1 00:00:02,002 --> 00:00:04,505 《ユミエラ:野外演習の翌日。 私は➡ 2 00:00:04,505 --> 00:00:09,343 魔物呼びの笛を吹いたことで 学園長に注意を受けた》 3 00:00:09,343 --> 00:00:14,348 (ロナルド)へぇ~ 闇属性にも 回復魔法ってあったんだ。 4 00:00:14,348 --> 00:00:18,352 (ユミエラ)はい。 腕の一本くらいなら 生えてきますよ。 5 00:00:18,352 --> 00:00:23,690 腕が生えるってのは… 経験談? 6 00:00:23,690 --> 00:00:26,026 はい。 子どもの頃➡ 7 00:00:26,026 --> 00:00:28,362 ここからズバーッとやられました。 8 00:00:28,362 --> 00:00:30,364 へぇ~…。 9 00:00:30,364 --> 00:00:34,701 《あのときは危機一髪だったなぁ。 もう少しズレていたら➡ 10 00:00:34,701 --> 00:00:37,871 なくなっていたのは 頭だったかもしれない。 11 00:00:37,871 --> 00:00:43,043 回復魔法でも さすがに頭は生えてこない…。 12 00:00:43,043 --> 00:00:45,379 生えてこないよね?》 13 00:00:45,379 --> 00:00:48,882 まぁ 私の昔話はいいですから➡ 14 00:00:48,882 --> 00:00:51,885 中央貴族の演習はどうでしたか? 15 00:00:51,885 --> 00:00:58,058 エドウィン殿下たちのレベル上げは まあまあ順調だと思うよ。 16 00:00:58,058 --> 00:01:02,663 報告によると ウィリアムくんが 前衛で突っ込んでいき➡ 17 00:01:02,663 --> 00:01:07,000 取りこぼした分を 殿下とオズワルドくんが倒したそうだ。 18 00:01:07,000 --> 00:01:11,171 ただ 魔物はすべて 彼らが倒してしまったようだ。 19 00:01:11,171 --> 00:01:15,008 これでは 他の生徒のレベルが 上がらないのだが…。 20 00:01:15,008 --> 00:01:18,845 みんな 殿下たちを 褒めたたえるばかりでね。 21 00:01:18,845 --> 00:01:21,014 アリシアさんは? 22 00:01:21,014 --> 00:01:25,519 他の参加者と同じで 一匹も魔物を倒してないよ。 23 00:01:25,519 --> 00:01:29,189 彼女自身に やる気はありそうでしたか? 24 00:01:29,189 --> 00:01:31,692 報告書だけではなんとも。 25 00:01:31,692 --> 00:01:34,194 アリシアさんに やる気があったとしても➡ 26 00:01:34,194 --> 00:01:37,698 今回は どうにも ならなかったんじゃないかな。 27 00:01:37,698 --> 00:01:39,700 殿下たちも 好きな子に➡ 28 00:01:39,700 --> 00:01:42,369 かっこいいところを 見せたかったんだろうし。 29 00:01:42,369 --> 00:01:44,538 《ああ~》 30 00:01:44,538 --> 00:01:47,874 アリシアさんには 光魔法の使い手として➡ 31 00:01:47,874 --> 00:01:50,544 強くなってもらわないと困る。 32 00:01:50,544 --> 00:01:54,214 君にも協力を頼むことが あるかもしれないね。 33 00:01:54,214 --> 00:01:58,218 わかりました。 その際はお任せください。 34 00:01:58,218 --> 00:02:02,155 《そのときは 闇属性のダンジョンに連れていこう。 35 00:02:02,155 --> 00:02:07,060 アリシアに有利な魔物しか出ないから さぞ喜ぶだろう》 36 00:02:09,997 --> 00:02:13,667 ⦅アリシア:嫌~!⦆ 37 00:02:13,667 --> 00:02:18,005 別件になるけど 王宮の魔道具開発部から➡ 38 00:02:18,005 --> 00:02:20,007 魔道具の耐久試験の➡ 39 00:02:20,007 --> 00:02:23,176 協力依頼が来ているんだが。 やります! 40 00:02:23,176 --> 00:02:27,514 <魔道具とは 魔力が込められた 魔法の道具だ。 41 00:02:27,514 --> 00:02:30,350 よろいや武器にも用いられるし➡ 42 00:02:30,350 --> 00:02:33,520 私の愛用品である 成長の護符や➡ 43 00:02:33,520 --> 00:02:36,356 魔物呼びの笛も その一つ> 44 00:02:36,356 --> 00:02:40,527 頼まれたのは この素材。 