1 00:01:57,050 --> 00:02:09,563 /~ 2 00:02:09,563 --> 00:02:12,499 やっぱり動揺はしねえな…。 3 00:02:12,499 --> 00:02:15,002 予想どおりか 俺? 4 00:02:15,002 --> 00:02:17,004 (ハジメ)そりゃそうだろ。 5 00:02:17,004 --> 00:02:20,841 この大迷宮のコンセプトは だいたい察しがついてる。 6 00:02:20,841 --> 00:02:24,177 そのうえで 天之河の証言を考慮すれば> 7 00:02:24,177 --> 00:02:27,514 いずれこうなるだろうとは 思っていたさ。 8 00:02:27,514 --> 00:02:30,851 ちなみに コンセプトってのは? 9 00:02:30,851 --> 00:02:35,522 お前は俺なんだろ? なら聞かなくても わかるはずだ。 10 00:02:35,522 --> 00:02:40,027 いやいや 確かに俺は お前だが すべてじゃないさ。 11 00:02:40,027 --> 00:02:42,696 それも予想済みだろ? 12 00:02:42,696 --> 00:02:47,200 この大迷宮のコンセプトは 自分に打ち勝つことだ。 13 00:02:47,200 --> 00:02:51,038 己の負の面 目をそらしてきた汚い心> 14 00:02:51,038 --> 00:02:55,876 認め難い現実からの逃避 矛盾する感情…。 15 00:02:55,876 --> 00:02:59,212 そういったものに 打ち勝てるか否か。 16 00:02:59,212 --> 00:03:03,717 強い力があっても 心が弱けりゃ意味がない…。 17 00:03:03,717 --> 00:03:08,221 おそらく 神につけ込まれない ための試練なんだろうな。 18 00:03:08,221 --> 00:03:11,224 さすが 俺。 (拍手) 19 00:03:11,224 --> 00:03:13,660 まったくもって そのとおりだ。 20 00:03:13,660 --> 00:03:15,662 チッ…。 21 00:03:15,662 --> 00:03:44,891 /~ 22 00:03:46,860 --> 00:03:53,066 さあ 南雲ハジメ… お前は お前に勝てるか? 23 00:03:55,202 --> 00:03:57,204 (2人)死ね。 (銃声) 24 00:04:02,042 --> 00:04:04,044 てっ…。 25 00:04:12,486 --> 00:04:14,821 ハッ… フッ。 26 00:04:14,821 --> 00:04:17,991 強えなあ。 本当に強い。 27 00:04:17,991 --> 00:04:20,794 およそ人間が持てる力じゃねえよ。 28 00:04:26,833 --> 00:04:33,673 化け物じみた力 血で汚れた両手。 殺しをためらわない心…。 29 00:04:33,673 --> 00:04:35,675 何が言いたい? 30 00:04:35,675 --> 00:04:40,013 故郷にまだ居場所があるなんて 本当に思っているのか? 31 00:04:40,013 --> 00:04:43,517 あの世界は 人殺しに寛容ではないぞ。 32 00:04:43,517 --> 00:04:46,853 化け物など誰が受け入れてくれる。 33 00:04:46,853 --> 00:04:48,855 フッ…。 34 00:04:48,855 --> 00:04:50,857 (爆発音) 35 00:04:57,364 --> 00:04:59,366 本当は怖いんだろ? 36 00:04:59,366 --> 00:05:03,370 帰る場所なんて とうの昔に なくなってしまっていることが! 37 00:05:05,372 --> 00:05:09,709 故郷の世界に 自分の家族に拒絶されることが> 38 00:05:09,709 --> 00:05:11,711 怖いんだろ? 39 00:05:11,711 --> 00:05:13,813 よく回る口だ。 40 00:05:13,813 --> 00:05:17,984 だから お前は 畑山愛子の言葉を 無視できなかった。 41 00:05:17,984 --> 00:05:24,658 帰還したあとの生き方を 指摘されて 心を波立たせた。 