1 00:00:01,835 --> 00:00:07,341 <(メルフィエラ)私のことが知りたいって そういうことだったの?> 2 00:00:07,341 --> 00:00:11,011 こ… 怖いだなんて 失礼な言い方です 3 00:00:11,011 --> 00:00:14,081 公爵様は とてもりりしくて カッコいいと思います 4 00:00:14,081 --> 00:00:16,083 (アリスティード)あ… 5 00:00:16,083 --> 00:00:18,518 カッコいい… 6 00:00:18,518 --> 00:00:23,790 <公爵様がお聞きになりたかったことって こういうことじゃなかったの?> 7 00:00:25,592 --> 00:00:29,196 本当にそう思うか? あ… 8 00:00:29,196 --> 00:00:34,768 はい! 10人が10人に聞いても 間違いなく全員がそう言うと思うかと! 9 00:00:36,036 --> 00:00:38,038 ん… えっ? 10 00:00:38,038 --> 00:00:42,109 <あ… あれ? また違ったの~?> 11 00:00:42,109 --> 00:00:44,077 ♬~ 12 00:02:18,839 --> 00:02:20,841 その月明かりのような 髪の色もステキです 13 00:02:20,841 --> 00:02:23,510 ただの色あせた灰色なんだが 14 00:02:23,510 --> 00:02:28,515 琥珀色の瞳が魔力を帯びて 金色になるのは ドキドキしてしまいます 15 00:02:28,515 --> 00:02:31,852 これは魔眼だぞ 気持ち悪くないか? 16 00:02:31,852 --> 00:02:33,854 いいえ! あ… 17 00:02:33,854 --> 00:02:38,191 バックホーンの首を落とされたときの 公爵様のすばらしい金眼は 18 00:02:38,191 --> 00:02:41,194 私の脳裏に しっかりと焼きついています 19 00:02:41,194 --> 00:02:44,197 それは魔眼に当てられたのでは… 20 00:02:44,197 --> 00:02:46,533 違います 21 00:02:46,533 --> 00:02:51,204 あれは 一度見たら 忘れられない迫力でした 22 00:02:51,204 --> 00:02:53,540 あ… 23 00:02:53,540 --> 00:02:58,045 そうか お前が問題ないなら… はい! 24 00:02:58,045 --> 00:03:02,649 魔物だって 誰かが ほふらなければならないものです 25 00:03:02,649 --> 00:03:07,320 公爵様は その大事なお役目を全うされているだけ 26 00:03:07,320 --> 00:03:11,324 なのになぜ それを怖いだなんて 27 00:03:11,324 --> 00:03:16,696 魔物相手に戦うのですから 血で汚れるのも当たり前じゃないですか 28 00:03:18,165 --> 00:03:22,502 気の利いたこと一つできないが それでもいいのか? 29 00:03:22,502 --> 00:03:28,575 公爵様は ガルブレイスの領民だけでなく 国民の安寧を担われています 30 00:03:28,575 --> 00:03:31,344 これ以上 すばらしいことはありません 31 00:03:31,344 --> 00:03:34,181 では その… 32 00:03:34,181 --> 00:03:38,185 婚約者としてはどうだろうか? あ… 33 00:03:38,185 --> 00:03:41,021 <考えたことがなかった> 34 00:03:41,021 --> 00:03:43,690 <婚約できるのであれば> 35 00:03:43,690 --> 00:03:47,360 《(マーシャルレイド)この際 そこら辺の一般騎士でもいい》 36 00:03:47,360 --> 00:03:50,030 <公爵家なら申し分ないし> 37 00:03:50,030 --> 00:03:53,300 <むしろ 私との身分差が問題なくらい> 38 00:03:56,036 --> 00:04:00,474 <もし こんな方と 毎日一緒にいられたら…> 39 00:04:00,474 --> 00:04:03,477 《おはよう メルフィエラ》 <はあっ!> 40 00:04:03,477 --> 00:04:05,479 《おやすみ メルフィエラ》 41 00:04:05,479 --> 00:04:08,548 <はあ~! むしろ すばらしすぎるわ!