1 00:00:02,002 --> 00:00:04,004 フッ… やはりおもしろいな お前は。 2 00:00:04,004 --> 00:00:06,006 程よく狂っている。 3 00:00:06,006 --> 00:00:08,300 しかも 無軌道な狂い方ではない。 4 00:00:08,300 --> 00:00:11,137 譲れぬ一点に特化した 狂い方だ。 5 00:00:11,637 --> 00:00:14,515 なんか けなされてる気がする。 6 00:00:14,515 --> 00:00:17,351 何を言う 褒めているのだぞ。 7 00:00:17,351 --> 00:00:21,647 問おう 汝 力を欲すか? 8 00:00:21,647 --> 00:00:24,525 まぁ あれば。 9 00:00:24,525 --> 00:00:26,527 聞き方を変えよう。 10 00:00:26,527 --> 00:00:28,821 もっと魔法が欲しいか? 11 00:00:28,821 --> 00:00:30,823 欲しい! 12 00:02:01,622 --> 00:02:05,459 お坊ちゃま? どうかなさいましたか? 13 00:02:05,459 --> 00:02:08,754 ん… え? 14 00:02:20,140 --> 00:02:22,142 《ど どこだ ここは? 15 00:02:22,142 --> 00:02:26,146 たしか さっきまで 仕事終わりの晩酌を…》 16 00:02:29,984 --> 00:02:31,986 あっ お坊ちゃま? 17 00:02:31,986 --> 00:02:34,989 えっ? えぇ~!? 18 00:02:34,989 --> 00:02:37,449 《俺の顔… だよな? 19 00:02:37,449 --> 00:02:39,451 こ… 子ども!?》 20 00:02:39,451 --> 00:02:42,454 (チャールズ)何をしている。 21 00:02:42,454 --> 00:02:47,001 リアム 五男とはいえ お前もハミルトン家の一員だ。 22 00:02:47,001 --> 00:02:50,462 キョロキョロせず 落ち着いて構えていろ。 23 00:02:50,462 --> 00:02:53,173 《リアム? 俺の名前か?》 24 00:02:53,173 --> 00:02:56,176 旦那様も 今日は機嫌がよさそうですね。 25 00:02:56,176 --> 00:02:58,178 《えっ あれで?》 26 00:02:58,178 --> 00:03:01,015 ご子息ばかりのハミルトン伯爵家に 27 00:03:01,015 --> 00:03:04,018 ようやく お生まれになった ご息女ですから。 28 00:03:04,018 --> 00:03:06,020 《伯爵家?》 29 00:03:06,020 --> 00:03:08,314 妹君のお誕生お祝いパーティー 30 00:03:08,314 --> 00:03:11,191 リアム様も楽しんでくださいね。 31 00:03:11,191 --> 00:03:13,694 あ… ハハッ。 32 00:03:13,694 --> 00:03:16,196 《夢… だよね?》 33 00:03:23,329 --> 00:03:26,332 夢… じゃなかった。 34 00:03:26,332 --> 00:03:28,500 (ノック) 35 00:03:28,500 --> 00:03:31,337 お召し物をお持ちしました。 36 00:03:31,337 --> 00:03:36,884 《この体の持ち主は どうやら リアム・ハミルトンという名で 37 00:03:36,884 --> 00:03:39,219 伯爵家の五男らしい。 38 00:03:39,219 --> 00:03:43,724 昨夜は 妹が生まれたことを祝う パーティーだったらしいけど…。 39 00:03:43,724 --> 00:03:46,727 なんで こんなことに なっているのか 40 00:03:46,727 --> 00:03:48,729 さっぱりわからない》 41 00:03:48,729 --> 00:03:51,523 よくお似合いです。 42 00:03:51,523 --> 00:03:54,526 広い庭だなぁ。 43 00:03:54,526 --> 00:03:58,072 見える範囲は すべて ハミルトン家の敷地ですから。 44 00:03:58,072 --> 00:04:01,241 えっ えぇ~!? 45 00:04:01,241 --> 00:04:05,371 妹が器量よしに育って 王家にでも嫁げば 46 00:04:05,371 --> 00:04:08,082 とりあえず ハミルトン家は安泰さ。 47 00:04:08,082 --> 00:04:13,379 《リアム:彼はブルーノ。 