> 01:15:52,221 そうか… 1034 01:15:52,221 --> 01:15:55,057 陸遜じゃ! 1035 01:15:55,057 --> 01:15:58,461 あの腰抜けぶりは わしを欺くわなだったのか 1036 01:15:58,461 --> 01:16:01,061 関平! 全軍 襄陽城へ引き上げじゃ 1037 01:16:03,365 --> 01:16:05,534 よお 華侘先生 1038 01:16:05,534 --> 01:16:07,470 いやあ 老子 美人を連れて 1039 01:16:07,470 --> 01:16:10,039 どちらへご旅行ですかな 1040 01:16:10,039 --> 01:16:12,708 この方は 関羽将軍の姫君でな 1041 01:16:12,708 --> 01:16:15,911 私を将軍に会わせたいと言って 聞かんのじゃ 1042 01:16:15,911 --> 01:16:19,648 関羽将軍の… それは一大事ですぞ 1043 01:16:19,648 --> 01:16:21,584 呉の軍勢が襄陽を攻めて 1044 01:16:21,584 --> 01:16:23,652 落城寸前ということです 1045 01:16:23,652 --> 01:16:26,422 将軍は重傷を負われて たった今 みどもが 1046 01:16:26,422 --> 01:16:29,325 手当てをしてきたばかりで 1047 01:16:29,325 --> 01:16:31,325 父が? 1048 01:16:36,098 --> 01:16:38,098 襄陽城だ!やっと着いた! 1049 01:16:40,936 --> 01:16:42,936 父上 あの旗は呉の軍勢の 1050 01:16:47,643 --> 01:16:50,379 遅かったか… 1051 01:16:50,379 --> 01:16:54,250 そこに見えるのは敗残の将 関羽か 1052 01:16:54,250 --> 01:16:57,153 襄陽はこの陸遜がもらった 1053 01:16:57,153 --> 01:17:00,923 貴公が生き延びる道は 我らが軍門に下るほかはない 1054 01:17:00,923 --> 01:17:02,892 速やかに白旗を揚げよ! 1055 01:17:02,892 --> 01:17:05,594 黙れ!小細工をろうする青二才め 1056 01:17:05,594 --> 01:17:09,465 この城は 関羽の目が黒いうちは 必ず取り戻すぞ! 1057 01:17:09,465 --> 01:17:12,935 強がりを言うな!これを見よ ! 1058 01:17:12,935 --> 01:17:16,205 父ちゃーん! あなたー! 1059 01:17:16,205 --> 01:17:19,475 あなた 武器を捨てて 帰ってきてちょうだい 1060 01:17:19,475 --> 01:17:23,312 私たちは皆大事にされているから 安心して戻ってきて 1061 01:17:23,312 --> 01:17:25,714 皆で静かに暮らしましょうよ あなた 1062 01:17:25,714 --> 01:17:27,716 おっかあ おやじだ 1063 01:17:27,716 --> 01:17:29,716 おっかあ! 1064 01:17:34,423 --> 01:17:38,093 父ちゃん あなたー! 1065 01:17:38,093 --> 01:17:43,499 脱走する者は 斬るぞー! 1066 01:17:43,499 --> 01:17:46,001 周倉 人の情は剣では抑えられん 1067 01:17:46,001 --> 01:17:49,201 見逃してやれ ふっ!ううむ 1068 01:17:54,443 --> 01:17:59,815 あ… おっかあー! 1069 01:17:59,815 --> 01:18:02,451 ああ 長兄に合わす顔がない 1070 01:18:02,451 --> 01:18:04,720 馬良 はい 1071 01:18:04,720 --> 01:18:07,356 その方 これより成都へ早駆けして 1072 01:18:07,356 --> 01:18:09,758 この事態を 玄徳公と軍師殿に 1073 01:18:09,758 --> 01:18:12,561 お伝えし 援軍を請うてくれ 1074 01:18:12,561 --> 01:18:15,965 わしたちはそれまで 麦城の砦にこもって 1075 01:18:15,965 --> 01:18:17,900 再起を図っておるとな 1076 01:18:17,900 --> 01:18:19,900 承知しました 1077 01:18:25,708 --> 01:18:29,144 ううむ 1078 01:18:29,144 --> 01:18:31,080 この右腕さえ使えれば 1079 01:18:31,080 --> 01:18:33,380 わし一人でも奪い返せるものを 1080 01:18:40,890 --> 01:18:43,090 麦城は近いぞ!頑張れ! 1081 01:18:49,398 --> 01:18:52,401 こうして麦城にたどり着いた時は 1082 01:18:52,401 --> 01:18:57,139 関羽に従う者 わずか 300 騎であった 1083 01:18:57,139 --> 01:19:01,510 ここも敵軍に 包囲されておるようじゃ 1084 01:19:01,510 --> 01:19:04,813 わしは関平と西に向かって 脱出してみる 1085 01:19:04,813 --> 01:19:08,050 閣下!拙者もお供させてください 1086 01:19:08,050 --> 01:19:11,353 そちには他に 頼みたいことがあるのじゃ 1087 01:19:11,353 --> 01:19:13,653 さあ 別れの酒を酌もう 1088 01:19:34,143 --> 01:19:36,343 関平!行くぞ! はい 1089 01:19:51,593 --> 01:19:53,593 父上! 1090 01:20:05,507 --> 01:20:09,378 将軍 1091 01:20:09,378 --> 01:20:13,582 今日こうして勝者と敗者に隔てて 将軍にまみえるのは 1092 01:20:13,582 --> 01:20:15,584 余の望むところではない 1093 01:20:15,584 --> 01:20:19,088 余は将軍の人柄に 今も引かれておるのじゃ 1094 01:20:19,088 --> 01:20:21,657 過去は忘れて 余と一体となって 1095 01:20:21,657 --> 01:20:23,957 呉のために働いてはくれぬか 1096 01:20:35,104 --> 01:20:37,604 兄者 すまん 1097 01:20:42,845 --> 01:20:45,245 張飛 すまん 1098 01:20:50,719 --> 01:20:54,323 義兄弟の誓いを守れなかった私を 1099 01:20:54,323 --> 01:20:56,323 許してくれ 1100 01:21:02,464 --> 01:21:07,102 将軍 貴公も天下無敵と呼ばれた 豪傑ではないか 1101 01:21:07,102 --> 01:21:09,738 潔く我が殿に 忠誠を誓ったらどうだ 1102 01:21:09,738 --> 01:21:12,641 いつまで 無益な問答を続けるのだ! 1103 01:21:12,641 --> 01:21:17,513 父は蜀王玄徳公とは義兄弟の仲 ニ君にまみえるような 1104 01:21:17,513 --> 01:21:21,183 不道徳者でないことは 貴様たちにも分かっていよう 1105 01:21:21,183 --> 01:21:25,754 武人の情けがあるなら 早く我らの首を討て 1106 01:21:25,754 --> 01:21:28,154 さあ父上 ご一緒に参りましょう 1107 01:21:42,304 --> 01:21:45,404 馬鹿め わしに仕えればよいものを 1108 01:22:07,496 --> 01:22:12,201 お父様! 1109 01:22:12,201 --> 01:22:14,970 お父様 1110 01:22:14,970 --> 01:22:18,270 お父様! 姫… 1111 01:22:22,077 --> 01:22:24,677 周倉 父は 父上はどこに 1112 01:22:26,782 --> 01:22:30,619 首を討たれて ご最期を遂げられたと 1113 01:22:30,619 --> 01:22:34,556 父が… あの父が… 1114 01:22:34,556 --> 01:22:38,293 首を… 我らもお後を追おうと 1115 01:22:38,293 --> 01:22:40,829 このように 1116 01:22:40,829 --> 01:22:43,732 姫 閣下のご遺言は… 1117 01:22:43,732 --> 01:22:46,635 しっかりして 父は何て言ったの 1118 01:22:46,635 --> 01:22:48,704 お聞きください 1119 01:22:48,704 --> 01:22:52,908 姫は閣下の実の子ではありません 1120 01:22:52,908 --> 01:22:57,479 閣下で戦場で拾われた みなしごだったのです 1121 01:22:57,479 --> 01:22:59,982 これからはもう 関羽の名は忘れて 1122 01:22:59,982 --> 01:23:02,818 静かに幸せに暮らすようにと 1123 01:23:02,818 --> 01:23:05,554 閣下はそのように… 1124 01:23:05,554 --> 01:23:08,490 私は 拾われた子… 1125 01:23:08,490 --> 01:23:12,628 自分が亡き後は 軍師孔明殿を父として 1126 01:23:12,628 --> 01:23:16,565 頼っていかれるようにと 1127 01:23:16,565 --> 01:23:18,565 周倉 周… 1128 01:23:28,844 --> 01:23:30,844 お父様… 1129 01:23:34,216 --> 01:23:36,716 お父様! 1130 01:23:38,921 --> 01:23:40,856 我々は今 この荊州の地を 1131 01:23:40,856 --> 01:23:43,792 劉備玄徳の手より取り戻した 1132 01:23:43,792 --> 01:23:46,161 だがそれ以上の喜びは 1133 01:23:46,161 --> 01:23:48,230 天下にとどろく豪傑 関羽を 1134 01:23:48,230 --> 01:23:51,667 我が軍が討ち取ったことじゃ 呂蒙 1135 01:23:51,667 --> 01:23:56,138 そちたちの剣が この関羽の首を 地に落としたのじゃ 1136 01:23:56,138 --> 01:23:59,238 そちから今宵の旨酒を 分かち合おうぞ 1137 01:24:10,719 --> 01:24:13,819 超昭殿が建業より ただいま到着しました 1138 01:24:16,959 --> 01:24:20,829 この度は 荊州襄陽平定 おめでとうございます 1139 01:24:20,829 --> 01:24:25,033 ううん 赤壁以来 やっと念願がかなえられたぞ 1140 01:24:25,033 --> 01:24:29,037 さあ よわいの席に着かれるがよい はっ 1141 01:24:29,037 --> 01:24:33,308 しかし関羽の首を討ったのは 考えが浅うございましたな 1142 01:24:33,308 --> 01:24:35,611 浅い?