1 00:00:06,519 --> 00:00:11,024 人間は 魔神に滅ぼされるかに見えた 2 00:00:14,819 --> 00:00:19,491 それを救ったのは たったひとりの魔道士だった 3 00:00:26,289 --> 00:00:30,961 彼は“魔法帝”と呼ばれ 伝説になった 4 00:02:04,471 --> 00:02:05,889 三魔眼 ヴェットの— 5 00:02:06,014 --> 00:02:08,850 古代の呪術魔法により 負傷したアスタ 6 00:02:09,017 --> 00:02:10,935 その両腕を 治療する方法を探すため— 7 00:02:11,477 --> 00:02:14,773 黒の暴牛の仲間たちは 動きだすのだった 8 00:02:14,898 --> 00:02:16,775 そして ノエルとフィンラルも 9 00:02:16,900 --> 00:02:19,945 手がかりを求めて ある男を訪ねていた 10 00:02:20,320 --> 00:02:21,446 おジャマするわ! 11 00:02:21,738 --> 00:02:23,865 ああ 今 風呂上がりなんだけ… 12 00:02:24,032 --> 00:02:26,451 …ど〜っ! キャーッ! 13 00:02:26,618 --> 00:02:28,828 ウッ… ウウ… 14 00:02:29,537 --> 00:02:31,831 ノエルとフィンラルが訪ねた相手… 15 00:02:31,957 --> 00:02:34,876 その名を ファンゼル・クルーガーという 16 00:02:35,001 --> 00:02:38,964 この男が何者なのか アスタと どういう関係なのか 17 00:02:39,089 --> 00:02:42,133 話は5か月前に遡る… 18 00:02:45,178 --> 00:02:47,597 魔導書を手に入れた アスタとユノが— 19 00:02:47,722 --> 00:02:49,766 魔法騎士団の 入団試験を受けに— 20 00:02:49,891 --> 00:02:52,727 王都に向かう 少し前の出来事である 21 00:02:53,061 --> 00:02:56,940 アスタは ハージ村の近くの 森の中で野宿をしながら— 22 00:02:57,065 --> 00:02:58,817 剣の修行に励んでいた 23 00:03:02,737 --> 00:03:04,072 ハアーッ! 24 00:03:04,197 --> 00:03:05,782 オリャー! 25 00:03:06,032 --> 00:03:06,866 ンッ! 26 00:03:07,200 --> 00:03:08,034 ダーッ! 27 00:03:08,159 --> 00:03:10,537 ウワッ! とっとっと… 28 00:03:10,662 --> 00:03:13,957 う〜ん… こんなんでいいのか? 分からん 29 00:03:14,582 --> 00:03:19,838 大体 剣なんて習ったことねえし 正しい構えとか知らないし 30 00:03:19,963 --> 00:03:22,215 練習になってんのか? これ 31 00:03:22,382 --> 00:03:23,883 ヒエ〜ッ! うん? 32 00:03:24,050 --> 00:03:26,553 ど… どいて 少年! あ… 危ない 33 00:03:26,720 --> 00:03:28,555 なら こっち来んなーっ! 34 00:03:28,680 --> 00:03:30,974 ンッ… 横に跳べ! 35 00:03:31,141 --> 00:03:33,226 オッ… ンッ! 36 00:03:33,393 --> 00:03:34,352 ドリャー! 37 00:03:36,646 --> 00:03:38,189 おっととと… 38 00:03:38,356 --> 00:03:40,483 おお すごい! 39 00:03:40,608 --> 00:03:42,986 一撃で追い払うとはねえ 40 00:03:43,111 --> 00:03:45,780 いやぁ 川で釣りをしようとしたら— 41 00:03:45,905 --> 00:03:49,409 イノシシの縄張りだったみたいでね ハハハハッ… 42 00:03:49,743 --> 00:03:51,036 は… はぁ… 43 00:03:51,661 --> 00:03:54,998 私はファンゼル 旅をしている者だ 44 00:03:55,457 --> 00:03:58,126 ファンゼルさん “ゼル”でいいよ 45 00:03:58,251 --> 00:04:00,378 あっ ハージ村のアスタっす 46 00:04:00,503 --> 00:04:02,172 よろしく アスタ 47 00:04:02,297 --> 00:04:03,965 ところで あれは君の? 48 00:04:04,090 --> 00:04:06,092 そうだけど… それが? 49 00:04:06,259 --> 00:04:08,053 うん? 50 00:04:09,679 --> 00:04:10,889 いや… 51 00:04:11,848 --> 00:04:13,641 ホント助かったよ 52 00:04:15,560 --> 00:04:19,647 2日前から何も食べてなくてね 魚も釣れなかったし 53 00:04:19,772 --> 00:04:20,606 はぁ… 54 00:04:22,442 --> 00:04:23,526 モッサモサだね 55 00:04:23,651 --> 00:04:27,322 口の中の水分が 全部 持っていかれるよ 56 00:04:27,447 --> 00:04:30,158 そんなことより なんで裸なんだよ… 57 00:04:30,283 --> 00:04:32,702 釣りで ぬれたくなかったんだよ 58 00:04:34,120 --> 00:04:35,288 これは何だい? 