1 00:01:36,096 --> 00:01:48,609 ♪~ 2 00:01:48,609 --> 00:01:51,612 やっぱり動揺はしねえな…。 3 00:01:51,612 --> 00:01:54,114 予想どおりか 俺? 4 00:01:54,114 --> 00:01:56,116 (ハジメ)そりゃそうだろ。 5 00:01:56,116 --> 00:01:59,954 この大迷宮のコンセプトは だいたい察しがついてる。 6 00:01:59,954 --> 00:02:03,249 そのうえで 天之河の証言を考慮すれば 7 00:02:03,249 --> 00:02:06,627 いずれこうなるだろうとは 思っていたさ。 8 00:02:06,627 --> 00:02:09,964 ちなみに コンセプトってのは? 9 00:02:09,964 --> 00:02:14,635 お前は俺なんだろ? なら聞かなくても わかるはずだ。 10 00:02:14,635 --> 00:02:19,139 いやいや 確かに俺は お前だが すべてじゃないさ。 11 00:02:19,139 --> 00:02:21,809 それも予想済みだろ? 12 00:02:21,809 --> 00:02:26,272 この大迷宮のコンセプトは 自分に打ち勝つことだ。 13 00:02:26,272 --> 00:02:30,150 己の負の面 目をそらしてきた汚い心 14 00:02:30,150 --> 00:02:34,989 認め難い現実からの逃避 矛盾する感情…。 15 00:02:34,989 --> 00:02:38,284 そういったものに 打ち勝てるか否か。 16 00:02:38,284 --> 00:02:42,830 強い力があっても 心が弱けりゃ意味がない…。 17 00:02:42,830 --> 00:02:47,293 おそらく 神につけ込まれない ための試練なんだろうな。 18 00:02:47,293 --> 00:02:50,296 さすが 俺。 (拍手) 19 00:02:50,296 --> 00:02:52,840 まったくもって そのとおりだ。 20 00:02:52,840 --> 00:02:54,842 チッ…。 21 00:02:54,842 --> 00:03:24,038 ♪~ 22 00:03:26,040 --> 00:03:32,212 さあ 南雲ハジメ… お前は お前に勝てるか? 23 00:03:34,340 --> 00:03:36,342 (2人)死ね。 (銃声) 24 00:03:41,221 --> 00:03:43,223 てっ…。 25 00:03:51,732 --> 00:03:54,068 ハッ… フッ。 26 00:03:54,068 --> 00:03:57,237 強えなあ。 本当に強い。 27 00:03:57,237 --> 00:04:00,074 およそ人間が持てる力じゃねえよ。 28 00:04:06,080 --> 00:04:12,920 化け物じみた力 血で汚れた両手。 殺しをためらわない心…。 29 00:04:12,920 --> 00:04:14,922 何が言いたい? 30 00:04:14,922 --> 00:04:19,259 故郷にまだ居場所があるなんて 本当に思っているのか? 31 00:04:19,259 --> 00:04:22,763 あの世界は 人殺しに寛容ではないぞ。 32 00:04:22,763 --> 00:04:26,100 化け物など誰が受け入れてくれる。 33 00:04:26,100 --> 00:04:28,102 フッ…。 34 00:04:28,102 --> 00:04:30,104 (爆発音) 35 00:04:36,568 --> 00:04:38,570 本当は怖いんだろ? 36 00:04:38,570 --> 00:04:42,574 帰る場所なんて とうの昔に なくなってしまっていることが! 37 00:04:44,576 --> 00:04:48,956 故郷の世界に 自分の家族に拒絶されることが 38 00:04:48,956 --> 00:04:50,958 怖いんだろ? 39 00:04:50,958 --> 00:04:53,127 よく回る口だ。 40 00:04:53,127 --> 00:04:57,297 だから お前は 畑山愛子の言葉を 無視できなかった。 41 00:04:57,297 --> 00:05:03,971 帰還したあとの生き方を 指摘されて 心を波立たせた。 