関羽は敵将 1143 01:24:35,611 --> 01:24:38,580 生かしておいては後々 呉の災いとなろうが 1144 01:24:38,580 --> 01:24:43,452 蜀の玄徳 関羽 張飛の三人は 若き日 桃園において 1145 01:24:43,452 --> 01:24:46,255 生まれは別なれど 死ぬ時は一緒と 1146 01:24:46,255 --> 01:24:48,757 固く誓い合っています 1147 01:24:48,757 --> 01:24:50,692 関羽の死が蜀に伝われば 1148 01:24:50,692 --> 01:24:52,928 玄徳 張飛は 死を覚悟で 1149 01:24:52,928 --> 01:24:55,297 呉に攻め入ってまいりましょう 1150 01:24:55,297 --> 01:24:57,232 そればかりか 蜀には 1151 01:24:57,232 --> 01:25:01,169 孔明 黄忠 馬超 趙雲など 英雄豪傑ぞろい 1152 01:25:01,169 --> 01:25:03,805 それを相手に 呉が死力を尽くして戦ったら 1153 01:25:03,805 --> 01:25:08,477 どうなりましょう たとえどちらが勝っても被害甚大 1154 01:25:08,477 --> 01:25:11,380 それを一番喜ぶのは 曹操 1155 01:25:11,380 --> 01:25:15,183 さよう それを待って 一気に攻め込んでくるでしょう 1156 01:25:15,183 --> 01:25:20,122 そうか… 関羽の首を討ったのは 浅はかだった 1157 01:25:20,122 --> 01:25:24,826 超昭 蜀と全面衝突はまずい 何かいい手だては 1158 01:25:24,826 --> 01:25:28,764 あります! 関羽の首を曹操に送るのです 1159 01:25:28,764 --> 01:25:30,766 曹操に 1160 01:25:30,766 --> 01:25:32,901 この頃 曹操は 1161 01:25:32,901 --> 01:25:36,001 洛陽で持病の頭痛に苦しんでいた 1162 01:26:38,200 --> 01:26:42,000 はっはっはっはっは 1163 01:26:44,005 --> 01:26:46,808 これはこれは 関羽将軍 1164 01:26:46,808 --> 01:26:49,344 その後 お変わりはないか 1165 01:26:49,344 --> 01:26:52,280 見れば大層お疲れのようじゃ 1166 01:26:52,280 --> 01:26:55,217 玄徳ごとき 能無し男の下で 1167 01:26:55,217 --> 01:26:57,719 さぞご苦労じゃったろう 1168 01:26:57,719 --> 01:27:00,622 余も長い間 関羽将軍の武勇には 1169 01:27:00,622 --> 01:27:02,591 悩まされてきたが 1170 01:27:02,591 --> 01:27:07,429 今日からは枕を高くして 安らかに眠れるというものじゃ 1171 01:27:07,429 --> 01:27:11,429 はっはっはっはっは 関羽将軍 1172 01:28:04,486 --> 01:28:07,322 ここは足場が悪い 後ろへ引け 1173 01:28:07,322 --> 01:28:09,422 早く引かんか! あ はい! 1174 01:28:28,276 --> 01:28:31,476 はっはっはっはっは… 殿 何を喜んでいるのです 1175 01:28:34,015 --> 01:28:37,719 おお 仲達 見ての通り 関羽の首じゃ 1176 01:28:37,719 --> 01:28:41,590 これは 呉の小細工です 小細工? 1177 01:28:41,590 --> 01:28:44,993 身に降り掛かる災難を こちらに おっかぶせようというもの 1178 01:28:44,993 --> 01:28:48,630 つまり 関羽の首を討った首謀者は 魏王の曹操だと 1179 01:28:48,630 --> 01:28:50,699 蜀の玄徳 孔明に思わせ 1180 01:28:50,699 --> 01:28:53,502 蜀と魏とを戦わせる呉の魂胆 1181 01:28:53,502 --> 01:28:56,371 そして いずれかが戦い疲れたところを 1182 01:28:56,371 --> 01:28:59,975 一気に攻め滅ぼすという 漁夫の利を狙ったものです 1183 01:28:59,975 --> 01:29:02,043 漁夫の利… 1184 01:29:02,043 --> 01:29:05,180 まさに仲達の申す通りじゃ 1185 01:29:05,180 --> 01:29:08,083 もう少しで呉の策謀に はまるところであった 1186 01:29:08,083 --> 01:29:11,319 張遼 この首 早速 呉に突き返せ 1187 01:29:11,319 --> 01:29:14,222 殿 お待ちください そんなことをしては 1188 01:29:14,222 --> 01:29:16,222 殿の度量が小さくなります 1189 01:29:18,193 --> 01:29:20,462 それに関羽候は敵将とはいえ 1190 01:29:20,462 --> 01:29:23,365 忠義の士として殿の信望も厚く 1191 01:29:23,365 --> 01:29:26,368 白馬の戦いでは 顔良 文醜を斬って 1192 01:29:26,368 --> 01:29:28,637 我が軍に偉大なる手柄を立てた男 1193 01:29:28,637 --> 01:29:32,507 また あの華容道での 武人の情けがあったればこそ 1194 01:29:32,507 --> 01:29:35,377 今日こうして 生きておられるのです 1195 01:29:35,377 --> 01:29:38,413 いっそのこと この首を 我が地 洛陽にて 1196 01:29:38,413 --> 01:29:41,116 ねんごろに葬ってやったら いかがでしょう 1197 01:29:41,116 --> 01:29:45,620 この洛陽にか ううん それはいい考えだ 1198 01:29:45,620 --> 01:29:48,290 最高の礼を持ちて 立派に葬られましたら 1199 01:29:48,290 --> 01:29:51,192 劉備はこれを聞き 孫権を深く恨み 1200 01:29:51,192 --> 01:29:53,194 呉征伐に力を尽くすでしょう 1201 01:29:53,194 --> 01:29:55,830 殿 漁夫の利は 我らが占めるのです 1202 01:29:55,830 --> 01:29:58,767 よし分かった 1203 01:29:58,767 --> 01:30:01,636 それにしても関羽め 首だけになっても 1204 01:30:01,636 --> 01:30:03,636 二国を震えあがらせるとは 1205 01:30:07,876 --> 01:30:09,878 関羽死すの悲報は 1206 01:30:09,878 --> 01:30:14,215 成都にいる玄徳の元にも 届いていた 1207 01:30:14,215 --> 01:30:18,620 関羽 関羽 なぜ死んだ 1208 01:30:18,620 --> 01:30:22,490 なぜ私を残して 逝ってしまったのだ… 1209 01:30:22,490 --> 01:30:26,261 殿 食を断たれて もう3日目でございます 1210 01:30:26,261 --> 01:30:28,263 このままでは お命にも関わりましょう 1211 01:30:28,263 --> 01:30:30,463 私は死にたいのだ 放っておいてくれ! 1212 01:30:35,370 --> 01:30:38,006 ここをお出にならない限り 臣下一同も 1213 01:30:38,006 --> 01:30:40,008 それぞれの持ち場に戻れませぬ ここままでは 1214 01:30:40,008 --> 01:30:42,844 国の営みが止まってしまいます 1215 01:30:42,844 --> 01:30:46,181 そうだ 国を挙げて呉に決戦を挑むのだ 1216 01:30:46,181 --> 01:30:50,051 孫権を討って 関羽の恨みを晴らしてやる 1217 01:30:50,051 --> 01:30:53,722 軍師殿 ロウ中にいる張飛にも知らせて 1218 01:30:53,722 --> 01:30:56,057 すぐ出陣の支度にかかってくれ 1219 01:30:56,057 --> 01:30:58,827 それはなりませぬ 1220 01:30:58,827 --> 01:31:02,063 孫権は今 曹操と手を結んで 1221 01:31:02,063 --> 01:31:04,699 南北から我が国に 攻め入ろうとしています 1222 01:31:04,699 --> 01:31:07,399 安易な出兵は 彼らのわなに はまるだけです 1223 01:31:09,571 --> 01:31:11,906 私はどうしたらいいのだ 1224 01:31:11,906 --> 01:31:15,243 私と関羽は 同じ日に死ぬと固く誓い合った 1225 01:31:15,243 --> 01:31:18,246 義兄弟なのだ 誓いを破ってまで おめおめと 1226 01:31:18,246 --> 01:31:21,850 生き延びていろと言うのか まず関羽将軍のご葬儀を 1227 01:31:21,850 --> 01:31:23,918 立派に営まれることです 1228 01:31:23,918 --> 01:31:27,422 それが義兄弟としての 1229 01:31:27,422 --> 01:31:29,922 一番の務めではございませんか 1230 01:31:44,239 --> 01:31:48,643 関羽将軍 ここでお別れします 1231 01:31:48,643 --> 01:31:51,880 もし生まれ変わることが出来たら その時は 1232 01:31:51,880 --> 01:31:53,915 今度こそ実の娘として 1233 01:31:53,915 --> 01:31:56,415 お父様と呼ばせてくださいまし 1234 01:31:59,087 --> 01:32:01,556 はあっ 早まったことをしてはいけません 1235 01:32:01,556 --> 01:32:03,556 放して! ああ… 1236 01:32:19,374 --> 01:32:22,374 ここは… お気付きになられましたか? 1237 01:32:24,979 --> 01:32:28,516 先生 姫 よく戻られた 1238 01:32:28,516 --> 01:32:31,853 今日の葬儀にはどこかで必ず 見守っておられるはずだと 1239 01:32:31,853 --> 01:32:34,255 この馬謖に 見回りをさせていたのです 1240 01:32:34,255 --> 01:32:38,059 無事にお連れすることが出来て 本当によかった 1241 01:32:38,059 --> 01:32:42,497 先生 私は関羽将軍の子でも何でもない 1242 01:32:42,497 --> 01:32:45,500 いやしい女なんです そのことは 1243 01:32:45,500 --> 01:32:49,604 亡き将軍が生前にくださった お手紙で知っておりました 1244 01:32:49,604 --> 01:32:54,109 今日からは 私があなたの 父代わりになるということも 1245 01:32:54,109 --> 01:32:56,111 そんなもったいないことを 1246 01:32:56,111 --> 01:32:59,981 お願いです 私にはもう 構わないでくださいまし 1247 01:32:59,981 --> 01:33:02,951 私はまた 山へ帰ります 1248 01:33:02,951 --> 01:33:06,154 姫 人は志を継いでこそ 1249 01:33:06,154 --> 01:33:08,089 名を継ぐ資格があるのです 1250 01:33:08,089 --> 01:33:10,792 血のつながりだけが 親子ではありません 1251 01:33:10,792 --> 01:33:13,828 姫は関羽将軍の志を 継ごうという夢まで 1252 01:33:13,828 --> 01:33:15,828 捨ててしまったのですか 1253 01:33:20,401 --> 01:33:22,337 馬謖の言う通りです 