59 00:04:35,413 --> 00:04:39,834 分かんねえで食ってたのかよ! ハージ村の名産のノモイモだよ! 60 00:04:39,959 --> 00:04:41,336 へえ… ノモイモ 61 00:04:41,461 --> 00:04:42,587 ウッ! 62 00:04:42,921 --> 00:04:44,172 大丈夫か? 63 00:04:44,297 --> 00:04:46,007 あ〜あ… ほら 64 00:04:46,132 --> 00:04:47,926 あ… ありがとう 65 00:04:51,012 --> 00:04:51,846 フゥ… 66 00:04:51,971 --> 00:04:54,849 …て なに これ! 随分 苦いな 67 00:04:55,266 --> 00:04:58,436 魔力増強に効くっていう モグロ葉の汁だ 68 00:04:58,561 --> 00:05:00,605 おかげで元気になったよ 69 00:05:01,231 --> 00:05:04,818 お礼と言っちゃ何だけど 私の家に招待しよう 70 00:05:04,943 --> 00:05:05,860 家? 71 00:05:06,027 --> 00:05:08,613 …といっても 勝手に借りてるだけなんだが 72 00:05:08,738 --> 00:05:09,739 ハハハッ… 73 00:05:10,031 --> 00:05:12,158 森の奥に こんな場所があったのか 74 00:05:12,283 --> 00:05:13,660 知らなかった 75 00:05:13,785 --> 00:05:15,620 たまたま 空き家を見つけてね 76 00:05:16,454 --> 00:05:19,249 あっ ちょっと待ってて 何か着てくるよ 77 00:05:21,459 --> 00:05:22,669 へえ! 78 00:05:22,836 --> 00:05:26,381 魔力を無効化する剣か 初めて見たよ 79 00:05:27,132 --> 00:05:31,594 この剣で 俺は魔法騎士団の 入団試験に合格してみせる! 80 00:05:31,719 --> 00:05:34,389 そのための山ごもりの修行だ! 81 00:05:34,514 --> 00:05:35,682 なるほどね 82 00:05:35,807 --> 00:05:38,309 おっさんは こんな所で何を? 83 00:05:38,434 --> 00:05:43,022 おっさんって… 私 一応 まだ28なんだけど… 84 00:05:43,273 --> 00:05:46,860 ええっ!? 28? え〜っ? 老け過ぎだろう 85 00:05:46,985 --> 00:05:49,988 フフッ… まあ それは置いといて… 86 00:05:50,697 --> 00:05:51,906 ンッ… 87 00:05:54,993 --> 00:05:58,538 人を待ってるんだ こんな山奥でかよ? 88 00:05:58,913 --> 00:06:02,417 いろいろあってね ふ〜ん… 89 00:06:03,167 --> 00:06:06,004 そうだ アスタ 君は野宿してるんだろう? 90 00:06:06,129 --> 00:06:08,339 特訓の間 ここに住んだら どうだい? 91 00:06:08,506 --> 00:06:10,592 えっ? そりゃ助かるけど… 92 00:06:10,717 --> 00:06:13,094 俺のノモイモに たかる気じゃねえだろうな? 93 00:06:13,428 --> 00:06:16,931 人との出会いや つながりは 大事にしたほうがいい 94 00:06:17,056 --> 00:06:19,100 形には 残らないかもしれないけど— 95 00:06:19,225 --> 00:06:23,104 経験として 心の中に積み上げていけるからね 96 00:06:23,354 --> 00:06:24,731 ンンッ… 97 00:06:25,148 --> 00:06:26,441 う〜ん… 98 00:06:26,566 --> 00:06:27,859 ありえねえ 99 00:06:27,984 --> 00:06:31,738 どう考えても怪しい もう少し 相手を探れ 100 00:06:31,863 --> 00:06:33,781 ンンッ! 101 00:06:33,907 --> 00:06:34,741 分かった! 102 00:06:34,866 --> 00:06:37,619 じゃ そうさせてもらうよ ゼルのおっさん! 