1 00:00:01,669 --> 00:00:07,133 <(メルフィエラ)私のことが知りたいって そういうことだったの?> 2 00:00:07,133 --> 00:00:10,845 こ… 怖いだなんて 失礼な言い方です 3 00:00:10,845 --> 00:00:14,014 公爵様は とてもりりしくて カッコいいと思います 4 00:00:14,014 --> 00:00:16,016 (アリスティード)あ… 5 00:00:16,016 --> 00:00:18,310 カッコいい… 6 00:00:18,310 --> 00:00:23,691 <公爵様がお聞きになりたかったことって こういうことじゃなかったの?> 7 00:00:25,526 --> 00:00:29,029 本当にそう思うか? あ… 8 00:00:29,029 --> 00:00:34,702 はい! 10人が10人に聞いても 間違いなく全員がそう言うと思うかと! 9 00:00:35,870 --> 00:00:37,872 ん… えっ? 10 00:00:37,872 --> 00:00:42,042 <あ… あれ? また違ったの~?> 11 00:00:42,042 --> 00:00:44,044 ♪♪~ 12 00:02:12,800 --> 00:02:15,803 その月明かりのような 髪の色もステキです 13 00:02:15,803 --> 00:02:18,430 ただの 色あせた灰色なんだが 14 00:02:18,430 --> 00:02:23,435 琥珀色の瞳が魔力を帯びて 金色になるのは ドキドキしてしまいます 15 00:02:23,435 --> 00:02:26,814 これは魔眼だぞ 気持ち悪くないか? 16 00:02:26,814 --> 00:02:28,816 いいえ! あ… 17 00:02:28,816 --> 00:02:33,153 バックホーンの首を落とされたときの 公爵様のすばらしい金眼は 18 00:02:33,153 --> 00:02:36,156 私の脳裏に しっかりと焼きついています 19 00:02:36,156 --> 00:02:39,159 それは魔眼に当てられたのでは… 20 00:02:39,159 --> 00:02:41,453 違います 21 00:02:41,453 --> 00:02:46,166 あれは 一度見たら 忘れられない迫力でした 22 00:02:46,166 --> 00:02:48,460 あ… 23 00:02:48,460 --> 00:02:53,007 そうか お前が問題ないなら… はい! 24 00:02:53,007 --> 00:02:57,678 魔物だって 誰かが ほふらなければならないものです 25 00:02:57,678 --> 00:03:02,308 公爵様は その大事なお役目を全うされているだけ 26 00:03:02,308 --> 00:03:06,312 なのになぜ それを怖いだなんて 27 00:03:06,312 --> 00:03:11,692 魔物相手に戦うのですから 血で汚れるのも当たり前じゃないですか 28 00:03:13,193 --> 00:03:17,489 気の利いたこと一つできないが それでもいいのか? 29 00:03:17,489 --> 00:03:23,704 公爵様は ガルブレイスの領民だけでなく 国民の安寧を担われています 30 00:03:23,704 --> 00:03:26,332 これ以上 すばらしいことはありません 31 00:03:26,332 --> 00:03:29,209 では その… 32 00:03:29,209 --> 00:03:33,213 婚約者としてはどうだろうか? あ… 33 00:03:33,213 --> 00:03:36,050 <考えたことがなかった> 34 00:03:36,050 --> 00:03:38,719 <婚約できるのであれば> 35 00:03:38,719 --> 00:03:42,348 《(マーシャルレイド)この際 そこら辺の一般騎士でもいい》 36 00:03:42,348 --> 00:03:45,059 <公爵家なら申し分ないし> 37 00:03:45,059 --> 00:03:48,354 <むしろ 私との身分差が問題なくらい> 38 00:03:51,065 --> 00:03:55,527 <もし こんな方と 毎日一緒にいられたら…> 39 00:03:55,527 --> 00:03:58,530 《おはよう メルフィエラ》 <はあっ!> 40 00:03:58,530 --> 00:04:00,532 《おやすみ メルフィエラ》 41 00:04:00,532 --> 00:04:03,744 <はあ~! むしろ すばらしすぎるわ!