1 00:00:02,002 --> 00:00:04,004 《アリシア:おばあちゃん お元気ですか? 2 00:00:04,004 --> 00:00:06,006 私はとっても元気です!》 3 00:00:06,006 --> 00:00:08,008 (アリシア)は~っ! 4 00:00:08,008 --> 00:00:12,679 《2学年の後半に入り 魔法もずいぶん上達しました。 5 00:00:12,679 --> 00:00:15,349 ダンジョンで手に入れた 魔石と交換して➡ 6 00:00:15,349 --> 00:00:18,852 新しい魔法の道具も 手に入れられたし! 7 00:00:18,852 --> 00:00:22,856 周りの人たちにも助けられて なんとかやってます!》 8 00:00:22,856 --> 00:00:24,858 (剣げき音) 9 00:00:27,361 --> 00:00:30,030 (エドウィン)だあっ! (オズワルド)はっ! 10 00:00:30,030 --> 00:00:32,532 ふ~っ! 11 00:00:32,532 --> 00:00:36,370 《アリシア:詳しいことは まだ言えないけど➡ 12 00:00:36,370 --> 00:00:38,538 みんなで力を合わせて➡ 13 00:00:38,538 --> 00:00:42,042 大勢の人のために 頑張るつもりです!》 14 00:00:42,042 --> 00:00:46,847 《ユミエラ:アリシアたちのレベル上げは 順調のようだ》 15 00:02:30,350 --> 00:02:33,353 (アラスター)失礼 ユミエラ・ドルクネス嬢かな? 16 00:02:33,353 --> 00:02:35,355 そうですが。 17 00:02:35,355 --> 00:02:38,525 (アラスター)私は王国の 魔道具開発部から来た者だ。 18 00:02:38,525 --> 00:02:42,195 実験に協力してほしいのだが。 19 00:02:42,195 --> 00:02:45,032 学園長には許可を取ってある。 20 00:02:45,032 --> 00:02:47,634 この部屋は 自由に使っていいそうだ。 21 00:02:50,203 --> 00:02:54,207 これは新型の魔法封じのかせでね。 22 00:02:54,207 --> 00:02:58,045 君の魔力に耐えられるか 試してみたいんだ。 23 00:02:58,045 --> 00:03:00,313 これで 魔法を使えばいいのですか? 24 00:03:00,313 --> 00:03:03,984 ああ 出力を少しずつ上げていってくれ。 25 00:03:03,984 --> 00:03:06,319 わかりました。 26 00:03:06,319 --> 00:03:08,822 んっ…。 27 00:03:08,822 --> 00:03:11,024 あ…! 28 00:03:17,831 --> 00:03:21,001 はぁ…。 これで全力です。 29 00:03:21,001 --> 00:03:23,670 すごいですね この魔道具。 30 00:03:23,670 --> 00:03:27,174 よし 今だ! (物音) 31 00:03:27,174 --> 00:03:29,342 (アラスター)さっさと殺してズラかるぞ! 32 00:03:29,342 --> 00:03:32,512 魔道具の実験なんてウソだよ! 33 00:03:32,512 --> 00:03:34,848 ここまで簡単に 引っ掛かるとはな! 34 00:03:34,848 --> 00:03:37,184 ハハハハハハハッ ハハハハ…! 35 00:03:37,184 --> 00:03:39,186 ふんっ。 36 00:03:39,186 --> 00:03:41,188 えっ? 37 00:03:41,188 --> 00:03:45,192 私は腕力も レベル99なので。 38 00:03:45,192 --> 00:03:47,194 じょ… 冗談ですよ。 39 00:03:47,194 --> 00:03:50,030 実験の協力 感謝します…。 40 00:03:50,030 --> 00:03:53,200 それは無理があるでしょう。 41 00:03:53,200 --> 00:03:55,869 うぅ…。 42 00:03:55,869 --> 00:03:59,706 (ロナルド)君を狙うなんて バカなことを考えるもんだ。 43 00:03:59,706 --> 00:04:02,976 どこの手の者だと思う? さあ…。 44 00:04:02,976 --> 00:04:07,314 レムレストか それとも どこかの国のたくらみでしょうか。 45 00:04:07,314 --> 00:04:11,651 いずれにせよ 学園内に 手引きした者がいるはずだ。 46 00:04:11,651 --> 00:04:14,154 注意するに越したことは なさそうだね。 47 00:04:14,154 --> 00:04:16,990 わかりました。 