1 00:00:16,884 --> 00:00:19,553 (アトリ)私 マスターの足になります。 2 00:00:19,553 --> 00:00:22,389 (夏生)なんで お前が…。 3 00:00:22,389 --> 00:00:25,893 マスターのお役に立つのが ヒューマノイドの仕事ですから。 4 00:00:25,893 --> 00:00:29,563 マスターは うまく走ったり ジャンプしたりできないんですよね? 5 00:00:29,563 --> 00:00:32,566 私にお任せください。 任せるって…。 6 00:00:32,566 --> 00:00:34,735 フフフ…。 あっ…。 7 00:00:34,735 --> 00:00:37,237 えっ? ご安心ください。 8 00:00:37,237 --> 00:00:40,741 こう見えて 力はあるので。 えっ? 9 00:00:40,741 --> 00:00:42,743 おっ おい! 10 00:00:42,743 --> 00:00:44,745 何する気だ? フフフ…。 11 00:00:44,745 --> 00:00:47,080 う… うわ~! 12 00:00:47,080 --> 00:00:49,082 待て! 見ててください! 13 00:00:49,082 --> 00:00:51,752 あの先のボートくらいまでなら 楽勝です! 14 00:00:51,752 --> 00:00:56,556 アトリは 高性能ですから~! うわ~! 15 00:00:59,927 --> 00:01:01,929 あれ? えっ? 16 00:01:01,929 --> 00:01:03,931 あれ~! うわ~! 17 00:02:51,905 --> 00:02:54,908 (夏生)ふざけるな! まったく…。 18 00:02:54,908 --> 00:02:57,911 この前 海に放り出された ばかりだっていうのに。 19 00:02:57,911 --> 00:03:02,082 おかしいですね~。 マスターの想定体重を考慮しても➡ 20 00:03:02,082 --> 00:03:04,918 楽勝の距離だったはずなのですが。 21 00:03:04,918 --> 00:03:08,088 あっ もしかして 太りました? 22 00:03:08,088 --> 00:03:10,757 あのな…。 では➡ 23 00:03:10,757 --> 00:03:12,926 試しに もう一度やってみましょう。 24 00:03:12,926 --> 00:03:15,028 やめろ! え~! 25 00:03:15,028 --> 00:03:17,197 それより どうして ここにいる? 26 00:03:17,197 --> 00:03:19,199 キャサリンと行けと言っただろ。 27 00:03:19,199 --> 00:03:22,035 はい 行きましたよ 命令どおりに。 28 00:03:22,035 --> 00:03:25,205 逃げてきたのか? いいえ 逃げたのは➡ 29 00:03:25,205 --> 00:03:27,374 キャサリンのほうです。 はぁ? 30 00:03:27,374 --> 00:03:31,378 (アトリ)あのあとも キャサリンと一緒に 移動していたのですが…。 31 00:03:31,378 --> 00:03:34,881 ((キャサリン:はぁ? 32 00:03:34,881 --> 00:03:38,385 くっ… だから こんな町 嫌いだって言ったんだ。 33 00:03:38,385 --> 00:03:41,054 (アトリ)どなたですか? (キャサリン)借金取りだよ。 34 00:03:41,054 --> 00:03:43,056 ったく しつこい。 35 00:03:43,056 --> 00:03:45,892 降りな。 2人じゃ無理だ。 えっ? 36 00:03:45,892 --> 00:03:47,894 降りて そこら辺に隠れてな。 37 00:03:47,894 --> 00:03:49,896 あとで必ず迎えに行くから。 38 00:03:49,896 --> 00:03:52,232 ほら 早く! はぁ…。 39 00:03:52,232 --> 00:03:54,534 (エンジン音) 40 00:03:56,570 --> 00:03:59,072 くっ! 41 00:03:59,072 --> 00:04:01,074 うっ…) 42 00:04:01,074 --> 00:04:03,076 (エンジン音) 43 00:04:09,583 --> 00:04:12,586 つまり きちんと マスターの命令は実行したうえで➡ 44 00:04:12,586 --> 00:04:15,021 ここにいるわけです。 キリッ! 45 00:04:15,021 --> 00:04:17,023 「キリッ」じゃないだろ。 46 00:04:17,023 --> 00:04:20,927 キャサリンが 金 金 言ってたのは そういう事情か。 