1 00:00:08,341 --> 00:00:11,010 (語り)憎しみ合う者たちがいた 2 00:00:12,929 --> 00:00:17,684 骸(むくろ)は野に朽ち 御霊(みたま)は血に染(そ)み 3 00:00:20,311 --> 00:00:23,773 絆は 刃(やいば)に分かたれた 4 00:00:23,940 --> 00:00:26,985 (蛇の威嚇音) (鷹(たか)の鳴き声) 5 00:00:32,532 --> 00:00:33,491 (鳴き声) 6 00:00:37,370 --> 00:00:38,663 (鳴き声) 7 00:00:39,789 --> 00:00:42,375 闇についえし真心が泣く 8 00:00:42,500 --> 00:00:43,918 (鷹の鳴き声) 9 00:00:45,378 --> 00:00:49,466 愛する者よ 死に候(そうら)えと 10 00:01:01,519 --> 00:01:06,066 ♪~ 11 00:02:26,729 --> 00:02:30,567 ~♪ 12 00:02:37,365 --> 00:02:39,450 (鷹の鳴き声) 13 00:03:09,355 --> 00:03:11,566 (羽ばたきの音) (陽炎(かげろう))あっ… 14 00:03:11,691 --> 00:03:14,193 (弦之介(げんのすけ)) 鷹じゃ! 巻物をつかんでおるぞ 15 00:03:16,779 --> 00:03:17,989 アア… 16 00:03:19,324 --> 00:03:21,034 手捕りにいたしましょう! 17 00:03:21,159 --> 00:03:23,286 (豹馬(ひょうま))陽炎 深追いは禁物ぞ 18 00:03:23,828 --> 00:03:25,163 心得ておりまする 19 00:03:25,788 --> 00:03:27,081 わしも行こう 20 00:03:32,295 --> 00:03:34,172 (鳴き声) 21 00:03:35,298 --> 00:03:37,258 あれは伊賀(いが)お幻(げん)の鷹 22 00:03:37,717 --> 00:03:40,678 主(あるじ)亡きあと 操るのは もしや… 23 00:03:41,804 --> 00:03:42,639 朧(おぼろ)! 24 00:04:00,657 --> 00:04:02,533 (天膳(てんぜん))2人 残ったか… 25 00:04:04,869 --> 00:04:08,498 声からすれば 左が室賀(むろが)豹馬… 26 00:04:08,998 --> 00:04:11,292 もう一方は如月左衛門(きさらぎ さえもん) 27 00:04:18,925 --> 00:04:20,635 (天膳)念鬼(ねんき)の奴(やつ)め… 28 00:04:21,010 --> 00:04:24,514 闇七夜(やみしちよ)の秘薬を 勝手に持ち出しておきながら― 29 00:04:25,056 --> 00:04:27,558 用いることなく ほふられおって… 30 00:04:33,106 --> 00:04:37,610 そこな殺気の主は 薬師寺(やくしじ)天膳か? 31 00:04:40,113 --> 00:04:41,990 そ… その声は… 32 00:04:51,749 --> 00:04:53,751 (左衛門) 人を食った飛び方をしおる! 33 00:04:54,919 --> 00:04:55,920 (陽炎)ハッ… 34 00:04:57,130 --> 00:05:00,008 左衛門どの あそこに… (左衛門)うん? 35 00:05:05,179 --> 00:05:06,014 (刺さる音) 36 00:05:06,180 --> 00:05:08,516 (鳴き声) 37 00:05:09,392 --> 00:05:10,393 ンッ! 38 00:05:10,685 --> 00:05:12,979 (鳴き声) 39 00:05:23,239 --> 00:05:24,073 (舌打ち) 40 00:05:30,997 --> 00:05:32,707 (陽炎)曲者(くせもの)を取り逃がしました 41 00:05:33,291 --> 00:05:36,961 されど 必ず 近くに身を潜めておるはず 42 00:05:37,628 --> 00:05:41,090 (左衛門)こちらは2人 うかつに仕掛けては こまい 43 00:05:41,632 --> 00:05:44,302 今は捨ておこう (陽炎)しかし… 44 00:05:44,677 --> 00:05:49,932 (左衛門) 気配を消しておるということは 曲者は 朧ではないということじゃ 45 00:05:50,808 --> 00:05:53,311 あれは 生まれ持っての破幻(はげん)の瞳以外― 46 00:05:53,436 --> 00:05:56,647 何ひとつ 