1 00:00:01,969 --> 00:00:10,644 (夏生)ハァ ハァ ハァ…。 2 00:00:10,644 --> 00:00:13,347 (アトリ)夏生さん…。 3 00:00:23,156 --> 00:00:26,860 アトリに… 手を出すな! 4 00:00:29,329 --> 00:00:31,331 (ヤスダ)待て。 5 00:00:38,171 --> 00:00:42,009 ヒューマノイドの味方を するというのですか? 6 00:00:42,009 --> 00:00:44,511 アトリには心がある。 7 00:00:44,511 --> 00:00:48,348 人間と同じような心が あるんだよ! 8 00:00:48,348 --> 00:00:50,851 フッ…。 9 00:00:52,853 --> 00:00:54,855 アトリ! 10 00:00:56,857 --> 00:00:58,859 夏生さん…。 11 00:00:58,859 --> 00:01:05,465 フッ… まったく なんて恐ろしいヒューマノイドだ。 12 00:01:05,465 --> 00:01:08,969 そこまで 人をだますとは。 13 00:01:08,969 --> 00:01:11,805 (叫び声) 14 00:01:11,805 --> 00:01:13,807 (竜司)ナツ! 15 00:01:15,809 --> 00:01:20,814 小西博士も… 罪な人だ。 16 00:01:20,814 --> 00:01:24,484 (叫び声) 17 00:01:24,484 --> 00:01:27,821 (ヤスダ)本当に悪魔の発明ですよ。 18 00:01:27,821 --> 00:01:31,825 (叫び声) 19 00:01:31,825 --> 00:01:35,495 あっ… あぁ…。 いいですか? 20 00:01:35,495 --> 00:01:40,167 こいつが事故を起こさなければ 脱走さえしなければ➡ 21 00:01:40,167 --> 00:01:43,670 博士も会社も守られたのです。 22 00:01:43,670 --> 00:01:49,176 それを こいつが… この欠陥品が…。 23 00:01:49,176 --> 00:01:52,512 違う…。 24 00:01:52,512 --> 00:02:00,621 アトリは欠陥品じゃ… 欠陥品なんかじゃ… ない。 25 00:02:00,621 --> 00:02:05,125 度し難いな。 やめてください! 26 00:02:05,125 --> 00:02:09,129 夏生さんは 関係ありません! 27 00:02:09,129 --> 00:02:14,034 フッ… なら どうします? 28 00:02:15,969 --> 00:02:17,971 (打撃音) 29 00:03:48,995 --> 00:03:53,166 (ヤスダ)なら… どうします? 30 00:03:53,166 --> 00:03:55,368 (打撃音) 31 00:04:03,276 --> 00:04:08,949 クッ… クックック…。 32 00:04:08,949 --> 00:04:12,452 アハハハハハ! 33 00:04:12,452 --> 00:04:16,623 皆さん 見ましたか!? 今の暴力を! 34 00:04:16,623 --> 00:04:20,627 こいつが殴ったんですよ ヒューマノイドなのに! 35 00:04:20,627 --> 00:04:24,131 人間に作られた 道具にすぎない こいつが➡ 36 00:04:24,131 --> 00:04:29,803 人を殴ったんですよ! アハハハハ! やっぱりだ! 37 00:04:29,803 --> 00:04:35,308 こうなるのを待っていました。 ロボットが人を傷つけた! 38 00:04:35,308 --> 00:04:39,980 これで証明されたでしょう? こいつは欠陥品なんです! 39 00:04:39,980 --> 00:04:43,817 野放しにしておいて いいはずがない! 40 00:04:43,817 --> 00:04:46,987 あっ…。 41 00:04:46,987 --> 00:04:48,989 (叫び声) 42 00:04:48,989 --> 00:04:50,991 おごっ… うげぇ! 43 00:04:50,991 --> 00:04:53,293 ぐはっ があっ! 44 00:04:56,663 --> 00:04:59,166 や… ヤスダさん! 45 00:04:59,166 --> 00:05:02,569 ヒッ… く 来るな! 46 00:05:06,773 --> 00:05:11,978 ハァ ハァ ハァ…。 47 00:05:14,781 --> 00:05:16,983 アトリ。 48 00:05:19,953 --> 00:05:23,957 夏生さん。 