1254 01:33:22,337 --> 01:33:25,240 姫 この青年は この馬良の弟で 1255 01:33:25,240 --> 01:33:28,243 私が一番目をかけている秀才です 1256 01:33:28,243 --> 01:33:30,812 この馬謖について学問を修めれば 1257 01:33:30,812 --> 01:33:34,516 姫は父君に代わって 次の時代を支えて立つ 1258 01:33:34,516 --> 01:33:36,885 優れた指導者になれる方です 1259 01:33:36,885 --> 01:33:39,587 それが亡き将軍の御恩に報いる 1260 01:33:39,587 --> 01:33:43,458 ただ一つの 生き方というものでしょう 1261 01:33:43,458 --> 01:33:45,927 大殿 玄徳公が抱いておられる 1262 01:33:45,927 --> 01:33:47,862 正義を この世に実現するには 1263 01:33:47,862 --> 01:33:51,332 あなたの力も必要なのです 1264 01:33:51,332 --> 01:33:56,171 姫 これからはあなたが 私の支えになってほしい 1265 01:33:56,171 --> 01:33:59,071 あなたの その清らかな愛情と希望とで 1266 01:34:01,075 --> 01:34:03,375 孔明先生! 1267 01:34:08,183 --> 01:34:11,085 翌 西暦 220 年 1268 01:34:11,085 --> 01:34:13,154 曹操は胸を病んだまま 1269 01:34:13,154 --> 01:34:15,154 ついにこの世を去った 1270 01:34:17,525 --> 01:34:21,796 父 曹操は 一生を天下の統一に捧げたのに 1271 01:34:21,796 --> 01:34:24,799 ついに皇帝の位にはつけずに みまかりたもうた 1272 01:34:24,799 --> 01:34:28,069 余はそのような弱者では 終わらんぞ! 1273 01:34:28,069 --> 01:34:30,069 そおれ! 1274 01:34:33,808 --> 01:34:35,810 お下がり! 曹丕は 1275 01:34:35,810 --> 01:34:40,114 武力で漢王朝最後の皇帝に 退位を迫り 1276 01:34:40,114 --> 01:34:43,318 自らが代わって帝位についた 1277 01:34:43,318 --> 01:34:47,121 それを知った玄徳は 漢王朝の血統を守るべく 1278 01:34:47,121 --> 01:34:50,458 大蜀皇帝の名乗りを挙げて 即位した 1279 01:34:50,458 --> 01:34:55,029 呉の孫権もまた 後を追って天子の位を宣言し 1280 01:34:55,029 --> 01:34:57,899 こうして 魏 蜀 呉が分立して 1281 01:34:57,899 --> 01:35:01,299 覇を競う三国時代が 現出したのである 1282 01:35:06,207 --> 01:35:09,143 陛下 いやあ 長兄 1283 01:35:09,143 --> 01:35:13,281 俺はこんな形式ぶった お祭り騒ぎは見たくもねえや 1284 01:35:13,281 --> 01:35:16,284 将軍陛下のご即位の式典ですぞ 1285 01:35:16,284 --> 01:35:18,853 うるせえ!知ったことか! 1286 01:35:18,853 --> 01:35:22,724 張飛 関羽の葬儀にも姿を見せず 1287 01:35:22,724 --> 01:35:24,692 そんなに酔っ払って どうしたというのだ 1288 01:35:24,692 --> 01:35:28,096 うーふっふっふっふっふ 俺は ロウ中の城の中で 1289 01:35:28,096 --> 01:35:32,567 毎日泣いて暮らしてたんだ 長兄 俺がこの目で見たいのは 1290 01:35:32,567 --> 01:35:36,304 関羽の兄貴を殺した 孫権と陸遜の首だ 1291 01:35:36,304 --> 01:35:38,840 それなのにあんたは かたきを討つのも忘れて 1292 01:35:38,840 --> 01:35:42,310 天子様におなりあそばして 国が大きくなることしか 1293 01:35:42,310 --> 01:35:45,213 考えていねえ 俺たちの桃園の誓いは 1294 01:35:45,213 --> 01:35:47,215 どうなっちまったんだよお 1295 01:35:47,215 --> 01:35:50,752 ちくしょう!酒を飲まずには いられねえじゃねえか 1296 01:35:50,752 --> 01:35:53,388 張飛 お前に私の本心を 1297 01:35:53,388 --> 01:35:55,323 伝えなかったのは悪かった 1298 01:35:55,323 --> 01:35:59,193 私とて 関羽のかたきを 忘れていたわけではない 1299 01:35:59,193 --> 01:36:01,529 しかし その前に国王として 1300 01:36:01,529 --> 01:36:03,932 しなければならぬことが あったのだ 1301 01:36:03,932 --> 01:36:07,635 今 我が国は大蜀王朝の基を築き 1302 01:36:07,635 --> 01:36:10,004 国家の未来は 揺るぎないものとなった 1303 01:36:10,004 --> 01:36:13,608 かくなる上は 朕が目的とするものはただ一つ 1304 01:36:13,608 --> 01:36:15,643 関羽のかたきを討つことである 1305 01:36:15,643 --> 01:36:19,948 朕が直々に指揮を執り 呉に向かって討伐軍を発する 1306 01:36:19,948 --> 01:36:22,183 所管は直ちに準備にかかれ 1307 01:36:22,183 --> 01:36:24,619 陛下 ありがたい 拙者もこれで 1308 01:36:24,619 --> 01:36:27,055 やっと胸の内変わりましたぞ 1309 01:36:27,055 --> 01:36:31,292 陛下 ご胸中を配するに余りありますが 1310 01:36:31,292 --> 01:36:33,795 今は漢王朝のかたきともいうべき 1311 01:36:33,795 --> 01:36:37,065 国賊 曹丕を討つことこそ 先決でござりましょう 1312 01:36:37,065 --> 01:36:39,467 私情に駆られて戦いを犯すのは 1313 01:36:39,467 --> 01:36:42,170 君子の取るべき道では ござりません 1314 01:36:42,170 --> 01:36:44,105 それに 呉に向かうには 1315 01:36:44,105 --> 01:36:47,742 天下の峻険 山峡を 長江の流れに乗って 1316 01:36:47,742 --> 01:36:50,178 武器 兵糧の輸送をせねばならず 1317 01:36:50,178 --> 01:36:54,048 不利な戦いになることは 目に見えております 1318 01:36:54,048 --> 01:36:56,884 何と言おうとも 朕の決心は変わらぬ 1319 01:36:56,884 --> 01:37:00,388 うむ 1320 01:37:00,388 --> 01:37:03,488 これ以上 反対する者は許さぬぞ そうだ 1321 01:37:15,403 --> 01:37:19,273 軍師殿 御貴殿からも何とか 1322 01:37:19,273 --> 01:37:22,944 陛下が理想とされている 天下の正義とは全て 1323 01:37:22,944 --> 01:37:25,179 関羽 張飛のお二方との 1324 01:37:25,179 --> 01:37:27,648 桃園の誓いから生まれたものです 1325 01:37:27,648 --> 01:37:31,519 亡き関羽公の恨みを注いで 義兄弟の仁義を守らんとする 1326 01:37:31,519 --> 01:37:34,389 陛下のご意志は いかなる条理をもってしても 1327 01:37:34,389 --> 01:37:37,759 とどめ得ぬ 天命と申すものでしょう 1328 01:37:37,759 --> 01:37:41,129 それがしから申し上げることは 何もありません 1329 01:37:41,129 --> 01:37:43,629 軍師殿 よくぞ申された 1330 01:37:45,867 --> 01:37:48,403 張飛 すぐ ロウ中城に戻って 1331 01:37:48,403 --> 01:37:51,103 出陣の支度を致せ おお 心得た 1332 01:37:54,275 --> 01:37:57,011 ええい 1333 01:37:57,011 --> 01:38:00,281 今度の出陣はわしの義兄弟 関羽の弔い合戦だ 1334 01:38:00,281 --> 01:38:02,984 全員白尽くめで 戦場に臨むことにする 1335 01:38:02,984 --> 01:38:06,684 3日以内に 全員に白旗と白装束を用意せえ 1336 01:38:10,825 --> 01:38:13,094 閣下 お言葉ですが 1337 01:38:13,094 --> 01:38:15,897 3日以内というのは 無理でございます 1338 01:38:15,897 --> 01:38:19,634 もう少しご猶予を 何? 1339 01:38:19,634 --> 01:38:23,438 貴様たちは わしの一生一度の大決心に 1340 01:38:23,438 --> 01:38:25,438 水を差す気か 1341 01:38:29,877 --> 01:38:32,146 いいか 3日以内に出来なかったら 1342 01:38:32,146 --> 01:38:34,146 貴様らの首はないものと思え 1343 01:38:36,851 --> 01:38:39,420 閣下に内密のご相談がある 1344 01:38:39,420 --> 01:38:41,720 お前たちは下がっておれ ははっ 1345 01:39:23,364 --> 01:39:26,267 劉禅 そちは太子として 1346 01:39:26,267 --> 01:39:29,871 朕の留守の間 この城を守らねばならぬ 1347 01:39:29,871 --> 01:39:34,175 心して毎日を過ごせよ はい 父上 1348 01:39:34,175 --> 01:39:36,544 頼りはそちだけじゃ 頼むぞ 1349 01:39:36,544 --> 01:39:39,547 何とぞ お心置きなく 陛下 1350 01:39:39,547 --> 01:39:42,984 張飛将軍が 謀反人に首を討たれました 1351 01:39:42,984 --> 01:39:45,520 何?