1 00:00:02,002 --> 00:00:04,004 (ユミエラ)ブラックホール! 2 00:00:12,346 --> 00:00:16,850 <学園の上空に ブラックホールを出現させた翌日➡ 3 00:00:16,850 --> 00:00:22,055 私は国王陛下に謁見するため 王城に来ていた> 4 00:02:09,830 --> 00:02:13,834 ⚟国王陛下 ユミエラ・ドルクネス嬢です。 5 00:02:18,005 --> 00:02:20,340 ドルクネス… 中央もどき…。 黒髪…。 6 00:02:20,340 --> 00:02:22,342 レベル99なんて 本当なのか? 7 00:02:22,342 --> 00:02:25,345 でも ブラックホールを出現させたのは 本当らしい…。 8 00:02:25,345 --> 00:02:27,347 不気味ね…。 9 00:02:34,187 --> 00:02:38,592 ⚟ユミエラ・ドルクネス 頭を上げよ。 10 00:02:42,696 --> 00:02:46,033 (国王)ユミエラ・ドルクネス嬢。 はい。 11 00:02:46,033 --> 00:02:49,870 学園で何があったかは 私も把握している。 12 00:02:49,870 --> 00:02:53,874 愚息や学園の教師たちが 無礼な行いをしたようだ。 13 00:02:53,874 --> 00:02:55,876 すまなかった。 14 00:02:55,876 --> 00:02:58,712 陛下が! 頭を下げられた! (どよめき) 15 00:02:58,712 --> 00:03:02,649 い… いえ。 私が常識外れなことをして➡ 16 00:03:02,649 --> 00:03:05,318 周りに迷惑をおかけしました。 17 00:03:05,318 --> 00:03:08,655 いや そなたの力を確かめもせず➡ 18 00:03:08,655 --> 00:03:13,326 一方的な決めつけで糾弾するのは 道理が通らないことだ。 19 00:03:13,326 --> 00:03:18,165 しかし こんなきゃしゃなご令嬢の レベルが99とは➡ 20 00:03:18,165 --> 00:03:21,001 信じがたいのも また事実。 21 00:03:21,001 --> 00:03:23,170 そこで。 22 00:03:23,170 --> 00:03:28,508 我が騎士団の団長アドルフに 真偽の判断をさせようと思う。 23 00:03:28,508 --> 00:03:32,679 彼の言葉なら皆も納得するだろう。 24 00:03:32,679 --> 00:03:37,350 《アドルフ騎士団長。 王国最強とうたわれる騎士。 25 00:03:37,350 --> 00:03:40,854 レベルは たしか60ほど。 26 00:03:40,854 --> 00:03:43,190 ゲームで魔王戦の適正レベルが➡ 27 00:03:43,190 --> 00:03:46,193 60~70であったことを考えると➡ 28 00:03:46,193 --> 00:03:48,528 その強さがわかる》 29 00:03:48,528 --> 00:03:51,698 (アドルフ)人類の最高到達点に 敬意を払い➡ 30 00:03:51,698 --> 00:03:55,702 私の全力の一撃を披露しよう。 31 00:03:55,702 --> 00:03:57,704 《えっ いきなり? 32 00:03:57,704 --> 00:03:59,973 これは反撃してもいいのだろうか。 33 00:03:59,973 --> 00:04:04,144 私は陛下に戦えとも 攻撃を防げとも言われていない。 34 00:04:04,144 --> 00:04:08,815 ここは… おじぎでごまかす!》 35 00:04:08,815 --> 00:04:11,618 あっ…。 あっ! 36 00:04:13,653 --> 00:04:17,657 今の一撃に対応できる者は 騎士団にもいません。 37 00:04:17,657 --> 00:04:21,161 しかも よけ方を考える 余裕もあったようです。 38 00:04:21,161 --> 00:04:24,498 レベル99というのは間違いないかと。 39 00:04:24,498 --> 00:04:26,500 (どよめき) 40 00:04:26,500 --> 00:04:29,169 ユミエラ嬢 すまなかった。 41 00:04:29,169 --> 00:04:31,671 陛下の命令には逆らえんのでな。 42 00:04:33,840 --> 00:04:36,176 見事だ ユミエラ嬢。 43 00:04:36,176 --> 00:04:38,845 魔法も 見せてもらえないだろうか? 44 00:04:38,845 --> 00:04:40,847 はい。 45 00:04:40,847 --> 00:04:42,849 では失礼します。 46 00:04:42,849 --> 00:04:45,051 シャドウランス。 47 00:04:49,189 --> 00:04:51,191 (どよめき) 48 00:04:51,191 --> 00:04:54,194 ほう 闇魔法とは珍しい。 