ハミルトン家の四男で つまり 俺の兄らしい》 48 00:04:13,379 --> 00:04:16,090 それでも 没落寸前に 変わりはない。 49 00:04:16,090 --> 00:04:18,759 親父と 長男のアルブレビト兄貴は 50 00:04:18,759 --> 00:04:21,553 相変わらず 功を焦って ピリピリしてる。 51 00:04:21,553 --> 00:04:24,556 没落寸前って? はぁ? 52 00:04:24,556 --> 00:04:26,558 国が定めた決まりだよ。 53 00:04:26,558 --> 00:04:30,270 どんな貴族も 何らかの功績を 挙げられなければ 54 00:04:30,270 --> 00:04:32,564 三代で その地位を失う。 55 00:04:32,564 --> 00:04:36,777 三代目である 親父が 兄貴に家督を譲れば 56 00:04:36,777 --> 00:04:39,947 その瞬間 我がハミルトン家は平民だ。 57 00:04:39,947 --> 00:04:42,116 お前 わかってなかったのか? 58 00:04:42,116 --> 00:04:45,411 わ… わかってるよ もちろん アハハ…。 59 00:04:45,411 --> 00:04:48,789 (ブルーノ)親父や兄貴は 貴族の地位にしがみつこうと 60 00:04:48,789 --> 00:04:52,126 必死だが 俺は なるようになれと思ってる。 61 00:04:52,126 --> 00:04:54,586 まっ 気ままに やらせてもらおうかな。 62 00:04:54,586 --> 00:04:56,588 《達観してるなぁ》 63 00:04:56,588 --> 00:04:59,591 ブルーノ兄さんって たしか 13歳だよね。 64 00:04:59,591 --> 00:05:01,593 お前も もう12だ。 65 00:05:01,593 --> 00:05:04,304 そろそろ将来のことを 考えておいたほうがいいぞ。 66 00:05:04,304 --> 00:05:07,433 (ドアの開閉音) 67 00:05:07,433 --> 00:05:11,437 では 本日の授業を始めますかな。 68 00:05:11,437 --> 00:05:14,982 今日は 魔法について 学びましょう。 69 00:05:14,982 --> 00:05:17,151 魔法!? ど どうした? 70 00:05:17,151 --> 00:05:20,320 魔法を学べるの? お おう…。 71 00:05:20,320 --> 00:05:25,325 うちの倉庫にも魔導書があるだろ。 そうか 貴族だから。 72 00:05:25,325 --> 00:05:28,328 ハハ… でも 期待するな。 73 00:05:28,328 --> 00:05:31,999 魔法を使える才能なんて 百人に一人だからな。 74 00:05:31,999 --> 00:05:37,171 ただし 魔法がどういうものかは 学んでおく必要がありますぞ。 75 00:05:37,171 --> 00:05:39,173 ふ~ん…。 76 00:05:39,173 --> 00:05:42,342 ハッ ハッ ハッ…。 77 00:05:42,342 --> 00:05:44,344 あら リアムお坊ちゃま。 78 00:05:44,344 --> 00:05:47,347 書庫…。 はい? 79 00:05:47,347 --> 00:05:49,641 書庫へ案内して。 80 00:05:53,479 --> 00:05:57,483 こちらでございます。 81 00:05:57,483 --> 00:06:00,027 本の匂い…。 82 00:06:06,867 --> 00:06:09,495 初級の火炎魔法…。 83 00:06:13,373 --> 00:06:15,375 ハッ…。 84 00:06:18,378 --> 00:06:23,383 集中… 呼吸… イメージ。 85 00:06:23,383 --> 00:06:25,385 《炎!》 86 00:06:25,385 --> 00:06:27,387 出た! すごい! 87 00:06:27,387 --> 00:06:30,057 リアムお坊ちゃまに こんな才能が…。 88 00:06:30,057 --> 00:06:32,226 おめでとうございます! 89 00:06:34,228 --> 00:06:36,522 魔導書を持ち出したい? はい。 90 00:06:36,522 --> 00:06:39,399 好きにしろ 他に用はあるか? 91 00:06:39,399 --> 00:06:42,402 いえ…。 だったら 下がれ。 92 00:06:42,402 --> 00:06:45,072 私は忙しい。 