42 00:05:24,658 --> 00:05:29,496 畑山愛子を恩師だと仰ぐのは 心の奥で くすぶっていた懸念に> 43 00:05:29,496 --> 00:05:32,832 ささいだが 答えの一つを もたらしてくれたからだ。 44 00:05:32,832 --> 00:05:36,336 (銃声) 45 00:05:36,336 --> 00:05:38,839 だが 寂しい生き方を しなくなっても> 46 00:05:38,839 --> 00:05:42,509 お前が血まみれの 化け物であることに変わりはない。 47 00:05:42,509 --> 00:05:46,846 あの世界も家族も お前を受け入れはしない! 48 00:05:46,846 --> 00:05:52,185 初めて人を殺したとき お前は 何も感じなかったと言った…。 49 00:05:52,185 --> 00:05:57,023 だが それが ウソだということを 俺は知っている。 50 00:05:57,023 --> 00:06:01,528 罪悪感はなくても お前は確かに感じていた。 51 00:06:01,528 --> 00:06:03,530 恐怖を! (銃声) 52 00:06:05,532 --> 00:06:10,870 ユエがいてよかったよなあ。 ユエさえいれば… そう言ってれば> 53 00:06:10,870 --> 00:06:16,476 他の何に拒絶されても すがることができるものなあ。 54 00:06:16,476 --> 00:06:21,481 ユエを愛している? 心から? ごまかしもなく? 55 00:06:21,481 --> 00:06:23,483 いいや 違う! 56 00:06:25,986 --> 00:06:28,655 ただの依存だ。 (銃声) 57 00:06:28,655 --> 00:06:30,657 クッ…。 58 00:06:30,657 --> 00:06:35,161 拒絶されたとき 己の心を守るための存在…。 59 00:06:35,161 --> 00:06:41,334 お前が愛情だと錯覚している 感情の大半は ただの安心感。 60 00:06:41,334 --> 00:06:46,673 そう ユエは お前にとって ただの保険だ。 61 00:06:46,673 --> 00:06:48,675 アッ!? 62 00:06:48,675 --> 00:06:50,677 フッ…。 63 00:06:57,350 --> 00:06:59,653 ウアッ! 64 00:07:02,522 --> 00:07:04,524 試練の性質上> 65 00:07:04,524 --> 00:07:06,860 しかたがないっちゃあ ないんだろうが> 66 00:07:06,860 --> 00:07:09,696 ちと しゃべりすぎだ。 67 00:07:09,696 --> 00:07:12,966 俺の言葉は お前の心…。 68 00:07:12,966 --> 00:07:17,637 出任せを言ったわけではないと わかっているはず…。 69 00:07:17,637 --> 00:07:20,140 なぜ平然としている…。 70 00:07:20,140 --> 00:07:25,812 人間は己の醜く汚い部分を 直視できない生き物だ。 71 00:07:25,812 --> 00:07:28,815 もし それが 人間の定義だというのなら> 72 00:07:28,815 --> 00:07:31,818 確かに俺は もう 人間ではないんだろう。 73 00:07:31,818 --> 00:07:36,823 正真正銘 奈落で生まれた 化け物なのかもな。 74 00:07:36,823 --> 00:07:39,159 だが… んっ!? 75 00:07:39,159 --> 00:07:41,995 拒否 されるかもしれねえ…。 76 00:07:41,995 --> 00:07:45,332 故郷に居場所なんて もうねえのかもな…。 77 00:07:45,332 --> 00:07:50,337 けれど それでも 俺は進む。 78 00:07:50,337 --> 00:07:53,006 自分をごまかして進むのか? 79 00:07:53,006 --> 00:07:55,842 自分をごまかして 進んでこられるほど> 80 00:07:55,842 --> 00:07:59,346 簡単な道だったかよ。 81 00:07:59,346 --> 00:08:02,015 奈落でも そうだった。 ンッ…。 82 00:08:02,015 --> 00:08:05,185 悩みがあろうが 恐怖を抱えていようが> 83 00:08:05,185 --> 00:08:09,189 いつだって決意を武器に 押し通してきただろ? 