よろいに使うものだ。 45 00:02:40,527 --> 00:02:44,364 アドルフ騎士団長の 耐久テストまでは済んでいるが➡ 46 00:02:44,364 --> 00:02:47,200 それ以上のレベルで どこまで耐えられるかを。 47 00:02:47,200 --> 00:02:49,369 あ…。 あっ! 48 00:02:49,369 --> 00:02:52,372 あ~…。 49 00:02:55,709 --> 00:02:58,378 どれぐらいの力を入れたか わかるかい? 50 00:02:58,378 --> 00:03:01,381 今度から もっと意識してみます。 51 00:03:03,316 --> 00:03:06,653 《力加減の練習に いいかもしれない…》 52 00:03:06,653 --> 00:03:10,157 ビクともしないな。 53 00:04:51,358 --> 00:05:02,636 ♬~ 54 00:05:02,636 --> 00:05:04,638 (パトリック)ユミエラ! 55 00:05:04,638 --> 00:05:06,640 パトリックさん。 56 00:05:06,640 --> 00:05:10,644 学園長の用事は あれか? 昨日の演習の…。 57 00:05:10,644 --> 00:05:14,981 はい。 魔物呼びの笛を吹いた件で 叱られました。 58 00:05:14,981 --> 00:05:17,150 まぁ 当然だな。 59 00:05:17,150 --> 00:05:19,152 (ベス)パトリック! 60 00:05:19,152 --> 00:05:21,321 ちょっと教室に来てくれないか? 61 00:05:21,321 --> 00:05:25,158 みんな 次の演習でも 指揮を頼みたいって言ってるんだ。 62 00:05:25,158 --> 00:05:28,562 わかった! じゃあ 後でな。 63 00:05:30,497 --> 00:05:32,599 《信頼されているんだな…》 64 00:05:34,834 --> 00:05:36,837 <野外演習が終わってから➡ 65 00:05:36,837 --> 00:05:39,839 私のぼっち生活は少し変わった。 66 00:05:39,839 --> 00:05:43,510 パトリックが ちょくちょく話しかけて くれるようになったのだ> 67 00:05:43,510 --> 00:05:46,346 (剣術教師)では 実践演習をする。 68 00:05:46,346 --> 00:05:48,548 2人ずつ組になって。 69 00:05:54,688 --> 00:05:56,690 ユミエラ。 70 00:05:56,690 --> 00:05:59,860 相手がいないなら 俺と組まないか? 71 00:05:59,860 --> 00:06:01,962 いいんですか? 72 00:06:01,962 --> 00:06:04,965 何がだ? 73 00:06:04,965 --> 00:06:08,969 他にも組んでくれるお友達が いるでしょうに…。 74 00:06:08,969 --> 00:06:12,806 気にするな。 お前には借りがあるからな。 75 00:06:12,806 --> 00:06:15,141 ケガを治したことですか? 76 00:06:15,141 --> 00:06:17,143 それこそ気にしないでください。 77 00:06:17,143 --> 00:06:20,814 私がいなくても ポーションで回復できたでしょうし。 78 00:06:20,814 --> 00:06:24,985 そうか。 では俺は 別の誰かと組むとしよう。 79 00:06:24,985 --> 00:06:27,487 あっ やっぱり気にしてください。 80 00:06:27,487 --> 00:06:30,323 あなたのケガを治したのは私ですよ。 81 00:06:30,323 --> 00:06:34,828 ハハハハハ… その原因を 呼び寄せたのも お前だがな。 82 00:06:36,830 --> 00:06:40,500 <彼は 私がこの世界に転生してから➡ 83 00:06:40,500 --> 00:06:43,670 一番仲がよくなった人 かもしれない。 84 00:06:43,670 --> 00:06:46,673 みんなが パトリックの指示を聞いたのも➡ 85 00:06:46,673 --> 00:06:49,509 彼の人徳のおかげだろう。 86 00:06:49,509 --> 00:06:55,015 それとなぜか 彼の声は よく通る気がするのだ> 87 00:06:55,015 --> 00:06:58,184 いくぞ! ハッ! 88 00:06:58,184 --> 00:07:00,620 <パトリックの剣筋は美しい。 