1 00:00:08,341 --> 00:00:11,010 (語り)憎しみ合う者たちがいた 2 00:00:12,929 --> 00:00:17,684 骸(むくろ)は野に朽ち 御霊(みたま)は血に染(そ)み 3 00:00:20,311 --> 00:00:23,773 絆は 刃(やいば)に分かたれた 4 00:00:23,940 --> 00:00:26,985 (蛇の威嚇音) (鷹(たか)の鳴き声) 5 00:00:32,532 --> 00:00:33,491 (鳴き声) 6 00:00:37,370 --> 00:00:38,663 (鳴き声) 7 00:00:39,789 --> 00:00:42,375 闇についえし真心が泣く 8 00:00:42,500 --> 00:00:43,918 (鷹の鳴き声) 9 00:00:45,336 --> 00:00:49,424 愛する者よ 死に候(そうら)えと 10 00:01:01,519 --> 00:01:06,066 ♪~ 11 00:02:26,729 --> 00:02:30,567 ~♪ 12 00:02:45,790 --> 00:02:48,084 (鳥の鳴き声) 13 00:02:59,012 --> 00:03:00,221 (天膳(てんぜん))御免 14 00:03:02,015 --> 00:03:03,433 (侍女)あっ 天膳さま… 15 00:03:12,108 --> 00:03:15,695 (天膳) お幻(げん)さま お呼びとのことで 16 00:03:18,698 --> 00:03:21,367 (お幻)天膳 そなた… 17 00:03:21,951 --> 00:03:26,289 織田(おだ)強襲の折 どこへ行っておったのじゃ? 18 00:03:26,873 --> 00:03:28,917 (天膳)情けのうござる 19 00:03:29,042 --> 00:03:33,463 種子島(たねがしま)を食らい 早々に 死にましてございます 20 00:03:37,342 --> 00:03:39,177 ところで お幻さま 21 00:03:39,802 --> 00:03:43,765 甲賀弾正(こうが だんじょう)を しとめ損ねなさったそうですな 22 00:03:43,932 --> 00:03:44,766 ハッ… 23 00:03:45,266 --> 00:03:49,604 いいや そのお体では致し方ない 24 00:03:50,480 --> 00:03:53,983 我らが旗印である お幻さま 25 00:03:54,609 --> 00:03:58,238 そのお心を唾棄した甲賀弾正 26 00:03:59,239 --> 00:04:01,783 彼奴(きゃつ)が生き延びたことにより― 27 00:04:01,908 --> 00:04:05,536 伊賀(いが)の結束は なお強固となり申した 28 00:04:08,539 --> 00:04:10,541 (天膳)では これにて 29 00:04:17,590 --> 00:04:18,549 (お幻)天膳 30 00:04:22,262 --> 00:04:23,554 おぬしが… 31 00:04:27,976 --> 00:04:31,187 (天膳)フッ… フフフフッ… 32 00:04:32,146 --> 00:04:35,358 おばばさま 去りし日の無念… 33 00:04:35,692 --> 00:04:38,319 決して繰り返しは いたしますまい 34 00:04:41,864 --> 00:04:43,741 朧(おぼろ)さまには― 35 00:04:43,866 --> 00:04:48,204 己(おの)が手で 甲賀弦之介(げんのすけ)を葬っていただこう 36 00:05:10,685 --> 00:05:13,521 (木々の きしむ音) 37 00:05:14,188 --> 00:05:16,024 (陽炎(かげろう))嫌な音じゃ 38 00:05:17,150 --> 00:05:21,029 (左衛門(さえもん))死んでいった者らの 呪詛(じゅそ)の声やもしれぬな 39 00:05:24,824 --> 00:05:26,492 (左衛門)弦之介さま 40 00:05:26,617 --> 00:05:31,414 事の からくりを知って お心が揺らぎなされたのでは? 41 00:05:35,585 --> 00:05:37,170 (弦之介)もはや止まれぬ 42 00:05:39,172 --> 00:05:41,716 (弦之介)既に多くの血が流れた 43 00:05:42,050 --> 00:05:45,720 甲賀と伊賀 どちらかが滅びぬかぎり― 44 00:05:46,888 --> 00:05:48,222 もはや終われぬ 45 00:05:49,766 --> 00:05:50,767 ンンッ… 46 00:05:56,147 --> 00:05:57,690 弦之介さまは? 