1 00:00:01,969 --> 00:00:04,638 (アトリ)私 マスターの足になります。 2 00:00:04,638 --> 00:00:07,474 (夏生)なんで お前が…。 3 00:00:07,474 --> 00:00:10,978 マスターのお役に立つのが ヒューマノイドの仕事ですから。 4 00:00:10,978 --> 00:00:14,648 マスターは うまく走ったり ジャンプしたりできないんですよね? 5 00:00:14,648 --> 00:00:17,651 私にお任せください。 任せるって…。 6 00:00:17,651 --> 00:00:19,820 フフフ…。 あっ…。 7 00:00:19,820 --> 00:00:22,322 えっ? ご安心ください。 8 00:00:22,322 --> 00:00:25,826 こう見えて 力はあるので。 えっ? 9 00:00:25,826 --> 00:00:27,828 おっ おい! 10 00:00:27,828 --> 00:00:29,830 何する気だ? フフフ…。 11 00:00:29,830 --> 00:00:32,165 う… うわ~! 12 00:00:32,165 --> 00:00:34,167 待て! 見ててください! 13 00:00:34,167 --> 00:00:36,837 あの先のボートくらいまでなら 楽勝です! 14 00:00:36,837 --> 00:00:41,642 アトリは 高性能ですから~! うわ~! 15 00:00:45,012 --> 00:00:47,014 あれ? えっ? 16 00:00:47,014 --> 00:00:49,016 あれ~! うわ~! 17 00:02:36,990 --> 00:02:39,993 (夏生)ふざけるな! まったく…。 18 00:02:39,993 --> 00:02:42,996 この前 海に放り出された ばかりだっていうのに。 19 00:02:42,996 --> 00:02:47,167 おかしいですね~。 マスターの想定体重を考慮しても➡ 20 00:02:47,167 --> 00:02:50,003 楽勝の距離だったはずなのですが。 21 00:02:50,003 --> 00:02:53,173 あっ もしかして 太りました? 22 00:02:53,173 --> 00:02:55,842 あのな…。 では➡ 23 00:02:55,842 --> 00:02:58,011 試しに もう一度やってみましょう。 24 00:02:58,011 --> 00:03:00,113 やめろ! え~! 25 00:03:00,113 --> 00:03:02,282 それより どうして ここにいる? 26 00:03:02,282 --> 00:03:04,284 キャサリンと行けと言っただろ。 27 00:03:04,284 --> 00:03:07,120 はい 行きましたよ 命令どおりに。 28 00:03:07,120 --> 00:03:10,290 逃げてきたのか? いいえ 逃げたのは➡ 29 00:03:10,290 --> 00:03:12,459 キャサリンのほうです。 はぁ? 30 00:03:12,459 --> 00:03:16,463 (アトリ)あのあとも キャサリンと一緒に 移動していたのですが…。 31 00:03:16,463 --> 00:03:19,966 ⦅キャサリン:はぁ? 32 00:03:19,966 --> 00:03:23,470 くっ… だから こんな町 嫌いだって言ったんだ。 33 00:03:23,470 --> 00:03:26,139 (アトリ)どなたですか? (キャサリン)借金取りだよ。 34 00:03:26,139 --> 00:03:28,141 ったく しつこい。 35 00:03:28,141 --> 00:03:30,977 降りな。 2人じゃ無理だ。 えっ? 36 00:03:30,977 --> 00:03:32,979 降りて そこら辺に隠れてな。 37 00:03:32,979 --> 00:03:34,981 あとで必ず迎えに行くから。 38 00:03:34,981 --> 00:03:37,317 ほら 早く! はぁ…。 39 00:03:37,317 --> 00:03:39,619 (エンジン音) 40 00:03:41,655 --> 00:03:44,157 くっ! 41 00:03:44,157 --> 00:03:46,159 うっ…⦆ 42 00:03:46,159 --> 00:03:48,161 (エンジン音) 43 00:03:54,668 --> 00:03:57,671 つまり きちんと マスターの命令は実行したうえで➡ 44 00:03:57,671 --> 00:04:00,107 ここにいるわけです。 キリッ! 45 00:04:00,107 --> 00:04:02,109 「キリッ」じゃないだろ。 46 00:04:02,109 --> 00:04:06,012 キャサリンが 金 金 言ってたのは そういう事情か。 