1 00:00:03,795 --> 00:00:08,925 (電話の着信音) 2 00:00:09,092 --> 00:00:12,512 (幸田(こうだ)の妻) 洗濯物を干していたら電話が鳴った 3 00:00:13,096 --> 00:00:16,933 受話器を取ったら “もしもし”と細い声がして— 4 00:00:17,559 --> 00:00:20,437 “今 大丈夫ですか”と 言うから— 5 00:00:20,562 --> 00:00:23,106 “ああ これが よくニュースで言ってる—” 6 00:00:23,231 --> 00:00:25,775 “オレオレ詐欺か”と身構えたら… 7 00:00:26,234 --> 00:00:31,281 “お久しぶりです 零(れい)です”と いう声が聞こえてきた 8 00:00:35,118 --> 00:00:36,453 (零)こんにちは 9 00:00:37,620 --> 00:00:39,164 (幸田の妻)声の持ち主は— 10 00:00:39,289 --> 00:00:43,501 数年前まで 我が家で預かっていた男の子だった 11 00:00:44,127 --> 00:00:45,962 (鳴き声) 12 00:00:46,129 --> 00:00:49,716 (零) タロウ 久しぶり 元気だったか? 13 00:00:50,425 --> 00:00:52,427 (幸田の妻)タロウ おじいちゃんになったでしょう 14 00:00:52,552 --> 00:00:55,513 最近は いつも ここで寝てばかりなのよ 15 00:00:55,930 --> 00:00:57,223 (零)フフッ… 16 00:00:57,390 --> 00:01:00,977 そっか タロウ (鳴き声) 17 00:01:02,312 --> 00:01:05,732 歩(あゆむ)君は元気ですか? 香子(きょうこ)さんも 18 00:01:07,400 --> 00:01:09,235 歩は今 予備校で— 19 00:01:09,360 --> 00:01:13,823 香子は 派遣っていうのかしら あちこち行ってるわ 20 00:01:17,160 --> 00:01:20,246 (幸田の妻) そう答えながら 私は この子が— 21 00:01:20,622 --> 00:01:24,501 私1人のときに来てくれたことに ホッとしていた 22 00:01:25,043 --> 00:01:30,757 香子と歩がいたら 一瞬で また この居間は 凍りついていただろう 23 00:01:31,800 --> 00:01:33,676 あのころみたいに… 24 00:01:35,261 --> 00:01:36,888 (零)あの… これ 25 00:01:37,013 --> 00:01:40,809 最近 よくお世話になってる 和菓子屋さんのお菓子です 26 00:01:40,975 --> 00:01:42,268 良かったら 27 00:01:43,436 --> 00:01:46,272 (幸田の妻) そう この家では もう— 28 00:01:46,731 --> 00:01:50,026 誰も この子の名を口に出す者はない 29 00:01:51,236 --> 00:01:56,241 (零)長いこと ちゃんと挨拶に 来られないで すみませんでした 30 00:01:57,033 --> 00:02:00,203 (幸田の妻)心配したわ 全然 顔も見せないんだもの 31 00:02:00,328 --> 00:02:03,414 …と言おうと思って 口をつぐんだ 32 00:02:03,957 --> 00:02:06,292 この子は 全部 分かっていて— 33 00:02:06,459 --> 00:02:08,877 うちに来ないでいてくれたのだ 34 00:02:09,503 --> 00:02:10,295 そして— 35 00:02:10,839 --> 00:02:14,300 気まずくて 目を合わせられないで 座っている私と— 36 00:02:15,051 --> 00:02:17,137 向かい合ってくれている 37 00:02:19,973 --> 00:02:23,810 柔らかく… そうだ 柔らかい 38 00:02:24,811 --> 00:02:28,773 この子は 随分と雰囲気が柔らかくなった 39 00:02:29,482 --> 00:02:31,234 大人になった 40 00:02:32,193 --> 00:02:35,822 歩と同じ年? 