1 00:00:00,886 --> 00:00:04,790 (アン・シャーリー)<クイーン学院での学生生活を 終えた あたしは➡ 2 00:00:04,790 --> 00:00:07,259 英文学の成績が評価され➡ 3 00:00:07,259 --> 00:00:10,629 奨学金を受けられることになりました。➡ 4 00:00:10,629 --> 00:00:13,632 マシュウとマリラも とても喜んでくれて➡ 5 00:00:13,632 --> 00:00:16,435 大学に進学する準備をするために➡ 6 00:00:16,435 --> 00:00:20,272 グリーン・ゲイブルズに戻った ある夏の朝> 7 00:00:20,272 --> 00:00:23,042 (焼く音) (煮込む音) 8 00:00:23,042 --> 00:00:25,010 (焼く音) 9 00:00:25,010 --> 00:00:29,815 (マリラ・カスバート)私たちも年だし アンがいてくれて ほんとに助かるよ。 10 00:00:29,815 --> 00:00:32,384 (ドアが開く音) おはよう マシュウ。 11 00:00:32,384 --> 00:00:35,688 (マシュウ・カスバート)おはよう アン。 12 00:00:35,688 --> 00:00:38,057 はい。 ん? ん…。 13 00:00:38,057 --> 00:00:43,262 どう? うん おいしいよ とても。 うん。 14 00:00:44,964 --> 00:00:48,400 料理って こんなに楽しいものだったのね。 15 00:00:48,400 --> 00:00:50,636 (マリラ)そうかい? ええ。 16 00:00:50,636 --> 00:00:53,372 下宿先のキッチンは 使いづらくて。 17 00:00:53,372 --> 00:00:58,510 (マリラ)それなら 夏休みの間 料理は全部 アンに任せようかね。 18 00:00:58,510 --> 00:01:00,446 お安い御用よ。 ん? 19 00:01:00,446 --> 00:01:02,748 んっ…! 張り切って作らせていただきますわ。 20 00:01:02,748 --> 00:01:04,683 (マシュウ)うぅっ… うっ…!➡ 21 00:01:04,683 --> 00:01:06,719 うっ… ううっ…。 あ… マシュウ? 22 00:01:06,719 --> 00:01:09,521 どうしたの? 気分が…。 23 00:01:16,929 --> 00:01:18,897 (倒れる音) (皿が割れる音) 24 00:01:18,897 --> 00:01:21,166 マシュウ! 25 00:01:21,166 --> 00:01:23,135 (マリラ)マシュウ! マシュウ! マシュウ! マシュウ⁉ 26 00:01:23,135 --> 00:01:25,337 アン ジェリーに 医者を呼んでくるように言っとくれ。 27 00:01:25,337 --> 00:01:27,873 うん。 バーリーさんと それから レイチェルにも! 28 00:01:27,873 --> 00:01:29,975 わかったわ! (マリラ)マシュウ! 29 00:01:31,610 --> 00:01:34,880 心の声 嫌だ… 嫌だ…➡ 30 00:01:34,880 --> 00:01:36,815 嫌だああ! 31 00:01:36,815 --> 00:01:46,058 ♬~ 32 00:01:46,058 --> 00:01:50,729 ♬「未来が読めなくてよかった」 33 00:01:50,729 --> 00:01:53,265 ♬「有り得やしないことでも」 34 00:01:53,265 --> 00:01:55,200 ♬「好きに書けるから」 35 00:01:55,200 --> 00:01:59,071 ♬「心が読めなくてよかった」 36 00:01:59,071 --> 00:02:01,340 ♬「息遣いひとつ」 37 00:02:01,340 --> 00:02:03,575 ♬「愛しいと気付く」 38 00:02:03,575 --> 00:02:08,113 ♬「おしゃべりな草も 気まぐれな雲も」 39 00:02:08,113 --> 00:02:13,318 ♬「生まれた理由とか 多分知らないけど」 40 00:02:13,318 --> 00:02:15,254 ♬「教えてくれた」 41 00:02:15,254 --> 00:02:19,124 ♬「世界はおもしろいこと」 42 00:02:19,124 --> 00:02:22,528 ♬「まだこれからも」 43 00:02:22,528 --> 00:02:24,963 ♬「ここで待ってるよ」 44 00:02:24,963 --> 00:02:27,232 ♬「ねえ待ってるよ」 45 00:02:27,232 --> 00:02:31,470 ♬「夢は照れ屋でかくれんぼが上手」 46 00:02:31,470 --> 00:02:33,939 ♬「目を瞑ってるよ」 47 00:02:33,939 --> 00:02:36,275 ♬「あぁ、まだだよ?」 48 00:02:36,275 --> 00:02:39,745 ♬「あなたにも会わせたいから」 49 00:02:39,745 --> 00:02:43,048 ♬「ここで待ってるよ」 50 00:02:43,048 --> 00:02:45,284 ♬「ねぇ待ってるよ」 51 00:02:45,284 --> 00:02:49,555 ♬「楽しみなことなら いくつでも」 52 00:02:49,555 --> 00:02:52,057 ♬「数え待ってるよ」 53 00:02:52,057 --> 00:02:54,360 ♬「あなたは太陽」 54 00:02:54,360 --> 00:02:56,361 ♬「迎えにきてくれる」 55 00:02:56,361 --> 00:02:59,932 ♬「そんな予感だけをずっと持ってるよ」 56 00:02:59,932 --> 00:03:04,536 ♬~ 57 00:03:07,239 --> 00:03:11,343 ♬~ 58 00:03:21,787 --> 00:03:25,124 (レイチェル・リンド)ああ…。 59 00:03:25,124 --> 00:03:27,126 おお マリラ➡ 60 00:03:27,126 --> 00:03:31,930 もう… どうすることも できませんよ。 61 00:03:31,930 --> 00:03:34,800 まさか… まさか マシュウが…。 62 00:03:34,800 --> 00:03:37,269 (リンド夫人)そうなんだよ アン。➡ 63 00:03:37,269 --> 00:03:40,205 そうだと思うんですよ…。 64 00:03:40,205 --> 00:03:43,075 (医者)急激に 死が訪れ➡ 65 00:03:43,075 --> 00:03:45,344 苦痛は なかったでしょう。➡ 66 00:03:45,344 --> 00:03:48,080 何かしらのショックだと思われます。➡ 67 00:03:48,080 --> 00:03:50,582 では…。 68 00:03:54,853 --> 00:03:56,922 (ドアの開閉音) 69 00:03:56,922 --> 00:03:59,158 う… うっ…➡ 70 00:03:59,158 --> 00:04:01,660 ううっ… 兄さん… ああ…。 71 00:04:01,660 --> 00:04:03,629 (エリザ・バーリー)マリラ…。 72 00:04:03,629 --> 00:04:07,533 (マリラの泣き声) 73 00:04:11,336 --> 00:04:16,508 (茎を切る音) 74 00:04:16,508 --> 00:04:24,016 ♬~ 75 00:04:24,016 --> 00:04:27,786 (ハーモン・アンドリュース)そうか… そんな突然に…。 76 00:04:27,786 --> 00:04:32,257 アン…。大丈夫。 気をしっかりね。 77 00:04:32,257 --> 00:04:36,528 ♬~ 78 00:04:36,528 --> 00:04:38,897 (マリラ)でも…。 (リンド夫人)そうだよね。 (バーリー夫人)それじゃあ…。 79 00:04:38,897 --> 00:04:42,301 (ノック) (ダイアナ・バーリー)入るわよ? 80 00:04:45,804 --> 00:04:50,242 アン。 今夜は一緒にいましょうか? 81 00:04:50,242 --> 00:04:56,815 ありがとう ダイアナ。 でも 今は 一人にしておいてほしいの。 82 00:04:56,815 --> 00:04:59,585 マシュウが死んでしまうなんて…。 83 00:04:59,585 --> 00:05:02,588 まだ 本当のことに思えなくて…。 84 00:05:02,588 --> 00:05:06,592 ただ 黙って 静かにして 考えてみたいのよ。 85 00:05:08,293 --> 00:05:12,731 …下にいるから 必要な時は声をかけてね。 86 00:05:12,731 --> 00:05:15,634 ええ…。 87 00:05:15,634 --> 00:05:36,922 ♬~ 88 00:05:36,922 --> 00:05:38,857 あ…! 89 00:05:38,857 --> 00:05:43,362 わしの娘じゃないか。 90 00:05:43,362 --> 00:05:46,231 はっ! 91 00:05:46,231 --> 00:05:50,235 回想 (マシュウ)わしの自慢の娘じゃないか。 92 00:05:52,137 --> 00:05:54,873 (嗚咽) 93 00:05:54,873 --> 00:05:57,142 ⚟(アンの泣き声) あ…。 94 00:05:57,142 --> 00:06:01,046 ⚟(アンの泣き声) 95 00:06:01,046 --> 00:06:07,653 (泣き声) 96 00:06:07,653 --> 00:06:10,289 …さあ 泣くのはおよし。 