> 42 00:04:03,744 --> 00:04:08,540 ああ でも 私が公爵様と並んだら きっと見劣りしてしまうわ 43 00:04:08,540 --> 00:04:12,086 今まで研究にしか興味を示さなかった ツケのせいだけど 44 00:04:12,086 --> 00:04:16,382 研究に口を挟まないお相手であれば それで十分だったわけだし 45 00:04:16,382 --> 00:04:18,384 おっ おい メルフィエラ? 46 00:04:18,384 --> 00:04:20,761 <つ… つまり…> 47 00:04:20,761 --> 00:04:22,930 <お父様が許してくださるなら> 48 00:04:22,930 --> 00:04:26,392 <私にとって 楽園のような日々が送れるということ!?> 49 00:04:26,392 --> 00:04:29,770 <何て俗物的かつ打算的!> 50 00:04:29,770 --> 00:04:32,106 あの… あ… 51 00:04:32,106 --> 00:04:35,776 質問を質問で返すことを お許しください 52 00:04:35,776 --> 00:04:40,948 公爵様であれば 婚約者選びなど引く手あまたではないですか? 53 00:04:40,948 --> 00:04:43,283 なぜ 私なのです? 54 00:04:43,283 --> 00:04:45,411 いずれ結婚に至ったとして 55 00:04:45,411 --> 00:04:49,415 領民の方々が 私を受け入れてくださるとは思えません 56 00:04:49,415 --> 00:04:51,417 ん… 57 00:04:51,417 --> 00:04:56,422 ガルブレイスは マーシャルレイドほど 精霊信仰が盛んではないとはいえ 58 00:04:56,422 --> 00:04:59,299 忌避される魔物を食する悪食令嬢が 59 00:04:59,299 --> 00:05:01,969 公爵様の妻になるなんて… 60 00:05:01,969 --> 00:05:04,430 いや… あ… 61 00:05:04,430 --> 00:05:08,434 領民達は お前を歓迎すると思うぞ えっ? 62 00:05:08,434 --> 00:05:12,146 エルゼニエ大森林は知っているか? はい 63 00:05:12,146 --> 00:05:16,984 ガルブレイス領にある広大な森で 魔物の宝庫である と 64 00:05:16,984 --> 00:05:21,447 魔物の宝庫か まあ 確かにそのとおりだな 65 00:05:21,447 --> 00:05:24,450 ヤツらは 狩っても狩っても湧いてくる 66 00:05:24,450 --> 00:05:27,619 毎日 死骸の処理も追いつかないほどだ 67 00:05:28,620 --> 00:05:32,332 しかし 魔物がはびこれば 魔力がたまる 68 00:05:32,332 --> 00:05:36,628 それは やがて魔毒となり 魔物を狂化させる 69 00:05:36,628 --> 00:05:40,340 阻止するには 狩り続けなければならない 70 00:05:40,340 --> 00:05:45,012 それが ガルブレイスの名を継ぐ者の宿命だ 71 00:05:45,012 --> 00:05:47,639 公爵様… 72 00:05:47,639 --> 00:05:52,853 俺にとって魔物は 狩らねばならぬものでしかなかった 73 00:05:52,853 --> 00:05:56,482 だから お前が 楽しそうに魔物食について語り 74 00:05:56,482 --> 00:05:59,485 実際に ロワイヤムードラーを調理するのを見て 75 00:05:59,485 --> 00:06:01,487 俺は衝撃を受けた 76 00:06:01,487 --> 00:06:04,490 こんな考え方もあるのだと 77 00:06:04,490 --> 00:06:06,492 あ… 78 00:06:06,492 --> 00:06:09,036 俺達も 魔物を食べることはあるが 79 00:06:09,036 --> 00:06:13,874 あんなに完璧に魔力を抜く方法など ないと思っていたからな 80 00:06:13,874 --> 00:06:17,669 それしか取り柄がなくて お恥ずかしい限りです 81 00:06:17,669 --> 00:06:22,674 何を言う 厄介者でしかなかった魔物が 貴重な食料になるんだ 82 00:06:22,674 --> 00:06:24,885 きっと歓迎される 83 00:06:24,885 --> 00:06:30,682 では 私の研究は 公爵様のお役に立てますか? 