1 00:00:01,167 --> 00:00:06,172 ♪~ 2 00:01:14,115 --> 00:01:19,120 ~♪ 3 00:01:25,710 --> 00:01:29,005 (ナレーター) アンとダイアナが 元どおりの仲よしとして 4 00:01:29,172 --> 00:01:32,717 再び 足しげく 行き来するようになって まもなく 5 00:01:32,926 --> 00:01:37,430 1年のうちで最も寒さの厳しい 2月がやって来た 6 00:01:41,893 --> 00:01:45,897 (アン) 1 2 3 4 5? 7 00:01:46,231 --> 00:01:48,233 まあ! なんの用事かしら? 8 00:01:49,859 --> 00:01:51,361 アッハハ 9 00:01:51,694 --> 00:01:52,654 ねえ マリラ 10 00:01:52,779 --> 00:01:54,614 ちょっとダイアナのところへ 行ってきてもいい? 11 00:01:55,073 --> 00:01:56,658 (マリラ) いったい なんの用だね? 12 00:01:56,783 --> 00:01:59,786 さっきまで雪の上に突っ立って 30分以上もぺちゃくちゃ 13 00:01:59,911 --> 00:02:01,788 おしゃべりの しどおしだったじゃないか 14 00:02:02,080 --> 00:02:05,041 あたしじゃないの ダイアナが会いたがってるの 15 00:02:05,250 --> 00:02:07,293 とっても大事な話があるんだって 16 00:02:08,169 --> 00:02:09,796 どうして そんなことが 分かるんだい? 17 00:02:10,088 --> 00:02:11,506 合図をしてきたの 18 00:02:11,631 --> 00:02:14,134 用事がある時は ろうそくとボール紙を使って 19 00:02:14,300 --> 00:02:17,762 窓のところからお互いに 合図をすることになってるのよ 20 00:02:18,471 --> 00:02:20,640 そのうち そのバカげた合図とやらで 21 00:02:20,765 --> 00:02:22,308 カーテンを燃やさなきゃいいけど 22 00:02:22,725 --> 00:02:26,437 あら あたしたち とても 注意深くやってるのよ マリラ 23 00:02:27,147 --> 00:02:28,189 ダイアナは今 24 00:02:28,314 --> 00:02:30,942 大事な話があるから 大急ぎで来てっていう― 25 00:02:31,067 --> 00:02:32,277 合図をしてきたの 26 00:02:32,527 --> 00:02:34,737 だから あたし なんの用か知りたくて 27 00:02:34,863 --> 00:02:35,947 うずうずしてるのよ 28 00:02:36,322 --> 00:02:39,701 じゃ これ以上 うずうずすることは ないよ 行っといで 29 00:02:40,076 --> 00:02:41,035 うわ! 30 00:02:41,828 --> 00:02:45,540 ただし 10分たったら間違いなく 帰ってくるんだよ いいね? 31 00:02:45,665 --> 00:02:46,708 (アン) 分かってるわ! 32 00:02:47,125 --> 00:02:49,127 これ! 閉めていきなさい! 33 00:02:49,252 --> 00:02:50,545 う~ん 34 00:03:05,226 --> 00:03:06,603 (アン) ウハ~! 35 00:03:08,563 --> 00:03:11,774 ねえ マリラ 大事な話ってなんだったと思う? 36 00:03:12,358 --> 00:03:14,444 あしたはダイアナのお誕生日なの 37 00:03:14,611 --> 00:03:16,863 それでね ダイアナのお母さんが あたしのこと 38 00:03:17,113 --> 00:03:19,490 学校から直接 ダイアナの家(うち)へ行って 39 00:03:19,616 --> 00:03:22,577 そのまま泊まっていいって おっしゃったんだって 40 00:03:23,745 --> 00:03:27,832 それにあしたの晩 公会堂でやる 討論クラブ主催のコンサートに 41 00:03:27,957 --> 00:03:29,876 連れてってくれることに なってるの! 42 00:03:30,043 --> 00:03:31,002 ニューブリッジから来る― 43 00:03:31,127 --> 00:03:33,963 ダイアナのいとこたちの 箱ゾリに乗ってね 44 00:03:34,923 --> 00:03:38,009 もちろん マリラがあたしを 行かせてくれればの話だけど 45 00:03:39,844 --> 00:03:42,013 ねえ マリラ いいでしょう? 