47 00:05:57,815 --> 00:06:01,110 (左衛門)しばし 身を潜めていただくことにした 48 00:06:01,778 --> 00:06:04,822 伊賀が徳川(とくがわ)方に守られている以上 49 00:06:05,114 --> 00:06:07,366 これまでのようには いかぬじゃろう 50 00:06:07,492 --> 00:06:09,368 (陽炎)されど 弦之介さまは― 51 00:06:09,494 --> 00:06:13,998 朧を… 伊賀を討つと お心をお決めなされました 52 00:06:15,041 --> 00:06:16,501 ならばこそじゃ 53 00:06:17,919 --> 00:06:22,381 頭領である弦之介さまには 是が非でも生き延び 54 00:06:22,757 --> 00:06:26,636 我らの 本懐を遂げていただかねばならぬ 55 00:06:27,804 --> 00:06:30,014 見よ 陽炎 56 00:06:30,973 --> 00:06:34,143 この日が昇り そして沈むとき― 57 00:06:34,310 --> 00:06:37,688 次は いくつの命が 共に暮れゆくか… 58 00:06:41,067 --> 00:06:43,361 この姿で散るのならば― 59 00:06:43,820 --> 00:06:46,697 彼岸で待つ甲賀の者たちへ― 60 00:06:47,073 --> 00:06:50,034 せめてもの土産になるやもしれぬな 61 00:06:50,701 --> 00:06:51,994 左衛門どの… 62 00:06:52,578 --> 00:06:53,579 フッ… 63 00:06:59,544 --> 00:07:03,673 (話し声) 64 00:07:07,009 --> 00:07:08,761 (鷹の鳴き声) 65 00:07:10,263 --> 00:07:12,140 (朱絹(あけぎぬ))あっ 朧さま… 66 00:07:12,765 --> 00:07:15,476 朧さま なりませぬ 67 00:07:15,810 --> 00:07:18,354 (朧)歩きたいのです 朱絹 68 00:07:18,688 --> 00:07:22,316 えっ? (朧)この足で地を踏み締めたい 69 00:07:23,025 --> 00:07:25,111 忘れとうはないのです 70 00:07:25,778 --> 00:07:27,613 (鳴き声) 71 00:07:27,905 --> 00:07:30,700 (朧)私たちは生きているのだと 72 00:07:31,242 --> 00:07:32,493 アア… 73 00:07:33,077 --> 00:07:34,454 (家臣)何をしておる? 74 00:07:34,829 --> 00:07:37,457 (家臣)いつ何どき 甲賀に狙われるかしれぬ 75 00:07:38,082 --> 00:07:39,834 己が身をわきまえい! 76 00:07:40,334 --> 00:07:43,963 じきに出発じゃ 持ち場に就け! (家臣たち)はっ! 77 00:07:51,429 --> 00:07:53,598 (鳴き声) 78 00:08:02,064 --> 00:08:05,610 (家臣)夕げの膳にも 手をつけておりませぬ 79 00:08:05,985 --> 00:08:07,653 (阿福(おふく))まあよい 80 00:08:07,820 --> 00:08:11,824 世継ぎが決するまでの間 生きてさえおれば… 81 00:08:12,241 --> 00:08:13,910 うん? フッ… 82 00:08:19,582 --> 00:08:21,375 (家臣)おぬし! どこへ行く? 83 00:08:22,168 --> 00:08:23,419 (鳴き声) 84 00:08:24,879 --> 00:08:28,341 (家臣)今宵(こよい) ここには さる貴人がお泊まりになる 85 00:08:28,466 --> 00:08:29,884 よその旅籠(はたご)へ行け! 86 00:08:30,259 --> 00:08:33,971 ほう… その貴人とは? 87 00:08:34,222 --> 00:08:36,390 (家臣)貴様ごときの 知ったことではないわ! 88 00:08:36,724 --> 00:08:39,101 ほれ さっさと立ち去れ! 