89 00:07:00,620 --> 00:07:05,292 パワーと反射神経任せの私とは 雲泥の差だ> 90 00:07:05,292 --> 00:07:07,294 たぁ~っ! 91 00:07:07,294 --> 00:07:10,964 ぐわっ! 92 00:07:10,964 --> 00:07:13,566 パトリック~! (ベッキー)キャ~! ああっ! 93 00:07:15,635 --> 00:07:17,804 いててて…。 94 00:07:17,804 --> 00:07:21,107 ごめんなさい ごめんなさい。 今 回復します! 95 00:07:25,478 --> 00:07:27,480 あ~…。 96 00:07:27,480 --> 00:07:30,083 あ… ありがとう 大丈夫だ。 97 00:07:32,319 --> 00:07:35,822 ごめんなさい。 お相手ありがとうございました。 98 00:07:35,822 --> 00:07:38,158 いや こちらこそ すまん。 99 00:07:38,158 --> 00:07:41,828 俺では相手にならないだろうか…。 100 00:07:41,828 --> 00:07:44,497 いえ そんなことありません。 101 00:07:44,497 --> 00:07:47,667 パトリックさんの剣技は 参考になります。 102 00:07:47,667 --> 00:07:51,504 剣の技術も学んで これ以上強くなる気か? 103 00:07:51,504 --> 00:07:54,007 お前は何と戦う気なんだ? 104 00:07:54,007 --> 00:07:58,178 え~と… 魔王とかじゃないですかね? 105 00:07:58,178 --> 00:08:02,782 魔王? 2年後に復活するという うわさは本当なのか? 106 00:08:02,782 --> 00:08:05,118 陛下に何か聞かされたのか? 107 00:08:05,118 --> 00:08:07,120 いえ 何も…。 108 00:08:07,120 --> 00:08:09,622 《ウソです。 本当は聞いています》 109 00:08:09,622 --> 00:08:13,126 エドウィン殿下が いいかげんなことを言ったか…。 110 00:08:13,126 --> 00:08:16,463 国王陛下が隠しているかの どちらかでしょうね。 111 00:08:16,463 --> 00:08:18,798 どちらも ない話ではないな。 112 00:08:18,798 --> 00:08:21,968 <魔王復活は エドウィン王子の妄想。 113 00:08:21,968 --> 00:08:24,471 それをウソと言い切れないほどに➡ 114 00:08:24,471 --> 00:08:27,807 最近の王子は よくないうわさでいっぱいだ。 115 00:08:27,807 --> 00:08:30,810 所かまわず アリシアとイチャついているせいで➡ 116 00:08:30,810 --> 00:08:33,313 人気も下がり気味だ。 117 00:08:33,313 --> 00:08:39,152 魔王復活は悪質な冗談か 妄想ではという声も多いのだ。 118 00:08:39,152 --> 00:08:44,157 その一方で 私が魔王だという うわさも下火にならない。 119 00:08:44,157 --> 00:08:48,661 野外演習の件で 再燃してきたようにも思える> 120 00:08:48,661 --> 00:08:52,499 パトリックさんは 私が魔王だと思わないのですか? 121 00:08:52,499 --> 00:08:56,836 お前が魔王なら とっくに世界は 滅亡しているだろう。 122 00:08:56,836 --> 00:08:58,838 《確かに!》 123 00:08:58,838 --> 00:09:01,107 というのは冗談だがな。 124 00:09:01,107 --> 00:09:05,311 根拠の一つに 黒髪だからと 言われているのが気に入らん。 125 00:09:07,280 --> 00:09:12,452 俺は小さい頃 髪の色が 黒に近いことを気にしてたんだ。 126 00:09:12,452 --> 00:09:16,456 親戚に黒っぽいと言われたのが きっかけでな。 127 00:09:16,456 --> 00:09:19,292 家族は気にすることはないと 言ってくれたが➡ 128 00:09:19,292 --> 00:09:22,629 俺はずっと 自分の髪が嫌いだった。 129 00:09:22,629 --> 00:09:25,465 私は白っぽいと思いますけれど。 