46 00:03:42,805 --> 00:03:46,017 ウフフフ ああ~ あたし 胸がワクワクするわ 47 00:03:46,476 --> 00:03:49,270 すぐに落ち着くよ あんたは行かないんだからね 48 00:03:49,771 --> 00:03:50,605 えっ? 49 00:03:51,439 --> 00:03:54,525 大体 クラブのコンサートなんて バカげたことだね 50 00:03:54,692 --> 00:03:56,653 あんたみたいな小さな女の子が 51 00:03:56,778 --> 00:03:58,738 そんなところへ 出はいりするもんじゃないよ 52 00:03:59,364 --> 00:04:02,700 あら 討論クラブは信用のできる ちゃんとした会なのよ 53 00:04:03,368 --> 00:04:05,745 そうじゃないと 言っているわけじゃないよ 54 00:04:05,912 --> 00:04:08,790 だけど あんたを今から コンサートに出はいりさせたり 55 00:04:09,040 --> 00:04:12,543 一晩中 家を外にして 出歩くようなマネはさせられないね 56 00:04:14,921 --> 00:04:18,841 バリーの奥さんがダイアナを 行かせるなんて考えられないよ 57 00:04:19,217 --> 00:04:21,886 でも 今度のことは 特別のことなんだもの 58 00:04:22,053 --> 00:04:25,682 だってダイアナのお誕生日は 1年にたった一回きりなのよ 59 00:04:25,890 --> 00:04:27,684 そうザラにあることとは違うわ! 60 00:04:28,768 --> 00:04:31,229 それに コンサートには 牧師さんもおいでになって 61 00:04:31,437 --> 00:04:32,897 お話をなさるのよ 62 00:04:33,064 --> 00:04:34,691 きっと ためになるわ 63 00:04:35,817 --> 00:04:38,611 ねえ お願い 行っちゃいけない? マリラ 64 00:04:38,987 --> 00:04:41,322 私の言っていることが 聞こえてるなら 65 00:04:41,447 --> 00:04:43,533 靴を脱いで さっさと寝なさい! 66 00:04:43,700 --> 00:04:46,494 寝る時間はとっくに 過ぎちまってるじゃないか 67 00:04:48,246 --> 00:04:49,330 うん… 68 00:04:57,672 --> 00:04:59,257 もうひとつだけ聞いて マリラ 69 00:04:59,924 --> 00:05:01,092 バリーのおばさんは 70 00:05:01,259 --> 00:05:04,929 あたしたちをお客用のベッドで 寝てもいいっておっしゃったのよ 71 00:05:05,138 --> 00:05:06,222 マリラの家の子が 72 00:05:06,389 --> 00:05:08,683 お客用のベッドで 寝かせてもらえるなんて 73 00:05:08,808 --> 00:05:10,893 大変な名誉だと思わない? 74 00:05:11,060 --> 00:05:12,770 そんな名誉はなしでいいよ 75 00:05:13,604 --> 00:05:14,772 さっ 寝なさい アン 76 00:05:15,273 --> 00:05:17,400 これ以上もう 何もお言いでないよ 77 00:05:17,567 --> 00:05:18,943 うっ… 78 00:05:33,041 --> 00:05:35,126 (マシュウ) そうさのう マリラ 79 00:05:35,418 --> 00:05:37,587 アンを行かせてやらにゃいかんよ 80 00:05:38,379 --> 00:05:39,797 私は反対ですね 81 00:05:40,506 --> 00:05:43,843 あの子を育てているのは マシュウ あなたですか? 82 00:05:43,968 --> 00:05:45,928 それとも この私ですか? 83 00:05:46,095 --> 00:05:49,640 (マシュウ) そうさのう… お前だな 84 00:05:49,974 --> 00:05:52,268 (マリラ) それじゃあ 口出しはしないでください 85 00:05:52,518 --> 00:05:54,020 (マシュウ) そうさのう… 86 00:05:56,314 --> 00:05:58,775 口出ししてるわけじゃないが 87 00:05:59,025 --> 00:06:02,528 めいめい自分の意見を持つのは かまわんだろう 88 00:06:02,945 --> 00:06:05,364 それで わしの意見では お前は 89 00:06:05,490 --> 00:06:09,202 アンを行かせてやらにゃいかん ということだな 90 00:06:09,577 --> 00:06:11,829 兄さんは アンが行きたいと言えば 91 00:06:11,954 --> 00:06:14,540 お月様のところへでも行かせろって 言うんでしょうがね 92 00:06:15,208 --> 00:06:19,462 ダイアナのところだけならまだしも コンサートは感心しませんね 93 00:06:19,670 --> 00:06:22,131 あんなところへ行けば 風邪をひいたり 94 00:06:22,256 --> 00:06:26,594 バカげたことで頭をいっぱいにして のぼせ上がるのが関の山ですよ 95 00:06:26,844 --> 00:06:29,931 元に戻るまでには 1週間はかかりますからね 96 00:06:31,099 --> 00:06:33,184 あの子の性質や ためになることは 97 00:06:33,309 --> 00:06:36,646 私のほうがずっと 心得ているつもりですよ マシュウ 98 00:06:39,065 --> 00:06:41,609 (マシュウ) アンは行かせてやらにゃいかんよ 99 00:06:44,445 --> 00:06:45,279 ふう~ 100 00:07:03,422 --> 00:07:07,593 