47 00:04:22,863 --> 00:04:24,865 んっ? 何してる? 48 00:04:24,865 --> 00:04:28,201 朝食を作っているのです。 マスターのお役に立つために➡ 49 00:04:28,201 --> 00:04:31,705 高性能な私の… あら? 50 00:04:31,705 --> 00:04:33,707 (夏生)本当に高性能なのか? 51 00:04:33,707 --> 00:04:36,710 高性能ですよ! 52 00:04:36,710 --> 00:04:39,379 あらら? 火! 火です! 53 00:04:39,379 --> 00:04:43,049 見れば わかる! マスター どうしましょう? 54 00:04:43,049 --> 00:04:45,719 (水菜萌)ナツくん 今日こそ 学校に…。 55 00:04:45,719 --> 00:04:49,055 学校 楽しいよ! なんて➡ 56 00:04:49,055 --> 00:04:51,057 鼻で笑われるだけだし…。 57 00:04:51,057 --> 00:04:53,727 う~ん… んっ? 58 00:04:53,727 --> 00:04:56,062 え~! たっ 大変! 59 00:04:56,062 --> 00:04:58,064 (せき) 60 00:04:58,064 --> 00:05:02,736 ナツくん 大丈夫? ああ。 ったく おい! 61 00:05:02,736 --> 00:05:05,539 ふ~ 消火完了です! 62 00:05:07,574 --> 00:05:09,743 アトリちゃん。 水菜萌。 63 00:05:09,743 --> 00:05:13,246 戻ってきたの? 大丈夫? 火事? 64 00:05:13,246 --> 00:05:17,350 はい! ですが 私が完璧に対処しました。 ムフン! 65 00:05:17,350 --> 00:05:19,519 (夏生)お前が言うな。 ぐえぇ…。 66 00:05:19,519 --> 00:05:23,690 嫌だな~ このような 自然なヒューマンエラーをすることこそ➡ 67 00:05:23,690 --> 00:05:26,693 ヒューマノイドとして高性能な証し。 68 00:05:26,693 --> 00:05:30,864 普通のヒューマノイドは ミスしようとしてもできませんから。 69 00:05:30,864 --> 00:05:32,866 いいかげんにしろよ。 70 00:05:32,866 --> 00:05:35,702 一歩間違えたら 住む所が なくなってたんだぞ。 71 00:05:35,702 --> 00:05:38,205 うぅ…。 行くぞ。 72 00:05:38,205 --> 00:05:41,541 どこにですか? お前を売りにだ。 73 00:05:41,541 --> 00:05:43,877 え~ せっかく戻ってきたのに? 74 00:05:43,877 --> 00:05:47,714 そうですよ! それに 私には マスターのお役に立つという➡ 75 00:05:47,714 --> 00:05:49,716 大切な仕事が! 76 00:05:49,716 --> 00:05:52,052 この状況 見て よくそんなことが言えるな。 77 00:05:52,052 --> 00:05:55,889 お前のようなポンコツ置いといたら 命がいくつあっても足りないぞ。 78 00:05:55,889 --> 00:05:58,391 ポッ! ポンコツ!? 79 00:05:58,391 --> 00:06:00,393 (ホイッスル) 80 00:06:00,393 --> 00:06:04,564 ポンコツは ロボット差別禁止法違反です。 訂正してください。 81 00:06:04,564 --> 00:06:07,567 訂正しない場合 ロボハラとして認定されます。 82 00:06:07,567 --> 00:06:10,570 うるさい! ポンコツ! あ~ はっきり言いましたね! 83 00:06:10,570 --> 00:06:13,240 差別です! それは明確な差別です! 84 00:06:13,240 --> 00:06:17,344 ロボットを差別しているんじゃない。 お・ま・え・に 言ってるんだ。 85 00:06:17,344 --> 00:06:20,013 マスターといえども 許すわけにはいきません。 86 00:06:20,013 --> 00:06:22,182 ロケットパンチを お見舞いします! 87 00:06:22,182 --> 00:06:25,018 ロボットは人間を攻撃できないんだよ。 行くぞ。 88 00:06:25,018 --> 00:06:28,355 あ~ 待って 待ってくださ~い! 89 00:06:28,355 --> 00:06:30,357 ナツくん。 なんだよ。 90 00:06:30,357 --> 00:06:32,525 ホントに いいのかな? 