信じられない 41 00:02:35,989 --> 00:02:39,826 うちの子は まだ変わらず子供のままなのに 42 00:02:42,787 --> 00:02:48,042 うちの子たちが彼にかなわないのは わりと早い段階で気がついた 43 00:02:48,501 --> 00:02:50,128 単純な話だ 44 00:02:50,503 --> 00:02:54,841 はた目にも 明らかに 練習量がケタ違いだったのだ 45 00:02:55,341 --> 00:03:01,139 それでも 彼に負けたくないのなら 彼より更に練習しないと始まらない 46 00:03:01,264 --> 00:03:03,182 簡単な答えだった 47 00:03:03,433 --> 00:03:07,854 だが しかし できるかといえば できなかったのだ 48 00:03:09,522 --> 00:03:12,734 正論を 粛々と体現していく彼を前に— 49 00:03:12,859 --> 00:03:17,030 うちの子たちは 自分の弱さに心を乱し— 50 00:03:17,322 --> 00:03:19,866 粉々に崩れていった 51 00:03:20,325 --> 00:03:23,870 私は 自分の子供たちに反発され 戸惑い— 52 00:03:24,037 --> 00:03:27,498 主人は ただ黙って それを見ていた 53 00:03:28,041 --> 00:03:31,252 “やる気を他人に出させて もらわないといけない人間は—” 54 00:03:31,377 --> 00:03:33,671 “どっちにしても いずれ行き詰まる” 55 00:03:33,796 --> 00:03:36,883 それが主人の持論だった 56 00:03:37,550 --> 00:03:42,889 弱い自分を直視できず 手の届く楽しさに のみ込まれ— 57 00:03:43,056 --> 00:03:47,018 ある日 “だって 努力できるのも才能じゃん” 58 00:03:47,143 --> 00:03:49,896 …と言い放った歩の言葉に— 59 00:03:50,063 --> 00:03:53,483 “ハハッ”と 夫は笑った 60 00:03:54,817 --> 00:03:57,654 あれが多分 あの人が— 61 00:03:57,820 --> 00:04:01,658 棋士としての歩を 見限った瞬間だったのだろう 62 00:04:04,619 --> 00:04:07,789 あの子を見ていて 思い知らされたのは— 63 00:04:07,914 --> 00:04:11,626 たどりつきたい場所を 持ってしまった人間というのは— 64 00:04:11,751 --> 00:04:16,172 ここまで突き詰めないと いけないのかということだった 65 00:04:16,755 --> 00:04:18,966 “なりたいものに なれる人間なんて—” 66 00:04:19,091 --> 00:04:22,262 “ほんのひと握りの 人だけなのだから”と— 67 00:04:22,553 --> 00:04:26,015 どうやったらなれるかも 考えずに来た私にとって— 68 00:04:26,140 --> 00:04:30,061 あの子の姿は 胸にモヤモヤと重かった 69 00:04:30,603 --> 00:04:34,023 そして ある日 やっと思い至ったのだ 70 00:04:34,399 --> 00:04:37,443 自分の夫も あの子と同じような子供時代を— 71 00:04:37,568 --> 00:04:40,196 歩んできた人間であるということに 72 00:04:41,322 --> 00:04:45,285 分かっているようで 本当には分かっていなかった 73 00:04:45,910 --> 00:04:47,954 将棋というものを通して見れば— 74 00:04:48,621 --> 00:04:52,875 この家の中で 主人にとって いちばん分かり合える人間は— 75 00:04:53,001 --> 00:04:56,713 家族ではなく あの子だったのだ 76 00:04:59,799 --> 00:05:04,554 彼は 一心に将棋に打ち込み 勉強も黙々とこなし— 77 00:05:04,679 --> 00:05:09,267 家のことも手伝った 本当にいい子だった 78 00:05:11,394 --> 00:05:15,440 それが ますます うちの子2人を苦しめた 79 00:05:17,900 --> 00:05:20,653 どうして この子は こんなにもいい子なんだろう 80 00:05:20,778 --> 00:05:24,115 なんで うちの子は こういうふうに 育たなかったんだろう 81 00:05:24,240 --> 00:05:28,745 彼の母親と 私の育て方は どこが違ったんだろう 82 00:05:29,245 --> 00:05:32,415 私は 子育てに失敗したのかな 83 00:05:32,540 --> 00:05:33,750 彼は居候だから— 84 00:05:34,083 --> 00:05:37,754 ここにいるために 一生懸命 “いい子”を演じているのかな 85 00:05:37,920 --> 00:05:42,717 ホントは 私たちのこと バカにしてるんじゃないのかな… 86 00:05:43,551 --> 00:05:44,761 いいえ 87 00:05:46,387 --> 00:05:47,263 違う 88 00:05:48,139 --> 00:05:50,933 彼は… 零は ただ— 89 00:05:51,642 --> 00:05:54,562 ただ本当にいい子だった 