49 00:04:57,697 --> 00:04:59,866 どうかな 宮廷魔導師長。 50 00:04:59,866 --> 00:05:05,138 闇魔法は邪悪な魔物が 用いるという話もあるようだが。 51 00:05:05,138 --> 00:05:07,641 (魔導師長)お答えいたしましょう。 52 00:05:07,641 --> 00:05:12,813 闇魔法は 四大属性や光属性と同じように➡ 53 00:05:12,813 --> 00:05:15,815 1つの属性にすぎませぬ。 54 00:05:15,815 --> 00:05:20,320 光属性と同様 非常に強力ではありますが➡ 55 00:05:20,320 --> 00:05:26,159 どう用いるかは 他の属性と同じく 使い手次第ですじゃ。 56 00:05:26,159 --> 00:05:30,163 闇属性の使い手は 少のうございます。 57 00:05:30,163 --> 00:05:34,668 見た目とともに悪い想像を 膨らませてしまう向きも➡ 58 00:05:34,668 --> 00:05:36,670 あったのでしょうな。 59 00:05:36,670 --> 00:05:40,173 ふむ。 人は見慣れず よくわからないものを➡ 60 00:05:40,173 --> 00:05:42,175 恐れるということか。 61 00:05:42,175 --> 00:05:47,180 黒髪が忌み嫌われるのも 同じような理由なのかもしれんな。 62 00:05:47,180 --> 00:05:51,518 《あ… この発言は私のために してくれているのか。 63 00:05:51,518 --> 00:05:54,020 大変にありがたい》 64 00:05:54,020 --> 00:05:59,526 ユミエラ嬢 世界初であろう 高みへの到達 見事であった。 65 00:05:59,526 --> 00:06:03,463 して そこまで至る過程について 聞きたいのだが。 66 00:06:03,463 --> 00:06:06,967 はい。 特別なことはしておりません。 67 00:06:06,967 --> 00:06:10,470 領地の森で魔物を倒し 資金を手に入れてから➡ 68 00:06:10,470 --> 00:06:14,307 成長の護符を身につけ 一人でダンジョンに潜り➡ 69 00:06:14,307 --> 00:06:18,478 魔物呼びの笛を吹きつつ 魔物を倒し続けただけです。 70 00:06:18,478 --> 00:06:21,648 守護の護符を持たず…! ダンジョンに一人で…! 71 00:06:21,648 --> 00:06:25,318 なおかつ 魔物呼びの笛を使う!? 普通死ぬぞ!? 72 00:06:25,318 --> 00:06:29,155 アドルフ お前はまねできるか? 73 00:06:29,155 --> 00:06:32,492 護符は1度に1つしか 装備できません。 74 00:06:32,492 --> 00:06:35,829 となれば 致命傷を防ぐことのできる➡ 75 00:06:35,829 --> 00:06:38,164 守護の護符は手放せませんし…。 76 00:06:38,164 --> 00:06:43,003 一人でいるときに魔物を呼ぶなど 恐ろしくてできませんな。 77 00:06:43,003 --> 00:06:45,672 《えっ!? これぐらい普通でしょ?》 78 00:06:45,672 --> 00:06:47,674 (せきばらい) 79 00:06:47,674 --> 00:06:50,844 ユミエラ・ドルクネスよ その力➡ 80 00:06:50,844 --> 00:06:53,346 王国の剣として 振るってもらいたい。 81 00:06:55,515 --> 00:06:58,184 はい。 陛下の臣下の一人として➡ 82 00:06:58,184 --> 00:07:02,289 バルシャイン王国の 盾となる所存でございます。 83 00:07:02,289 --> 00:07:08,628 あいわかった。 国の危険の際には 力を振るってもらおう。 84 00:07:08,628 --> 00:07:14,134 では そなたの前人未到の偉業に 褒美を取らせたいと思う。 85 00:07:14,134 --> 00:07:17,971 希望があれば遠慮なく言うがよい。 86 00:07:17,971 --> 00:07:23,143 爵位も領地も 国宝級の宝も用意しよう。 87 00:07:23,143 --> 00:07:25,979 王族に迎え入れることも やぶさかではない。 88 00:07:25,979 --> 00:07:29,649 《それは王家の誰かと 結婚させるという意味か。 89 00:07:29,649 --> 00:07:32,319 ずいぶん気前のいい話だけれど➡ 90 00:07:32,319 --> 00:07:37,490 私を国に縛るための 鎖を用意したいのだろうな。 91 00:07:37,490 --> 00:07:42,495 でも 私が求めているのは 絶対的な平穏!》 