47 00:04:07,948 --> 00:04:09,950 んっ? 何してる? 48 00:04:09,950 --> 00:04:13,286 朝食を作っているのです。 マスターのお役に立つために➡ 49 00:04:13,286 --> 00:04:16,790 高性能な私の… あら? 50 00:04:16,790 --> 00:04:18,792 (夏生)本当に高性能なのか? 51 00:04:18,792 --> 00:04:21,795 高性能ですよ! 52 00:04:21,795 --> 00:04:24,464 あらら? 火! 火です! 53 00:04:24,464 --> 00:04:28,135 見れば わかる! マスター どうしましょう? 54 00:04:28,135 --> 00:04:30,804 (水菜萌)ナツくん 今日こそ 学校に…。 55 00:04:30,804 --> 00:04:34,141 学校 楽しいよ! なんて➡ 56 00:04:34,141 --> 00:04:36,143 鼻で笑われるだけだし…。 57 00:04:36,143 --> 00:04:38,812 う~ん… んっ? 58 00:04:38,812 --> 00:04:41,148 え~! たっ 大変! 59 00:04:41,148 --> 00:04:43,150 (せき) 60 00:04:43,150 --> 00:04:47,821 ナツくん 大丈夫? ああ。 ったく おい! 61 00:04:47,821 --> 00:04:50,624 ふ~ 消火完了です! 62 00:04:52,659 --> 00:04:54,828 アトリちゃん。 水菜萌。 63 00:04:54,828 --> 00:04:58,331 戻ってきたの? 大丈夫? 火事? 64 00:04:58,331 --> 00:05:02,435 はい! ですが 私が完璧に対処しました。 ムフン! 65 00:05:02,435 --> 00:05:04,604 (夏生)お前が言うな。 ぐえぇ…。 66 00:05:04,604 --> 00:05:08,775 嫌だな~ このような 自然なヒューマンエラーをすることこそ➡ 67 00:05:08,775 --> 00:05:11,778 ヒューマノイドとして高性能な証し。 68 00:05:11,778 --> 00:05:15,949 普通のヒューマノイドは ミスしようとしてもできませんから。 69 00:05:15,949 --> 00:05:17,951 いいかげんにしろよ。 70 00:05:17,951 --> 00:05:20,787 一歩間違えたら 住む所が なくなってたんだぞ。 71 00:05:20,787 --> 00:05:23,290 うぅ…。 行くぞ。 72 00:05:23,290 --> 00:05:26,626 どこにですか? お前を売りにだ。 73 00:05:26,626 --> 00:05:28,962 え~ せっかく戻ってきたのに? 74 00:05:28,962 --> 00:05:32,799 そうですよ! それに 私には マスターのお役に立つという➡ 75 00:05:32,799 --> 00:05:34,801 大切な仕事が! 76 00:05:34,801 --> 00:05:37,137 この状況 見て よくそんなことが言えるな。 77 00:05:37,137 --> 00:05:40,974 お前のようなポンコツ置いといたら 命がいくつあっても足りないぞ。 78 00:05:40,974 --> 00:05:43,476 ポッ! ポンコツ!? 79 00:05:43,476 --> 00:05:45,478 (ホイッスル) 80 00:05:45,478 --> 00:05:49,649 ポンコツは ロボット差別禁止法違反です。 訂正してください。 81 00:05:49,649 --> 00:05:52,652 訂正しない場合 ロボハラとして認定されます。 82 00:05:52,652 --> 00:05:55,655 うるさい! ポンコツ! あ~ はっきり言いましたね! 83 00:05:55,655 --> 00:05:58,325 差別です! それは明確な差別です! 84 00:05:58,325 --> 00:06:02,429 ロボットを差別しているんじゃない。 お・ま・え・に 言ってるんだ。 85 00:06:02,429 --> 00:06:05,098 マスターといえども 許すわけにはいきません。 86 00:06:05,098 --> 00:06:07,267 ロケットパンチを お見舞いします! 87 00:06:07,267 --> 00:06:10,103 ロボットは人間を攻撃できないんだよ。 行くぞ。 88 00:06:10,103 --> 00:06:13,440 あ~ 待って 待ってくださ~い! 89 00:06:13,440 --> 00:06:15,442 ナツくん。 なんだよ。 90 00:06:15,442 --> 00:06:17,611 ホントに いいのかな? 