忍法の使えぬ女じゃからのぅ 47 00:05:59,025 --> 00:06:00,693 それより… (陽炎)ハッ… 48 00:06:01,152 --> 00:06:05,531 我らは 伊賀組の策に まんまと はまったのやもしれぬ 49 00:06:05,990 --> 00:06:06,991 (陽炎)ハッ… 50 00:06:10,328 --> 00:06:11,329 (陽炎)もしや… 51 00:06:12,789 --> 00:06:16,459 (天膳) なるほど 鷹を追った弦之介… 52 00:06:18,461 --> 00:06:20,505 あちらが左衛門であったか 53 00:06:21,506 --> 00:06:22,924 やりおるわ 54 00:06:23,549 --> 00:06:24,383 ハッ… 55 00:06:31,057 --> 00:06:34,268 ハッ… 貴様… 56 00:06:37,480 --> 00:06:40,858 フッ… フフフフッ… 57 00:06:41,526 --> 00:06:44,987 でかしたぞ 念鬼 蛍火(ほたるび) 58 00:06:46,697 --> 00:06:49,575 さすがは鍔隠(つばがく)れ十人衆じゃ 59 00:06:51,577 --> 00:06:53,788 まんまと騙(だま)されたわい 60 00:06:54,205 --> 00:06:57,041 2人 共に目が見えぬとは… 61 00:06:58,167 --> 00:07:01,337 せっかくの見せ物が 台なしであったのぅ 62 00:07:01,462 --> 00:07:04,715 (豹馬)いや 共に しかと見た 63 00:07:05,424 --> 00:07:06,968 心眼でのぅ 64 00:07:07,510 --> 00:07:11,764 別れを告げ 弔うことが かのうて感謝しておる 65 00:07:14,517 --> 00:07:18,855 ほう… 抜かしおる 豹馬よ 66 00:07:19,856 --> 00:07:22,483 では これも心眼で― 67 00:07:23,276 --> 00:07:25,111 見えるか! (切る音) 68 00:07:32,410 --> 00:07:35,746 (天膳) 弦之介 うぬだけは最後まで生かし 69 00:07:35,872 --> 00:07:37,832 甲賀(こうが)一党の全滅と― 70 00:07:38,374 --> 00:07:40,960 わしと朧さまの祝言を 見せつけてから― 71 00:07:41,085 --> 00:07:43,421 討ち果たすつもりでおったが… 72 00:07:45,882 --> 00:07:49,802 図らずも 天運極まるときが来たようじゃな! 73 00:07:52,513 --> 00:07:54,015 (豹馬)聞け 天膳 74 00:07:58,728 --> 00:08:03,733 我らが駿府(すんぷ)の大御所さまの ご意向を伺い 帰参するまで― 75 00:08:04,150 --> 00:08:07,069 鍔隠れ十人衆の生き残りを連れ 76 00:08:07,570 --> 00:08:10,907 伊賀へ戻り 待っていてはくれぬか? 77 00:08:12,241 --> 00:08:15,077 事と次第によっては こたびのこと… 78 00:08:15,411 --> 00:08:18,581 そして 天正(てんしょう)の戦でのこと… 79 00:08:18,915 --> 00:08:22,752 更に 今日(こんにち)へと至る400年の宿怨 80 00:08:23,252 --> 00:08:25,129 全て水に流したい 81 00:08:27,590 --> 00:08:30,259 双方 事の起こりを知らぬまま― 82 00:08:30,593 --> 00:08:35,223 既に甚大な… そして 等しい犠牲を払っておる 83 00:08:36,265 --> 00:08:38,809 争忍は これまでにて痛み分けとし 84 00:08:38,935 --> 00:08:44,815 今こそ 長きにわたる憎悪の呪縛を 断ち切るわけには いくまいか? 85 00:08:45,566 --> 00:08:51,781 そなたを伊賀鍔隠れ頭領 朧どのの 名代と見込んでの頼み 86 00:08:52,156 --> 00:08:58,829 これが 甲賀卍谷(まんじだに)頭領 甲賀弦之介さまの偽りなき本意じゃ 87 00:09:00,831 --> 00:09:02,124 (弦之介)豹馬… 88 00:09:02,833 --> 00:09:05,127 (天膳)フッ… フフフフッ… 89 00:09:05,419 --> 00:09:07,547 ハハハハッ! 90 00:09:08,923 --> 00:09:11,342 今更 何を馬鹿(ばか)げたことを! 