92 00:07:42,495 --> 00:07:46,666 思ってもいなかったお言葉 ありがたき幸せです。 93 00:07:46,666 --> 00:07:50,670 国と身の回りが平和で 衣食住が足りていれば➡ 94 00:07:50,670 --> 00:07:53,006 あとは なんの望みもありません。 95 00:07:53,006 --> 00:07:59,179 そうか。 そなたの平穏のために 尽力することを誓おう。 96 00:07:59,179 --> 00:08:01,281 《すみません 陛下。 97 00:08:01,281 --> 00:08:06,953 私は何かが嫌になったら 国外に逃げる腹づもりです。 98 00:08:06,953 --> 00:08:11,624 そのあとなぜか 私は王妃様の部屋に招かれた》 99 00:08:11,624 --> 00:08:16,796 (王妃)ユミエラさん よく来てくれました。 100 00:08:16,796 --> 00:08:21,301 ここは非公式の場だから あまり かしこまらないでいいのよ。 101 00:08:21,301 --> 00:08:25,138 はい。 お招きいただき ありがとうございます。 102 00:08:25,138 --> 00:08:29,309 この部屋の会話が 外に漏れることはありません。 103 00:08:29,309 --> 00:08:33,146 あまり人には聞かせられない話も しますからね。 104 00:08:33,146 --> 00:08:35,315 《早く帰りたい予感!》 105 00:08:35,315 --> 00:08:38,651 フフ… そんなに警戒しないでちょうだい。 106 00:08:38,651 --> 00:08:42,155 陛下も私も あなたのことを 気に入っているのよ。 107 00:08:42,155 --> 00:08:44,491 ありがとうございます。 108 00:08:44,491 --> 00:08:48,828 ユミエラさんは 権力を持つのを 面倒に思っているみたいね。 109 00:08:48,828 --> 00:08:51,164 でも 頭が切れるようだし➡ 110 00:08:51,164 --> 00:08:54,834 もしあなたが 野心家だったらと想像すると➡ 111 00:08:54,834 --> 00:08:56,836 ぞっとするわ。 112 00:08:56,836 --> 00:09:01,441 あの… どうしてそこまで 信用していただけるのですか? 113 00:09:01,441 --> 00:09:06,112 欲のないふりをして 王族に近づく 貴族も多いですからね。 114 00:09:06,112 --> 00:09:09,616 しぜんと 違いがわかるようになったのよ。 115 00:09:11,785 --> 00:09:14,454 では 本題に入りましょうか。 116 00:09:14,454 --> 00:09:19,793 これは王族と ごく一部の貴族しか 知らない情報なのだけれど。 117 00:09:19,793 --> 00:09:23,129 2年後に魔王が復活します。 118 00:09:23,129 --> 00:09:28,802 ユミエラさん あなたに 魔王討伐に協力してほしいの。 119 00:09:28,802 --> 00:09:33,139 魔王って… 伝説にある あの魔王のことですか? 120 00:09:33,139 --> 00:09:36,810 ええ。 魔王を倒した初代国王が➡ 121 00:09:36,810 --> 00:09:41,314 魔王の復活と その時期を 予言してくださっていたのです。 122 00:09:41,314 --> 00:09:45,318 《王室は魔王が復活することを 知っていたのか…》 123 00:09:45,318 --> 00:09:49,489 私たちは エドウィンを中心とした 少数精鋭の部隊で➡ 124 00:09:49,489 --> 00:09:52,325 魔王を討ち取る計画を 立てています。 125 00:09:52,325 --> 00:09:56,830 魔王を倒すのは 民を導く王家の義務ですから。 126 00:09:56,830 --> 00:10:01,000 王立学園の中にも 才能のある生徒がいます。 127 00:10:01,000 --> 00:10:03,002 育成が順調にいけば➡ 128 00:10:03,002 --> 00:10:06,673 生徒の中からも 討伐隊を出せるかもしれません。 129 00:10:06,673 --> 00:10:10,009 《光魔法が使えるアリシアを 入学させたのも➡ 130 00:10:10,009 --> 00:10:13,680 魔王の討伐隊への参加を 想定してのこと…。 131 00:10:13,680 --> 00:10:19,185 そういえばゲームでも エドウィンが 学園の思惑を調べてたっけ》 132 00:10:19,185 --> 00:10:21,187 わかりました。 133 00:10:21,187 --> 00:10:23,356 もちろん協力させていただきます。 