97 00:06:10,289 --> 00:06:13,292 泣いても マシュウは戻ってきやしないよ。 98 00:06:13,292 --> 00:06:16,728 (泣き声) 99 00:06:16,728 --> 00:06:20,532 (マリラ)そんなに泣いたって なんにもなりゃしないさ。 100 00:06:20,532 --> 00:06:22,568 泣く方がいいわ…! 101 00:06:22,568 --> 00:06:26,805 胸が痛くて苦しくて たまらないより…。 102 00:06:26,805 --> 00:06:31,143 ああ マリラ… マシュウが もう いないなんて…。 103 00:06:31,143 --> 00:06:35,847 あたしたち これから どうすれば…。 104 00:06:35,847 --> 00:06:38,116 いいかい アン。 105 00:06:38,116 --> 00:06:42,721 あんたには私がいて 私には あんたがいるよ。 106 00:06:42,721 --> 00:06:46,258 (アンの泣き声) (マリラ)あんたが この家に来ていなければ➡ 107 00:06:46,258 --> 00:06:50,128 私は まったく 途方に暮れていただろうね…。➡ 108 00:06:50,128 --> 00:06:53,765 私は あんたに きつく あたってたかもしれない。➡ 109 00:06:53,765 --> 00:06:55,801 でも だからって➡ 110 00:06:55,801 --> 00:06:59,571 マシュウほど愛していなかったなんて 思わないでおくれ。 111 00:06:59,571 --> 00:07:04,843 こういう時でないと 素直になれないだろうから 言っておくよ。 112 00:07:04,843 --> 00:07:07,412 (アンの泣き声) (マリラ)あんたのことは➡ 113 00:07:07,412 --> 00:07:10,682 実の子のように いとおしく思っているよ。➡ 114 00:07:10,682 --> 00:07:15,988 あんたは 私のよろこびであり 心の慰めなんだよ。 115 00:07:15,988 --> 00:07:41,279 ♬~ 116 00:07:41,279 --> 00:07:47,352 マシュウがいなくなって… たまらなく寂しいです ミセス・アラン。 117 00:07:47,352 --> 00:07:50,889 それなのに 庭で 小さなつぼみを見つけると➡ 118 00:07:50,889 --> 00:07:55,427 まるで 何もなかったみたいに嬉しくて 心が躍るんです。 119 00:07:55,427 --> 00:07:58,930 今日も ダイアナが おかしなことを言うので➡ 120 00:07:58,930 --> 00:08:01,600 つい 笑ってしまいました。 121 00:08:01,600 --> 00:08:05,070 今は 笑うべき時ではないのに…。 122 00:08:05,070 --> 00:08:09,875 (アラン夫人)…マシュウは あなたの笑い声が好きだったでしょう? 123 00:08:09,875 --> 00:08:12,611 はい。 (アラン夫人)あなたが➡ 124 00:08:12,611 --> 00:08:17,315 小さなことにも楽しみを見つけることを とても 喜んでいたでしょう? 125 00:08:17,315 --> 00:08:19,284 そうです。 126 00:08:19,284 --> 00:08:22,988 小さな つぼみが あなたを癒やしてくれるのなら➡ 127 00:08:22,988 --> 00:08:25,791 心を閉ざす必要は ないのよ。➡ 128 00:08:25,791 --> 00:08:29,227 楽しみましょう。 この世界を。➡ 129 00:08:29,227 --> 00:08:31,930 マシュウの分まで。 はい。 130 00:08:31,930 --> 00:08:34,700 今日 マシュウの お墓の隣に➡ 131 00:08:34,700 --> 00:08:37,202 白いバラを植えてきたんです。 132 00:08:37,202 --> 00:08:42,607 マシュウは 白いスコッチローズが 一番 好きだったから…。 133 00:08:42,607 --> 00:08:47,012 天国にも 白いバラがあるといいのに…。 134 00:08:47,012 --> 00:08:50,749 きっと… あるわ。 135 00:08:50,749 --> 00:08:53,018 白いバラたちが➡ 136 00:08:53,018 --> 00:08:56,888 天国で マシュウを 出迎えてくれているでしょうか。 137 00:08:56,888 --> 00:08:59,791 (アラン夫人) そう 信じましょう。 138 00:09:03,195 --> 00:09:06,231 ただいま~ マリラ。 