> 42 00:04:08,548 --> 00:04:13,487 ああ でも 私が公爵様と並んだら きっと見劣りしてしまうわ 43 00:04:13,487 --> 00:04:16,990 今まで研究にしか興味を示さなかった ツケのせいだけど 44 00:04:16,990 --> 00:04:21,328 研究に口を挟まないお相手であれば それで十分だったわけだし 45 00:04:21,328 --> 00:04:23,330 おっ おい メルフィエラ? 46 00:04:23,330 --> 00:04:25,665 <つ… つまり…> 47 00:04:25,665 --> 00:04:27,734 <お父様が許してくださるなら> 48 00:04:27,734 --> 00:04:31,338 <私にとって 楽園のような日々が送れるということ!?> 49 00:04:31,338 --> 00:04:34,674 <何て俗物的かつ打算的!> 50 00:04:34,674 --> 00:04:37,010 あの… あ… 51 00:04:37,010 --> 00:04:40,680 質問を質問で返すことを お許しください 52 00:04:40,680 --> 00:04:45,752 公爵様であれば 婚約者選びなど引く手あまたではないですか? 53 00:04:45,752 --> 00:04:48,188 なぜ 私なのです? 54 00:04:48,188 --> 00:04:50,257 いずれ結婚に至ったとして 55 00:04:50,257 --> 00:04:54,261 領民の方々が 私を受け入れてくださるとは思えません 56 00:04:54,261 --> 00:04:56,263 ん… 57 00:04:56,263 --> 00:05:01,201 ガルブレイスは マーシャルレイドほど 精霊信仰が盛んではないとはいえ 58 00:05:01,201 --> 00:05:04,137 忌避される魔物を食する悪食令嬢が 59 00:05:04,137 --> 00:05:06,807 公爵様の妻になるなんて… 60 00:05:06,807 --> 00:05:09,309 いや… あ… 61 00:05:09,309 --> 00:05:13,313 領民達は お前を歓迎すると思うぞ えっ? 62 00:05:13,313 --> 00:05:16,983 エルゼニエ大森林は知っているか? はい 63 00:05:16,983 --> 00:05:21,822 ガルブレイス領にある広大な森で 魔物の宝庫である と 64 00:05:21,822 --> 00:05:26,326 魔物の宝庫か まあ 確かにそのとおりだな 65 00:05:26,326 --> 00:05:29,329 ヤツらは 狩っても狩っても湧いてくる 66 00:05:29,329 --> 00:05:32,499 毎日 死骸の処理も追いつかないほどだ 67 00:05:33,400 --> 00:05:37,170 しかし 魔物がはびこれば 魔力がたまる 68 00:05:37,170 --> 00:05:41,508 それは やがて魔毒となり 魔物を狂化させる 69 00:05:41,508 --> 00:05:45,178 阻止するには 狩り続けなければならない 70 00:05:45,178 --> 00:05:49,849 それが ガルブレイスの名を継ぐ者の宿命だ 71 00:05:49,849 --> 00:05:52,519 公爵様… 72 00:05:52,519 --> 00:05:57,591 俺にとって魔物は 狩らねばならぬものでしかなかった 73 00:05:57,591 --> 00:06:01,294 だから お前が 楽しそうに魔物食について語り 74 00:06:01,294 --> 00:06:04,297 実際に ロワイヤムードラーを調理するのを見て 75 00:06:04,297 --> 00:06:06,299 俺は衝撃を受けた 76 00:06:06,299 --> 00:06:09,302 こんな考え方もあるのだと 77 00:06:09,302 --> 00:06:11,304 あ… 78 00:06:11,304 --> 00:06:13,807 俺達も 魔物を食べることはあるが 79 00:06:13,807 --> 00:06:18,645 あんなに完璧に魔力を抜く方法など ないと思っていたからな 80 00:06:18,645 --> 00:06:22,482 それしか取り柄がなくて お恥ずかしい限りです 81 00:06:22,482 --> 00:06:27,487 何を言う 厄介者でしかなかった魔物が 貴重な食料になるんだ 82 00:06:27,487 --> 00:06:29,556 きっと歓迎される 83 00:06:29,556 --> 00:06:35,495 では 私の研究は 公爵様のお役に立てますか? 