49 00:05:23,957 --> 00:05:29,462 私を廃棄してください。 50 00:05:29,462 --> 00:05:32,966 アトリ…。 私は欠陥品です。 51 00:05:32,966 --> 00:05:38,972 人を殴り 傷つけてしまう 欠陥ヒューマノイドです。 52 00:05:43,476 --> 00:05:46,279 破壊してください。 53 00:05:53,486 --> 00:05:57,657 ごめんな アトリ。 54 00:05:57,657 --> 00:06:01,428 お前に ひどいことを言ってしまった。 55 00:06:01,428 --> 00:06:06,032 謝らなきゃって ここまで走ってきたんだ。 56 00:06:08,602 --> 00:06:16,276 本当に… 本当に 最低だったと思う。 57 00:06:16,276 --> 00:06:20,780 すまない…。 欠陥品は俺のほうだ。 58 00:06:20,780 --> 00:06:26,286 そ そんな…。 夏生さんが謝る必要なんて…。 59 00:06:29,456 --> 00:06:32,959 (夏生)アトリ。 (アトリ)はい。 60 00:06:32,959 --> 00:06:36,296 (夏生)お前にはあるよ 心が。 61 00:06:36,296 --> 00:06:40,300 (アトリ)エラーです。 心ではありません。 62 00:06:40,300 --> 00:06:46,139 私に心なんて… ありません。 (夏生)どうして? 63 00:06:46,139 --> 00:06:49,476 あるか ないかなんて わからないじゃないか。 64 00:06:49,476 --> 00:06:53,647 心の在りかなんて 誰にもわからないんだ。 65 00:06:53,647 --> 00:06:56,983 俺にも 俺の心がどこにあるか➡ 66 00:06:56,983 --> 00:07:01,087 本当にあるのか 確証なんて持てない。 67 00:07:01,087 --> 00:07:03,590 みんな同じだ。 68 00:07:12,098 --> 00:07:15,769 今 何を感じてる? 69 00:07:15,769 --> 00:07:19,606 何も…。 我慢しなくていい。 70 00:07:19,606 --> 00:07:22,275 抑え込まなくていいんだ。 71 00:07:22,275 --> 00:07:24,978 ありのままを感じればいい。 72 00:07:28,615 --> 00:07:31,318 思い出したんだろ? 73 00:07:35,955 --> 00:07:38,258 全部。 74 00:07:50,136 --> 00:07:58,478 うっ… あぁ…。 75 00:07:58,478 --> 00:08:03,083 うっ… うあぁ…。 76 00:08:03,083 --> 00:08:12,592 (泣き声) 77 00:08:12,592 --> 00:08:14,928 (キャサリン)泣いてる? 78 00:08:14,928 --> 00:08:24,537 (泣き声) 79 00:08:36,449 --> 00:08:38,451 (水菜萌)詩菜…。 80 00:08:38,451 --> 00:08:42,122 (洋子)それが あの子の最初のマスター? 81 00:08:42,122 --> 00:08:44,124 (夏生)ああ。 82 00:08:44,124 --> 00:08:48,294 俺の母親だ。 なるほど。 83 00:08:48,294 --> 00:08:51,998 それで おばあさんのところで 眠ってたわけね。 84 00:08:54,467 --> 00:08:57,303 (水菜萌)あっ これ…。 85 00:08:57,303 --> 00:09:00,907 ああ 涙の跡だ。 えっ? 86 00:09:00,907 --> 00:09:05,578 アトリは 自分でも気付かないうちに 泣いていたんだ。 87 00:09:05,578 --> 00:09:08,748 (水菜萌)でも アトリちゃん 泣けないって…。 88 00:09:08,748 --> 00:09:10,750 (夏生)そう思い込んでいた。 89 00:09:10,750 --> 00:09:14,754 ヒューマノイドだから泣けない。 涙は出ない。 90 00:09:14,754 --> 00:09:18,258 心はなく 本当の感情もないって…。 91 00:09:18,258 --> 00:09:23,430 (水菜萌)そっか…。 けど その涙の跡を見て確信した。 92 00:09:23,430 --> 00:09:26,599 アトリには 心があるって。 93 00:09:26,599 --> 00:09:31,438 こいつは 生まれたときから 苦しんでいたんだよ。 