48 00:04:16,990 --> 00:04:19,493 < その2日後の夜> 49 00:04:23,997 --> 00:04:26,166 んぐっ! 50 00:04:26,166 --> 00:04:28,668 んっ? ありゃ? 51 00:04:28,668 --> 00:04:32,873 ええっと 暗殺者的な人ですよね? ヒッ! 52 00:04:34,841 --> 00:04:37,677 そんなわけで 2回も暗殺されかけたから➡ 53 00:04:37,677 --> 00:04:41,181 私に近づかないほうがいいわよ。 54 00:04:41,181 --> 00:04:43,350 どうしたの? パトリック。 55 00:04:43,350 --> 00:04:46,686 (パトリック)ユミエラは それで平気なのか? えっ? 56 00:04:46,686 --> 00:04:49,022 このとおり ピンピンしているけど。 57 00:04:49,022 --> 00:04:51,858 ユミエラが殺される心配はしていない。 58 00:04:51,858 --> 00:04:54,861 しかし 何者かに殺意を向けられて➡ 59 00:04:54,861 --> 00:04:56,863 平気なはずがないだろう…! 60 00:04:56,863 --> 00:05:01,468 《確かに 心のどこかでは 私も傷ついているかもしれない。 61 00:05:01,468 --> 00:05:06,973 でも 襲われたときの感覚は 何度も経験したような…》 62 00:05:06,973 --> 00:05:08,975 しばらく俺と一緒にいよう。 63 00:05:08,975 --> 00:05:11,311 ユミエラは何も心配することは…。 64 00:05:11,311 --> 00:05:14,481 あ…! 魔物と戦うときの感覚だ! 65 00:05:14,481 --> 00:05:16,483 魔物? 66 00:05:16,483 --> 00:05:19,820 魔物と戦うときも やるかやられるかでしょ。 67 00:05:19,820 --> 00:05:22,489 そういうのに 私は慣れてるみたい。 68 00:05:22,489 --> 00:05:25,325 いや 魔物と人では…。 69 00:05:25,325 --> 00:05:27,327 危ない! 70 00:05:29,996 --> 00:05:33,834 犯人を捕まえてくる。 パトリックは隠れてて! 71 00:05:33,834 --> 00:05:36,169 ユミエラ! 72 00:05:36,169 --> 00:05:38,171 わわっ…! 73 00:05:38,171 --> 00:05:42,342 許せない。 私一人ならともかく。 74 00:05:42,342 --> 00:05:45,512 パトリックに当たったら どうしてくれるんだ。 75 00:05:45,512 --> 00:05:47,514 ヒィ~! 76 00:05:49,849 --> 00:05:54,154 《学園にいると パトリックや 他の生徒を巻き込んでしまう》 77 00:05:56,523 --> 00:05:59,960 ⚟いくぞ~ 魔王! 78 00:05:59,960 --> 00:06:02,462 来い 勇者! 返り討ちだ! 79 00:06:02,462 --> 00:06:04,464 やあ~! 80 00:06:04,464 --> 00:06:07,133 ⚟負けるか~! とりゃ~! 81 00:06:07,133 --> 00:06:11,805 《この国では 髪の色が濃いだけで 忌み嫌われる。 82 00:06:11,805 --> 00:06:15,308 私も入学したときは そうだった。 83 00:06:15,308 --> 00:06:17,811 そのあと レベルを怪しまれたり➡ 84 00:06:17,811 --> 00:06:19,813 魔王のうわさが立ったりして➡ 85 00:06:19,813 --> 00:06:22,983 髪の色どころじゃ なくなった感もあるけど》 86 00:06:22,983 --> 00:06:26,152 みんなと遊ばないの? 87 00:06:26,152 --> 00:06:29,823 (フィル)えっ? おねえさんは? ただの通りすがり。 88 00:06:29,823 --> 00:06:32,826 どうしたの? 仲間外れにされてるの? 89 00:06:32,826 --> 00:06:34,995 そういうわけじゃないですけど➡ 90 00:06:34,995 --> 00:06:38,999 ほら僕 髪の毛がこうだから…。 91 00:06:38,999 --> 00:06:41,001 見て。 92 00:06:41,001 --> 00:06:44,671 見てのとおり 私の髪は真っ黒。 93 00:06:44,671 --> 00:06:49,843 でも友達もいるし 最近では話せる人も増えてきたわ。 94 00:06:49,843 --> 00:06:53,179 最初は避けられてたんだけどね。 95 00:06:53,179 --> 00:06:57,183 でも 少しずつ 周りとの距離が近づいてきた感じ。 96 00:06:57,183 --> 00:06:59,185 すごいですね。 97 00:06:59,185 --> 00:07:02,455 僕 友達をつくる自信なんて ないから。 98 00:07:02,455 --> 00:07:06,293 私も同じよ。 