139 00:09:06,231 --> 00:09:08,834 (マリラ)おかえり アン。 140 00:09:12,971 --> 00:09:17,075 スイカズラかい? そうよ。 141 00:09:17,075 --> 00:09:20,812 こうすると ほのかに香りが漂って➡ 142 00:09:20,812 --> 00:09:23,381 心地いいのよ。 143 00:09:23,381 --> 00:09:26,218 甘くて いい香りだね。➡ 144 00:09:26,218 --> 00:09:29,621 さっき スペンサー先生がいらしてね➡ 145 00:09:29,621 --> 00:09:33,492 明日 目のお医者様が 町に来るそうだよ。 146 00:09:33,492 --> 00:09:36,762 よかったわ。 是非 診てもらうべきよ。 147 00:09:36,762 --> 00:09:39,731 だから 明日は あんた一人で➡ 148 00:09:39,731 --> 00:09:42,100 家にいなくては ならないんだけど…。 149 00:09:42,100 --> 00:09:45,103 ええ ダイアナに来てもらうわ。 150 00:09:45,103 --> 00:09:50,809 大丈夫よ。 もう いちご水とワインを 間違えたりしないから。 151 00:09:50,809 --> 00:09:52,811 うふふふっ。 152 00:09:52,811 --> 00:09:57,048 あのころの あんたときたら とんでもないことばかり やらかして。 153 00:09:57,048 --> 00:09:58,984 ふふふっ。 あはは…。 154 00:09:58,984 --> 00:10:03,155 髪の毛を緑色に染めたこと 覚えてるかい? 155 00:10:03,155 --> 00:10:05,223 もちろんよ。 156 00:10:05,223 --> 00:10:08,960 赤毛のことを あんなに気にしていたなんて…。 157 00:10:08,960 --> 00:10:11,863 でも あのころの あたしにとっては➡ 158 00:10:11,863 --> 00:10:14,132 大問題だったのよ。 159 00:10:14,132 --> 00:10:19,471 今では 赤毛も そばかすも 大して気にならなくなったわ。 160 00:10:19,471 --> 00:10:22,174 (マリラ)まったくね。 161 00:10:23,942 --> 00:10:28,814 ♬~ 162 00:10:28,814 --> 00:10:31,516 (鳥のさえずり) 163 00:10:35,053 --> 00:10:37,022 (ため息) 164 00:10:37,022 --> 00:10:40,859 あ… おかえりなさい マリラ。 165 00:10:40,859 --> 00:10:44,629 さっきまで ダイアナが来てくれてたのよ。 166 00:10:44,629 --> 00:10:46,965 ああ… そうかい。 167 00:10:46,965 --> 00:10:51,770 大丈夫? 疲れたのね。 少し 横になる? 168 00:10:51,770 --> 00:10:54,773 ああ… いや どうかねえ…。 169 00:10:54,773 --> 00:11:00,478 眼科の先生に診てもらったんでしょう? なんて おっしゃってたの…? 170 00:11:00,478 --> 00:11:04,115 …もう 読書も裁縫も➡ 171 00:11:04,115 --> 00:11:06,618 目に 負担が かかることは➡ 172 00:11:06,618 --> 00:11:09,454 一切 やめなさいと おっしゃったよ。 173 00:11:09,454 --> 00:11:12,891 あ…。 (マリラ)泣くのも良くないそうだよ。➡ 174 00:11:12,891 --> 00:11:16,228 先生の勧める 眼鏡をかければ➡ 175 00:11:16,228 --> 00:11:19,231 これ以上 悪くなるのは 止められるけど…➡ 176 00:11:19,231 --> 00:11:21,700 もし そうしなければ➡ 177 00:11:21,700 --> 00:11:24,936 半年のうちに 目が見えなくなるだろうって。 178 00:11:24,936 --> 00:11:28,173 目が 見えなくなるんだよ アン。 179 00:11:28,173 --> 00:11:33,578 そんな…。 マリラ 先生は 希望を与えてくださったのよ。 180 00:11:33,578 --> 00:11:35,513 大事にしていれば…。 181 00:11:35,513 --> 00:11:38,149 これが希望だなんて 言えるのかね…。 182 00:11:38,149 --> 00:11:40,852 マシュウが 亡くなったばかりなのに➡ 183 00:11:40,852 --> 00:11:43,288 泣くのが いけないなんて…➡ 184 00:11:43,288 --> 00:11:45,590 たまらなく 寂しい時には…➡ 185 00:11:45,590 --> 00:11:47,993 どうしたら いいんだい…。 