1 00:00:04,004 --> 00:00:09,676 (メグ)グフッ… フフッ フッ ウフッ ウフッ ウフッ フフッ フフッ…。 2 00:00:09,676 --> 00:00:14,014 ヒィー フッ ウフッ ウフッ イヒッ ウフフ…。 3 00:00:14,014 --> 00:00:16,350 (ファウスト)だ~! もう うるさいよ メグ。 4 00:00:16,350 --> 00:00:20,854 なんですか お師匠様 人の憩いの時間に プンスカと。 5 00:00:20,854 --> 00:00:25,192 あんたが ここ最近 夜中に 不気味な声を出すからだろう。 6 00:00:25,192 --> 00:00:31,365 不気味な声? 17の乙女が放つ すがすがしくも 美しい笑い声が? 7 00:00:31,365 --> 00:00:34,701 40のおっさんみたいな声して 何 言ってんだい。 8 00:00:34,701 --> 00:00:37,704 ほら。 私だけじゃない。 9 00:00:37,704 --> 00:00:41,041 使い魔たちからも クレームが来てるんだよ。 10 00:00:41,041 --> 00:00:43,043 動物たちからも? 11 00:00:43,043 --> 00:00:45,879 んっ? どれどれ…。 12 00:00:45,879 --> 00:00:50,884 え~っと 「メグが うるさいので どうにかしてほしい」。 13 00:00:50,884 --> 00:00:53,887 へぇ~ うまいもんですな。 14 00:00:53,887 --> 00:00:58,058 動物なのに 文字を 理解してるとは やるもんだ。 15 00:00:58,058 --> 00:01:00,227 ねえ… シロフクロウ。 16 00:01:00,227 --> 00:01:02,195 ホウッ!? ホッ ホウ…。 17 00:01:02,195 --> 00:01:06,700 使い魔の中で 文字を理解できる 知恵の持ち主は➨ 18 00:01:06,700 --> 00:01:09,036 そういないもんね。 19 00:01:09,036 --> 00:01:11,038 ところで お師匠様➨ 20 00:01:11,038 --> 00:01:14,374 東洋では 焼き鳥という 串料理がありまして➨ 21 00:01:14,374 --> 00:01:18,545 手羽先 皮 ぼんじりなんてのが おいしいらしいですよ。 22 00:01:18,545 --> 00:01:20,547 おやめ。 23 00:01:20,547 --> 00:01:23,350 なんだい ずいぶんと たまってるじゃないか。 24 00:01:23,350 --> 00:01:25,852 これを見て 笑ってたのかい? 25 00:01:25,852 --> 00:01:28,055 まあ そのとおりでごんす。 26 00:01:30,023 --> 00:01:34,861 ああ… うれし涙が 40 その他が 10ってとこかい。 27 00:01:34,861 --> 00:01:38,699 それって 10粒は 使えないってことですかね? 28 00:01:38,699 --> 00:01:43,537 さてね お前の集めた涙は どれも 清らかなものだから➨ 29 00:01:43,537 --> 00:01:47,374 代用する手段も 探せば 見つかるだろう。 30 00:01:47,374 --> 00:01:50,877 ところで お前 この涙は どうやって 集めたんだい? 31 00:01:50,877 --> 00:01:53,880 えっ? どうって 街の人を助けたり➨ 32 00:01:53,880 --> 00:01:57,384 話 聞いてあげたり まあ いろいろですよ。 33 00:01:57,384 --> 00:02:01,722 にしては 急に大量に 集めるようになったじゃないか。 34 00:02:01,722 --> 00:02:05,826 そりゃ もう 慣れましたから。 35 00:02:05,826 --> 00:02:09,663 最近 私も 鼻が利くように なってきましたからね。 36 00:02:09,663 --> 00:02:11,665 やんちゃそうな 子どもを連れた親子やら➨ 37 00:02:11,665 --> 00:02:13,834 体の弱そうな老人やら➨ 38 00:02:13,834 --> 00:02:18,505 すぐ 困りそうな人を見つけては 狙いつけてるんですよ。 39 00:02:18,505 --> 00:02:23,010 ヒヒッ… 涙集めなんて もう 楽勝っすわ。 40 00:02:23,010 --> 00:02:26,680 ずいぶん 大口をたたくね。 41 00:02:26,680 --> 00:02:29,683 私も それだけ 成長したってことですよ。 42 00:02:29,683 --> 00:02:35,188 何せ 世界のソフィと 大仕事を こなしましたからね ヘヘッ…。 43 00:02:35,188 --> 00:02:39,693 メグ。 お前 しばらく 魔法禁止だ。 