84 00:06:30,682 --> 00:06:33,060 あ… 85 00:06:33,060 --> 00:06:37,231 <悪食令嬢だって 誰かの役に立てるなら> 86 00:06:37,231 --> 00:06:41,068 <お母様や私の研究が 日の目を見られるなら> 87 00:06:41,068 --> 00:06:43,237 <私はそれだけで…> 88 00:06:43,237 --> 00:06:45,906 メルフィエラ あ… 89 00:06:45,906 --> 00:06:49,076 俺がいれば お前に不自由はさせない 90 00:06:49,076 --> 00:06:51,912 あらゆる悪意から お前を守る 91 00:06:51,912 --> 00:06:54,081 あ… 92 00:06:54,081 --> 00:06:59,545 だから お前のその知識で ガルブレイスの領民達を助けてほしい 93 00:07:05,259 --> 00:07:10,097 <それは… 本当ですか? 公爵様> 94 00:07:10,097 --> 00:07:12,933 <期待をしても いいですか?> 95 00:07:16,562 --> 00:07:18,939 <これはきっと> 96 00:07:18,939 --> 00:07:22,442 <私と公爵様の契約> 97 00:07:22,442 --> 00:07:26,446 <物語のような甘酸っぱい 愛だの恋だのなんて> 98 00:07:26,446 --> 00:07:29,116 <私達の間にはない> 99 00:07:29,116 --> 00:07:31,577 <だけど…> 100 00:07:31,577 --> 00:07:34,454 公爵様 101 00:07:34,454 --> 00:07:39,126 身に余るお申し出をいただき とても嬉しく思います 102 00:07:39,126 --> 00:07:41,753 公爵様は まるで救世主です 103 00:07:43,130 --> 00:07:47,467 私などにはもったいないくらい すばらしいお方です 104 00:07:47,467 --> 00:07:51,972 メルフィエラ 俺は回りくどい言い方は苦手なのだ 105 00:07:51,972 --> 00:07:54,141 断るならば… ぜひとも! 106 00:07:54,141 --> 00:07:57,144 ぜひとも よろしくお願い申し上げます! 107 00:07:57,144 --> 00:08:03,317 私は このとおり 研究にしか興味がなく 貴族の令嬢らしいことなんて全くできません 108 00:08:03,317 --> 00:08:06,987 けれど 公爵様が魔物を狩るのがお役目ならば 109 00:08:06,987 --> 00:08:10,782 私は それをムダにせず おいしくいただけるように協力します! 110 00:08:10,782 --> 00:08:12,784 えっ? ああ… 111 00:08:12,784 --> 00:08:17,331 曇水晶も公爵様に差し上げますから 遠慮なく使ってください! 112 00:08:17,331 --> 00:08:21,168 私には それくらいしかできませんけれど 113 00:08:21,168 --> 00:08:23,795 それでいいと おっしゃってくださるのであれば 114 00:08:23,795 --> 00:08:26,632 どうぞ 私をもらってやってください! 115 00:08:29,176 --> 00:08:31,178 メルフィ… (ノック) 116 00:08:31,178 --> 00:08:33,513 うん? 117 00:08:33,513 --> 00:08:36,350 (クロード)失礼いたします 118 00:08:36,350 --> 00:08:39,186 屋敷で お迎えの準備が整いました 119 00:08:39,186 --> 00:08:42,189 伯爵様は 応接間にてお待ちです 120 00:08:42,189 --> 00:08:45,359 分かった あ… 121 00:08:45,859 --> 00:08:49,529 お嬢様は 今しばし こちらでお待ちください 122 00:08:49,529 --> 00:08:51,531 よく知りもしない相手に 123 00:08:51,531 --> 00:08:55,035 領地の事情や研究のことを 打ち明けられるのは 124 00:08:55,035 --> 00:08:58,038 いかがなものかと あ… 125 00:08:59,331 --> 00:09:02,042 では ご案内いたします 126 00:09:06,338 --> 00:09:10,550 <この男 俺達の会話を聞いていたな> 127 00:09:10,550 --> 00:09:12,719 <そういえば…> 128 00:09:16,181 --> 00:09:20,894 <まあ 悪名高い狂血公爵が 婚約を申し込みに来たのだ> 129 00:09:20,894 --> 00:09:23,730 <警戒するのも当たり前か> 130 00:09:27,067 --> 00:09:30,195 本当によろしいのでしょうか? 