84 00:08:09,189 --> 00:08:13,626 そもそも俺という化け物を 生み出した大迷宮が> 85 00:08:13,626 --> 00:08:17,630 今更 俺を言葉で図ろうなんざ 失笑ものだぞ。 86 00:08:17,630 --> 00:08:22,135 そんな化け物が この先 まともに 生きていけると思えないが? 87 00:08:22,135 --> 00:08:26,473 そんな化け物がいいっていう 変わり者が結構いるんだ。 88 00:08:26,473 --> 00:08:31,144 ああ… そうだ。 1つ訂正してもらおう。 89 00:08:31,144 --> 00:08:34,814 大半じゃない。 せいぜい一厘だ。 90 00:08:34,814 --> 00:08:36,816 何? 91 00:08:36,816 --> 00:08:39,986 ユエに対する 保険としての気持ちは一厘。 92 00:08:39,986 --> 00:08:43,823 残り九割九分九厘は 愛情だ。 93 00:08:43,823 --> 00:08:46,826 んっ…。 んっ? 94 00:08:46,826 --> 00:08:49,996 せめて 一割にしとけ。 95 00:08:49,996 --> 00:08:52,165 グッ! 96 00:08:52,165 --> 00:08:54,167 ンッ! 97 00:08:56,669 --> 00:09:01,674 ンンッ… やはり上回られている? 98 00:09:01,674 --> 00:09:06,012 バカな… 俺が弱体化している 気配もないというのに。 99 00:09:06,012 --> 00:09:08,181 弱体化? 100 00:09:08,181 --> 00:09:10,850 これは己を乗り越える試練だ。 101 00:09:10,850 --> 00:09:14,287 自らが抱える負の感情を 乗り越えるたびに> 102 00:09:14,287 --> 00:09:17,457 負の虚像である俺は 弱体化していく。 103 00:09:17,457 --> 00:09:21,294 逆に 目をそらせばそらすほど 強化されていく。 104 00:09:21,294 --> 00:09:24,297 フンッ! そういうルールか。 105 00:09:24,297 --> 00:09:26,299 ハッ!? (銃声) 106 00:09:28,968 --> 00:09:31,471 ガッ!? 107 00:09:31,471 --> 00:09:35,975 ンン… だが お前は克服していない。 108 00:09:35,975 --> 00:09:39,279 ただ問題を先送りしただけの 開き直りだ。 109 00:09:41,314 --> 00:09:44,484 その証拠に 俺は弱体化していない。 110 00:09:44,484 --> 00:09:47,320 少なくとも戦闘力は きっ抗するはずだ! 111 00:09:47,320 --> 00:09:52,659 なのに なぜ俺を上回る… 俺は お前なのに! 112 00:09:52,659 --> 00:09:57,831 正確には 俺と相対するまでの俺… だろ? 113 00:09:57,831 --> 00:10:00,500 ど… どういうことだ! 114 00:10:00,500 --> 00:10:02,669 (銃声) 115 00:10:02,669 --> 00:10:06,005 ンンッ! 116 00:10:06,005 --> 00:10:09,342 わからないのか? お前という虚像は> 117 00:10:09,342 --> 00:10:12,178 俺から読み取った情報で できている。 118 00:10:12,178 --> 00:10:14,514 それは おそらく 迷宮に入ってから> 119 00:10:14,514 --> 00:10:17,350 この氷樹の前に来るまでのこと…。 120 00:10:17,350 --> 00:10:19,686 クッ…。 つまり> 121 00:10:19,686 --> 00:10:23,690 お前は数十分前までの 俺でしかないということだ。 122 00:10:23,690 --> 00:10:28,361 なら この戦いで そのときの 自分より強くなればいい。 123 00:10:28,361 --> 00:10:30,363 それだけのことだ。 124 00:10:30,363 --> 00:10:33,700 バカな… そんなこと…。 