91 00:06:17,611 --> 00:06:19,613 ナツくんのおばあさんが 大切にしていた➡ 92 00:06:19,613 --> 00:06:21,615 ヒューマノイドなんでしょ? 93 00:06:21,615 --> 00:06:25,785 それに ナツくんのために 一生懸命 頑張ろうとしているよ。 94 00:06:25,785 --> 00:06:29,122 それは そうプログラムされてるからで…。 95 00:06:29,122 --> 00:06:31,124 (水菜萌) でも なんか かわいそうだよ。 96 00:06:31,124 --> 00:06:33,460 おばあさんに受けた 命令もあるんでしょ? 97 00:06:33,460 --> 00:06:36,796 あっ… メモリーはロストしていますが…。 98 00:06:36,796 --> 00:06:39,299 ナツくん。 99 00:06:39,299 --> 00:06:42,302 ったく どれだけポンコツなんだよ。 100 00:06:42,302 --> 00:06:46,473 あ~ 逮捕です! 今のは間違いなく逮捕案件です! 101 00:06:46,473 --> 00:06:48,975 (夏生)うるさい! ウフフ…。 102 00:06:51,478 --> 00:06:53,480 (水菜萌)ホントに大丈夫? 103 00:06:53,480 --> 00:06:56,650 ばあさんのこと 気にしていたのは 水菜萌のほうだろ? 104 00:06:56,650 --> 00:06:59,319 それは そうだけど。 105 00:06:59,319 --> 00:07:02,255 本当に大切な命令を 残したというなら➡ 106 00:07:02,255 --> 00:07:04,925 何か記録が残っているはずだ。 107 00:07:04,925 --> 00:07:06,926 少し探してみるよ。 108 00:07:10,430 --> 00:07:12,432 全部ってわけじゃないけど➡ 109 00:07:12,432 --> 00:07:15,101 大切に保管されていたのは このくらいだな。 110 00:07:15,101 --> 00:07:18,505 何か 思い出すことある? いえ…。 111 00:07:21,942 --> 00:07:24,277 海面上昇の記録。 112 00:07:24,277 --> 00:07:27,113 今後の気象変動について…。 113 00:07:27,113 --> 00:07:29,950 地球温暖化の長期的展望。 114 00:07:29,950 --> 00:07:34,788 (水菜萌)海面上昇に伴う エネルギー危機についての考察。 115 00:07:34,788 --> 00:07:37,624 海面上昇についての 資料ばかりだね。 116 00:07:37,624 --> 00:07:41,127 海洋学者だったから 気になって しかたなかったんだろう。 117 00:07:41,127 --> 00:07:43,296 じゃあ アトリちゃんも…。 118 00:07:43,296 --> 00:07:48,635 なるほど つまり私の力で この海面上昇を止める。 119 00:07:48,635 --> 00:07:52,806 それが 乃音子が私に残した命令。 (水菜萌)そうなの? 120 00:07:52,806 --> 00:07:56,476 さすが高性能な私。 この海を自由に操り➡ 121 00:07:56,476 --> 00:07:59,646 世界を救う力が 備わっているのですね。 122 00:07:59,646 --> 00:08:03,416 わかりました! その力を今こそ発揮しましょう! 123 00:08:03,416 --> 00:08:06,753 は~! 124 00:08:06,753 --> 00:08:09,923 はぁ… と~う! 125 00:08:09,923 --> 00:08:14,094 か~ 海よ~! モーゼか お前は。 126 00:08:14,094 --> 00:08:16,930 うぅ…。 それより思い出したか? 127 00:08:16,930 --> 00:08:19,099 うぅ それは…。 128 00:08:19,099 --> 00:08:22,102 (水菜萌) じゃあ 学校 行ってみようか。 129 00:08:22,102 --> 00:08:24,771 学校? うん。 ここら辺に➡ 130 00:08:24,771 --> 00:08:28,274 住んでいる子が集まっているし アトリちゃんが受けた➡ 131 00:08:28,274 --> 00:08:32,445 大切な命令についても 何か わかるかもしれないし。 132 00:08:32,445 --> 00:08:36,616 ナツくんも一緒に。 あっ…。 133 00:08:36,616 --> 00:08:39,119 学校… 学校…。 134 00:08:39,119 --> 00:08:42,622 何か引っ掛かるような気がします。 