90 00:05:57,231 --> 00:06:00,109 子供たちも そして私も— 91 00:06:00,693 --> 00:06:04,072 それを分かっていて 零に甘えたのだ 92 00:06:04,447 --> 00:06:08,034 甘えて 突き放して ぞんざいに扱って— 93 00:06:08,201 --> 00:06:11,788 彼に居場所を与えなかった そして 彼は… 94 00:06:13,956 --> 00:06:17,794 自分がいると みんなが どんどんギクシャクしていくから… 95 00:06:18,544 --> 00:06:21,798 だけど それすら口に出すこともせずに— 96 00:06:22,256 --> 00:06:24,759 静かに家を出ていった 97 00:06:27,512 --> 00:06:31,057 5時の鐘が流れると 零は席を立った 98 00:06:32,225 --> 00:06:38,022 そして “それじゃ”と言ったあと 結びの言葉が探せずに… 99 00:06:38,940 --> 00:06:41,067 “また来ます”と言った 100 00:06:41,734 --> 00:06:45,071 “また来てね”と 私も答えた 101 00:06:45,988 --> 00:06:49,075 だって ほかに何て言えたろう 102 00:06:51,035 --> 00:06:52,578 (零)じゃあな タロウ 103 00:07:11,055 --> 00:07:12,849 長生きしてな 104 00:07:14,308 --> 00:07:15,560 (零)元気でな 105 00:07:20,815 --> 00:07:26,654 (幸田の妻)零が帰って 私は台所で 夕飯の支度を始めた 106 00:07:26,779 --> 00:07:28,531 いつものとおりに 107 00:07:29,282 --> 00:07:34,328 誰も連絡をよこさなくても 毎日 私は ここに立つ 108 00:07:35,037 --> 00:07:38,332 ご飯を作って みんなを待つ 109 00:07:41,544 --> 00:07:44,839 その晩 私は夢を見た 110 00:07:47,091 --> 00:07:51,304 零が ホントの私の子供であった夢だった 111 00:07:51,971 --> 00:07:54,599 ホントの子供になった彼は— 112 00:07:54,765 --> 00:07:58,603 居間で だらしなく寝そべって お菓子を食べ テレビを見— 113 00:07:58,769 --> 00:08:03,774 “早く寝なさい”と言う私に “うるさいなぁ”と口答えをした 114 00:08:04,692 --> 00:08:10,615 私は “な〜んだ これじゃ 歩や香子と同じじゃないか” 115 00:08:11,157 --> 00:08:13,075 …と がっかりしながら— 116 00:08:13,201 --> 00:08:14,619 心から… 117 00:08:17,246 --> 00:08:18,998 ホッとしていた 118 00:08:25,296 --> 00:08:31,302 ♪〜 119 00:09:49,213 --> 00:09:54,885 〜♪ 120 00:10:01,851 --> 00:10:03,394 (ひなた) “みんなで もんじゃに行こう” 121 00:10:05,146 --> 00:10:07,398 桐山(きりやま)君が誘ってくれた 122 00:10:08,816 --> 00:10:12,153 高橋(たかはし)君が 高知へ旅立つ前に 123 00:10:13,404 --> 00:10:15,656 (零)それじゃ え〜っと… 124 00:10:15,823 --> 00:10:17,950 2人とも 卒業おめでとう 125 00:10:18,117 --> 00:10:22,580 そして 高橋君の 高知義塾(こうちぎじゅく)での活躍を祈って— 126 00:10:23,122 --> 00:10:24,081 あ〜… 127 00:10:24,790 --> 00:10:26,125 え〜っと かんぱ… 128 00:10:26,292 --> 00:10:28,502 (高橋) あっ… ちょっと待ってください 129 00:10:29,003 --> 00:10:30,379 それから… 130 00:10:33,758 --> 00:10:36,385 桐山さん B2昇級 おめでとうございます 131 00:10:36,552 --> 00:10:38,971 ああ… ありがとう 132 00:10:39,722 --> 00:10:42,642 (ひなた)えっ? あっ… お… おめでとう 桐山君 133 00:10:42,808 --> 00:10:44,018 すごいッス! 134 00:10:44,393 --> 00:10:46,270 じっちゃんが すげえ喜んでました 135 00:10:46,687 --> 00:10:48,898 知人にB級の棋士がいるなんて 136 00:10:49,065 --> 00:10:50,399 (高橋の祖父)やった〜! 