42 00:05:03,971 --> 00:05:08,809 畑山愛子を恩師だと仰ぐのは 心の奥で くすぶっていた懸念に 43 00:05:08,809 --> 00:05:12,146 ささいだが 答えの一つを もたらしてくれたからだ。 44 00:05:12,146 --> 00:05:15,607 (銃声) 45 00:05:15,607 --> 00:05:18,152 だが 寂しい生き方を しなくなっても 46 00:05:18,152 --> 00:05:21,822 お前が血まみれの 化け物であることに変わりはない。 47 00:05:21,822 --> 00:05:26,160 あの世界も家族も お前を受け入れはしない! 48 00:05:26,160 --> 00:05:31,457 初めて人を殺したとき お前は 何も感じなかったと言った…。 49 00:05:31,457 --> 00:05:36,336 だが それが ウソだということを 俺は知っている。 50 00:05:36,336 --> 00:05:40,841 罪悪感はなくても お前は確かに感じていた。 51 00:05:40,841 --> 00:05:42,843 恐怖を! (銃声) 52 00:05:44,845 --> 00:05:50,184 ユエがいてよかったよなあ。 ユエさえいれば… そう言ってれば 53 00:05:50,184 --> 00:05:55,856 他の何に拒絶されても すがることができるものなあ。 54 00:05:55,856 --> 00:06:00,861 ユエを愛している? 心から? ごまかしもなく? 55 00:06:00,861 --> 00:06:02,863 いいや 違う! 56 00:06:05,365 --> 00:06:08,035 ただの依存だ。 (銃声) 57 00:06:08,035 --> 00:06:10,037 クッ…。 58 00:06:10,037 --> 00:06:14,500 拒絶されたとき 己の心を守るための存在…。 59 00:06:14,500 --> 00:06:20,672 お前が愛情だと錯覚している 感情の大半は ただの安心感。 60 00:06:20,672 --> 00:06:26,053 そう ユエは お前にとって ただの保険だ。 61 00:06:26,053 --> 00:06:28,055 アッ!? 62 00:06:28,055 --> 00:06:30,057 フッ…。 63 00:06:36,688 --> 00:06:39,066 ウアッ! 64 00:06:41,902 --> 00:06:43,904 試練の性質上 65 00:06:43,904 --> 00:06:46,240 しかたがないっちゃあ ないんだろうが 66 00:06:46,240 --> 00:06:49,076 ちと しゃべりすぎだ。 67 00:06:49,076 --> 00:06:52,412 俺の言葉は お前の心…。 68 00:06:52,412 --> 00:06:57,084 出任せを言ったわけではないと わかっているはず…。 69 00:06:57,084 --> 00:06:59,545 なぜ平然としている…。 70 00:06:59,545 --> 00:07:05,259 人間は己の醜く汚い部分を 直視できない生き物だ。 71 00:07:05,259 --> 00:07:08,262 もし それが 人間の定義だというのなら 72 00:07:08,262 --> 00:07:11,265 確かに俺は もう 人間ではないんだろう。 73 00:07:11,265 --> 00:07:16,270 正真正銘 奈落で生まれた 化け物なのかもな。 74 00:07:16,270 --> 00:07:18,564 だが… んっ!? 75 00:07:18,564 --> 00:07:21,441 拒否 されるかもしれねえ…。 76 00:07:21,441 --> 00:07:24,736 故郷に居場所なんて もうねえのかもな…。 77 00:07:24,736 --> 00:07:29,741 けれど それでも 俺は進む。 78 00:07:29,741 --> 00:07:32,452 自分をごまかして進むのか? 79 00:07:32,452 --> 00:07:35,289 自分をごまかして 進んでこられるほど 80 00:07:35,289 --> 00:07:38,750 簡単な道だったかよ。 81 00:07:38,750 --> 00:07:41,461 奈落でも そうだった。 ンッ…。 82 00:07:41,461 --> 00:07:44,590 悩みがあろうが 恐怖を抱えていようが 83 00:07:44,590 --> 00:07:48,594 いつだって決意を武器に 押し通してきただろ? 