本当に? 135 00:08:42,622 --> 00:08:46,626 はい。 何か大切なことが あったはずなのですが…。 136 00:08:46,626 --> 00:08:48,962 え~っと…。 137 00:08:48,962 --> 00:08:50,964 あっ…。 またか? 138 00:08:50,964 --> 00:08:52,966 あ~ 黙っててください。 139 00:08:52,966 --> 00:08:56,636 えっと えっと…。 140 00:08:56,636 --> 00:08:58,638 あっ! 思い出した? 141 00:08:58,638 --> 00:09:01,241 はい! お昼ごはんの時間です。 142 00:09:01,241 --> 00:09:03,243 やっぱ 売る。 え~! 143 00:09:03,243 --> 00:09:06,079 どう考えても マイナスにしかならないだろ。 144 00:09:06,079 --> 00:09:08,081 売れば金になるんだぞ。 145 00:09:08,081 --> 00:09:10,283 そうすれば…。 146 00:09:12,752 --> 00:09:18,258 マスターは 私を売って 新しい義足が欲しいんですよね。 147 00:09:18,258 --> 00:09:22,462 義足を手に入れて 何かしたいことがあるんですか? 148 00:09:25,598 --> 00:09:27,934 聞いて どうする? 149 00:09:27,934 --> 00:09:31,604 もし 私がマスターの足となることで➡ 150 00:09:31,604 --> 00:09:35,442 マスターのしたいことを できるようになるのだとしたら➡ 151 00:09:35,442 --> 00:09:38,445 そのとき マスターは➡ 152 00:09:38,445 --> 00:09:41,614 うれしい… ですか? 153 00:09:41,614 --> 00:09:43,616 別に。 154 00:09:43,616 --> 00:09:46,119 (アトリ)「別に」? 「別に」というのは? 155 00:09:46,119 --> 00:09:49,322 (夏生)うるさい。 俺は一人でも生きていける。 156 00:09:51,624 --> 00:09:54,461 アトリちゃん ちょっといいかな? 157 00:09:54,461 --> 00:09:56,463 えっ? ですが…。 158 00:09:56,463 --> 00:09:58,965 行けよ。 命令だ。 159 00:10:03,803 --> 00:10:07,640 マスター 一人にして 大丈夫なんでしょうか? 160 00:10:07,640 --> 00:10:11,311 人には 一人でいる時間も 必要なんだよ。 161 00:10:11,311 --> 00:10:15,148 そうなのですか? あっ 私のおうち 見えたよ。 162 00:10:15,148 --> 00:10:17,817 (アトリ)わ~ これが水菜萌の家。 163 00:10:17,817 --> 00:10:21,488 (水菜萌) うん。 入って 私一人だから。 164 00:10:21,488 --> 00:10:24,324 (アトリ)こんなに広いのに 一人なのですか? 165 00:10:24,324 --> 00:10:28,661 うん 私のお父さん この町の町長なんだ。 166 00:10:28,661 --> 00:10:31,664 でも 今は 本土のほうに避難してて➡ 167 00:10:31,664 --> 00:10:34,834 私も一緒に来るように いわれてるんだけど…。 168 00:10:34,834 --> 00:10:40,006 行かなかったのですか? うん。 ナツくんが戻ってきたし➡ 169 00:10:40,006 --> 00:10:45,011 この島に残っている人も たくさんいたし…。 170 00:10:45,011 --> 00:10:48,014 あっ! アトリちゃん お茶飲める? 171 00:10:48,014 --> 00:10:50,683 必要ありませんが 飲むことはできます。 172 00:10:50,683 --> 00:10:52,886 高性能ですから! 173 00:10:55,188 --> 00:10:57,190 あっち…。 174 00:10:57,190 --> 00:10:59,859 熱いのですか? これが? 175 00:10:59,859 --> 00:11:02,295 あっ! 176 00:11:02,295 --> 00:11:04,797 ナツくん 結構 猫舌だから➡ 177 00:11:04,797 --> 00:11:07,800 いれるときは 少しぬるめのほうがいいかも。 178 00:11:07,800 --> 00:11:10,470 マスターのこと 詳しいのですね。 179 00:11:10,470 --> 00:11:13,306 幼なじみだからね。 