94 00:09:31,438 --> 00:09:34,107 正しいはずなのに したくなかったり➡ 95 00:09:34,107 --> 00:09:37,277 間違ったことなのに どうしても やってしまったり。 96 00:09:37,277 --> 00:09:41,448 そんな 心が生み出す衝動に 戸惑いながら…。 97 00:09:41,448 --> 00:09:44,617 んっ…。 98 00:09:44,617 --> 00:09:48,621 起きたか? 夏生さん。 99 00:09:48,621 --> 00:09:51,291 (夏生)腕は平気か? 少し動かしてみろ。 100 00:09:51,291 --> 00:09:53,293 (アトリ)はい。 101 00:09:55,628 --> 00:10:01,301 はい 特に問題ありません。 そうか よかった。 102 00:10:01,301 --> 00:10:03,303 あの…。 103 00:10:03,303 --> 00:10:06,639 ヤスダのほうは 二度とアトリに手を出せないよう➡ 104 00:10:06,639 --> 00:10:10,143 キャサリンと竜司が 本土の警察に話しに行ってる。 105 00:10:10,143 --> 00:10:13,813 ヒューマノイドを傷つけた罪は 問えないかもしれないが➡ 106 00:10:13,813 --> 00:10:17,317 子どもを人質にとり 竜司に銃を突きつけたことは➡ 107 00:10:17,317 --> 00:10:19,652 確かだからな。 108 00:10:19,652 --> 00:10:23,990 そうですか…。 アトリちゃん…。 109 00:10:23,990 --> 00:10:28,828 気にすることないって。 むしろ 私 スカッとしたんだから! 110 00:10:28,828 --> 00:10:31,331 でも…。 111 00:10:31,331 --> 00:10:33,333 うっ…。 112 00:10:37,170 --> 00:10:39,172 えっ? 113 00:10:39,172 --> 00:10:41,841 (夏生)時に間違ったことをする。 114 00:10:41,841 --> 00:10:45,178 絶対してはいけないことを してしまったり➡ 115 00:10:45,178 --> 00:10:49,182 言ってはいけない言葉を 口にしてしまったり。 116 00:10:49,182 --> 00:10:54,087 だから人は喜んだり 泣いたり 怒ったりできる。 117 00:10:56,022 --> 00:10:58,858 俺が アトリのそばにいたいと思うのは➡ 118 00:10:58,858 --> 00:11:03,796 アトリが… 好きだからだ。 119 00:11:03,796 --> 00:11:05,798 夏生さん。 120 00:11:05,798 --> 00:11:09,469 それが心だ。 アトリにも わかるだろう? 121 00:11:09,469 --> 00:11:12,305 はい。 122 00:11:12,305 --> 00:11:16,309 大切なのは 心をコントロールすることだ。 123 00:11:16,309 --> 00:11:18,978 気持ちをコントロールすることだ。 124 00:11:18,978 --> 00:11:21,981 それは これから やっていけばいい。 125 00:11:21,981 --> 00:11:24,651 そうだよ! それは 人間も みんな➡ 126 00:11:24,651 --> 00:11:28,154 そんなに得意じゃないから。 ああ。 127 00:11:28,154 --> 00:11:31,157 ヒューマノイドだから いろいろ言われることも➡ 128 00:11:31,157 --> 00:11:35,161 あるかもしれないが 俺は絶対 そばにいるから。 129 00:11:38,331 --> 00:11:41,834 あの…。 なんだ? 130 00:11:41,834 --> 00:11:47,340 なぜか 急に ギュッてしたくなりました。 131 00:11:47,340 --> 00:11:49,842 ギュッてしてもいいですか? 132 00:11:51,844 --> 00:11:53,846 ああ。 133 00:11:57,517 --> 00:12:02,622 これは間違ったことですか? さぁな。 134 00:12:02,622 --> 00:12:06,025 でも それが心だ。 135 00:12:08,628 --> 00:12:11,297 私たち お邪魔かな? 136 00:12:11,297 --> 00:12:14,801 そういうんじゃないと思うよ。 えっ? 137 00:12:14,801 --> 00:12:21,007 もっと 深いつながりに見えるな 私には。 