1 00:00:34,968 --> 00:00:40,641 (メグ)グフッ… フフッ フッ ウフッ ウフッ ウフッ フフッ フフッ…。 2 00:00:40,641 --> 00:00:44,978 ヒィー フッ ウフッ ウフッ イヒッ ウフフ…。 3 00:00:44,978 --> 00:00:47,314 (ファウスト)だ~! もう うるさいよ メグ。 4 00:00:47,314 --> 00:00:51,818 なんですか お師匠様 人の憩いの時間に プンスカと。 5 00:00:51,818 --> 00:00:56,156 あんたが ここ最近 夜中に 不気味な声を出すからだろう。 6 00:00:56,156 --> 00:01:02,329 不気味な声? 17の乙女が放つ すがすがしくも 美しい笑い声が? 7 00:01:02,329 --> 00:01:05,666 40のおっさんみたいな声して 何 言ってんだい。 8 00:01:05,666 --> 00:01:08,669 ほら。 私だけじゃない。 9 00:01:08,669 --> 00:01:12,005 使い魔たちからも クレームが来てるんだよ。 10 00:01:12,005 --> 00:01:14,007 動物たちからも? 11 00:01:14,007 --> 00:01:16,843 んっ? どれどれ…。 12 00:01:16,843 --> 00:01:21,848 え~っと 「メグが うるさいので どうにかしてほしい」。 13 00:01:21,848 --> 00:01:24,851 へぇ~ うまいもんですな。 14 00:01:24,851 --> 00:01:29,022 動物なのに 文字を 理解してるとは やるもんだ。 15 00:01:29,022 --> 00:01:31,191 ねえ… シロフクロウ。 16 00:01:31,191 --> 00:01:33,160 ホウッ!? ホッ ホウ…。 17 00:01:33,160 --> 00:01:37,664 使い魔の中で 文字を理解できる 知恵の持ち主は➡ 18 00:01:37,664 --> 00:01:39,100 そういないもんね。 19 00:01:39,100 --> 00:01:42,002 ところで お師匠様➡ 20 00:01:42,002 --> 00:01:45,339 東洋では 焼き鳥という 串料理がありまして➡ 21 00:01:45,339 --> 00:01:49,509 手羽先 皮 ぼんじりなんてのが おいしいらしいですよ。 22 00:01:49,509 --> 00:01:51,511 おやめ。 23 00:01:51,511 --> 00:01:54,314 なんだい ずいぶんと たまってるじゃないか。 24 00:01:54,314 --> 00:01:56,817 これを見て 笑ってたのかい? 25 00:01:56,817 --> 00:01:59,019 まあ そのとおりでごんす。 26 00:02:00,988 --> 00:02:05,826 ああ… うれし涙が 40 その他が 10ってとこかい。 27 00:02:05,826 --> 00:02:09,663 それって 10粒は 使えないってことですかね? 28 00:02:09,663 --> 00:02:14,501 さてね お前の集めた涙は どれも 清らかなものだから➡ 29 00:02:14,501 --> 00:02:18,338 代用する手段も 探せば 見つかるだろう。 30 00:02:18,338 --> 00:02:21,842 ところで お前 この涙は どうやって 集めたんだい? 31 00:02:21,842 --> 00:02:24,845 えっ? どうって 街の人を助けたり➡ 32 00:02:24,845 --> 00:02:28,348 話 聞いてあげたり まあ いろいろですよ。 33 00:02:28,348 --> 00:02:32,686 にしては 急に大量に 集めるようになったじゃないか。 34 00:02:32,686 --> 00:02:36,790 そりゃ もう 慣れましたから。 35 00:02:36,790 --> 00:02:40,627 最近 私も 鼻が利くように なってきましたからね。 36 00:02:40,627 --> 00:02:42,629 やんちゃそうな 子どもを連れた親子やら➡ 37 00:02:42,629 --> 00:02:44,798 体の弱そうな老人やら➡ 38 00:02:44,798 --> 00:02:49,469 すぐ 困りそうな人を見つけては 狙いつけてるんですよ。 39 00:02:49,469 --> 00:02:53,974 ヒヒッ… 涙集めなんて もう 楽勝っすわ。 40 00:02:53,974 --> 00:02:57,644 ずいぶん 大口をたたくね。 41 00:02:57,644 --> 00:03:00,647 私も それだけ 成長したってことですよ。 42 00:03:00,647 --> 00:03:06,153 何せ 世界のソフィと 大仕事を こなしましたからね ヘヘッ…。 43 00:03:06,153 --> 00:03:10,657 メグ。 お前 しばらく 魔法禁止だ。 