91 00:09:11,717 --> 00:09:13,761 ふぬけたか 弦之介! 92 00:09:14,679 --> 00:09:17,223 では あの果たし状は何なのじゃ? 93 00:09:17,348 --> 00:09:18,891 (豹馬)お立場がある 94 00:09:19,892 --> 00:09:24,272 我がほうにも かたくなに伊賀を憎む者が多いでな 95 00:09:25,523 --> 00:09:29,402 豹馬よ 目の見えぬ貴様の術とは 96 00:09:29,777 --> 00:09:32,863 よもや その舌先三寸ではあるまいな? 97 00:09:36,909 --> 00:09:37,827 笑止! 98 00:09:43,416 --> 00:09:46,377 つくづく 甲賀者を見損のうておったわい! 99 00:09:56,220 --> 00:09:57,847 (斬る音) 100 00:09:58,639 --> 00:10:00,308 フフフフッ… 101 00:10:00,975 --> 00:10:02,893 (弦之介)薬師寺天膳 (天膳)ハッ… 102 00:10:03,811 --> 00:10:06,105 そなたと朧との祝言… 103 00:10:06,564 --> 00:10:08,899 我ら 見ること かなわぬ 104 00:10:09,275 --> 00:10:11,902 (天膳)フッ… 観念しおったか? 105 00:10:13,029 --> 00:10:14,322 (弦之介)なぜなら… 106 00:10:15,239 --> 00:10:18,075 今より そなたが先に死ぬからじゃ 107 00:10:19,577 --> 00:10:22,955 目を塞がれ 血迷うたようじゃのぅ 108 00:10:23,873 --> 00:10:25,458 (豹馬)弦之介さま… 109 00:10:26,125 --> 00:10:27,335 (弦之介)よい 110 00:10:29,003 --> 00:10:30,504 見よ 豹馬 111 00:10:41,182 --> 00:10:42,433 アアッ! 112 00:10:42,975 --> 00:10:44,060 ンンッ! 113 00:10:44,185 --> 00:10:45,019 (斬る音) ウッ! 114 00:10:45,478 --> 00:10:49,607 (うめき声) 115 00:10:50,149 --> 00:10:51,400 豹馬… 116 00:10:52,818 --> 00:10:54,236 うぬは… 117 00:10:54,403 --> 00:10:55,696 (斬る音) 118 00:11:09,960 --> 00:11:13,255 (弦之介)やはり 師匠は たやすく超えられんな 119 00:11:13,506 --> 00:11:15,341 (豹馬)もったいないお言葉 120 00:11:15,466 --> 00:11:19,303 今や 私は あなたの夜の代役にすぎませぬ 121 00:11:20,388 --> 00:11:21,972 (弦之介)そうではない 122 00:11:23,766 --> 00:11:26,435 全て見抜かれておった 123 00:11:27,645 --> 00:11:31,816 左衛門 陽炎にも 案じさせてしもうておる 124 00:11:32,775 --> 00:11:34,610 不甲斐(ふがい)ない頭領じゃ 125 00:11:35,486 --> 00:11:39,824 弦之介さまの思い 皆 分かってはおるのです 126 00:11:40,825 --> 00:11:45,454 ただ それほどに この宿怨は根が深い 127 00:11:46,789 --> 00:11:49,750 そして今や それぞれが― 128 00:11:49,917 --> 00:11:53,796 大局で ものを見られぬ いわれを 抱えてしもうております 129 00:11:54,463 --> 00:11:57,591 せめて 伊賀より先に― 130 00:11:57,716 --> 00:12:01,095 我らが 不戦の約定解禁を知っておれば… 131 00:12:02,888 --> 00:12:05,641 もはや あとへは引けぬ 132 00:12:07,852 --> 00:12:10,938 そなたらを失いとうはない 133 00:12:12,773 --> 00:12:16,444 己を育んでくれた甲賀が大事じゃ 134 00:12:18,654 --> 00:12:20,114 (左衛門)弦之介さま! 