89 00:08:39,936 --> 00:08:40,978 (骨の折れる音) (鳴き声) 90 00:08:41,145 --> 00:08:43,981 アアッ… アアッ… 91 00:08:44,148 --> 00:08:45,983 こ… こやつ! (家臣)曲者(くせもの)め! 92 00:08:49,153 --> 00:08:51,656 (家臣たち)ンンッ… 93 00:08:52,573 --> 00:08:53,658 (骨の折れる音) アッ! 94 00:08:54,700 --> 00:08:55,910 (骨の折れる音) ウッ! 95 00:08:56,035 --> 00:08:59,413 (家臣たち)ウウッ… アアッ… 96 00:08:59,580 --> 00:09:00,831 (家臣)アア… 97 00:09:00,957 --> 00:09:02,917 おのおの方 お出合いなされ! 98 00:09:03,251 --> 00:09:05,294 曲者にござるぞ! 99 00:09:13,302 --> 00:09:15,596 あっ 天膳さま! 100 00:09:16,681 --> 00:09:18,558 お待ちください! 違います! 101 00:09:18,933 --> 00:09:21,185 この者は味方にございます! 102 00:09:21,519 --> 00:09:22,353 (どよめき) 103 00:09:23,479 --> 00:09:24,313 フッ… 104 00:09:24,480 --> 00:09:25,815 アア… 105 00:09:32,029 --> 00:09:34,740 (朱絹) 申し訳ございません 天膳さま 106 00:09:34,865 --> 00:09:37,577 申し伝えは しておいたのですが… 107 00:09:39,579 --> 00:09:41,539 (家臣たち)アア… (朱絹)この方々は― 108 00:09:41,664 --> 00:09:46,419 将軍家ご世子 竹千代(たけちよ)さま付き御(おん)乳母 阿福さまの 109 00:09:46,711 --> 00:09:48,588 ご家来衆にございます 110 00:09:49,046 --> 00:09:50,590 (天膳)将軍家とな? 111 00:09:51,173 --> 00:09:54,885 天膳さま 阿福さまに会ってくださいまし 112 00:09:55,261 --> 00:09:57,888 私たちが ここにいる訳を… 113 00:09:58,097 --> 00:10:01,183 いいや… その暇(いとま)はない 114 00:10:02,059 --> 00:10:03,561 陽炎じゃ 115 00:10:04,395 --> 00:10:06,772 甲賀組の陽炎を見つけた 116 00:10:06,939 --> 00:10:07,773 ハッ… 117 00:10:07,898 --> 00:10:11,027 (天膳) 夕暮橋(いむればし)で 誰やら人を待つ様子 118 00:10:11,402 --> 00:10:17,199 相手は まず 甲賀弦之介と 如月(きさらぎ)左衛門に相違あるまい 119 00:10:17,325 --> 00:10:20,995 (家臣)オオッ… 甲賀者となれば 我らも加勢を! 120 00:10:21,203 --> 00:10:25,166 (天膳)甲賀者のことは 我々に任せておられい 121 00:10:25,625 --> 00:10:28,753 お手前方の手に負える相手ではない 122 00:10:29,837 --> 00:10:33,466 また 伊賀の名誉に懸けて― 123 00:10:34,008 --> 00:10:38,012 余人に 任せておけぬ宿怨の相手にござれば 124 00:10:38,512 --> 00:10:41,015 (家臣たち)アア… 125 00:10:42,975 --> 00:10:46,437 陽炎は 小四郎(こしろう)を殺した女子(おなご)じゃ 126 00:10:46,604 --> 00:10:47,938 (朱絹)ハッ… 127 00:10:48,898 --> 00:10:51,567 こ… 小四郎どのを… 128 00:10:51,942 --> 00:10:55,446 室賀豹馬(むろが ひょうま)と相討ちなされたのでは… 129 00:10:56,697 --> 00:10:58,324 さにあらず 130 00:10:58,449 --> 00:11:00,284 陽炎という女子… 131 00:11:00,576 --> 00:11:04,538 男と絡むと 吐息が毒に変ずるらしい 132 00:11:06,040 --> 00:11:09,001 小四郎の体に 傷は なかったであろう? 