186 00:11:47,993 --> 00:11:51,863 (嗚咽) 187 00:11:51,863 --> 00:12:02,007 ♬~ 188 00:12:02,007 --> 00:12:05,710 (鳥のさえずり) 189 00:12:07,512 --> 00:12:09,714 あ…。 190 00:12:13,118 --> 00:12:15,220 あ…。 191 00:12:21,159 --> 00:12:23,094 はぁ…。 192 00:12:23,094 --> 00:12:25,697 サドラーさん 何の御用だったの? 193 00:12:27,599 --> 00:12:31,803 …私が このグリーン・ゲイブルズを 売るつもりだと聞いて➡ 194 00:12:31,803 --> 00:12:34,272 あの人は 買いたいと言ってきたんだよ。 195 00:12:34,272 --> 00:12:38,143 売る⁉ グリーン・ゲイブルズを売るですって⁉ 196 00:12:38,143 --> 00:12:41,379 さんざん 考えた末のことだよ。 197 00:12:41,379 --> 00:12:47,719 私の目さえ なんともなければ どうにか やっていけるだろうけど…➡ 198 00:12:47,719 --> 00:12:50,388 こんな具合じゃ…。➡ 199 00:12:50,388 --> 00:12:53,291 売ったって いくらにも ならないだろうが➡ 200 00:12:53,291 --> 00:12:57,495 私一人なら なんとかなるさ。 201 00:12:57,495 --> 00:13:02,767 あんたが奨学金を頂けたのは ほんとに ありがたいことだよ。 202 00:13:02,767 --> 00:13:07,138 ただ… 休みに帰る家がないのは➡ 203 00:13:07,138 --> 00:13:09,207 それだけは ごめんね…。➡ 204 00:13:09,207 --> 00:13:11,576 それだけは…。 205 00:13:11,576 --> 00:13:14,479 マリラ! グリーン・ゲイブルズを売ってはいけないわ! 206 00:13:14,479 --> 00:13:18,016 私だって 売らずにすむなら そうしたいよ。 207 00:13:18,016 --> 00:13:22,020 マリラが 一人でいる必要なんてないのよ。 208 00:13:23,822 --> 00:13:27,125 あたし レドモンド大学には行かないわ。 209 00:13:27,125 --> 00:13:30,328 あ… 大学に 行かないだって⁉ 210 00:13:30,328 --> 00:13:34,299 ええ。 奨学金は 受け取らないことにしたの。 211 00:13:34,299 --> 00:13:38,069 マリラを独りぼっちになんか しておけるもんですか。 212 00:13:38,069 --> 00:13:41,940 あたし すっかり 計画を立ててしまったのよ。 213 00:13:41,940 --> 00:13:45,910 畑は バーリーさんが 借りたいと言ってくださったわ。 214 00:13:45,910 --> 00:13:51,549 あたしは 学校で 子供たちに勉強を教えるつもりよ。 215 00:13:51,549 --> 00:13:54,986 アン あんた 何を言ってるんだい。 216 00:13:54,986 --> 00:13:56,921 もう 決めたのよ。 217 00:13:56,921 --> 00:13:58,857 アヴォンリーの 学校は➡ 218 00:13:58,857 --> 00:14:01,226 ギルバート・ブライスに 決まったみたいだけど➡ 219 00:14:01,226 --> 00:14:04,028 カーモディなら まだ 空きがあるの。 220 00:14:04,028 --> 00:14:07,899 少し遠いけど 馬車なら問題ないわ。 221 00:14:07,899 --> 00:14:11,770 冬になっても 週末には帰ってこられるもの。 222 00:14:11,770 --> 00:14:16,741 マリラには おいしいお茶をいれて 本を読んであげる。 223 00:14:16,741 --> 00:14:19,344 寂しくなんてさせないわ。 224 00:14:19,344 --> 00:14:23,148 二人で楽しくやっていくのよ。 225 00:14:23,148 --> 00:14:25,116 いけないよ…。 226 00:14:25,116 --> 00:14:27,352 あんたを 犠牲にするなんて…。 227 00:14:27,352 --> 00:14:29,320 ちっとも 犠牲なんかじゃないわ。 228 00:14:29,320 --> 00:14:32,056 グリーン・ゲイブルズを 手放すほど➡ 229 00:14:32,056 --> 00:14:34,759 耐えられないことは ないの。 