103 00:06:37,785 --> 00:06:40,872 うん じゃ 早速 薪割り当番を決めようか 104 00:06:40,997 --> 00:06:42,665 ええ〜っ!? 105 00:06:45,084 --> 00:06:47,879 ドリャ! ソリャ! ターッ! 106 00:06:48,212 --> 00:06:49,213 ハアッ! 107 00:06:49,714 --> 00:06:50,715 セイッ! 108 00:06:50,882 --> 00:06:51,674 ハアーッ! 109 00:06:51,799 --> 00:06:54,761 …っととと アッ! …っとと 110 00:06:54,886 --> 00:06:58,264 う〜ん… これじゃダメなんだよなぁ 111 00:06:58,389 --> 00:07:01,351 体重が膝に 乗り切ってないからじゃないかな? 112 00:07:01,476 --> 00:07:02,310 えっ? 113 00:07:02,477 --> 00:07:03,978 剣を振ったあと— 114 00:07:04,103 --> 00:07:07,315 更に攻撃しようとして うまくいかないんだろう? 115 00:07:07,690 --> 00:07:09,567 バランスを崩してしまう 116 00:07:09,692 --> 00:07:10,985 あ… ああ 117 00:07:11,402 --> 00:07:15,573 両足の爪先を 常に 剣先と同じほうに向けて— 118 00:07:15,698 --> 00:07:19,285 あと 右足を半歩先に 出したほうがいい 119 00:07:19,410 --> 00:07:20,245 やってごらん 120 00:07:21,120 --> 00:07:22,455 う〜ん… 121 00:07:24,123 --> 00:07:27,293 オリャー! 122 00:07:27,627 --> 00:07:30,588 ンッ… ハアーッ! 123 00:07:32,173 --> 00:07:34,425 アア… わあ… 124 00:07:34,884 --> 00:07:36,427 ウオッ! できた! 125 00:07:36,552 --> 00:07:41,015 う… うん できるの めっちゃ早いけど… 126 00:07:41,140 --> 00:07:42,558 まあ 何よりだよ 127 00:07:42,976 --> 00:07:45,728 すげえな おっさん! 剣使えるのか? 128 00:07:46,145 --> 00:07:49,649 うん まあ 剣っていうか… ちょっと待ってて 129 00:07:49,774 --> 00:07:50,608 アア… 130 00:07:56,447 --> 00:07:57,282 わあ! 131 00:07:57,657 --> 00:08:00,952 風創成魔法“斬風皇” 132 00:08:02,412 --> 00:08:04,080 ンッ… ンッ… 133 00:08:07,917 --> 00:08:10,128 オオ〜ッ! すげえ! 134 00:08:13,840 --> 00:08:17,552 こういう感じで 魔法が剣の形をしてるんだよね 135 00:08:17,677 --> 00:08:20,763 “斬風皇” 通称“ザッキーさん”だ 136 00:08:21,055 --> 00:08:23,182 ネーミングセンスも すげえ! 137 00:08:23,558 --> 00:08:27,353 なので ちょっとだけ 剣術も かじってるよって感じ 138 00:08:27,478 --> 00:08:30,523 だったら 頼むよ 俺に剣を教えてくれ! 139 00:08:30,732 --> 00:08:33,484 えっ? ちょっとだけでいいんだ 140 00:08:33,609 --> 00:08:35,528 頼む 教えてくれ! 141 00:08:35,653 --> 00:08:36,696 うん いいよ 142 00:08:37,572 --> 00:08:39,365 えっ? いいよ 143 00:08:39,573 --> 00:08:42,702 えっ? いいのか? うん 144 00:08:42,827 --> 00:08:44,495 あ… ありがとう 145 00:08:44,620 --> 00:08:47,915 やった… やったぞーっ! 146 00:08:48,082 --> 00:08:52,879 やった やった! ハハッ! やった〜 やった〜! 147 00:08:53,004 --> 00:08:56,049 でも これだけは 約束してほしいんだけど 148 00:08:56,174 --> 00:08:56,841 うん? 149 00:08:57,133 --> 00:09:00,053 アスタ 君は 何のために強くなりたいの? 150 00:09:00,428 --> 00:09:02,055 魔法帝になるためだ 151 00:09:02,347 --> 00:09:03,431 ンッ… 152 00:09:04,098 --> 00:09:07,560 なるほど それは いいね うん 非常にいい 153 00:09:07,977 --> 00:09:10,688 笑わねえのか? なんで笑うんだい? 154 00:09:10,813 --> 00:09:13,024 あっ いや ムリだとか何とか… 155 00:09:13,149 --> 00:09:14,359 ムリかどうかなんて— 156 00:09:14,484 --> 00:09:16,652 やってみなければ 分からないじゃないか 157 00:09:18,071 --> 00:09:19,238 約束してくれ 158 00:09:19,906 --> 00:09:22,158 その夢をかなえるため以外には— 159 00:09:22,283 --> 00:09:25,036 絶対に私の教えたものは 使わないでほしい 160 00:09:25,453 --> 00:09:27,538 おう どうすればいいんだ? 