130 00:09:25,465 --> 00:09:27,967 白か…。 131 00:09:27,967 --> 00:09:32,138 確かに ユミエラと比べればそうだろうな。 132 00:09:32,138 --> 00:09:38,478 だからこそ俺は 真っ黒な髪で 堂々としてるお前を尊敬している。 133 00:09:38,478 --> 00:09:44,317 髪の色を理由に嫌ったり 蔑んだりしないことを誓おう。 134 00:09:44,317 --> 00:09:48,154 あ… ありがとうございます。 135 00:09:48,154 --> 00:09:52,158 パトリックさんの灰色の髪は すてきだと思いますよ。 136 00:09:52,158 --> 00:09:57,063 ありがとう。 お前の黒い髪も きれいだと俺は思うぞ。 137 00:09:59,332 --> 00:10:02,001 あの もう一戦やりませんか? 138 00:10:02,001 --> 00:10:05,004 ああ 望むところだ。 139 00:10:05,004 --> 00:10:07,507 いくぞ! 140 00:10:07,507 --> 00:10:09,809 ヤー! グワッ! 141 00:10:13,680 --> 00:10:15,682 ごめんなさい。 142 00:10:15,682 --> 00:10:17,884 ごめんなさい。 ごめんなさい。 143 00:10:22,355 --> 00:10:25,525 大丈夫だ。 痛みもなくなった。 144 00:10:25,525 --> 00:10:29,362 前にも思ったが 回復魔法は心地いいな。 145 00:10:29,362 --> 00:10:32,365 見た目は悪いですけどね。 146 00:10:32,365 --> 00:10:36,870 ユミエラはすごいな。 闇魔法も堂々と使える。 147 00:10:36,870 --> 00:10:39,205 運がよかっただけですよ。 148 00:10:39,205 --> 00:10:43,209 使える魔法の属性は 生まれつきのようなものですし。 149 00:10:43,209 --> 00:10:47,380 そうではない。 俺だったら 闇魔法が使えたとしても➡ 150 00:10:47,380 --> 00:10:50,884 それを隠してしまうかも しれないと思ったんだ。 151 00:10:50,884 --> 00:10:55,889 髪のこともそうだが ユミエラは自分自身を否定しない。 152 00:10:55,889 --> 00:10:59,726 それは なかなか できることではないと 俺は思う。 153 00:10:59,726 --> 00:11:02,629 ありがとうございます。 154 00:11:07,834 --> 00:11:11,838 《思えば ゲームのキャラクターだった 「ユミエラ」について➡ 155 00:11:11,838 --> 00:11:15,174 あまり考えることがなかった》 156 00:11:15,174 --> 00:11:18,178 ⦅俺だったら 闇魔法が使えたとしても➡ 157 00:11:18,178 --> 00:11:22,182 それを隠してしまうかも しれないと思ったんだ⦆ 158 00:11:22,182 --> 00:11:24,851 《もしかしたら ゲームのユミエラも➡ 159 00:11:24,851 --> 00:11:28,688 生まれたときから 闇魔法が使えたのだろうか》 160 00:11:28,688 --> 00:11:32,859 <ユミエラは闇落ちして 闇魔法が使えるようになった➡ 161 00:11:32,859 --> 00:11:36,196 と ゲームでは説明されていたが➡ 162 00:11:36,196 --> 00:11:40,033 ストーリー上で明確なシーンはなかった。 163 00:11:40,033 --> 00:11:42,702 真実は違うのかもしれない。 164 00:11:42,702 --> 00:11:45,705 仮説だが ゲームのユミエラも➡ 165 00:11:45,705 --> 00:11:48,541 もともと闇魔法が使えるのに➡ 166 00:11:48,541 --> 00:11:51,711 それを周囲に 隠していたのだとしたら。 167 00:11:51,711 --> 00:11:54,213 堂々と光魔法を使い➡ 168 00:11:54,213 --> 00:11:57,050 周りから愛されるヒロインのことが➡ 169 00:11:57,050 --> 00:12:00,653 さぞ憎かったことだろう> 170 00:12:00,653 --> 00:12:03,323 《考えてもしかたがないか。 171 00:12:03,323 --> 00:12:05,992 この世界は この世界。 