1 00:00:05,422 --> 00:00:06,506 (ハルユキの声) 何か遅いな 2 00:00:09,175 --> 00:00:11,052 これ バックドアだ! 3 00:00:15,557 --> 00:00:16,224 待て 4 00:00:16,683 --> 00:00:19,853 きっと 今も こいつを仕掛けたやつは見てる 5 00:00:20,186 --> 00:00:21,521 突き止めるためには― 6 00:00:21,646 --> 00:00:24,232 今は こっちが気付いたことを 悟られないほうが… 7 00:00:28,445 --> 00:00:30,196 (チユリ) ねえ ハル 8 00:00:32,032 --> 00:00:35,660 黒雪姫(くろゆきひめ)先輩に ハルを変える力があるなら― 9 00:00:35,994 --> 00:00:37,370 私は もう言わない 10 00:00:38,038 --> 00:00:41,958 でも もう あんな子分みたいな態度 やめてね 11 00:00:43,835 --> 00:00:46,880 なるなら あの人の彼氏になってよ 12 00:00:47,005 --> 00:00:50,592 そんで 学校中の生徒を驚かせてやって 13 00:00:52,927 --> 00:00:55,013 (ハルユキ) ありがとう チユ 14 00:00:58,141 --> 00:01:03,146 ♪~ 15 00:02:22,809 --> 00:02:27,814 ~♪ 16 00:02:30,984 --> 00:02:32,443 それじゃ 俺… 17 00:02:33,778 --> 00:02:34,445 えっ! 18 00:02:35,655 --> 00:02:38,366 (チユリ) 今日 お母さん いないの 19 00:02:38,741 --> 00:02:40,702 (ハルユキ) だ… 駄目だよ チユ! こんなの 20 00:02:41,035 --> 00:02:42,954 (黒雪姫)駄目ではないぞ (ハルユキ)ひえっ! 21 00:02:43,496 --> 00:02:47,917 (黒雪姫) さあ ハルユキ君 一緒に行こう はるかなる高みへ 22 00:02:49,210 --> 00:02:50,587 うわーっ! 23 00:02:50,879 --> 00:02:52,171 うわーっ! 24 00:03:00,096 --> 00:03:01,556 最低だ 25 00:03:06,311 --> 00:03:09,731 僕って… 僕ってやつは… 26 00:03:10,315 --> 00:03:13,568 きっと チユと直結なんかしたから あんな夢を! 27 00:03:13,693 --> 00:03:14,736 (黒雪姫) やあ おはよう 少年 28 00:03:15,320 --> 00:03:16,195 (ハルユキ) ひえっ! 29 00:03:16,321 --> 00:03:18,740 (黒雪姫) 何だ それは はやりの挨拶か? 30 00:03:19,115 --> 00:03:23,036 いえ あの… おはようございます 先輩 31 00:03:23,536 --> 00:03:24,454 (黒雪姫) うん 32 00:03:25,038 --> 00:03:30,710 ああ… あのな 昨日は その… すまなかった 33 00:03:31,252 --> 00:03:32,629 ちょっと 大人気(おとなげ)なかった 34 00:03:32,837 --> 00:03:37,675 い… いえ 僕のほうこそ すみません あんな夢 35 00:03:38,051 --> 00:03:40,678 (黒雪姫)夢? (ハルユキ)いえ ではなくて… 36 00:03:40,929 --> 00:03:44,432 (ハルユキ) その… ろくに 挨拶もしないで帰っちゃって 37 00:03:45,516 --> 00:03:49,520 無理もないよ 大事な友達を疑われて 38 00:03:49,771 --> 00:03:51,981 しかも 直結して確かめるなんて― 39 00:03:52,190 --> 00:03:53,942 できもしないことを 言わせてしまった 40 00:03:54,525 --> 00:03:57,403 えっ? あの… してきましたけど 41 00:03:57,862 --> 00:03:59,739 (黒雪姫)何を (ハルユキ)直結 42 00:04:05,370 --> 00:04:06,037 どこでだ 43 00:04:06,496 --> 00:04:08,164 その… あいつの家で 44 00:04:09,082 --> 00:04:10,041 (黒雪姫) 家のどこだ 45 