何をグズグズしてるんだい アン 急がないと学校に遅れるよ 101 00:07:20,898 --> 00:07:24,193 アンを行かせてやらにゃいかんよ 102 00:07:25,027 --> 00:07:27,822 分かりましたとも 行かせてやりますよ 103 00:07:28,573 --> 00:07:31,033 そうしないと 兄さんの気が済まないんだから 104 00:07:36,330 --> 00:07:40,334 うわ~! マリラ そのステキな言葉をもう一度言って 105 00:07:40,751 --> 00:07:42,378 一度でたくさんだろうよ 106 00:07:42,545 --> 00:07:44,088 これはマシュウの意見なんだから 107 00:07:45,047 --> 00:07:46,632 わたしゃ 何も言うまいよ 108 00:07:46,799 --> 00:07:49,051 もし あんたが よそのベッドで寝たり 109 00:07:49,218 --> 00:07:52,346 真夜中に人いきれのするような 公会堂から外へ出て 110 00:07:52,889 --> 00:07:55,475 肺炎を起こしても 私は知らないよ 111 00:07:55,600 --> 00:07:57,643 みんなマシュウのせいなんだからね 112 00:07:57,768 --> 00:07:59,812 ありがとう マリラ! 113 00:07:59,979 --> 00:08:01,147 昨日からあたしの胸は 114 00:08:01,272 --> 00:08:03,608 コンサートへ行くことで いっぱいだったの 115 00:08:04,317 --> 00:08:07,195 だって まだ一度も 行ったことがないんですもの 116 00:08:07,445 --> 00:08:10,364 他の子が学校でコンサートの 話をするのを聞いて 117 00:08:10,531 --> 00:08:13,618 自分一人 取り残されたみたいな 気がしてたのよ 118 00:08:13,951 --> 00:08:15,369 ああ~! マリラ 119 00:08:15,495 --> 00:08:17,622 マシュウには あたしの気持ちが分かるのよ 120 00:08:18,414 --> 00:08:20,041 自分の気持ちが 分かってもらえるって 121 00:08:20,166 --> 00:08:22,335 とってもステキね~ マリラ 122 00:08:22,585 --> 00:08:25,087 私は別に賛成してるわけじゃ ないんだからね 123 00:08:25,213 --> 00:08:26,797 (アン)ウフフ (マリラ)あ~ これ 124 00:08:27,048 --> 00:08:29,383 ぬれた手で やたらと触らないでおくれ 125 00:08:39,310 --> 00:08:41,979 (ダイアナ) あたし ずっと 樺(かば)の道で待ってたのよ 126 00:08:42,355 --> 00:08:44,857 あなたったら いくら待ってても 来ないんですもの 127 00:08:44,982 --> 00:08:46,567 あたし とっても心配しちゃった 128 00:08:47,443 --> 00:08:50,738 だって あたし コンサートの入場料の10セント 129 00:08:50,905 --> 00:08:53,616 マリラにもらってくるの 忘れちゃったんだもの 130 00:08:53,741 --> 00:08:56,786 途中で思い出して 大急ぎで家に戻ったのよ 131 00:08:57,495 --> 00:08:59,330 じゃあ マリラ 行っていいって? 132 00:08:59,497 --> 00:09:00,456 うん! 133 00:09:00,581 --> 00:09:01,290 えっ? 134 00:09:03,417 --> 00:09:05,253 うん? あっ… 135 00:09:08,005 --> 00:09:09,632 (せき払い) 136 00:09:15,137 --> 00:09:16,472 (ダイアナ・アン) ウフフフ 137 00:09:20,851 --> 00:09:24,564 (ナレーター) アンの魂は 既にコンサートの会場へ飛び 138 00:09:24,981 --> 00:09:28,025 授業に身を入れることなど 無理というものだった 139 00:09:28,776 --> 00:09:31,153 つづり字で ギルバートに負かされ 140 00:09:31,320 --> 00:09:33,948 暗算でも 大きく引き離されてしまったが 141 00:09:34,156 --> 00:09:36,033 これからの楽しみを思えば 142 00:09:36,242 --> 00:09:39,328 そのために覚えた悔しさなど 物の数ではなかった 143 00:09:45,167 --> 00:09:48,921 だが アンを興奮のるつぼへと 巻き込んだのは 144 00:09:49,297 --> 00:09:51,757 むしろ 授業が終わってからであった 145 00:09:54,093 --> 00:09:58,431 (笑い声) 146 00:10:01,601 --> 00:10:03,436 (ナレーター) バリー家のお茶は 147 00:10:03,561 --> 00:10:05,688 ダイアナの誕生日にふさわしく 148 00:10:05,813 --> 00:10:08,441 申し分のない優雅なものだった 149 00:10:09,358 --> 00:10:12,528 それから2人は