135 00:12:21,407 --> 00:12:23,617 (陽炎)弦之介さま おけがは? 136 00:12:23,742 --> 00:12:27,037 (弦之介) 心配は無用じゃ よう無事に戻った 137 00:12:28,414 --> 00:12:31,167 ハッ… 薬師寺天膳… 138 00:12:35,463 --> 00:12:37,047 念鬼 蛍火に加え― 139 00:12:38,215 --> 00:12:40,801 雨夜陣五郎(あまよ じんごろう)にも血の筋が… 140 00:12:42,344 --> 00:12:45,306 恐らく それは刑部(ぎょうぶ)の血 141 00:12:46,891 --> 00:12:48,309 ようやってくれた 142 00:12:49,059 --> 00:12:50,478 弦之介さま 143 00:12:51,103 --> 00:12:54,398 鷹を取り逃がしましてございます 144 00:12:55,399 --> 00:12:57,693 操っていた何者かも… 145 00:13:00,946 --> 00:13:03,199 (弦之介) 今度 あの鷹を見つけたら― 146 00:13:03,866 --> 00:13:07,328 そのときは 鷹匠(たかじょう)もろとも殺すのじゃ 147 00:13:07,495 --> 00:13:08,662 (2人)ハッ… 148 00:13:11,999 --> 00:13:17,338 それが もし朧でも そうして よろしいのでございますか? 149 00:13:17,963 --> 00:13:20,925 無論じゃ あれは伊賀の女ぞ 150 00:13:22,760 --> 00:13:26,555 (豹馬)左衛門 陽炎 何をめんくろうておる? 151 00:13:27,056 --> 00:13:30,893 弦之介さまは わしに天膳を見よと命じられた 152 00:13:31,602 --> 00:13:34,522 念鬼の折も しかりじゃ (左衛門)はっ… 153 00:13:35,773 --> 00:13:36,899 アア… 154 00:13:39,443 --> 00:13:41,529 (左衛門)豹馬 陽炎 155 00:13:41,737 --> 00:13:45,699 弦之介さまと共に 先に岡崎(おかざき)へ向かってくれ 156 00:13:46,450 --> 00:13:48,786 (陽炎) 左衛門どのは どうなさるのです? 157 00:13:49,995 --> 00:13:53,165 (左衛門) わしは少々 この死人に用がある 158 00:13:53,916 --> 00:13:57,169 この男 いかなる術者かと― 159 00:13:57,294 --> 00:13:59,755 いちばん薄気味悪う 思うておりましたが 160 00:14:00,464 --> 00:14:03,759 存外 たあいのない奴でございましたな 161 00:14:18,732 --> 00:14:20,192 (水の音) 162 00:14:31,912 --> 00:14:36,584 (朧)すみませぬ 朱絹(あけぎぬ) 湯を使いたいなどと無理を言うて… 163 00:14:37,126 --> 00:14:40,379 (朱絹) いいえ 潮風は粘りますゆえ… 164 00:14:40,880 --> 00:14:43,632 さぞ 気持ち悪うございましたでしょう? 165 00:14:43,966 --> 00:14:47,386 察しませず 申し訳ございませんでした 166 00:14:51,348 --> 00:14:55,352 (天膳) 朧さま 拙者(せっしゃ)の女房になりなされ 167 00:14:55,936 --> 00:15:01,358 おばばさまが 伊賀鍔隠れの 次期頭領として育てし そなたの血 168 00:15:01,984 --> 00:15:05,738 その血を伝えるに ふさわしい夫は どこにおる? 169 00:15:06,155 --> 00:15:07,406 ほう… 170 00:15:08,157 --> 00:15:13,454 弦之介さえ触れたことのない乳房が 熱うなってきたではないか 171 00:15:15,039 --> 00:15:18,292 アアッ… アアッ… 172 00:15:18,626 --> 00:15:19,627 (朱絹)ハッ… 173 00:15:20,252 --> 00:15:22,254 朱絹… (朱絹)はい 174 00:15:22,838 --> 00:15:25,633 (朧)もっと強う頼みます 175 00:15:33,349 --> 00:15:34,308 あの笛… 176 00:15:34,808 --> 00:15:37,853 えっ? (朧)渡しに乗り合わせた… 177 00:15:38,103 --> 00:15:40,648 あれは旅芸人だったのかえ? 178 00:15:41,273 --> 00:15:43,734 あっ… はい 179 00:15:44,693 --> 00:15:46,737 (旅芸人の息子) 父ちゃん! 父ちゃん! 180 00:15:50,032 --> 00:15:52,326 (朧)今ごろ どの辺りでしょう? 