張飛が! 1352 01:39:45,520 --> 01:39:48,055 ああ… 陛下! 1353 01:39:48,055 --> 01:39:51,359 張飛までが ああ… 1354 01:39:51,359 --> 01:39:54,095 桃園で契り合った兄弟の中で 1355 01:39:54,095 --> 01:39:57,398 私だけが残ってしまったのか 1356 01:39:57,398 --> 01:39:59,667 陛下 今日は 門出に 1357 01:39:59,667 --> 01:40:02,270 ふさわしい日ではございませぬ 1358 01:40:02,270 --> 01:40:05,673 出陣は 見合わせられますように 1359 01:40:05,673 --> 01:40:09,177 いや 張飛の分まで戦わなければならぬ 1360 01:40:09,177 --> 01:40:11,179 戦わなければ 1361 01:40:11,179 --> 01:40:13,179 全軍出陣じゃ 1362 01:40:21,322 --> 01:40:25,726 ああ… 先生 どうかなされましたか 1363 01:40:25,726 --> 01:40:30,298 胸騒ぎが止まらぬのだ 胸騒ぎ 1364 01:40:30,298 --> 01:40:33,701 この戦いは 百中一つも 我が軍が勝つ見込みはない 1365 01:40:33,701 --> 01:40:36,204 それでも行かねばならんとは 1366 01:40:36,204 --> 01:40:40,704 我が全知全能をもってしても 天が命ずる運命には逆らえんのだ 1367 01:41:50,544 --> 01:41:53,447 玄徳率いる蜀軍 75 万は 1368 01:41:53,447 --> 01:41:56,547 山峡の難所を越えて 破竹の進撃を続け 1369 01:42:02,256 --> 01:42:05,693 700 里にわたる 呉の防御陣を突破して 1370 01:42:05,693 --> 01:42:08,093 本拠地 魏都に迫っていた 1371 01:42:14,402 --> 01:42:16,971 静まれ 静まれ 1372 01:42:16,971 --> 01:42:20,641 これを見よ この陸遜が 大都督として 1373 01:42:20,641 --> 01:42:24,912 全軍の指揮を仰せ仕った 命令を聞かぬ者は 1374 01:42:24,912 --> 01:42:27,612 皇帝から賜ったこの宝刀で 斬り捨てるぞ! 1375 01:42:31,519 --> 01:42:33,921 それがしの作戦を申し渡す 1376 01:42:33,921 --> 01:42:37,458 これより 蜀軍との戦闘は一切してはならん 1377 01:42:37,458 --> 01:42:40,027 各自の要塞にこもって 防御を厚くし 1378 01:42:40,027 --> 01:42:42,930 いかなる挑発を受けても 打って出てはならん 1379 01:42:42,930 --> 01:42:47,301 次の命令を下すまで ただただ自重して 兵力を温存せよ 1380 01:42:47,301 --> 01:42:50,838 大都督のお言葉ですが 打って出なければ 1381 01:42:50,838 --> 01:42:53,741 我が軍が勝つ機会は ないではござらぬか 1382 01:42:53,741 --> 01:42:58,045 そうだ これだけの痛手を被って いながら 手をこまねいていろと 1383 01:42:58,045 --> 01:43:00,948 いう方が無理じゃ 黙れ! 1384 01:43:00,948 --> 01:43:05,186 口答えをする者は 軍法に照らして処罰するぞ 1385 01:43:05,186 --> 01:43:09,056 勝負を焦らずとも 時が我が軍に味方してくれる 1386 01:43:09,056 --> 01:43:11,525 見よ あの太陽を 1387 01:43:11,525 --> 01:43:14,725 あの太陽がやがて 玄徳の采配を 狂わすことになるのだ 1388 01:43:23,904 --> 01:43:26,941 やーい 出てこい へっぴり腰ども 1389 01:43:26,941 --> 01:43:30,444 命が惜しいのか 意気地なし野郎 1390 01:43:30,444 --> 01:43:33,280 それにしても暑いな 1391 01:43:33,280 --> 01:43:35,916 大都督 もう我慢出来ません 1392 01:43:35,916 --> 01:43:37,916 今しばらくの辛抱だ 1393 01:43:40,388 --> 01:43:44,392 呉軍は一向に挑発に乗らず 打って出る気配はござりません 1394 01:43:44,392 --> 01:43:47,228 それに 日照り続きで我が軍は 飲み水も不足して 1395 01:43:47,228 --> 01:43:50,831 暑気あたりで倒れる兵が 続出しております 1396 01:43:50,831 --> 01:43:53,834 敵は持久戦で 我が軍を弱らす考えだろう 1397 01:43:53,834 --> 01:43:56,634 日陰の多い 森の中に陣地を移動せよ 1398 01:44:01,242 --> 01:44:03,642 見よ わしが言った通りになってきたぞ 1399 01:44:12,787 --> 01:44:15,389 燃えやすい森の中に 陣地を構えるのが 1400 01:44:15,389 --> 01:44:17,958 兵法で最も忌むところだ 1401 01:44:17,958 --> 01:44:22,763 諸葛孔明がいたら かような布陣は絶対許すまい 1402 01:44:22,763 --> 01:44:24,698 奴が来なかったのは 我らにとって 1403 01:44:24,698 --> 01:44:29,003 天の賜物というものだ 陛下 かような茂みの中に 1404 01:44:29,003 --> 01:44:30,938 布陣するのは危険です 1405 01:44:30,938 --> 01:44:33,474 連日の熱射に木も草も枯れて 1406 01:44:33,474 --> 01:44:37,044 いったん火責めに遭ったら 逃げ場もありません 何とぞ 1407 01:44:37,044 --> 01:44:39,880 敵が攻撃を仕掛けてくることは あるまい 1408 01:44:39,880 --> 01:44:41,816 そちの考えは杞憂じゃ 1409 01:44:41,816 --> 01:44:45,119 敵将は関羽将軍を破った陸遜です 1410 01:44:45,119 --> 01:44:47,922 打って出てこないのは 何か企みがあってのことに 1411 01:44:47,922 --> 01:44:51,659 違いありませぬ 朕はこれまで 何百回と 1412 01:44:51,659 --> 01:44:55,229 戦場体験を積み重ねてきた 歴戦の将じゃ 1413 01:44:55,229 --> 01:44:58,329 陸遜ごとき青二才など 眼中にないわ 1414 01:45:04,972 --> 01:45:07,808 軍師殿! 夷陵の馬良様より 1415 01:45:07,808 --> 01:45:09,808 火急の伝令でござる 1416 01:45:12,112 --> 01:45:16,083 先生 兄上からの知らせというのは 1417 01:45:16,083 --> 01:45:18,419 これを見よ 1418 01:45:18,419 --> 01:45:22,189 馬良が届けてよこした 我が軍の布陣図だ 1419 01:45:22,189 --> 01:45:24,525 こんな隙だらけの陣形を誰が 1420 01:45:24,525 --> 01:45:28,195 陛下 御自ら采配を執られた布陣だ 1421 01:45:28,195 --> 01:45:32,633 馬良がおいさめ申し上げても 聞かれなかったそうだ 1422 01:45:32,633 --> 01:45:34,668 この陣形を見る限り 1423 01:45:34,668 --> 01:45:38,305 恐らく我が軍は 近いうち陸遜の奇襲を受けて 1424 01:45:38,305 --> 01:45:40,405 大敗を喫することは間違いない 1425 01:45:50,885 --> 01:45:52,887 江北の敵陣に火を付けろ 1426 01:45:52,887 --> 01:45:55,187 我が軍は江南の陣を攻めろ 1427 01:45:58,392 --> 01:46:01,692 何だ あの火は 陛下 南岸からも 1428 01:46:04,064 --> 01:46:06,300 この風では火の回りも早い 1429 01:46:06,300 --> 01:46:09,000 関興 張苞 見てまいれ はあ 1430 01:46:12,473 --> 01:46:15,376 それ 一斉攻撃の合図だ 1431 01:46:15,376 --> 01:46:19,547 蜀軍の屯営地全てを 焼き尽くすのだ 1432 01:46:19,547 --> 01:46:21,847 うわあ うわあ! 1433 01:46:26,320 --> 01:46:28,320 呉軍の火責めだ 1434 01:46:35,529 --> 01:46:37,464 陛下 ここにも火の手が 1435 01:46:37,464 --> 01:46:39,464 早く消し止めろ 1436 01:46:43,337 --> 01:46:46,640 駄目です 日照り続きにこの東南の風では 1437 01:46:46,640 --> 01:46:49,577 手の打ちようがありません ううん 1438 01:46:49,577 --> 01:46:52,580 もしや 陸遜の持久戦は この日のために 1439 01:46:52,580 --> 01:46:55,950 玄徳を逃がすな 玄徳の首を討て 1440 01:46:55,950 --> 01:46:59,753 陛下 呉軍が攻めてきております ここはひとまず馮習の陣まで 1441 01:46:59,753 --> 01:47:01,753 引いた方が ふん 1442 01:47:06,594 --> 01:47:09,394 さあ この老いぼれ黄忠が相手致す 1443 01:47:31,385 --> 01:47:33,685 くそ ここも火の海だ 引け! 1444 01:47:41,428 --> 01:47:43,364 待ってたぞ 玄徳 1445 01:47:43,364 --> 01:47:45,364 おりゃあ! 1446 01:47:52,539 --> 01:47:55,209 陛下 ここは手前どもにお任せください 1447 01:47:55,209 --> 01:47:57,309 張苞 1448 01:48:04,885 --> 01:48:06,885 あ… 1449 01:48:14,528 --> 01:48:18,932 何たる有様 我が陣営が火の海と化すとは 1450 01:48:18,932 --> 01:48:21,001 それにしても 恐るべき陸遜 1451 01:48:21,001 --> 01:48:24,271 連日の猛暑で雨も降らず 草木も乾き そして 1452 01:48:24,271 --> 01:48:28,442 東南の風が吹き荒れる日を 待っていたとは 1453 01:48:28,442 --> 01:48:31,642 陛下 山のふもとに 呉軍が押し寄せてきました 1454 01:48:34,314 --> 01:48:39,687 やつらは山頂だ 山を包囲して 山ごと焼き払え 1455 01:48:39,687 --> 01:48:42,556 陛下 ここは関興に任せて 1456 01:48:42,556 --> 01:48:45,359 この先の永安の白帝城まで たどり着けば 1457 01:48:45,359 --> 01:48:48,262 趙雲将軍が後に控えています 1458 01:48:48,262 --> 01:48:50,462 急ぎましょう 1459 01:48:55,769 --> 01:48:57,769 逃がすな! 1460 01:49:08,916 --> 01:49:11,218 陛下 このままでは逃げ切れません 1461 01:49:11,218 --> 01:49:14,088 ここは我らが防ぎますから 先に逃げてください 1462 01:49:14,088 --> 01:49:17,725 おい 皆 よく聞け ここにとどまり敵を防ぐんだ 1463 01:49:17,725 --> 01:49:21,025 火責めには火で防ぐ 燃えるものは 何でも燃やすんだ 1464 01:49:39,012 --> 01:49:41,582 陛下 何をしているんです 1465 01:49:41,582 --> 01:49:43,582 早くお逃げください 1466 01:49:47,788 --> 01:49:49,788 馬良 1467 01:49:57,297 --> 01:49:59,233 陛下 早く 1468 01:49:59,233 --> 01:50:01,969 この馬良を 無駄死にさせないでください 1469 01:50:01,969 --> 01:50:05,239 すまぬ 馬良 そちの進言を聞かなかった 1470 01:50:05,239 --> 01:50:07,239 朕の罪じゃ 許せ 1471 01:50:26,527 --> 01:50:29,029 こうして蜀の大軍は 1472 01:50:29,029 --> 01:50:32,699 玄徳の夢もろとも 長江の激流に飲まれて 1473 01:50:32,699 --> 01:50:34,699 消えていったのである 1474 01:50:45,846 --> 01:50:47,781 殿 ご無事で何より 1475 01:50:47,781 --> 01:50:50,984 馬謖に鳳姫 どうしてここへ 1476 01:50:50,984 --> 01:50:53,687 はい 孔明先生のお言いつけで 1477 01:50:53,687 --> 01:50:55,687 さあ 早く 1478 01:50:58,258 --> 01:51:00,828 白帝城への道は全て包囲した 1479 01:51:00,828 --> 01:51:03,728 玄徳が落ち延びるには この道しかないはずだ 1480 01:51:08,068 --> 01:51:10,068 何だ これは 1481 01:51:20,113 --> 01:51:22,850 玄徳め この中へ逃げ込んだら 1482 01:51:22,850 --> 01:51:25,686 二度と出られなくなるという 魔の石林だ 1483 01:51:25,686 --> 01:51:28,889 引け 引け 1484 01:51:28,889 --> 01:51:31,825 夷陵の戦いに完敗した玄徳は 1485 01:51:31,825 --> 01:51:34,361 傷心の末 病に倒れ 1486 01:51:34,361 --> 01:51:36,296 明くる年の春4月 1487 01:51:36,296 --> 01:51:38,932 ここ白帝城で 生涯の終わりを 1488 01:51:38,932 --> 01:51:41,602 迎えようとしていた 1489 01:51:41,602 --> 01:51:46,039 私はとうとう 弟たちのかたきを討てなかった 1490 01:51:46,039 --> 01:51:49,643 義兄弟の誓いを果たすには 一刻も早く 1491 01:51:49,643 --> 01:51:53,347 あの二人の後を追うことだけじゃ 1492 01:51:53,347 --> 01:51:58,518 陛下 ご本復を祈っております 何とぞ ご再起を 1493 01:51:58,518 --> 01:52:02,890 軍師殿 1494 01:52:02,890 --> 01:52:05,459 最後に言っておきたいことがある 1495 01:52:05,459 --> 01:52:08,395 成都に残してきた 我が子の劉禅だが 1496 01:52:08,395 --> 01:52:12,799 そなたが見て もし 帝王として 補佐するに値する才があるなら 1497 01:52:12,799 --> 01:52:17,170 補佐してやってくれ だが もしその資質がないようなら 1498 01:52:17,170 --> 01:52:22,009 その時は そなた自身が大蜀皇帝に即位して 1499 01:52:22,009 --> 01:52:24,711 私の志を継いでくれ 1500 01:52:24,711 --> 01:52:27,247 陛下 1501 01:52:27,247 --> 01:52:30,851 それほどまでに この孔明をご信任くださるとは 1502 01:52:30,851 --> 01:52:34,288 もったいのうございます そなたたちの働きで 1503 01:52:34,288 --> 01:52:36,356 天下三分の計は実現して 1504 01:52:36,356 --> 01:52:38,492 蜀という国は起こしたが 1505 01:52:38,492 --> 01:52:40,994 私の生まれ故郷のタク県は今 1506 01:52:40,994 --> 01:52:43,430 魏の国の支配下にある 1507 01:52:43,430 --> 01:52:46,900 あの土地の人々の 苦労を思うと 私は 1508 01:52:46,900 --> 01:52:49,836 孔明 私の理想は 1509 01:52:49,836 --> 01:52:52,639 この大地に あまねく 1510 01:52:52,639 --> 01:52:54,839 太平平等の世を築くことだった 1511 01:53:01,148 --> 01:53:04,184 そなたの手で何としてもその夢を 1512 01:53:04,184 --> 01:53:08,889 一人でも多くの人々に 幸せな暮らしが与えられるよう 1513 01:53:08,889 --> 01:53:11,124 必ず 1514 01:53:11,124 --> 01:53:15,495 身命を賭しても 仰せは守り通しまする 1515 01:53:15,495 --> 01:53:17,695 頼むぞ 趙雲 1516 01:53:21,301 --> 01:53:24,738 そちとも長い間 苦労を分かち合ってきたが 1517 01:53:24,738 --> 01:53:27,307 これからは体を大事に致せよ 1518 01:53:27,307 --> 01:53:30,911 陛下 私はおそばから離れませんぞ 1519 01:53:30,911 --> 01:53:33,380 もういいのだ 見よ 1520 01:53:33,380 --> 01:53:36,080 関羽と張飛の二人が 迎えに来てくれている 1521 01:53:42,055 --> 01:53:44,855 分かった 義兄弟 すぐ参る 1522 01:53:47,627 --> 01:53:50,430 すぐ参るて 1523 01:53:50,430 --> 01:53:52,430 陛下… 1524 01:53:55,268 --> 01:53:57,268 陛下 1525 01:54:11,718 --> 01:54:14,955 ああ 私がしなければならないことが 1526 01:54:14,955 --> 01:54:17,424 この花びらの数ほどある 1527 01:54:17,424 --> 01:54:23,230 たどり着かねばならぬ所は あの山の頂よりも高くて遠い 1528 01:54:23,230 --> 01:54:25,799 陛下が残された夢は大き過ぎる 1529 01:54:25,799 --> 01:54:28,999 私の命が尽き果てるまでに どこまでやり遂げられるのか 1530 01:54:34,508 --> 01:54:39,346 姫 馬謖 そなたたちが私の力だ 1531 01:54:39,346 --> 01:54:42,115 いつまでも この手を離さずにいてくれよ 1532 01:54:42,115 --> 01:54:44,115 はい 1533 01:54:48,388 --> 01:54:52,259 玄徳の亡きがらを守って 成都へ戻った孔明は 1534 01:54:52,259 --> 01:54:56,496 盛大な葬儀の後 直ちに太子劉禅を即位させ 1535 01:54:56,496 --> 01:54:58,832 自らは丞相の地位に甘んじて 1536 01:54:58,832 --> 01:55:01,635 まず呉と和睦し 1537 01:55:01,635 --> 01:55:04,137 反乱の絶えない越南を平定して 1538 01:55:04,137 --> 01:55:07,340 玄徳亡き後の 国づくりを固めていった 1539 01:55:07,340 --> 01:55:10,777 だが 魏の軍総司令官に 上り詰めていた司馬懿は 1540 01:55:10,777 --> 01:55:13,113 この機会を逃さなかった 1541 01:55:13,113 --> 01:55:15,048 玄徳を亡くして 蜀は今 1542 01:55:15,048 --> 01:55:17,617 うろたえている真っ最中だ 1543 01:55:17,617 --> 01:55:20,887 この機を逃して 攻め入る機会は二度とない 1544 01:55:20,887 --> 01:55:24,191 諸葛孔明の軍略が どれほどのものか 1545 01:55:24,191 --> 01:55:26,927 とっくりと 見せてもらおうではないか 1546 01:55:26,927 --> 01:55:29,629 かくて 魏の大軍 50 万は 1547 01:55:29,629 --> 01:55:35,001 長安を拠点として 渭水の沿岸一体を制圧していった 1548 01:55:35,001 --> 01:55:38,905 だが 孔明もまた 魏都の国運を賭した決戦を 1549 01:55:38,905 --> 01:55:41,005 既に心に定めていたのである 1550 01:55:43,543 --> 01:55:47,013 臣 諸葛亮 謹んで申す 1551 01:55:47,013 --> 01:55:49,983 先帝志半ばにしてみまかり賜い 1552 01:55:49,983 --> 01:55:52,886 今 天下三分して我が国土は貧しく 1553 01:55:52,886 --> 01:55:55,122 誠に危急存亡の時かと 1554 01:55:55,122 --> 01:55:59,359 孔明はこの出師の表の中で 玄徳の功績を讃え 1555 01:55:59,359 --> 01:56:03,029 政治の進むべき方向を 細々と劉禅に諭してから 1556 01:56:03,029 --> 01:56:05,732 自ら玄徳の志を継いで 1557 01:56:05,732 --> 01:56:08,768 天下統一の大事業に向かうことを 誓ったのである 1558 01:56:08,768 --> 01:56:12,272 陛下もまた 先帝の御志に沿い 1559 01:56:12,272 --> 01:56:14,641 人民のよき先導者としての道を 1560 01:56:14,641 --> 01:56:16,576 進み賜れたし 1561 01:56:16,576 --> 01:56:19,479 陛下のご高恩に感謝しつつも 1562 01:56:19,479 --> 01:56:21,515 今遠く おそばを離れて 1563 01:56:21,515 --> 01:56:23,717 出陣せんとするにあたり 1564 01:56:23,717 --> 01:56:26,117 ただ涙落ちてとどまるを知らず 1565 01:56:38,231 --> 01:56:43,003 先生 私もお供させてくださいまし 1566 01:56:43,003 --> 01:56:46,373 姫 そなたには ここに残ってしなければならぬ 1567 01:56:46,373 --> 01:56:49,242 大事な務めがあるのです 1568 01:56:49,242 --> 01:56:52,242 務め? そう この馬謖の妻としての務めよ 1569 01:56:55,115 --> 01:56:58,552 先生 私たちはまだそんな 1570 01:56:58,552 --> 01:57:01,121 そなたたちが 深く心を結び合っているのは 1571 01:57:01,121 --> 01:57:03,190 前から察していた 1572 01:57:03,190 --> 01:57:05,458 姫 この馬謖なら 1573 01:57:05,458 --> 01:57:07,394 関羽将軍のご家名を汚さぬ 1574 01:57:07,394 --> 01:57:10,297 立派な婿殿になるでしょう 1575 01:57:10,297 --> 01:57:12,732 今度の戦いで 馬謖の働きが 1576 01:57:12,732 --> 01:57:15,101 どうしても必要なのです 1577 01:57:15,101 --> 01:57:17,170 馬謖を励ますためにも 1578 01:57:17,170 --> 01:57:19,372 姫の限りない愛を 今の間に 1579 01:57:19,372 --> 01:57:21,472 差し上げてやってください 1580 01:57:28,715 --> 01:57:32,352 姫 あなたの喜びも悲しみも 1581 01:57:32,352 --> 01:57:35,655 私に分けてください 1582 01:57:35,655 --> 01:57:39,593 馬謖様 私はあなたの妻なのですね 1583 01:57:39,593 --> 01:57:41,995 姫 今はその言葉だけを 1584 01:57:41,995 --> 01:57:45,432 いただいてゆきます 1585 01:57:45,432 --> 01:57:48,201 私は戦場に出たら 全身全霊で 1586 01:57:48,201 --> 01:57:51,104 先生をお助けしなければならない 1587 01:57:51,104 --> 01:57:54,975 他の思いとらわれることは 許されないのです 1588 01:57:54,975 --> 01:57:57,010 私が凱旋してくるまで 1589 01:57:57,010 --> 01:57:59,446 あなたの愛は この胸の内に 1590 01:57:59,446 --> 01:58:01,448 しまっておいてください 1591 01:58:01,448 --> 01:58:03,448 ええ きっと 1592 01:58:31,077 --> 01:58:33,847 孔明率いる 30 万の蜀軍は 1593 01:58:33,847 --> 01:58:37,183 漢中を根拠地として 祈山に布陣し 1594 01:58:37,183 --> 01:58:41,183 渭水の流れを隔てて 司馬懿の魏軍と相対した 1595 01:58:58,338 --> 01:59:00,573 来たか 孔明 1596 01:59:00,573 --> 01:59:04,110 百姓上がりの田舎書生が 丞相になり上がって 1597 01:59:04,110 --> 01:59:06,446 天守をいただく我らに 弓を引くとは 1598 01:59:06,446 --> 01:59:09,282 天の定めもわきまえぬ愚か者よ 1599 01:59:09,282 --> 01:59:11,217 早々に田舎へ逃げ帰って 1600 01:59:11,217 --> 01:59:14,554 畑でも耕してる方が 長生き出来るぞ 1601 01:59:14,554 --> 01:59:16,890 私が百姓なら お前たちは 1602 01:59:16,890 --> 01:59:20,360 漢王室から玉璽を奪い取った 盗っ人ではないか 1603 01:59:20,360 --> 01:59:23,730 天の定めとは 逆賊に罰を与えることだ 1604 01:59:23,730 --> 01:59:25,665 首を洗って待っていろ 1605 01:59:25,665 --> 01:59:27,734 口達者の学者崩れめ 1606 01:59:27,734 --> 01:59:30,070 貴様の兵法がどれだけのものか 1607 01:59:30,070 --> 01:59:32,005 ここで示してみよ 1608 01:59:32,005 --> 01:59:35,842 そういう貴様こそ 陣立てを知ってるのか 1609 01:59:35,842 --> 01:59:37,842 望むなら見せてやる 1610 01:59:48,388 --> 01:59:51,324 どうだ この陣形を知っているか 1611 01:59:51,324 --> 01:59:55,662 ははは… そんな古めかしい戦法 まだ使っているのか 1612 01:59:55,662 --> 01:59:59,666 それは混元一気の陣というものだ 1613 01:59:59,666 --> 02:00:02,035 それなら貴様が陣立てしてみろ 1614 02:00:02,035 --> 02:00:04,035 よかろう 1615 02:00:23,890 --> 02:00:27,560 ははは 八卦の陣ではないか 1616 02:00:27,560 --> 02:00:30,330 そんなものは ひともみで踏み潰してみせるわ 1617 02:00:30,330 --> 02:00:32,265 では かかってくるがいい 1618 02:00:32,265 --> 02:00:34,934 いいか あの陣形は 1619 02:00:34,934 --> 02:00:39,339 休 生 傷 杜 景 死 驚 開 1620 02:00:39,339 --> 02:00:41,274 の八つの門からなっている 1621 02:00:41,274 --> 02:00:43,309 真東の正門から突き入り 1622 02:00:43,309 --> 02:00:45,645 西南の景門へ抜け 1623 02:00:45,645 --> 02:00:49,482 次いで真北の開門から攻め入れば 必ず敗れる 1624 02:00:49,482 --> 02:00:51,482 行けい! 1625 02:01:20,046 --> 02:01:22,449 ぬかるな 西南より関興軍が 1626 02:01:22,449 --> 02:01:24,449 攻め込んできます 何? 1627 02:01:34,160 --> 02:01:38,765 司馬懿 なんじのそっ首は 趙雲がもらい受けるぞ 1628 02:01:38,765 --> 02:01:42,435 申し上げます 趙雲軍が現れました 1629 02:01:42,435 --> 02:01:45,705 何?すると我が軍は 三方から攻められているのか 1630 02:01:45,705 --> 02:01:47,705 まずい 引けい 引けい 1631 02:02:14,868 --> 02:02:17,637 初戦の勝利に勢い付いた蜀軍は 1632 02:02:17,637 --> 02:02:21,574 一気か成に 渭水流域の諸城を攻め落として 1633 02:02:21,574 --> 02:02:24,474 長安への総攻撃の体制を固めた 1634 02:02:32,118 --> 02:02:34,854 もはや我らのみでは 持ちこたえられません 1635 02:02:34,854 --> 02:02:37,457 洛陽から全軍の応援を仰がねば 1636 02:02:37,457 --> 02:02:41,027 落ち着け 諸葛孔明といえども人の子 1637 02:02:41,027 --> 02:02:45,331 手抜かりはある それがここだ 1638 02:02:45,331 --> 02:02:49,202 敵は本国を遠く離れて 食料が不足しておる 1639 02:02:49,202 --> 02:02:51,504 そこで 地元の産物を集めて 1640 02:02:51,504 --> 02:02:53,806 漢中に備蓄しようとするだろうが 1641 02:02:53,806 --> 02:02:58,244 その輸送路の入り口に当たるのが この街亭だ 1642 02:02:58,244 --> 02:03:00,213 ここをとれば敵軍は干上がって 1643 02:03:00,213 --> 02:03:02,615 放っておいても 飢え死にするだけだ 1644 02:03:02,615 --> 02:03:06,986 孔明の裏をかいて ここを占領するのだ 1645 02:03:06,986 --> 02:03:09,656 我が軍の糧食を確保するためには 1646 02:03:09,656 --> 02:03:13,026 この街亭を 絶対 敵の手に渡してはならぬ 1647 02:03:13,026 --> 02:03:14,961 司馬懿は曲者だから あるいはここに 1648 02:03:14,961 --> 02:03:17,230 奇襲攻撃をかけてくるかもしれん 1649 02:03:17,230 --> 02:03:20,166 誰か守備に当たる者はおらぬか 1650 02:03:20,166 --> 02:03:22,368 それがしが行ってまいります 1651 02:03:22,368 --> 02:03:25,238 馬謖 この街亭には城も砦もない 1652 02:03:25,238 --> 02:03:27,507 守るのに難しい所だぞ 1653 02:03:27,507 --> 02:03:30,276 誓って責任は全う致します 1654 02:03:30,276 --> 02:03:32,776 今日のために 軍礼状も用意してまいりました 1655 02:03:36,482 --> 02:03:39,385 このような誓約書を出して もし違約があった場合は 1656 02:03:39,385 --> 02:03:43,385 軍法に照らして処断されるが その覚悟は出来ているのか 1657 02:03:45,325 --> 02:03:48,528 それがしの一命は 成都を発つ時より 1658 02:03:48,528 --> 02:03:51,431 丞相閣下にお預けしております 1659 02:03:51,431 --> 02:03:54,400 そうか それなら行け ただし陣取りは 1660 02:03:54,400 --> 02:03:57,136 必ず目抜きの街道上に置くように 1661 02:03:57,136 --> 02:03:59,973 敵兵は一兵たりとも 通してはならぬ 1662 02:03:59,973 --> 02:04:03,810 他の場所に陣を取ると 思わぬ失敗を招くぞ 1663 02:04:03,810 --> 02:04:05,810 心得ております 1664 02:04:07,680 --> 02:04:10,950 こんな山里に 敵軍が来るとは思えんな 1665 02:04:10,950 --> 02:04:13,886 あの山上に陣を構えよう 1666 02:04:13,886 --> 02:04:17,123 馬謖殿 丞相閣下はこの街道上以外に 1667 02:04:17,123 --> 02:04:19,926 陣取りしてはならぬと 仰せられましたが 1668 02:04:19,926 --> 02:04:23,863 ここに陣を構えたら 敵は用心して近づかんだろう 1669 02:04:23,863 --> 02:04:26,299 この道を空けておいて 敵軍を誘い込み 1670 02:04:26,299 --> 02:04:30,069 あの山上から一気に攻めかかれば 全滅させることが出来る 1671 02:04:30,069 --> 02:04:33,006 戦果を挙げることが 我らの任務なのだ 1672 02:04:33,006 --> 02:04:35,006 全員 山へ登れ 1673 02:04:39,746 --> 02:04:44,517 父上 孔明先生と馬謖様を 1674 02:04:44,517 --> 02:04:46,517 いつまでもお守りください 1675 02:04:52,892 --> 02:04:54,827 隊長 どうした? 1676 02:04:54,827 --> 02:04:57,527 敵です 敵が現れました 来たか 1677 02:05:05,438 --> 02:05:07,373 ああ… 敵軍だ 1678 02:05:07,373 --> 02:05:10,276 隊長 山ろくは全て 敵軍に包囲されています 1679 02:05:10,276 --> 02:05:13,980 水をくみ上げることも出来ず 食事が作れません 1680 02:05:13,980 --> 02:05:17,350 何? ここを守っているのは誰だ 1681 02:05:17,350 --> 02:05:19,385 孔明の一番弟子といわれている 1682 02:05:19,385 --> 02:05:22,055 馬謖です ふん 1683 02:05:22,055 --> 02:05:24,991 肝心の水源を 絶たれることも気付かず 1684 02:05:24,991 --> 02:05:27,026 山頂に陣取るとは 1685 02:05:27,026 --> 02:05:31,064 こんな浅はかな男を 将に選んだのが 孔明の運の尽きだ 1686 02:05:31,064 --> 02:05:33,966 夜になったらへばり出すだろう 下から火を付けて 1687 02:05:33,966 --> 02:05:35,966 一気に攻め上がれ 1688 02:05:44,410 --> 02:05:46,410 大変だ! 1689 02:05:54,687 --> 02:05:59,087 ええい 何をしている 早く下へ切り込み 山を下りるんだ 1690 02:06:10,670 --> 02:06:14,370 隊長 この火責めでは動けません 援軍を待ちましょう 1691 02:06:17,076 --> 02:06:19,576 はあ… 我は誤てり… 1692 02:06:38,264 --> 02:06:41,300 隊長 敵は持久戦の構えです 1693 02:06:41,300 --> 02:06:43,770 我が軍は飢えと乾きに迫られて 1694 02:06:43,770 --> 02:06:46,672 続々 魏軍に投降していきます 1695 02:06:46,672 --> 02:06:49,172 隊長だけでも ここから逃げ延びてください 1696 02:06:51,277 --> 02:06:55,515 丞相閣下… 何?