180 00:11:13,306 --> 00:11:16,976 ナツくんね すっごい勉強ができるんだ。 181 00:11:16,976 --> 00:11:21,314 それで 本土のアカデミーにも合格して 通ってたんだよ。 182 00:11:21,314 --> 00:11:23,650 自分が世界を救うんだ。 183 00:11:23,650 --> 00:11:27,320 止まってしまった世界の時を 再び動かすんだって。 184 00:11:27,320 --> 00:11:30,823 あっ…。 それで アカデミーでも➡ 185 00:11:30,823 --> 00:11:34,494 一生懸命 勉強して 気候変動を調査する➡ 186 00:11:34,494 --> 00:11:38,498 ロケットの 乗組員候補にもなったんだけど➡ 187 00:11:38,498 --> 00:11:43,836 あの義足じゃ やっぱり無理だって言われて…。 188 00:11:43,836 --> 00:11:48,341 それでも頑張っていたんだけど 海面上昇の影響で➡ 189 00:11:48,341 --> 00:11:51,344 ロケットの打ち上げも 無期延期になって➡ 190 00:11:51,344 --> 00:11:54,847 それで 一気に やる気なくしちゃって。 191 00:11:54,847 --> 00:11:59,352 つまり マスターはロケットに乗って 宇宙に行きたいのですね。 192 00:11:59,352 --> 00:12:03,790 高性能な私が足となって その願いをかなえられれば! 193 00:12:03,790 --> 00:12:08,461 フフフ… いくらアトリちゃんが 高性能でも それは無理だよ。 194 00:12:08,461 --> 00:12:12,799 では やはり私を売って 義足を手に入れたほうがいいと? 195 00:12:12,799 --> 00:12:17,303 ううん 大丈夫。 たぶん売る気はないと思うから。 196 00:12:17,303 --> 00:12:20,974 どうして そうなるのですか? よく わかりません。 197 00:12:20,974 --> 00:12:25,478 う~ん 難しいけど たぶん ナツくん➡ 198 00:12:25,478 --> 00:12:28,982 アトリちゃんのことが 好きなんだと思うんだ。 199 00:12:31,818 --> 00:12:33,820 好き? 200 00:12:33,820 --> 00:12:37,991 うん だから 今は 先のことは あまり聞かないで➡ 201 00:12:37,991 --> 00:12:41,995 ナツくんのそばにいてあげて。 202 00:12:41,995 --> 00:12:46,799 それだけでも十分 ナツくんの力になると思うから。 203 00:12:48,835 --> 00:12:53,506 そばにいるだけで 力に…。 204 00:12:53,506 --> 00:12:56,009 う~ん わかりません。 205 00:12:58,177 --> 00:13:01,881 人という生き物は 不思議だらけです。 206 00:13:03,950 --> 00:13:07,954 ただいま帰りました! んっ? 207 00:13:07,954 --> 00:13:14,127 (うめき声) 208 00:13:14,127 --> 00:13:18,131 助けて…。 ハァ ハァ…。 209 00:13:18,131 --> 00:13:20,133 あっ…。 210 00:13:20,133 --> 00:13:24,804 寝ながら叫ぶのは 人として なかなか器用な芸ですね。 211 00:13:24,804 --> 00:13:27,807 もしや 脳機能のエラーでしょうか? 212 00:13:36,482 --> 00:13:38,818 アトリ…。 213 00:13:38,818 --> 00:13:42,155 マスターの脳 修理が必要かも。 214 00:13:42,155 --> 00:13:45,324 できるんなら やってくれ。 215 00:13:45,324 --> 00:13:48,995 汗を拭きますね。 風邪をひくと大変です。 216 00:13:48,995 --> 00:13:53,332 人は もろくて すぐ故障しますから。 217 00:13:53,332 --> 00:13:55,335 あっ? 218 00:13:57,337 --> 00:14:01,941 あの… 汗を拭いてあげたいのですけど。 219 00:14:01,941 --> 00:14:05,611 そんなのはいい。 俺の足の代わりなんだろ。 220 00:14:05,611 --> 00:14:08,281 足は文句を言わない。 221 00:14:08,281 --> 00:14:10,583 学習しました。 222 00:14:13,286 --> 00:14:19,092 このまま眠らせてくれないか。 