181 00:15:52,660 --> 00:15:55,245 (朱絹)さあ… 先を急いだか― 182 00:15:55,371 --> 00:15:59,375 あるいは この宿場に とどまっておるやもしれませぬ 183 00:16:01,085 --> 00:16:02,920 もう一度 聞きたい 184 00:16:09,843 --> 00:16:12,262 また行き合うことも ありましょう 185 00:16:16,976 --> 00:16:20,396 (朧)小四郎(こしろう)は もう休んでしまいましたか? 186 00:16:21,522 --> 00:16:24,191 まだ ちゃんと わびていないのです 187 00:16:25,025 --> 00:16:28,070 小四郎を あのような目に遭わせたのは… 188 00:16:29,989 --> 00:16:33,993 できれば 天膳が辺りの見聞から戻る前に… 189 00:16:36,620 --> 00:16:40,749 (朱絹)小四郎どのは 天膳さまのお供をしております 190 00:16:40,958 --> 00:16:41,792 (朧)えっ? 191 00:16:42,084 --> 00:16:45,504 今宵(こよい)のうちに 室賀豹馬を討つために 192 00:16:45,629 --> 00:16:48,340 恐らく 今ごろは駒場(こまば)辺りかと… 193 00:16:48,465 --> 00:16:51,301 そんな… 小四郎は目が見えないのですよ 194 00:16:52,052 --> 00:16:55,514 私も お止めしたのですが… 195 00:16:56,765 --> 00:16:58,600 わしの身を案じておるのか? 196 00:16:59,351 --> 00:17:01,854 いえ 小四郎どのは… 197 00:17:02,438 --> 00:17:05,024 (天膳) 物見遊山ではないのだぞ 朱絹 198 00:17:05,357 --> 00:17:08,652 あっ はい 申し訳ございません 199 00:17:09,528 --> 00:17:12,448 フッ… 旅の空では― 200 00:17:12,573 --> 00:17:16,577 よう知ったはずの男や女が 特別に見えてくるものじゃ 201 00:17:16,702 --> 00:17:19,705 (朱絹) ハッ… け… 決して そのような… 202 00:17:20,247 --> 00:17:24,168 (天膳)甲賀一党 首尾よう皆殺しにしたのち― 203 00:17:25,127 --> 00:17:28,422 祝言2組 挙げるもよかろう 204 00:17:28,547 --> 00:17:32,301 (朱絹)あっ そんな… 私は… 205 00:17:37,306 --> 00:17:39,183 (朱絹)大丈夫でございます 206 00:17:39,516 --> 00:17:44,813 小四郎どのは きっと… きっと ご無事でございます 207 00:17:46,482 --> 00:17:47,649 朱絹? 208 00:17:49,276 --> 00:17:50,527 (朱絹)きっと… 209 00:17:58,327 --> 00:18:01,121 (小四郎)天膳さま… 210 00:18:01,789 --> 00:18:05,334 (天膳) 船の中でのこと あれは方便じゃ 211 00:18:05,959 --> 00:18:09,713 潜んでおった甲賀者を おびき出すためのな 212 00:18:11,215 --> 00:18:12,341 忘れよ 213 00:18:17,596 --> 00:18:18,680 アアッ… 214 00:18:20,432 --> 00:18:21,517 ウッ… 215 00:18:26,355 --> 00:18:30,067 どこへ行かれたか 天膳さま… 216 00:18:31,026 --> 00:18:34,071 どこへ行かれるか 天膳さま! 217 00:18:35,948 --> 00:18:37,699 (鷹の羽ばたきの音) ハッ… 218 00:18:39,368 --> 00:18:40,619 鷹よ! 219 00:18:41,829 --> 00:18:44,540 天膳さまは ご無事か? 220 00:18:46,583 --> 00:18:47,960 どこへ行く? 221 00:18:49,545 --> 00:18:50,963 どこへ行くのだ? 222 00:18:51,880 --> 00:18:54,049 なぜ こんなことになったのだ? 223 00:18:55,342 --> 00:18:58,011 俺は いつから… 224 00:18:59,471 --> 00:19:01,682 なぜ甲賀を憎んでおるのだ? 