137 00:10:50,566 --> 00:10:53,486 (高橋)もう みんなに 自慢したくてたまらないみたいで 138 00:10:53,611 --> 00:10:56,906 桐山君は 未来の名人じゃ! 139 00:10:57,073 --> 00:10:59,450 (零)ああ… ありがたい 140 00:10:59,575 --> 00:11:04,372 あっ… じゃ 前回のNHK杯 早々に負けちゃって すみません 141 00:11:04,497 --> 00:11:06,749 すっごく楽しみにしてくれてたのに 142 00:11:06,874 --> 00:11:08,876 (高橋) いえいえ じっちゃんは もう— 143 00:11:09,001 --> 00:11:12,588 “次は獅子王戦じゃ”って言って 盛り上がってましたから 144 00:11:12,713 --> 00:11:17,468 (店員)はい お待たせ 鮭(さけ)もんじゃと あと明太餅(めんたいもち)チーズね 145 00:11:17,593 --> 00:11:18,260 (高橋)どうも 146 00:11:18,386 --> 00:11:19,762 (零・ひなた) ありがとうございます 147 00:11:22,223 --> 00:11:26,519 桐山さんは すっかり 俺のじっちゃんのアイドルですよ 148 00:11:27,061 --> 00:11:28,479 寝込みがちだったのが— 149 00:11:28,604 --> 00:11:32,566 最近じゃ 近所の将棋クラブにも また顔を出すようになって 150 00:11:33,150 --> 00:11:36,821 元気出てくれて 親父(おやじ)も おふくろも喜んでいます 151 00:11:36,946 --> 00:11:38,823 “プロって すごいなぁ”って 152 00:11:39,824 --> 00:11:42,827 俺も 早くプロになりたいッス 153 00:11:43,577 --> 00:11:45,246 (ひなた)“プロになりたい” 154 00:11:45,579 --> 00:11:49,375 “いつか”ではなく “早く”と言った 155 00:11:50,251 --> 00:11:51,710 あっ 俺やります 156 00:11:51,877 --> 00:11:54,338 (零)いいの? (高橋)任せといてください 157 00:11:55,381 --> 00:12:00,094 (ひなた)そうなのだ 高橋君の中で プロは もう— 158 00:12:00,219 --> 00:12:03,222 夢から目標に変わっているのだ 159 00:12:05,266 --> 00:12:08,394 (高橋)リトルリーグのころ お世話になった人が今— 160 00:12:08,519 --> 00:12:10,980 高知義塾で監督をやっているんです 161 00:12:11,147 --> 00:12:15,151 東京は 野球の名門に 強いヤツが集中して— 162 00:12:15,276 --> 00:12:17,236 内野手の層が厚すぎるんです 163 00:12:17,695 --> 00:12:20,489 しかも それが何十校もそろっている 164 00:12:21,198 --> 00:12:25,703 俺は 甲子園に出られる確率を 少しでも上げたいんです 165 00:12:27,872 --> 00:12:31,417 だから 監督のもとへ行くことを決めました 166 00:12:39,884 --> 00:12:43,512 (ひなた)高橋君の 慣れた手つきで鳴るコテの音で— 167 00:12:44,096 --> 00:12:48,267 いつものようにジュージューと いい匂いが立ち上る 168 00:12:56,192 --> 00:13:00,654 でも もうすぐ この春の三月町(さんがつちょう)から— 169 00:13:01,780 --> 00:13:04,283 高橋君は いなくなるのだ 170 00:13:09,663 --> 00:13:12,291 高知にも もんじゃってあるのかな? 171 00:13:12,458 --> 00:13:15,920 なくても作れますよ ホットプレートさえあれば 172 00:13:16,670 --> 00:13:20,007 材料なんて どこのスーパーでも売ってる物(もん)だし 173 00:13:20,132 --> 00:13:23,385 あっ 切りイカは 一応 持っていきますけど 174 00:13:23,511 --> 00:13:28,057 寮で歓迎会してくれるっていうから 挨拶代わりに作ろうと思うッス 175 00:13:28,599 --> 00:13:30,935 “三月町から来ました”って 176 00:13:33,979 --> 00:13:36,565 (ひなた)ああ… そっか 177 00:13:37,399 --> 00:13:40,069 私たちは三月町の子だ 178 00:13:40,694 --> 00:13:42,905 それだけは絶対に— 179 00:13:43,489 --> 00:13:45,991 どこへ行っても変わらない 180 00:13:47,493 --> 00:13:50,454 うん それいいね! きっと みんな— 181 00:13:50,579 --> 00:13:53,457 もんじゃは知ってても まだ食べたことないと思う 182 00:13:53,624 --> 00:13:57,211 うん 高橋君が作るなら きっと うまいはずだ 183 00:13:57,378 --> 00:13:58,337 もちろんッス! 