172 00:12:05,992 --> 00:12:09,295 ゲームとは違うんだから…》 173 00:12:11,497 --> 00:12:15,602 <数日後 2度目の野外演習があった> 174 00:12:20,173 --> 00:12:24,677 わかっていると思うが 魔物呼びの笛は絶対に吹くなよ。 175 00:12:24,677 --> 00:12:26,846 もうやりませんって。 176 00:12:26,846 --> 00:12:30,516 学園長にも言われましたし。 暇だからと➡ 177 00:12:30,516 --> 00:12:33,019 森を焼き払ったりするのも だめだからな。 178 00:12:33,019 --> 00:12:37,857 わかってます。 今日の私は 戦場の癒やし手ですから。 179 00:12:37,857 --> 00:12:41,561 演習は戦ではない。 180 00:12:46,032 --> 00:12:49,369 (魔法教師)今日の魔物は 前回とはタイプが違います。 181 00:12:49,369 --> 00:12:51,371 くれぐれも油断しないように! 182 00:12:53,373 --> 00:12:59,712 あ~ 暇。 ダークバインド。 183 00:12:59,712 --> 00:13:01,814 じゃんけんぽん。 184 00:13:01,814 --> 00:13:05,151 じゃんけんぽん。 185 00:13:05,151 --> 00:13:08,154 監督役 監督役…。 186 00:13:10,657 --> 00:13:13,826 《安定して 成果は出ているみたいだが…。 187 00:13:13,826 --> 00:13:16,996 前回に比べて空気が緩んでいる。 188 00:13:16,996 --> 00:13:21,167 こういうときが 一番危ない!》 うわっ。 189 00:13:21,167 --> 00:13:23,836 はいは~い 治療しますからね! 190 00:13:23,836 --> 00:13:26,506 ユミエラさんは そんなことをしなくても…。 191 00:13:26,506 --> 00:13:29,008 いえ どうせ暇なので。 192 00:13:29,008 --> 00:13:32,512 ポーションか回復魔法か 選んでください。 193 00:13:32,512 --> 00:13:34,681 (生徒たち)ポーションで! う~ん…。 194 00:13:34,681 --> 00:13:36,683 でも 魔法で治せるのに➡ 195 00:13:36,683 --> 00:13:39,686 ポーションを無駄遣いする必要は ないですよね。 196 00:13:39,686 --> 00:13:42,188 (マイルズ)だったら聞かなくても。 197 00:13:42,188 --> 00:13:44,857 回復します。 198 00:13:44,857 --> 00:13:47,060 う… うわぁ~ あ~。 199 00:13:49,195 --> 00:13:52,598 大丈夫ですよ。 これで元どおりです。 200 00:13:55,034 --> 00:14:00,306 《おかしい… ヒーラーはたいてい 人気者のはずなのに…》 201 00:14:00,306 --> 00:14:03,643 (魔法教師)は~い しばらく休憩しま~す。 202 00:14:03,643 --> 00:14:08,147 《やはり この緩んだ雰囲気は問題だ。 203 00:14:08,147 --> 00:14:10,650 レベル上げというのは もっと こう➡ 204 00:14:10,650 --> 00:14:14,821 ギリギリでなければいけないのだ…。 205 00:14:14,821 --> 00:14:17,490 となると…》 あっ。 206 00:14:17,490 --> 00:14:19,659 使うなと言ったはずだ。 207 00:14:19,659 --> 00:14:22,829 というか 危ないから 持ってくるんじゃない。 208 00:14:22,829 --> 00:14:24,831 今のほうが危ないです。 209 00:14:24,831 --> 00:14:28,167 適度な緊張感は 必要ではないですか? 210 00:14:28,167 --> 00:14:32,171 生徒の皆さんも 実力は十分にあると思います。 211 00:14:32,171 --> 00:14:35,842 レベルに応じて演習の難易度も 上げていくべきです。 212 00:14:35,842 --> 00:14:38,344 それは一理あるが…。 213 00:14:38,344 --> 00:14:41,681 一人ずつダンジョンに潜ってもらっても いいくらいです。 214 00:14:41,681 --> 00:14:43,683 それだけはありえない! 