44 00:03:12,993 --> 00:03:14,995 はぁ!? 45 00:04:56,963 --> 00:05:00,967 どうなってるのさ。 訳わかんないよ もう。 46 00:05:00,967 --> 00:05:04,304 私の集めた涙を見て 感心してるかと思いきや➡ 47 00:05:04,304 --> 00:05:07,140 突然 「魔法は 禁止だ」だって。 48 00:05:07,140 --> 00:05:10,977 どないなっとんねん ほんま ぶち殺すぞ くそが。 49 00:05:10,977 --> 00:05:13,580 (フィーネ)口 悪っ。 んっ…。 50 00:05:15,982 --> 00:05:19,319 まあ 何か 事情があるんじゃないの? 51 00:05:19,319 --> 00:05:21,822 気に入らないからとか 調子 乗ってるとか➡ 52 00:05:21,822 --> 00:05:23,824 そんな くだらない感情で➡ 53 00:05:23,824 --> 00:05:26,326 理不尽を言い渡す人じゃ ないでしょ? 54 00:05:26,326 --> 00:05:29,829 それは まあ 確かに。 55 00:05:29,829 --> 00:05:32,832 あっ 魔法を 悪用したりしちゃったとか? 56 00:05:32,832 --> 00:05:35,101 んなわけないよ 殺されるわ。 57 00:05:35,101 --> 00:05:37,771 こちとら 何年選手や 思うとんねん。 58 00:05:37,771 --> 00:05:41,107 街の人から クレームがあったとか。 ない ない ない。 59 00:05:41,107 --> 00:05:43,610 そもそも 涙 流すくらい 喜んでんのに➡ 60 00:05:43,610 --> 00:05:48,114 クレームとかあった日には あたしゃ もう 大暴れですよ。 61 00:05:48,114 --> 00:05:51,284 フゥ… 難しいな。 62 00:05:51,284 --> 00:05:56,957 ねえ そもそも うれし涙って そんな簡単に手に入るもんなの? 63 00:05:56,957 --> 00:05:59,960 まあ 私もさ 難しいと思ってたんだけど➡ 64 00:05:59,960 --> 00:06:02,762 コツをつかんだら そんなだったね。 65 00:06:08,969 --> 00:06:12,672 《女 子どもや 疲れた会社員 なんかを狙うとさ➡ 66 00:06:12,672 --> 00:06:16,009 意外と あっさり 手に入るんだよね》 67 00:06:16,009 --> 00:06:19,012 ボロいもんだよ 慣れちゃった。 68 00:06:19,012 --> 00:06:22,515 あんた 詐欺師みたいだよ。 69 00:06:22,515 --> 00:06:25,352 でも ちょっと 残念だな。 70 00:06:25,352 --> 00:06:28,021 えっ? (フィーネ)コツとか 慣れとか➡ 71 00:06:28,021 --> 00:06:31,024 あんたの口から そういうの 聞きたくなかったかも。 72 00:06:31,024 --> 00:06:33,927 なんで? (フィーネ)うれし涙って➡ 73 00:06:33,927 --> 00:06:37,597 その人にとって いちばんの喜びの表現じゃん。 74 00:06:37,597 --> 00:06:41,768 だから 1つ1つ 大切にしてたころのメグのほうが➡ 75 00:06:41,768 --> 00:06:45,272 私は 好きだったな。 (カーバンクル)キュイ? 76 00:06:45,272 --> 00:06:49,776 別に 今も 雑に扱ってるわけじゃないよ。 77 00:06:49,776 --> 00:06:52,979 まあ それなら いいんだけど。 78 00:06:55,949 --> 00:06:59,286 (フィーネ)一粒一粒の重み 大事にしなよ。 79 00:06:59,286 --> 00:07:02,122 1年間で 1,000粒も 集めるんだよ? 80 00:07:02,122 --> 00:07:04,124 ただでさえ 難しいし。 81 00:07:04,124 --> 00:07:06,459 そもそも 命懸かってんだから。 82 00:07:06,459 --> 00:07:09,963 ずっと 大切にし続けるなんて 不可能じゃない? 83 00:07:09,963 --> 00:07:15,468 まあ… そうかもしれないけどさ。 84 00:07:15,468 --> 00:07:17,470 ああ… いっけない。 85 00:07:17,470 --> 00:07:20,273 ごめん このあと 約束があるんだった。 86 00:07:22,809 --> 00:07:27,480 親友である 私を差し置いて 他に なんの用があるというのか。 87 00:07:27,480 --> 00:07:32,319 よもや 男ではあるまいな。 