230 00:14:36,594 --> 00:14:39,864 あたしは ここに残って 先生になるわ。 231 00:14:39,864 --> 00:14:41,800 それが あたしの夢。 232 00:14:41,800 --> 00:14:44,469 そして 勉強も 独学で続けるわ。 233 00:14:44,469 --> 00:14:49,407 いい先生になって マリラの目を守っていくのよ。 234 00:14:49,407 --> 00:14:53,244 でも…。 あたしを止めようとしても無駄よ。 235 00:14:53,244 --> 00:14:55,680 16歳と6か月。 236 00:14:55,680 --> 00:15:00,985 マリラに似て 頑固者なんだから。 237 00:15:00,985 --> 00:15:04,222 おお マリラ お願いだから➡ 238 00:15:04,222 --> 00:15:06,891 あたしを かわいそうだなんて 思わないで。 239 00:15:06,891 --> 00:15:10,428 大好きなグリーン・ゲイブルズに いられると思うだけで➡ 240 00:15:10,428 --> 00:15:13,431 あたしは 嬉しくてたまらないのよ。 241 00:15:13,431 --> 00:15:16,801 なんて ありがたいことだろう…。 242 00:15:16,801 --> 00:15:20,238 まるで 生き返った気がするよ。 243 00:15:20,238 --> 00:15:23,608 ほんとなら もっと意地を張って➡ 244 00:15:23,608 --> 00:15:27,345 あんたを 大学へ 行かせなきゃいけないところだけど…➡ 245 00:15:27,345 --> 00:15:31,115 今の私には それが できないからね。 246 00:15:31,115 --> 00:15:34,519 無理をするのは やめておくよ。 247 00:15:34,519 --> 00:15:39,023 いつか この埋め合わせを させておくれね アン。 248 00:15:39,023 --> 00:15:40,959 いいえ マリラ。 249 00:15:40,959 --> 00:15:43,995 埋め合わせなんか いらないわ。 250 00:15:43,995 --> 00:15:46,531 マシュウ。 251 00:15:46,531 --> 00:15:51,436 あたし 今 道の曲がり角に来たみたいなの。 252 00:15:51,436 --> 00:15:55,240 まがった先に 何があるのか まだ わからないけど➡ 253 00:15:55,240 --> 00:15:57,242 精いっぱい やってみるつもりよ。 254 00:15:57,242 --> 00:16:02,514 だから… 見ていてね マシュウ。 255 00:16:02,514 --> 00:16:08,019 (ジョシー・パイ)ねえ 聞いた? アン・シャーリーが大学進学を諦めたって。 256 00:16:08,019 --> 00:16:09,988 (ジミー・グロヴァ)え ほんと? 257 00:16:09,988 --> 00:16:13,691 あ~んなに勉強して 奨学金までとったのにねえ。➡ 258 00:16:13,691 --> 00:16:17,095 先生になって カーモディで教えるらしいわ。 259 00:16:17,095 --> 00:16:20,798 カーモディかあ 遠いなあ…。 260 00:16:23,434 --> 00:16:26,204 (リンド夫人)こんにちは~! あ…。 261 00:16:26,204 --> 00:16:29,440 こんにちは! 夕涼みかい? 262 00:16:29,440 --> 00:16:31,709 ああ。 聞きましたよ アン。 263 00:16:31,709 --> 00:16:35,313 あんた 大学へ行かずに ここに残るんだって? 264 00:16:35,313 --> 00:16:38,550 ええ。 本当に えらいことだよ。 265 00:16:38,550 --> 00:16:42,954 あたしは大賛成ですよ。 ありがとう リンド小母さん。 266 00:16:42,954 --> 00:16:46,624 それで 学校の先生になるんだって? 267 00:16:46,624 --> 00:16:50,028 そうよ。 カーモディで 教えることになったの。 268 00:16:50,028 --> 00:16:52,030 とっても楽しみだわ。 269 00:16:52,030 --> 00:16:58,736 理事会で あんたは アヴォンリーの学校に 決まったと聞いたがねえ? 270 00:16:58,736 --> 00:17:00,738 そんなはずはないわ。 271 00:17:00,738 --> 00:17:03,107 アヴォンリー学校は ギルバート・ブライスが…。 