84 00:06:35,495 --> 00:06:37,831 あ… 85 00:06:37,831 --> 00:06:41,901 <悪食令嬢だって 誰かの役に立てるなら> 86 00:06:41,901 --> 00:06:45,839 <お母様や私の研究が 日の目を見られるなら> 87 00:06:45,839 --> 00:06:47,908 <私はそれだけで…> 88 00:06:47,908 --> 00:06:50,677 メルフィエラ あ… 89 00:06:50,677 --> 00:06:53,747 俺がいれば お前に不自由はさせない 90 00:06:53,747 --> 00:06:56,683 あらゆる悪意から お前を守る 91 00:06:56,683 --> 00:06:58,752 あ… 92 00:06:58,752 --> 00:07:04,224 だから お前のその知識で ガルブレイスの領民達を助けてほしい 93 00:07:09,863 --> 00:07:14,701 <それは… 本当ですか? 公爵様> 94 00:07:14,701 --> 00:07:17,570 <期待をしても いいですか?> 95 00:07:21,308 --> 00:07:23,643 <これはきっと> 96 00:07:23,643 --> 00:07:27,147 <私と公爵様の契約> 97 00:07:27,147 --> 00:07:31,151 <物語のような甘酸っぱい 愛だの恋だのなんて> 98 00:07:31,151 --> 00:07:33,820 <私達の間にはない> 99 00:07:33,820 --> 00:07:36,323 <だけど…> 100 00:07:36,323 --> 00:07:39,159 公爵様 101 00:07:39,159 --> 00:07:43,830 身に余るお申し出をいただき とても嬉しく思います 102 00:07:43,830 --> 00:07:46,499 公爵様は まるで救世主です 103 00:07:47,834 --> 00:07:52,172 私などにはもったいないくらい すばらしいお方です 104 00:07:52,172 --> 00:07:56,676 メルフィエラ 俺は回りくどい言い方は苦手なのだ 105 00:07:56,676 --> 00:07:58,745 断るならば… ぜひとも! 106 00:07:58,745 --> 00:08:01,681 ぜひとも よろしくお願い申し上げます! 107 00:08:01,681 --> 00:08:07,854 私は このとおり 研究にしか興味がなく 貴族の令嬢らしいことなんて全くできません 108 00:08:07,854 --> 00:08:11,624 けれど 公爵様が魔物を狩るのがお役目ならば 109 00:08:11,624 --> 00:08:15,462 私は それをムダにせず おいしくいただけるように協力します! 110 00:08:15,462 --> 00:08:17,464 えっ? ああ… 111 00:08:17,464 --> 00:08:21,968 曇水晶も公爵様に差し上げますから 遠慮なく使ってください! 112 00:08:21,968 --> 00:08:25,805 私には それくらいしかできませんけれど 113 00:08:25,805 --> 00:08:28,475 それでいいと おっしゃってくださるのであれば 114 00:08:28,475 --> 00:08:31,244 どうぞ 私をもらってやってください! 115 00:08:33,813 --> 00:08:35,815 メルフィ… (ノック) 116 00:08:35,815 --> 00:08:38,151 うん? 117 00:08:38,151 --> 00:08:40,987 (クロード)失礼いたします 118 00:08:40,987 --> 00:08:43,823 屋敷で お迎えの準備が整いました 119 00:08:43,823 --> 00:08:46,826 伯爵様は 応接間にてお待ちです 120 00:08:46,826 --> 00:08:49,996 分かった あ… 121 00:08:50,897 --> 00:08:54,667 お嬢様は 今しばし こちらでお待ちください 122 00:08:54,667 --> 00:08:56,669 よく知りもしない相手に 123 00:08:56,669 --> 00:09:00,173 領地の事情や研究のことを 打ち明けられるのは 124 00:09:00,173 --> 00:09:03,143 いかがなものかと あ… 125 00:09:04,511 --> 00:09:07,180 では ご案内いたします 126 00:09:11,518 --> 00:09:15,588 <この男 俺達の会話を聞いていたな> 127 00:09:15,588 --> 00:09:17,657 <そういえば…> 128 00:09:21,361 --> 00:09:26,032 <まあ 悪名高い狂血公爵が 婚約を申し込みに来たのだ> 129 00:09:26,032 --> 00:09:28,802 <警戒するのも当たり前か> 130 00:09:32,105 --> 00:09:35,375 本当によろしいのでしょうか? 