学校の友達だって。 88 00:07:32,319 --> 00:07:36,823 じゃあね メグ。 ファウスト様と 仲直りするんだよ。 89 00:07:39,092 --> 00:07:42,095 学校の友達か…。 90 00:07:42,095 --> 00:07:44,431 ハァ…。 91 00:07:44,431 --> 00:07:47,934 キュ。 んっ… フフッ。 92 00:07:47,934 --> 00:07:51,771 知ってる? ちまたでは 動物を飼いだした 独身女は➡ 93 00:07:51,771 --> 00:07:54,107 終わりとか言われてるんだよ。 94 00:07:54,107 --> 00:07:57,110 キュウ。 95 00:07:57,110 --> 00:08:02,115 フッ ヒヒヒ… うん! 今日の晩ごはんは 焼き肉だね。 96 00:08:02,115 --> 00:08:04,117 キュ…。 97 00:08:08,288 --> 00:08:10,623 そういや ここだっけ? 98 00:08:10,623 --> 00:08:13,960 この間 うれし涙を手に入れたのは。 99 00:08:13,960 --> 00:08:17,297 《カレッジを卒業して入った会社。 100 00:08:17,297 --> 00:08:21,634 仕事が大変で 毎日 夜遅くまで仕事して➡ 101 00:08:21,634 --> 00:08:24,804 ようやく つかんだ商談が ご破算になって➡ 102 00:08:24,804 --> 00:08:29,142 自暴自棄になっている その人に 私は 声をかけたんだ。 103 00:08:29,142 --> 00:08:33,580 少し寒かったから コーヒーを渡して 話を聞いて➡ 104 00:08:33,580 --> 00:08:40,120 持っていた薬草で お香を作って 渡してあげて…》 105 00:08:40,120 --> 00:08:44,958 あのとき あの人に なんか言った気がすんだよな。 106 00:08:44,958 --> 00:08:48,928 なんて言ったっけ? キュ。 107 00:08:48,928 --> 00:08:54,434 泣くってことは よっぽど いいこと言ったんだよね 私。 108 00:08:54,434 --> 00:08:58,104 いやね 確かに うだつの 上がらない 新卒会社員が➡ 109 00:08:58,104 --> 00:09:01,775 よわい 17の乙女に 話を聞いてもらったなんて➡ 110 00:09:01,775 --> 00:09:06,780 感涙しても おかしくはない 出来事だろうけどさ。 111 00:09:08,782 --> 00:09:12,619 ((一粒一粒の重み 大事にしなよ)) 112 00:09:12,619 --> 00:09:16,122 泥臭く 時間かけて 1つ 得るのと➡ 113 00:09:16,122 --> 00:09:18,958 効率よく 立ち回って 百を得るのとでは➡ 114 00:09:18,958 --> 00:09:22,295 全然 違うじゃん。 結果が伴わなくても➡ 115 00:09:22,295 --> 00:09:26,800 大変な思いをしたほうが 偉いなんて もう 古いよ。 116 00:09:26,800 --> 00:09:29,636 そう思わん? キュイ? 117 00:09:29,636 --> 00:09:32,906 ハァ… もう 魔法 使っちゃおうかな。 118 00:09:32,906 --> 00:09:36,910 魔女さん こんにちは。 んっ? 119 00:09:36,910 --> 00:09:40,580 《えっ… 誰だっけ?》 120 00:09:40,580 --> 00:09:43,082 あ~ どうも こんちは! 121 00:09:43,082 --> 00:09:45,585 アハハハ ハハハ ハハッ…。 122 00:09:45,585 --> 00:09:48,254 あら メグちゃん この間は ありがとね。 123 00:09:48,254 --> 00:09:51,591 いや あれくらい どうってことないですよ。 124 00:09:51,591 --> 00:09:54,093 オホホッ ホホッ オホホホッ…。 125 00:09:54,093 --> 00:09:56,262 《って… 誰だよ?》 126 00:09:56,262 --> 00:09:58,598 あっ… メグさんだ。 なっ! 127 00:09:58,598 --> 00:10:01,101 こんにちは 魔女のお嬢さん。 うわっ…。 128 00:10:01,101 --> 00:10:03,603 メグさん この前は ありがとう。 あっ… ハハハ…。 129 00:10:03,603 --> 00:10:05,605 あっ メグだ! 130 00:10:05,605 --> 00:10:09,109 お~い メグちゃん! 今日も 元気そうね。 うっ うわっ。 131 00:10:09,109 --> 00:10:13,112 《なんなんだ 今日は…。 