133 00:11:11,712 --> 00:11:14,924 あやつの術は 女子には効かぬ 134 00:11:15,883 --> 00:11:17,426 さればこそ そなたに… 135 00:11:17,551 --> 00:11:19,095 天膳さま! (天膳)ハッ… 136 00:11:20,179 --> 00:11:23,891 (朱絹)しばしの間 お待ちいただきとうございます 137 00:11:24,016 --> 00:11:25,309 (天膳)朱絹… 138 00:11:37,988 --> 00:11:39,281 ンンッ… 139 00:11:48,374 --> 00:11:51,585 (物音) ハッ… 天膳さま 140 00:11:54,130 --> 00:11:57,633 (天膳)朱絹 それは もしや… 141 00:11:58,426 --> 00:12:00,803 (朱絹) お見逃しください 天膳さま! 142 00:12:00,928 --> 00:12:04,432 憎い敵(かたき)とはいえ 朧さまにとっては思い人 143 00:12:04,640 --> 00:12:06,517 せめてもの形見に… 144 00:12:15,025 --> 00:12:16,277 よかろう 145 00:12:16,485 --> 00:12:17,736 ハッ… 146 00:12:20,489 --> 00:12:23,826 見なかったことにしておく (朱絹)アア… 147 00:12:36,088 --> 00:12:39,091 (足音) 148 00:12:39,216 --> 00:12:44,722 (天膳) すると その阿福とやらは 甲賀者を 己らで討ち取ると? 149 00:12:45,222 --> 00:12:46,682 (朱絹)アア… はい 150 00:12:47,224 --> 00:12:48,642 (天膳)たわけが! 151 00:12:49,685 --> 00:12:53,939 世継ぎ争いなど 我らには関わりのないこと 152 00:12:54,732 --> 00:12:59,737 あるのは 伊賀と甲賀 長きにわたる宿怨の決着のみ 153 00:13:00,279 --> 00:13:01,822 そうではないか! 154 00:13:03,574 --> 00:13:06,285 余人の力を借りたとあっては― 155 00:13:06,410 --> 00:13:08,996 散っていった者たちも 浮かばれまいな 156 00:13:09,163 --> 00:13:10,372 ハッ… 157 00:13:11,248 --> 00:13:16,086 私も… 私も ずっと その気持ちでおりました 158 00:13:16,712 --> 00:13:20,674 甲賀者を 1人残らず 血まみれにせねば― 159 00:13:21,717 --> 00:13:25,763 伊賀の… 私の戦いは 終わることはないと 160 00:13:27,056 --> 00:13:28,057 ただ… 161 00:13:29,099 --> 00:13:32,436 ただ 目の見えぬ朧さまだけは… 162 00:13:32,603 --> 00:13:33,437 アア… 163 00:13:33,771 --> 00:13:38,442 朧さまだけは 無事に駿府(すんぷ)へ お届けしたいと… 164 00:13:44,698 --> 00:13:47,701 (家臣)誠 面妖な奴(やつ)らよのぅ 165 00:13:47,993 --> 00:13:50,371 (家臣)忍者なぞとは 関わり合いとうないが― 166 00:13:50,704 --> 00:13:52,456 阿福さまのお達しじゃ 167 00:13:54,708 --> 00:13:55,709 ハッ… 168 00:13:58,921 --> 00:14:02,174 (家臣)お… お… おぬしは… 169 00:14:29,535 --> 00:14:32,329 甲賀弦之介の篠笛(しのぶえ)… (朱絹)えっ? 170 00:14:32,454 --> 00:14:36,750 鍔隠(つばがく)れから持っておったのか? (朱絹)あっ はい 171 00:14:37,877 --> 00:14:39,336 恐らく あれは― 172 00:14:39,670 --> 00:14:44,466 甲賀弦之介より朧さまへの 決別のしるしと思われます 173 00:14:44,800 --> 00:14:49,221 ならば なぜ そなたが後生大事に持っておった? 