44 00:02:42,029 --> 00:02:44,031 はぁ!? 45 00:04:25,999 --> 00:04:30,003 どうなってるのさ。 訳わかんないよ もう。 46 00:04:30,003 --> 00:04:33,340 私の集めた涙を見て 感心してるかと思いきや➨ 47 00:04:33,340 --> 00:04:36,176 突然 「魔法は 禁止だ」だって。 48 00:04:36,176 --> 00:04:40,013 どないなっとんねん ほんま ぶち殺すぞ くそが。 49 00:04:40,013 --> 00:04:42,616 (フィーネ)口 悪っ。 んっ…。 50 00:04:45,018 --> 00:04:48,355 まあ 何か 事情があるんじゃないの? 51 00:04:48,355 --> 00:04:50,857 気に入らないからとか 調子 乗ってるとか➨ 52 00:04:50,857 --> 00:04:52,859 そんな くだらない感情で➨ 53 00:04:52,859 --> 00:04:55,362 理不尽を言い渡す人じゃ ないでしょ? 54 00:04:55,362 --> 00:04:58,865 それは まあ 確かに。 55 00:04:58,865 --> 00:05:01,868 あっ 魔法を 悪用したりしちゃったとか? 56 00:05:01,868 --> 00:05:04,137 んなわけないよ 殺されるわ。 57 00:05:04,137 --> 00:05:06,807 こちとら 何年選手や 思うとんねん。 58 00:05:06,807 --> 00:05:10,143 街の人から クレームがあったとか。 ない ない ない。 59 00:05:10,143 --> 00:05:12,646 そもそも 涙 流すくらい 喜んでんのに➨ 60 00:05:12,646 --> 00:05:17,150 クレームとかあった日には あたしゃ もう 大暴れですよ。 61 00:05:17,150 --> 00:05:20,320 フゥ… 難しいな。 62 00:05:20,320 --> 00:05:25,992 ねえ そもそも うれし涙って そんな簡単に手に入るもんなの? 63 00:05:25,992 --> 00:05:28,995 まあ 私もさ 難しいと思ってたんだけど➨ 64 00:05:28,995 --> 00:05:31,798 コツをつかんだら そんなだったね。 65 00:05:38,004 --> 00:05:41,708 《女 子どもや 疲れた会社員 なんかを狙うとさ➨ 66 00:05:41,708 --> 00:05:45,045 意外と あっさり 手に入るんだよね》 67 00:05:45,045 --> 00:05:48,048 ボロいもんだよ 慣れちゃった。 68 00:05:48,048 --> 00:05:51,551 あんた 詐欺師みたいだよ。 69 00:05:51,551 --> 00:05:54,387 でも ちょっと 残念だな。 70 00:05:54,387 --> 00:05:57,057 えっ? (フィーネ)コツとか 慣れとか➨ 71 00:05:57,057 --> 00:06:00,060 あんたの口から そういうの 聞きたくなかったかも。 72 00:06:00,060 --> 00:06:02,963 なんで? (フィーネ)うれし涙って➨ 73 00:06:02,963 --> 00:06:06,633 その人にとって いちばんの喜びの表現じゃん。 74 00:06:06,633 --> 00:06:10,804 だから 1つ1つ 大切にしてたころのメグのほうが➨ 75 00:06:10,804 --> 00:06:14,307 私は 好きだったな。 (カーバンクル)キュイ? 76 00:06:14,307 --> 00:06:18,812 別に 今も 雑に扱ってるわけじゃないよ。 77 00:06:18,812 --> 00:06:22,015 まあ それなら いいんだけど。 78 00:06:24,985 --> 00:06:28,321 (フィーネ)一粒一粒の重み 大事にしなよ。 79 00:06:28,321 --> 00:06:31,157 1年間で 1,000粒も 集めるんだよ? 80 00:06:31,157 --> 00:06:33,159 ただでさえ 難しいし。 81 00:06:33,159 --> 00:06:35,495 そもそも 命懸かってんだから。 82 00:06:35,495 --> 00:06:38,999 ずっと 大切にし続けるなんて 不可能じゃない? 83 00:06:38,999 --> 00:06:44,504 まあ… そうかもしれないけどさ。 84 00:06:44,504 --> 00:06:46,506 ああ… いっけない。 85 00:06:46,506 --> 00:06:49,309 ごめん このあと 約束があるんだった。 86 00:06:51,845 --> 00:06:56,516 親友である 私を差し置いて 他に なんの用があるというのか。 87 00:06:56,516 --> 00:07:01,354 よもや 男ではあるまいな。 