91 00:06:32,525 --> 00:06:34,527 ナツくんのおばあさんが 大切にしていた➡ 92 00:06:34,527 --> 00:06:36,529 ヒューマノイドなんでしょ? 93 00:06:36,529 --> 00:06:40,700 それに ナツくんのために 一生懸命 頑張ろうとしているよ。 94 00:06:40,700 --> 00:06:44,037 それは そうプログラムされてるからで…。 95 00:06:44,037 --> 00:06:46,039 (水菜萌) でも なんか かわいそうだよ。 96 00:06:46,039 --> 00:06:48,375 おばあさんに受けた 命令もあるんでしょ? 97 00:06:48,375 --> 00:06:51,711 あっ… メモリーはロストしていますが…。 98 00:06:51,711 --> 00:06:54,214 ナツくん。 99 00:06:54,214 --> 00:06:57,217 ったく どれだけポンコツなんだよ。 100 00:06:57,217 --> 00:07:01,388 あ~ 逮捕です! 今のは間違いなく逮捕案件です! 101 00:07:01,388 --> 00:07:03,890 (夏生)うるさい! ウフフ…。 102 00:07:06,393 --> 00:07:08,395 (水菜萌)ホントに大丈夫? 103 00:07:08,395 --> 00:07:11,564 ばあさんのこと 気にしていたのは 水菜萌のほうだろ? 104 00:07:11,564 --> 00:07:14,234 それは そうだけど。 105 00:07:14,234 --> 00:07:17,170 本当に大切な命令を 残したというなら➡ 106 00:07:17,170 --> 00:07:19,839 何か記録が残っているはずだ。 107 00:07:19,839 --> 00:07:21,841 少し探してみるよ。 108 00:07:25,345 --> 00:07:27,347 全部ってわけじゃないけど➡ 109 00:07:27,347 --> 00:07:30,016 大切に保管されていたのは このくらいだな。 110 00:07:30,016 --> 00:07:33,420 何か 思い出すことある? いえ…。 111 00:07:36,856 --> 00:07:39,192 海面上昇の記録。 112 00:07:39,192 --> 00:07:42,028 今後の気象変動について…。 113 00:07:42,028 --> 00:07:44,864 地球温暖化の長期的展望。 114 00:07:44,864 --> 00:07:49,703 (水菜萌)海面上昇に伴う エネルギー危機についての考察。 115 00:07:49,703 --> 00:07:52,539 海面上昇についての 資料ばかりだね。 116 00:07:52,539 --> 00:07:56,042 海洋学者だったから 気になって しかたなかったんだろう。 117 00:07:56,042 --> 00:07:58,211 じゃあ アトリちゃんも…。 118 00:07:58,211 --> 00:08:03,550 なるほど つまり私の力で この海面上昇を止める。 119 00:08:03,550 --> 00:08:07,721 それが 乃音子が私に残した命令。 (水菜萌)そうなの? 120 00:08:07,721 --> 00:08:11,391 さすが高性能な私。 この海を自由に操り➡ 121 00:08:11,391 --> 00:08:14,561 世界を救う力が 備わっているのですね。 122 00:08:14,561 --> 00:08:18,331 わかりました! その力を今こそ発揮しましょう! 123 00:08:18,331 --> 00:08:21,668 は~! 124 00:08:21,668 --> 00:08:24,838 はぁ… と~う! 125 00:08:24,838 --> 00:08:29,009 か~ 海よ~! モーゼか お前は。 126 00:08:29,009 --> 00:08:31,845 うぅ…。 それより思い出したか? 127 00:08:31,845 --> 00:08:34,014 うぅ それは…。 128 00:08:34,014 --> 00:08:37,016 (水菜萌) じゃあ 学校 行ってみようか。 129 00:08:37,016 --> 00:08:39,686 学校? うん。 ここら辺に➡ 130 00:08:39,686 --> 00:08:43,189 住んでいる子が集まっているし アトリちゃんが受けた➡ 131 00:08:43,189 --> 00:08:47,360 大切な命令についても 何か わかるかもしれないし。 132 00:08:47,360 --> 00:08:51,531 ナツくんも一緒に。 あっ…。 133 00:08:51,531 --> 00:08:54,034 学校… 学校…。 134 00:08:54,034 --> 00:08:57,537 何か引っ掛かるような気がします。 