215 00:14:43,683 --> 00:14:47,353 一人でダンジョンは 頭がどうかしている! 216 00:14:47,353 --> 00:14:49,689 私の過去を全否定ですか? 217 00:14:49,689 --> 00:14:52,024 いや そんなつもりは…。 218 00:14:52,024 --> 00:14:55,027 そもそも今のやり方が 効率悪すぎです。 219 00:14:55,027 --> 00:14:59,198 低レベルの魔物を複数人で倒すなんて 無駄が多すぎる。 220 00:14:59,198 --> 00:15:03,469 もう少しレベルの高い魔物を 相手にしてもいいのでは? 221 00:15:03,469 --> 00:15:07,306 こないだは あなただって 効率が悪いって言ってたでしょ。 222 00:15:07,306 --> 00:15:09,308 いや しかし。 223 00:15:09,308 --> 00:15:11,310 別に 笛を吹かなくても➡ 224 00:15:11,310 --> 00:15:13,479 みんなが 緊張感を持ってくれたら➡ 225 00:15:13,479 --> 00:15:15,815 私としては かまわないんだけど…。 226 00:15:15,815 --> 00:15:19,152 そうだ! 違う方法ならいいよね! 227 00:15:19,152 --> 00:15:24,490 全員 私の魔法で わざとケガをして また治すのはどう? 228 00:15:24,490 --> 00:15:28,661 ケガの痛みがわかれば 引き締まった感じになると思うし。 229 00:15:28,661 --> 00:15:30,663 (生徒たち)えっ…! 230 00:15:30,663 --> 00:15:34,167 あっ 死なないくらいの加減は できると思うから 安心して。 231 00:15:34,167 --> 00:15:36,502 何言ってるんだ!? 232 00:15:36,502 --> 00:15:39,005 笛かケガか選んでください。 233 00:15:39,005 --> 00:15:41,007 (生徒たち)笛で…! 234 00:15:41,007 --> 00:15:44,677 決定。 いいでしょ パトリック。 (笛の音) 235 00:15:44,677 --> 00:15:46,879 (生徒たち)ひぃ~! 236 00:15:50,016 --> 00:15:52,852 隊列を整えろ! 迎撃準備だ! 237 00:15:52,852 --> 00:15:55,354 《やってしまった。 238 00:15:55,354 --> 00:15:58,658 敬語を忘れてた。 しかも呼び捨て…》 239 00:16:01,627 --> 00:16:04,130 隊列を崩さず 落ち着いて! 240 00:16:04,130 --> 00:16:08,634 《レベル上げに関わることなので つい熱くなってしまった。 241 00:16:08,634 --> 00:16:10,636 私は伯爵家。 242 00:16:10,636 --> 00:16:12,972 パトリックは辺境伯家。 243 00:16:12,972 --> 00:16:15,641 身分としては 彼のほうが上なのに。 244 00:16:15,641 --> 00:16:18,978 アッシュバトン辺境伯家から 嫌われたら…。 245 00:16:18,978 --> 00:16:23,482 ドルクネス伯爵家は 貴族としての立場が下がって…。 246 00:16:23,482 --> 00:16:27,820 問題ないか。 私の実家は どうせアレだし。 247 00:16:27,820 --> 00:16:31,324 ただ…。 パトリックに嫌われるのは➡ 248 00:16:31,324 --> 00:16:36,162 少し寂しいかもしれない…》 249 00:16:36,162 --> 00:16:38,331 隊列を保て! 250 00:16:38,331 --> 00:16:41,667 ふだんの練習どおりにすれば 必ず勝てる。 251 00:16:41,667 --> 00:16:46,339 《あれは… 風の魔法で 声を届けているのか》 252 00:16:46,339 --> 00:16:49,542 今だ! 後列 魔法攻撃! 253 00:16:52,011 --> 00:16:57,683 《声がよく響くのは 魔法の影響だったんだな。 254 00:16:57,683 --> 00:17:01,287 同時に 土の魔法で足場を固めている。 255 00:17:01,287 --> 00:17:04,290 私には とてもまねできない芸当だ。 256 00:17:04,290 --> 00:17:08,461 パトリックは 集団戦の天才なのかもしれない。 