134 00:10:23,356 --> 00:10:25,358 《もともと いざとなったら➡ 135 00:10:25,358 --> 00:10:28,194 自分で魔王を退治する つもりだったし》 136 00:10:28,194 --> 00:10:30,530 ありがとう ユミエラさん。 137 00:10:30,530 --> 00:10:33,700 ただ こんなことを言うのは 申し訳ないのだけれど➡ 138 00:10:33,700 --> 00:10:36,202 あなたが 魔王を倒してしまうのは➡ 139 00:10:36,202 --> 00:10:39,372 王国としては 喜ばしいことではないのよ。 140 00:10:39,372 --> 00:10:43,710 それは王家の正統性が 揺らぐということですか? 141 00:10:43,710 --> 00:10:46,212 そう。 先ほども言ったとおり➡ 142 00:10:46,212 --> 00:10:49,549 魔王を倒すのは 王家の者でなければなりません。 143 00:10:49,549 --> 00:10:54,387 でなければ 国を統治する資格が 疑われますからね。 144 00:10:54,387 --> 00:10:57,557 そうだわ ユミエラさん。 聖女として➡ 145 00:10:57,557 --> 00:11:01,160 エドウィンと結婚する気はないかしら? 嫌です。 146 00:11:01,160 --> 00:11:03,830 《ハッ しまった 反射的に本音が…》 147 00:11:03,830 --> 00:11:08,668 すみません 失礼を…。 フフ かまいませんよ。 148 00:11:08,668 --> 00:11:14,173 でも 魔王討伐まで2年ありますし 気長に考えてみてください。 149 00:11:16,176 --> 00:11:18,845 目下の問題は ユミエラさんを➡ 150 00:11:18,845 --> 00:11:22,182 己の派閥に引き込もうとする 貴族たちですね。 151 00:11:22,182 --> 00:11:25,351 派閥 ですか。 ええ。 152 00:11:25,351 --> 00:11:30,023 この王国には 国王派と 反国王派の2つの派閥があって➡ 153 00:11:30,023 --> 00:11:33,359 それが争いの火種に なるかもしれないのです。 154 00:11:33,359 --> 00:11:36,529 反国王派は過激派とも呼ばれ➡ 155 00:11:36,529 --> 00:11:39,866 ヒルローズ公爵を筆頭とした 貴族たちです。 156 00:11:39,866 --> 00:11:43,536 彼らは現状に不満のある 貴族たちの集まりで➡ 157 00:11:43,536 --> 00:11:46,039 その不満解消の手段として➡ 158 00:11:46,039 --> 00:11:49,375 他国への侵略戦争を 提言しています。 159 00:11:49,375 --> 00:11:51,878 また 中央もどき➡ 160 00:11:51,878 --> 00:11:54,380 中央の役職がないにも かかわらず➡ 161 00:11:54,380 --> 00:11:56,716 常に王都にいる地方貴族は➡ 162 00:11:56,716 --> 00:12:00,653 ほとんどが反国王派 つまり過激派です。 163 00:12:00,653 --> 00:12:03,823 ドルクネス家も例外ではありません。 164 00:12:03,823 --> 00:12:06,993 《ということは 両親はおそらく➡ 165 00:12:06,993 --> 00:12:10,163 ヒルローズ公爵の 言いなりなのだろうな》 166 00:12:10,163 --> 00:12:14,167 私の実家から ヒルローズ家の 婚約者になるように言われたら➡ 167 00:12:14,167 --> 00:12:16,169 どうすればよいでしょう? 168 00:12:16,169 --> 00:12:20,840 ドルクネス家には ユミエラさんの籍を 移さないよう王命を出します。 169 00:12:20,840 --> 00:12:24,677 でも 期限は3年間が 限界だと思います。 170 00:12:24,677 --> 00:12:28,014 ありがとうございます。 それで十分です。 171 00:12:28,014 --> 00:12:32,018 《実家との関係は 卒業までになんとかしよう》 172 00:12:32,018 --> 00:12:36,522 反国王派 特にヒルローズ家には 近づかないように。 173 00:12:36,522 --> 00:12:40,360 それと レベル99の者が 現れたということで➡ 174 00:12:40,360 --> 00:12:42,362 他国も 黙ってはいないでしょうから➡ 175 00:12:42,362 --> 00:12:45,365 気をつけてください。 わかりました。 176 00:12:45,365 --> 00:12:48,701 学園にも 陛下の手の者を派遣します。 177 00:12:48,701 --> 00:12:51,871 何かあったら 相談してくださいね。 