125 00:10:33,700 --> 00:10:39,539 感謝するよ。 おかげで じっくりと 自分の動きを確認できた。 126 00:10:39,539 --> 00:10:44,544 案外 自分では気付かない癖や 無駄な動きがあるもんだな。 127 00:10:44,544 --> 00:10:48,381 戦闘中に修正したというのか? 128 00:10:48,381 --> 00:10:53,052 ありえない…。 まさか この試練を開き直ったまま> 129 00:10:53,052 --> 00:10:56,723 実力だけで踏み越えるヤツが いるとはな。 130 00:10:56,723 --> 00:11:01,728 動揺してくれれば まだ俺の勝機もあったのに…。 131 00:11:01,728 --> 00:11:05,899 バカ言うな。 最初から お前の勝機なんてない。 132 00:11:05,899 --> 00:11:12,505 虚像は所詮 虚像だ。 そのムカつく面ごと粉砕してやるよ。 133 00:11:12,505 --> 00:11:15,008 フッ 自虐だぞ それ。 134 00:11:17,010 --> 00:11:19,012 (爆発音) 135 00:11:23,516 --> 00:11:28,021 (ハジメの足音) 136 00:11:39,198 --> 00:11:41,701 ハァ…。 137 00:11:46,539 --> 00:11:48,841 (氷がとける音) 138 00:11:55,381 --> 00:12:00,887 どんな道だろうが… 食らいついてやるよ。 139 00:12:08,227 --> 00:12:12,632 (雫)あっ? 香織? 140 00:12:15,668 --> 00:12:19,572 南雲くん…。 ンッ…。 141 00:12:21,841 --> 00:12:26,346 私は… 私は大丈夫。 142 00:12:32,685 --> 00:12:34,687 あっ。 143 00:12:37,023 --> 00:12:40,026 誰か 誰かいるの? 144 00:12:42,195 --> 00:12:45,198 ようこそ 私。 145 00:12:45,198 --> 00:12:49,702 ハッ!? な… なんで… どうして あなたがいるの!? 146 00:12:49,702 --> 00:12:51,704 あなたは私の…。 147 00:12:51,704 --> 00:12:56,209 夢… かしら? 148 00:13:02,382 --> 00:13:04,384 ああ…。 149 00:13:04,384 --> 00:13:07,553 しっかりしなさいよ 私。 150 00:13:07,553 --> 00:13:09,889 でないと すぐに終わるわよ。 151 00:13:09,889 --> 00:13:12,325 ハッ!? 152 00:13:12,325 --> 00:13:16,162 ンッ そういうこと… あなたは試練。 153 00:13:16,162 --> 00:13:18,998 私が乗り越えるべき試練なのね! 154 00:13:18,998 --> 00:13:21,334 遅いわ。 155 00:13:21,334 --> 00:13:24,837 ウッ…! アッ! 156 00:13:24,837 --> 00:13:26,839 衝破。 157 00:13:26,839 --> 00:13:30,510 ウッ…! アッ…。 158 00:13:30,510 --> 00:13:35,682 さあ 挨拶はここまで。 夢うつつは おしまいよ。 159 00:13:35,682 --> 00:13:38,351 ンンッ…。 160 00:13:38,351 --> 00:13:44,190 ここは現実。 私の現実。 あらがってみせなさい。 161 00:13:44,190 --> 00:13:48,361 研ぎ澄まされた刃で 私を切り裂いてみせなさい。 162 00:13:48,361 --> 00:13:52,865 さもなくば… ここで果てなさい。 163 00:13:52,865 --> 00:13:54,867 ウッ! 164 00:13:59,539 --> 00:14:01,641 フッ! ンッ…! 165 00:14:04,877 --> 00:14:06,879 フッ…。 166 00:14:06,879 --> 00:14:09,549 閃華! 167 00:14:09,549 --> 00:14:11,551 閃華! 168 00:14:11,551 --> 00:14:14,487 また そうやって 目をそらすのかしら? 