131 00:09:30,195 --> 00:09:33,073 あの類いまれなる娘を 得られるのであれば 132 00:09:33,073 --> 00:09:35,575 ガルブレイス家として光栄だ 133 00:09:35,575 --> 00:09:40,914 そこまで おっしゃっていただき 父親としては嬉しい限りでございます 134 00:09:40,914 --> 00:09:44,084 ですが 遊宴会での出来事 135 00:09:44,084 --> 00:09:48,922 あの日 俺にとっては とてつもなく退屈なものだった 136 00:09:48,922 --> 00:09:51,591 狂化した魔物が出たときも 137 00:09:51,591 --> 00:09:55,929 別段 驚きもなく ただ仕留めて終わるはずだった 138 00:09:55,929 --> 00:10:01,393 だが 魔物の血にまみれた俺を 彼女は恐れなかった 139 00:10:02,394 --> 00:10:06,106 この魔眼から 目をそらすこともなかった 140 00:10:06,106 --> 00:10:09,943 アハハ… はあ… 141 00:10:09,943 --> 00:10:12,237 <心底驚いた> 142 00:10:13,238 --> 00:10:16,408 <多分 俺自身を受け入れてくれる> 143 00:10:16,408 --> 00:10:20,620 <…と思う 思うだけで自信はないが> 144 00:10:20,620 --> 00:10:24,791 こたびの話 急であることは重々承知しているが 145 00:10:24,791 --> 00:10:28,253 お節介な身内が 容赦なく せっついてくるのでな 146 00:10:28,253 --> 00:10:31,256 なるほど そんなご事情が… 147 00:10:31,256 --> 00:10:33,633 閣下のお考えは分かりました 148 00:10:33,633 --> 00:10:37,429 そうか ならば契約書に署名してくれ 149 00:10:39,639 --> 00:10:44,144 あの子の魔物食 いえ 研究のことは… 150 00:10:44,144 --> 00:10:47,439 問題ない むしろ歓迎している 151 00:10:47,439 --> 00:10:50,984 (マーシャルレイド)そ… そうですか まだ何か? 152 00:10:50,984 --> 00:10:52,986 いえ その… 153 00:10:52,986 --> 00:10:57,282 娘を気に入ってくださったのは 大変ありがたいのですが 154 00:10:57,282 --> 00:10:59,284 いいや あ… 155 00:10:59,284 --> 00:11:03,163 気に入った などという言葉は 的確ではないな 156 00:11:03,163 --> 00:11:05,832 私は あの娘が欲しい 157 00:11:07,167 --> 00:11:10,003 一つ よろしいでしょうか 158 00:11:10,003 --> 00:11:14,299 代々 養子を取って跡継ぎとする ガルブレイス公爵家が 159 00:11:14,299 --> 00:11:17,677 なぜ わざわざ婚約者などを? 160 00:11:17,677 --> 00:11:21,473 まあ その疑問は当然だな 161 00:11:21,473 --> 00:11:25,477 <やはり 腹を割って話す必要があるか> 162 00:11:25,477 --> 00:11:30,023 では 私が彼女を欲しい理由を詳しく話そう 163 00:11:30,023 --> 00:11:33,485 えっ? まずは そうだな 164 00:11:34,486 --> 00:11:36,488 (マーシャルレイド) アハハハハハハ 165 00:11:36,488 --> 00:11:41,034 あれに癒やされる? かわいらしい? 閣下も大概ですね 166 00:11:41,034 --> 00:11:44,037 そんなことはない かわいらしいぞ 167 00:11:44,037 --> 00:11:46,039 アハハ 168 00:11:46,039 --> 00:11:49,709 あの子は 精霊信仰の盛んなこの地では 169 00:11:49,709 --> 00:11:53,213 肩身の狭い暮らししかできません 170 00:11:53,213 --> 00:11:57,884 このままでは いずれ修道院に入る予定でした 171 00:11:57,884 --> 00:12:00,512 娘のことを思えば反対したい 172 00:12:00,512 --> 00:12:04,891 しかし 私には 伯爵としての義務があります 173 00:12:04,891 --> 00:12:10,230 情けないことに 父親として あの子を守ってやれないのです 174 00:12:10,230 --> 00:12:13,525 