131 00:09:35,375 --> 00:09:38,211 あの類いまれなる娘を 得られるのであれば 132 00:09:38,211 --> 00:09:40,713 ガルブレイス家として光栄だ 133 00:09:40,713 --> 00:09:46,052 そこまで おっしゃっていただき 父親としては嬉しい限りでございます 134 00:09:46,052 --> 00:09:49,122 ですが 遊宴会での出来事 135 00:09:49,122 --> 00:09:54,060 あの日 俺にとっては とてつもなく退屈なものだった 136 00:09:54,060 --> 00:09:56,729 狂化した魔物が出たときも 137 00:09:56,729 --> 00:10:00,900 別段 驚きもなく ただ仕留めて終わるはずだった 138 00:10:00,900 --> 00:10:06,372 だが 魔物の血にまみれた俺を 彼女は恐れなかった 139 00:10:07,507 --> 00:10:11,177 この魔眼から 目をそらすこともなかった 140 00:10:11,177 --> 00:10:15,014 アハハ… はあ… 141 00:10:15,014 --> 00:10:17,283 <心底驚いた> 142 00:10:18,351 --> 00:10:21,421 <多分 俺自身を受け入れてくれる> 143 00:10:21,421 --> 00:10:25,692 <…と思う 思うだけで自信はないが> 144 00:10:25,692 --> 00:10:29,762 こたびの話 急であることは重々承知しているが 145 00:10:29,762 --> 00:10:33,366 お節介な身内が 容赦なく せっついてくるのでな 146 00:10:33,366 --> 00:10:36,369 なるほど そんなご事情が… 147 00:10:36,369 --> 00:10:38,705 閣下のお考えは分かりました 148 00:10:38,705 --> 00:10:42,475 そうか ならば契約書に署名してくれ 149 00:10:44,711 --> 00:10:49,215 あの子の魔物食 いえ 研究のことは… 150 00:10:49,215 --> 00:10:52,552 問題ない むしろ歓迎している 151 00:10:52,552 --> 00:10:56,055 (マーシャルレイド)そ… そうですか まだ何か? 152 00:10:56,055 --> 00:10:58,057 いえ その… 153 00:10:58,057 --> 00:11:02,228 娘を気に入ってくださったのは 大変ありがたいのですが 154 00:11:02,228 --> 00:11:04,230 いいや あ… 155 00:11:04,230 --> 00:11:08,067 気に入った などという言葉は 的確ではないな 156 00:11:08,067 --> 00:11:10,637 私は あの娘が欲しい 157 00:11:12,071 --> 00:11:15,008 一つ よろしいでしょうか 158 00:11:15,008 --> 00:11:19,345 代々 養子を取って跡継ぎとする ガルブレイス公爵家が 159 00:11:19,345 --> 00:11:22,682 なぜ わざわざ婚約者などを? 160 00:11:22,682 --> 00:11:26,519 まあ その疑問は当然だな 161 00:11:26,519 --> 00:11:30,523 <やはり 腹を割って話す必要があるか> 162 00:11:30,523 --> 00:11:35,028 では 私が彼女を欲しい理由を詳しく話そう 163 00:11:35,028 --> 00:11:38,498 えっ? まずは そうだな 164 00:11:39,532 --> 00:11:41,534 (マーシャルレイド) アハハハハハハ 165 00:11:41,534 --> 00:11:46,039 あれに癒やされる? かわいらしい? 閣下も大概ですね 166 00:11:46,039 --> 00:11:49,042 そんなことはない かわいらしいぞ 167 00:11:49,042 --> 00:11:51,044 アハハ 168 00:11:51,044 --> 00:11:54,714 あの子は 精霊信仰の盛んなこの地では 169 00:11:54,714 --> 00:11:58,217 肩身の狭い暮らししかできません➡ 170 00:11:58,217 --> 00:12:02,822 このままでは いずれ修道院に入る予定でした➡ 171 00:12:02,822 --> 00:12:05,491 娘のことを思えば反対したい➡ 172 00:12:05,491 --> 00:12:09,829 しかし 私には 伯爵としての義務があります➡ 173 00:12:09,829 --> 00:12:15,168 情けないことに 父親として あの子を守ってやれないのです➡ 174 00:12:15,168 --> 00:12:18,438 ですから