132 00:10:13,112 --> 00:10:15,648 前に会ったかどうか 覚えてもない人から➡ 133 00:10:15,648 --> 00:10:18,952 こうも 声をかけられるなんて…》 134 00:10:18,952 --> 00:10:21,554 ハァ… あっ…。 135 00:10:23,790 --> 00:10:26,459 《ちょっと 手助けしてあげて➡ 136 00:10:26,459 --> 00:10:31,798 子育ての苦労とか聞きながら リラックス効果のある薬草を魔法で…。 137 00:10:31,798 --> 00:10:35,635 って… 魔法禁止か くそ! 138 00:10:35,635 --> 00:10:39,639 うれし涙を ゲットできる チャンスなのにな…》 139 00:10:39,639 --> 00:10:42,141 (レイチェル)あの…。 えっ? 140 00:10:42,141 --> 00:10:45,645 《えっ? えっ… 私? 141 00:10:45,645 --> 00:10:48,815 もしかして また?》 142 00:10:48,815 --> 00:10:50,817 え~っと…。 143 00:10:50,817 --> 00:10:55,655 《誰だっけ? う~ん むむむむ…。 144 00:10:55,655 --> 00:10:58,491 くっ… だめだ!》 145 00:10:58,491 --> 00:11:00,994 ((全然 わかんないよ~! 146 00:11:00,994 --> 00:11:03,997 きっと 知ってる人よ。 よく 思い出してごらん。 147 00:11:03,997 --> 00:11:07,333 覚えてないよ! 記憶にございません。 148 00:11:07,333 --> 00:11:09,335 政治家かよ。 149 00:11:09,335 --> 00:11:12,672 あんたは 昔から おばかだから。 何を~!)) 150 00:11:12,672 --> 00:11:16,342 魔女さん。 ずっと また会いたいと 思っていたの。 151 00:11:16,342 --> 00:11:20,013 会えて よかった。 あのときは ありがとう。 152 00:11:20,013 --> 00:11:22,849 あっ いや… アハハハ ハハハ…。 153 00:11:22,849 --> 00:11:24,851 《あのときとは 何? 154 00:11:24,851 --> 00:11:28,021 別の魔女と 勘違いしてないか? この人…》 155 00:11:28,021 --> 00:11:30,690 あなたのおかげで 本当に助かったの。 156 00:11:30,690 --> 00:11:34,127 《やっぱり 私なの!?》 157 00:11:34,127 --> 00:11:39,299 本当に よかった。 あのとき あなたが助けてくれて。 158 00:11:39,299 --> 00:11:41,634 そっ… そうですか。 159 00:11:41,634 --> 00:11:44,804 《こうなったら もう 乗り切るしかない。 160 00:11:44,804 --> 00:11:48,308 話だ… 話の中で できるだけ情報を引き出して➡ 161 00:11:48,308 --> 00:11:51,144 記憶をたどるのだ! 162 00:11:51,144 --> 00:11:57,150 大丈夫 メグ・ラズベリー。 私なら できる!》 163 00:11:57,150 --> 00:12:00,153 あのときは 大変でしたね ほら 赤ちゃんが…。 164 00:12:00,153 --> 00:12:04,157 ええ この子ったら 本当に おてんばで。 165 00:12:04,157 --> 00:12:06,659 でも 見つかって よかったです。 166 00:12:06,659 --> 00:12:08,995 えっ… 見つかったって? 167 00:12:08,995 --> 00:12:11,164 あ~ いえいえいえね あ~ 私も➡ 168 00:12:11,164 --> 00:12:13,166 お姉さんに 会いたいと思ってたから➡ 169 00:12:13,166 --> 00:12:15,668 見つかって よかったな~。 タハハハ! 170 00:12:15,668 --> 00:12:19,339 私も 会えてうれしい。 ラピスの街の魔女さん。 171 00:12:19,339 --> 00:12:21,341 たぶん あなたがいなかったら➡ 172 00:12:21,341 --> 00:12:24,510 今頃 きっと 主人と 大げんかだった。 173 00:12:24,510 --> 00:12:27,347 ご家族 仲いいのが いちばんですね。 174 00:12:27,347 --> 00:12:29,349 本当に そうね。 175 00:12:29,349 --> 00:12:31,684 最近じゃ ささいな行き違いが原因で➡ 176 00:12:31,684 --> 00:12:34,621 別れている夫婦も 少なくないから。 