84 00:07:48,594 --> 00:07:53,140 そもそも俺という化け物を 生み出した大迷宮が 85 00:07:53,140 --> 00:07:57,144 今更 俺を言葉で図ろうなんざ 失笑ものだぞ。 86 00:07:57,144 --> 00:08:01,607 そんな化け物が この先 まともに 生きていけると思えないが? 87 00:08:01,607 --> 00:08:05,986 そんな化け物がいいっていう 変わり者が結構いるんだ。 88 00:08:05,986 --> 00:08:10,616 ああ… そうだ。 1つ訂正してもらおう。 89 00:08:10,616 --> 00:08:14,328 大半じゃない。 せいぜい一厘だ。 90 00:08:14,328 --> 00:08:16,330 何? 91 00:08:16,330 --> 00:08:19,499 ユエに対する 保険としての気持ちは一厘。 92 00:08:19,499 --> 00:08:23,337 残り九割九分九厘は 愛情だ。 93 00:08:23,337 --> 00:08:26,340 んっ…。 んっ? 94 00:08:26,340 --> 00:08:29,509 せめて 一割にしとけ。 95 00:08:29,509 --> 00:08:31,637 グッ! 96 00:08:31,637 --> 00:08:33,639 ンッ! 97 00:08:36,183 --> 00:08:41,188 ンンッ… やはり上回られている? 98 00:08:41,188 --> 00:08:45,525 バカな… 俺が弱体化している 気配もないというのに。 99 00:08:45,525 --> 00:08:47,653 弱体化? 100 00:08:47,653 --> 00:08:50,364 これは己を乗り越える試練だ。 101 00:08:50,364 --> 00:08:53,825 自らが抱える負の感情を 乗り越えるたびに 102 00:08:53,825 --> 00:08:57,037 負の虚像である俺は 弱体化していく。 103 00:08:57,037 --> 00:09:00,832 逆に 目をそらせばそらすほど 強化されていく。 104 00:09:00,832 --> 00:09:03,835 フンッ! そういうルールか。 105 00:09:03,835 --> 00:09:05,837 ハッ!? (銃声) 106 00:09:08,548 --> 00:09:11,051 ガッ!? 107 00:09:11,051 --> 00:09:15,555 ンン… だが お前は克服していない。 108 00:09:15,555 --> 00:09:18,850 ただ問題を先送りしただけの 開き直りだ。 109 00:09:20,852 --> 00:09:24,064 その証拠に 俺は弱体化していない。 110 00:09:24,064 --> 00:09:26,858 少なくとも戦闘力は きっ抗するはずだ! 111 00:09:26,858 --> 00:09:32,239 なのに なぜ俺を上回る… 俺は お前なのに! 112 00:09:32,239 --> 00:09:37,411 正確には 俺と相対するまでの俺… だろ? 113 00:09:37,411 --> 00:09:40,080 ど… どういうことだ! 114 00:09:40,080 --> 00:09:42,249 (銃声) 115 00:09:42,249 --> 00:09:45,585 ンンッ! 116 00:09:45,585 --> 00:09:48,880 わからないのか? お前という虚像は 117 00:09:48,880 --> 00:09:51,717 俺から読み取った情報で できている。 118 00:09:51,717 --> 00:09:54,094 それは おそらく 迷宮に入ってから 119 00:09:54,094 --> 00:09:56,888 この氷樹の前に来るまでのこと…。 120 00:09:56,888 --> 00:09:59,266 クッ…。 つまり 121 00:09:59,266 --> 00:10:03,270 お前は数十分前までの 俺でしかないということだ。 122 00:10:03,270 --> 00:10:07,899 なら この戦いで そのときの 自分より強くなればいい。 123 00:10:07,899 --> 00:10:09,901 それだけのことだ。 124 00:10:09,901 --> 00:10:13,280 バカな… そんなこと…。 