どうか… 分かっている 175 00:12:19,672 --> 00:12:24,344 ガルブレイス公爵家に来るからには 彼女のことは俺が守る 176 00:12:24,344 --> 00:12:27,513 あとのことは 安心して任せるがいい 177 00:12:30,850 --> 00:12:34,721 <公爵様が 一度 ご領地に帰られてから10日> 178 00:12:35,922 --> 00:12:39,359 (ミュラン)メルフィエラ様 これはどちらに? うん? 179 00:12:39,359 --> 00:12:44,364 えっと 割れ物は木箱の中に 書物は一まとめに 180 00:12:44,364 --> 00:12:48,368 こちらの荷物 確認ののち 封印をお願いします 181 00:12:48,368 --> 00:12:50,370 はい すぐに行きます 182 00:12:50,370 --> 00:12:52,372 ⚟メルフィエラ様 こちらにも あっ はい 183 00:12:52,372 --> 00:12:55,341 ⚟こちらもお願いします あっ はいはい 184 00:12:56,376 --> 00:12:58,378 はあ… 185 00:12:58,378 --> 00:13:00,546 <ガルブレイス領への引っ越しのため> 186 00:13:00,546 --> 00:13:05,551 <私の自室は 研究棟から持ってきた荷物で あふれかえっていた> 187 00:13:05,551 --> 00:13:10,390 <公爵様のご指示で 研究棟もそのまま向こうに移すこととなり> 188 00:13:10,390 --> 00:13:14,861 <その手伝いにと ガルブレイスの騎士達を残してくださった> 189 00:13:15,995 --> 00:13:18,064 <公爵様が来られたあの日> 190 00:13:18,064 --> 00:13:22,135 <私達は 正式に婚約することになったのだけど> 191 00:13:25,672 --> 00:13:30,743 《この契約書 何やら ものすごく強力な魔法が かけられているような》 192 00:13:30,743 --> 00:13:32,745 《大丈夫なんですか?》 193 00:13:32,745 --> 00:13:35,181 《心配するな メルフィエラ》 194 00:13:35,181 --> 00:13:38,685 《この婚約が破られることはないという 約束の証しだ》 195 00:13:38,685 --> 00:13:40,687 《それに…》 196 00:13:40,687 --> 00:13:45,358 《お前の誠実さと その覚悟に応えたかったのだ》 197 00:13:45,358 --> 00:13:50,363 《しかし ケイオスには秘密で頼むぞ あれは色々うるさいからな》 198 00:13:50,363 --> 00:13:52,432 《公爵様…》 199 00:13:52,432 --> 00:13:54,600 《(せきばらい)》 《(アリスティード・メルフィエラ)あっ!》 200 00:13:55,702 --> 00:13:59,772 《これにて婚約は成立ですな》 《ああ》 201 00:13:59,772 --> 00:14:02,875 《ときに 公爵様》 《何だ》 202 00:14:02,875 --> 00:14:06,646 《あの件は 娘にはどうにか…》 203 00:14:06,646 --> 00:14:09,482 《ほう では認めるのだな》 204 00:14:09,482 --> 00:14:13,986 《社交界に 悪食令嬢の噂を流したのは あなたであると》 205 00:14:13,986 --> 00:14:16,322 《意図的に悪評を流すことで》 206 00:14:16,322 --> 00:14:20,827 《研究を悪用しようとする輩から 彼女を守るためだった》 207 00:14:20,827 --> 00:14:22,829 《そうなのだな?》 208 00:14:22,829 --> 00:14:25,665 《少し やりすぎましたが》 209 00:14:25,665 --> 00:14:28,167 《気持ちは分かる だが》 210 00:14:28,167 --> 00:14:32,839 《今後は控えていただきたいな お義父上》 《ひっ!》 211 00:14:32,839 --> 00:14:37,176 《あの お二人は 先ほどから何のお話を?》 212 00:14:37,176 --> 00:14:39,245 《何でもないぞ!》 