169 00:14:14,487 --> 00:14:16,489 ハッ…!? 何を…。 170 00:14:16,489 --> 00:14:19,992 アッ!? グッ…。 171 00:14:19,992 --> 00:14:22,829 なんて ざま? 172 00:14:22,829 --> 00:14:25,164 はあっ! 173 00:14:25,164 --> 00:14:29,001 あら? 剣筋が乱れてきてるわよ? 174 00:14:29,001 --> 00:14:33,172 ウッ…。 フフッ。 ンンッ…。 175 00:14:33,172 --> 00:14:35,174 衝破! 176 00:14:39,679 --> 00:14:44,517 ハァハァ… ハァハァ…。 177 00:14:44,517 --> 00:14:47,854 彼からの贈り物があって よかったわね。 178 00:14:47,854 --> 00:14:52,191 それがなければ もう7度は死んでるわよ。 179 00:14:52,191 --> 00:14:57,530 ねぇ 痛い? 苦しい? 怖い? 泣きたい? 180 00:14:57,530 --> 00:15:01,868 隠さなくてもいいわよ 私は あなたなのだから。 181 00:15:01,868 --> 00:15:06,372 すべてわかっているわ… そう なんでもわかってる。 182 00:15:06,372 --> 00:15:11,377 ハァハァ…。 本当は剣術なんて やりたくなかった。 183 00:15:11,377 --> 00:15:13,479 本当は 道着や和服より> 184 00:15:13,479 --> 00:15:16,983 フリルの付いたかわいい洋服を 着たかった…。 185 00:15:16,983 --> 00:15:19,652 竹刀なんて いらなかった。 186 00:15:19,652 --> 00:15:24,824 かわいい人形や アクセサリーが欲しかった。 187 00:15:24,824 --> 00:15:27,160 うるさい。 188 00:15:27,160 --> 00:15:30,163 光輝が道場に入門してきたとき> 189 00:15:30,163 --> 00:15:33,332 王子様がやってきたのかと 思ったわ。 190 00:15:33,332 --> 00:15:36,002 彼なら自分を女の子にしてくれる。 191 00:15:36,002 --> 00:15:39,839 守ってくれる。 甘えさせてくれる。 192 00:15:39,839 --> 00:15:45,011 そう信じていたの。 でも ねぇ…。 うるさい。 193 00:15:45,011 --> 00:15:50,016 光輝がもたらしたのは 私に対する やっかみだけだったわ。 194 00:15:50,016 --> 00:15:52,351 私が光輝のそばにいることが> 195 00:15:52,351 --> 00:15:55,521 女の子たちには 我慢ならなかったのね。 196 00:15:55,521 --> 00:16:00,026 そうそう あの言葉は 今でもはっきりと覚えているわ。 197 00:16:00,026 --> 00:16:03,362 光輝を好いていた女の子の一人に 言われた言葉。 198 00:16:03,362 --> 00:16:06,032 ハッ!? 199 00:16:06,032 --> 00:16:09,035 アンタ 女だったの? 200 00:16:09,035 --> 00:16:11,537 アッ…。 201 00:16:11,537 --> 00:16:13,806 ショックだったわよねぇ。 202 00:16:13,806 --> 00:16:16,476 黙りなさい! 203 00:16:16,476 --> 00:16:18,811 アッ クッ…。 204 00:16:18,811 --> 00:16:20,813 ガッ…。 205 00:16:24,150 --> 00:16:28,988 (せきこみ) 206 00:16:28,988 --> 00:16:31,824 もう立ち上がらなくていいのよ。 207 00:16:31,824 --> 00:16:35,828 ここで諦めるなら 命は取らないであげる。 208 00:16:35,828 --> 00:16:41,167 あなたが頑張らなくても きっと 誰かがなんとかしてくれるわ。 209 00:16:41,167 --> 00:16:44,337 さあ 眠りなさい。 