向こうから 声をかけてきてくれたの。 99 00:07:06,293 --> 00:07:11,131 私は人と仲よくするのを 半分諦めていたから。 100 00:07:11,131 --> 00:07:15,969 でも もし自分から周りの人に 近づこうとしていたら➡ 101 00:07:15,969 --> 00:07:18,805 そんなに時間は かからなかったかもしれない。 102 00:07:18,805 --> 00:07:22,142 (フィル)そうですね。 だけど…。 103 00:07:22,142 --> 00:07:26,813 お嬢さん ユミエラ・ドルクネスだな。 104 00:07:26,813 --> 00:07:29,482 えっ? 何? 105 00:07:29,482 --> 00:07:31,484 おい! あっ! 106 00:07:31,484 --> 00:07:33,486 わぁ! (子どもたち)わっ!? 107 00:07:33,486 --> 00:07:35,488 みんな危ないから離れてて。 108 00:07:35,488 --> 00:07:37,991 めんどくせえ 一斉にかかるぞ! 109 00:07:39,993 --> 00:07:41,995 (男たちの雄たけび) 110 00:07:41,995 --> 00:07:44,497 ダークバインド! (雄たけび) 111 00:07:46,499 --> 00:07:49,836 すげえ! なんだ あれ? 魔法使いか? 112 00:07:49,836 --> 00:07:51,838 あなたがリーダーですね。 113 00:07:51,838 --> 00:07:53,840 誰に依頼されたんですか? 114 00:07:53,840 --> 00:07:57,177 しっ 知らねえよ! わかりました。 115 00:07:57,177 --> 00:08:00,447 ここで残酷ショーを見せるのは 教育に悪いから➡ 116 00:08:00,447 --> 00:08:03,783 向こうでじっくり お話ししましょうか。 117 00:08:03,783 --> 00:08:05,785 ホントに知らねえんだ! 118 00:08:05,785 --> 00:08:08,288 顔も見せないヤツに 金もらって頼まれただけで! 119 00:08:08,288 --> 00:08:11,458 ウソじゃない 信じてぇ~! 120 00:08:11,458 --> 00:08:16,629 本物の魔法使いだ。 初めて見た。 あのおねえさん誰? 121 00:08:16,629 --> 00:08:21,968 知らないけど… かっこいい。 かっこいいな! 122 00:08:21,968 --> 00:08:24,637 (リタ)それから どうなったのですか? 123 00:08:24,637 --> 00:08:28,808 ちょっと脅してみたけど 本当に何も知らないようだったの。 124 00:08:28,808 --> 00:08:32,812 だから いつもどおり 兵隊さんに引き渡しておしまい。 125 00:08:34,981 --> 00:08:38,651 ねぇリタ このお茶の葉って いつものやつ? 126 00:08:38,651 --> 00:08:42,489 はい… いつもと同じものですよ。 127 00:08:42,489 --> 00:08:44,991 そう 気のせいかな。 128 00:08:44,991 --> 00:08:47,494 ねぇ 飲んでみてくれない? 129 00:08:47,494 --> 00:08:51,998 え…? あ… あの…。 130 00:08:51,998 --> 00:08:54,000 お許しください! 131 00:08:54,000 --> 00:08:56,169 やっぱり毒が入ってたのね。 132 00:08:56,169 --> 00:09:01,107 妹が… 妹が人質に取られてしかたなく…。 133 00:09:01,107 --> 00:09:03,109 どんな毒を入れたの? 134 00:09:03,109 --> 00:09:05,945 1滴で致死量だと言われました。 135 00:09:05,945 --> 00:09:08,448 それを毎回 5滴ずつ…。 136 00:09:08,448 --> 00:09:10,950 《さすがに気付けよ 私。 137 00:09:10,950 --> 00:09:13,953 いくらヒットポイントが 底なしだからって…》 138 00:09:13,953 --> 00:09:17,457 学園に暗殺者を手引きしたのも あなたね。 139 00:09:17,457 --> 00:09:20,627 は… はい。 それを指示したのは? 140 00:09:20,627 --> 00:09:25,632 旦那様… お父君のドルクネス伯爵様です。 141 00:09:25,632 --> 00:09:30,637 まあ ひょっとしたら そうかな とは思っていたけれどね。 142 00:09:30,637 --> 00:09:33,139 妹さんが人質っていうのは? 143 00:09:33,139 --> 00:09:37,977 都にある旦那様のお屋敷で 妹が働いているのです。 144 00:09:37,977 --> 00:09:40,146 どうか 妹だけは…。 