213 00:14:40,513 --> 00:14:42,582 う~ん 214 00:14:42,582 --> 00:14:47,019 でも やっぱりこの魔法 普通ではない気がするわ 215 00:14:47,019 --> 00:14:49,021 (ミュラン)メルフィエラ様 あ… 216 00:14:49,021 --> 00:14:52,091 ロワイヤムードラーの搬送が整いました 217 00:14:52,091 --> 00:14:56,028 ご指示どおり凍らせたまま ドラゴン達に空輸させます 218 00:14:56,028 --> 00:14:58,364 ありがとうございます ミュランさん 219 00:14:58,364 --> 00:15:02,802 カチコチのままでお願いしますね 了解いたしました! 220 00:15:02,802 --> 00:15:06,139 ロワイヤムードラーの金毛は いかがいたしますか? 221 00:15:06,139 --> 00:15:08,207 あれは ここに置いていくわ 222 00:15:08,207 --> 00:15:13,146 お父様や ご子息様のために 暖かい上着を編んでもらうことにします 223 00:15:13,146 --> 00:15:16,215 かしこまりました お願いいたします 224 00:15:17,984 --> 00:15:21,988 よし あと少し! お迎えに間に合いそうだわ 225 00:15:21,988 --> 00:15:23,990 はあ… 226 00:15:23,990 --> 00:15:26,993 <それにしても 本来の婚約って> 227 00:15:26,993 --> 00:15:29,996 <こんなにすぐに 同居を始めるものなのかしら?> 228 00:15:29,996 --> 00:15:31,998 <公爵様は…> 229 00:15:31,998 --> 00:15:36,969 《マーシャルレイドの冬は長すぎる 私に春まで待てというのか?》 230 00:15:38,004 --> 00:15:42,341 <特殊な土地だから 早く慣れてもらいたいと おっしゃっていたけれど> 231 00:15:42,341 --> 00:15:46,012 <おうちに入る練習をしなくて いいのかしら?> 232 00:15:46,012 --> 00:15:48,514 あ… 233 00:15:48,514 --> 00:15:52,351 ねえ お母様のときは どうだった? 234 00:15:52,351 --> 00:15:57,190 <そうよね 私は早くにお母様を亡くしているし> 235 00:15:57,190 --> 00:16:00,193 <本来の花嫁修業は難しいわね> 236 00:16:00,193 --> 00:16:03,362 (ノック) うん? 237 00:16:03,362 --> 00:16:06,199 先方から お迎えがまいりました 238 00:16:06,199 --> 00:16:09,202 旦那様が本邸でお待ちです➡ 239 00:16:09,202 --> 00:16:12,205 お荷物は 無事に片づけ終えられたようですね➡ 240 00:16:12,205 --> 00:16:15,808 少し寂しい気もいたしますが 喜ばしいことです 241 00:16:15,808 --> 00:16:18,311 そうね ありがとう 242 00:16:18,311 --> 00:16:22,315 お父様をよろしくね ヘルマン かしこまりました 243 00:16:22,315 --> 00:16:25,485 では まいりましょうか ええ 244 00:16:29,388 --> 00:16:33,559 もう この部屋に 私が戻ることはない 245 00:16:35,328 --> 00:16:41,500 まあ この婚約が 失敗しなければ だけれど 246 00:16:42,401 --> 00:16:45,171 でも きっと… 247 00:16:45,171 --> 00:16:47,173 (ノック) 248 00:16:47,173 --> 00:16:49,509 お父様 準備が整いました 249 00:16:49,509 --> 00:16:51,978 失礼しま… あっ… 250 00:16:55,014 --> 00:16:58,518 シーリア様 なぜ こちらに? 251 00:16:58,518 --> 00:17:04,690 (シーリア)義理とはいえ 娘の婚約に 母親が立ち会わないわけにもいかないでしょう 252 00:17:04,690 --> 00:17:08,561 はっ ドラゴン臭くて 最悪の気分だわ 253 00:17:10,129 --> 00:17:12,965 あの お父様は… 254 00:17:12,965 --> 00:17:16,802 (シーリア)外で あなたの荷物に不備がないか確認しているわ➡ 255 00:17:16,802 --> 00:17:21,140 あの気味の悪い部屋も さぞかしスッキリしたでしょう➡ 256 00:17:21,140 --> 00:17:23,976 余計なものは残していかないでね 257 00:17:23,976 --> 00:17:27,046 ロワイヤムードラーの金毛は置いていきます 258 00:17:27,046 --> 00:17:32,485 父とご子息に 暖かい服を仕立てるときに使ってください 259 00:17:32,485 --> 00:17:35,321 魔獣の毛なんて ゾッとする 260 00:17:35,321 --> 00:17:38,157 とても貴重で 高価なものだそうです 261 00:17:38,157 --> 00:17:42,495 私には過ぎた品なので (シーリア)ああ そう 262 00:17:42,495 --> 00:17:46,165 長い間 ありがとうございました 263 00:17:46,165 --> 00:17:51,237 フン 白々しい! どんな手を使って公爵をそそのかしたのか! 