00:04:10,959 --> 00:04:13,086 へ… 部屋です あいつの 46 00:04:14,003 --> 00:04:14,671 ほう 47 00:04:14,837 --> 00:04:16,923 それで 物理メモリをのぞいた… 48 00:04:17,215 --> 00:04:18,675 ケーブルの長さは どれくらいだ 49 00:04:19,008 --> 00:04:21,552 30センチです 50 00:04:22,011 --> 00:04:23,054 (黒雪姫) ふーん 51 00:04:29,727 --> 00:04:33,648 (チャイム) 52 00:04:33,773 --> 00:04:36,025 (ハルユキの声) 何だったんだ 今朝のは 53 00:04:37,610 --> 00:04:41,072 早く 昨日 調べたこと 先輩に報告しに行かないと 54 00:04:41,197 --> 00:04:41,864 (ミチル)こんにちは! (ハルユキ)うわっ! 55 00:04:42,448 --> 00:04:45,034 (ミチル) 1年C組の有田春雪(ありたはるゆき)君ですね 56 00:04:45,618 --> 00:04:46,911 (フミコ) 「梅郷(うめさと)リアルタイムズ」 57 00:04:47,036 --> 00:04:49,831 “うわさのあいつに ヘッドショット”なんですが 58 00:04:50,081 --> 00:04:52,458 (ミチル) ズバリ 有田君が あの黒雪姫さんと― 59 00:04:52,583 --> 00:04:54,460 つきあっているという うわさは本当ですか? 60 00:04:54,585 --> 00:04:56,963 うわっ! そんな デマです 事実無根です! 61 00:04:57,422 --> 00:04:59,007 しかし 情報によれば― 62 00:04:59,132 --> 00:05:01,175 お二人は ラウンジで2度 直結し― 63 00:05:01,426 --> 00:05:04,679 更には 喫茶店で 直結デートしていたそうですが? 64 00:05:05,596 --> 00:05:07,974 いえ… そ… それは― 65 00:05:08,099 --> 00:05:12,603 僕… 先輩のニューロリンカーの 調子悪かったのを直して― 66 00:05:12,937 --> 00:05:14,439 喫茶店は そのお礼に― 67 00:05:14,564 --> 00:05:16,149 ごちそうになった っていうだけです! 68 00:05:16,566 --> 00:05:21,029 だ… 大体 僕といるときの あの人の態度で分かるはずです 69 00:05:21,154 --> 00:05:24,073 先輩 話してると すぐ不機嫌になるんですよ 70 00:05:24,532 --> 00:05:25,366 (フミコ) 不機嫌? 71 00:05:25,992 --> 00:05:28,453 今朝だって 何か怒って行っちゃったし― 72 00:05:28,578 --> 00:05:31,664 チユ… ええと 倉嶋(くらしま)の話になると いつも 73 00:05:32,040 --> 00:05:33,458 倉嶋千百合(ちゆり)? 74 00:05:33,583 --> 00:05:37,712 昨日 校門前で 黒雪姫さんと何か言い合ってた? 75 00:05:39,213 --> 00:05:40,798 取材 終わりですか? 76 00:05:40,923 --> 00:05:42,425 (ミチル)っていうか… (フミコ)ぶっちゃけ― 77 00:05:42,550 --> 00:05:45,511 何かの間違いだろうってくらいの 気持ちだったんだけど 78 00:05:45,928 --> 00:05:49,432 有田君 もしかして 黒雪姫さんと君― 79 00:05:49,849 --> 00:05:50,850 ホントに そうなの? 80 00:05:51,059 --> 00:05:51,726 はあ? 81 00:05:52,268 --> 00:05:55,229 だって 他の女の話で不機嫌ってのは… 82 00:05:55,354 --> 00:05:56,814 どう考えても… 83 00:05:57,106 --> 00:05:58,274 (ミチル・フミコ) やいてるんじゃないの? 84 00:06:03,780 --> 00:06:04,447 (ハルユキ) うそだ… 85 00:06:04,864 --> 00:06:05,990 (ミチル・フミコ) やいてるんじゃ… 86 00:06:06,115 --> 00:06:06,866 うそだ! 87 00:06:07,867 --> 00:06:09,577 うそだ うそだ うそだ! 88 00:06:10,203 --> 00:06:11,412 うそだ! 89 00:06:12,872 --> 00:06:17,251 何でだ… 何でなんです 何で僕なんだ! 