145 00:09:40,146 --> 00:09:43,316 じゃあ その妹さんを 迎えに行くわよ。 146 00:09:43,316 --> 00:09:45,652 あなたも ついてきて。 147 00:09:45,652 --> 00:09:50,490 私 行ったことないんだけど ドルクネス家って どこにあるの? 148 00:09:50,490 --> 00:09:53,993 あそこです。 あの大通りの右側の。 149 00:09:57,330 --> 00:09:59,332 妹さんの居場所はわかる? 150 00:09:59,332 --> 00:10:03,002 いつもなら仕事を終えて 部屋に下がっているかと。 151 00:10:03,002 --> 00:10:05,004 わかったわ。 行きましょう。 152 00:10:07,507 --> 00:10:10,844 サラ! (ドアの開く音) 153 00:10:10,844 --> 00:10:12,846 (サラ)お姉ちゃん!? 154 00:10:12,846 --> 00:10:15,348 よかった 無事だったのね! 155 00:10:15,348 --> 00:10:17,517 えっ? どういうこと? 156 00:10:17,517 --> 00:10:21,020 あっ! もしかして ユミエラお嬢様? 157 00:10:21,020 --> 00:10:25,358 そう。 あなたは 私の両親の人質になっていたの。 158 00:10:25,358 --> 00:10:29,028 リタが私を殺さないと あなたを殺すって。 159 00:10:29,028 --> 00:10:32,198 ごめんね サラ。 これでお別れなの。 160 00:10:32,198 --> 00:10:34,701 今までありがとうね。 えっ!? 161 00:10:34,701 --> 00:10:38,037 お嬢様 責任は私一人で取ります。 162 00:10:38,037 --> 00:10:40,540 妹のことだけは どうか…。 163 00:10:40,540 --> 00:10:43,042 《いつの間に そんな話になってるの?》 164 00:10:43,042 --> 00:10:45,378 できれば 妹の見ていないところで➡ 165 00:10:45,378 --> 00:10:47,714 一思いに…。 いやいやいや➡ 166 00:10:47,714 --> 00:10:50,383 私 鬼じゃないから。 は…? 167 00:10:50,383 --> 00:10:53,219 罰を与えたりする気は ないってこと。 168 00:10:53,219 --> 00:10:55,388 あなたは脅されてたんだし➡ 169 00:10:55,388 --> 00:10:59,058 被害といえば 紅茶が おいしくなかっただけだしね。 170 00:10:59,058 --> 00:11:01,995 お嬢様! いえ ユミエラ様に➡ 171 00:11:01,995 --> 00:11:04,831 この命尽きるまでの 忠誠をささげます! 172 00:11:04,831 --> 00:11:07,333 あ… うん ありがと…。 173 00:11:07,333 --> 00:11:10,169 ちょっと用事があるから ここで待っててね。 174 00:11:10,169 --> 00:11:12,372 はい…。 175 00:11:16,509 --> 00:11:18,678 はぁ…。 176 00:11:18,678 --> 00:11:20,680 こんばんは。 177 00:11:20,680 --> 00:11:22,682 (ユミエラの父)誰だ! 178 00:11:22,682 --> 00:11:26,019 あっ ただいまって言ったほうが よかったですか? 179 00:11:26,019 --> 00:11:29,188 (ユミエラの母)ただいま? お前 まさか!? 180 00:11:29,188 --> 00:11:33,192 お初にお目にかかります。 お父様 お母様。 181 00:11:33,192 --> 00:11:37,030 あなたたちの一人娘の ユミエラですよ。 182 00:11:37,030 --> 00:11:43,202 政略結婚に利用しようとし 殺そうとした ユミエラ・ドルクネスですよ。 183 00:11:43,202 --> 00:11:45,705 《こうして会ってみて わかったが➡ 184 00:11:45,705 --> 00:11:48,541 私はそれほど両親を憎んでいない。 185 00:11:48,541 --> 00:11:51,211 もちろん 親としてはどうかと思うが➡ 186 00:11:51,211 --> 00:11:55,381 甘やかされて育っていたら 今の私はなかっただろう》 187 00:11:55,381 --> 00:11:59,218 クソッ 連中め 高い金を払ってやったのに。 188 00:11:59,218 --> 00:12:02,155 私を殺そうとしたことは 認めるのですね? 189 00:12:02,155 --> 00:12:05,491 そもそもお前が 私たちを 裏切ったのが原因だろう! 190 00:12:05,491 --> 00:12:07,827 裏切ったとは どういうことですか? 