ヘアメークと着付けにかかり 150 00:10:12,737 --> 00:10:16,407 髪形はそれぞれ6回も あれこれ いじくり回したあげく 151 00:10:16,782 --> 00:10:19,869 結局 元の姿に落ち着いた 152 00:10:20,745 --> 00:10:23,956 アンはなんの飾りもない 黒い大黒帽や 153 00:10:24,206 --> 00:10:26,083 手製の布地のがいとうを 154 00:10:26,250 --> 00:10:29,253 いささか引け目に感じないわけには いかなかったが 155 00:10:29,545 --> 00:10:33,633 あとは万事 想像力で補うことに 心を決めた 156 00:10:35,134 --> 00:10:39,013 (笑い声) 157 00:10:58,991 --> 00:11:00,117 (ソリの走行音) 158 00:11:00,242 --> 00:11:01,744 いとこたちよ! 159 00:11:05,289 --> 00:11:06,874 うわ~! ウフッ 160 00:11:08,417 --> 00:11:10,127 いらっしゃ~い! 161 00:11:10,753 --> 00:11:12,880 (いとこA)やあ ダイアナ! (いとこB)お~い! 162 00:11:13,297 --> 00:11:15,633 こんばんは トミー! 163 00:11:15,800 --> 00:11:18,219 (いとこたち) こんばんは~! 164 00:11:50,376 --> 00:11:51,544 (ナレーター) アンとダイアナは 165 00:11:51,669 --> 00:11:54,755 公会堂までの道のりを 大いに楽しんだ 166 00:11:55,714 --> 00:11:57,466 そして その夜のプログラムは 167 00:11:57,675 --> 00:12:02,346 少なくとも聴衆の1人にとっては まさに スリルの連続であった 168 00:12:08,727 --> 00:12:11,730 (拍手と歓声) 169 00:12:16,444 --> 00:12:19,488 プリシーが髪に付けてる カーネーション 本物なのよ 170 00:12:19,613 --> 00:12:20,739 まさか? 171 00:12:21,031 --> 00:12:23,367 (ダイアナ) フィリップス先生が わざわざ町から取り寄せて 172 00:12:23,492 --> 00:12:24,994 プリシーに贈ったんだって 173 00:12:25,161 --> 00:12:25,911 (アン) ホント? 174 00:12:26,036 --> 00:12:27,288 (アン・ダイアナ) ウフフ… 175 00:12:28,330 --> 00:12:31,417 (プリシー) 私は鐘楼の扉を開けた 176 00:12:32,126 --> 00:12:33,461 真っ暗だった 177 00:12:34,170 --> 00:12:36,839 (ナレーター) アンはプリシーの朗読する詩 178 00:12:37,256 --> 00:12:41,093 “こよいの鐘は響くことなし”に 共感の涙を流し 179 00:12:41,427 --> 00:12:44,305 聖歌隊の歌声に 天使のささやきを聞き 180 00:12:44,513 --> 00:12:46,348 そして サム・スローンの 181 00:12:46,599 --> 00:12:49,810 “ソッケリーがめんどりを 巣につかせる方法”を見て 182 00:12:49,977 --> 00:12:50,853 笑い転げた 183 00:12:51,437 --> 00:12:55,441 アハハハッ ハハハッ… 184 00:13:02,531 --> 00:13:05,993 (フィリップス) 私は三度 シーザーに王冠をささげた 185 00:13:06,160 --> 00:13:09,413 が… それをシーザーは 三度 退けた 186 00:13:09,872 --> 00:13:12,750 果たしてこれが野心であろうか 187 00:13:15,628 --> 00:13:17,505 が… ブルータスは言う 188 00:13:17,630 --> 00:13:19,715 シーザーは野心を抱いていたと 189 00:13:20,090 --> 00:13:21,425 そして もとより 190 00:13:21,550 --> 00:13:24,929 ブルータスは公明正大の士である 191 00:13:25,179 --> 00:13:27,264 (ナレーター) なんといっても 当夜の圧巻は 192 00:13:27,389 --> 00:13:29,225 フィリップス先生の熱演する― 193 00:13:29,350 --> 00:13:32,978 “シーザーの遺体を前にしての アントニーの演説”であった 194 00:13:33,437 --> 00:13:36,899 先生は一区切りごとに プリシーに熱いまなざしを向け 195 00:13:37,066 --> 00:13:40,194 アンは日頃の先生に対する 軽蔑も忘れて 196 00:13:40,361 --> 00:13:42,446 熱烈な拍手を送った 197 00:13:42,613 --> 00:13:45,658 そういう人だったのだ シーザーは… 198 00:13:49,036 --> 00:13:50,955 (拍手と歓声) (アン)わあ~! 