93 00:06:48,700 --> 00:06:52,079 《俺なんかに 興味はないって感じだな。 94 00:06:52,079 --> 00:06:54,081 でも 許可は得たぞ!》 95 00:06:56,416 --> 00:07:00,420 《魔法は知識の集合体。 知識は武器であり 96 00:07:00,420 --> 00:07:03,090 王族や貴族に独占されている。 97 00:07:03,090 --> 00:07:07,553 だが 今は それを自由に学べる立場なのだ》 98 00:07:13,559 --> 00:07:15,561 フレイムカッター! 99 00:07:15,561 --> 00:07:18,438 よし 書いてあるとおりだ。 100 00:07:18,438 --> 00:07:21,275 どんどん 早く出せるようになってきた。 101 00:07:21,275 --> 00:07:24,278 慣れれば 本なしで 出せるようになるらしいけど…。 102 00:07:26,446 --> 00:07:28,615 やってみろよ。 103 00:07:28,615 --> 00:07:32,244 フレイムカッター。 魔導書なしで!? 104 00:07:32,244 --> 00:07:35,622 ふぅ…。 お前 これを独学で学んだのか? 105 00:07:35,622 --> 00:07:37,958 しかも 一ヶ月で? うん。 106 00:07:37,958 --> 00:07:40,794 ちょ ちょっと! その本 見せてみろ。 107 00:07:40,794 --> 00:07:46,258 《この本に秘密が? いや 普通の魔導書に見えるが…》 108 00:07:49,094 --> 00:07:51,972 ぐぬぬ…。 109 00:07:51,972 --> 00:07:53,974 ぬう! 110 00:07:53,974 --> 00:07:55,976 すごいな お前。 111 00:07:55,976 --> 00:07:57,978 魔法の才能があるヤツでも 112 00:07:57,978 --> 00:08:00,814 覚えるまで 1年はかかる って話だぞ。 113 00:08:00,814 --> 00:08:06,653 《もともと この体… リアムには 魔法の才能があったってことか》 114 00:08:06,653 --> 00:08:09,489 魔法が使えれば 王国のそれなりの地位に 115 00:08:09,489 --> 00:08:13,118 取り立てられるかもしれない。 出世できるかもな。 116 00:08:13,118 --> 00:08:16,997 そうなんだ? お前 そんなに頑張って 117 00:08:16,997 --> 00:08:21,126 ハミルトンの家督でも狙ってるのか? えっ 跡取りってこと? 118 00:08:21,126 --> 00:08:23,670 そんなつもりは 全然ないけど。 119 00:08:23,670 --> 00:08:27,841 せいぜい アルブレビトの兄貴に 目をつけられないことだな。 120 00:08:31,511 --> 00:08:35,682 初級の火炎魔法は全部覚えた! 次は氷結魔法だ。 121 00:08:35,682 --> 00:08:38,685 くぅ~ 楽しい! (チャールズ)リアム。 122 00:08:38,685 --> 00:08:41,146 えっ! あっ…。 123 00:08:43,857 --> 00:08:46,693 魔法が使えるそうだな。 あっ はい。 124 00:08:46,693 --> 00:08:48,695 見せてみろ。 125 00:08:51,698 --> 00:08:55,869 なるほど だが この程度か。 126 00:08:55,869 --> 00:08:58,538 あの 氷結魔法は これからですが 127 00:08:58,538 --> 00:09:00,707 火炎魔法なら。 128 00:09:00,707 --> 00:09:04,336 魔導書なしで!? 初級の魔法なら 129 00:09:04,336 --> 00:09:06,713 全部マスターしました。 130 00:09:06,713 --> 00:09:09,174 これを一ヶ月で…。 131 00:09:09,174 --> 00:09:15,055 ハッハッハ… 天は我に味方した! おめでとうございます。 132 00:09:15,055 --> 00:09:18,558 リアムよ 欲しい魔導書があれば 遠慮なく言え。 133 00:09:18,558 --> 00:09:20,560 本当ですか!? 134 00:09:20,560 --> 00:09:23,897 《こんなうれしそうな顔 初めて見たな》 135 00:09:23,897 --> 00:09:26,066 入れ! (ノック) 136 00:09:26,066 --> 00:09:28,360 (ドアが開く音) 137 00:09:28,360 --> 00:09:31,738 例の男が。 