191 00:12:07,827 --> 00:12:09,829 お前が国王派の連中と➡ 192 00:12:09,829 --> 00:12:12,999 戦争の準備を進めていることは わかっているのだ! 193 00:12:12,999 --> 00:12:15,668 戦争の準備? (ユミエラの父)そうだ。 194 00:12:15,668 --> 00:12:17,670 お前も一枚かんでいるのだろう。 195 00:12:17,670 --> 00:12:21,174 元はと言えば 我ら反国王派が 考えていた計画を➡ 196 00:12:21,174 --> 00:12:24,510 かすめ取ったのだ! あなたが敵についたせいで➡ 197 00:12:24,510 --> 00:12:27,513 私たちは肩身の狭い思いを させられたのよ! 198 00:12:27,513 --> 00:12:31,017 《ははあ… 話が見えてきた。 199 00:12:31,017 --> 00:12:35,855 国王は魔王の侵攻に備えて 軍備をととのえている。 200 00:12:35,855 --> 00:12:41,027 過激派は それを他国との戦争の 準備だと勘違いしたのだろう。 201 00:12:41,027 --> 00:12:43,029 彼らはその出兵によって➡ 202 00:12:43,029 --> 00:12:46,699 国王派が勢力を増すことを 恐れているのだ。 203 00:12:46,699 --> 00:12:49,535 私は国王に気に入られている。 204 00:12:49,535 --> 00:12:53,206 反国王派からの誘いも すべて断ってきた。 205 00:12:53,206 --> 00:12:56,876 両親は 私を敵に渡すぐらいならと考え➡ 206 00:12:56,876 --> 00:13:01,147 暗殺を試みた そういうことだろう》 207 00:13:01,147 --> 00:13:03,316 他国との戦争などありません。 208 00:13:03,316 --> 00:13:06,653 私自身にも 侵略戦争をする気はありません。 209 00:13:06,653 --> 00:13:08,655 なぜだ! 手柄を立てれば➡ 210 00:13:08,655 --> 00:13:11,658 ドルクネス家は 中央での役職を手に入れられる! 211 00:13:11,658 --> 00:13:14,494 もう中央もどきなどと バカにされずに済むのよ! 212 00:13:14,494 --> 00:13:17,664 お父様 領地に帰りませんか? 213 00:13:17,664 --> 00:13:21,668 今の領地で 何か事業を興しても いいかもしれません。 214 00:13:21,668 --> 00:13:25,171 バカなことを! 領地なんかは代官に任せて➡ 215 00:13:25,171 --> 00:13:27,173 税だけを取ればいいのだ! 216 00:13:27,173 --> 00:13:30,843 お母様はどうですか? 私に田舎暮らしをしろと言うの? 217 00:13:30,843 --> 00:13:33,179 髪が黒いだけでも やっかいなのに! 218 00:13:33,179 --> 00:13:35,515 なんであなたみたいな子が 生まれたのよ! 219 00:13:35,515 --> 00:13:37,517 《この両親はだめだ。 220 00:13:37,517 --> 00:13:40,520 もとより親としては 期待していなかったが➡ 221 00:13:40,520 --> 00:13:44,691 貴族として それ以前に 人として だめすぎる》 222 00:13:44,691 --> 00:13:49,195 お父様 爵位をお譲りください。 何を言って…! 223 00:13:49,195 --> 00:13:51,197 拒否してもいいのですよ。 224 00:13:51,197 --> 00:13:53,366 跡取りは 私しかいないのですから➡ 225 00:13:53,366 --> 00:13:58,371 お父様がいなくなれば 自動的に私が伯爵です。 226 00:13:58,371 --> 00:14:00,973 だ… 誰か! 衛兵を呼べ! 227 00:14:00,973 --> 00:14:03,309 私に勝てる兵隊がいるとでも? 228 00:14:03,309 --> 00:14:05,311 実の親を脅すのか! 229 00:14:05,311 --> 00:14:09,315 実の子に暗殺者を差し向けた 人には言われたくないです。 230 00:14:09,315 --> 00:14:13,820 ユ… ユミエラ あなたには よい縁談がたくさん来ているのよ。 231 00:14:13,820 --> 00:14:16,989 大きな家へ嫁げば 幸せになれるから。 232 00:14:16,989 --> 00:14:19,158 今も十分幸せですから。 233 00:14:19,158 --> 00:14:21,494 あなたは黒い髪をしているのよ? 234 00:14:21,494 --> 00:14:23,830 普通にしていて 幸せになれるはずないじゃない。 235 00:14:23,830 --> 00:14:27,667 私の黒い髪を好きだと 言ってくれる人もいるんです。 