178 00:12:51,871 --> 00:12:54,040 (鐘の音) 179 00:12:54,040 --> 00:12:57,710 (リタ)おかえりなさいませ。 あの…。 180 00:12:57,710 --> 00:13:01,648 レベル99の件で 国王陛下に謁見されたとか。 181 00:13:01,648 --> 00:13:04,984 ええ。 王妃様とお茶してきたわ。 182 00:13:04,984 --> 00:13:08,821 旦那様から お見合い写真が届いていますが…。 183 00:13:08,821 --> 00:13:11,824 中央貴族の名家ばかりだそうです。 184 00:13:11,824 --> 00:13:14,827 それよりも 紅茶いれてくれない? 185 00:13:14,827 --> 00:13:16,996 王妃様からのお土産よ。 186 00:13:16,996 --> 00:13:19,832 一人じゃ食べきれないし リタも食べる? 187 00:13:19,832 --> 00:13:24,337 こっ これは! 一流パティスリーのスイーツ! 188 00:13:24,337 --> 00:13:26,839 早速 お茶の準備をしますねっ! 189 00:13:30,176 --> 00:13:32,512 見事な少女だ。 190 00:13:32,512 --> 00:13:36,683 まさか15歳で レベル99に到達するとは…。 191 00:13:36,683 --> 00:13:40,353 私は レベルに上限があったことすら 知りませんでした。 192 00:13:40,353 --> 00:13:44,857 魔導師長によれば まだ未確認の仮説らしい。 193 00:13:44,857 --> 00:13:49,862 だが ユミエラ嬢のレベルが これ以上 上がらないようなら間違いない。 194 00:13:49,862 --> 00:13:53,366 たぶん あの子は 強くなるしかなかったんです。 195 00:13:53,366 --> 00:13:56,035 両親とも疎遠のようですし➡ 196 00:13:56,035 --> 00:13:59,706 あの黒髪も 周りに いとわれたことでしょう。 197 00:13:59,706 --> 00:14:03,309 誰にも愛されず 誰にも頼れなくて…。 198 00:14:03,309 --> 00:14:07,480 それでも 周りを恨んだりしない 本当に強い子です。 199 00:14:07,480 --> 00:14:11,150 他の貴族の取り込み工作が 始まるだろう。 200 00:14:11,150 --> 00:14:15,488 学園の環境を整えねばなるまいな。 ええ。 201 00:14:15,488 --> 00:14:18,491 ユミエラさんが望んでいるのは 平穏です。 202 00:14:18,491 --> 00:14:20,493 同年代のお友達ができて➡ 203 00:14:20,493 --> 00:14:23,830 この国に愛着を持ってくれれば いいのですけど…。 204 00:14:23,830 --> 00:14:25,832 うむ…。 205 00:14:27,834 --> 00:14:30,002 < お城に呼ばれてから1週間。 206 00:14:30,002 --> 00:14:34,173 私を見る周囲の目は 劇的に変わった。 207 00:14:34,173 --> 00:14:36,676 私を遠巻きにしていたクラスメートも➡ 208 00:14:36,676 --> 00:14:39,679 少しずつ 話しかけてくれるようになった> 209 00:14:39,679 --> 00:14:42,181 (アリス)ユミエラさん おはようございます。 210 00:14:42,181 --> 00:14:44,183 (ベッキー)今日もお早いですね。 211 00:14:44,183 --> 00:14:46,352 おはようございます。 212 00:14:46,352 --> 00:14:48,354 《今までは会話の通じない➡ 213 00:14:48,354 --> 00:14:50,690 危ないヤツだと 思われていたようだが…》 214 00:14:50,690 --> 00:14:54,360 (シルク)その後 国王陛下から お誘いはないのですか? 215 00:14:54,360 --> 00:14:57,196 (ディーバ)王妃様からお土産を 頂いたと聞きましたけど➡ 216 00:14:57,196 --> 00:14:59,699 本当でして? え… ええ…。 217 00:14:59,699 --> 00:15:03,102 (ディーバ/シルク)わぁ! (ベッキー/アリス)すごいですわ。 218 00:15:05,638 --> 00:15:09,809 < こんな感じで アリシアとは相変わらずである> 219 00:15:09,809 --> 00:15:12,478 《王子たちに関しては…》 220 00:15:12,478 --> 00:15:15,982 (エドウィン)悪かった。 行くぞ。 221 00:15:15,982 --> 00:15:17,984 (ウィリアム)チッ…。 222 00:15:17,984 --> 00:15:19,986 《という具合だ。 