本当に? 135 00:08:57,537 --> 00:09:01,541 はい。 何か大切なことが あったはずなのですが…。 136 00:09:01,541 --> 00:09:03,877 え~っと…。 137 00:09:03,877 --> 00:09:05,879 あっ…。 またか? 138 00:09:05,879 --> 00:09:07,881 あ~ 黙っててください。 139 00:09:07,881 --> 00:09:11,551 えっと えっと…。 140 00:09:11,551 --> 00:09:13,553 あっ! 思い出した? 141 00:09:13,553 --> 00:09:16,156 はい! お昼ごはんの時間です。 142 00:09:16,156 --> 00:09:18,158 やっぱ 売る。 え~! 143 00:09:18,158 --> 00:09:20,994 どう考えても マイナスにしかならないだろ。 144 00:09:20,994 --> 00:09:22,996 売れば金になるんだぞ。 145 00:09:22,996 --> 00:09:25,198 そうすれば…。 146 00:09:27,667 --> 00:09:33,173 マスターは 私を売って 新しい義足が欲しいんですよね。 147 00:09:33,173 --> 00:09:37,377 義足を手に入れて 何かしたいことがあるんですか? 148 00:09:40,513 --> 00:09:42,849 聞いて どうする? 149 00:09:42,849 --> 00:09:46,519 もし 私がマスターの足となることで➡ 150 00:09:46,519 --> 00:09:50,356 マスターのしたいことを できるようになるのだとしたら➡ 151 00:09:50,356 --> 00:09:53,359 そのとき マスターは➡ 152 00:09:53,359 --> 00:09:56,529 うれしい… ですか? 153 00:09:56,529 --> 00:09:58,531 別に。 154 00:09:58,531 --> 00:10:01,034 (アトリ)「別に」? 「別に」というのは? 155 00:10:01,034 --> 00:10:04,237 (夏生)うるさい。 俺は一人でも生きていける。 156 00:10:06,539 --> 00:10:09,375 アトリちゃん ちょっといいかな? 157 00:10:09,375 --> 00:10:11,377 えっ? ですが…。 158 00:10:11,377 --> 00:10:13,880 行けよ。 命令だ。 159 00:10:18,718 --> 00:10:22,555 マスター 一人にして 大丈夫なんでしょうか? 160 00:10:22,555 --> 00:10:26,226 人には 一人でいる時間も 必要なんだよ。 161 00:10:26,226 --> 00:10:30,063 そうなのですか? あっ 私のおうち 見えたよ。 162 00:10:30,063 --> 00:10:32,732 (アトリ)わ~ これが水菜萌の家。 163 00:10:32,732 --> 00:10:36,402 (水菜萌) うん。 入って 私一人だから。 164 00:10:36,402 --> 00:10:39,239 (アトリ)こんなに広いのに 一人なのですか? 165 00:10:39,239 --> 00:10:43,576 うん 私のお父さん この町の町長なんだ。 166 00:10:43,576 --> 00:10:46,579 でも 今は 本土のほうに避難してて➡ 167 00:10:46,579 --> 00:10:49,749 私も一緒に来るように いわれてるんだけど…。 168 00:10:49,749 --> 00:10:54,921 行かなかったのですか? うん。 ナツくんが戻ってきたし➡ 169 00:10:54,921 --> 00:10:59,926 この島に残っている人も たくさんいたし…。 170 00:10:59,926 --> 00:11:02,929 あっ! アトリちゃん お茶飲める? 171 00:11:02,929 --> 00:11:05,598 必要ありませんが 飲むことはできます。 172 00:11:05,598 --> 00:11:07,800 高性能ですから! 173 00:11:10,103 --> 00:11:12,105 あっち…。 174 00:11:12,105 --> 00:11:14,774 熱いのですか? これが? 175 00:11:14,774 --> 00:11:17,210 あっ! 176 00:11:17,210 --> 00:11:19,712 ナツくん 結構 猫舌だから➡ 177 00:11:19,712 --> 00:11:22,715 いれるときは 少しぬるめのほうがいいかも。 178 00:11:22,715 --> 00:11:25,385 マスターのこと 詳しいのですね。 179 00:11:25,385 --> 00:11:28,221 幼なじみだからね。 