なに!? 私の領地に? 138 00:09:31,738 --> 00:09:34,741 至急 兵を集めろ! ん? 139 00:09:38,370 --> 00:09:40,914 何があったんだろう? 140 00:09:40,914 --> 00:09:43,750 まっ 欲しい魔導書を 集めてくれるらしいし 141 00:09:43,750 --> 00:09:46,086 この調子で… おっ! 142 00:09:46,086 --> 00:09:50,215 誰? ハミルトンの息子… か。 143 00:09:50,215 --> 00:09:53,385 うん リアム・ハミルトンっていう…。 144 00:09:53,385 --> 00:09:57,097 ドジったな 俺も。 まぁ これも運命。 145 00:09:57,097 --> 00:09:59,391 さっ 好きにしろ。 146 00:09:59,391 --> 00:10:01,393 えっと… 何を? 147 00:10:01,393 --> 00:10:04,229 俺を 捕まえにきたんじゃないのか? 148 00:10:04,229 --> 00:10:06,940 なんで? 149 00:10:06,940 --> 00:10:10,110 ハッ… 神経がとがりすぎてたか。 150 00:10:10,110 --> 00:10:12,946 そうだな こんな子どもが。 151 00:10:12,946 --> 00:10:16,950 魔法を勉強してるのか? えっ? うん。 152 00:10:16,950 --> 00:10:22,622 初級の魔法か。 地道に繰り返して 身につけるのが いちばんだ。 153 00:10:22,622 --> 00:10:25,959 うん だから これから 練習しようと思って。 154 00:10:25,959 --> 00:10:28,795 そうか 頑張れよ。 はぁ…。 155 00:10:31,965 --> 00:10:34,968 もっと効率のいいやり方を 知りたくないか? 156 00:10:34,968 --> 00:10:37,137 えっ? 157 00:10:37,137 --> 00:10:40,432 効率のいい やり方って? こういうことだ。 158 00:10:43,268 --> 00:10:46,813 えぇ!? 異なる魔法を5つ同時に? 159 00:10:46,813 --> 00:10:51,651 どうだ? 全部まとめてやれば 時間が短縮できるだろ? 160 00:10:51,651 --> 00:10:54,821 すごい! どうすれば そんなことができるんですか? 161 00:10:54,821 --> 00:10:58,283 教えてほしいか? はい お願いします! 162 00:10:58,283 --> 00:11:00,827 フフッ… いいね 君! 163 00:11:00,827 --> 00:11:04,456 貴族にありがちな 無駄なプライドが染みついてないな。 164 00:11:04,456 --> 00:11:06,458 ハッハッハ…。 165 00:11:06,458 --> 00:11:08,835 《だって中身は 貴族じゃないから》 166 00:11:08,835 --> 00:11:14,674 地面に図形を描いてみろ。 右手で円 左手で四角 同時にだ。 167 00:11:14,674 --> 00:11:17,010 はぁ…。 168 00:11:21,306 --> 00:11:25,018 お~ うまいな。 それができるなら 169 00:11:25,018 --> 00:11:27,020 要領は同じだ。 170 00:11:27,020 --> 00:11:29,856 左手と右手で 別の魔法を使ってみろ。 171 00:11:32,192 --> 00:11:36,196 《右手でフレイムカッター 左手でファイヤーボール。 172 00:11:36,196 --> 00:11:42,202 集中… 呼吸… イメージし 同時に解き放つ!》 173 00:11:45,872 --> 00:11:51,044 なるほど! はぁ…。 174 00:11:51,044 --> 00:11:53,713 おもしろい… 実におもしろいな。 175 00:11:53,713 --> 00:11:55,715 《俺は知らなかった。 176 00:11:55,715 --> 00:11:58,510 これが 百万人に一人の 177 00:11:58,510 --> 00:12:01,346 秘法と呼ばれる テクニックだということを》 178 00:12:06,518 --> 00:12:10,063 今度は 3つ同時にやってみろ。 わかりました。 