90 00:06:19,504 --> 00:06:21,756 (ハルユキの声) あなたは 全てを持っているのに 91 00:06:21,964 --> 00:06:24,509 見た目も 成績も 人望も 92 00:06:24,842 --> 00:06:26,761 どうやって 信じろっていうんです! 93 00:06:27,303 --> 00:06:28,304 (ハルユキの声) 夢なんか… 94 00:06:28,930 --> 00:06:31,891 後で打ち砕かれる希望なんか 持ちたくないんです 95 00:06:32,475 --> 00:06:34,936 なのに あなたは何で… 96 00:06:53,746 --> 00:06:54,413 やあ 97 00:06:58,084 --> 00:07:00,336 (黒雪姫)歩きながら話そうか (ハルユキ)はい 98 00:07:05,299 --> 00:07:07,969 (黒雪姫) その… 朝は すまなかった 99 00:07:08,261 --> 00:07:10,138 自分でも どうかしてると思うんだが 100 00:07:10,680 --> 00:07:13,975 倉嶋と シアン・パイルの 関係が分かりました 101 00:07:14,183 --> 00:07:15,685 うん? そ… そうか 102 00:07:16,185 --> 00:07:18,062 なら 話は直結でしよう 103 00:07:18,855 --> 00:07:22,108 関連する固有名詞を 誰かに聞かれると事だからな 104 00:07:22,733 --> 00:07:27,572 ああ… 昨日まで使ってたやつは うっかり 断線させてしまってな 105 00:07:27,947 --> 00:07:29,740 短い これしか買えなかった 106 00:07:36,914 --> 00:07:39,000 (ハルユキ) 倉嶋は シアン・パイルじゃありません 107 00:07:39,333 --> 00:07:42,420 敵は 彼女のニューロリンカーに ウイルスを仕掛けて― 108 00:07:42,545 --> 00:07:44,088 バックドアを作っていました 109 00:07:45,047 --> 00:07:46,048 だから やつは― 110 00:07:46,257 --> 00:07:49,927 校内で倉嶋のいる座標から ステージに出現できたんです 111 00:07:50,720 --> 00:07:54,182 (黒雪姫) 君… どうかしたのか さっきから ちょっと変だぞ 112 00:07:54,640 --> 00:07:55,850 (ハルユキ) 別に どうもしません 113 00:07:56,517 --> 00:07:58,144 (黒雪姫) もしかして 怒っているのか? 114 00:07:58,352 --> 00:08:01,522 (ハルユキ) 僕のことはいいです もっと 大切な話をしましょう 115 00:08:02,148 --> 00:08:03,691 (黒雪姫) 何か証拠はあるのか 116 00:08:04,150 --> 00:08:06,360 (ハルユキ) 手を出したら 気付かれると思ったので― 117 00:08:06,569 --> 00:08:07,403 確認だけです 118 00:08:08,988 --> 00:08:11,991 (黒雪姫) 冷静な判断だが 説得力も失っているぞ 119 00:08:12,700 --> 00:08:14,785 バックドア経由で ブレイン・バーストの― 120 00:08:14,911 --> 00:08:16,954 マッチングサーバーに 接続するなど― 121 00:08:17,205 --> 00:08:19,123 この私でも 聞いたことのない話だ 122 00:08:19,582 --> 00:08:22,502 (ハルユキ) つまり 僕が ウイルスの話をねつ造して― 123 00:08:22,627 --> 00:08:24,086 敵に寝返ったと言うんですか? 