177 00:12:34,621 --> 00:12:39,292 まあ 旦那さんも男ですから 過去に 女の1人や 2人…。 178 00:12:39,292 --> 00:12:43,963 女? いるわけないですよね ヘヘッ…。 179 00:12:43,963 --> 00:12:47,467 《地獄だ… 誰か助けてくれ~!》 180 00:12:47,467 --> 00:12:50,470 ほら あなたが直してくれた 時計。 181 00:12:50,470 --> 00:12:52,972 今も ちゃんと動いてるわ。 182 00:12:52,972 --> 00:12:55,008 えっ… 時計? 183 00:12:55,008 --> 00:12:57,010 《思い出した! 184 00:12:57,010 --> 00:13:00,013 旦那さんのお母さんから 受け継いだ 大切な時計を➡ 185 00:13:00,013 --> 00:13:01,981 赤ちゃんが壊しちゃって。 186 00:13:01,981 --> 00:13:05,318 時計屋さんに見てもらったけど 直らなかった。 187 00:13:05,318 --> 00:13:09,489 だから 私の力を使って 直してあげたんだ。 188 00:13:09,489 --> 00:13:12,992 時計は 壊れたんじゃなくて 中の精霊が驚いて➡ 189 00:13:12,992 --> 00:13:15,495 飛び出してしまっただけだった。 190 00:13:15,495 --> 00:13:18,097 私は 精霊を呼び戻して…》 191 00:13:20,533 --> 00:13:23,870 《時計は また 動きだした。 192 00:13:23,870 --> 00:13:28,708 そのとき 彼女は 心から 安どしたように笑みを浮かべ➡ 193 00:13:28,708 --> 00:13:31,177 涙を流したのだ》 194 00:13:33,646 --> 00:13:36,149 機械的な故障じゃなくて➡ 195 00:13:36,149 --> 00:13:39,652 精霊のせいで 時計が 壊れることなんてあるのね。 196 00:13:39,652 --> 00:13:44,457 まあ 精霊にも 性格があって 臆病なのも いますから。 197 00:13:44,457 --> 00:13:47,460 私は そいつを探して 呼び戻しただけですよ。 198 00:13:47,460 --> 00:13:49,462 ウフッ…。 199 00:13:49,462 --> 00:13:51,464 《私は この人を見て➡ 200 00:13:51,464 --> 00:13:55,835 フィーネの時計に宿っていた精霊を かえしたことを思い出した。 201 00:13:55,835 --> 00:14:00,973 また 同じことをすれば 涙を 流してくれるかもしれないと➡ 202 00:14:00,973 --> 00:14:04,177 安直な考えが浮かんだんだ》 203 00:14:04,177 --> 00:14:06,979 ((そりゃ もう 慣れましたから。 204 00:14:06,979 --> 00:14:10,983 コツをつかんだら そんなだったね)) 205 00:14:10,983 --> 00:14:15,688 《慣れって なんだ? コツって なんだよ?》 206 00:14:15,688 --> 00:14:18,157 魔女さん 大丈夫? 207 00:14:18,157 --> 00:14:20,993 さっきから なんだか 顔色が悪いけれど。 208 00:14:20,993 --> 00:14:23,496 はい…。 209 00:14:23,496 --> 00:14:27,166 《私は いつから そんなに偉くなったんだ? 210 00:14:27,166 --> 00:14:30,870 最初は 誰かの 純粋な感情をもらえることに➡ 211 00:14:30,870 --> 00:14:33,106 喜びを感じていた。 212 00:14:33,106 --> 00:14:36,109 それだけ 自分が誰かの役に 立てているんだって➡ 213 00:14:36,109 --> 00:14:38,444 実感できたから。 214 00:14:38,444 --> 00:14:40,613 なのに いつの間にか➡ 215 00:14:40,613 --> 00:14:43,950 相手の顔を ちゃんと見ることも おろそかにして➡ 216 00:14:43,950 --> 00:14:48,121 人と まともに 向き合うことも 忘れて…》 217 00:14:48,121 --> 00:14:52,625 本当に大丈夫? あっ… ええ…。 218 00:14:52,625 --> 00:14:54,627 何か悩み事? 219 00:14:54,627 --> 00:14:59,132 もし 困っているなら 私でよければ 相談に乗るわ。 220 00:14:59,132 --> 00:15:03,803 あっ… あっ いえ… 大したことじゃないんです。 