161 00:09:27,830 --> 00:09:31,626 不当に人を傷つけたり 弱い者をいじめたり— 162 00:09:31,751 --> 00:09:32,710 そういう悪いことに— 163 00:09:32,835 --> 00:09:34,545 使わなければ それでいい 164 00:09:34,754 --> 00:09:35,755 そんなこと— 165 00:09:35,880 --> 00:09:37,298 言われなくても しねえよ! 166 00:09:37,965 --> 00:09:41,094 約束だよ ああ 約束だ 167 00:09:42,011 --> 00:09:43,971 よし 一緒に頑張ろう! 168 00:09:44,097 --> 00:09:46,766 ウッス! よろしくお願いします! 169 00:09:54,107 --> 00:09:55,108 ンッ! 170 00:09:55,608 --> 00:09:56,692 ハアッ! 171 00:09:57,402 --> 00:09:58,861 ハアッ! 172 00:09:58,986 --> 00:10:00,696 グッ… ンッ! 173 00:10:01,114 --> 00:10:03,116 左足の引き付けが遅い! 174 00:10:03,366 --> 00:10:07,078 連続技を打つなら 斬撃と斬撃の間を空けるな 175 00:10:07,662 --> 00:10:09,372 おう! ハアッ! 176 00:10:10,206 --> 00:10:12,166 いや すばらしいよ アスタ 177 00:10:12,500 --> 00:10:16,671 受け・攻め ともに抜群だ どんどん動きがよくなっていくよ 178 00:10:16,921 --> 00:10:19,132 …てか おっさん こんだけ強ければ 179 00:10:19,257 --> 00:10:21,968 絶対 イノシシなんて 自分で倒せたよな 180 00:10:22,093 --> 00:10:25,555 あのときは 剣も魔導書も 手元になかったからね 181 00:10:25,680 --> 00:10:29,559 それと 私の剣術は 本当に大したことないよ 182 00:10:29,684 --> 00:10:32,311 君が それを 上手に使い過ぎてるだけ 183 00:10:32,895 --> 00:10:36,899 ゼルのおっさんの教え方が 上手だからって思うけどな 184 00:10:38,568 --> 00:10:41,696 ちょっと先生のようなことを していたことがあるんだ 185 00:10:41,904 --> 00:10:43,281 なるほどな! 186 00:10:43,406 --> 00:10:46,075 生徒には ナメられっぱなしだったけどね 187 00:10:46,200 --> 00:10:47,702 ハハハッ… 188 00:10:47,827 --> 00:10:49,662 100人以上 見てきたけど— 189 00:10:49,787 --> 00:10:53,416 君は本当に 3本の指に入るくらい優秀だよ 190 00:10:53,666 --> 00:10:55,334 3本? 191 00:10:55,543 --> 00:10:57,378 いや 2本かな… 192 00:10:57,503 --> 00:11:02,216 まあ 1番は規格外というか 剣を剣として扱わないというか… 193 00:11:02,675 --> 00:11:03,926 うん? 194 00:11:04,051 --> 00:11:07,388 それは ともかく 君は魔法騎士団に入っても— 195 00:11:07,513 --> 00:11:10,933 十分 通用するレベルの 使い手になると思う 196 00:11:11,684 --> 00:11:12,852 それ ホントか? 197 00:11:13,478 --> 00:11:16,522 じゃ 早速 特訓の続きやろうぜ! 198 00:11:16,647 --> 00:11:20,484 お… おいおい まだ食べてる途中だって… 199 00:11:20,818 --> 00:11:21,736 フッ… 200 00:11:21,861 --> 00:11:26,032 こうして 更に数日が過ぎ 彼女は やって来た 201 00:11:28,659 --> 00:11:31,120 ファンゼル先生 お待たせしました 202 00:11:31,954 --> 00:11:32,914 誰? 203 00:11:33,039 --> 00:11:35,708 あっ マリエラ 何か分かったか? 204 00:11:35,958 --> 00:11:37,376 マリエラ? 205 00:11:38,252 --> 00:11:40,004 教え子のひとりだ 206 00:11:40,129 --> 00:11:41,255 彼女に頼んで— 207 00:11:41,380 --> 00:11:43,466 婚約者を 捜してもらっていたんだ 208 00:11:44,175 --> 00:11:46,928 そうだったのか 待ってないで— 209 00:11:47,053 --> 00:11:50,640 自分で その人 捜したほうが よかったんじゃねえのか? 