272 00:17:03,107 --> 00:17:06,511 ギルバート・ブライスは 辞退したんだよ。 273 00:17:06,511 --> 00:17:08,746 …え? あ…。 274 00:17:08,746 --> 00:17:12,216 自分は ホワイト・サンドの学校で教えるから➡ 275 00:17:12,216 --> 00:17:16,554 代わりに アンを採用するように 理事会に掛け合ってね。 276 00:17:16,554 --> 00:17:18,790 もちろん それは アン➡ 277 00:17:18,790 --> 00:17:21,693 あんたのためを思ってのことですよ。➡ 278 00:17:21,693 --> 00:17:25,096 あんたが どれだけ マリラと 一緒にいたいか➡ 279 00:17:25,096 --> 00:17:27,999 よく知ってるからね ギルバートは。 280 00:17:27,999 --> 00:17:31,302 ホワイト・サンドだと 下宿代は かかるし➡ 281 00:17:31,302 --> 00:17:35,673 大学へ行くための学費も 自分で稼がなきゃならないのに➡ 282 00:17:35,673 --> 00:17:37,909 本当に優しい子だよ。 283 00:17:37,909 --> 00:17:40,511 そんな… そんなこと…。 284 00:17:40,511 --> 00:17:43,348 ギルバートにさせられないわ。 あたしのために! 285 00:17:43,348 --> 00:17:46,251 もう 何を言っても手遅れですよ。 286 00:17:46,251 --> 00:17:50,054 ギルバートは 契約を済ませてしまったからね。➡ 287 00:17:50,054 --> 00:17:53,358 あんたが アヴォンリーで教えるんだよ アン。➡ 288 00:17:53,358 --> 00:17:58,196 これは ギルバートの望みでもあるんですよ。➡ 289 00:17:58,196 --> 00:18:02,166 あ… あっ。 おやまあ あんなに急いで。 290 00:18:02,166 --> 00:18:05,837 まだ 随分 子供っぽいところが残ってるね。 291 00:18:05,837 --> 00:18:10,074 (マリラ)随分と 大人にもなりましたよ。 292 00:18:10,074 --> 00:18:16,314 マリラ・カスバートも 随分と丸くなったものだねえ。 ふふっ。 293 00:18:16,314 --> 00:18:18,349 (ギルバートの母) ギルバートなら出かけてますよ。 294 00:18:18,349 --> 00:18:21,819 どこへ? (ギルバートの母) さあ… どこへ行ったかまでは…。 295 00:18:21,819 --> 00:18:25,623 分かりました。 では…。 296 00:18:29,427 --> 00:18:31,829 あの…。 ん? 297 00:18:31,829 --> 00:18:34,766 アヴォンリー学校のこと 聞きました。 298 00:18:34,766 --> 00:18:37,702 なんと お礼を言ったらいいか…。 299 00:18:37,702 --> 00:18:42,607 ほんとに ありがとうございました。 失礼します。 300 00:18:44,842 --> 00:18:47,345 (草が揺れる音) 301 00:18:47,345 --> 00:18:52,850 (鳥のさえずり) 302 00:18:52,850 --> 00:18:59,357 愛すべき 懐かしい世界よ あなたは なんて美しいのでしょう。 303 00:18:59,357 --> 00:19:03,861 ここで暮らすことができて このうえなく嬉しいわ。 304 00:19:03,861 --> 00:19:05,830 ⚟(口笛) あ…。 305 00:19:05,830 --> 00:19:13,538 (口笛) 306 00:19:13,538 --> 00:19:15,840 (ギルバート・ブライス)…あ。 307 00:19:27,585 --> 00:19:29,520 ギルバート! 308 00:19:29,520 --> 00:19:31,456 あっ…。 309 00:19:31,456 --> 00:19:34,459 ア… アヴォンリーの学校を 譲ってくださって➡ 310 00:19:34,459 --> 00:19:36,594 ありがとうございます。 311 00:19:36,594 --> 00:19:38,863 あたし とっても嬉しかった。 312 00:19:38,863 --> 00:19:41,599 その お礼が言いたかったの。 313 00:19:41,599 --> 00:19:45,002 別に 大したことじゃないよ アン。 314 00:19:45,002 --> 00:19:48,873 でも 少しでも 役に立ったのなら よかった。 315 00:19:48,873 --> 00:19:52,143 ええ。 316 00:19:52,143 --> 00:19:54,679 あたし…。