221 00:15:03,803 --> 00:15:06,973 えっと お姉さん…。 レイチェル。 222 00:15:06,973 --> 00:15:10,143 えっ? まだ 名前 言ってなかったから。 223 00:15:10,143 --> 00:15:12,645 私は レイチェルっていうの。 224 00:15:12,645 --> 00:15:16,482 あっ あっ… 私は メグ… メグ・ラズベリーです。 225 00:15:16,482 --> 00:15:19,652 メグさんね… フッ…。 226 00:15:19,652 --> 00:15:23,489 不思議ね。 いまさら 自己紹介だなんて。 227 00:15:23,489 --> 00:15:26,993 そうですね。 228 00:15:26,993 --> 00:15:28,995 あの レイチェルさんは➡ 229 00:15:28,995 --> 00:15:32,498 自分が間違ってたって思ったとき どうしますか? 230 00:15:32,498 --> 00:15:35,101 間違い? なんというか…。 231 00:15:35,101 --> 00:15:37,603 人から 優しいねって 言われてた子が➡ 232 00:15:37,603 --> 00:15:39,939 実は 計算と打算で動いてて。 233 00:15:39,939 --> 00:15:46,279 でも ふとした瞬間に そんな自分に気付いてしまって。 234 00:15:46,279 --> 00:15:50,616 間違いだったなって思うなら➡ 235 00:15:50,616 --> 00:15:52,618 素直に自分の非を認めて➡ 236 00:15:52,618 --> 00:15:55,121 もう一度 やり直すんじゃないかな。 237 00:15:55,121 --> 00:15:57,123 やり直す…。 238 00:15:57,123 --> 00:15:59,792 間違いは 誰にでもあるもの。 239 00:15:59,792 --> 00:16:02,962 大切なのは その間違いを通じて➡ 240 00:16:02,962 --> 00:16:06,632 変わることだと 私は思うわ。 241 00:16:06,632 --> 00:16:09,635 変われますかね。 242 00:16:09,635 --> 00:16:11,637 変われるわ きっと。 243 00:16:11,637 --> 00:16:14,340 変わりたいっていう 気持ちがあるなら。 244 00:16:22,014 --> 00:16:26,185 お師匠様が言ってたのは こういうことだったんだ。 245 00:16:26,185 --> 00:16:29,155 ((お前 しばらく 魔法禁止だ。 246 00:16:29,155 --> 00:16:32,158 はぁ? なっ… なぜです? 247 00:16:32,158 --> 00:16:36,095 このままじゃ 使い物にならなくなるからだ。 248 00:16:36,095 --> 00:16:38,097 どうして? 249 00:16:38,097 --> 00:16:40,600 胸に手を当てて 考えてみな。 250 00:16:40,600 --> 00:16:43,603 この答えは お前が見つけなきゃならない。 251 00:16:43,603 --> 00:16:48,107 あっ…。 私が教えたんじゃ 意味がないのさ)) 252 00:16:48,107 --> 00:16:54,113 最悪だ…。 マジで 使い物にならねえな 私。 253 00:16:54,113 --> 00:16:56,115 キュウ…。 254 00:17:00,119 --> 00:17:02,622 んっ? あっ…。 255 00:17:05,124 --> 00:17:08,794 《この人を助けても 涙を流さないだろう。 256 00:17:08,794 --> 00:17:14,133 荷物を運んだだけで 涙を流すほど 人は安くない》 257 00:17:14,133 --> 00:17:16,302 ((変われるわ きっと。 258 00:17:16,302 --> 00:17:19,305 変わりたいっていう 気持ちがあるなら)) 259 00:17:21,474 --> 00:17:25,144 おばあさん どうしたの? 私で よかったら 手伝うよ。 260 00:17:25,144 --> 00:17:27,146 ああ…。 261 00:17:29,315 --> 00:17:31,817 キュ… ハァハァ ハァハァ…。 262 00:17:34,954 --> 00:17:36,923 ぐっ… くっ… ひぃ…。 263 00:17:36,923 --> 00:17:38,925 重い… くくっ! 264 00:17:38,925 --> 00:17:42,094 うぅ… うっ! ハァハァ…。 265 00:17:42,094 --> 00:17:44,597 大丈夫? 降りようかい? 266 00:17:44,597 --> 00:17:49,101 不要… 女子に二言はない! 