125 00:10:13,280 --> 00:10:19,119 感謝するよ。 おかげで じっくりと 自分の動きを確認できた。 126 00:10:19,119 --> 00:10:24,124 案外 自分では気付かない癖や 無駄な動きがあるもんだな。 127 00:10:24,124 --> 00:10:27,919 戦闘中に修正したというのか? 128 00:10:27,919 --> 00:10:32,632 ありえない…。 まさか この試練を開き直ったまま 129 00:10:32,632 --> 00:10:36,303 実力だけで踏み越えるヤツが いるとはな。 130 00:10:36,303 --> 00:10:41,308 動揺してくれれば まだ俺の勝機もあったのに…。 131 00:10:41,308 --> 00:10:45,479 バカ言うな。 最初から お前の勝機なんてない。 132 00:10:45,479 --> 00:10:52,152 虚像は所詮 虚像だ。 そのムカつく面ごと粉砕してやるよ。 133 00:10:52,152 --> 00:10:54,654 フッ 自虐だぞ それ。 134 00:10:56,656 --> 00:10:58,658 (爆発音) 135 00:11:03,163 --> 00:11:07,667 (ハジメの足音) 136 00:11:18,804 --> 00:11:21,348 ハァ…。 137 00:11:26,186 --> 00:11:28,522 (氷がとける音) 138 00:11:34,986 --> 00:11:40,534 どんな道だろうが… 食らいついてやるよ。 139 00:11:47,332 --> 00:11:51,711 (雫)あっ? 香織? 140 00:11:54,881 --> 00:11:58,718 南雲くん…。 ンッ…。 141 00:12:01,054 --> 00:12:05,517 私は… 私は大丈夫。 142 00:12:11,898 --> 00:12:13,900 あっ。 143 00:12:16,236 --> 00:12:19,239 誰か 誰かいるの? 144 00:12:21,366 --> 00:12:24,369 ようこそ 私。 145 00:12:24,369 --> 00:12:28,915 ハッ!? な… なんで… どうして あなたがいるの!? 146 00:12:28,915 --> 00:12:30,917 あなたは私の…。 147 00:12:30,917 --> 00:12:35,380 夢… かしら? 148 00:12:41,553 --> 00:12:43,555 ああ…。 149 00:12:43,555 --> 00:12:46,766 しっかりしなさいよ 私。 150 00:12:46,766 --> 00:12:49,102 でないと すぐに終わるわよ。 151 00:12:49,102 --> 00:12:51,563 ハッ!? 152 00:12:51,563 --> 00:12:55,400 ンッ そういうこと… あなたは試練。 153 00:12:55,400 --> 00:12:58,278 私が乗り越えるべき試練なのね! 154 00:12:58,278 --> 00:13:00,572 遅いわ。 155 00:13:00,572 --> 00:13:04,117 ウッ…! アッ! 156 00:13:04,117 --> 00:13:06,119 衝破。 157 00:13:06,119 --> 00:13:09,789 ウッ…! アッ…。 158 00:13:09,789 --> 00:13:14,961 さあ 挨拶はここまで。 夢うつつは おしまいよ。 159 00:13:14,961 --> 00:13:17,589 ンンッ…。 160 00:13:17,589 --> 00:13:23,428 ここは現実。 私の現実。 あらがってみせなさい。 161 00:13:23,428 --> 00:13:27,599 研ぎ澄まされた刃で 私を切り裂いてみせなさい。 162 00:13:27,599 --> 00:13:32,145 さもなくば… ここで果てなさい。 163 00:13:32,145 --> 00:13:34,147 ウッ! 164 00:13:38,818 --> 00:13:40,987 フッ! ンッ…! 165 00:13:44,157 --> 00:13:46,159 フッ…。 166 00:13:46,159 --> 00:13:48,828 閃華! 167 00:13:48,828 --> 00:13:50,830 閃華! 168 00:13:50,830 --> 00:13:53,833 また そうやって 目をそらすのかしら? 