それで…。 あっ…。あっ…。 317 00:19:54,679 --> 00:19:56,614 ふふふっ。へへへっ。 318 00:19:56,614 --> 00:19:59,917 あなたから どうぞ ギルバート。 うん。 319 00:19:59,917 --> 00:20:03,254 それで どうかな アン。 320 00:20:03,254 --> 00:20:07,191 昔の僕のことを 許してもらえるかな。 321 00:20:07,191 --> 00:20:09,927 もちろんよ。 あ…! 322 00:20:09,927 --> 00:20:14,799 ここで あなたに ボートで助けてもらった時には もう…。 323 00:20:14,799 --> 00:20:16,834 なのに…。 324 00:20:16,834 --> 00:20:19,070 なんて 頑固な おばかさんなのかしら。 325 00:20:19,070 --> 00:20:22,573 あたし あの時から ずっと後悔してたのよ。 326 00:20:24,575 --> 00:20:28,446 僕たち 一番の仲良しに なれるんじゃないかな。 327 00:20:28,446 --> 00:20:35,219 僕たちは そうなるように 生まれついているんだよ アン。 328 00:20:35,219 --> 00:20:38,823 その運命に ながいこと逆らってきたんだ。 329 00:20:38,823 --> 00:20:57,208 ♬~ 330 00:20:57,208 --> 00:20:59,744 ただいま マリラ。 331 00:20:59,744 --> 00:21:03,447 おかえり。 誰と話してたんだい? 332 00:21:03,447 --> 00:21:08,286 ギルバートよ。 「輝く湖水」で会って お礼を言ってたの。 333 00:21:08,286 --> 00:21:13,858 あんたとギルバートが 30分も立ち話する仲だったとはねえ。 334 00:21:13,858 --> 00:21:20,031 これからは 良い友達でいた方がいいって 気付いたのよ。 335 00:21:20,031 --> 00:21:22,867 ねえ ほんとに 30分も話してた? 336 00:21:22,867 --> 00:21:24,936 はっはっはっはっ! 337 00:21:24,936 --> 00:21:29,373 「季節は春 日はめぐりて➡ 338 00:21:29,373 --> 00:21:34,745 時は七時 丘は真珠の露に濡れ➡ 339 00:21:34,745 --> 00:21:37,648 雲雀は空を翔けてゆき➡ 340 00:21:37,648 --> 00:21:41,385 カタツムリは 棘を這う」。 341 00:21:41,385 --> 00:21:43,788 あ…。 342 00:21:43,788 --> 00:21:48,793 ♬~ 343 00:21:51,362 --> 00:21:53,297 (キスする音) 344 00:21:53,297 --> 00:21:56,167 ♬~ 345 00:21:56,167 --> 00:21:58,503 「神は天にあり➡ 346 00:21:58,503 --> 00:22:02,106 世は すべてよし」。 347 00:22:05,409 --> 00:22:14,585 ♬~ 348 00:22:14,585 --> 00:22:17,455 ♬「大事なものは」 349 00:22:17,455 --> 00:22:24,595 ♬「心の隙間にしまっておくから」 350 00:22:24,595 --> 00:22:29,267 ♬「いつの間にか過ぎ去る街の」 351 00:22:29,267 --> 00:22:34,472 ♬「花の一つも見過ごさないように」 352 00:22:34,472 --> 00:22:39,310 ♬「朝の光に驚いて」 353 00:22:39,310 --> 00:22:44,248 ♬「夜の闇に目を凝らしたら」 354 00:22:44,248 --> 00:22:51,355 ♬「憧れてた世界を瞼の外側にも」 355 00:22:51,355 --> 00:22:55,359 ♬「ちゃんと見つけて行ける」 356 00:22:55,359 --> 00:23:00,498 ♬「憂鬱が立ち込める」 357 00:23:00,498 --> 00:23:05,670 ♬「夕立はいつか止むよ」 358 00:23:05,670 --> 00:23:10,241 ♬「その目でその耳で」 359 00:23:10,241 --> 00:23:15,212 ♬「感じたものが全てだと」 360 00:23:15,212 --> 00:23:23,888 ♬「心が望んでる方へと歩いていくの」 361 00:23:23,888 --> 00:23:29,126 ♬「君は容易く」 362 00:23:29,126 --> 00:23:33,531 ♬~ 363 00:23:35,032 --> 00:23:56,721 ♬~