223 00:15:19,986 --> 00:15:23,089 たぶん 国王夫妻から 叱られたのだろう》 224 00:15:25,158 --> 00:15:27,994 < そして 何よりの変化は これ> 225 00:15:27,994 --> 00:15:29,996 《あちこちの貴族の子息から➡ 226 00:15:29,996 --> 00:15:32,665 やたらと 呼び出されるようになったのだ》 227 00:15:32,665 --> 00:15:37,336 そうして! 周辺諸国を 植民地として支配するのだ! 228 00:15:37,336 --> 00:15:40,506 君は敵国の軍を 壊滅させるだけでいい! 229 00:15:40,506 --> 00:15:44,010 あとの政治的なことは 夫の僕に任せてくれ! 230 00:15:44,010 --> 00:15:46,846 < こんなふうに口説かれる毎日。 231 00:15:46,846 --> 00:15:50,683 国王派は比較的 つきあいやすい人たちが多かった。 232 00:15:50,683 --> 00:15:53,186 軽く世間話をするくらいで➡ 233 00:15:53,186 --> 00:15:56,355 表立って 政治的な話をすることはない。 234 00:15:56,355 --> 00:16:00,460 一方 過激な反国王派の人たちは 積極的に➡ 235 00:16:00,460 --> 00:16:03,462 私を取り込もうとしてきた。 こんなふうに> 236 00:16:03,462 --> 00:16:07,633 そして 最終的には この大陸のすべてを支配するんだ。 237 00:16:07,633 --> 00:16:09,635 すばらしいだろう? 238 00:16:09,635 --> 00:16:14,640 <彼はこの1週間で出会った 反国王派の中でも一番に強烈だ> 239 00:16:14,640 --> 00:16:17,810 君にとっても 悪い話ではないはずだ。 240 00:16:17,810 --> 00:16:20,980 黒髪の君が 僕の妻になれるのだから。 241 00:16:20,980 --> 00:16:23,816 ドレスや宝石も 好きなだけ買ってあげよう。 242 00:16:23,816 --> 00:16:25,818 お断りします。 243 00:16:25,818 --> 00:16:29,989 私 自分より強い人が好きなので。 くっ…! 244 00:16:29,989 --> 00:16:32,158 《これは ここ数日で私が編み出した➡ 245 00:16:32,158 --> 00:16:34,994 結婚お断りの必殺技である》 246 00:16:34,994 --> 00:16:38,331 今の時代は 腕っぷしの強さ だけでは やってけないよ。 247 00:16:38,331 --> 00:16:43,002 大事なのは頭のよさだ。 その点では僕は優秀だよ。 248 00:16:43,002 --> 00:16:45,004 《通じなかったか…》 249 00:16:45,004 --> 00:16:47,340 では私も 軍の相手をしたり➡ 250 00:16:47,340 --> 00:16:49,509 反乱分子を 押さえつけたりなどの➡ 251 00:16:49,509 --> 00:16:51,510 荒っぽいことは しないようにしますね。 252 00:16:51,510 --> 00:16:53,679 い… いや! 君みたいに➡ 253 00:16:53,679 --> 00:16:56,682 戦うしか能のない人間は 何も考えず 僕みたいな➡ 254 00:16:56,682 --> 00:16:59,685 優秀な人間の言うことを 聞いていればいいんだ! 255 00:16:59,685 --> 00:17:01,954 優秀な人間と言いますが➡ 256 00:17:01,954 --> 00:17:04,457 あなたは学年首席で いらっしゃいますか? 257 00:17:04,457 --> 00:17:08,628 うっ…! 人の優劣は テストの点数で決まるわけでは…。 258 00:17:08,628 --> 00:17:12,798 大陸を支配すると言いますが その管理は誰がするのです? 259 00:17:12,798 --> 00:17:16,302 もちろん僕だ。 統治には自信がある。 260 00:17:16,302 --> 00:17:20,473 大陸全土を統治するということは この国を統治する王家を➡ 261 00:17:20,473 --> 00:17:22,808 支配下に置く ということですよね? 262 00:17:22,808 --> 00:17:24,810 えっ? つまり➡ 263 00:17:24,810 --> 00:17:28,648 バルシャイン王家に対して 反逆する ということになりますよね。 264 00:17:28,648 --> 00:17:30,650 い… いや 違っ…。 265 00:17:30,650 --> 00:17:36,656 この国の法律では 反逆罪は死刑となっていますね。 266 00:17:36,656 --> 00:17:38,824 この話は 聞かなかったことにします。 