184 00:13:58,504 --> 00:14:03,050 あっ でも コテだけは持ってけって じいちゃんが買ってくれました 185 00:14:03,175 --> 00:14:04,843 ホットプレート用に竹のやつ 186 00:14:06,011 --> 00:14:07,179 ああ 確かに 187 00:14:07,304 --> 00:14:11,225 この小さいコテは売ってなさそう 大きいのはあっても 188 00:14:21,151 --> 00:14:23,737 (ひなた) 不意に 涙が出そうになった 189 00:14:28,158 --> 00:14:32,413 彼は 本当に もうすぐ ここを去るのだ 190 00:14:34,164 --> 00:14:36,292 何度も泣きそうになって— 191 00:14:36,876 --> 00:14:38,419 息を止めた 192 00:14:40,963 --> 00:14:43,924 (零)いつ行くの? (高橋)来週の土曜です 193 00:14:44,091 --> 00:14:45,968 (ひなた)桜まつりの日だよ 194 00:14:46,093 --> 00:14:48,971 (高橋) うん 見れなくて残念だけど 195 00:14:50,055 --> 00:14:52,099 川本(かわもと)は また屋台やるの? 196 00:14:52,224 --> 00:14:55,644 (ひなた)うん 今回はね お汁粉だよ 2種類 197 00:14:55,769 --> 00:14:59,064 (高橋)そっか 頑張れよ (ひなた)うん 198 00:15:05,988 --> 00:15:07,948 (ひなた)この時間が大事で 199 00:15:09,325 --> 00:15:11,035 でも 流れて— 200 00:15:12,244 --> 00:15:13,954 止められなくて 201 00:15:20,002 --> 00:15:25,132 零ちゃんが 最後に いっぱい話せるように誘ってくれて 202 00:15:25,257 --> 00:15:26,842 本当に うれしかった 203 00:15:30,387 --> 00:15:34,558 一緒に もんじゃ つつけて ホントに良かった 204 00:15:36,769 --> 00:15:39,772 ホントに 良かった 205 00:15:42,733 --> 00:15:43,859 そして— 206 00:15:44,026 --> 00:15:46,362 桜まつりの朝が来ました 207 00:15:50,407 --> 00:15:51,867 (あかり)さてと… 208 00:15:52,034 --> 00:15:53,494 (あかり)準備完了! 209 00:15:54,286 --> 00:15:55,120 フ〜ン! 210 00:15:55,287 --> 00:15:57,122 そろそろ いきますか! 211 00:15:58,791 --> 00:16:00,542 (ひなた)いらっしゃいませ! 212 00:16:00,668 --> 00:16:05,130 三日月(みかづき)堂の白玉入りのお汁粉 いかがですか? 213 00:16:07,132 --> 00:16:11,261 (女性)あら 今回のも おいしいわ 三日月堂さん 214 00:16:11,387 --> 00:16:13,764 トロッとしてて 甘じょっぱいのね 215 00:16:13,889 --> 00:16:17,393 良かった! 白味噌(しろみそ)が入ってるんですよ 216 00:16:17,518 --> 00:16:21,522 温(あった)まるわ まだまだ川辺は冷えるから 217 00:16:21,647 --> 00:16:24,900 (女性)あら じゃ私も くるみ汁粉 218 00:16:26,318 --> 00:16:28,028 (あかり)ン〜ッ… ハフハフ… 219 00:16:28,529 --> 00:16:33,075 よし 好調ね まだ肌寒いから 温かいのにしたの正解だったわ 220 00:16:33,200 --> 00:16:34,535 (相米二(そめじ))どうでえ? 