学校の友達だって。 88 00:07:01,354 --> 00:07:05,859 じゃあね メグ。 ファウスト様と 仲直りするんだよ。 89 00:07:08,128 --> 00:07:11,131 学校の友達か…。 90 00:07:11,131 --> 00:07:13,466 ハァ…。 91 00:07:13,466 --> 00:07:16,970 キュ。 んっ… フフッ。 92 00:07:16,970 --> 00:07:20,807 知ってる? ちまたでは 動物を飼いだした 独身女は➨ 93 00:07:20,807 --> 00:07:23,143 終わりとか言われてるんだよ。 94 00:07:23,143 --> 00:07:26,146 キュウ。 95 00:07:26,146 --> 00:07:31,151 フッ ヒヒヒ… うん! 今日の晩ごはんは 焼き肉だね。 96 00:07:31,151 --> 00:07:33,153 キュ…。 97 00:07:37,324 --> 00:07:39,659 そういや ここだっけ? 98 00:07:39,659 --> 00:07:42,996 この間 うれし涙を手に入れたのは。 99 00:07:42,996 --> 00:07:46,333 《カレッジを卒業して入った会社。 100 00:07:46,333 --> 00:07:50,670 仕事が大変で 毎日 夜遅くまで仕事して➨ 101 00:07:50,670 --> 00:07:53,840 ようやく つかんだ商談が ご破算になって➨ 102 00:07:53,840 --> 00:07:58,178 自暴自棄になっている その人に 私は 声をかけたんだ。 103 00:07:58,178 --> 00:08:02,615 少し寒かったから コーヒーを渡して 話を聞いて➨ 104 00:08:02,615 --> 00:08:09,155 持っていた薬草で お香を作って 渡してあげて…》 105 00:08:09,155 --> 00:08:13,993 あのとき あの人に なんか言った気がすんだよな。 106 00:08:13,993 --> 00:08:17,964 なんて言ったっけ? キュ。 107 00:08:17,964 --> 00:08:23,470 泣くってことは よっぽど いいこと言ったんだよね 私。 108 00:08:23,470 --> 00:08:27,140 いやね 確かに うだつの 上がらない 新卒会社員が➨ 109 00:08:27,140 --> 00:08:30,810 よわい 17の乙女に 話を聞いてもらったなんて➨ 110 00:08:30,810 --> 00:08:35,815 感涙しても おかしくはない 出来事だろうけどさ。 111 00:08:37,817 --> 00:08:41,654 《一粒一粒の重み 大事にしなよ》 112 00:08:41,654 --> 00:08:45,158 泥臭く 時間かけて 1つ 得るのと➨ 113 00:08:45,158 --> 00:08:47,994 効率よく 立ち回って 百を得るのとでは➨ 114 00:08:47,994 --> 00:08:51,331 全然 違うじゃん。 結果が伴わなくても➨ 115 00:08:51,331 --> 00:08:55,835 大変な思いをしたほうが 偉いなんて もう 古いよ。 116 00:08:55,835 --> 00:08:58,671 そう思わん? キュイ? 117 00:08:58,671 --> 00:09:01,941 ハァ… もう 魔法 使っちゃおうかな。 118 00:09:01,941 --> 00:09:05,945 魔女さん こんにちは。 んっ? 119 00:09:05,945 --> 00:09:09,616 《えっ… 誰だっけ?》 120 00:09:09,616 --> 00:09:12,118 あ~ どうも こんちは! 121 00:09:12,118 --> 00:09:14,621 アハハハ ハハハ ハハッ…。 122 00:09:14,621 --> 00:09:17,290 あら メグちゃん この間は ありがとね。 123 00:09:17,290 --> 00:09:20,627 いや あれくらい どうってことないですよ。 124 00:09:20,627 --> 00:09:23,129 オホホッ ホホッ オホホホッ…。 125 00:09:23,129 --> 00:09:25,298 《って… 誰だよ?》 126 00:09:25,298 --> 00:09:27,634 あっ… メグさんだ。 なっ! 127 00:09:27,634 --> 00:09:30,136 こんにちは 魔女のお嬢さん。 うわっ…。 128 00:09:30,136 --> 00:09:32,639 メグさん この前は ありがとう。 あっ… ハハハ…。 129 00:09:32,639 --> 00:09:34,641 あっ メグだ! 130 00:09:34,641 --> 00:09:38,144 お~い メグちゃん! 今日も 元気そうね。 うっ うわっ。 131 00:09:38,144 --> 00:09:42,148 《なんなんだ 今日は…。 