257 00:17:08,461 --> 00:17:12,965 彼とは このあと どう接すればいいのだろうか…》 258 00:17:16,135 --> 00:17:18,471 落ち着いたみたいだな。 259 00:17:18,471 --> 00:17:20,640 お疲れさまです。 260 00:17:20,640 --> 00:17:23,142 パトリック ありがとな! (アリス)アッシュバトンさん➡ 261 00:17:23,142 --> 00:17:25,645 かっこよかったです! 今回も助かりました! 262 00:17:34,820 --> 00:17:39,992 《パトリックと言葉を交わすことなく 学園まで戻ってきてしまった。 263 00:17:39,992 --> 00:17:45,331 このまま 嫌われて 彼との会話がなくなったとしても。 264 00:17:45,331 --> 00:17:48,834 入学した頃に 逆戻りしたと考えれば➡ 265 00:17:48,834 --> 00:17:51,170 そこまで気に病むことではない…。 266 00:17:51,170 --> 00:17:53,172 はずなのに…》 267 00:17:53,172 --> 00:17:57,343 ユミエラさん! 268 00:17:57,343 --> 00:18:00,613 はい なんでしょう アリシアさん。 269 00:18:00,613 --> 00:18:03,449 あの…。 270 00:18:03,449 --> 00:18:09,121 先日は突然 魔王扱いなんてして すみませんでした! 271 00:18:09,121 --> 00:18:13,960 私の軽率な発言で ご迷惑をおかけして…。 272 00:18:13,960 --> 00:18:18,631 《今 私の前に立つことすら 恐ろしいだろうに…。 273 00:18:18,631 --> 00:18:20,800 それでも謝罪してくるなんて➡ 274 00:18:20,800 --> 00:18:24,637 本当にいい子なんだなぁ》 275 00:18:24,637 --> 00:18:26,806 (エドウィン)アリシアに近づくな! 276 00:18:26,806 --> 00:18:30,977 聞いたぞ お前の野外演習での行動。 277 00:18:30,977 --> 00:18:33,145 魔物呼びの笛を使って➡ 278 00:18:33,145 --> 00:18:36,482 生徒を魔物の群れと 戦わせたそうじゃないか。 279 00:18:36,482 --> 00:18:38,484 事故に見せかけて➡ 280 00:18:38,484 --> 00:18:41,654 誰かを殺そうとでもしたのか? えっ? えっ? 281 00:18:41,654 --> 00:18:44,991 《少しオーバーに 伝わっているらしいな》 282 00:18:44,991 --> 00:18:47,660 それとも同級生にケガをさせて➡ 283 00:18:47,660 --> 00:18:49,996 恩着せがましく治療することで➡ 284 00:18:49,996 --> 00:18:52,665 人気を得ようとでも たくらんだのか? 285 00:18:52,665 --> 00:18:55,668 お前は 魔王ではないかもしれんが➡ 286 00:18:55,668 --> 00:18:57,670 バルシャイン王国にとって➡ 287 00:18:57,670 --> 00:19:00,272 危険な存在であることに 変わりはない。 288 00:19:00,272 --> 00:19:03,442 《やはり私は この学園で➡ 289 00:19:03,442 --> 00:19:07,113 いや この世界で異端なのだろう。 290 00:19:07,113 --> 00:19:10,616 そうまでして ここにいる必要が あるのだろうか。 291 00:19:10,616 --> 00:19:13,119 友達すらいないし…。 292 00:19:13,119 --> 00:19:16,789 でも 学園から 逃げ出したとしても➡ 293 00:19:16,789 --> 00:19:22,461 この世界のどこかに 私の居場所はあるんだろうか》 294 00:19:22,461 --> 00:19:25,264 待っていただきたい 殿下。 295 00:19:27,299 --> 00:19:29,468 パトリック・アッシュバトン。 296 00:19:29,468 --> 00:19:33,305 ユミエラが魔物呼びの笛を吹いたのは 事実です。 297 00:19:33,305 --> 00:19:37,309 ですがそれは 皆に緊張感を与えるため。 298 00:19:37,309 --> 00:19:39,812 彼女に非があったわけでは…。 299 00:19:39,812 --> 00:19:42,148 いや 非はあったような…。 