225 00:19:05,227 --> 00:19:06,436 (小四郎)姫さま… 226 00:19:07,771 --> 00:19:10,566 姫さまと伊賀を守る 227 00:19:11,775 --> 00:19:14,194 己を育んでくれた伊賀を… 228 00:19:19,491 --> 00:19:20,784 姫さま… 229 00:19:21,994 --> 00:19:23,412 そうだ! 230 00:19:23,745 --> 00:19:27,624 俺が… 俺が姫さまを連れて… 231 00:19:28,083 --> 00:19:30,002 一生 おそばに… 232 00:19:31,128 --> 00:19:32,296 俺が… 233 00:19:51,732 --> 00:19:53,734 (力み声) 234 00:19:56,320 --> 00:19:57,279 ンッ! 235 00:20:00,782 --> 00:20:03,785 このざまで 何ができる? 236 00:20:03,952 --> 00:20:05,662 甲賀弦之介… 237 00:20:06,455 --> 00:20:10,042 貴様の朧さまへの思いは… 238 00:20:13,921 --> 00:20:18,842 貴様は このままで… このままで よいというのか! 239 00:20:19,009 --> 00:20:20,427 弦之介さま! 240 00:20:21,136 --> 00:20:22,596 行っておしまいなされた… 241 00:20:23,430 --> 00:20:26,767 弦之介さまが 行っておしまいなされた… 242 00:20:29,478 --> 00:20:31,813 所詮は甲賀者! 243 00:20:32,147 --> 00:20:35,817 甲賀一党… 彼奴(きゃつ)らさえ いなければ! 244 00:20:42,908 --> 00:20:44,952 (豹馬)その重い足取り… 245 00:20:45,369 --> 00:20:48,872 まだ迷うておられますな 弦之介さま 246 00:20:49,915 --> 00:20:54,336 無理もない それが若さというものにござる 247 00:20:55,128 --> 00:20:58,507 されど 無情に事は進み申す 248 00:21:00,425 --> 00:21:03,470 あなたさまの御身(おんみ)を 託されし者として― 249 00:21:04,221 --> 00:21:08,517 これは 間違(まちご)うておるやもしれませぬな 250 00:21:09,810 --> 00:21:15,440 甲賀十人衆 最後の1人となるまで 迷われるがよい 251 00:21:16,191 --> 00:21:20,237 弾正(だんじょう)さまには わしが地獄で わびましょうぞ 252 00:21:20,779 --> 00:21:26,118 いや 弾正さまとて あなたを 責めることなど でき申さぬ 253 00:21:26,535 --> 00:21:27,703 なぜならば… 254 00:21:27,828 --> 00:21:28,662 うん? 255 00:21:31,039 --> 00:21:32,040 (陽炎)うん? 256 00:21:33,417 --> 00:21:35,085 (弦之介)どうした? 豹馬 257 00:21:35,210 --> 00:21:37,879 人が近づいてき申す 258 00:21:38,755 --> 00:21:39,589 ハッ… 259 00:21:39,756 --> 00:21:41,633 (鳴き声) 260 00:21:44,594 --> 00:21:45,679 (豹馬)ハッ… 261 00:21:49,391 --> 00:21:50,684 甲賀者か? 262 00:21:52,769 --> 00:21:56,315 その声は 筑摩(ちくま)小四郎 263 00:22:06,491 --> 00:22:11,496 ♪~ 264 00:23:31,993 --> 00:23:35,831 ~♪ 265 00:23:39,584 --> 00:23:41,920 (語り)月明(げつめい)届かぬ闇の決闘 266 00:23:42,045 --> 00:23:45,423 相対せし兵(つわもの)は 将領と雑兵 267 00:23:45,590 --> 00:23:49,261 守るべき者のため いとしき命のため― 268 00:23:49,386 --> 00:23:53,140 2羽の猛(たけ)き鳥が今 己の全てを懸ける 269 00:23:53,598 --> 00:23:56,643 凄絶(せいぜつ)の最期によぎる真実の眼(まなこ) 270 00:23:56,852 --> 00:23:59,479 惨 ここに極まれり 271 00:24:00,480 --> 00:24:03,191 次回「バジリスク~甲賀忍法帖~」