210 00:11:50,765 --> 00:11:55,519 いや 私は ちょっと訳あって あんまり派手には動き回れないんだ 211 00:11:55,853 --> 00:11:57,396 ふ〜ん… 212 00:11:58,898 --> 00:12:01,651 あっ ハージ村のアスタだ 213 00:12:01,776 --> 00:12:04,695 このおっさんに剣を教わってる よろしくな! 214 00:12:05,154 --> 00:12:06,113 ンッ… 215 00:12:06,405 --> 00:12:08,699 普通のおっさんじゃないですよ 216 00:12:08,824 --> 00:12:12,495 おっさんは おっさんですけど すごいおっさんです 217 00:12:12,662 --> 00:12:15,748 あなたが どこのどなたかなんて 知りませんけど— 218 00:12:15,873 --> 00:12:17,833 少なくとも そんな軽々しく— 219 00:12:17,959 --> 00:12:20,461 おっさん呼ばわりしていい おっさんじゃありません 220 00:12:20,836 --> 00:12:23,589 ハージ村の アスタだっつっただろう! 221 00:12:23,714 --> 00:12:26,384 結局 おっさんなら “おっさん”でいいじゃねえか 222 00:12:26,676 --> 00:12:28,552 認識の問題です 223 00:12:28,678 --> 00:12:31,681 すごいおっさんだと 知っているのと いないのでは— 224 00:12:31,806 --> 00:12:34,016 払う敬意が違ってくるでしょう 225 00:12:34,141 --> 00:12:37,687 あなたの“おっさん”からは リスペクトの念が伝わってきません 226 00:12:38,020 --> 00:12:39,814 “おっさん”って言葉に どうやってリスペクト… 227 00:12:40,147 --> 00:12:42,900 あの… やめてくんないかな 228 00:12:43,025 --> 00:12:43,943 当事者が いちばん— 229 00:12:44,068 --> 00:12:46,612 傷つくやつなんだけど そのケンカ… 230 00:12:47,071 --> 00:12:48,197 うん? 231 00:12:48,572 --> 00:12:50,199 それより ドミナントは? 232 00:12:50,700 --> 00:12:52,618 ンッ… ドミナは? 233 00:12:52,743 --> 00:12:56,539 それが その… ドミナさんは もしかしたら… 234 00:12:57,081 --> 00:12:59,917 お亡くなりになっているのかも しれません 235 00:13:00,251 --> 00:13:01,085 あっ… 236 00:13:02,086 --> 00:13:03,629 おっさん… 237 00:13:04,005 --> 00:13:07,174 ファンゼルは 自身の身の上をアスタに語った 238 00:13:07,925 --> 00:13:10,011 ファンゼルと 婚約者のドミナントは— 239 00:13:10,136 --> 00:13:13,097 ダイヤモンド王国軍に 所属していたのだという 240 00:13:13,597 --> 00:13:14,890 過激な軍のやり方に— 241 00:13:15,016 --> 00:13:18,060 ついていけなくなった2人は 逃亡を図ったが— 242 00:13:18,185 --> 00:13:22,315 組織からの刺客に追われ 離れ離れになってしまう 243 00:13:22,440 --> 00:13:24,275 ファンゼルは 元教え子で— 244 00:13:24,400 --> 00:13:27,445 先に逃亡させていたマリエラの 協力を得て— 245 00:13:27,570 --> 00:13:29,697 ドミナントを捜していたのだった 246 00:13:30,614 --> 00:13:33,576 ファンゼルが動けば それを察知した刺客も動く 247 00:13:33,701 --> 00:13:36,787 周囲に潜んでいるかもしれない ドミナを巻き込まぬよう— 248 00:13:36,912 --> 00:13:40,624 この空き家に隠れ住むことを 余儀なくされた 249 00:13:41,625 --> 00:13:43,044 そんなことが… 250 00:13:44,003 --> 00:13:46,255 これがドミナさんの杖です 251 00:13:46,380 --> 00:13:49,508 刺客に襲われたという場所に 落ちてました 252 00:13:49,633 --> 00:13:52,553 それと 大量の血の跡も… 253 00:13:53,637 --> 00:13:54,764 そう… 254 00:13:55,514 --> 00:13:58,351 ごめん ちょっとだけ ひとりにしてくれ 255 00:13:59,435 --> 00:14:00,269 あっ… 256 00:14:18,579 --> 00:14:20,706 あの… 先生 257 00:14:24,251 --> 00:14:27,254 少しだけ 私の話を聞いてください 258 00:14:28,547 --> 00:14:31,842 私や ほかの子を 逃がしてくれたときのこと— 259 00:14:31,967 --> 00:14:33,719 覚えていますか? 