132 00:09:42,148 --> 00:09:44,684 前に会ったかどうか 覚えてもない人から➨ 133 00:09:44,684 --> 00:09:47,987 こうも 声をかけられるなんて…》 134 00:09:47,987 --> 00:09:50,590 ハァ… あっ…。 135 00:09:52,826 --> 00:09:55,495 《ちょっと 手助けしてあげて➨ 136 00:09:55,495 --> 00:10:00,834 子育ての苦労とか聞きながら リラックス効果のある薬草を魔法で…。 137 00:10:00,834 --> 00:10:04,671 って… 魔法禁止か くそ! 138 00:10:04,671 --> 00:10:08,675 うれし涙を ゲットできる チャンスなのにな…》 139 00:10:08,675 --> 00:10:11,177 (レイチェル)あの…。 えっ? 140 00:10:11,177 --> 00:10:14,681 《えっ? えっ… 私? 141 00:10:14,681 --> 00:10:17,851 もしかして また?》 142 00:10:17,851 --> 00:10:19,853 え~っと…。 143 00:10:19,853 --> 00:10:24,691 《誰だっけ? う~ん むむむむ…。 144 00:10:24,691 --> 00:10:27,527 くっ… だめだ!》 145 00:10:27,527 --> 00:10:30,029 《全然 わかんないよ~! 146 00:10:30,029 --> 00:10:33,032 きっと 知ってる人よ。 よく 思い出してごらん。 147 00:10:33,032 --> 00:10:36,369 覚えてないよ! 記憶にございません。 148 00:10:36,369 --> 00:10:38,371 政治家かよ。 149 00:10:38,371 --> 00:10:41,708 あんたは 昔から おばかだから。 何を~!》 150 00:10:41,708 --> 00:10:45,378 魔女さん。 ずっと また会いたいと 思っていたの。 151 00:10:45,378 --> 00:10:49,048 会えて よかった。 あのときは ありがとう。 152 00:10:49,048 --> 00:10:51,885 あっ いや… アハハハ ハハハ…。 153 00:10:51,885 --> 00:10:53,887 《あのときとは 何? 154 00:10:53,887 --> 00:10:57,056 別の魔女と 勘違いしてないか? この人…》 155 00:10:57,056 --> 00:10:59,726 あなたのおかげで 本当に助かったの。 156 00:10:59,726 --> 00:11:03,163 《やっぱり 私なの!?》 157 00:11:03,163 --> 00:11:08,334 本当に よかった。 あのとき あなたが助けてくれて。 158 00:11:08,334 --> 00:11:10,670 そっ… そうですか。 159 00:11:10,670 --> 00:11:13,840 《こうなったら もう 乗り切るしかない。 160 00:11:13,840 --> 00:11:17,343 話だ… 話の中で できるだけ情報を引き出して➨ 161 00:11:17,343 --> 00:11:20,179 記憶をたどるのだ! 162 00:11:20,179 --> 00:11:26,186 大丈夫 メグ・ラズベリー。 私なら できる!》 163 00:11:26,186 --> 00:11:29,188 あのときは 大変でしたね ほら 赤ちゃんが…。 164 00:11:29,188 --> 00:11:33,192 ええ この子ったら 本当に おてんばで。 165 00:11:33,192 --> 00:11:35,695 でも 見つかって よかったです。 166 00:11:35,695 --> 00:11:38,031 えっ… 見つかったって? 167 00:11:38,031 --> 00:11:40,199 あ~ いえいえいえね あ~ 私も➨ 168 00:11:40,199 --> 00:11:42,202 お姉さんに 会いたいと思ってたから➨ 169 00:11:42,202 --> 00:11:44,704 見つかって よかったな~。 タハハハ! 170 00:11:44,704 --> 00:11:48,374 私も 会えてうれしい。 ラピスの街の魔女さん。 171 00:11:48,374 --> 00:11:50,376 たぶん あなたがいなかったら➨ 172 00:11:50,376 --> 00:11:53,546 今頃 きっと 主人と 大げんかだった。 173 00:11:53,546 --> 00:11:56,382 ご家族 仲いいのが いちばんですね。 174 00:11:56,382 --> 00:11:58,384 本当に そうね。 175 00:11:58,384 --> 00:12:00,720 最近じゃ ささいな行き違いが原因で➨ 176 00:12:00,720 --> 00:12:03,656 別れている夫婦も 少なくないから。 