236 00:14:27,667 --> 00:14:33,005 私の幸せを 勝手に決めつけないでください。 237 00:14:33,005 --> 00:14:36,008 ブラックホール。 238 00:14:36,008 --> 00:14:38,177 ヒッ! 選んでください。 239 00:14:38,177 --> 00:14:42,181 軟禁されるか ここで潔く死ぬか。 240 00:14:42,181 --> 00:14:45,351 《本気で命を奪う気はないけど》 241 00:14:45,351 --> 00:14:47,687 あぁ…。 242 00:14:47,687 --> 00:14:50,857 さあ どうしますか。 243 00:14:50,857 --> 00:14:53,693 わかった 言うとおりにする! 244 00:14:53,693 --> 00:14:56,195 だから 殺さないでくれ…! 245 00:14:58,698 --> 00:15:02,301 (国王)事情はわかった。 大変だったな。 246 00:15:02,301 --> 00:15:07,140 だが 領地を継ぐとは どんな心変わりがあった? 247 00:15:07,140 --> 00:15:12,145 黒髪への差別をなくせないかと 考えています。 それには➡ 248 00:15:12,145 --> 00:15:16,315 私が目立つ場所で活躍するのが 一番だと思いまして。 249 00:15:16,315 --> 00:15:20,319 なるほど。 だがそれは いばらの道だぞ。 250 00:15:20,319 --> 00:15:24,490 すぐになくすのは無理でも 少しでも軽くできたらいいのです。 251 00:15:24,490 --> 00:15:28,995 エドウィン殿下が自らの偏見を 克服されたように。 252 00:15:28,995 --> 00:15:31,497 ふむ。 253 00:15:31,497 --> 00:15:34,333 この騒ぎで 一つわかったことがあるの。 254 00:15:34,333 --> 00:15:38,004 私って どうやら人を殺すのが嫌みたい。 255 00:15:38,004 --> 00:15:40,840 だろうな。 ご両親はもちろん➡ 256 00:15:40,840 --> 00:15:43,843 暗殺者も命を取らずに 捕らえているし。 257 00:15:43,843 --> 00:15:49,182 強さは人間の限界を極めたけれど 人の心は ちゃんとあったのね。 258 00:15:49,182 --> 00:15:52,685 たま~に心配だったけど ホッとしたわ。 259 00:15:52,685 --> 00:15:57,023 俺は ユミエラは誰より人間らしいと 思っていたぞ。 260 00:15:57,023 --> 00:16:00,126 しかし よく伯爵になる決心をしたな。 261 00:16:00,126 --> 00:16:03,462 ええ ある男の子がきっかけでね。 262 00:16:03,462 --> 00:16:05,631 男!? どこの誰だ!? 263 00:16:05,631 --> 00:16:07,633 10歳くらいの子どもよ。 264 00:16:07,633 --> 00:16:11,971 黒っぽい髪を引け目に感じて 独りぼっちでいたの。 265 00:16:11,971 --> 00:16:14,974 10歳… そうか。 266 00:16:14,974 --> 00:16:18,644 それで 世の中 丸ごと 変えなきゃなって思って。 267 00:16:18,644 --> 00:16:21,314 苦労してる人は たくさんいると思うし。 268 00:16:21,314 --> 00:16:24,317 ならば 俺もできるかぎり力になろう。 269 00:16:24,317 --> 00:16:27,987 ありがとう。 それで 相談なんだけどね。 270 00:16:27,987 --> 00:16:29,989 な… なんだ。 271 00:16:29,989 --> 00:16:33,659 私は レベルだけは高いけれど 世間知らずだし➡ 272 00:16:33,659 --> 00:16:36,662 そばで力になってくれる人が 必要なの。 273 00:16:36,662 --> 00:16:38,664 伯爵になったからには➡ 274 00:16:38,664 --> 00:16:41,667 跡継ぎのことだって 考えなくてはならないし。 275 00:16:41,667 --> 00:16:45,171 あ… 跡継ぎ。 そうだな 確かに。 276 00:16:45,171 --> 00:16:48,174 だからね… あなたに私の…。 277 00:16:48,174 --> 00:16:52,011 う… うん。 私の…。 278 00:16:52,011 --> 00:16:54,514 養子になってほしいの! ズコッ! 279 00:16:54,514 --> 00:16:57,516 あなた次男だから 家を継がなくていいでしょ。 280 00:16:57,516 --> 00:16:59,519 養子は嫌だ! 281 00:16:59,519 --> 00:17:04,290 そう… パトリックと家族になれたら うれしいなって思ったんだけど➡ 282 00:17:04,290 --> 00:17:08,127 やっぱり嫌だったわよね。 