174 00:14:50,306 --> 00:14:55,978 朧さまの未練を断ち切らせるには 格好の品となったはずじゃが 175 00:14:57,021 --> 00:14:58,355 (朱絹)それは… 176 00:14:59,565 --> 00:15:03,235 (天膳)誠 人の心ほど― 177 00:15:03,569 --> 00:15:06,238 計り知れぬものはない (朱絹)えっ? 178 00:15:06,572 --> 00:15:09,325 ましてや 敵の心など― 179 00:15:09,450 --> 00:15:13,329 いくら愚行を重ねたところで 答えは出まい 180 00:15:17,291 --> 00:15:18,125 どうした? 181 00:15:18,500 --> 00:15:20,210 あっ いえ… 182 00:15:22,755 --> 00:15:24,757 いくぞ 朱絹 183 00:15:25,883 --> 00:15:26,717 はい 184 00:15:40,481 --> 00:15:41,482 (物音) 185 00:15:44,443 --> 00:15:48,864 弦之介は まだ来ぬかえ? 186 00:15:55,871 --> 00:15:58,499 ンッ! 勝負じゃ! 187 00:16:00,668 --> 00:16:02,711 私が待っていたのは― 188 00:16:03,170 --> 00:16:05,714 お前じゃ 朱絹 (朱絹)ハッ… 189 00:16:10,302 --> 00:16:12,012 陽炎! 190 00:16:12,179 --> 00:16:13,681 ハーッ! 191 00:16:15,265 --> 00:16:16,725 (刃の すれる音) 192 00:16:18,894 --> 00:16:21,730 (朱絹) お幻さま 蝋斉(ろうさい)どの 念鬼(ねんき)どの… 193 00:16:21,897 --> 00:16:25,192 陣五郎(じんごろう)どの 蛍火(ほたるび) 夜叉丸(やしゃまる)どの! 194 00:16:26,193 --> 00:16:28,779 小四郎の敵ーっ! 195 00:16:29,905 --> 00:16:31,031 ウウッ… 196 00:16:31,240 --> 00:16:33,200 ハァハァ… 197 00:16:34,493 --> 00:16:35,327 ンッ! 198 00:16:36,120 --> 00:16:37,997 (皮膚の震える音) 199 00:16:39,331 --> 00:16:43,252 ハーッ! 200 00:16:44,920 --> 00:16:45,796 ウッ… 201 00:16:51,510 --> 00:16:54,930 死ね 陽炎ーっ! 202 00:16:55,097 --> 00:16:57,891 アッ… 天膳さま! 203 00:17:01,270 --> 00:17:02,521 ンンッ… 204 00:17:04,940 --> 00:17:07,276 (陽炎)ンンッ! (朱絹)アア… 205 00:17:14,992 --> 00:17:16,410 (刺す音) アッ! 206 00:17:19,246 --> 00:17:20,247 アアッ… 207 00:17:23,000 --> 00:17:25,377 やがて 朧も逝(い)く 208 00:17:26,879 --> 00:17:31,091 お前の その血で 地獄の露払いをしやれ 209 00:17:31,884 --> 00:17:34,636 アッ… アアッ… 210 00:17:39,641 --> 00:17:40,726 アア… 211 00:17:42,811 --> 00:17:43,645 アア… 212 00:17:49,735 --> 00:17:51,070 アアッ… 213 00:17:53,697 --> 00:17:54,615 ンッ… 214 00:18:16,303 --> 00:18:19,890 (弦之介) 甲賀も伊賀も 人に変わりはない 215 00:18:20,474 --> 00:18:25,854 宿怨と称する呪縛を捨て 曇り偏った目を開き 216 00:18:26,980 --> 00:18:30,400 伊賀の たった1人とでもよい 217 00:18:31,110 --> 00:18:34,113 まずは 近しゅうなってみることじゃ 218 00:18:35,572 --> 00:18:39,827 (左衛門) 今となれば 知るよすがはない 219 00:18:42,871 --> 00:18:45,707 陽炎よ 我らは… 220 00:18:46,125 --> 00:18:49,753 うまく誘い出せましたな 左衛門どの 221 00:18:49,878 --> 00:18:50,712 (左衛門)アア… 222 00:18:51,547 --> 00:18:54,174 (朱絹)これで残るは 朧1人 223 00:18:55,300 --> 00:19:00,264 左衛門どの 朧を討つ役は私に! 