169 00:13:53,833 --> 00:13:55,835 ハッ…!? 何を…。 170 00:13:55,835 --> 00:13:59,339 アッ!? グッ…。 171 00:13:59,339 --> 00:14:02,175 なんて ざま? 172 00:14:02,175 --> 00:14:04,469 はあっ! 173 00:14:04,469 --> 00:14:08,348 あら? 剣筋が乱れてきてるわよ? 174 00:14:08,348 --> 00:14:12,477 ウッ…。 フフッ。 ンンッ…。 175 00:14:12,477 --> 00:14:14,479 衝破! 176 00:14:19,025 --> 00:14:23,863 ハァハァ… ハァハァ…。 177 00:14:23,863 --> 00:14:27,200 彼からの贈り物があって よかったわね。 178 00:14:27,200 --> 00:14:31,496 それがなければ もう7度は死んでるわよ。 179 00:14:31,496 --> 00:14:36,876 ねぇ 痛い? 苦しい? 怖い? 泣きたい? 180 00:14:36,876 --> 00:14:41,214 隠さなくてもいいわよ 私は あなたなのだから。 181 00:14:41,214 --> 00:14:45,677 すべてわかっているわ… そう なんでもわかってる。 182 00:14:45,677 --> 00:14:50,682 ハァハァ…。 本当は剣術なんて やりたくなかった。 183 00:14:50,682 --> 00:14:52,892 本当は 道着や和服より 184 00:14:52,892 --> 00:14:56,396 フリルの付いたかわいい洋服を 着たかった…。 185 00:14:56,396 --> 00:14:59,065 竹刀なんて いらなかった。 186 00:14:59,065 --> 00:15:04,237 かわいい人形や アクセサリーが欲しかった。 187 00:15:04,237 --> 00:15:06,531 うるさい。 188 00:15:06,531 --> 00:15:09,534 光輝が道場に入門してきたとき 189 00:15:09,534 --> 00:15:12,704 王子様がやってきたのかと 思ったわ。 190 00:15:12,704 --> 00:15:15,415 彼なら自分を女の子にしてくれる。 191 00:15:15,415 --> 00:15:19,252 守ってくれる。 甘えさせてくれる。 192 00:15:19,252 --> 00:15:24,424 そう信じていたの。 でも ねぇ…。 うるさい。 193 00:15:24,424 --> 00:15:29,429 光輝がもたらしたのは 私に対する やっかみだけだったわ。 194 00:15:29,429 --> 00:15:31,723 私が光輝のそばにいることが 195 00:15:31,723 --> 00:15:34,934 女の子たちには 我慢ならなかったのね。 196 00:15:34,934 --> 00:15:39,439 そうそう あの言葉は 今でもはっきりと覚えているわ。 197 00:15:39,439 --> 00:15:42,734 光輝を好いていた女の子の一人に 言われた言葉。 198 00:15:42,734 --> 00:15:45,445 ハッ!? 199 00:15:45,445 --> 00:15:48,448 アンタ 女だったの? 200 00:15:48,448 --> 00:15:50,950 アッ…。 201 00:15:50,950 --> 00:15:53,286 ショックだったわよねぇ。 202 00:15:53,286 --> 00:15:55,955 黙りなさい! 203 00:15:55,955 --> 00:15:58,291 アッ クッ…。 204 00:15:58,291 --> 00:16:00,293 ガッ…。 205 00:16:03,588 --> 00:16:08,468 (せきこみ) 206 00:16:08,468 --> 00:16:11,304 もう立ち上がらなくていいのよ。 207 00:16:11,304 --> 00:16:15,308 ここで諦めるなら 命は取らないであげる。 208 00:16:15,308 --> 00:16:20,605 あなたが頑張らなくても きっと 誰かがなんとかしてくれるわ。 209 00:16:20,605 --> 00:16:23,775 さあ 眠りなさい。 