180 00:11:28,221 --> 00:11:31,891 ナツくんね すっごい勉強ができるんだ。 181 00:11:31,891 --> 00:11:36,229 それで 本土のアカデミーにも合格して 通ってたんだよ。 182 00:11:36,229 --> 00:11:38,565 自分が世界を救うんだ。 183 00:11:38,565 --> 00:11:42,235 止まってしまった世界の時を 再び動かすんだって。 184 00:11:42,235 --> 00:11:45,738 あっ…。 それで アカデミーでも➡ 185 00:11:45,738 --> 00:11:49,409 一生懸命 勉強して 気候変動を調査する➡ 186 00:11:49,409 --> 00:11:53,413 ロケットの 乗組員候補にもなったんだけど➡ 187 00:11:53,413 --> 00:11:58,751 あの義足じゃ やっぱり無理だって言われて…。 188 00:11:58,751 --> 00:12:03,256 それでも頑張っていたんだけど 海面上昇の影響で➡ 189 00:12:03,256 --> 00:12:06,259 ロケットの打ち上げも 無期延期になって➡ 190 00:12:06,259 --> 00:12:09,762 それで 一気に やる気なくしちゃって。 191 00:12:09,762 --> 00:12:14,267 つまり マスターはロケットに乗って 宇宙に行きたいのですね。 192 00:12:14,267 --> 00:12:18,705 高性能な私が足となって その願いをかなえられれば! 193 00:12:18,705 --> 00:12:23,376 フフフ… いくらアトリちゃんが 高性能でも それは無理だよ。 194 00:12:23,376 --> 00:12:27,714 では やはり私を売って 義足を手に入れたほうがいいと? 195 00:12:27,714 --> 00:12:32,218 ううん 大丈夫。 たぶん売る気はないと思うから。 196 00:12:32,218 --> 00:12:35,888 どうして そうなるのですか? よく わかりません。 197 00:12:35,888 --> 00:12:40,393 う~ん 難しいけど たぶん ナツくん➡ 198 00:12:40,393 --> 00:12:43,896 アトリちゃんのことが 好きなんだと思うんだ。 199 00:12:46,733 --> 00:12:48,735 好き? 200 00:12:48,735 --> 00:12:52,905 うん だから 今は 先のことは あまり聞かないで➡ 201 00:12:52,905 --> 00:12:56,909 ナツくんのそばにいてあげて。 202 00:12:56,909 --> 00:13:01,714 それだけでも十分 ナツくんの力になると思うから。 203 00:13:03,750 --> 00:13:08,421 そばにいるだけで 力に…。 204 00:13:08,421 --> 00:13:10,923 う~ん わかりません。 205 00:13:13,092 --> 00:13:16,796 人という生き物は 不思議だらけです。 206 00:13:18,865 --> 00:13:22,869 ただいま帰りました! んっ? 207 00:13:22,869 --> 00:13:29,042 (うめき声) 208 00:13:29,042 --> 00:13:33,046 助けて…。 ハァ ハァ…。 209 00:13:33,046 --> 00:13:35,048 あっ…。 210 00:13:35,048 --> 00:13:39,719 寝ながら叫ぶのは 人として なかなか器用な芸ですね。 211 00:13:39,719 --> 00:13:42,722 もしや 脳機能のエラーでしょうか? 212 00:13:51,397 --> 00:13:53,733 アトリ…。 213 00:13:53,733 --> 00:13:57,070 マスターの脳 修理が必要かも。 214 00:13:57,070 --> 00:14:00,239 できるんなら やってくれ。 215 00:14:00,239 --> 00:14:03,910 汗を拭きますね。 風邪をひくと大変です。 216 00:14:03,910 --> 00:14:08,247 人は もろくて すぐ故障しますから。 217 00:14:08,247 --> 00:14:10,249 あっ? 218 00:14:12,251 --> 00:14:16,856 あの… 汗を拭いてあげたいのですけど。 219 00:14:16,856 --> 00:14:20,526 そんなのはいい。 俺の足の代わりなんだろ。 220 00:14:20,526 --> 00:14:23,196 足は文句を言わない。 221 00:14:23,196 --> 00:14:25,498 学習しました。 222 00:14:28,201 --> 00:14:34,006 このまま眠らせてくれないか。 