224 00:19:02,599 --> 00:19:06,353 (左衛門) 朧の瞳は塞がれておるとよ 225 00:19:06,520 --> 00:19:07,521 ハッ… 226 00:19:09,231 --> 00:19:10,065 フッ… 227 00:19:20,033 --> 00:19:21,076 (ふすまの開く音) 228 00:19:26,165 --> 00:19:27,583 ハッ… 229 00:19:44,349 --> 00:19:46,518 (陽炎)では そのように… 230 00:19:47,686 --> 00:19:50,898 (足音) (左衛門)うん? 231 00:20:01,283 --> 00:20:04,286 (深呼吸) 232 00:20:07,456 --> 00:20:08,790 (家臣たち)アア… 233 00:20:09,416 --> 00:20:12,836 (左衛門:天膳の声) これは 阿福どののご家来衆 234 00:20:12,961 --> 00:20:15,380 先ほどは失礼つかまつった 235 00:20:15,547 --> 00:20:17,299 (家臣たち)アア… 236 00:20:19,134 --> 00:20:23,764 (天膳の声)伊賀の山中 猿(ましら)のごとく育ったものでな 237 00:20:24,181 --> 00:20:26,225 つい 手荒な振る舞いを… 238 00:20:27,434 --> 00:20:30,812 (家臣) 朱絹どのは どうなされた? 239 00:20:31,396 --> 00:20:32,981 朱絹は― 240 00:20:33,523 --> 00:20:38,654 甲賀組の頭領 甲賀弦之介を 追っていき申した 241 00:20:38,779 --> 00:20:40,822 (家臣1)なんと! (家臣2)それで? 242 00:20:41,907 --> 00:20:44,576 深手を負っての遁走(とんそう)ゆえ― 243 00:20:45,327 --> 00:20:50,165 どのみち 野たれ死にしましょうが 万一を考えましてな… 244 00:20:52,751 --> 00:20:57,798 朱絹どのの話では 甲賀組には もう1人… 245 00:20:58,548 --> 00:21:02,302 陽炎と申す女子が おるとのことであったが 246 00:21:02,803 --> 00:21:07,182 それならば 飼いならしてあり申す 247 00:21:08,141 --> 00:21:09,935 飼い慣らしたとは? 248 00:21:10,560 --> 00:21:15,107 生け捕って 拙者(せっしゃ)が女にしてやり申した 249 00:21:15,565 --> 00:21:20,946 すると 不思議なもので たちまち 伊賀へと寝返った次第 250 00:21:21,446 --> 00:21:26,326 ほう… いや 感銘つかまつった 251 00:21:27,536 --> 00:21:30,163 先ほどのお手並みといい― 252 00:21:30,622 --> 00:21:34,167 なんとも心強きお味方にござる 253 00:21:36,253 --> 00:21:39,673 ところで 薬師寺(やくしじ)天膳どの 254 00:21:40,382 --> 00:21:45,429 朱絹どのより 承ったところによると おぬし… 255 00:21:48,348 --> 00:21:52,185 その身に いかなる傷を受けても死なぬ… 256 00:21:55,856 --> 00:21:58,608 不死の忍びなのだそうじゃな 257 00:21:59,276 --> 00:22:00,152 なに! 258 00:22:06,491 --> 00:22:11,496 ♪~ 259 00:23:31,993 --> 00:23:35,831 ~♪ 260 00:23:41,211 --> 00:23:44,381 (語り) しじまに開く壮麗なる鮮血の扇 261 00:23:44,506 --> 00:23:46,633 窮地に なまめく緋牡丹(ひぼたん) 262 00:23:46,883 --> 00:23:51,513 うねる絖(ぬめ)の肌と しとどの蜜が 死なずの情欲をそびやかす 263 00:23:51,888 --> 00:23:54,933 たおやかに影を抱いた法悦の息吹 264 00:23:55,058 --> 00:23:58,395 誘(いざな)うは寂滅の涅槃(ねはん) 265 00:23:59,646 --> 00:24:02,607 次回「バジリスク~甲賀忍法帖~」