260 00:14:33,844 --> 00:14:34,762 ああ… 261 00:14:35,304 --> 00:14:38,265 フッ… みんなは元気にしてる? 262 00:14:38,808 --> 00:14:41,977 フッ… ちょっと笑ってくれましたね 263 00:14:42,311 --> 00:14:44,647 えっと… ほかのみんなは— 264 00:14:44,772 --> 00:14:46,524 私以外 全員 死にました 265 00:14:46,899 --> 00:14:48,109 えっ? 266 00:14:48,693 --> 00:14:50,027 ウッ! 267 00:14:50,861 --> 00:14:54,073 みんな ダイヤモンド王国から 送られてきた刺客に… 268 00:14:54,198 --> 00:14:55,574 アアッ… 269 00:14:55,700 --> 00:14:56,992 殺されたんですよ 270 00:14:57,284 --> 00:14:58,494 ンンッ! 271 00:15:02,957 --> 00:15:04,792 一体 君は… 272 00:15:05,501 --> 00:15:08,003 こうやって王国に情報を流して— 273 00:15:08,129 --> 00:15:12,133 亡命者を殺処分するのが 今の私の仕事です 274 00:15:12,550 --> 00:15:13,843 そうでもしないと— 275 00:15:13,968 --> 00:15:16,595 私も ほかの子みたいに 殺されちゃいますから 276 00:15:16,721 --> 00:15:17,555 ウウッ… 277 00:15:17,888 --> 00:15:20,599 あっ でも 先生は殺しません 278 00:15:20,725 --> 00:15:23,686 生け捕りにして 連れてくるように言われてますから 279 00:15:23,811 --> 00:15:24,770 この建物も— 280 00:15:24,895 --> 00:15:27,773 すっかり取り囲まれていますし 逃げられませんよ 281 00:15:28,274 --> 00:15:29,525 ンンッ… 282 00:15:29,692 --> 00:15:32,862 例の魔導戦士が 仕上げ段階に入りました 283 00:15:32,987 --> 00:15:35,114 稼働させるための最終調整で— 284 00:15:35,239 --> 00:15:37,533 先生のアドバイスが 必要なのでしょう 285 00:15:38,159 --> 00:15:41,162 先生の本来の居場所は そちらのはず 286 00:15:41,579 --> 00:15:43,330 マルスだ… うん? 287 00:15:44,832 --> 00:15:46,792 あの子の名前はマルスだ 288 00:15:46,917 --> 00:15:49,211 兵器か何かみたいに 言うのは よせ! 289 00:15:49,670 --> 00:15:51,964 あっ はい そういうの どうでもいいんで… 290 00:15:52,089 --> 00:15:53,716 ドリャー! 291 00:15:55,551 --> 00:15:56,761 無事か? おっさん! 292 00:15:57,762 --> 00:16:00,014 …てか マリエラ お前 何なんだよ!? 293 00:16:00,139 --> 00:16:02,516 おっさんに感謝してるんじゃ なかったのかよ! 294 00:16:02,641 --> 00:16:03,768 してますよ 295 00:16:04,268 --> 00:16:08,856 先生に教わった戦闘方法で 生き残ってこれたのは本当ですし 296 00:16:08,981 --> 00:16:11,025 今も尊敬してます 297 00:16:11,150 --> 00:16:14,361 だから “おっさん”の言い方も 注意したじゃないですか 298 00:16:14,528 --> 00:16:16,739 だったら なんで こんなことすんだよ!? 299 00:16:17,031 --> 00:16:20,534 そんなこと いちいち気にしてたら 仕事ができないからです 300 00:16:22,119 --> 00:16:24,705 そういうわけで ジャマしないでもらえますか? 301 00:16:24,830 --> 00:16:27,833 知らないおっさんのために 死にたくはないでしょう? 302 00:16:28,209 --> 00:16:30,377 今や よく知るおっさんだっつうの! 303 00:16:30,961 --> 00:16:32,213 いや アスタ 304 00:16:32,338 --> 00:16:35,341 マリエラの言うとおりだ 君は逃げろ 305 00:16:36,008 --> 00:16:37,301 約束したろう 306 00:16:37,426 --> 00:16:41,680 “私の教えた剣術は 君の夢のために使う”って 307 00:16:41,806 --> 00:16:42,640 こんな所で— 308 00:16:42,765 --> 00:16:46,018 知らないおっさんのために 使うのは間違ってる! 309 00:16:46,310 --> 00:16:47,394 早く逃げろ! 