調子は 221 00:16:34,660 --> 00:16:37,162 白玉 足りなくなったら 早めに言えよ 222 00:16:37,287 --> 00:16:39,123 いっくらでも ゆでるぜ! 223 00:16:39,289 --> 00:16:42,918 いざとなったら 合言葉は“黒蜜きな粉”だからな 224 00:16:43,043 --> 00:16:44,628 (あかり)了解! (ひなた)ラジャー! 225 00:17:00,936 --> 00:17:02,146 ハッ… 226 00:17:30,215 --> 00:17:32,968 いいの? お見送り行かなくて 227 00:17:41,769 --> 00:17:44,313 うん いいの 228 00:17:45,564 --> 00:17:46,857 (高橋)頑張れよ 229 00:17:49,151 --> 00:17:50,235 よいしょ… 230 00:17:51,320 --> 00:17:55,282 (ひなた) 高橋君 私も ここで頑張るね 231 00:17:55,407 --> 00:17:58,494 (男性)すみません くるみ白玉2つください 232 00:17:58,619 --> 00:18:00,704 (ひなた)はい! いらっしゃい! 233 00:18:03,165 --> 00:18:05,375 (美咲(みさき))ええっ! ひなが髪を? 234 00:18:05,542 --> 00:18:08,378 (美咲)…て 乙女の一大イベントじゃないの! 235 00:18:08,545 --> 00:18:11,632 そんな… 小さな恋が ひとつ終わって— 236 00:18:11,799 --> 00:18:13,383 髪を切るだなんて! 237 00:18:13,550 --> 00:18:16,136 そうなの! ゆうべ 急に言いだして 238 00:18:16,553 --> 00:18:17,513 アア… 239 00:18:17,679 --> 00:18:20,015 キャ〜ッ! 甘酸っぱい! アア… 240 00:18:20,307 --> 00:18:21,266 (ため息) 241 00:18:21,934 --> 00:18:25,771 (ひなた) お姉ちゃん 私 髪切ろうかな 242 00:18:25,938 --> 00:18:29,525 (あかり)えっ? い… いいんじゃないかしら 243 00:18:29,691 --> 00:18:32,277 ハッ! これが もしや伝説の あの… 244 00:18:49,711 --> 00:18:53,757 …ていうポエムを 絶対 心の中で詠んでるのが分かって 245 00:18:53,924 --> 00:18:57,386 何ていうか こう モダモダしちゃう 246 00:18:57,553 --> 00:18:58,887 あ〜 もう… 247 00:18:59,054 --> 00:19:01,640 かわいすぎる 私の妹が! 248 00:19:01,932 --> 00:19:03,642 青春なのね! 249 00:19:03,809 --> 00:19:06,895 ひな もう… なんて甘酸っぱいの 250 00:19:07,062 --> 00:19:11,150 あかり それ 絶対 ひなに言っちゃダメよ 251 00:19:11,275 --> 00:19:14,653 ひな きっと気絶しちゃうわよ 恥ずかしくて 252 00:19:15,612 --> 00:19:17,406 (戸の開く音) (あかり)ただいま 253 00:19:17,990 --> 00:19:20,409 ひ〜な どうだった? 254 00:19:20,576 --> 00:19:21,410 美容室は… 255 00:19:21,994 --> 00:19:23,829 …て どうしたの? 256 00:19:25,414 --> 00:19:27,207 (ひなた)失敗した… 257 00:19:27,583 --> 00:19:32,296 もう外には出ない 高校も2学期から行く 258 00:19:32,462 --> 00:19:35,299 ど… どれ? 見せてごらん 259 00:19:36,133 --> 00:19:38,552 あ… あら ひな 260 00:19:38,719 --> 00:19:40,804 い… いいわよ 261 00:19:41,513 --> 00:19:44,141 うん 何ていうか… 262 00:19:45,017 --> 00:19:48,312 すっかり中学生っぽくなって… 263 00:19:48,437 --> 00:19:50,272 あっ ちがっ… えっと… 264 00:19:50,397 --> 00:19:52,900 高校生らしくなって… 265 00:19:53,275 --> 00:19:57,070 うん! と… とにかく に… 似合ってる すっごく 266 00:19:57,404 --> 00:20:01,491 お… 大人っぽく ボブにしてくださいって言ったのに 267 00:20:01,617 --> 00:20:02,326 ウウッ… 268 00:20:03,452 --> 00:20:06,914 (ひなた) お… おばちゃんしかいなくて… 269 00:20:07,497 --> 00:20:10,334 (美容師)ウフッ! あ〜ら ひなちゃん ボブ? 270 00:20:10,500 --> 00:20:12,461 OK 任せといて! 