いいですよ マスター。 223 00:14:36,042 --> 00:14:40,213 それもやめてくれ。 夏生でいい。 224 00:14:40,213 --> 00:14:42,915 はい 夏生さん。 225 00:14:55,895 --> 00:14:57,897 (夏生)あ~! 226 00:14:57,897 --> 00:15:00,399 いくら 夢で うなされていたとはいえ➡ 227 00:15:00,399 --> 00:15:02,902 こいつに甘えるなんて なんという醜態。 228 00:15:02,902 --> 00:15:07,240 いや 待て。 すべて夢だったという可能性も。 229 00:15:07,240 --> 00:15:11,911 フフ… 夏生さん 思ったより かわいいんですね。 230 00:15:11,911 --> 00:15:13,913 死にたい。 231 00:15:13,913 --> 00:15:17,917 いや~ん 夏生さんのエッティ。 232 00:15:19,852 --> 00:15:22,522 起きろ! 233 00:15:22,522 --> 00:15:24,857 ぴぎゃ~! 234 00:15:24,857 --> 00:15:28,694 なんですか! 気持ちよく 眠っているロボットを起こすのは➡ 235 00:15:28,694 --> 00:15:31,697 ロボット保護法違反…。 236 00:15:31,697 --> 00:15:33,699 いいから起きろ ロボ子! 237 00:15:33,699 --> 00:15:37,370 それもロボットへの蔑称ですから…。 238 00:15:37,370 --> 00:15:40,039 忘れろ! えっ? 239 00:15:40,039 --> 00:15:43,543 昨日のことだ! 全部 メモリーから削除しろ! 240 00:15:43,543 --> 00:15:45,545 マスターからの命令だ。 241 00:15:45,545 --> 00:15:48,381 昨日のこと? アハハ。 242 00:15:48,381 --> 00:15:53,386 夏生さんが私に抱きついて このまま眠らせて…。 243 00:15:53,386 --> 00:15:55,388 うわ~! 言うな! 244 00:15:55,388 --> 00:16:00,226 残念ながら意識的に メモリーを削除することはできません。 245 00:16:00,226 --> 00:16:03,729 なぜなら 私は高性能…。 246 00:16:03,729 --> 00:16:06,399 おい! おい! ロボットのくせに➡ 247 00:16:06,399 --> 00:16:09,001 寝起きが悪いって どういうことだ! 248 00:16:11,070 --> 00:16:14,407 私 低電圧なんですよ~。 249 00:16:14,407 --> 00:16:16,509 なんだ 低電圧って。 250 00:16:16,509 --> 00:16:19,846 奥のほうが 自分で上手に磨けません。 251 00:16:19,846 --> 00:16:24,183 なんで 俺が? 所有するロボットのメンテナンスは➡ 252 00:16:24,183 --> 00:16:26,185 持ち主の役目です。 253 00:16:26,185 --> 00:16:29,689 それに きれいにしてるほうが 高く売れますし。 254 00:16:29,689 --> 00:16:31,691 んっ…。 255 00:16:31,691 --> 00:16:35,027 うぅ…。 256 00:16:35,027 --> 00:16:37,697 ほれ すすげ。 257 00:16:37,697 --> 00:16:40,700 それと とりあえず売るのは やめだ。 258 00:16:40,700 --> 00:16:42,702 えっ? 259 00:16:42,702 --> 00:16:46,038 そもそも キャサリンとは 山分けって話だからな。 260 00:16:46,038 --> 00:16:49,709 勝手に売ったら あとあと 面倒なことになるかもしれない。 261 00:16:49,709 --> 00:16:54,213 それに… 昨夜の記憶を 誰かに見られたりしたら➡ 262 00:16:54,213 --> 00:16:56,549 たまったもんじゃないしな。 263 00:16:56,549 --> 00:17:00,219 ムフー やはり 水菜萌が言ったとおりです。 264 00:17:00,219 --> 00:17:02,388 あっ? 夏生さん 本当は➡ 265 00:17:02,388 --> 00:17:05,892 高性能な私のこと 好きになっちゃったんですね。 266 00:17:07,894 --> 00:17:09,896 は~!? 267 00:17:09,896 --> 00:17:13,399 夏生さんのエッチュッ。 