210 00:16:44,337 --> 00:16:47,173 何 を…。 211 00:16:47,173 --> 00:16:49,175 ただの選択よ。 212 00:16:49,175 --> 00:16:54,680 諦めて眠るか… 諦めずに苦しんで死ぬか。 213 00:16:54,680 --> 00:16:58,017 ぐっ…。 フフフッ…。 214 00:16:58,017 --> 00:17:02,521 ぐっ… ぐうぅ… ああっ… ああ~っ。 215 00:17:02,521 --> 00:17:09,362 そう。 そうよね。 あなたなら立ち上がるわよね。 216 00:17:09,362 --> 00:17:11,864 飛べ! 離天! 217 00:17:15,468 --> 00:17:20,306 ごちゃごちゃうるさいのよ。 あなたの心理戦には乗らないわ。 218 00:17:20,306 --> 00:17:24,977 心理戦ね。 あくまで 自分の感情を認めないのね。 219 00:17:24,977 --> 00:17:28,981 そうやって意地を張って 実力で周囲を黙らせて> 220 00:17:28,981 --> 00:17:32,318 常に誰かを気遣って…。 ンン…。 221 00:17:32,318 --> 00:17:35,154 本当は 誰かに寄りかかりたいって> 222 00:17:35,154 --> 00:17:37,823 願っていることも 自覚できなくて…。 223 00:17:37,823 --> 00:17:40,493 うるさいと言っているのが 聞こえないの! 224 00:17:40,493 --> 00:17:42,495 ウッ! 225 00:17:42,495 --> 00:17:44,997 ガッ…。 226 00:17:44,997 --> 00:17:48,501 この世界に来たときも そうだったわね。 227 00:17:48,501 --> 00:17:52,505 本当は不安でいっぱいだった。 くっ…。 228 00:17:52,505 --> 00:17:55,508 南雲くんが奈落へ落ちたとき> 229 00:17:55,508 --> 00:17:58,844 明確に死を感じ取った あのときからずっと> 230 00:17:58,844 --> 00:18:04,350 あなたは死の恐怖に 殺す恐怖に おびえ続けている。 231 00:18:04,350 --> 00:18:06,352 アグッ! アッ…。 232 00:18:06,352 --> 00:18:09,355 うっ… うぅ… あぁ…。 233 00:18:09,355 --> 00:18:11,357 あっ!? 234 00:18:17,129 --> 00:18:19,465 あぁ…。 235 00:18:19,465 --> 00:18:24,470 ああ… あぁ…。 236 00:18:24,470 --> 00:18:26,973 ねぇ あなた。 237 00:18:26,973 --> 00:18:30,810 あのときは うれしかったわよね? えっ…。 238 00:18:30,810 --> 00:18:35,314 オルクス大迷宮で 南雲くんが 助けに来てくれたときよ。 239 00:18:35,314 --> 00:18:40,319 わかっているでしょう? 人生で いちばん劇的だったあの瞬間を> 240 00:18:40,319 --> 00:18:44,490 忘れるはずないわ。 何を言って…。 241 00:18:44,490 --> 00:18:47,827 あのとき あなたは確かに諦めた。 242 00:18:47,827 --> 00:18:50,830 理不尽な死を受け入れようとした。 243 00:18:50,830 --> 00:18:54,500 だからこそ あの紅い輝きと 大きな背中> 244 00:18:54,500 --> 00:18:58,671 圧倒的な力に あなたは心を奪われた。 245 00:18:58,671 --> 00:19:02,675 ち… 違う…。 香織が殺されたときも そう。 246 00:19:02,675 --> 00:19:05,011 南雲くんに すがりついた あなたに> 247 00:19:05,011 --> 00:19:08,180 彼は 信じて待てと 言ってくれたわ…。 248 00:19:08,180 --> 00:19:12,618 あぁ…。 そして 本当に応えてくれた。 249 00:19:12,618 --> 00:19:16,455 あなたが信じたままに 親友や幼なじみごと> 250 00:19:16,455 --> 00:19:18,958 あなたの心を救ってくれた。 