ですから どうか… 分かっている 175 00:12:14,734 --> 00:12:19,364 ガルブレイス公爵家に来るからには 彼女のことは俺が守る 176 00:12:19,364 --> 00:12:22,534 あとのことは 安心して任せるがいい 177 00:12:24,911 --> 00:12:28,748 <公爵様が 一度 ご領地に帰られてから10日> 178 00:12:30,584 --> 00:12:33,879 (ミュラン)メルフィエラ様 これはどちらに? うん? 179 00:12:33,879 --> 00:12:38,884 えっと 割れ物は木箱の中に 書物は一まとめに 180 00:12:38,884 --> 00:12:42,888 こちらの荷物 確認ののち 封印をお願いします 181 00:12:42,888 --> 00:12:44,890 はい すぐに行きます 182 00:12:44,890 --> 00:12:46,892 メルフィエラ様 こちらにも あっ はい 183 00:12:46,892 --> 00:12:49,895 こちらもお願いします あっ はいはい 184 00:12:50,896 --> 00:12:52,898 はあ… 185 00:12:52,898 --> 00:12:55,275 <ガルブレイス領への引っ越しのため> 186 00:12:55,275 --> 00:13:00,280 <私の自室は 研究棟から持ってきた荷物で あふれかえっていた> 187 00:13:00,280 --> 00:13:05,076 <公爵様のご指示で 研究棟もそのまま向こうに移すこととなり> 188 00:13:05,076 --> 00:13:09,623 <その手伝いにと ガルブレイスの騎士達を残してくださった> 189 00:13:10,624 --> 00:13:12,792 <公爵様が来られたあの日> 190 00:13:12,792 --> 00:13:16,922 <私達は 正式に婚約することになったのだけど> 191 00:13:20,300 --> 00:13:25,472 《この契約書 何やら ものすごく強力な魔法が かけられているような》 192 00:13:25,472 --> 00:13:27,474 《大丈夫なんですか?》 193 00:13:27,474 --> 00:13:29,809 《心配するな メルフィエラ》 194 00:13:29,809 --> 00:13:33,313 《この婚約が破られることはないという 約束の証しだ》 195 00:13:33,313 --> 00:13:35,315 《それに…》 196 00:13:35,315 --> 00:13:39,945 《お前の誠実さと その覚悟に応えたかったのだ》 197 00:13:39,945 --> 00:13:44,950 《しかし ケイオスには秘密で頼むぞ あれは色々うるさいからな》 198 00:13:44,950 --> 00:13:47,118 《公爵様…》 199 00:13:47,118 --> 00:13:49,329 《(せきばらい)》 《(アリスティード・メルフィエラ)あっ!》 200 00:13:50,330 --> 00:13:54,501 《これにて婚約は成立ですな》 《ああ》 201 00:13:54,501 --> 00:13:57,671 《ときに 公爵様》 《何だ》 202 00:13:57,671 --> 00:14:01,341 《あの件は 娘にはどうにか…》 203 00:14:01,341 --> 00:14:04,135 《ほう では認めるのだな》 204 00:14:04,135 --> 00:14:08,682 《社交界に 悪食令嬢の噂を流したのは あなたであると》 205 00:14:08,682 --> 00:14:10,976 《意図的に悪評を流すことで》 206 00:14:10,976 --> 00:14:15,522 《研究を悪用しようとする輩から 彼女を守るためだった》 207 00:14:15,522 --> 00:14:17,524 《そうなのだな?》 208 00:14:17,524 --> 00:14:20,360 《少し やりすぎましたが》 209 00:14:20,360 --> 00:14:22,862 《気持ちは分かる だが》 210 00:14:22,862 --> 00:14:27,534 《今後は控えていただきたいな お義父上》 《ひっ!》 211 00:14:27,534 --> 00:14:31,871 《あの お二人は 先ほどから何のお話を?》 212 00:14:31,871 --> 00:14:33,999 《何でもないぞ!》 