177 00:12:03,656 --> 00:12:08,328 まあ 旦那さんも男ですから 過去に 女の1人や 2人…。 178 00:12:08,328 --> 00:12:12,999 女? いるわけないですよね ヘヘッ…。 179 00:12:12,999 --> 00:12:16,502 《地獄だ… 誰か助けてくれ~!》 180 00:12:16,502 --> 00:12:19,505 ほら あなたが直してくれた 時計。 181 00:12:19,505 --> 00:12:22,008 今も ちゃんと動いてるわ。 182 00:12:22,008 --> 00:12:24,043 えっ… 時計? 183 00:12:24,043 --> 00:12:26,045 《思い出した! 184 00:12:26,045 --> 00:12:29,048 旦那さんのお母さんから 受け継いだ 大切な時計を➨ 185 00:12:29,048 --> 00:12:31,017 赤ちゃんが壊しちゃって。 186 00:12:31,017 --> 00:12:34,354 時計屋さんに見てもらったけど 直らなかった。 187 00:12:34,354 --> 00:12:38,524 だから 私の力を使って 直してあげたんだ。 188 00:12:38,524 --> 00:12:42,028 時計は 壊れたんじゃなくて 中の精霊が驚いて➨ 189 00:12:42,028 --> 00:12:44,530 飛び出してしまっただけだった。 190 00:12:44,530 --> 00:12:47,133 私は 精霊を呼び戻して…》 191 00:12:49,569 --> 00:12:52,905 《時計は また 動きだした。 192 00:12:52,905 --> 00:12:57,744 そのとき 彼女は 心から 安どしたように笑みを浮かべ➨ 193 00:12:57,744 --> 00:13:00,213 涙を流したのだ》 194 00:13:02,682 --> 00:13:05,184 機械的な故障じゃなくて➨ 195 00:13:05,184 --> 00:13:08,688 精霊のせいで 時計が 壊れることなんてあるのね。 196 00:13:08,688 --> 00:13:13,493 まあ 精霊にも 性格があって 臆病なのも いますから。 197 00:13:13,493 --> 00:13:16,496 私は そいつを探して 呼び戻しただけですよ。 198 00:13:16,496 --> 00:13:18,498 ウフッ…。 199 00:13:18,498 --> 00:13:20,500 《私は この人を見て➨ 200 00:13:20,500 --> 00:13:24,871 フィーネの時計に宿っていた精霊を かえしたことを思い出した。 201 00:13:24,871 --> 00:13:30,009 また 同じことをすれば 涙を 流してくれるかもしれないと➨ 202 00:13:30,009 --> 00:13:33,212 安直な考えが浮かんだんだ》 203 00:13:33,212 --> 00:13:36,015 《そりゃ もう 慣れましたから。 204 00:13:36,015 --> 00:13:40,019 コツをつかんだら そんなだったね》 205 00:13:40,019 --> 00:13:44,724 《慣れって なんだ? コツって なんだよ?》 206 00:13:44,724 --> 00:13:47,193 魔女さん 大丈夫? 207 00:13:47,193 --> 00:13:50,029 さっきから なんだか 顔色が悪いけれど。 208 00:13:50,029 --> 00:13:52,532 はい…。 209 00:13:52,532 --> 00:13:56,202 《私は いつから そんなに偉くなったんだ? 210 00:13:56,202 --> 00:13:59,906 最初は 誰かの 純粋な感情をもらえることに➨ 211 00:13:59,906 --> 00:14:02,141 喜びを感じていた。 212 00:14:02,141 --> 00:14:05,144 それだけ 自分が誰かの役に 立てているんだって➨ 213 00:14:05,144 --> 00:14:07,480 実感できたから。 214 00:14:07,480 --> 00:14:09,649 なのに いつの間にか➨ 215 00:14:09,649 --> 00:14:12,985 相手の顔を ちゃんと見ることも おろそかにして➨ 216 00:14:12,985 --> 00:14:17,156 人と まともに 向き合うことも 忘れて…》 217 00:14:17,156 --> 00:14:21,661 本当に大丈夫? あっ… ええ…。 218 00:14:21,661 --> 00:14:23,663 何か悩み事? 219 00:14:23,663 --> 00:14:28,167 もし 困っているなら 私でよければ 相談に乗るわ。 220 00:14:28,167 --> 00:14:32,839 あっ… あっ いえ… 大したことじゃないんです。 