267 00:17:49,101 --> 00:17:52,104 ハァハァ…。 268 00:17:52,104 --> 00:17:57,276 《なぜ 私は 魔女なのに 肉体労働をしてるのか。 269 00:17:57,276 --> 00:17:59,445 こういうときこそ➡ 270 00:17:59,445 --> 00:18:04,150 魔法を使うべきではないか。 271 00:18:04,150 --> 00:18:09,789 もう いいじゃん。 使っちゃおうかな 魔法》 272 00:18:09,789 --> 00:18:13,492 あっ んっ… んっ! 273 00:18:17,797 --> 00:18:21,100 《まずは ここから始めるんだ!》 274 00:18:23,970 --> 00:18:28,808 かぁ~…。 キュウ…。 疲れた! 275 00:18:28,808 --> 00:18:31,310 あ~… んっ? 276 00:18:31,310 --> 00:18:35,247 ああ… ヘヘッ…。 277 00:18:35,247 --> 00:18:39,952 ありがとね。 あっ… ううん。 278 00:18:42,755 --> 00:18:47,259 きれいだね。 えっ? 279 00:18:47,259 --> 00:18:49,428 あっ…。 280 00:18:49,428 --> 00:18:51,931 あなた ファウスト様のお弟子さんの➡ 281 00:18:51,931 --> 00:18:54,600 メグちゃんね。 はぁ…。 282 00:18:54,600 --> 00:19:00,773 最近 人助けをして回ってるって 聞いてたけれど 本当に偉いね。 283 00:19:00,773 --> 00:19:03,609 そっ… そうっすか? 284 00:19:03,609 --> 00:19:06,112 聞いたって 一体 誰から? 285 00:19:06,112 --> 00:19:08,781 お店の人や 街の人➡ 286 00:19:08,781 --> 00:19:11,117 いろんな人が 話してくれてたのよ。 287 00:19:11,117 --> 00:19:16,455 えっ? ご褒美だね これは。 ご褒美? 288 00:19:16,455 --> 00:19:20,459 頑張った人へ ラピスの街からの ご褒美だよ。 289 00:19:20,459 --> 00:19:24,964 毎日 毎日 街のために頑張ってる➡ 290 00:19:24,964 --> 00:19:27,800 ラピスの魔女さんへのね。 291 00:19:27,800 --> 00:19:32,838 《あっ ああ… そうか。 292 00:19:32,838 --> 00:19:37,510 私 この街に住む人が 好きだったんじゃん》 293 00:19:44,583 --> 00:19:47,586 ラピスの魔女か…。 294 00:19:47,586 --> 00:19:50,923 イッヒヒヒッ…。 キュ? 295 00:19:50,923 --> 00:19:52,925 よし! 296 00:19:56,762 --> 00:19:59,265 魔女さん! んっ? 297 00:19:59,265 --> 00:20:01,267 ハァハァハァ…。 298 00:20:01,267 --> 00:20:04,270 あれ? 299 00:20:04,270 --> 00:20:07,940 仕事病みしてた 兄ちゃんじゃん。 奇遇だね。 300 00:20:07,940 --> 00:20:10,776 ちょうど よかった。 これ こないだのお礼。 301 00:20:10,776 --> 00:20:12,945 おっ… うわっ! 302 00:20:12,945 --> 00:20:15,948 角のベーカリーの… あったかい! 303 00:20:15,948 --> 00:20:17,950 焼きたてじゃん。 304 00:20:17,950 --> 00:20:21,454 うわっ お師匠様が大好きなやつ。 305 00:20:21,454 --> 00:20:23,956 今 届けようと思ってたんだ。 306 00:20:23,956 --> 00:20:26,459 わざわざ? フフッ…。 307 00:20:26,459 --> 00:20:29,962 どうしても 君に お礼がしたかったんだ。 308 00:20:29,962 --> 00:20:32,631 あのとき 仕事で追い込まれてて➡ 309 00:20:32,631 --> 00:20:36,802 誰にも 話を聞いてもらえなくて パンク寸前だった。 310 00:20:36,802 --> 00:20:40,639 そんなときに 君に声をかけてもらって➡ 311 00:20:40,639 --> 00:20:42,641 救われた気がしたんだ。 312 00:20:42,641 --> 00:20:45,144 んっ… 大げさだよ。 313 00:20:45,144 --> 00:20:49,148 君が言ってくれた言葉 刺さった。 