124 00:08:24,420 --> 00:08:25,588 (黒雪姫) そこまで言ってない 125 00:08:26,339 --> 00:08:28,883 (ハルユキ) なら もう 証拠うんぬんじゃないですよね 126 00:08:29,425 --> 00:08:32,512 どう判断するかは 先輩が決めればいいことです 127 00:08:33,638 --> 00:08:35,473 (黒雪姫) 本気で そんなことを言っているのか 128 00:08:36,057 --> 00:08:37,517 (ハルユキ) 何なりと ご自由に 129 00:08:37,642 --> 00:08:40,144 僕は ただの駒 ただの道具です 130 00:08:40,728 --> 00:08:42,313 いらなくなったら捨てればいい 131 00:08:43,773 --> 00:08:47,026 (黒雪姫) 君は やはり怒っているのだな 132 00:08:47,652 --> 00:08:51,739 確かに 私が至らなかった それは謝る 133 00:08:52,198 --> 00:08:57,370 だが 私も情動全てを コントロールできるわけではない 134 00:08:57,703 --> 00:09:01,457 殊に 君と倉嶋君のことについては 135 00:09:02,208 --> 00:09:03,417 つまり 私は… 136 00:09:03,543 --> 00:09:04,460 (ハルユキ) もうやめましょうよ 137 00:09:04,919 --> 00:09:05,628 (黒雪姫) えっ? 138 00:09:06,295 --> 00:09:09,549 (ハルユキ) 見てるほうも つらいですよ 痛々しくて 139 00:09:09,840 --> 00:09:11,133 (黒雪姫) 何を言っているんだ 140 00:09:11,634 --> 00:09:14,470 (ハルユキ) あなたは あなたのことが 嫌いなんでしょう? 141 00:09:16,472 --> 00:09:20,393 あなたは 何もかも完璧すぎる 自分のことが嫌いなんだ 142 00:09:20,560 --> 00:09:23,896 だから こんな僕に 好意のようなものを示して― 143 00:09:24,021 --> 00:09:26,023 自分をおとしめ 汚そうとしている 144 00:09:26,482 --> 00:09:30,027 そんなことをしなくても 僕は あなたの言うとおり働きます 145 00:09:30,653 --> 00:09:32,029 代償なんていらない 146 00:09:32,196 --> 00:09:35,283 ただの捨て駒 命令されるだけの道具 147 00:09:35,783 --> 00:09:38,077 それが僕なんかに ふさわしい扱いだって― 148 00:09:38,452 --> 00:09:40,329 あなたもホントは分かってるんだ 149 00:09:49,005 --> 00:09:49,672 (ハルユキ) えっ? 150 00:09:51,299 --> 00:09:51,966 バカ! 151 00:09:57,388 --> 00:09:58,222 バカ… 152 00:09:58,848 --> 00:10:01,225 バカ バカ… バカ! 153 00:10:03,519 --> 00:10:06,439 (ブレーキ音) 154 00:10:11,986 --> 00:10:12,945 (黒雪姫・ハルユキ) あっ! 155 00:10:16,616 --> 00:10:17,366 (黒雪姫・ハルユキ) バーストリンク! 156 00:10:22,330 --> 00:10:23,039 (ハルユキ) 危なかった 157 00:10:23,831 --> 00:10:25,041 一瞬でも遅れていたら… 158 00:10:25,791 --> 00:10:28,002 でも 今は 僕らが加速しているだけで― 159 00:10:28,127 --> 00:10:29,295 止まったわけじゃない 160 00:10:30,087 --> 00:10:31,380 このままじゃ いずれ… 161 00:10:33,215 --> 00:10:35,593 完全AI制御の今の車じゃ― 162 00:10:36,260 --> 00:10:38,846 事故を起こすほうが 難しいっていうのに 163 00:10:39,180 --> 00:10:41,182 まさか 故意に僕らを? 164 00:10:42,725 --> 00:10:44,852 荒谷(あらや)! 