そうは言ってないだろ! 283 00:17:08,127 --> 00:17:11,464 だったらどうして… そうか! 284 00:17:11,464 --> 00:17:14,300 大丈夫 私はすぐに隠居するし➡ 285 00:17:14,300 --> 00:17:16,969 パトリックのお嫁さんを イビったりしないから! 286 00:17:16,969 --> 00:17:18,971 ん…。 んっ? 287 00:17:20,973 --> 00:17:23,809 <季節が変わり 収穫の時期➡ 288 00:17:23,809 --> 00:17:26,646 バルシャイン王国の建国祭が催され➡ 289 00:17:26,646 --> 00:17:30,983 国王はこの機会に 魔王復活の発表を行った> 290 00:17:30,983 --> 00:17:34,820 間もなく いにしえの魔王が復活する。 291 00:17:34,820 --> 00:17:40,993 復活と同時に 魔王は魔物の軍勢を 我が国に向かわせるであろう。 292 00:17:40,993 --> 00:17:43,162 だが心配はいらぬ。 293 00:17:43,162 --> 00:17:47,166 このときに備え すでに万全の準備を整えている。 294 00:17:47,166 --> 00:17:49,502 魔物の軍勢に対しては➡ 295 00:17:49,502 --> 00:17:53,506 騎士団長アドルフが 全軍の総指揮官を務める。 296 00:17:53,506 --> 00:17:55,675 そして魔王の討伐には➡ 297 00:17:55,675 --> 00:18:00,446 第二王子エドウィン率いる 少数精鋭の部隊が向かう。 298 00:18:00,446 --> 00:18:04,784 (拍手) 299 00:18:04,784 --> 00:18:08,788 《とうとう表舞台に 立つことになってしまった。 300 00:18:08,788 --> 00:18:13,125 でも これで少しでも 黒髪への差別が減らせるなら➡ 301 00:18:13,125 --> 00:18:15,127 それも悪くはないだろう》 302 00:18:15,127 --> 00:18:18,130 こんなところにいたのか。 303 00:18:18,130 --> 00:18:20,633 パトリック? どうしてここに。 304 00:18:20,633 --> 00:18:23,803 窓からユミエラが見えたから来てみた。 305 00:18:23,803 --> 00:18:26,639 あんな遠くから よく見つけられたわね。 306 00:18:26,639 --> 00:18:28,641 気付かれたか。 307 00:18:28,641 --> 00:18:30,643 実は レベル60になったんだ。 308 00:18:30,643 --> 00:18:32,812 それで遠目もきくようになった。 309 00:18:32,812 --> 00:18:36,816 60!? って アドルフ騎士団長と同じじゃない! 310 00:18:36,816 --> 00:18:41,487 そのとおりだ。 もうしばらく 隠しておくつもりだったんだがな。 311 00:18:41,487 --> 00:18:44,490 あ… 最近 学園にいなかったのって。 312 00:18:44,490 --> 00:18:47,493 暇さえあれば ダンジョンに潜っていた。 313 00:18:47,493 --> 00:18:50,663 あとは成長の護符の力も大きいな。 314 00:18:50,663 --> 00:18:54,166 ちょっと! 守護の護符を つけないと危ないじゃない! 315 00:18:54,166 --> 00:18:58,004 いや これをつけるべきだと 言ったのは ユミエラだろう? 316 00:18:58,004 --> 00:19:00,940 確かに言ったけど それでもだめ! 317 00:19:00,940 --> 00:19:03,275 パトリックに何かあったら 私が…。 318 00:19:03,275 --> 00:19:05,444 お前が むちゃなことをするたびに➡ 319 00:19:05,444 --> 00:19:08,447 俺も同じ気持ちに なってたんだからな。 320 00:19:08,447 --> 00:19:11,784 あっ それは… ごめん。 321 00:19:11,784 --> 00:19:14,954 これから むちゃは控えるようにするわ。 322 00:19:14,954 --> 00:19:18,457 わかってくれたか よかった。 323 00:19:18,457 --> 00:19:22,461 《でも 私が今までにした むちゃなことって 何?》 324 00:19:22,461 --> 00:19:25,965 ユミエラ 頼みがある。 325 00:19:25,965 --> 00:19:28,801 俺を魔王討伐に 同行させてくれないか。 326 00:19:28,801 --> 00:19:32,138 それはだめ。 やはり まだ力不足か? 327 00:19:32,138 --> 00:19:37,476 じゃなくて あなたが力を最大限に 発揮するのは 集団戦だと思う。 