267 00:17:38,824 --> 00:17:42,662 ですが どこかで会話を聞いていた 人がいるかもしれませんし➡ 268 00:17:42,662 --> 00:17:46,499 私と接触するのは 以後控えたほうがよろしいかと。 269 00:17:46,499 --> 00:17:51,170 私といるだけで あらぬ疑いを かけられるかもしれませんよ? 270 00:17:51,170 --> 00:17:55,007 だ… 誰にも言うんじゃないぞ! 271 00:17:55,007 --> 00:17:57,009 《さっさと部屋に戻ろう。 272 00:17:57,009 --> 00:18:00,613 うろうろしてると ろくなことが…》 273 00:18:00,613 --> 00:18:05,451 (エレノーラ)ユミエラさん! よかったわ あなたを捜していたのよ。 274 00:18:05,451 --> 00:18:08,287 エレノーラ・ヒルローズ様。 275 00:18:08,287 --> 00:18:10,289 《ついに来たか…》 276 00:18:10,289 --> 00:18:13,459 <バルシャイン王国 唯一の公爵家➡ 277 00:18:13,459 --> 00:18:18,798 反国王派の筆頭 ヒルローズ家の一人娘 エレノーラ。 278 00:18:18,798 --> 00:18:23,636 彼女は新入生ながら すでに 学園の女子生徒の頂点に君臨し➡ 279 00:18:23,636 --> 00:18:27,306 暴君のように振る舞っているとも うわさされている。 280 00:18:27,306 --> 00:18:30,977 ゲームのユミエラは エレノーラに気に入られるために➡ 281 00:18:30,977 --> 00:18:33,145 アリシアに悪さを仕掛け➡ 282 00:18:33,145 --> 00:18:35,982 それが闇落ちする きっかけになったのだった。 283 00:18:35,982 --> 00:18:38,150 王妃様の忠告もあるし➡ 284 00:18:38,150 --> 00:18:40,987 できれば 関わりたくない相手だったが…> 285 00:18:40,987 --> 00:18:42,989 会えてよかったわ。 286 00:18:42,989 --> 00:18:46,158 わたくし ぜひあなたと お話がしたかったの。 287 00:18:46,158 --> 00:18:48,995 《ものすごく 私の苦手なタイプ…》 288 00:18:48,995 --> 00:18:51,330 これからの予定 空いてますわよね? 289 00:18:51,330 --> 00:18:53,332 ぜひ お茶会にいらして! 290 00:18:53,332 --> 00:18:57,336 《むげに断れば それはそれで 面倒なことになりかねない》 291 00:18:57,336 --> 00:19:00,840 はい。 暇を持て余していたところです。 292 00:19:02,942 --> 00:19:04,944 《ろくに人づきあいを してこなかった➡ 293 00:19:04,944 --> 00:19:09,782 おしゃれオンチ 流行オンチの私に 女子会が可能なのか? 294 00:19:09,782 --> 00:19:11,784 否! 295 00:19:11,784 --> 00:19:14,453 だが私にだって 雑談くらいできるのだ。 296 00:19:14,453 --> 00:19:17,289 見よ! 雑談 三種の神器!》 297 00:19:17,289 --> 00:19:19,625 ユミエラさん。 《くる!》 298 00:19:19,625 --> 00:19:24,463 わたくし 香水は絶対 パルフェウのものと決めてますの。 299 00:19:24,463 --> 00:19:26,465 そうなんですか。 300 00:19:26,465 --> 00:19:29,635 創業者の理念に 感銘を受けましたのよ。 301 00:19:29,635 --> 00:19:31,637 すごいですね。 302 00:19:31,637 --> 00:19:34,473 彼が一番初めに 香水を作ったときのエピソードが➡ 303 00:19:34,473 --> 00:19:36,809 とてもロマンチックですの。 304 00:19:36,809 --> 00:19:39,979 もっと詳しく聞かせて下さい。 305 00:19:39,979 --> 00:19:43,149 《ちなみに話の内容は 一切頭に入っていない! 306 00:19:43,149 --> 00:19:46,652 ゲームでは学園の女王というぐらいの 位置づけで➡ 307 00:19:46,652 --> 00:19:50,656 出番は少なめだったけど こんなにおしゃべりだったとは。 308 00:19:50,656 --> 00:19:53,993 見た目は 私より よっぽど悪役令嬢っぽい。 309 00:19:53,993 --> 00:19:56,996 声高々に配役ミスを主張したい。 