何で… 165 00:10:45,645 --> 00:10:47,897 まさか こいつが シアン・パイル? 166 00:10:48,147 --> 00:10:49,690 (黒雪姫) いや 単なる怨恨(えんこん)だろう 167 00:10:50,650 --> 00:10:54,070 だが だからこそ 警戒 予想しておくべきだった 168 00:10:54,737 --> 00:10:58,574 本来 人が人を襲うのに 加速の力など必要ない 169 00:10:58,949 --> 00:11:01,744 ナイフ1本 車1台で十分だ 170 00:11:02,411 --> 00:11:04,705 これは 報いなのだろうな 171 00:11:05,081 --> 00:11:09,418 人の心を知ろうともせず 戯れに弄び続けてきた私への 172 00:11:10,961 --> 00:11:11,837 (ハルユキ) 先輩? 173 00:11:13,422 --> 00:11:18,094 ハルユキ君 すまなかった この事態を招いたのは私だ 174 00:11:19,220 --> 00:11:22,640 だが 君は傷つけさせない 絶対に私が守る 175 00:11:23,432 --> 00:11:26,143 (ハルユキ) 何を言ってるんです 176 00:11:26,435 --> 00:11:28,229 (黒雪姫) 君には まだ教えていない― 177 00:11:28,437 --> 00:11:31,982 ブレイン・バーストの 加速の最大最後の力で 178 00:11:32,566 --> 00:11:35,277 (ハルユキ) だ… 駄目です そんなの駄目だ! 179 00:11:35,528 --> 00:11:38,155 そんな力があるのなら 僕が使います! 180 00:11:38,447 --> 00:11:40,491 僕は あなたの駒なんだから… 181 00:11:40,699 --> 00:11:42,451 僕が あなたを 守らなきゃ駄目なんだ! 182 00:11:43,786 --> 00:11:45,329 駄目だ このコマンドは― 183 00:11:45,454 --> 00:11:48,082 レベル9以上でなければ 使えないし― 184 00:11:48,582 --> 00:11:50,960 ポイントの 99パーセントを消費する 185 00:11:51,752 --> 00:11:55,881 それに 私は君の親だ 子を守らなくてどうする 186 00:11:56,257 --> 00:11:57,675 (ハルユキ) でも… でも… 187 00:11:58,217 --> 00:11:59,677 そんな顔をするな 188 00:12:00,136 --> 00:12:03,931 私にも この状況に 一つだけ救いがあるのだから 189 00:12:05,141 --> 00:12:05,808 (ハルユキ) 救い? 190 00:12:07,435 --> 00:12:08,811 (黒雪姫) 今この瞬間なら― 191 00:12:09,812 --> 00:12:13,649 私の最後の言葉としてならば 信じてくれるだろう 192 00:12:14,859 --> 00:12:17,820 ハルユキ君 私は君が好きだ 193 00:12:18,446 --> 00:12:22,741 生まれて初めての感情だ 全く制御できずに戸惑うばかりだ 194 00:12:23,784 --> 00:12:25,870 いつでも 君のことを考えて― 195 00:12:26,162 --> 00:12:29,206 うれしくなったり 悲しくなったりしているよ 196 00:12:30,458 --> 00:12:32,626 これが恋というものだったんだな 197 00:12:33,169 --> 00:12:38,716 (ハルユキ) どうして… 僕なんです こんな僕をどうして 198 00:12:40,342 --> 00:12:41,343 ハルユキ君 199 00:12:41,677 --> 00:12:44,638 私と君とのファーストコンタクトを 覚えているか 200 00:12:44,847 --> 00:12:45,639 (ハルユキ) もちろんです 201 00:12:46,265 --> 00:12:49,393 (黒雪姫) あのゲームの 私が出したハイスコアはな― 202 00:12:50,060 --> 00:12:52,354 (黒雪姫)実は 加速を使ったんだ (ハルユキ)えっ? 203 00:12:53,063 --> 00:12:56,317 君の興味を引き 説得しやすくするために 204 00:12:57,026 --> 00:12:59,945 私は 6年前に バーストリンカーになった 205 00:13:00,529 --> 00:13:03,491 以来 強さと速さだけを渇望し― 206 00:13:03,657 --> 00:13:08,245 数えきれぬほどの敵を斬り倒し 友の血にまで両手を染めた 207 00:13:08,704 --> 00:13:09,997 そんな私ですら― 208 00:13:10,206 --> 00:13:13,042 君が刻んだハイスコアには 到底 及ばなかった 209 00:13:15,127 --> 00:13:18,255 いいか ハルユキ君 君は速い 誰よりも 210 00:13:18,797 --> 