199 00:13:51,330 --> 00:13:55,834 (ナレーター) プログラムの中でたった一つ アンの関心をひかないものがあった 200 00:14:07,263 --> 00:14:12,351 (ギルバート) “おお見よ ラインの河畔に立つ 雄々しきビンゲンの姿を” 201 00:14:12,601 --> 00:14:14,895 “供を連れず見送りもなく” 202 00:14:15,020 --> 00:14:19,066 “ただ一人 愛馬にまたがり 険しき道をたどりつつ” 203 00:14:19,358 --> 00:14:22,486 “思うは ふるさとに残せし妹” 204 00:14:22,695 --> 00:14:25,656 “さらに1人 妹にはあらで…” 205 00:14:29,577 --> 00:14:32,371 “さらに1人 妹にはあらで” 206 00:14:32,580 --> 00:14:36,625 “幼き頃より共に遊び 時にいさかいし…” 207 00:14:39,211 --> 00:14:40,880 (ナレーター) この一つを除けば 208 00:14:41,130 --> 00:14:44,174 アンにとって すばらしく楽しい一夜であった 209 00:14:44,967 --> 00:14:46,760 そして コンサートが終わってからも 210 00:14:46,969 --> 00:14:50,848 それを もう一度 話し合うという 楽しみが残されていた 211 00:14:55,352 --> 00:14:58,105 2人がオーチャードスロープへ 帰り着いたのは 212 00:14:58,314 --> 00:14:59,565 11時だった 213 00:15:00,774 --> 00:15:02,359 もう みんな寝たらしく 214 00:15:02,693 --> 00:15:05,571 家の中は真っ暗で しんとしていた 215 00:15:07,990 --> 00:15:09,867 ねえ アン どうしてギルの朗読を 216 00:15:09,992 --> 00:15:11,702 聞かないフリをしていたの? 217 00:15:11,827 --> 00:15:12,536 あの人 218 00:15:12,661 --> 00:15:16,040 “さらに1人妹ならで” というところに来た時 219 00:15:16,165 --> 00:15:18,208 あなたのほうを まともに見てたわよ 220 00:15:18,334 --> 00:15:21,378 ダイアナ あなたは あたしの心の友だわ 221 00:15:21,587 --> 00:15:22,713 でも 心の友でも 222 00:15:22,838 --> 00:15:25,090 あの人のことを 話題にするのは禁物よ 223 00:15:27,426 --> 00:15:28,469 ねっ 走っていって 224 00:15:28,594 --> 00:15:30,930 どっちが先にベッドに着くか 競争しない? 225 00:15:31,138 --> 00:15:32,139 いいわよ 226 00:15:32,389 --> 00:15:33,891 用意 ドン! 227 00:15:34,141 --> 00:15:37,102 (アン)わっ (ダイアナ)アハハッ 228 00:15:38,020 --> 00:15:38,938 (ダイアナ・アン) それ~! 229 00:15:39,146 --> 00:15:40,606 (ジョセフィン)ギャ!  ああ… (ダイアナ・アン)キャ~! 230 00:15:40,731 --> 00:15:42,358 (ジョセフィン) 助けて~! 231 00:15:45,110 --> 00:15:46,362 ああ… 232 00:15:47,404 --> 00:15:48,822 うわわ… 233 00:15:53,786 --> 00:15:55,162 アハハハッ 234 00:15:55,412 --> 00:15:57,122 ねえ いったい誰? 何者? 235 00:15:57,331 --> 00:15:59,500 ウフフ ジョセフィンおばさんだわ 236 00:15:59,667 --> 00:16:01,335 どうして あそこにいたのか 分からないけど 237 00:16:01,919 --> 00:16:04,213 でも きっと カンカンに怒るでしょうね 238 00:16:04,338 --> 00:16:06,090 困ったわ とっても 239 00:16:06,465 --> 00:16:09,301 でも こんなおかしなことに 出会ったことある? アン 240 00:16:09,969 --> 00:16:11,553 ジョセフィンおばさんって どういう人? 241 00:16:12,262 --> 00:16:15,057 お父さんのおばさんで シャーロットタウンに住んでるの 242 00:16:15,557 --> 00:16:17,101 とても年とっていて 243 00:16:17,351 --> 00:16:19,144 あのおばさんに 子供の時があったなんて 244 00:16:19,269 --> 00:16:20,688 考えられないわ 245 00:16:21,105 --> 00:16:22,898 おばさんがみえることは 分かってたけど 246 00:16:23,023 --> 00:16:24,566 こう早いとは思わなかったの 247 00:16:24,942 --> 00:16:26,402 とても気難しい人だから 248 00:16:26,610 --> 00:16:28,821 今夜のことでは うんと叱られるでしょうね 249 00:16:29,363 --> 00:16:31,699 ともかくミニー・メイと 寝るしかないわ 250 00:16:31,907 --> 00:16:34,243 この子ったら とても寝相が悪いけど 251 00:16:34,868 --> 00:16:36,954 (ミニー・メイ) う~ん ううん 252 00:16:37,705 --> 00:16:38,747 ふぬ! 253 00:16:51,677 --> 00:16:53,220 うう~ 254 00:16:56,598 --> 00:16:57,808 (ナレーター) ジョセフィンおばさんは 255 00:16:58,392 --> 00:17:01,854 翌朝の早い朝食には 姿を現さなかった 256 00:17:03,188 --> 00:17:05,065 そして ダイアナも 257 00:17:05,190 --> 00:17:08,110 昨夜の出来事を 両親に話さなかったので 258 00:17:08,402 --> 00:17:10,779 アンがグリーン・ゲイブルズへ 帰っていくまで 259 00:17:10,946 --> 00:17:12,948 何事も起こらなかった 260 00:17:15,075 --> 00:17:16,744 (バリー夫人) ダイアナ! ダイアナ! 261 00:17:16,869 --> 00:17:18,120 (ダイアナ) は~い 262 00:17:22,124 --> 00:17:22,916 あっ! 263 00:17:23,542 --> 00:17:24,334 ダイアナ 264 00:17:24,460 --> 00:17:26,879 あなたたち おばさんの上に 飛び乗ったってホント? 265 00:17:27,379 --> 00:17:29,506 (ジョセフィン) この私が言ってるんですからね 266 00:17:29,715 --> 00:17:31,633 この子に聞く必要ありますまいよ! 267 00:17:34,178 --> 00:17:35,095 とにかく わたしゃ 268 00:17:35,220 --> 00:17:38,223 こんなところには 1日だって いられませんからね! 269 00:17:38,766 --> 00:17:41,310 今日がダメなら あしたは必ず帰りますよ! 270 00:17:41,727 --> 00:17:43,854 まあ おばさん そんなことおっしゃらずに 271 00:17:44,646 --> 00:17:46,356 いいや わたしゃ帰ります! 272 00:17:46,607 --> 00:17:48,776 もう 旅行かばんに 何もかも戻したし 273 00:17:48,942 --> 00:17:50,903 いつでも出発できるからね 274 00:17:51,028 --> 00:17:54,615 あっ それから この子の授業料の件だがね 275 00:17:55,324 --> 00:17:58,160 あの話はなかったことに してもらうよ 276 00:17:58,577 --> 00:17:59,369 そうだとも 277 00:17:59,495 --> 00:18:02,247 こんな おてんば娘には 1セントだって出したくないね 278 00:18:02,372 --> 00:18:06,877 第一 あんな不作法者に 音楽を習う資格はないよ! 279 00:18:07,211 --> 00:18:08,670 ああ… 280 00:18:09,463 --> 00:18:11,090 ダイアナ ぼんやり突っ立ってないで 281 00:18:11,215 --> 00:18:12,925 おばさんに お謝りなさい! 282 00:18:13,383 --> 00:18:15,260 そんなこと言ったってムダだよ 283 00:18:15,385 --> 00:18:17,721 わたしゃ その子とは 口も利きたくないね! 284 00:18:18,680 --> 00:18:20,182 ごめんなさい おばさん 285 00:18:25,854 --> 00:18:29,066 (ナレーター) アンは このバリー家の大騒ぎのことを 286 00:18:29,274 --> 00:18:30,943 その日の午後遅く 287 00:18:31,068 --> 00:18:33,529 マリラの使いで リンド夫人のところへ行って 288 00:18:33,654 --> 00:18:35,239 初めて知った 289 00:18:36,573 --> 00:18:39,409 アンは自分が言いだした ふざけっこで 290 00:18:39,660 --> 00:18:43,914 心の友が窮地に陥っているのを ほっておくわけにはいかなかった 291 00:18:44,456 --> 00:18:45,958 アンはリンド家を出ると 292 00:18:46,083 --> 00:18:49,044 その足でオーチャードスロープへと 向かった 293 00:18:56,552 --> 00:18:57,344 聞いたわ! 294 00:18:57,469 --> 00:18:58,470 ジョセフィンおばさんは 295 00:18:58,595 --> 00:19:00,639 あのことで とても気を悪くしたんだって? 296 00:19:00,848 --> 00:19:02,683 ウフフ そうよ 297 00:19:03,684 --> 00:19:05,018 カンカンだったわ 298 00:19:05,144 --> 00:19:07,146 そりゃ ガミガミ言われたわよ 299 00:19:07,354 --> 00:19:08,147 おばさんは 300 00:19:08,272 --> 00:19:10,607 もう こんな家には いられないって言うけど 301 00:19:10,816 --> 00:19:12,401 あたしは平気よ 302 00:19:12,985 --> 00:19:15,654 お父さんやお母さんは そうもいかないけど ウフッ 303 00:19:16,363 --> 00:19:18,782 どうして あたしのせいだと 言わなかったの! 