271 00:20:14,588 --> 00:20:15,714 (戸の開く音) 272 00:20:15,881 --> 00:20:17,049 よいしょっと… 273 00:20:17,216 --> 00:20:18,550 ダアッ! 何だ! 274 00:20:18,717 --> 00:20:21,637 ひなか… 座敷童子(ざしきわらし)かと思った 275 00:20:21,970 --> 00:20:23,430 こら おじいちゃん! 276 00:20:23,597 --> 00:20:25,557 (モモ)ひなちゃん これ! 277 00:20:25,724 --> 00:20:26,808 こけし違う! 278 00:20:26,975 --> 00:20:28,060 モモのバカ! 279 00:20:28,227 --> 00:20:31,563 (モモ)ひなちゃん これ! (ひなた)もう外出ない! 280 00:20:31,730 --> 00:20:34,066 引きこもる〜! 281 00:20:34,233 --> 00:20:36,443 (あかり) もうダメ! 我慢できない! 282 00:20:36,568 --> 00:20:39,446 お願い ひな! ちょっと これ持ってみて! 283 00:20:39,613 --> 00:20:40,948 (ひなた)お姉ちゃんまで! 284 00:20:41,073 --> 00:20:44,534 (あかり)ひな! お願い! 1回だけでいいの! 285 00:20:44,660 --> 00:20:46,453 (あかり)ねっ? ひな (モモ)ひなちゃん! 286 00:20:46,578 --> 00:20:47,955 (あかり)お願い! 287 00:20:48,121 --> 00:20:54,127 ♪〜 288 00:22:10,203 --> 00:22:16,209 〜♪ 289 00:22:18,462 --> 00:22:22,382 (あかり) ひな 桐山君 迎えに来てくれたよ 290 00:22:23,091 --> 00:22:27,429 お〜い 出てこないと 桐山君も遅刻しちゃうよ 291 00:22:27,804 --> 00:22:28,930 うん? 292 00:22:31,099 --> 00:22:34,227 (あかり)ひな もう… 観念して出てきなさい 293 00:22:34,352 --> 00:22:35,687 (ひなた)ウ〜ッ… 294 00:22:40,525 --> 00:22:41,193 あっ… 295 00:22:49,451 --> 00:22:50,577 ンンッ… 296 00:23:08,345 --> 00:23:11,556 へ… 変でしょう? し… 失敗しちゃって 297 00:23:11,681 --> 00:23:13,683 お… おかしいでしょう? 298 00:23:14,142 --> 00:23:17,395 ややや… やっぱり 座敷童子みたいでしょう? 299 00:23:19,272 --> 00:23:20,816 うん いい 300 00:23:24,152 --> 00:23:25,237 へっ? 301 00:23:25,403 --> 00:23:26,738 うん いい 302 00:23:26,905 --> 00:23:27,989 うんうん 303 00:23:28,156 --> 00:23:29,741 すっごくいい! 304 00:23:30,117 --> 00:23:31,743 (2人)アア… 305 00:23:31,910 --> 00:23:33,495 零ちゃん… 306 00:23:33,662 --> 00:23:36,373 (零) うん なんかいい すっごくいい 307 00:23:36,540 --> 00:23:40,377 (ひなた)へっ? あの… (零)超 似合ってる! 308 00:23:40,794 --> 00:23:42,671 (ひなた)あ… あの… 309 00:23:43,505 --> 00:23:46,925 あり …がとう 310 00:23:49,553 --> 00:23:55,392 ♪(あかりとモモのハミング) 311 00:23:58,520 --> 00:24:00,897 (ハミング) 312 00:24:06,069 --> 00:24:07,654 うんうん 313 00:24:07,821 --> 00:24:09,906 も… もういいってば 314 00:24:10,073 --> 00:24:12,659 (零)いいねえ! (ひなた)はわわ… 恥ずかしいよ 315 00:24:12,784 --> 00:24:16,997 (零)すっごくいいと思う! (ひなた)もうやめて〜! 316 00:24:31,845 --> 00:24:34,389 (零) 「3月のライオン」を ご覧いただき… 317 00:24:34,514 --> 00:24:36,600 (一同) ありがとうございました 318 00:24:36,933 --> 00:24:38,643 (あかり・ひなた) また お会いしましょう 319 00:24:38,768 --> 00:24:40,520 (モモ)バイバイ!