00:13:19,882 いつか 君は― 211 00:13:20,007 --> 00:13:22,134 加速世界最速の リンカーとして― 212 00:13:22,259 --> 00:13:24,595 あまねく その名を 知られるようになるだろう 213 00:13:24,970 --> 00:13:27,723 王たちを倒し その地平すら越え― 214 00:13:27,848 --> 00:13:30,309 ブレイン・バーストの 根源へと達するだろう 215 00:13:30,559 --> 00:13:35,564 そして知る 我々の脳と 魂に秘められた究極の可能性を 216 00:13:36,357 --> 00:13:40,694 私は 君があのゲームを プレイする姿を見て震えたよ 217 00:13:41,320 --> 00:13:43,489 人は これほど速くなれるのかと 218 00:13:44,573 --> 00:13:47,743 でも 現実の君は とてもフラジャイルで… 219 00:13:48,077 --> 00:13:52,456 切ないほどに痛々しくて 私は胸が引き裂かれるようだった 220 00:13:54,166 --> 00:13:55,960 未来の王に ひざまずきたい 221 00:13:56,585 --> 00:14:00,047 しかし 同時に 君を守って包んであげたい 222 00:14:00,756 --> 00:14:03,842 そんな相反する気持ちが どんどん膨れ上がって… 223 00:14:04,843 --> 00:14:06,053 恋していたんだ 224 00:14:06,720 --> 00:14:09,181 気付いたのは ようやく 昨日のことだったが 225 00:14:09,431 --> 00:14:10,307 (ハルユキ) 昨日? 226 00:14:10,933 --> 00:14:13,310 (黒雪姫) 君が倉嶋君の話をしたときにね 227 00:14:14,019 --> 00:14:18,023 嫉妬するというのも 生まれて初めてのことだったのさ 228 00:14:20,734 --> 00:14:22,444 気付くのが遅すぎたか 229 00:14:23,112 --> 00:14:25,322 いや すぎるということはないな 230 00:14:26,115 --> 00:14:27,575 こうして 告白できた 231 00:14:28,075 --> 00:14:31,036 ちゃんと現実で 君と向き合って 言いたかったが― 232 00:14:31,704 --> 00:14:33,831 (黒雪姫)そろそろ お別れだ (ハルユキ)えっ? 233 00:14:33,998 --> 00:14:36,709 強くなれ そして 速くなれ 234 00:14:37,376 --> 00:14:40,921 頂点に上り詰め 私の見たかったものを見せてくれ 235 00:14:41,714 --> 00:14:42,756 (ハルユキ) 駄目だ 駄目だ! 236 00:14:43,215 --> 00:14:45,217 あなただけ行っちゃうなんて 駄目だ! 237 00:14:45,342 --> 00:14:47,803 僕は あなたを守るために… なのに! 238 00:14:49,221 --> 00:14:54,268 僕は まだ あなたに何一つ… 239 00:15:02,067 --> 00:15:04,820 いつか きっと また会えるから 240 00:15:09,992 --> 00:15:12,745 (ハルユキ) 先輩… やめてください 先輩! 241 00:15:16,040 --> 00:15:16,916 先輩! 242 00:15:17,041 --> 00:15:18,667 フィジカル・フル・バースト! 243 00:15:34,183 --> 00:15:37,269 (ハルユキの声) ありえない 加速が肉体にも 244 00:15:38,145 --> 00:15:40,689 (黒雪姫) 人間の思考速度を決める ベースクロックは― 245 00:15:40,814 --> 00:15:42,858 心臓の鼓動だという説がある 246 00:15:43,984 --> 00:15:45,361 レーシングドライバーが― 247 00:15:45,486 --> 00:15:48,614 一瞬を数十秒のように 感じられるのは なぜか 248 00:15:49,406 --> 00:15:53,160 触れ合う恋人たちが より濃密な1分を過ごせるのは? 