268 00:17:13,399 --> 00:17:16,002 くっ…。 269 00:17:16,002 --> 00:17:19,338 かわいかったですよ~。 急に抱き寄せて。 270 00:17:19,338 --> 00:17:22,008 (アトリ)にゃ~! えっ!? 271 00:17:22,008 --> 00:17:24,510 (夏生)いいかげんにしないと このまま物理的に破壊して➡ 272 00:17:24,510 --> 00:17:26,512 メモリーを削除するぞ! うわっ! 273 00:17:26,512 --> 00:17:28,514 ロボハラです! ロボハラ! 274 00:17:28,514 --> 00:17:31,684 ロボットが人に危害を 加えられないのをいいことに。 275 00:17:31,684 --> 00:17:33,686 いいかげんなこと言うな! 276 00:17:33,686 --> 00:17:36,856 昨日 パンチしようとしただろうが! あっ…。 277 00:17:36,856 --> 00:17:41,360 まったく… 関節が おかしく なっちゃったじゃないですか。 278 00:17:41,360 --> 00:17:44,363 自業自得だろ。 どこがですか! 279 00:17:44,363 --> 00:17:47,199 まぁ アトリちゃんが いることになって よかったよ。 280 00:17:47,199 --> 00:17:49,702 言っとくが キャサリンと話がついたら➡ 281 00:17:49,702 --> 00:17:52,538 すぐに売るからな。 メモリーを削除して。 282 00:17:52,538 --> 00:17:56,709 逆に言うと あの人が来なければ このままってことでしょ? 283 00:17:56,709 --> 00:17:58,711 それは…。 284 00:17:58,711 --> 00:18:01,714 (水菜萌)学校 行こうよ。 学校…。 285 00:18:01,714 --> 00:18:03,883 嫌? 楽しいよ。 286 00:18:03,883 --> 00:18:08,554 いろんなこと 学べるし 友達もできるし。 287 00:18:08,554 --> 00:18:13,225 それは わかっているんですが 何か引っ掛かるというか…。 288 00:18:13,225 --> 00:18:16,996 こう…。 別に止めないぞ。 289 00:18:16,996 --> 00:18:19,165 ここにいると うるさくてかなわないしな。 290 00:18:19,165 --> 00:18:22,001 え~! 夏生さんは行かないんですか? 291 00:18:22,001 --> 00:18:25,504 なんで 俺が行くんだよ。 じゃあ 私も行きません。 292 00:18:25,504 --> 00:18:27,506 私は 夏生さんの足として➡ 293 00:18:27,506 --> 00:18:29,508 そばにいなくては いけませんから! 294 00:18:29,508 --> 00:18:33,346 言っとくけどな そんなことを 頼んだ覚えは一度もない。 295 00:18:33,346 --> 00:18:35,514 ですが ヒューマノイドとして…。 296 00:18:35,514 --> 00:18:40,720 ナツくんが来れば アトリちゃんも 来てくれるってことでしょ 学校。 297 00:18:43,856 --> 00:18:47,360 ナツくんが来ても意味ないのは わかってるよ。 298 00:18:47,360 --> 00:18:50,196 でも この町 唯一の学校だよ。 299 00:18:50,196 --> 00:18:54,033 なくなったら 終わりなんだよ。 300 00:18:54,033 --> 00:18:59,739 続けたいって思うのは わがままなのかな。 301 00:19:06,879 --> 00:19:12,051 どこに行くんですか? 食料調達だよ。 水も必要だしな。 302 00:19:12,051 --> 00:19:14,053 インフラは ボロボロ。 303 00:19:14,053 --> 00:19:17,156 電気もガスも水道も使えないままだ。 304 00:19:17,156 --> 00:19:19,458 こいつも止まったままだしな。 305 00:19:21,494 --> 00:19:23,496 ここも 出が悪くなってきたな。 306 00:19:23,496 --> 00:19:26,332 そろそろ別の所 探さないと。 307 00:19:26,332 --> 00:19:33,005 ♪~ 308 00:19:33,005 --> 00:19:35,007 これは まだいけるか。 309 00:19:35,007 --> 00:19:37,176 はぁ…。 310 00:19:37,176 --> 00:19:40,346 あの~ これは食べられますか? 