264 00:17:52,838 --> 00:17:55,341 (シーリア) 分かっているとは思いますけど➡ 265 00:17:55,341 --> 00:17:59,011 たとえ あなたに公爵家の血を引く子が生まれても➡ 266 00:17:59,011 --> 00:18:03,015 マーシャルレイドの爵位を継ぐのは 我が子 ルイだけです 267 00:18:03,015 --> 00:18:06,018 はい 私は嫁いでいく身 268 00:18:06,018 --> 00:18:09,689 今後は ガルブレイス家のために尽くします 269 00:18:09,689 --> 00:18:15,361 ああ やだ! その取り澄ました顔 エリーズ様にそっくり➡ 270 00:18:15,361 --> 00:18:18,364 いつもそうやって いいところを全部持っていくのよ!➡ 271 00:18:18,364 --> 00:18:21,867 まったく 親子揃って いまいましい! 272 00:18:21,867 --> 00:18:25,938 <エリーズ… この人 お母様を知ってるの!?> 273 00:18:25,938 --> 00:18:28,541 <でも 一体どこで…> 274 00:18:28,541 --> 00:18:30,610 うん!? (シーリア)いいこと? 275 00:18:30,610 --> 00:18:36,215 もし 婚約が破棄されるようなことがあれば この家に あなたの居場所はありません 276 00:18:36,215 --> 00:18:39,285 即刻 修道院に入ってもらいます! 277 00:18:39,285 --> 00:18:41,554 肝に銘じます 278 00:18:41,554 --> 00:18:45,624 話は終わりよ ドラゴンがうるさくてかなわないわ➡ 279 00:18:45,624 --> 00:18:48,894 さっさと行ってくださらない? はい 280 00:18:51,564 --> 00:18:53,733 (ドアが閉まる) 281 00:18:55,067 --> 00:18:57,136 ふう… 282 00:18:57,136 --> 00:19:01,841 <シーリア様が 私を疎ましく思うのは当然よね> 283 00:19:01,841 --> 00:19:04,910 <伯爵家の令嬢として すべきこともせず> 284 00:19:04,910 --> 00:19:09,915 <禁忌とされる 魔物食の研究ばかりしている娘なんて> 285 00:19:09,915 --> 00:19:12,351 <でも…> 286 00:19:12,351 --> 00:19:17,523 <最後に お母様のお話が聞けたのは 嬉しかったな> 287 00:19:19,425 --> 00:19:22,094 (グレッシェルドラゴンが鳴く) うん? 288 00:19:23,863 --> 00:19:25,865 お父様! 289 00:19:25,865 --> 00:19:29,201 おお メルフィ 支度はもういいのか? 290 00:19:29,201 --> 00:19:31,270 はい 終わりました 291 00:19:31,270 --> 00:19:34,540 ああ その外套 よく似合う➡ 292 00:19:34,540 --> 00:19:38,210 エリーズが嫁いできたとき つけていたものだ 293 00:19:38,210 --> 00:19:40,279 お母様が? 294 00:19:40,279 --> 00:19:44,283 お母様は 南の地方からいらしたのよね? 295 00:19:44,283 --> 00:19:47,553 マーシャルレイドの冬に びっくりしたのではなくて? 