249 00:15:53,452 --> 00:15:57,706 そう 心臓の鼓動が高まるとき 人は意識を加速するんだ 250 00:15:58,749 --> 00:16:02,044 ブレイン・バーストプログラムは その仮説に基づき― 251 00:16:02,169 --> 00:16:03,587 ニューロリンカーを介して― 252 00:16:03,712 --> 00:16:06,757 1,000倍に引き上げた ハートのクロックを脳に送り― 253 00:16:06,882 --> 00:16:08,592 人の意識を加速する 254 00:16:09,134 --> 00:16:10,552 そして その加速を― 255 00:16:10,678 --> 00:16:13,681 肉体の領域にまで及ぼす 禁断の力が― 256 00:16:14,431 --> 00:16:16,100 フィジカル・フル・バースト 257 00:16:17,142 --> 00:16:21,855 ハルユキ君 君と一緒にいると 私の鼓動は高鳴りっ放しだった 258 00:16:23,399 --> 00:16:26,068 ニューロリンカーが… ブレイン・バーストがなくとも― 259 00:16:26,819 --> 00:16:30,072 私は加速された時間の中にいる 自分を感じていた 260 00:16:30,823 --> 00:16:32,574 だから 私は笑って逝ける 261 00:16:34,451 --> 00:16:38,038 君と過ごした 永遠にも等しい時間があるから 262 00:16:44,169 --> 00:16:46,422 (車の衝突音) 263 00:17:00,644 --> 00:17:01,311 あっ! 264 00:17:03,313 --> 00:17:04,815 あ… ああ… 265 00:17:05,190 --> 00:17:07,860 うわーっ! 266 00:17:55,949 --> 00:17:59,161 (ハルユキ) 先輩… 黒雪姫先輩 267 00:18:01,830 --> 00:18:05,751 (泣き声) 268 00:18:05,876 --> 00:18:07,628 (医師) 止血には成功しました 269 00:18:08,003 --> 00:18:10,255 現在は 合成蛋白(たんぱく)マイクロマシン群が― 270 00:18:10,380 --> 00:18:12,800 全力で組織の修復 同化に 当たっていますが― 271 00:18:13,592 --> 00:18:14,968 臓器の損傷は広範で― 272 00:18:15,094 --> 00:18:17,846 いつ ショック状態に陥っても 不思議ではありません 273 00:18:18,347 --> 00:18:21,058 今後 12時間が ヤマだと思ってください 274 00:18:24,103 --> 00:18:25,229 先輩 275 00:18:26,105 --> 00:18:28,023 (看護師) もう帰って休んだほうがいいわ 276 00:18:28,732 --> 00:18:32,444 あしたには どなたか ご家族が 来てくださるってことだから 277 00:18:32,569 --> 00:18:34,238 (ハルユキ) あしたじゃ遅いでしょう 278 00:18:34,655 --> 00:18:38,033 先輩が頑張ってるのに 誰も そばにいないなんて― 279 00:18:38,534 --> 00:18:39,243 そんなの… 280 00:18:40,035 --> 00:18:41,161 分かったわ 281 00:18:41,620 --> 00:18:45,165 毛布 持ってきてあげるから せめて少し休んで 282 00:18:53,090 --> 00:18:57,344 あの… 先輩のニューロリンカーは 装着されたままなんですか? 283 00:18:57,553 --> 00:18:59,888 (看護師) ええ 脳波のモニタリングをしているの 284 00:19:00,013 --> 00:19:00,722 じゃあ あの― 285 00:19:00,848 --> 00:19:03,475 ケーブルでつながっている機械は スタンドアロンじゃなくて 286 00:19:03,725 --> 00:19:06,603 もちろん 院内ネットに接続してるわよ 287 00:19:08,188 --> 00:19:10,774 まさか… バーストリンク! 288 00:19:21,994 --> 00:19:22,870 (ハルユキ) うそだろう? 