310 00:16:47,520 --> 00:16:50,397 だから 知ってるおっさんだ つってんだろう! 311 00:16:50,940 --> 00:16:56,403 大丈夫だよ こんな連中 君がいなくたって なんとかなる 312 00:16:56,695 --> 00:16:58,113 でも 刺されてるし… 313 00:16:59,657 --> 00:17:03,744 約束しよう! 私は絶対に この場を切り抜ける! 314 00:17:04,787 --> 00:17:06,205 約束だからな 315 00:17:06,330 --> 00:17:09,250 また俺と会うまで 絶対に死ぬなよな! 316 00:17:09,583 --> 00:17:11,502 ああ! クッ… 317 00:17:12,711 --> 00:17:16,048 ごめんね アスタ 君は逃げてくれ 318 00:17:16,173 --> 00:17:17,007 私は… 319 00:17:18,425 --> 00:17:19,260 ドミナ… 320 00:17:22,429 --> 00:17:23,931 ウオーッ! なっ! 321 00:17:24,098 --> 00:17:25,933 ウオーッ! 322 00:17:33,482 --> 00:17:34,942 アア… 323 00:17:35,234 --> 00:17:37,278 ハァハァ… 324 00:17:37,403 --> 00:17:39,822 アスタ いいんだ… 325 00:17:40,364 --> 00:17:42,116 私は どうなっても… 326 00:17:42,449 --> 00:17:46,787 生きていく希望がないんだ 理由がないんだ 327 00:17:47,454 --> 00:17:50,165 私のことは放っておいてくれ 328 00:17:50,291 --> 00:17:53,127 疲れたんだよ こういうの 329 00:17:53,294 --> 00:17:54,128 ンンッ… 330 00:17:54,503 --> 00:17:57,298 ふざけんじゃねえ! ウウッ! 331 00:18:01,010 --> 00:18:02,177 生きていくのに— 332 00:18:02,303 --> 00:18:06,891 希望なんて 理由なんて なくて当たり前なんだよ! 333 00:18:07,016 --> 00:18:10,102 そんなもん 自分で 見つけていくもんだろうが! 334 00:18:10,477 --> 00:18:11,353 ハッ… 335 00:18:11,770 --> 00:18:12,605 ハッ… 336 00:18:12,855 --> 00:18:15,608 分かったら とっとと起きて あんたも加勢してくれよ! 337 00:18:18,235 --> 00:18:19,987 ンッ! ダッ! 338 00:18:29,747 --> 00:18:33,208 風創成魔法“斬風皇”… 339 00:18:34,543 --> 00:18:35,586 “凩”! 340 00:18:35,753 --> 00:18:38,213 すっげえ! 341 00:18:38,380 --> 00:18:39,757 アアッ! 342 00:18:39,924 --> 00:18:41,133 ウウッ! 343 00:18:41,717 --> 00:18:44,511 一気に たくさんのザッキーさんを 飛ばす魔法 344 00:18:44,720 --> 00:18:46,513 通称“飛ぶやつ”だ 345 00:18:46,764 --> 00:18:48,223 いいネーミングだぜ! 346 00:18:49,141 --> 00:18:52,895 みっともないところを見せたね 私は もう大丈夫だ 347 00:18:53,020 --> 00:18:55,481 おう! 油断するな 348 00:18:56,774 --> 00:18:59,193 油断なんかしてねえ! 349 00:19:00,361 --> 00:19:01,570 魔力の無効化! 350 00:19:04,907 --> 00:19:08,243 どうした? おっさん こんなもんで おしまいかよ? 351 00:19:08,535 --> 00:19:12,373 おしまいにするタイミングなんて 自分で決めることだ 352 00:19:12,498 --> 00:19:16,043 今は まだ その時じゃないって 君に教わった 353 00:19:16,168 --> 00:19:19,505 こんな連中に 無理やり終わらされてたまるか! 354 00:19:20,130 --> 00:19:22,216 撤退です へっ? 355 00:19:22,341 --> 00:19:24,343 殿は 私がやります 356 00:19:24,468 --> 00:19:26,971 ケガ人たちの回収 忘れないでください 357 00:19:27,429 --> 00:19:29,598 随分 あっさり 退くじゃねえか 358 00:19:30,391 --> 00:19:34,269 “奇襲をする際には 相手の3倍以上の兵力を用意しろ” 359 00:19:35,229 --> 00:19:39,525 “半分がやられたら 戦法を変えろ もう半分になったら 退け” 360 00:19:40,359 --> 00:19:43,028 そんなふうに 誰かさんに教わったんですよ 361 00:19:44,238 --> 00:19:49,034 これで終わりと思わないでください 一生 追いかけ回してあげますから 362 00:19:49,368 --> 00:19:53,205 上等だ 私は もう逃げることをやめる 363 00:19:53,330 --> 00:19:55,541 君たちからも 自分からもな 364 00:19:56,250 --> 00:19:58,043 弱気になるのは もうやめだ 365 00:19:58,711 --> 00:20:00,587 ドミナは きっと どこかで生きている 366 00:20:00,713 --> 00:20:02,339 そう信じる 367 00:20:02,464 --> 00:20:06,552 徹底的に捜し回ってやるから しっかり ついてくるんだな! 