251 00:19:18,958 --> 00:19:22,294 あなたは必死に 目をそらしていたけど> 252 00:19:22,294 --> 00:19:25,965 もう… ごまかせないわよ。 253 00:19:25,965 --> 00:19:27,967 ハッ!? 254 00:19:27,967 --> 00:19:30,469 やめて 違うわ! 私は…。 255 00:19:30,469 --> 00:19:32,471 私は…。 ハッ!? 256 00:19:38,978 --> 00:19:42,648 私は南雲くんが好き。 257 00:19:42,648 --> 00:19:44,650 あぁ…。 258 00:19:44,650 --> 00:19:49,555 あなたったら 親友の最愛の人を 好きになってしまったのね。 259 00:19:53,325 --> 00:19:56,028 この裏切り者。 260 00:19:59,331 --> 00:20:01,333 あぁ…。 261 00:20:04,837 --> 00:20:10,009 しかも シアを攻撃したわよね? それは なぜかしら? 262 00:20:10,009 --> 00:20:15,347 どうして ユエでも香織でもなく シアだったのかしら? 263 00:20:15,347 --> 00:20:18,684 わ… 私は…。 264 00:20:18,684 --> 00:20:23,022 答えは簡単。 ユエには勝てないと わかってる。 265 00:20:23,022 --> 00:20:27,026 香織には嫉妬の感情を 向けたくない。 あぁ…。 266 00:20:27,026 --> 00:20:30,529 だから 彼に恋人だと 認められたばかりの> 267 00:20:30,529 --> 00:20:34,366 いちばん ねたみやすいシアを 攻撃対象にした。 268 00:20:34,366 --> 00:20:36,368 あぁ…。 269 00:20:36,368 --> 00:20:39,371 本当に ひきょう者よね。 270 00:20:39,371 --> 00:20:42,875 んん…。 ハッ!? (足音) 271 00:20:42,875 --> 00:20:45,077 あぐっ!? 272 00:20:47,379 --> 00:20:49,381 ガッ…。 273 00:20:52,718 --> 00:20:57,890 貧乏くじばかり引いてしまう バカらしい人生も ここで終幕。 274 00:20:57,890 --> 00:21:02,394 こんな結末の原因は 自分を殺しすぎたことよ。 275 00:21:02,394 --> 00:21:06,398 本当にバカな私。 276 00:21:06,398 --> 00:21:10,569 最後に何か 言い残すことはあるかしら? 277 00:21:10,569 --> 00:21:13,672 あぁ… ウッ…。 278 00:21:13,672 --> 00:21:20,346 あぁ… ウゥ… あぁ…。 279 00:21:20,346 --> 00:21:26,185 ま… だ… 死にたくない…。 280 00:21:26,185 --> 00:21:28,521 ウッ…。 281 00:21:28,521 --> 00:21:30,523 ウッ…。 282 00:21:30,523 --> 00:21:36,028 助けて… 誰か…。 283 00:21:36,028 --> 00:21:40,199 助けてよぉ…。 284 00:21:40,199 --> 00:21:45,871 残念 遅すぎよ。 その言葉を使うにはね。 285 00:21:45,871 --> 00:21:47,873 ウゥ…。 286 00:21:53,379 --> 00:21:55,381 ウッ…。 (金属音) 287 00:21:55,381 --> 00:21:59,718 ありえないでしょ。 (雫)ハッ…。 288 00:21:59,718 --> 00:22:02,888 あっ… えっ えっ? 289 00:22:02,888 --> 00:22:09,061 ったく… どんなタイミングだよ。 大迷宮の狙いじゃないだろうな。 290 00:22:09,061 --> 00:22:11,063 ハッ!? 291 00:22:15,334 --> 00:22:19,839 チッ… ボロボロじゃねえか。 292 00:22:19,839 --> 00:22:23,342 な… 南雲くん?