街亭が落ちたと 1697 02:06:55,515 --> 02:06:58,551 は 山頂の陣は 四方からの火責めで 1698 02:06:58,551 --> 02:07:03,089 なすところもなく 敗れたか 1699 02:07:03,089 --> 02:07:05,658 街亭の一戦に敗れた孔明は 1700 02:07:05,658 --> 02:07:08,494 長安総攻撃も断念して 空しく 1701 02:07:08,494 --> 02:07:10,494 帰国の途につくほかはなかった 1702 02:07:17,637 --> 02:07:21,140 馬謖 これを覚えているか 1703 02:07:21,140 --> 02:07:23,609 はい 1704 02:07:23,609 --> 02:07:26,112 これほどの覚悟が 出来ておったのに なぜ 1705 02:07:26,112 --> 02:07:29,749 私の言う通りにしなかったのだ 今地の出兵は 1706 02:07:29,749 --> 02:07:32,652 その方の失態によって 全て水泡に帰した 1707 02:07:32,652 --> 02:07:35,121 その罪は万死に値する 1708 02:07:35,121 --> 02:07:38,024 何か申し開きがあるか 1709 02:07:38,024 --> 02:07:40,726 丞相閣下 何とぞ 1710 02:07:40,726 --> 02:07:43,529 軍法通りに死を賜りますよう 1711 02:07:43,529 --> 02:07:46,365 部下を見捨て 恥をしのんで帰りましたのは 1712 02:07:46,365 --> 02:07:48,965 ただただ 閣下御自らの 罰を受けたいと 1713 02:07:51,604 --> 02:07:55,007 それだけが 長年の御恩を裏切ったそれがしの 1714 02:07:55,007 --> 02:07:57,577 ただ一つの おわびの印でございます 1715 02:07:57,577 --> 02:08:00,246 馬謖 1716 02:08:00,246 --> 02:08:02,246 行け 1717 02:08:08,721 --> 02:08:11,090 待たれよ 1718 02:08:11,090 --> 02:08:14,627 馬謖殿は司馬懿の軍勢を おびき寄せて討とうと 1719 02:08:14,627 --> 02:08:17,864 山頂に陣を構えたのでござろう 1720 02:08:17,864 --> 02:08:20,299 そうであれば これは作戦のそごで 1721 02:08:20,299 --> 02:08:22,235 軍律違反とは言いがたい 1722 02:08:22,235 --> 02:08:25,137 馬謖殿は国家にとっても 有意な人材 1723 02:08:25,137 --> 02:08:28,107 拙者からもご助命をお願いする 1724 02:08:28,107 --> 02:08:30,877 将軍 国にとって大事なものは 1725 02:08:30,877 --> 02:08:34,747 馬謖の才能よりも 揺るぎのない法律である 1726 02:08:34,747 --> 02:08:37,583 国家を守るためにこそ 1727 02:08:37,583 --> 02:08:39,983 馬謖を斬らねばならぬ 1728 02:09:10,950 --> 02:09:15,354 先生 1729 02:09:15,354 --> 02:09:17,290 先生は天下や国家のことしか 1730 02:09:17,290 --> 02:09:19,959 お考えにならなかったんですね 1731 02:09:19,959 --> 02:09:24,664 姫 許してくれ いいえ 許しません 1732 02:09:24,664 --> 02:09:29,068 先生はご自分から 私に新しい命をくださったのに 1733 02:09:29,068 --> 02:09:32,338 ご自分でまた 取り上げてしまったのです 1734 02:09:32,338 --> 02:09:35,207 人の心を 人の命を 1735 02:09:35,207 --> 02:09:37,176 そんな勝手にもてあそんで 1736 02:09:37,176 --> 02:09:41,414 何が正義の戦いなんですか 1737 02:09:41,414 --> 02:09:46,118 私には分からない 先生も正義という言葉も 1738 02:09:46,118 --> 02:09:49,922 私に必要なのは この人だけだったんです 1739 02:09:49,922 --> 02:09:52,692 この人を返してください 1740 02:09:52,692 --> 02:09:54,992 返してください! 1741 02:10:16,882 --> 02:10:19,618 ひい様 見てください 1742 02:10:19,618 --> 02:10:22,254 こんな奇麗な物が焼けたわ 1743 02:10:22,254 --> 02:10:25,891 よく出来たわね これでもう どんなに不作な年が来ても 1744 02:10:25,891 --> 02:10:28,728 これを売れば 暮らしには困らないわ 1745 02:10:28,728 --> 02:10:31,630 織物も かごも作れるんだもの 1746 02:10:31,630 --> 02:10:34,266 ひい様が教えてくれたおかげだわ 1747 02:10:34,266 --> 02:10:37,366 先生 変なおじいさんが 表に立ってるよ 1748 02:10:39,905 --> 02:10:42,775 老師 左慈のおじいちゃん 1749 02:10:42,775 --> 02:10:45,444 どうしたの そんな落ちぶれた姿に なっちゃって 1750 02:10:45,444 --> 02:10:48,848 言葉が話せるようになっても こら 小猿 いくら 1751 02:10:48,848 --> 02:10:51,350 落ちぶれたというのはひどいぞ 1752 02:10:51,350 --> 02:10:53,886 わしはこの数年 無の境地に入って 1753 02:10:53,886 --> 02:10:56,322 一切のものを見ず 音を聞かず 1754 02:10:56,322 --> 02:10:58,257 声を発しておらんのじゃ 1755 02:10:58,257 --> 02:11:01,160 天地の大道を悟るには これしかないのじゃて 1756 02:11:01,160 --> 02:11:03,963 老師 ともかく中へお入りになって 1757 02:11:03,963 --> 02:11:06,365 いや ここでよい それより 姫 1758 02:11:06,365 --> 02:11:09,835 諸葛孔明は今年もまた 渭水の岸に兵を出して 1759 02:11:09,835 --> 02:11:11,935 司馬懿と戦っておるぞ 1760 02:11:14,006 --> 02:11:19,812 これで6度目の戦いじゃが えらく苦労しておるそうな 1761 02:11:19,812 --> 02:11:23,716 趙雲 馬超の各将軍も 既に世を去り 国王の劉禅は 1762 02:11:23,716 --> 02:11:27,620 薄馬鹿の女たらしときておる 1763 02:11:27,620 --> 02:11:30,589 真剣に国を思って戦っておるのは 1764 02:11:30,589 --> 02:11:32,725 孔明ただ一人じゃ 1765 02:11:32,725 --> 02:11:37,163 じゃが さすがの孔明も くたびれ果てておるらしい 1766 02:11:37,163 --> 02:11:39,598 姫 孔明を支えてやれるのは 1767 02:11:39,598 --> 02:11:42,501 そなたしかおらぬ 彼の元へ行ってやるがいい 1768 02:11:42,501 --> 02:11:44,437 わしはそれを言いに来たんじゃ 1769 02:11:44,437 --> 02:11:47,406 老師 私は天下国家のことは 1770 02:11:47,406 --> 02:11:49,909 もう考えたくないんです 1771 02:11:49,909 --> 02:11:52,711 ここでこの子たちに 学問を教えてやることだけが 1772 02:11:52,711 --> 02:11:54,747 生きがいなんです 1773 02:11:54,747 --> 02:11:57,550 馬謖を斬られた恨みじゃろ 1774 02:11:57,550 --> 02:12:00,352 あの時孔明は泣いていたのじゃ 1775 02:12:00,352 --> 02:12:03,823 馬謖を斬るより 自分が死にたかったに違いない 1776 02:12:03,823 --> 02:12:07,726 じゃが それでは玄徳の志が継げぬ 1777 02:12:07,726 --> 02:12:10,563 孔明は己が果たすべき義務 1778 02:12:10,563 --> 02:12:15,801 自らに課した天命を 誠実に貫こうとしておったのじゃ 1779 02:12:15,801 --> 02:12:18,104 天命 そうじゃ 1780 02:12:18,104 --> 02:12:20,639 人はそれぞれの天命に 生き抜くことこそ 1781 02:12:20,639 --> 02:12:23,542 天地の大道というものじゃ 1782 02:12:23,542 --> 02:12:25,978 姫 五丈原へ行け 1783 02:12:25,978 --> 02:12:29,982 丞相は病篤く あます命もあとわずか 1784 02:12:29,982 --> 02:12:33,782 五丈原 そうだ 五丈原じゃ 1785 02:12:42,528 --> 02:12:46,098 司馬懿は 持久戦で 我が軍の糧食が尽きるのを 1786 02:12:46,098 --> 02:12:48,033 待っておるのじゃ 1787 02:12:48,033 --> 02:12:50,469 冬の訪れまでに勝負をつけぬと 1788 02:12:50,469 --> 02:12:54,869 今年もまた 無駄な出兵に終わってしまう 1789 02:13:01,113 --> 02:13:03,182 申し上げます 蜀軍は懸隔より 1790 02:13:03,182 --> 02:13:05,851 新しい運搬車 木牛流馬を使って 1791 02:13:05,851 --> 02:13:08,454 食料をどんどん運んでおります 1792 02:13:08,454 --> 02:13:11,223 何? それはまずい 1793 02:13:11,223 --> 02:13:14,493 蜀軍の糧食難を待つという わしの持久戦は 1794 02:13:14,493 --> 02:13:18,364 根底から覆されてしまう 張虎 楽チン 1795 02:13:18,364 --> 02:13:20,933 早速奇襲をかけ 食料を奪い取るのだ 1796 02:13:20,933 --> 02:13:22,933 はっ 1797 02:13:30,276 --> 02:13:33,476 敵兵だ 退散しろ 1798 02:13:35,481 --> 02:13:38,281 おうし 急いで砦へ運べ 1799 02:13:40,319 --> 02:13:42,719 早くしろ 1800 02:13:49,128 --> 02:13:51,728 かかれえ! 1801 02:13:55,267 --> 02:13:57,867 引け 引けえ! 1802 02:14:03,475 --> 02:14:06,278 父上 老師はああ言っていますが 1803 02:14:06,278 --> 02:14:08,678 私はどうしたらいいんでしょう 