310 00:19:56,996 --> 00:20:00,166 しかし 彼女は こんな話をするために➡ 311 00:20:00,166 --> 00:20:04,170 私を呼び出したのだろうか? 312 00:20:04,170 --> 00:20:06,172 いよいよ本題か…》 313 00:20:06,172 --> 00:20:08,674 ユミエラ・ドルクネスさん。 314 00:20:08,674 --> 00:20:11,343 エドウィン様のことは諦めなさい! 315 00:20:11,343 --> 00:20:13,345 は…? 316 00:20:13,345 --> 00:20:16,515 エドウィン殿下 ですか? ええ。 317 00:20:16,515 --> 00:20:20,519 そうすれば わたくしのグループに 入ることを許して差し上げますわ。 318 00:20:20,519 --> 00:20:23,689 え~… っと。 319 00:20:23,689 --> 00:20:25,691 とぼけないでちょうだい! 320 00:20:25,691 --> 00:20:27,693 あなたが陛下に エドウィン様との婚約を➡ 321 00:20:27,693 --> 00:20:29,862 提案されたことは 知っているのよ! 322 00:20:29,862 --> 00:20:32,531 あなたは エドウィン様に ふさわしくありませんわ! 323 00:20:32,531 --> 00:20:34,533 わたくしを 敵に回したくなかったら➡ 324 00:20:34,533 --> 00:20:36,535 おとなしく身を引きなさい! 325 00:20:36,535 --> 00:20:39,705 《それを言うべきなのは 私ではなく➡ 326 00:20:39,705 --> 00:20:42,541 いつもエドウィンといる アリシアなのでは?》 327 00:20:42,541 --> 00:20:46,879 殿下との婚約については ご遠慮する旨を伝えていますので。 328 00:20:46,879 --> 00:20:49,381 ウソよ! 謁見のあと 王妃様に会って➡ 329 00:20:49,381 --> 00:20:52,051 エドウィン様と結婚したいと 言ったのでしょう!? 330 00:20:52,051 --> 00:20:54,720 いえ 違います。 その証拠に➡ 331 00:20:54,720 --> 00:20:57,389 1週間たっても 何も発表はないでしょう? 332 00:20:57,389 --> 00:21:00,493 ンッ… 確かにそうね。 333 00:21:00,493 --> 00:21:02,661 あなたは身の程を わきまえているようだし➡ 334 00:21:02,661 --> 00:21:06,832 いいですわ。 エドウィン様に 近づかないと誓うのなら➡ 335 00:21:06,832 --> 00:21:10,169 わたくしのお友達になることを 許してあげますわ! 336 00:21:10,169 --> 00:21:13,839 ありがたいお誘いなのですが そのお話もご遠慮したく…。 337 00:21:13,839 --> 00:21:15,841 えっ! どうして…! 338 00:21:15,841 --> 00:21:19,011 ハッ! まさか 興味ないふりをしているだけで➡ 339 00:21:19,011 --> 00:21:21,514 本当はエドウィン様を 狙っているのですわね!? 340 00:21:21,514 --> 00:21:23,516 《めんどくさっ!》 341 00:21:23,516 --> 00:21:26,519 エドウィン殿下には 私よりもずっと➡ 342 00:21:26,519 --> 00:21:29,522 ふさわしい方がいらっしゃいます。 えっ? 343 00:21:29,522 --> 00:21:34,693 それはエレノーラ様です。 殿下と とてもお似合いだと思いますよ。 344 00:21:34,693 --> 00:21:38,364 まあ…! あなたは見る目がありますわね。 345 00:21:38,364 --> 00:21:42,034 わたくしは エドウィン様とダンスを したことが何回もあるのですわよ。 346 00:21:42,034 --> 00:21:44,703 ダンスのときのエドウィン様は とてもすてきで➡ 347 00:21:44,703 --> 00:21:47,373 もう本当に紳士なんですの。 《チョロい。 348 00:21:47,373 --> 00:21:50,676 私に接触してきたのは 王子のためだったのか》 349 00:21:57,049 --> 00:21:59,385 あの ユミエラさん。 350 00:21:59,385 --> 00:22:01,654 ご一緒のテーブル よろしくて? 351 00:22:01,654 --> 00:22:05,157 あ… はい。 ここ いいですか? 352 00:22:05,157 --> 00:22:07,660 どうぞ。 353 00:22:10,663 --> 00:22:14,333 (アリシア)ユミエラさん… あなたが魔王なんですか? 354 00:22:14,333 --> 00:22:17,036 えっ?