138 00:12:24,143 --> 00:12:27,981 アトリ? おい アトリ。 139 00:12:27,981 --> 00:12:30,149 疲れてるんじゃない? 140 00:12:30,149 --> 00:12:34,821 まぁ 今までにない出力で 動いていたのは確かだけど…。 141 00:12:34,821 --> 00:12:37,023 (洋子)えっ そうなの? 142 00:12:39,659 --> 00:12:44,497 おそらく昨日 学校に行く前に それを読んでいたんだ。 143 00:12:44,497 --> 00:12:49,502 自分がどんな存在なのか。 自分に何が起きたのか。 144 00:12:49,502 --> 00:12:54,507 それがよみがえり 洪水のように 頭に流れ込んできたんだ。 145 00:12:54,507 --> 00:12:58,678 その喜びも悲しみも すべて一度に…。 146 00:12:58,678 --> 00:13:01,681 詩菜様…。 147 00:13:05,284 --> 00:13:08,955 ⦅《アトリ:目覚めた。 購入者より言葉》 148 00:13:08,955 --> 00:13:10,957 (乃音子)あたしは忙しい。 149 00:13:10,957 --> 00:13:15,294 代わりに この子の子守をやっておくれ。 150 00:13:15,294 --> 00:13:19,632 (詩菜)わ~ あなたがヒューマノイド? はい。 151 00:13:19,632 --> 00:13:23,803 お友達になりましょうね! こちらこそ よろしく。 152 00:13:23,803 --> 00:13:29,308 私は詩菜。 名前は? まだありません ご自由に。 153 00:13:29,308 --> 00:13:31,644 私が付けていいってこと? 154 00:13:31,644 --> 00:13:36,983 えっと じゃあ… ルリ 夏美…。 155 00:13:36,983 --> 00:13:38,985 あっ そうだ ロボ子! 156 00:13:38,985 --> 00:13:44,490 ロボ子はロボットへの蔑称です。 え~ かわいいのに。 157 00:13:44,490 --> 00:13:47,593 ん~と じゃあ…。 158 00:13:50,330 --> 00:13:52,332 アトリ。 159 00:13:54,333 --> 00:13:57,503 その子 渡り鳥で アトリっていうの。 160 00:13:57,503 --> 00:14:02,442 だから あなたもアトリ。 どう? いい名前でしょう? 161 00:14:02,442 --> 00:14:05,945 アトリ。 162 00:14:05,945 --> 00:14:10,450 《それが 私に付けられた名前だった》⦆ 163 00:14:16,456 --> 00:14:20,626 ⦅《アトリ そう名前を付けてもらった私は➡ 164 00:14:20,626 --> 00:14:24,297 詩菜様とともに 暮らすことになった》 165 00:14:24,297 --> 00:14:26,299 (アトリ)ああっ。 166 00:14:26,299 --> 00:14:29,969 あっ 大丈夫? 167 00:14:29,969 --> 00:14:32,138 詩菜様…。 168 00:14:32,138 --> 00:14:35,475 フフフ… すぐ できるようになるよ。 169 00:14:35,475 --> 00:14:37,477 アトリは高性能だから。 170 00:14:37,477 --> 00:14:40,646 高性能? 171 00:14:40,646 --> 00:14:45,485 うん 最新型の高性能って お母さんに言われたよ。 172 00:14:45,485 --> 00:14:48,988 だから安心してって。 そうなのですか? 173 00:14:48,988 --> 00:14:53,659 いつも お母さん言ってるんだ。 言葉には言霊が宿る。 174 00:14:53,659 --> 00:14:56,329 だから いい言葉は口にして➡ 175 00:14:56,329 --> 00:15:00,266 悪い言葉は 口にしてはいけないって。 176 00:15:00,266 --> 00:15:05,605 だからね アトリも ちゃんと自分で言葉を口にして。 177 00:15:05,605 --> 00:15:09,609 私は高性能です! って。 178 00:15:09,609 --> 00:15:14,280 私は 高性能…。 そう! もう一度! 179 00:15:14,280 --> 00:15:16,449 私は高性能。 180 00:15:16,449 --> 00:15:18,551 うん! 181 00:15:20,620 --> 00:15:25,458 私は高性能ですから! 