300 00:19:42,148 --> 00:19:44,150 《そうだね》 301 00:19:44,150 --> 00:19:46,152 ただ ユミエラのやり方は➡ 302 00:19:46,152 --> 00:19:49,655 地方貴族の間では そこそこ好評です。 303 00:19:49,655 --> 00:19:53,826 彼女のやり方は 確かにレベル上げには最適なのです。 304 00:19:53,826 --> 00:19:56,662 国や学園の規則に反したことも していません。 305 00:19:56,662 --> 00:20:00,866 殿下には 口を出さないでいただきたい。 306 00:20:08,174 --> 00:20:10,342 ここは引き下がってやる。 307 00:20:10,342 --> 00:20:13,045 行こう アリシア。 308 00:20:20,352 --> 00:20:24,523 《めちゃくちゃ 怒ってる気がする》 309 00:20:24,523 --> 00:20:28,027 ユミエラも災難だったな。 えっ! 310 00:20:28,027 --> 00:20:30,362 あ… ありがとうございます。 311 00:20:30,362 --> 00:20:34,366 あの… 殿下にあんなこと言って 大丈夫なんですか? 312 00:20:34,366 --> 00:20:37,036 一応うちは辺境伯だからな。 313 00:20:37,036 --> 00:20:40,706 第二王子に嫌われたくらいでは なんともないさ。 314 00:20:40,706 --> 00:20:44,710 あとそれと… 怒ってますか? 315 00:20:44,710 --> 00:20:47,713 怒っているというよりは あきれているな。 316 00:20:47,713 --> 00:20:51,217 殿下には王族という 自覚が足りないのかもしれない。 317 00:20:51,217 --> 00:20:54,220 《いや エドウィンのことじゃなくて!》 318 00:20:54,220 --> 00:20:56,388 あの… ごめんなさい。 319 00:20:56,388 --> 00:20:59,058 興奮していたとはいえ 演習のとき➡ 320 00:20:59,058 --> 00:21:00,993 敬語を忘れてしまって。 321 00:21:00,993 --> 00:21:03,829 えっ? そんなことを気にしていたのか。 322 00:21:03,829 --> 00:21:08,000 中央の頭でっかちじゃあるまいし 俺は気にしないから➡ 323 00:21:08,000 --> 00:21:10,336 しゃべりやすいほうで かまわない。 324 00:21:10,336 --> 00:21:13,506 《「そんなこと」? 貴族社会において➡ 325 00:21:13,506 --> 00:21:17,009 上下関係は重要だろうに。 「そんなこと」で➡ 326 00:21:17,009 --> 00:21:19,345 片づけてしまっても いいのだろうか》 327 00:21:19,345 --> 00:21:22,014 格式ばった態度は好きじゃない。 328 00:21:22,014 --> 00:21:26,352 それより ユミエラには もっと気にすべきことが多すぎる。 329 00:21:26,352 --> 00:21:28,354 《それは納得です》 330 00:21:28,354 --> 00:21:31,690 そうだ 私に何か用でもあったの? 331 00:21:31,690 --> 00:21:35,694 ああ 演習のあと 元気がないように見えたから➡ 332 00:21:35,694 --> 00:21:39,031 気になってな。 何かあったのか? 333 00:21:39,031 --> 00:21:43,702 プチ憂うつタイムだっただけだから もう大丈夫。 334 00:21:43,702 --> 00:21:46,539 そうか ならよかった。 335 00:21:46,539 --> 00:21:49,208 教室に戻るか? 336 00:21:49,208 --> 00:21:52,711 パトリックさん。 パトリックでいい。 337 00:21:52,711 --> 00:21:57,216 パトリック… ありがとう。 338 00:21:59,385 --> 00:22:02,988 ユミエラがそんなふうに笑うのは 珍しいな。 339 00:22:02,988 --> 00:22:05,491 笑ってました? 340 00:22:07,660 --> 00:22:09,662 行くぞ。 うん。 341 00:22:09,662 --> 00:22:13,666 《できれば彼とは 友達になりたいと思う。 342 00:22:13,666 --> 00:22:19,171 でも それはきっと 高望みなんだろう》