210 00:16:23,775 --> 00:16:26,611 何 を…。 211 00:16:26,611 --> 00:16:28,613 ただの選択よ。 212 00:16:28,613 --> 00:16:34,160 諦めて眠るか… 諦めずに苦しんで死ぬか。 213 00:16:34,160 --> 00:16:37,497 ぐっ…。 フフフッ…。 214 00:16:37,497 --> 00:16:42,001 ぐっ… ぐうぅ… ああっ… ああ~っ。 215 00:16:42,001 --> 00:16:48,800 そう。 そうよね。 あなたなら立ち上がるわよね。 216 00:16:48,800 --> 00:16:51,344 飛べ! 離天! 217 00:16:55,014 --> 00:16:59,811 ごちゃごちゃうるさいのよ。 あなたの心理戦には乗らないわ。 218 00:16:59,811 --> 00:17:04,524 心理戦ね。 あくまで 自分の感情を認めないのね。 219 00:17:04,524 --> 00:17:08,528 そうやって意地を張って 実力で周囲を黙らせて 220 00:17:08,528 --> 00:17:11,823 常に誰かを気遣って…。 ンン…。 221 00:17:11,823 --> 00:17:14,659 本当は 誰かに寄りかかりたいって 222 00:17:14,659 --> 00:17:17,370 願っていることも 自覚できなくて…。 223 00:17:17,370 --> 00:17:20,039 うるさいと言っているのが 聞こえないの! 224 00:17:20,039 --> 00:17:22,041 ウッ! 225 00:17:22,041 --> 00:17:24,544 ガッ…。 226 00:17:24,544 --> 00:17:28,047 この世界に来たときも そうだったわね。 227 00:17:28,047 --> 00:17:32,051 本当は不安でいっぱいだった。 くっ…。 228 00:17:32,051 --> 00:17:35,054 南雲くんが奈落へ落ちたとき 229 00:17:35,054 --> 00:17:38,391 明確に死を感じ取った あのときからずっと 230 00:17:38,391 --> 00:17:43,855 あなたは死の恐怖に 殺す恐怖に おびえ続けている。 231 00:17:43,855 --> 00:17:45,857 アグッ! アッ…。 232 00:17:45,857 --> 00:17:48,860 うっ… うぅ… あぁ…。 233 00:17:48,860 --> 00:17:50,862 あっ!? 234 00:17:56,701 --> 00:17:59,078 あぁ…。 235 00:17:59,078 --> 00:18:04,083 ああ… あぁ…。 236 00:18:04,083 --> 00:18:06,586 ねぇ あなた。 237 00:18:06,586 --> 00:18:10,423 あのときは うれしかったわよね? えっ…。 238 00:18:10,423 --> 00:18:14,886 オルクス大迷宮で 南雲くんが 助けに来てくれたときよ。 239 00:18:14,886 --> 00:18:19,891 わかっているでしょう? 人生で いちばん劇的だったあの瞬間を 240 00:18:19,891 --> 00:18:24,103 忘れるはずないわ。 何を言って…。 241 00:18:24,103 --> 00:18:27,440 あのとき あなたは確かに諦めた。 242 00:18:27,440 --> 00:18:30,443 理不尽な死を受け入れようとした。 243 00:18:30,443 --> 00:18:34,113 だからこそ あの紅い輝きと 大きな背中 244 00:18:34,113 --> 00:18:38,284 圧倒的な力に あなたは心を奪われた。 245 00:18:38,284 --> 00:18:42,288 ち… 違う…。 香織が殺されたときも そう。 246 00:18:42,288 --> 00:18:44,624 南雲くんに すがりついた あなたに 247 00:18:44,624 --> 00:18:47,752 彼は 信じて待てと 言ってくれたわ…。 248 00:18:47,752 --> 00:18:52,298 あぁ…。 そして 本当に応えてくれた。 249 00:18:52,298 --> 00:18:56,135 あなたが信じたままに 親友や幼なじみごと 250 00:18:56,135 --> 00:18:58,638 あなたの心を救ってくれた。 