179 00:12:10,063 --> 00:12:12,357 フレイムカッター 180 00:12:12,357 --> 00:12:14,526 ファイヤーボール 181 00:12:14,526 --> 00:12:16,903 ホットフロア! 182 00:12:16,903 --> 00:12:19,531 できた! あっ ダメだった…。 183 00:12:19,531 --> 00:12:22,367 いや いい。 成功だ。 184 00:12:22,367 --> 00:12:24,744 今は魔力が足りなかっただけだ。 185 00:12:24,744 --> 00:12:27,747 この技法は 何倍も 魔力を消費するからな。 186 00:12:27,747 --> 00:12:30,542 そうなんだ。 こんな短時間で 187 00:12:30,542 --> 00:12:33,086 3つ起動は とんでもないことだ。 188 00:12:33,086 --> 00:12:35,547 あとは 魔力を扱うコツだが…。 189 00:12:35,547 --> 00:12:38,383 そこに座って。 はい。 190 00:12:44,264 --> 00:12:47,559 この数字が何かわかるか? 191 00:12:47,559 --> 00:12:51,771 えっと… 2 3 5…。 192 00:12:54,107 --> 00:12:56,109 素数? 正解! 193 00:12:56,109 --> 00:12:58,278 さすがは貴族 ちゃんと学んでるな。 194 00:12:58,278 --> 00:13:00,572 《ちょうど習ったばかりだ》 195 00:13:00,572 --> 00:13:04,784 答えから言うと この技法は 素数の数でしか発動しない。 196 00:13:04,784 --> 00:13:07,787 なぜですか? さあな わからない。 197 00:13:07,787 --> 00:13:11,583 気になるなら いずれ お前が解き明かせ。 はぁ…。 198 00:13:11,583 --> 00:13:15,795 順調に覚えていくと まず4で つまずく。 199 00:13:15,795 --> 00:13:18,131 どうやっても成功しないからだ。 200 00:13:18,131 --> 00:13:21,426 (リアム)できもしない4とか6で はまってしまうわけですね。 201 00:13:21,426 --> 00:13:24,596 いいぞ 君は頭もいいみたいだ。 202 00:13:24,596 --> 00:13:26,598 だが ちょっと違う。 203 00:13:26,598 --> 00:13:30,435 4を超えたら その経験もあるから 6は それほど はまらない。 204 00:13:30,435 --> 00:13:33,313 (リアム)そっか。 だが 9で はまる。 205 00:13:33,313 --> 00:13:35,815 偶数から奇数になるからな。 ふむふむ。 206 00:13:35,815 --> 00:13:38,818 ちなみに…。 207 00:13:38,818 --> 00:13:41,321 これが俺の限界。 208 00:13:41,321 --> 00:13:43,448 13… ですね。 209 00:13:43,448 --> 00:13:46,826 俺の魔力的に 16までは いけそうなんだが…。 210 00:13:46,826 --> 00:13:49,454 13の次は17だからな。 211 00:13:49,454 --> 00:13:51,623 一気にハードルが上がる。 212 00:13:51,623 --> 00:13:54,000 そこが ひとつの壁っぽいですね。 213 00:13:54,000 --> 00:13:57,170 フッ… 年は いくつだ? 12です。 214 00:13:57,170 --> 00:14:00,006 将来有望だな 若さは武器だ。 215 00:14:00,006 --> 00:14:03,843 ついでに言えば 他人の助言に 耳を貸すことができるのは 216 00:14:03,843 --> 00:14:07,639 もっと武器だ。 それって 普通のことなんじゃ? 217 00:14:07,639 --> 00:14:11,017 ハハハハ… お前 ホントに貴族か? 218 00:14:11,017 --> 00:14:13,645 《すみません ホントは違います》 219 00:14:13,645 --> 00:14:16,481 もっと魔法を覚えたいか? はい! 220 00:14:16,481 --> 00:14:18,483 なら これをやる。 221 00:14:21,653 --> 00:14:24,864 指輪? マジックペディアだ。 222 00:14:24,864 --> 00:14:27,867 平たく言えば どデカい魔導書だ。 