296 00:19:47,553 --> 00:19:52,892 そうだな 雪を初めて見たと喜んでいたよ➡ 297 00:19:52,892 --> 00:19:56,562 はしゃぎすぎて 来た早々 風邪をひいてしまってね 298 00:19:56,562 --> 00:19:59,231 まあ お母様ったら 299 00:19:59,231 --> 00:20:02,401 エリーズはあれでいて どこか抜けていて 300 00:20:02,401 --> 00:20:05,404 子供のようなことばかりしていた 301 00:20:05,404 --> 00:20:07,406 ああ そうか 302 00:20:07,406 --> 00:20:11,177 私は お前と そんなことすら話すことがなかったのか 303 00:20:11,177 --> 00:20:14,513 すまなかったね そんな お父様… 304 00:20:14,513 --> 00:20:16,482 (グレッシェルドラゴンが鳴く) あっ! 305 00:20:22,188 --> 00:20:25,024 迎えに来たぞ メルフィエラ 306 00:20:25,024 --> 00:20:27,193 公爵様… 307 00:20:31,363 --> 00:20:35,868 我が婚約者 ご機嫌麗しく存じ上げる 308 00:20:35,868 --> 00:20:37,870 はっ! 309 00:20:37,870 --> 00:20:40,940 どうした 顔が真っ赤だぞ だだだ… だって 公爵様が! 310 00:20:40,940 --> 00:20:44,376 私が~? もうっ からかわないでください! 311 00:20:44,376 --> 00:20:46,378 ハッハッハッ 312 00:20:46,378 --> 00:20:48,380 いや~ 公爵閣下 313 00:20:48,380 --> 00:20:52,051 よくも 私の目の前で そのようなことがおできになりますなあ 314 00:20:52,051 --> 00:20:56,822 許せ お義父上 私の婚約者があまりにもかわいくてな 315 00:20:58,124 --> 00:21:01,060 忘れ物はないな? はい! 316 00:21:01,060 --> 00:21:04,663 あれは廃棄するものか? 結構多いな 317 00:21:04,663 --> 00:21:07,166 資料にまとめ終えた走り書きとか 318 00:21:07,166 --> 00:21:11,170 紙が手に入らないときは 板に書いたりしていたので 319 00:21:11,170 --> 00:21:15,241 では 燃やしても大丈夫か? ええ まあ… 320 00:21:15,241 --> 00:21:18,244 それでは マーシャルレイド伯爵 321 00:21:18,244 --> 00:21:21,413 貴殿の娘は 私がもらい受ける 322 00:21:25,251 --> 00:21:28,854 メルフィエラ また春にな 323 00:21:28,854 --> 00:21:32,858 ああ それだが 春には戻せぬかもしれん 324 00:21:32,858 --> 00:21:36,529 そのときは秋の婚姻まで こちらで預かっておこう 325 00:21:36,529 --> 00:21:41,600 えっ? ですが 公爵家に嫁ぐのにふさわしいものを揃えるには 326 00:21:41,600 --> 00:21:45,571 よい 全て私が用意する ええっ!? 327 00:21:48,207 --> 00:21:50,709 公爵閣下 まだお話が… 328 00:21:50,709 --> 00:21:53,546 お義父上よ 心配は無用だ 329 00:21:53,546 --> 00:21:55,614 メルフィエラは私が守る 330 00:21:55,614 --> 00:21:59,218 私には それだけの地位も力もあるのだ 331 00:21:59,218 --> 00:22:04,657 ところで そこの廃棄物だが いちいち燃やすのも面倒ではないか? 332 00:22:04,657 --> 00:22:07,726 うん? 今日の私は気分がいい 333 00:22:07,726 --> 00:22:09,695 片づけてやろう 334 00:22:11,997 --> 00:22:14,667 (悲鳴) 335 00:22:14,667 --> 00:22:17,002 やりすぎです 公爵閣下! 336 00:22:17,002 --> 00:22:19,071 ハハッ すまんな 337 00:22:19,071 --> 00:22:21,073 クロードとかいったか 338 00:22:21,073 --> 00:22:23,342 お前は やはり見込みがある 339 00:22:23,342 --> 00:22:26,412 ガルブレイスに来い 席は空けておくぞ 340 00:22:26,412 --> 00:22:28,380 だ… 誰が! 341 00:22:33,018 --> 00:22:35,020 あ… 342 00:22:35,020 --> 00:22:38,023 <派手に高く燃え上がる> 343 00:22:38,023 --> 00:22:41,527 <それはまるで これからの私達の生活を> 344 00:22:41,527 --> 00:22:44,196 <祝福する花火のようだった> 345 00:22:45,864 --> 00:23:03,249 ♬~