182 00:15:25,458 --> 00:15:30,797 《アトリ:詩菜様との暮らしは ほとんどが2人きりだった》 183 00:15:30,797 --> 00:15:34,801 もう! 少しは手加減してよ! 184 00:15:34,801 --> 00:15:38,638 なぜ あの虫だけ そこまで危険視するのですか? 185 00:15:38,638 --> 00:15:40,640 いいから倒して! 186 00:15:40,640 --> 00:15:44,811 わ~! なぜ わざわざ作るのですか? 187 00:15:44,811 --> 00:15:47,647 買えば早いのに。 違うよ。 188 00:15:47,647 --> 00:15:50,483 一緒に作るから思い出になるの。 189 00:15:50,483 --> 00:15:54,654 《アトリ:けど今日も 詩菜様は満足している様子。 190 00:15:54,654 --> 00:15:56,656 問題なし》 191 00:15:58,991 --> 00:16:02,261 《アトリ:今日から詩菜様は 中学に登校。 192 00:16:02,261 --> 00:16:05,932 それに伴い 変化を確認》 193 00:16:05,932 --> 00:16:09,435 どう? アトリ。 似合ってるかな? 194 00:16:09,435 --> 00:16:15,608 はい! ですが 写真を見るかぎり その制服は みんな同じです。 195 00:16:15,608 --> 00:16:19,612 たくさんいたら どれが詩菜様か 見分けがつきません。 196 00:16:19,612 --> 00:16:24,116 フフフ じゃあ お互い どこにいるか わからなくなったときは➡ 197 00:16:24,116 --> 00:16:26,118 歌うことにしようか。 198 00:16:26,118 --> 00:16:29,121 この前 教えてあげた歌 あるでしょう? 199 00:16:31,457 --> 00:16:36,128 ♬「雨~ 濡れる~」 200 00:16:36,128 --> 00:16:39,966 ♬「窓辺で~」 そう それ! 201 00:16:39,966 --> 00:16:41,968 はい。 202 00:16:41,968 --> 00:16:45,972 フフ 背 同じくらいになったね。 203 00:16:45,972 --> 00:16:47,974 はい。 204 00:16:47,974 --> 00:16:53,779 これからは 私がアトリより お姉さんになるんだな…。 205 00:16:55,982 --> 00:16:57,984 ヘヘッ。 206 00:16:57,984 --> 00:17:02,488 《アトリ:それを最後に詩菜様は 笑わなくなってしまった》 207 00:17:06,759 --> 00:17:09,262 《学校の報告書によると➡ 208 00:17:09,262 --> 00:17:12,932 きっかけは ささいなことと 書かれていた。 209 00:17:12,932 --> 00:17:17,603 授業中 詩菜様が女生徒の私語を 注意したことから➡ 210 00:17:17,603 --> 00:17:22,108 注意された女生徒に 憎悪を持たれたと推測。 211 00:17:22,108 --> 00:17:26,612 女生徒は学校内において 権力を有していたことから➡ 212 00:17:26,612 --> 00:17:31,450 この憎悪に加担する者が 多数 現れた。 213 00:17:31,450 --> 00:17:35,788 いじめ と呼ばれる 社会的問題行動と認定》 214 00:17:35,788 --> 00:17:38,291 (詩菜)勝手に動かさないでって 言ってるでしょ! 215 00:17:38,291 --> 00:17:40,293 申し訳ありません…。 216 00:17:40,293 --> 00:17:44,463 ハァ ハァ ハァ…。 217 00:17:44,463 --> 00:17:46,465 ごめん。 218 00:17:48,467 --> 00:17:50,803 《アトリ:ストレス値の上昇を確認。 219 00:17:50,803 --> 00:17:55,808 すでに今日で3か月 ストレスはレッドゾーンのまま。 220 00:17:55,808 --> 00:17:58,511 このままでは危険》 221 00:18:02,582 --> 00:18:06,085 何? 乃音子に言ったほうがいいです。 222 00:18:06,085 --> 00:18:10,089 忙しいでしょ お母さん。 ですが…。 223 00:18:10,089 --> 00:18:12,758 もうすぐ 海面が上昇して➡ 224 00:18:12,758 --> 00:18:15,928 人類に大変な危機が 訪れるんだって。 