328 00:19:37,476 --> 00:19:40,980 だから 魔物の軍勢と戦ってほしいの。 329 00:19:40,980 --> 00:19:43,983 私はそっちまで手が回らないし。 330 00:19:43,983 --> 00:19:46,819 そうか… わかった。 331 00:19:46,819 --> 00:19:48,821 あとね。 332 00:19:48,821 --> 00:19:52,158 魔王を倒した男女は なんて呼ばれるか知ってる? 333 00:19:52,158 --> 00:19:55,161 ああ 勇者と聖女になるのか。 334 00:19:55,161 --> 00:19:58,664 私と二人で 新しい国をつくるつもりなら➡ 335 00:19:58,664 --> 00:20:00,666 一緒に戦ってもいいけれど。 336 00:20:00,666 --> 00:20:03,169 いや さすがにごめんだな。 337 00:20:03,169 --> 00:20:07,173 ユミエラが王妃になりたいのなら 力を貸してもいいが。 338 00:20:07,173 --> 00:20:10,843 嫌に決まってるじゃない。 だろうな。 339 00:20:10,843 --> 00:20:14,680 なんで パトリックは そんなにレベル上げを急いだの? 340 00:20:14,680 --> 00:20:17,016 魔王復活に備えて? 341 00:20:17,016 --> 00:20:20,019 ユミエラが…。 私が? 342 00:20:20,019 --> 00:20:23,022 ユミエラよりも強くなりたかったんだ。 343 00:20:23,022 --> 00:20:25,524 どうして? あっ やっぱり➡ 344 00:20:25,524 --> 00:20:28,694 いつも授業とかで負けてるのが 悔しかったとか? 345 00:20:28,694 --> 00:20:32,031 あっ でもほら 人の価値って 強さだけじゃないから…。 346 00:20:32,031 --> 00:20:35,868 いつか ダンスを誘ったヤツに 言ってただろう。 347 00:20:35,868 --> 00:20:39,205 「自分より強い男が好みだ」って。 348 00:20:39,205 --> 00:20:41,607 え…。 349 00:20:43,709 --> 00:20:48,380 あの… あれはお断りのための でっちあげというか➡ 350 00:20:48,380 --> 00:20:51,550 本気でそんなことは 思っていないのだけれど…。 351 00:20:51,550 --> 00:20:54,553 たぶん そうだろうとは思っていた。 352 00:20:54,553 --> 00:20:57,556 ただ ユミエラのそばに立つには➡ 353 00:20:57,556 --> 00:21:00,659 それなりの強さが必要だと思って。 354 00:21:02,828 --> 00:21:04,830 そろそろ花火の時間だな。 355 00:21:04,830 --> 00:21:08,501 あのね パトリック じゃんけんをしましょう。 356 00:21:08,501 --> 00:21:11,837 はっ? はい じゃ~んけん。 357 00:21:11,837 --> 00:21:13,839 (2人)ぽん。 358 00:21:13,839 --> 00:21:17,510 急になんだ? 暗くて 勝敗がわからないのだが…。 359 00:21:17,510 --> 00:21:22,014 パトリックの勝ち。 じゃんけんは あなたのほうが強いのね。 360 00:21:22,014 --> 00:21:27,319 私 やっぱり 自分より強い人が好きだから…。 361 00:21:33,359 --> 00:21:36,862 (打ち上げ花火の音) 362 00:21:36,862 --> 00:21:42,168 《パトリック 暗闇で見えないなんてウソでしょ》 363 00:21:45,371 --> 00:21:47,373 <学年が変わる頃➡ 364 00:21:47,373 --> 00:21:50,876 侵攻してくる魔物の軍勢が 確認された。 365 00:21:50,876 --> 00:21:53,379 ついに魔王が復活したのだ。 366 00:21:53,379 --> 00:21:55,548 王立学園からも➡ 367 00:21:55,548 --> 00:21:58,884 レベルが高い生徒が選抜されて 軍に加わった。 368 00:21:58,884 --> 00:22:00,986 思ったより数が多いのは➡ 369 00:22:00,986 --> 00:22:03,489 効率的なレベル上げが できたからだろう。 370 00:22:03,489 --> 00:22:05,658 もっとも この人は➡ 371 00:22:05,658 --> 00:22:09,328 魔法の成績も残念なので 留守番である。 372 00:22:09,328 --> 00:22:14,667 そして私たち討伐部隊は 魔王の本拠地へと向かった> 373 00:22:14,667 --> 00:22:17,169 《いよいよ決戦だ》