251 00:18:58,638 --> 00:19:01,933 あなたは必死に 目をそらしていたけど 252 00:19:01,933 --> 00:19:05,645 もう… ごまかせないわよ。 253 00:19:05,645 --> 00:19:07,647 ハッ!? 254 00:19:07,647 --> 00:19:10,149 やめて 違うわ! 私は…。 255 00:19:10,149 --> 00:19:12,151 私は…。 ハッ!? 256 00:19:18,658 --> 00:19:22,328 私は南雲くんが好き。 257 00:19:22,328 --> 00:19:24,330 あぁ…。 258 00:19:24,330 --> 00:19:29,168 あなたったら 親友の最愛の人を 好きになってしまったのね。 259 00:19:32,964 --> 00:19:35,675 この裏切り者。 260 00:19:38,970 --> 00:19:40,972 あぁ…。 261 00:19:44,517 --> 00:19:49,689 しかも シアを攻撃したわよね? それは なぜかしら? 262 00:19:49,689 --> 00:19:54,986 どうして ユエでも香織でもなく シアだったのかしら? 263 00:19:54,986 --> 00:19:58,364 わ… 私は…。 264 00:19:58,364 --> 00:20:02,702 答えは簡単。 ユエには勝てないと わかってる。 265 00:20:02,702 --> 00:20:06,706 香織には嫉妬の感情を 向けたくない。 あぁ…。 266 00:20:06,706 --> 00:20:10,209 だから 彼に恋人だと 認められたばかりの 267 00:20:10,209 --> 00:20:14,005 いちばん ねたみやすいシアを 攻撃対象にした。 268 00:20:14,005 --> 00:20:16,007 あぁ…。 269 00:20:16,007 --> 00:20:19,010 本当に ひきょう者よね。 270 00:20:19,010 --> 00:20:22,555 んん…。 ハッ!? (足音) 271 00:20:22,555 --> 00:20:24,724 あぐっ!? 272 00:20:27,018 --> 00:20:29,020 ガッ…。 273 00:20:32,398 --> 00:20:37,570 貧乏くじばかり引いてしまう バカらしい人生も ここで終幕。 274 00:20:37,570 --> 00:20:42,033 こんな結末の原因は 自分を殺しすぎたことよ。 275 00:20:42,033 --> 00:20:46,037 本当にバカな私。 276 00:20:46,037 --> 00:20:50,249 最後に何か 言い残すことはあるかしら? 277 00:20:50,249 --> 00:20:53,419 あぁ… ウッ…。 278 00:20:53,419 --> 00:21:00,051 あぁ… ウゥ… あぁ…。 279 00:21:00,051 --> 00:21:05,890 ま… だ… 死にたくない…。 280 00:21:05,890 --> 00:21:08,267 ウッ…。 281 00:21:08,267 --> 00:21:10,269 ウッ…。 282 00:21:10,269 --> 00:21:15,775 助けて… 誰か…。 283 00:21:15,775 --> 00:21:19,904 助けてよぉ…。 284 00:21:19,904 --> 00:21:25,618 残念 遅すぎよ。 その言葉を使うにはね。 285 00:21:25,618 --> 00:21:27,620 ウゥ…。 286 00:21:32,583 --> 00:21:34,585 ウッ…。 (金属音) 287 00:21:34,585 --> 00:21:38,965 ありえないでしょ。 (雫)ハッ…。 288 00:21:38,965 --> 00:21:42,135 あっ… えっ えっ? 289 00:21:42,135 --> 00:21:48,307 ったく… どんなタイミングだよ。 大迷宮の狙いじゃないだろうな。 290 00:21:48,307 --> 00:21:50,309 ハッ!? 291 00:21:54,605 --> 00:21:59,152 チッ… ボロボロじゃねえか。 292 00:21:59,152 --> 00:22:02,613 な… 南雲くん?