368 00:20:07,136 --> 00:20:08,595 聞いたか? マリエラ 369 00:20:08,721 --> 00:20:11,932 おっさんの 加齢臭まみれになる覚悟しとけよ! 370 00:20:12,057 --> 00:20:14,810 ちょっと黙ってくれ 泣きそうだ… 371 00:20:15,185 --> 00:20:17,396 せいぜい頑張ってください 372 00:20:19,481 --> 00:20:23,152 それと “おっさん”の言い方が かなり よくなってきました 373 00:20:23,277 --> 00:20:25,195 それを忘れないように 374 00:20:31,702 --> 00:20:33,579 ホントに もう行くのかよ 375 00:20:34,079 --> 00:20:37,416 うん 気が済むまで ドミナを捜してみるよ 376 00:20:37,541 --> 00:20:39,877 そして 今まで自分の してきたことを— 377 00:20:40,002 --> 00:20:41,962 償っていきたいと思う 378 00:20:42,087 --> 00:20:44,673 どういう形で そうするかは決めてないけど— 379 00:20:44,798 --> 00:20:47,843 多分 私の一生分くらいは 使わないと… 380 00:20:47,968 --> 00:20:51,013 だから そう簡単には死ねないよ 381 00:20:51,138 --> 00:20:53,974 君のおかげで そういう覚悟ができた 382 00:20:54,224 --> 00:20:55,350 そっか 383 00:20:55,476 --> 00:20:56,560 ンッ… 384 00:20:58,395 --> 00:21:01,690 さて グダグダしてると 別れが つらくなるね 385 00:21:01,815 --> 00:21:03,358 それじゃ 私は これで! 386 00:21:03,484 --> 00:21:06,361 …て おい! マジで そんな あっさり行くのかよ! 387 00:21:06,820 --> 00:21:10,157 行くよ 何かを 成し遂げようとする人間と— 388 00:21:10,282 --> 00:21:14,161 そうじゃない人間は 時間の流れが違うからね 389 00:21:14,286 --> 00:21:17,623 節約できるところは 節約していかないと! 390 00:21:17,873 --> 00:21:19,458 “節約”って… 391 00:21:21,794 --> 00:21:24,755 君も 何かを成し遂げる側の 人間だろう? 392 00:21:24,880 --> 00:21:26,131 行けよ アスタ 393 00:21:26,256 --> 00:21:30,219 成し遂げるために必要なものを 君は もう持ってるはずだ 394 00:21:30,719 --> 00:21:32,763 フッ… たく… 395 00:21:32,888 --> 00:21:35,224 こんなときだけ 師匠ヅラしやがって 396 00:21:35,849 --> 00:21:39,978 じゃあな おっさん! 魔法帝になれよ! 397 00:21:40,646 --> 00:21:43,816 さてと 俺も村に帰るか 398 00:21:46,443 --> 00:21:48,195 アア〜ッ! 399 00:21:50,072 --> 00:21:53,992 おい アスタ! 最後の修行だ! こいつをやっつけろ! 400 00:21:54,284 --> 00:21:55,994 自分でやれーっ! 401 00:21:56,120 --> 00:21:58,914 …ていうか なんで また裸なんだ!? 402 00:21:59,081 --> 00:22:01,708 ヒイッ! 説明してる暇はないーっ! 403 00:22:01,834 --> 00:22:04,837 こっち来んな おらーっ! 404 00:22:04,962 --> 00:22:07,172 アアッ! 405 00:23:39,640 --> 00:23:43,602 ドミナよ どこにいるんだ? 私は 君が生きていると信じている 406 00:23:43,727 --> 00:23:45,646 そこのお嬢さん ちょっと 聞きたいことがあるんだけど… 407 00:23:45,812 --> 00:23:47,022 あっ ちょっと 逃げないで! 408 00:23:47,439 --> 00:23:48,440 「ブラッククローバー」 409 00:23:51,234 --> 00:23:53,278 私が 全裸なのは気にしないで〜!