221 00:14:32,839 --> 00:14:36,008 えっと お姉さん…。 レイチェル。 222 00:14:36,008 --> 00:14:39,178 えっ? まだ 名前 言ってなかったから。 223 00:14:39,178 --> 00:14:41,681 私は レイチェルっていうの。 224 00:14:41,681 --> 00:14:45,518 あっ あっ… 私は メグ… メグ・ラズベリーです。 225 00:14:45,518 --> 00:14:48,688 メグさんね… フッ…。 226 00:14:48,688 --> 00:14:52,525 不思議ね。 いまさら 自己紹介だなんて。 227 00:14:52,525 --> 00:14:56,028 そうですね。 228 00:14:56,028 --> 00:14:58,030 あの レイチェルさんは➨ 229 00:14:58,030 --> 00:15:01,534 自分が間違ってたって思ったとき どうしますか? 230 00:15:01,534 --> 00:15:04,137 間違い? なんというか…。 231 00:15:04,137 --> 00:15:06,639 人から 優しいねって 言われてた子が➨ 232 00:15:06,639 --> 00:15:08,975 実は 計算と打算で動いてて。 233 00:15:08,975 --> 00:15:15,314 でも ふとした瞬間に そんな自分に気付いてしまって。 234 00:15:15,314 --> 00:15:19,652 間違いだったなって思うなら➨ 235 00:15:19,652 --> 00:15:21,654 素直に自分の非を認めて➨ 236 00:15:21,654 --> 00:15:24,157 もう一度 やり直すんじゃないかな。 237 00:15:24,157 --> 00:15:26,159 やり直す…。 238 00:15:26,159 --> 00:15:28,828 間違いは 誰にでもあるもの。 239 00:15:28,828 --> 00:15:31,998 大切なのは その間違いを通じて➨ 240 00:15:31,998 --> 00:15:35,668 変わることだと 私は思うわ。 241 00:15:35,668 --> 00:15:38,671 変われますかね。 242 00:15:38,671 --> 00:15:40,673 変われるわ きっと。 243 00:15:40,673 --> 00:15:43,376 変わりたいっていう 気持ちがあるなら。 244 00:15:51,050 --> 00:15:55,221 お師匠様が言ってたのは こういうことだったんだ。 245 00:15:55,221 --> 00:15:58,191 《お前 しばらく 魔法禁止だ。 246 00:15:58,191 --> 00:16:01,194 はぁ? なっ… なぜです? 247 00:16:01,194 --> 00:16:05,131 このままじゃ 使い物にならなくなるからだ。 248 00:16:05,131 --> 00:16:07,133 どうして? 249 00:16:07,133 --> 00:16:09,635 胸に手を当てて 考えてみな。 250 00:16:09,635 --> 00:16:12,638 この答えは お前が見つけなきゃならない。 251 00:16:12,638 --> 00:16:17,143 あっ…。 私が教えたんじゃ 意味がないのさ》 252 00:16:17,143 --> 00:16:23,149 最悪だ…。 マジで 使い物にならねえな 私。 253 00:16:23,149 --> 00:16:25,151 キュウ…。 254 00:16:29,155 --> 00:16:31,657 んっ? あっ…。 255 00:16:34,160 --> 00:16:37,830 《この人を助けても 涙を流さないだろう。 256 00:16:37,830 --> 00:16:43,169 荷物を運んだだけで 涙を流すほど 人は安くない》 257 00:16:43,169 --> 00:16:45,338 《変われるわ きっと。 258 00:16:45,338 --> 00:16:48,341 変わりたいっていう 気持ちがあるなら》 259 00:16:50,510 --> 00:16:54,180 おばあさん どうしたの? 私で よかったら 手伝うよ。 260 00:16:54,180 --> 00:16:56,182 ああ…。 261 00:16:58,351 --> 00:17:00,853 キュ… ハァハァ ハァハァ…。 262 00:17:03,990 --> 00:17:05,958 ぐっ… くっ… ひぃ…。 263 00:17:05,958 --> 00:17:07,960 重い… くくっ! 264 00:17:07,960 --> 00:17:11,130 うぅ… うっ! ハァハァ…。 265 00:17:11,130 --> 00:17:13,633 大丈夫? 降りようかい? 266 00:17:13,633 --> 00:17:18,137 不要… 女子に二言はない! 