225 00:18:15,928 --> 00:18:18,931 研究所の人 誰も信じてないけど。 226 00:18:18,931 --> 00:18:22,435 おかしくなっちゃったんだね お母さん。 227 00:18:22,435 --> 00:18:25,771 訂正してください。 228 00:18:25,771 --> 00:18:30,109 言葉には言霊が宿るといいます。 真意でないなら…。 229 00:18:30,109 --> 00:18:32,945 うるさいな! 230 00:18:32,945 --> 00:18:36,449 ここで ふんぞり返ってればいい あんたに➡ 231 00:18:36,449 --> 00:18:39,285 何が わかるっていうのよ! 232 00:18:39,285 --> 00:18:41,454 すみません…。 233 00:18:41,454 --> 00:18:46,959 だいたい あんた 私の気持ち考えたことある? 234 00:18:46,959 --> 00:18:51,464 ハッ わかるわけないよね ヒューマノイドだもん。 235 00:18:51,464 --> 00:18:54,633 気持ちなんて ないものね。 236 00:18:54,633 --> 00:18:56,969 はい…。 237 00:18:56,969 --> 00:19:01,574 《アトリ:ストレス値が上がる一方だ。 このままではいけない。 238 00:19:01,574 --> 00:19:05,578 なんとかしなくては。 239 00:19:05,578 --> 00:19:08,080 なんとか…》 240 00:19:16,589 --> 00:19:21,594 《学校では 文化祭の演劇の主役が 決められていたもよう》 241 00:19:23,596 --> 00:19:27,933 《文化祭の主役に 反対の意思を表明しながらも➡ 242 00:19:27,933 --> 00:19:30,236 選ばれたと推測》 243 00:19:32,438 --> 00:19:35,441 屋上で 飛び降りようとしてるって! 244 00:19:35,441 --> 00:19:38,944 ええっ? マジありえないんだけど。 245 00:19:55,961 --> 00:19:57,963 バカなことはするな! 246 00:19:57,963 --> 00:20:00,800 そうよ 八千草さん 落ち着きましょう! 247 00:20:00,800 --> 00:20:03,636 ホントは 飛ぶ気なんてないくせに。 248 00:20:03,636 --> 00:20:05,638 おい! 249 00:20:05,638 --> 00:20:07,807 本気なら死ねば? 250 00:20:07,807 --> 00:20:10,643 そうしたら 舞台 立たなくてもいいし。 251 00:20:10,643 --> 00:20:14,814 ほら 飛びなよ。 飛~べ。 252 00:20:14,814 --> 00:20:16,816 (女生徒たち)飛~べ 飛~べ…。 253 00:20:16,816 --> 00:20:21,487 《アトリ:このまま飛んだら 死亡確率は97%。 254 00:20:21,487 --> 00:20:26,659 危険 危険 危険。 255 00:20:26,659 --> 00:20:28,661 止めなくては》 256 00:20:28,661 --> 00:20:31,997 飛~べ。 んっ? 257 00:20:31,997 --> 00:20:35,668 《アトリ:そして 気付いたとき…》 258 00:20:35,668 --> 00:20:52,685 ♬~ 259 00:20:52,685 --> 00:20:55,855 し…。 誰が こんなことしてと頼んだの? 260 00:20:55,855 --> 00:20:58,057 詩菜様…。 261 00:21:03,295 --> 00:21:05,598 この…⦆ 262 00:21:13,806 --> 00:21:16,809 なんか 言葉もない…。 263 00:21:16,809 --> 00:21:21,981 でも それでもアトリは 詩菜が好きだったんだ。 264 00:21:21,981 --> 00:21:26,652 詩菜のために役に立ちたいって 思っていたんだ。 265 00:21:26,652 --> 00:21:31,157 だから 回収されたあと 脱走した。 266 00:21:31,157 --> 00:21:35,161 ああ。 そして 母さんに見つからないように➡ 267 00:21:35,161 --> 00:21:37,863 そっと見守っていたんだ。 268 00:21:39,999 --> 00:21:45,004 ⦅♬「雨~ 濡れる~」 269 00:21:45,004 --> 00:21:49,008 ♬「窓辺で~」⦆ 270 00:21:49,008 --> 00:21:53,512 《夏生:卒業し 大人になり…。 