1804 02:14:11,250 --> 02:14:13,919 勝算なきは戦うなかれ 1805 02:14:13,919 --> 02:14:17,656 だが 座して滅ぶを待つより 出でて活路を求めん 1806 02:14:17,656 --> 02:14:20,856 ここを退いて蜀の生きる道はない 1807 02:14:27,933 --> 02:14:31,870 父上 1808 02:14:31,870 --> 02:14:36,375 今 ここにいる我が兵は 蜀軍の3倍 100 万にもなろうかと 1809 02:14:36,375 --> 02:14:39,278 これだけの兵がいながら なぜ戦わないのですか 1810 02:14:39,278 --> 02:14:41,847 陛下が守りを固めよと仰せられ 1811 02:14:41,847 --> 02:14:44,750 わしもそれがよいと 考えているからじゃ 1812 02:14:44,750 --> 02:14:48,287 しかし 諸所は 父上自身が孔明に圧倒され 1813 02:14:48,287 --> 02:14:50,656 手も足も出ないと思っております 1814 02:14:50,656 --> 02:14:52,658 それも事実じゃろう 1815 02:14:52,658 --> 02:14:55,494 我が知謀 とても孔明には及ばぬ 1816 02:14:55,494 --> 02:14:57,894 あ… 1817 02:15:01,934 --> 02:15:04,503 ただいま 蜀軍陣地の諸葛孔明から 1818 02:15:04,503 --> 02:15:07,206 閣下への贈り物が届けられました 1819 02:15:07,206 --> 02:15:10,709 孔明から? 1820 02:15:10,709 --> 02:15:12,709 開けてみよ 1821 02:15:15,014 --> 02:15:17,814 何じゃ 女の衣装ではないか 1822 02:15:21,387 --> 02:15:24,723 君は恐らく女であろう 部屋に閉じこもる婦人のごとく 1823 02:15:24,723 --> 02:15:29,895 出撃もしない おのれ わしを愚弄しおって 1824 02:15:29,895 --> 02:15:34,533 ふっ ふははは… 1825 02:15:34,533 --> 02:15:36,468 分かったぞ 孔明のやつ 1826 02:15:36,468 --> 02:15:38,904 わしを臆病者とあざ笑って挑発し 1827 02:15:38,904 --> 02:15:41,707 戦を仕掛けさせる魂胆じゃ 1828 02:15:41,707 --> 02:15:43,642 ふふ その手は食わぬわ 1829 02:15:43,642 --> 02:15:46,879 使者の言によりますと 孔明は食事も取らずに 1830 02:15:46,879 --> 02:15:50,749 一日中 陣頭を見回っているようです 1831 02:15:50,749 --> 02:15:54,620 そうか それは 体が弱っているからじゃろう 1832 02:15:54,620 --> 02:15:59,191 こんな小細工といい きゃつめ 先がないのを知って焦っておるな 1833 02:15:59,191 --> 02:16:02,991 あとわずかの辛抱じゃ ふふふ 1834 02:16:11,303 --> 02:16:14,003 丞相 お薬を ああ… 1835 02:16:20,346 --> 02:16:22,381 ありがとう もう夜も遅いから 1836 02:16:22,381 --> 02:16:25,117 わしに構わず休みなさい 1837 02:16:25,117 --> 02:16:27,417 はい 1838 02:16:46,438 --> 02:16:49,608 ああ 天なる我が将星よ 1839 02:16:49,608 --> 02:16:53,278 この孔明に あとわずかの余命を与えたまえ 1840 02:16:53,278 --> 02:16:59,685 必ず逆賊を討ち 天下救済の道を開かん 1841 02:16:59,685 --> 02:17:03,385 切に 切に 願い奉る 1842 02:18:19,031 --> 02:18:23,235 ああ なんじ… 1843 02:18:23,235 --> 02:18:25,435 うっ 1844 02:18:27,639 --> 02:18:31,009 先生! 1845 02:18:31,009 --> 02:18:33,612 ひ 姫ではないか 1846 02:18:33,612 --> 02:18:35,981 こんなお体とは知らずに 1847 02:18:35,981 --> 02:18:37,981 お許しください 1848 02:18:40,819 --> 02:18:44,823 帰ったか 帰ってきてくれたか 1849 02:18:44,823 --> 02:18:47,593 私は信じていたよ そなたは必ず 1850 02:18:47,593 --> 02:18:50,863 私の心が分かってくれると 1851 02:18:50,863 --> 02:18:53,398 私が馬鹿でした 今になって 1852 02:18:53,398 --> 02:18:56,668 やっと気が付いたんです 先生の支えになることが 1853 02:18:56,668 --> 02:19:00,639 私の天命だと 馬謖様もきっと同じ考えで 1854 02:19:00,639 --> 02:19:02,774 喜んで死んでいったのでしょう 1855 02:19:02,774 --> 02:19:05,711 姫 もう何も言わんでくれ 1856 02:19:05,711 --> 02:19:11,049 私にはもう 昔を悔ゆる時間の余裕もないのだ 1857 02:19:11,049 --> 02:19:13,452 先生 姫 外へ出て 1858 02:19:13,452 --> 02:19:16,989 私の将星を確かめたい 車をここへ 1859 02:19:16,989 --> 02:19:19,024 はい 1860 02:19:19,024 --> 02:19:21,124 丞相! 丞相! 1861 02:19:35,440 --> 02:19:38,377 おお 我が将星よ 1862 02:19:38,377 --> 02:19:42,577 今宵でお別れのようだ 1863 02:19:47,486 --> 02:19:50,086 ああ… はああ… 1864 02:19:58,931 --> 02:20:01,131 はっ 1865 02:20:03,201 --> 02:20:05,237 ああっ 1866 02:20:05,237 --> 02:20:07,372 丞相! 先生! 1867 02:20:07,372 --> 02:20:10,072 先生! 丞相! 1868 02:20:12,177 --> 02:20:14,713 我が将星は落ちた 1869 02:20:14,713 --> 02:20:16,913 終わりじゃ 1870 02:20:19,585 --> 02:20:23,285 死んだ 孔明が死んだ 全員総攻撃じゃ! 1871 02:20:27,326 --> 02:20:31,029 いいか 陣中でわしの喪を出してはならぬ 1872 02:20:31,029 --> 02:20:33,932 泣き騒いだりせず 平静を保って 1873 02:20:33,932 --> 02:20:36,501 一陣ずつ隊を後方へ下げ 1874 02:20:36,501 --> 02:20:40,372 敵に悟られぬよう 全軍無事に成都へ引き上げよ 1875 02:20:40,372 --> 02:20:44,276 万一 司馬懿がわしの死に気付いて 攻めかかってきた時は 1876 02:20:44,276 --> 02:20:46,645 ここの鳳姫に策を授けてあるから 1877 02:20:46,645 --> 02:20:49,548 従うがよい はっ 1878 02:20:49,548 --> 02:20:51,516 姫 はい 1879 02:20:51,516 --> 02:20:54,519 そなたは もう二度と 武器を手にしてはならぬ 1880 02:20:54,519 --> 02:20:58,219 これからの世は 戦って得るものは何もない 1881 02:21:00,525 --> 02:21:04,463 名もなき 民草の一人一人が力を持ち 1882 02:21:04,463 --> 02:21:09,601 手を結び合っていく以外に 真実の平安はもたらされぬ 1883 02:21:09,601 --> 02:21:13,271 そなたの天命は その手引きをしてやることだ 1884 02:21:13,271 --> 02:21:16,942 父君 関羽将軍が 若き日にしていたように 1885 02:21:16,942 --> 02:21:19,845 貧しい人たちに一人でも多く 1886 02:21:19,845 --> 02:21:23,145 学問を教えてやることだ はい 1887 02:21:27,285 --> 02:21:29,885 ああ これでいい… 1888 02:21:33,125 --> 02:21:35,394 先生 丞相 1889 02:21:35,394 --> 02:21:37,394 先生 1890 02:21:54,780 --> 02:21:56,880 突撃 1891 02:22:00,385 --> 02:22:02,387 もぬけの殻だ 1892 02:22:02,387 --> 02:22:04,656 もう逃げたのか 1893 02:22:04,656 --> 02:22:08,393 おお? 1894 02:22:08,393 --> 02:22:11,193 あそこだ 追え 皆殺しにせい 1895 02:22:24,576 --> 02:22:28,146 おお 何だ この飛び道具は 1896 02:22:28,146 --> 02:22:32,017 おお 1897 02:22:32,017 --> 02:22:34,017 おお… 1898 02:22:37,789 --> 02:22:40,692 孔明 しまった 1899 02:22:40,692 --> 02:22:42,661 まだ生きておったか 1900 02:22:42,661 --> 02:22:44,661 かかれ 1901 02:22:47,065 --> 02:22:50,669 孔明め 我らの陣より おびき出すためのわなを 1902 02:22:50,669 --> 02:22:52,969 引けい 引けい 1903 02:23:03,115 --> 02:23:05,115 やった 1904 02:23:09,688 --> 02:23:12,691 こうして五丈原の最後の一戦は 1905 02:23:12,691 --> 02:23:16,762 死せる孔明が 生ける司馬懿仲達を走らす 1906 02:23:16,762 --> 02:23:18,862 圧勝に終わったのである 1907 02:23:52,564 --> 02:23:55,300 孔明先生 1908 02:23:55,300 --> 02:23:58,303 私は父上 関羽の生まれ故郷 1909 02:23:58,303 --> 02:24:01,673 山東へ帰って 先生の言いつけ通りに 1910 02:24:01,673 --> 02:24:04,073 天命を全うして 生き抜きます 1911 02:24:19,925 --> 02:24:22,227 この後 30 年にして 1912 02:24:22,227 --> 02:24:25,630 皇帝劉禅は魏に下って蜀は滅び 1913 02:24:25,630 --> 02:24:29,501 三国分立の時代は 終わりを告げることになる 1914 02:24:29,501 --> 02:24:34,973 だが ひたすら 民衆の幸せを 安穏を願って戦い 1915 02:24:34,973 --> 02:24:38,243 華々しく散っていった劉備玄徳 1916 02:24:38,243 --> 02:24:43,081 関羽 張飛 そして諸葛孔明らの大儀は 1917 02:24:43,081 --> 02:24:45,984 民衆の心の中に生き続けて 1918 02:24:45,984 --> 02:24:48,884 決して滅することは なかったのである