267 00:17:18,137 --> 00:17:21,140 ハァハァ…。 268 00:17:21,140 --> 00:17:26,312 《なぜ 私は 魔女なのに 肉体労働をしてるのか。 269 00:17:26,312 --> 00:17:28,481 こういうときこそ➨ 270 00:17:28,481 --> 00:17:33,185 魔法を使うべきではないか。 271 00:17:33,185 --> 00:17:38,824 もう いいじゃん。 使っちゃおうかな 魔法》 272 00:17:38,824 --> 00:17:42,528 あっ んっ… んっ! 273 00:17:46,832 --> 00:17:50,136 《まずは ここから始めるんだ!》 274 00:17:53,005 --> 00:17:57,843 かぁ~…。 キュウ…。 疲れた! 275 00:17:57,843 --> 00:18:00,346 あ~… んっ? 276 00:18:00,346 --> 00:18:04,283 ああ… ヘヘッ…。 277 00:18:04,283 --> 00:18:08,988 ありがとね。 あっ… ううん。 278 00:18:11,791 --> 00:18:16,295 きれいだね。 えっ? 279 00:18:16,295 --> 00:18:18,464 あっ…。 280 00:18:18,464 --> 00:18:20,967 あなた ファウスト様のお弟子さんの➨ 281 00:18:20,967 --> 00:18:23,636 メグちゃんね。 はぁ…。 282 00:18:23,636 --> 00:18:29,809 最近 人助けをして回ってるって 聞いてたけれど 本当に偉いね。 283 00:18:29,809 --> 00:18:32,645 そっ… そうっすか? 284 00:18:32,645 --> 00:18:35,147 聞いたって 一体 誰から? 285 00:18:35,147 --> 00:18:37,817 お店の人や 街の人➨ 286 00:18:37,817 --> 00:18:40,152 いろんな人が 話してくれてたのよ。 287 00:18:40,152 --> 00:18:45,491 えっ? ご褒美だね これは。 ご褒美? 288 00:18:45,491 --> 00:18:49,495 頑張った人へ ラピスの街からの ご褒美だよ。 289 00:18:49,495 --> 00:18:53,100 毎日 毎日 街のために頑張ってる➨ 290 00:18:53,100 --> 00:18:56,836 ラピスの魔女さんへのね。 291 00:18:56,836 --> 00:19:01,874 《あっ ああ… そうか。 292 00:19:01,874 --> 00:19:06,545 私 この街に住む人が 好きだったんじゃん》 293 00:19:13,619 --> 00:19:16,622 ラピスの魔女か…。 294 00:19:16,622 --> 00:19:19,959 イッヒヒヒッ…。 キュ? 295 00:19:19,959 --> 00:19:21,961 よし! 296 00:19:25,798 --> 00:19:28,300 魔女さん! んっ? 297 00:19:28,300 --> 00:19:30,302 ハァハァハァ…。 298 00:19:30,302 --> 00:19:33,305 あれ? 299 00:19:33,305 --> 00:19:36,976 仕事病みしてた 兄ちゃんじゃん。 奇遇だね。 300 00:19:36,976 --> 00:19:39,812 ちょうど よかった。 これ こないだのお礼。 301 00:19:39,812 --> 00:19:41,981 おっ… うわっ! 302 00:19:41,981 --> 00:19:44,984 角のベーカリーの… あったかい! 303 00:19:44,984 --> 00:19:46,986 焼きたてじゃん。 304 00:19:46,986 --> 00:19:50,489 うわっ お師匠様が大好きなやつ。 305 00:19:50,489 --> 00:19:52,992 今 届けようと思ってたんだ。 306 00:19:52,992 --> 00:19:55,494 わざわざ? フフッ…。 307 00:19:55,494 --> 00:19:58,998 どうしても 君に お礼がしたかったんだ。 308 00:19:58,998 --> 00:20:01,667 あのとき 仕事で追い込まれてて➨ 309 00:20:01,667 --> 00:20:05,838 誰にも 話を聞いてもらえなくて パンク寸前だった。 310 00:20:05,838 --> 00:20:09,675 そんなときに 君に声をかけてもらって➨ 311 00:20:09,675 --> 00:20:11,677 救われた気がしたんだ。 312 00:20:11,677 --> 00:20:14,180 んっ… 大げさだよ。 313 00:20:14,180 --> 00:20:18,184 君が言ってくれた言葉 刺さった。 