いいですよ マスター。 223 00:14:21,127 --> 00:14:25,298 それもやめてくれ。 夏生でいい。 224 00:14:25,298 --> 00:14:28,000 はい 夏生さん。 225 00:14:40,980 --> 00:14:42,982 (夏生)あ~! 226 00:14:42,982 --> 00:14:45,485 いくら 夢で うなされていたとはいえ➡ 227 00:14:45,485 --> 00:14:47,987 こいつに甘えるなんて なんという醜態。 228 00:14:47,987 --> 00:14:52,325 いや 待て。 すべて夢だったという可能性も。 229 00:14:52,325 --> 00:14:56,996 フフ… 夏生さん 思ったより かわいいんですね。 230 00:14:56,996 --> 00:14:58,998 死にたい。 231 00:14:58,998 --> 00:15:03,002 いや~ん 夏生さんのエッティ。 232 00:15:04,937 --> 00:15:07,607 起きろ! 233 00:15:07,607 --> 00:15:09,942 ぴぎゃ~! 234 00:15:09,942 --> 00:15:13,780 なんですか! 気持ちよく 眠っているロボットを起こすのは➡ 235 00:15:13,780 --> 00:15:16,783 ロボット保護法違反…。 236 00:15:16,783 --> 00:15:18,785 いいから起きろ ロボ子! 237 00:15:18,785 --> 00:15:22,455 それもロボットへの蔑称ですから…。 238 00:15:22,455 --> 00:15:25,124 忘れろ! えっ? 239 00:15:25,124 --> 00:15:28,628 昨日のことだ! 全部 メモリーから削除しろ! 240 00:15:28,628 --> 00:15:30,630 マスターからの命令だ。 241 00:15:30,630 --> 00:15:33,466 昨日のこと? アハハ。 242 00:15:33,466 --> 00:15:38,471 夏生さんが私に抱きついて このまま眠らせて…。 243 00:15:38,471 --> 00:15:40,473 うわ~! 言うな! 244 00:15:40,473 --> 00:15:45,311 残念ながら意識的に メモリーを削除することはできません。 245 00:15:45,311 --> 00:15:48,815 なぜなら 私は高性能…。 246 00:15:48,815 --> 00:15:51,484 おい! おい! ロボットのくせに➡ 247 00:15:51,484 --> 00:15:54,086 寝起きが悪いって どういうことだ! 248 00:15:56,155 --> 00:15:59,492 私 低電圧なんですよ~。 249 00:15:59,492 --> 00:16:01,594 なんだ 低電圧って。 250 00:16:01,594 --> 00:16:04,931 奥のほうが 自分で上手に磨けません。 251 00:16:04,931 --> 00:16:09,268 なんで 俺が? 所有するロボットのメンテナンスは➡ 252 00:16:09,268 --> 00:16:11,270 持ち主の役目です。 253 00:16:11,270 --> 00:16:14,774 それに きれいにしてるほうが 高く売れますし。 254 00:16:14,774 --> 00:16:16,776 んっ…。 255 00:16:16,776 --> 00:16:20,112 うぅ…。 256 00:16:20,112 --> 00:16:22,782 ほれ すすげ。 257 00:16:22,782 --> 00:16:25,785 それと とりあえず売るのは やめだ。 258 00:16:25,785 --> 00:16:27,787 えっ? 259 00:16:27,787 --> 00:16:31,123 そもそも キャサリンとは 山分けって話だからな。 260 00:16:31,123 --> 00:16:34,794 勝手に売ったら あとあと 面倒なことになるかもしれない。 261 00:16:34,794 --> 00:16:39,298 それに… 昨夜の記憶を 誰かに見られたりしたら➡ 262 00:16:39,298 --> 00:16:41,634 たまったもんじゃないしな。 263 00:16:41,634 --> 00:16:45,304 ムフー やはり 水菜萌が言ったとおりです。 264 00:16:45,304 --> 00:16:47,473 あっ? 夏生さん 本当は➡ 265 00:16:47,473 --> 00:16:50,977 高性能な私のこと 好きになっちゃったんですね。 266 00:16:52,979 --> 00:16:54,981 は~!? 267 00:16:54,981 --> 00:16:58,484 夏生さんのエッチュッ。 