314 00:20:49,148 --> 00:20:51,650 「誇りを持て」って。 315 00:20:51,650 --> 00:20:53,986 そんな 気の利いたこと 言ったっけ? 316 00:20:53,986 --> 00:20:57,990 フフッ…。 誇り。 317 00:20:57,990 --> 00:21:01,527 「どんなときも 誇りを持てる自分でいろ」って。 318 00:21:01,527 --> 00:21:03,662 「世界中の人間が裏切っても➡ 319 00:21:03,662 --> 00:21:06,332 自分だけは 絶対に自分を信じ続けろ」って➡ 320 00:21:06,332 --> 00:21:08,334 君は 言ってくれた。 321 00:21:08,334 --> 00:21:12,338 「それが いつか 自分の支えになるから」って。 322 00:21:12,338 --> 00:21:15,174 ありがとう ラピスの魔女さん。 323 00:21:15,174 --> 00:21:18,177 あっ…。 フフッ…。 324 00:21:23,349 --> 00:21:25,351 フフッ…。 325 00:21:25,351 --> 00:21:28,354 ラピスの魔女か。 んっ? 326 00:21:28,354 --> 00:21:31,524 いい 二つ名を もらったじゃないか メグ。 327 00:21:31,524 --> 00:21:36,295 お師匠様 どうしたんすか? こんな所で。 328 00:21:36,295 --> 00:21:38,297 掃除も 炊事も サボって➡ 329 00:21:38,297 --> 00:21:41,300 ほっつき歩いてる ばかな弟子を迎えに来たんだよ。 330 00:21:41,300 --> 00:21:43,302 うげっ…。 331 00:21:43,302 --> 00:21:46,472 って… 今なんて? ばかな 弟子。 332 00:21:46,472 --> 00:21:48,474 いえ その前。 333 00:21:48,474 --> 00:21:52,077 お師匠様 今 二つ名って…。 334 00:21:54,313 --> 00:21:57,816 二つ名って言いました? 335 00:21:57,816 --> 00:22:03,656 ああ… 今では 二つ名も 勲章みたいに扱われるけどね。 336 00:22:03,656 --> 00:22:07,326 その本質は 人々からの認めにある。 337 00:22:07,326 --> 00:22:09,328 認め…。 338 00:22:09,328 --> 00:22:11,664 ((祈:もう 二つ名はあるの? 339 00:22:11,664 --> 00:22:14,667 (ソフィ)ズベリーに 二つ名がない訳が わかった。 340 00:22:14,667 --> 00:22:18,370 あなたは まだ 認められてない魔女なんだね)) 341 00:22:18,370 --> 00:22:21,707 人々は 魔導師を認めたとき➡ 342 00:22:21,707 --> 00:22:27,012 感謝と信頼をもって 特別な名前を授けてくれる。 343 00:22:27,012 --> 00:22:30,015 それが 二つ名の由来さね。 344 00:22:30,015 --> 00:22:34,620 お前は もう ラピスの魔女 メグ・ラズベリーだよ。 345 00:22:34,620 --> 00:22:37,957 私が ラピスの魔女? 346 00:22:37,957 --> 00:22:40,292 フッ…。 347 00:22:40,292 --> 00:22:44,964 フフッ… フフッ ヒヒッ…。 348 00:22:44,964 --> 00:22:48,300 さあ 冷えてきた。 帰るよ。 349 00:22:48,300 --> 00:22:51,470 今夜は シチューさね。 ほんとですか? 350 00:22:51,470 --> 00:22:54,306 お師匠様のシチューって 久々ですね。 351 00:22:54,306 --> 00:22:57,977 お前が作るんだよ。 そうでした。 352 00:22:57,977 --> 00:23:02,314 でも 今晩は 私が作ろう。 えっ? 353 00:23:02,314 --> 00:23:07,653 二つ名をもらった お祝いだ。 お師匠様! 354 00:23:07,653 --> 00:23:10,656 ちょうど 焼きたてのパンも 頂きました。 355 00:23:10,656 --> 00:23:13,492 お師匠様の好きなやつ。 ハハハハ…。 356 00:23:13,492 --> 00:23:16,328 温かいうちに頂かないとね。 357 00:23:16,328 --> 00:23:20,633 よ~し おなか パンパンになるまで 食べるぞ! 358 00:24:10,015 --> 00:24:12,685 (エルドラ)あれが メグ・ラズベリー。 359 00:24:12,685 --> 00:24:16,355 (鈴の音)