314 00:20:18,184 --> 00:20:20,686 「誇りを持て」って。 315 00:20:20,686 --> 00:20:23,022 そんな 気の利いたこと 言ったっけ? 316 00:20:23,022 --> 00:20:27,026 フフッ…。 誇り。 317 00:20:27,026 --> 00:20:30,563 「どんなときも 誇りを持てる自分でいろ」って。 318 00:20:30,563 --> 00:20:32,698 「世界中の人間が裏切っても➨ 319 00:20:32,698 --> 00:20:35,367 自分だけは 絶対に自分を信じ続けろ」って➨ 320 00:20:35,367 --> 00:20:37,369 君は 言ってくれた。 321 00:20:37,369 --> 00:20:41,373 「それが いつか 自分の支えになるから」って。 322 00:20:41,373 --> 00:20:44,210 ありがとう ラピスの魔女さん。 323 00:20:44,210 --> 00:20:47,213 あっ…。 フフッ…。 324 00:20:52,384 --> 00:20:54,386 フフッ…。 325 00:20:54,386 --> 00:20:57,389 ラピスの魔女か。 んっ? 326 00:20:57,389 --> 00:21:00,559 いい 二つ名を もらったじゃないか メグ。 327 00:21:00,559 --> 00:21:05,331 お師匠様 どうしたんすか? こんな所で。 328 00:21:05,331 --> 00:21:07,333 掃除も 炊事も サボって➨ 329 00:21:07,333 --> 00:21:10,336 ほっつき歩いてる ばかな弟子を迎えに来たんだよ。 330 00:21:10,336 --> 00:21:12,338 うげっ…。 331 00:21:12,338 --> 00:21:15,508 って… 今なんて? ばかな 弟子。 332 00:21:15,508 --> 00:21:17,510 いえ その前。 333 00:21:17,510 --> 00:21:21,113 お師匠様 今 二つ名って…。 334 00:21:23,349 --> 00:21:26,852 二つ名って言いました? 335 00:21:26,852 --> 00:21:32,691 ああ… 今では 二つ名も 勲章みたいに扱われるけどね。 336 00:21:32,691 --> 00:21:36,362 その本質は 人々からの認めにある。 337 00:21:36,362 --> 00:21:38,364 認め…。 338 00:21:38,364 --> 00:21:40,699 《祈:もう 二つ名はあるの? 339 00:21:40,699 --> 00:21:43,702 (ソフィ)ズベリーに 二つ名がない訳が わかった。 340 00:21:43,702 --> 00:21:47,406 あなたは まだ 認められてない魔女なんだね》 341 00:21:47,406 --> 00:21:50,743 人々は 魔導師を認めたとき➨ 342 00:21:50,743 --> 00:21:56,048 感謝と信頼をもって 特別な名前を授けてくれる。 343 00:21:56,048 --> 00:21:59,051 それが 二つ名の由来さね。 344 00:21:59,051 --> 00:22:03,656 お前は もう ラピスの魔女 メグ・ラズベリーだよ。 345 00:22:03,656 --> 00:22:06,992 私が ラピスの魔女? 346 00:22:06,992 --> 00:22:09,328 フッ…。 347 00:22:09,328 --> 00:22:13,999 フフッ… フフッ ヒヒッ…。 348 00:22:13,999 --> 00:22:17,336 さあ 冷えてきた。 帰るよ。 349 00:22:17,336 --> 00:22:20,506 今夜は シチューさね。 ほんとですか? 350 00:22:20,506 --> 00:22:23,342 お師匠様のシチューって 久々ですね。 351 00:22:23,342 --> 00:22:27,012 お前が作るんだよ。 そうでした。 352 00:22:27,012 --> 00:22:31,350 でも 今晩は 私が作ろう。 えっ? 353 00:22:31,350 --> 00:22:36,689 二つ名をもらった お祝いだ。 お師匠様! 354 00:22:36,689 --> 00:22:39,692 ちょうど 焼きたてのパンも 頂きました。 355 00:22:39,692 --> 00:22:42,528 お師匠様の好きなやつ。 ハハハハ…。 356 00:22:42,528 --> 00:22:45,364 温かいうちに頂かないとね。 357 00:22:45,364 --> 00:22:49,668 よ~し おなか パンパンになるまで 食べるぞ! 358 00:23:39,051 --> 00:23:41,720 (エルドラ)あれが メグ・ラズベリー。 359 00:23:41,720 --> 00:23:45,391 (鈴の音)