311 00:19:40,346 --> 00:19:43,516 菓子か。 食べられるけど 戻しといてくれ。 312 00:19:43,516 --> 00:19:45,851 えっ? 子どももいるからな。 313 00:19:45,851 --> 00:19:49,522 あとから来て なくなっていたら がっかりするだろ。 314 00:19:49,522 --> 00:19:51,857 フフ…。 315 00:19:51,857 --> 00:19:53,859 自分のことだけ考えて➡ 316 00:19:53,859 --> 00:19:56,529 ごっそり持っていくようなやつも いたけどさ➡ 317 00:19:56,529 --> 00:20:01,200 そんなやつは とっくに ここを見限って出ていった。 318 00:20:01,200 --> 00:20:06,872 残っているのは 金がなくて ここに残るしかない連中ばかり。 319 00:20:06,872 --> 00:20:10,209 ここは 捨てられた町なんだよ。 320 00:20:10,209 --> 00:20:12,211 わ~! 321 00:20:12,211 --> 00:20:15,214 あそこに風車が見えるだろ? 322 00:20:15,214 --> 00:20:18,551 昔 あの下は陸地だったんだ。 323 00:20:18,551 --> 00:20:21,720 そのころは 本土とも地続きで…。 324 00:20:21,720 --> 00:20:25,891 今みたいに 廃虚同然の町じゃなくて。 325 00:20:25,891 --> 00:20:29,695 でも きれいです。 326 00:20:31,730 --> 00:20:36,068 この町 私は きれいだと思います。 327 00:20:36,068 --> 00:20:39,071 それに 水菜萌は お金持ちですけど➡ 328 00:20:39,071 --> 00:20:41,741 この町に残っています。 329 00:20:41,741 --> 00:20:44,744 向こうに渡ることができるのに。 330 00:20:44,744 --> 00:20:47,079 それは…。 331 00:20:47,079 --> 00:20:51,584 ここが好きで残っている人も いるんじゃないでしょうか? 332 00:20:51,584 --> 00:20:57,289 もしかしたら 乃音子も この町を救いたくて…。 333 00:20:59,258 --> 00:21:01,427 夏生さん! 334 00:21:01,427 --> 00:21:05,097 もしや 遠くに見えるあれが ロケットですか? 335 00:21:05,097 --> 00:21:08,601 ああ。 飛ぶんですか? 336 00:21:08,601 --> 00:21:10,770 飛ぶさ。 337 00:21:10,770 --> 00:21:13,472 いつか 必ず。 338 00:21:16,709 --> 00:21:19,512 あれ? 家は こちらでは…。 339 00:21:24,884 --> 00:21:27,720 あっ ここは…。 340 00:21:27,720 --> 00:21:30,890 さぁな 道 間違えたか➡ 341 00:21:30,890 --> 00:21:33,559 知らない場所に出てしまった。 342 00:21:33,559 --> 00:21:38,230 あのような斬新な建築は 私のメモリーにありません。 343 00:21:38,230 --> 00:21:42,568 そうか… 見ても やはり何も思い出さないか。 344 00:21:42,568 --> 00:21:46,238 見ても… えっ? 345 00:21:46,238 --> 00:21:51,744 では もしかして これが学校? 346 00:21:51,744 --> 00:21:54,246 (水菜萌)じゃあ またあした~。 347 00:21:54,246 --> 00:21:56,248 水菜萌の声です。 348 00:21:56,248 --> 00:22:00,252 水菜萌~! あっ アトリちゃん。 349 00:22:00,252 --> 00:22:02,588 水菜萌 いい所にいた。 350 00:22:02,588 --> 00:22:04,590 あしたからアトリを頼む。 351 00:22:04,590 --> 00:22:06,592 えっ! ですが 私は…。 352 00:22:06,592 --> 00:22:10,596 安心しろ。 毎日とは言わないけど 俺も来るから。 353 00:22:10,596 --> 00:22:12,598 ナツくん…。 354 00:22:16,702 --> 00:22:19,505 これが… 学校…。 355 00:22:24,710 --> 00:22:27,213 どうかした? 356 00:22:27,213 --> 00:22:31,917 いえ… なんでもありません!