えっ? 223 00:14:27,867 --> 00:14:30,870 これには 100冊分の 魔法が詰まっている。 224 00:14:30,870 --> 00:14:33,873 ひゃ… 100冊分の!? はめてみろ。 225 00:14:40,380 --> 00:14:45,385 《すごい! 300を超える魔法が どんどん頭の中に…》 226 00:14:45,385 --> 00:14:48,680 試してみていいですか? ああ。 227 00:14:48,680 --> 00:14:51,391 えっと まずは…。 228 00:14:51,391 --> 00:14:54,686 《フフッ そのひたむきさが いちばんの武器かもな》 229 00:14:57,397 --> 00:14:59,399 ウインドシュート! 230 00:15:01,901 --> 00:15:05,405 すごい! できましたよ… あれ? 231 00:15:05,405 --> 00:15:07,907 リアムお坊ちゃま! こんなところに 232 00:15:07,907 --> 00:15:11,244 ひとりでいては危険です! えっ ひとり? 233 00:15:11,244 --> 00:15:14,706 はい なにやら 不審者が侵入したらしく。 234 00:15:14,706 --> 00:15:17,417 それは魔導書? あっ はい。 235 00:15:17,417 --> 00:15:20,420 旦那様から お渡しするようにと。 236 00:15:20,420 --> 00:15:24,424 『初級召喚魔法』? 早く お屋敷にお戻りください。 237 00:15:24,424 --> 00:15:27,552 わかった ありがとう! 238 00:15:27,552 --> 00:15:29,554 魔導書か いいタイミングだ。 239 00:15:29,554 --> 00:15:33,933 えっ! どこに行ってたんですか? どこにも行っちゃいない。 240 00:15:33,933 --> 00:15:37,103 インビジブルの魔法で 姿を消してたのさ。 241 00:15:37,103 --> 00:15:40,940 その指輪に入ってる。 難しいが 覚えれば便利だぞ。 242 00:15:40,940 --> 00:15:43,276 はい! さてと…。 243 00:15:43,276 --> 00:15:45,945 どうやら 長くとどまっては いられないらしい。 244 00:15:45,945 --> 00:15:48,448 最後に もう一つ教えてやる。 245 00:15:48,448 --> 00:15:51,576 その魔導書を開いてみろ。 246 00:15:51,576 --> 00:15:56,289 《火の下級精霊 サラマンダーの 召喚魔法か》 247 00:15:56,289 --> 00:15:59,959 で 指輪をはめた状態で その魔法を使ってみろ。 248 00:15:59,959 --> 00:16:01,961 わかりました。 249 00:16:08,760 --> 00:16:11,763 (サラマンダー)あぎゃ! 250 00:16:11,763 --> 00:16:13,765 えっ 入った! 251 00:16:13,765 --> 00:16:17,143 魔導書の内容を マジックペディアに取り込んだんだ。 252 00:16:17,143 --> 00:16:20,146 白いページが余ってる ノートだと思えばいい。 253 00:16:20,146 --> 00:16:24,984 でも こんなすごいものを…。 指輪自体は大したものじゃない。 254 00:16:24,984 --> 00:16:27,320 でも 荷物は減るから便利だろ? 255 00:16:27,320 --> 00:16:29,989 はい すごく助かります。 256 00:16:29,989 --> 00:16:31,991 他のも取り込んでみろ。 257 00:16:41,334 --> 00:16:44,796 できました。 あれ? 258 00:16:44,796 --> 00:16:47,173 また インビジブル? 259 00:16:47,173 --> 00:16:49,634 ((魔法頑張れ またどこかで会おう。 260 00:16:49,634 --> 00:16:53,513 追伸 俺のことは誰にも話すな)) 261 00:16:53,513 --> 00:16:58,810 《短い時間で名前も知らないけど あの人は… 師匠だ。 262 00:16:58,810 --> 00:17:02,814 師匠が去って 一ヶ月ほどがたったころ…》 263 00:17:02,814 --> 00:17:04,816 フレイムカッター! 264 00:17:07,360 --> 00:17:10,029 ノーム召喚。 265 00:17:10,029 --> 00:17:13,366 ファイヤーボール 三連。 