268 00:16:58,484 --> 00:17:01,087 くっ…。 269 00:17:01,087 --> 00:17:04,423 かわいかったですよ~。 急に抱き寄せて。 270 00:17:04,423 --> 00:17:07,093 (アトリ)にゃ~! えっ!? 271 00:17:07,093 --> 00:17:09,595 (夏生)いいかげんにしないと このまま物理的に破壊して➡ 272 00:17:09,595 --> 00:17:11,597 メモリーを削除するぞ! うわっ! 273 00:17:11,597 --> 00:17:13,599 ロボハラです! ロボハラ! 274 00:17:13,599 --> 00:17:16,769 ロボットが人に危害を 加えられないのをいいことに。 275 00:17:16,769 --> 00:17:18,771 いいかげんなこと言うな! 276 00:17:18,771 --> 00:17:21,941 昨日 パンチしようとしただろうが! あっ…。 277 00:17:21,941 --> 00:17:26,445 まったく… 関節が おかしく なっちゃったじゃないですか。 278 00:17:26,445 --> 00:17:29,448 自業自得だろ。 どこがですか! 279 00:17:29,448 --> 00:17:32,285 まぁ アトリちゃんが いることになって よかったよ。 280 00:17:32,285 --> 00:17:34,787 言っとくが キャサリンと話がついたら➡ 281 00:17:34,787 --> 00:17:37,623 すぐに売るからな。 メモリーを削除して。 282 00:17:37,623 --> 00:17:41,794 逆に言うと あの人が来なければ このままってことでしょ? 283 00:17:41,794 --> 00:17:43,796 それは…。 284 00:17:43,796 --> 00:17:46,799 (水菜萌)学校 行こうよ。 学校…。 285 00:17:46,799 --> 00:17:48,968 嫌? 楽しいよ。 286 00:17:48,968 --> 00:17:53,639 いろんなこと 学べるし 友達もできるし。 287 00:17:53,639 --> 00:17:58,311 それは わかっているんですが 何か引っ掛かるというか…。 288 00:17:58,311 --> 00:18:02,081 こう…。 別に止めないぞ。 289 00:18:02,081 --> 00:18:04,250 ここにいると うるさくてかなわないしな。 290 00:18:04,250 --> 00:18:07,086 え~! 夏生さんは行かないんですか? 291 00:18:07,086 --> 00:18:10,590 なんで 俺が行くんだよ。 じゃあ 私も行きません。 292 00:18:10,590 --> 00:18:12,591 私は 夏生さんの足として➡ 293 00:18:12,591 --> 00:18:14,593 そばにいなくては いけませんから! 294 00:18:14,593 --> 00:18:18,431 言っとくけどな そんなことを 頼んだ覚えは一度もない。 295 00:18:18,431 --> 00:18:20,600 ですが ヒューマノイドとして…。 296 00:18:20,600 --> 00:18:25,805 ナツくんが来れば アトリちゃんも 来てくれるってことでしょ 学校。 297 00:18:28,941 --> 00:18:32,445 ナツくんが来ても意味ないのは わかってるよ。 298 00:18:32,445 --> 00:18:35,281 でも この町 唯一の学校だよ。 299 00:18:35,281 --> 00:18:39,118 なくなったら 終わりなんだよ。 300 00:18:39,118 --> 00:18:44,824 続けたいって思うのは わがままなのかな。 301 00:18:51,964 --> 00:18:57,136 どこに行くんですか? 食料調達だよ。 水も必要だしな。 302 00:18:57,136 --> 00:18:59,138 インフラは ボロボロ。 303 00:18:59,138 --> 00:19:02,241 電気もガスも水道も使えないままだ。 304 00:19:02,241 --> 00:19:04,543 こいつも止まったままだしな。 305 00:19:06,579 --> 00:19:08,581 ここも 出が悪くなってきたな。 306 00:19:08,581 --> 00:19:11,417 そろそろ別の所 探さないと。 307 00:19:11,417 --> 00:19:18,090 ♬~ 308 00:19:18,090 --> 00:19:20,092 これは まだいけるか。 309 00:19:20,092 --> 00:19:22,261 はぁ…。 310 00:19:22,261 --> 00:19:25,431 あの~ これは食べられますか? 