213 00:14:35,166 --> 00:14:37,377 う~ん 214 00:14:37,377 --> 00:14:41,715 でも やっぱりこの魔法 普通ではない気がするわ 215 00:14:41,715 --> 00:14:43,717 (ミュラン)メルフィエラ様 あ… 216 00:14:43,717 --> 00:14:46,886 ロワイヤムードラーの搬送が整いました 217 00:14:46,886 --> 00:14:50,724 ご指示どおり凍らせたまま ドラゴン達に空輸させます 218 00:14:50,724 --> 00:14:53,018 ありがとうございます ミュランさん 219 00:14:53,018 --> 00:14:57,564 カチコチのままでお願いしますね 了解いたしました! 220 00:14:57,564 --> 00:15:00,900 ロワイヤムードラーの金毛は いかがいたしますか? 221 00:15:00,900 --> 00:15:03,028 あれは ここに置いていくわ 222 00:15:03,028 --> 00:15:07,907 お父様や ご子息様のために 暖かい上着を編んでもらうことにします 223 00:15:07,907 --> 00:15:11,036 かしこまりました お願いいたします 224 00:15:12,746 --> 00:15:16,750 よし あと少し! お迎えに間に合いそうだわ 225 00:15:16,750 --> 00:15:18,752 はあ… 226 00:15:18,752 --> 00:15:21,755 <それにしても 本来の婚約って> 227 00:15:21,755 --> 00:15:24,758 <こんなにすぐに 同居を始めるものなのかしら?> 228 00:15:24,758 --> 00:15:26,760 <公爵様は…> 229 00:15:26,760 --> 00:15:31,765 《マーシャルレイドの冬は長すぎる 私に春まで待てというのか?》 230 00:15:32,766 --> 00:15:37,062 <特殊な土地だから 早く慣れてもらいたいと おっしゃっていたけれど> 231 00:15:37,062 --> 00:15:40,774 <おうちに入る練習をしなくて いいのかしら?> 232 00:15:40,774 --> 00:15:43,234 あ… 233 00:15:43,234 --> 00:15:47,072 ねえ お母様のときは どうだった? 234 00:15:47,072 --> 00:15:51,951 <そうよね 私は早くにお母様を亡くしているし> 235 00:15:51,951 --> 00:15:54,954 <本来の花嫁修業は難しいわね> 236 00:15:54,954 --> 00:15:58,249 (ノック) うん? 237 00:15:58,249 --> 00:16:01,086 先方から お迎えがまいりました 238 00:16:01,086 --> 00:16:04,089 旦那様が本邸でお待ちです 239 00:16:04,089 --> 00:16:07,092 お荷物は 無事に片づけ終えられたようですね 240 00:16:07,092 --> 00:16:10,637 少し寂しい気もいたしますが 喜ばしいことです 241 00:16:10,637 --> 00:16:13,098 そうね ありがとう 242 00:16:13,098 --> 00:16:17,102 お父様をよろしくね ヘルマン かしこまりました 243 00:16:17,102 --> 00:16:20,271 では まいりましょうか ええ 244 00:16:24,275 --> 00:16:28,488 もう この部屋に 私が戻ることはない 245 00:16:30,115 --> 00:16:36,287 まあ この婚約が 失敗しなければ だけれど 246 00:16:37,288 --> 00:16:39,999 でも きっと… 247 00:16:39,999 --> 00:16:42,001 (ノック) 248 00:16:42,001 --> 00:16:44,295 お父様 準備が整いました 249 00:16:44,295 --> 00:16:46,840 失礼しま… あっ… 250 00:16:49,843 --> 00:16:53,304 シーリア様 なぜ こちらに? 251 00:16:53,304 --> 00:16:59,686 (シーリア)義理とはいえ 娘の婚約に 母親が立ち会わないわけにもいかないでしょう 252 00:16:59,686 --> 00:17:03,523 はっ ドラゴン臭くて 最悪の気分だわ 253 00:17:05,024 --> 00:17:07,861 あの お父様は… 254 00:17:07,861 --> 00:17:11,698 (シーリア)外で あなたの荷物に不備がないか確認しているわ 255 00:17:11,698 --> 00:17:16,035 あの気味の悪い部屋も さぞかしスッキリしたでしょう 256 00:17:16,035 --> 00:17:18,872 余計なものは残していかないでね 257 00:17:18,872 --> 00:17:22,041 ロワイヤムードラーの金毛は置いていきます 258 00:17:22,041 --> 00:17:27,338 父とご子息に 暖かい服を仕立てるときに使ってください 259 00:17:27,338 --> 00:17:30,175 魔獣の毛なんて ゾッとする 260 00:17:30,175 --> 00:17:33,052 とても貴重で 高価なものだそうです 261 00:17:33,052 --> 00:17:37,348 私には過ぎた品なので (シーリア)ああ そう 262 00:17:37,348 --> 00:17:41,060 長い間 ありがとうございました 263 00:17:41,060 --> 00:17:46,191 フン 白々しい! どんな手を使って公爵をそそのかしたのか! 