304 00:19:19,366 --> 00:19:21,743 あたしが そんなこと言うと思う? 305 00:19:22,286 --> 00:19:23,912 あたし おしゃべりじゃないわ 306 00:19:24,204 --> 00:19:26,039 それに あたしだって 悪いんですもの 307 00:19:26,456 --> 00:19:28,584 じゃ あたし 自分で言いに行くわ 308 00:19:29,084 --> 00:19:31,086 アン・シャーリー あなたまさか… 309 00:19:34,715 --> 00:19:35,591 でも… 310 00:19:36,341 --> 00:19:37,426 おばさんは あんたを 311 00:19:37,551 --> 00:19:39,845 ガリガリ 食べちゃうかもしれないわよ 312 00:19:40,679 --> 00:19:43,056 これ以上 あたしを脅かさないで 313 00:19:43,223 --> 00:19:46,935 大砲の口に向かって 進んでいくほうがマシみたいね 314 00:19:47,102 --> 00:19:49,438 でも よすわけにはいかないの ダイアナ 315 00:19:49,563 --> 00:19:53,066 あたしのしたことなんだから 告白する必要があるの 316 00:19:53,317 --> 00:19:56,945 告白なら幸い 練習も積んでいるし うん! 317 00:19:57,196 --> 00:19:58,697 あっ アン… 318 00:20:00,908 --> 00:20:02,910 (ノック) (ジョセフィン)お入り 319 00:20:11,501 --> 00:20:13,378 (アン) ミス ジョセフィン・バリー 320 00:20:15,672 --> 00:20:16,965 あんた誰だい? 321 00:20:17,466 --> 00:20:19,426 あたし グリーン・ゲイブルズの アンです 322 00:20:19,551 --> 00:20:21,470 告白したいことがあって 伺ったのです 323 00:20:22,596 --> 00:20:24,723 告白するって なんのことだい? 324 00:20:25,390 --> 00:20:27,726 ゆうべ あなたのベッドに 飛び乗ったのは 325 00:20:27,935 --> 00:20:29,645 みんな 私が言いだしたことなんです 326 00:20:30,437 --> 00:20:33,649 ダイアナがそんなことを 考え出すはずが絶対にありません 327 00:20:33,774 --> 00:20:35,651 ダイアナは とても しとやかなんです 328 00:20:36,568 --> 00:20:39,154 ミス バリー だからダイアナを責めるのは 329 00:20:39,279 --> 00:20:41,823 どんなに間違っているか 分かっていただけると思います 330 00:20:42,741 --> 00:20:44,576 ほ~う 間違いだって? 331 00:20:44,785 --> 00:20:48,163 だけど ダイアナだって 一緒に飛び乗ったのは確かだからね 332 00:20:48,372 --> 00:20:50,707 ちゃんとした家庭で あんな振る舞いがあって 333 00:20:50,832 --> 00:20:51,833 いいものかね! 334 00:20:52,167 --> 00:20:54,544 でも ただ ふざけてやっただけなんです 335 00:20:54,753 --> 00:20:58,298 こうして謝っているのですから 許していただきたいと思います 336 00:20:58,423 --> 00:20:59,591 ミス ジョセフィン・バリー 337 00:21:00,384 --> 00:21:03,262 そして とにかく ダイアナのことを堪忍してください 338 00:21:03,470 --> 00:21:06,098 そして音楽の授業が 受けられるようにしてください 339 00:21:06,598 --> 00:21:10,060 ダイアナは音楽の授業に 夢中なんです ミス バリー 340 00:21:10,227 --> 00:21:11,061 それに あたし 341 00:21:11,186 --> 00:21:12,980 夢中になってるものが 手に入らないと 342 00:21:13,105 --> 00:21:15,107 どんな気がするか よく分かるんです 343 00:21:15,440 --> 00:21:17,067 もし 誰か怒る相手がいるなら 344 00:21:17,234 --> 00:21:18,944 あたしを怒ってください! 345 00:21:19,236 --> 00:21:21,822 あたし 小さい頃から 叱られるの慣れていましたから 346 00:21:22,030 --> 00:21:24,116 ダイアナより ずっと我慢ができるんです! 347 00:21:34,626 --> 00:21:38,255 (ジョセフィン) ハハハハッ アハハハッ 348 00:21:39,339 --> 00:21:42,801 あんた そんなに客用のベッドに 寝てみたかったのかい? 