289 00:19:23,370 --> 00:19:24,830 フィジカル・フル・バーストは― 290 00:19:24,955 --> 00:19:27,708 ポイントの 99パーセントを消費するって… 291 00:19:28,292 --> 00:19:29,793 こんなところを襲われたら 292 00:19:31,170 --> 00:19:33,255 (ハルユキの声) いや… でも 病院だ 293 00:19:33,922 --> 00:19:36,592 そう おいそれとは リンカーに出くわすわけ… 294 00:19:38,135 --> 00:19:40,846 違う シアン・パイルがいるじゃないか 295 00:19:41,430 --> 00:19:42,639 もし やつが来たら… 296 00:19:43,557 --> 00:19:46,435 終わる 終わってしまう 297 00:19:47,436 --> 00:19:48,854 先輩の夢が 298 00:19:51,899 --> 00:19:54,902 守る 絶対に守ります 299 00:19:56,820 --> 00:19:58,238 僕は あなたに― 300 00:19:58,363 --> 00:20:00,324 言わなきゃならないことが あるんだ 301 00:20:00,908 --> 00:20:02,659 もう一度 会えた そのときに 302 00:20:03,076 --> 00:20:05,370 だから 今度は僕が戦います 303 00:20:06,413 --> 00:20:07,456 もし 加速コマンドを― 304 00:20:07,581 --> 00:20:09,249 発声しようとする やつがいれば― 305 00:20:09,499 --> 00:20:11,210 恐らく そいつが シアン・パイル 306 00:20:12,085 --> 00:20:16,256 先輩に対戦を申し込むまでの その一瞬が勝負だ 307 00:20:18,508 --> 00:20:19,593 (チユリ) えっ うそ! 308 00:20:24,181 --> 00:20:24,932 ハル… 309 00:20:37,945 --> 00:20:39,112 (院内アナウンス) おはようございます 310 00:20:39,571 --> 00:20:42,741 間もなく 一般外来の受け付けを開始します 311 00:20:43,116 --> 00:20:44,117 ご来院のかたは― 312 00:20:44,243 --> 00:20:48,080 総合受付の 1番から4番窓口に お並びください 313 00:20:50,707 --> 00:20:52,459 人が増えてきたな 314 00:20:55,712 --> 00:20:57,965 (ハルユキの声) 早く戻ってきてください 先輩 315 00:20:58,548 --> 00:21:00,509 そしたら僕は あなたに… 316 00:21:03,053 --> 00:21:03,720 あっ! 317 00:21:08,642 --> 00:21:11,520 タク 来てくれたのか? タク! 318 00:21:12,938 --> 00:21:14,815 (ハルユキの声) でも 何でタクが 319 00:21:15,315 --> 00:21:16,441 事故のうわさは― 320 00:21:16,692 --> 00:21:19,027 多分 うちの生徒には 広まってるはずだけど… 321 00:21:19,861 --> 00:21:21,238 チユに誘われたのか? 322 00:21:22,155 --> 00:21:24,032 いや 一人なのか? 323 00:21:24,825 --> 00:21:25,784 何だ この違和感は 324 00:21:26,827 --> 00:21:30,580 僕は なぜ シアン・パイルが 梅郷中の生徒だと判断した 325 00:21:35,502 --> 00:21:39,089 チユにバックドアを仕掛け それを踏み台にしたからだ! 326 00:21:40,257 --> 00:21:41,591 チユに直結できて― 327 00:21:41,717 --> 00:21:43,969 あれを いちばん仕掛けやすいのは… 328 00:21:44,720 --> 00:21:45,429 タク! 329 00:21:54,938 --> 00:21:55,856 (タクム・ハルユキ) バーストリンク! 330 00:21:59,359 --> 00:22:02,279 (ハルユキ) 何でだよ! 何でなんだ タク! 331 00:22:05,824 --> 00:22:08,160 間に合え! 332 00:22:08,827 --> 00:22:13,832 ♪~ 333 00:23:25,779 --> 00:23:30,784 ~♪ 334 00:23:33,537 --> 00:23:34,204 (黒雪姫) 次回… 335 00:23:35,747 --> 00:23:37,207 そして 少年は飛翔(ひしょう)する 336 00:23:37,707 --> 00:23:40,544 おのが殻を破り 白銀の翼広げ…