264 00:17:47,734 --> 00:17:50,195 (シーリア) 分かっているとは思いますけど 265 00:17:50,195 --> 00:17:53,907 たとえ あなたに公爵家の血を引く子が生まれても 266 00:17:53,907 --> 00:17:57,911 マーシャルレイドの爵位を継ぐのは 我が子 ルイだけです 267 00:17:57,911 --> 00:18:00,914 はい 私は嫁いでいく身 268 00:18:00,914 --> 00:18:04,584 今後は ガルブレイス家のために尽くします 269 00:18:04,584 --> 00:18:10,215 ああ やだ! その取り澄ました顔 エリーズ様にそっくり 270 00:18:10,215 --> 00:18:13,218 いつもそうやって いいところを全部持っていくのよ! 271 00:18:13,218 --> 00:18:16,763 まったく 親子揃って いまいましい! 272 00:18:16,763 --> 00:18:20,934 <エリーズ… この人 お母様を知ってるの!?> 273 00:18:20,934 --> 00:18:23,394 <でも 一体どこで…> 274 00:18:23,394 --> 00:18:25,605 うん!? (シーリア)いいこと? 275 00:18:25,605 --> 00:18:31,110 もし 婚約が破棄されるようなことがあれば この家に あなたの居場所はありません 276 00:18:31,110 --> 00:18:34,239 即刻 修道院に入ってもらいます! 277 00:18:34,239 --> 00:18:36,407 肝に銘じます 278 00:18:36,407 --> 00:18:40,620 話は終わりよ ドラゴンがうるさくてかなわないわ 279 00:18:40,620 --> 00:18:43,957 さっさと行ってくださらない? はい 280 00:18:46,417 --> 00:18:48,628 (ドアが閉まる) 281 00:18:49,963 --> 00:18:52,131 ふう… 282 00:18:52,131 --> 00:18:56,803 <シーリア様が 私を疎ましく思うのは当然よね> 283 00:18:56,803 --> 00:18:59,973 <伯爵家の令嬢として すべきこともせず> 284 00:18:59,973 --> 00:19:04,978 <禁忌とされる 魔物食の研究ばかりしている娘なんて> 285 00:19:04,978 --> 00:19:07,272 <でも…> 286 00:19:07,272 --> 00:19:12,443 <最後に お母様のお話が聞けたのは 嬉しかったな> 287 00:19:14,445 --> 00:19:17,156 (グレッシェルドラゴンが鳴く) うん? 288 00:19:18,825 --> 00:19:20,827 お父様! 289 00:19:20,827 --> 00:19:24,163 おお メルフィ 支度はもういいのか? 290 00:19:24,163 --> 00:19:26,291 はい 終わりました 291 00:19:26,291 --> 00:19:29,460 ああ その外套 よく似合う 292 00:19:29,460 --> 00:19:33,172 エリーズが嫁いできたとき つけていたものだ 293 00:19:33,172 --> 00:19:35,300 お母様が? 294 00:19:35,300 --> 00:19:39,304 お母様は 南の地方からいらしたのよね? 295 00:19:39,304 --> 00:19:42,473 マーシャルレイドの冬に びっくりしたのではなくて? 