349 00:21:44,428 --> 00:21:45,304 まあ~ とにかく 350 00:21:45,429 --> 00:21:47,889 あんたのほうにも 負けず劣らず それ相当の 351 00:21:48,015 --> 00:21:50,309 言い分があるらしいことが 分かったよ 352 00:21:50,642 --> 00:21:51,893 つまり… 353 00:21:52,936 --> 00:21:55,981 どんな見方をするかで 決まるわけさ 354 00:21:56,940 --> 00:21:57,899 ああ~ 355 00:21:59,943 --> 00:22:00,986 まあ お座り 356 00:22:01,194 --> 00:22:03,822 そして お前の身の上を 聞かせておくれ 357 00:22:04,031 --> 00:22:06,074 (アン) せっかくですけど そうしていられないんです 358 00:22:07,200 --> 00:22:10,370 ミス マリラ・カスバートの家へ 帰らなくちゃならないんです 359 00:22:10,495 --> 00:22:11,830 ミス マリラ・カスバートは 360 00:22:11,955 --> 00:22:14,291 あたしを引き取って ちゃんと育てようとしている― 361 00:22:14,416 --> 00:22:16,001 とても親切な人です 362 00:22:16,126 --> 00:22:19,838 随分 一生懸命やってるのに なかなか うまくいかないんです 363 00:22:20,672 --> 00:22:24,343 あたしがベッドに乗ったからって マリラを悪く思わないでください 364 00:22:24,468 --> 00:22:27,304 でも 帰る前に ダイアナを許してくださるかどうか 365 00:22:27,471 --> 00:22:30,891 そして アヴォンリーに予定どおり ずっといてくださるかどうか 366 00:22:31,099 --> 00:22:32,726 教えていただけないでしょうか? 367 00:22:34,144 --> 00:22:37,522 もし あんたが時々やって来て 話を聞かせてくれるなら 368 00:22:37,689 --> 00:22:39,524 そうするかもしれないね 369 00:22:40,484 --> 00:22:43,236 ああ~ じゃあ 許してくださるんですね! 370 00:22:44,279 --> 00:22:45,864 まっ そういうことになるかね 371 00:22:47,365 --> 00:22:48,617 ダイアナ! 372 00:22:49,367 --> 00:22:50,911 うわ~ ウフフ… 373 00:22:53,497 --> 00:22:55,957 おやおや 手回しがいいこと 374 00:22:56,124 --> 00:22:57,000 オホホホ 375 00:22:58,210 --> 00:23:03,673 (ナレーター) その夜 ミス バリーは ダイアナに銀のキレイな腕輪を与え 376 00:23:03,924 --> 00:23:08,178 大人たちには再び旅行かばんを 開けることにしたことを告げ 377 00:23:08,470 --> 00:23:10,097 率直に こう言った 378 00:23:11,223 --> 00:23:14,184 あの アンという子の話を もっと聞きたくなったので 379 00:23:14,309 --> 00:23:15,894 ここにいることにしたよ 380 00:23:16,311 --> 00:23:21,066 (ナレーター) そして事件の一部始終を聞いた時 マリラがマシュウに言ったのは… 381 00:23:21,775 --> 00:23:24,027 私が言ったとおりだったでしょうが 382 00:23:24,194 --> 00:23:25,570 (ナレーター) …と こうだった 383 00:23:26,530 --> 00:23:27,864 ミス ジョセフィン・バリーは 384 00:23:28,073 --> 00:23:31,451 予定の1か月を優に超して この家に泊まった 385 00:23:31,701 --> 00:23:33,078 そして アンのおかげで 386 00:23:33,370 --> 00:23:36,081 これまでより ずっと 扱いやすい客であった 387 00:23:39,167 --> 00:23:41,545 そして 別れにあたって アンにこう言った 388 00:23:42,087 --> 00:23:43,213 いいかい アンや 389 00:23:43,421 --> 00:23:46,299 あんたが今度 町に来る時は きっと うちにおいで 390 00:23:46,466 --> 00:23:49,970 取っておきの客用のベッドに 寝かしてあげるよ 391 00:23:53,849 --> 00:23:58,436 (ナレーター) アンには もう一人 馬の合う人ができたようである 392 00:24:13,660 --> 00:24:14,995 春の訪れ 393 00:24:15,245 --> 00:24:15,954 アンは初めて 394 00:24:16,079 --> 00:24:19,040 グリーン・ゲイブルズに やって来た日を思い出した 395 00:24:19,958 --> 00:24:22,544 次回「赤毛のアン」第20章 396 00:24:22,878 --> 00:24:26,339 「グリーン・ゲイブルズの春」 お楽しみに 397 00:24:27,883 --> 00:24:32,888 ♪~ 398 00:25:30,570 --> 00:25:35,575 ~♪