311 00:19:25,431 --> 00:19:28,601 菓子か。 食べられるけど 戻しといてくれ。 312 00:19:28,601 --> 00:19:30,936 えっ? 子どももいるからな。 313 00:19:30,936 --> 00:19:34,607 あとから来て なくなっていたら がっかりするだろ。 314 00:19:34,607 --> 00:19:36,942 フフ…。 315 00:19:36,942 --> 00:19:38,944 自分のことだけ考えて➡ 316 00:19:38,944 --> 00:19:41,614 ごっそり持っていくようなやつも いたけどさ➡ 317 00:19:41,614 --> 00:19:46,285 そんなやつは とっくに ここを見限って出ていった。 318 00:19:46,285 --> 00:19:51,957 残っているのは 金がなくて ここに残るしかない連中ばかり。 319 00:19:51,957 --> 00:19:55,294 ここは 捨てられた町なんだよ。 320 00:19:55,294 --> 00:19:57,296 わ~! 321 00:19:57,296 --> 00:20:00,299 あそこに風車が見えるだろ? 322 00:20:00,299 --> 00:20:03,636 昔 あの下は陸地だったんだ。 323 00:20:03,636 --> 00:20:06,806 そのころは 本土とも地続きで…。 324 00:20:06,806 --> 00:20:10,976 今みたいに 廃虚同然の町じゃなくて。 325 00:20:10,976 --> 00:20:14,780 でも きれいです。 326 00:20:16,816 --> 00:20:21,153 この町 私は きれいだと思います。 327 00:20:21,153 --> 00:20:24,156 それに 水菜萌は お金持ちですけど➡ 328 00:20:24,156 --> 00:20:26,826 この町に残っています。 329 00:20:26,826 --> 00:20:29,829 向こうに渡ることができるのに。 330 00:20:29,829 --> 00:20:32,164 それは…。 331 00:20:32,164 --> 00:20:36,669 ここが好きで残っている人も いるんじゃないでしょうか? 332 00:20:36,669 --> 00:20:42,374 もしかしたら 乃音子も この町を救いたくて…。 333 00:20:44,343 --> 00:20:46,512 夏生さん! 334 00:20:46,512 --> 00:20:50,182 もしや 遠くに見えるあれが ロケットですか? 335 00:20:50,182 --> 00:20:53,686 ああ。 飛ぶんですか? 336 00:20:53,686 --> 00:20:55,855 飛ぶさ。 337 00:20:55,855 --> 00:20:58,557 いつか 必ず。 338 00:21:01,794 --> 00:21:04,597 あれ? 家は こちらでは…。 339 00:21:09,969 --> 00:21:12,805 あっ ここは…。 340 00:21:12,805 --> 00:21:15,975 さぁな 道 間違えたか➡ 341 00:21:15,975 --> 00:21:18,644 知らない場所に出てしまった。 342 00:21:18,644 --> 00:21:23,315 あのような斬新な建築は 私のメモリーにありません。 343 00:21:23,315 --> 00:21:27,653 そうか… 見ても やはり何も思い出さないか。 344 00:21:27,653 --> 00:21:31,323 見ても… えっ? 345 00:21:31,323 --> 00:21:36,829 では もしかして これが学校? 346 00:21:36,829 --> 00:21:39,331 (水菜萌)じゃあ またあした~。 347 00:21:39,331 --> 00:21:41,333 水菜萌の声です。 348 00:21:41,333 --> 00:21:45,337 水菜萌~! あっ アトリちゃん。 349 00:21:45,337 --> 00:21:47,673 水菜萌 いい所にいた。 350 00:21:47,673 --> 00:21:49,675 あしたからアトリを頼む。 351 00:21:49,675 --> 00:21:51,677 えっ! ですが 私は…。 352 00:21:51,677 --> 00:21:55,681 安心しろ。 毎日とは言わないけど 俺も来るから。 353 00:21:55,681 --> 00:21:57,683 ナツくん…。 354 00:22:01,787 --> 00:22:04,590 これが… 学校…。 355 00:22:09,795 --> 00:22:12,298 どうかした? 356 00:22:12,298 --> 00:22:17,002 いえ… なんでもありません!