296 00:19:42,473 --> 00:19:47,854 そうだな 雪を初めて見たと喜んでいたよ 297 00:19:47,854 --> 00:19:51,482 はしゃぎすぎて 来た早々 風邪をひいてしまってね 298 00:19:51,482 --> 00:19:54,193 まあ お母様ったら 299 00:19:54,193 --> 00:19:57,488 エリーズはあれでいて どこか抜けていて 300 00:19:57,488 --> 00:20:00,491 子供のようなことばかりしていた 301 00:20:00,491 --> 00:20:02,493 ああ そうか 302 00:20:02,493 --> 00:20:06,205 私は お前と そんなことすら話すことがなかったのか 303 00:20:06,205 --> 00:20:09,500 すまなかったね そんな お父様… 304 00:20:09,500 --> 00:20:11,502 (グレッシェルドラゴンが鳴く) あっ! 305 00:20:17,216 --> 00:20:20,053 迎えに来たぞ メルフィエラ 306 00:20:20,053 --> 00:20:22,221 公爵様… 307 00:20:26,351 --> 00:20:30,897 我が婚約者 ご機嫌麗しく存じ上げる 308 00:20:30,897 --> 00:20:32,899 はっ! 309 00:20:32,899 --> 00:20:36,069 どうした 顔が真っ赤だぞ だだだ… だって 公爵様が! 310 00:20:36,069 --> 00:20:39,364 私が~? もうっ からかわないでください! 311 00:20:39,364 --> 00:20:41,366 ハッハッハッ 312 00:20:41,366 --> 00:20:43,368 いや~ 公爵閣下 313 00:20:43,368 --> 00:20:47,080 よくも 私の目の前で そのようなことがおできになりますなあ 314 00:20:47,080 --> 00:20:51,918 許せ お義父上 私の婚約者があまりにもかわいくてな 315 00:20:53,252 --> 00:20:56,255 忘れ物はないな? はい! 316 00:20:56,255 --> 00:20:59,759 あれは廃棄するものか? 結構多いな 317 00:20:59,759 --> 00:21:02,261 資料にまとめ終えた走り書きとか 318 00:21:02,261 --> 00:21:06,265 紙が手に入らないときは 板に書いたりしていたので 319 00:21:06,265 --> 00:21:10,395 では 燃やしても大丈夫か? ええ まあ… 320 00:21:10,395 --> 00:21:13,398 それでは マーシャルレイド伯爵 321 00:21:13,398 --> 00:21:16,567 貴殿の娘は 私がもらい受ける 322 00:21:20,405 --> 00:21:23,950 メルフィエラ また春にな 323 00:21:23,950 --> 00:21:27,954 ああ それだが 春には戻せぬかもしれん 324 00:21:27,954 --> 00:21:31,582 そのときは秋の婚姻まで こちらで預かっておこう 325 00:21:31,582 --> 00:21:36,796 えっ? ですが 公爵家に嫁ぐのにふさわしいものを揃えるには 326 00:21:36,796 --> 00:21:40,800 よい 全て私が用意する ええっ!? 327 00:21:43,302 --> 00:21:45,805 公爵閣下 まだお話が… 328 00:21:45,805 --> 00:21:48,599 お義父上よ 心配は無用だ 329 00:21:48,599 --> 00:21:50,810 メルフィエラは私が守る 330 00:21:50,810 --> 00:21:54,313 私には それだけの地位も力もあるのだ 331 00:21:54,313 --> 00:21:59,819 ところで そこの廃棄物だが いちいち燃やすのも面倒ではないか? 332 00:21:59,819 --> 00:22:02,989 うん? 今日の私は気分がいい 333 00:22:02,989 --> 00:22:04,991 片づけてやろう 334 00:22:07,160 --> 00:22:09,829 (悲鳴) 335 00:22:09,829 --> 00:22:12,165 やりすぎです 公爵閣下! 336 00:22:12,165 --> 00:22:14,333 ハハッ すまんな 337 00:22:14,333 --> 00:22:16,335 クロードとかいったか 338 00:22:16,335 --> 00:22:18,463 お前は やはり見込みがある 339 00:22:18,463 --> 00:22:21,632 ガルブレイスに来い 席は空けておくぞ 340 00:22:21,632 --> 00:22:23,634 だ… 誰が! 341 00:22:28,181 --> 00:22:30,183 あ… 342 00:22:30,183 --> 00:22:33,186 <派手に高く燃え上がる> 343 00:22:33,186 --> 00:22:36,647 <それはまるで これからの私達の生活を> 344 00:22:36,647 --> 00:22:39,358 <祝福する花火のようだった> 345 00:22:41,027 --> 00:22:58,377 ♪♪~