271 00:21:53,512 --> 00:22:00,286 俺が生まれてからも アトリは…。 272 00:22:00,286 --> 00:22:05,958 ずっと ずっと ずっと…。 273 00:22:05,958 --> 00:22:10,129 たぶん ばあさんは そんなアトリのことを知って➡ 274 00:22:10,129 --> 00:22:15,834 メモリーをあえて消去して 眠りにつかせたんだと思う》 275 00:22:18,971 --> 00:22:22,808 (アトリ)夏生さん…。 どうだ? 体は。 276 00:22:22,808 --> 00:22:26,478 夢を… 見てました…。 277 00:22:26,478 --> 00:22:28,480 そうか。 278 00:22:28,480 --> 00:22:32,284 あの… お願いがあるのですが…。 279 00:22:42,161 --> 00:22:45,664 (夏生)もう少し景色が 変わってるかと思ったけど➡ 280 00:22:45,664 --> 00:22:48,500 案外 あのころのままなんだな。 281 00:22:48,500 --> 00:22:52,338 (アトリ)あそこから 夏生さんを見ていました。 282 00:22:52,338 --> 00:22:54,840 (夏生)そうだったのか。 283 00:22:54,840 --> 00:23:00,613 私 あのとき ここで機能を 停止しようと思っていたんです。 284 00:23:00,613 --> 00:23:04,950 夏生さんと同じように…。 285 00:23:04,950 --> 00:23:10,456 大好きな詩菜様を助けることが できなかったから…。 286 00:23:10,456 --> 00:23:12,458 でも…。 287 00:23:12,458 --> 00:23:18,297 あのころの夏生さんは 全然 笑顔を見せることはなくて。 288 00:23:18,297 --> 00:23:24,303 だから 詩菜様に教えられた歌と 言葉で…。 289 00:23:24,303 --> 00:23:28,007 ⦅よしよし 大丈夫だよ⦆ 290 00:23:30,309 --> 00:23:34,146 ありがとうな。 えっ? 291 00:23:34,146 --> 00:23:38,317 きっと 母さんも感謝してると思うよ。 292 00:23:38,317 --> 00:23:40,653 そうでしょうか…。 293 00:23:40,653 --> 00:23:44,823 ああ… 母さん いつも言っていた。 294 00:23:44,823 --> 00:23:48,527 どうしても謝りたい人がいるって。 295 00:23:50,496 --> 00:23:55,000 ⦅一番の親友… 誰よりも大好きだったのに➡ 296 00:23:55,000 --> 00:23:58,504 言ってはいけないことを 言ってしまったの。 297 00:23:58,504 --> 00:24:01,106 深く傷つけてしまった…。 298 00:24:04,276 --> 00:24:09,982 また会いたいな… 彼女に⦆ 299 00:24:13,285 --> 00:24:17,790 (アトリ)詩菜様が…。 (夏生)ああ。 300 00:24:17,790 --> 00:24:21,627 俺には ずっと 誰のことか わからなかったけど➡ 301 00:24:21,627 --> 00:24:25,965 あれは間違いなく アトリのことだ。 302 00:24:25,965 --> 00:24:31,570 誰よりも大切な親友だったんだよ アトリは。 303 00:24:34,139 --> 00:24:39,144 詩菜様… 詩菜様…。 304 00:24:39,144 --> 00:24:41,980 うぅ… うぅ…。 305 00:24:41,980 --> 00:24:48,821 (泣き声) 306 00:24:48,821 --> 00:24:54,159 《そうか… 俺は 誰かに言ってもらうんじゃなく➡ 307 00:24:54,159 --> 00:24:58,664 誰かに言えるような人間に なりたかったんだ。 308 00:24:58,664 --> 00:25:01,100 この言葉を…》 309 00:25:01,100 --> 00:25:03,435 よしよし。 310 00:25:03,435 --> 00:25:06,605 ⦅よしよし。 311 00:25:06,605 --> 00:25:09,608 大丈夫だよ⦆ 312 00:25:09,608 --> 00:25:12,945 大丈夫だよ。 313 00:25:12,945 --> 00:25:16,949 おかえり アトリ。