266 00:17:13,366 --> 00:17:15,368 シルフ召喚。 267 00:17:15,368 --> 00:17:18,538 燃えないよう空気を遮断しろ。 (シルフ)うん。 268 00:17:18,538 --> 00:17:22,542 ノーム 穴を塞げ。 269 00:17:22,542 --> 00:17:25,044 炎が消えたら 土をひっぺがせ。 270 00:17:27,380 --> 00:17:29,841 (炭をたたく音) 271 00:17:29,841 --> 00:17:33,553 う~ん いい音。 それは白炭か? 272 00:17:33,553 --> 00:17:36,222 ブルーノ兄さん! ふ~ん…。 273 00:17:36,222 --> 00:17:41,686 白炭は 木炭より高温で燃えて 煙も出ないし 長持ちする。 274 00:17:41,686 --> 00:17:45,398 でも いい窯がなきゃ これほどのものはできない。 275 00:17:45,398 --> 00:17:49,068 これを魔法で作っちまうとは 驚きだな! 276 00:17:49,068 --> 00:17:51,863 こっちは…。 277 00:17:51,863 --> 00:17:56,409 レククロの結晶だな。 消費した魔力を回復する。 278 00:17:56,409 --> 00:17:59,078 これも お前が魔法で? うん。 279 00:17:59,078 --> 00:18:02,415 5つの魔法を 同時に使わなきゃいけないから 280 00:18:02,415 --> 00:18:05,877 最初は苦労したけど。 すごいな。 281 00:18:05,877 --> 00:18:09,589 お前なら この先も ひとりでも やっていけるだろう。 282 00:18:09,589 --> 00:18:12,592 どういうこと? 俺の結婚が決まった。 283 00:18:12,592 --> 00:18:14,886 えぇ!? 284 00:18:14,886 --> 00:18:17,430 下級貴族の婿養子だ。 285 00:18:17,430 --> 00:18:21,893 ハミルトン家に比べりゃ貧乏だけど その分 自由にできる。 286 00:18:21,893 --> 00:18:24,729 おめでとう… で いいのかな? 287 00:18:24,729 --> 00:18:28,274 親父の大失敗を知ってるか? 父上の? 288 00:18:28,274 --> 00:18:31,611 ああ お前が生まれて すぐのことだ。 289 00:18:31,611 --> 00:18:34,906 親父は 女の子が 生まれてくるのを望んでいた。 290 00:18:34,906 --> 00:18:36,908 娘なら 王族に嫁がせて 291 00:18:36,908 --> 00:18:39,744 貴族の地位を つなぐことができるからな。 292 00:18:39,744 --> 00:18:43,122 でも 生まれたお前は男だった。 293 00:18:43,122 --> 00:18:45,458 功績を挙げようと焦った 親父は 294 00:18:45,458 --> 00:18:48,628 領内に封印された 強大な魔物を 討伐するため 295 00:18:48,628 --> 00:18:53,132 1,000人の兵を出した。 だが 結果は惨敗。 296 00:18:53,132 --> 00:18:56,135 かろうじて 魔物を 再封印することはできたが 297 00:18:56,135 --> 00:18:59,931 9割の兵を失った。 (リアム)そんなことが…。 298 00:18:59,931 --> 00:19:03,142 親父や兄貴は 貴族の地位を つなごうと必死だが 299 00:19:03,142 --> 00:19:06,646 正直 俺は ハミルトン家は もう終わりだと思ってる。 300 00:19:06,646 --> 00:19:11,150 お前も ぼちぼち独り立ちの方法を 考えたほうがいい。 301 00:19:11,150 --> 00:19:14,487 そっか~ ありがとう ブルーノ兄さん。 302 00:19:16,155 --> 00:19:18,157 《リアム:まずは資金か》 303 00:19:18,157 --> 00:19:20,159 またのお越しを。 304 00:19:22,453 --> 00:19:25,290 いい値で売れたぞ! 305 00:19:25,290 --> 00:19:28,001 この調子で独立資金を…。 そうなると 306 00:19:28,001 --> 00:19:30,461 もっと稼げる商品がほしいなぁ。 307 00:19:30,461 --> 00:19:32,463 (おなかが鳴る音) 308 00:19:35,008 --> 00:19:37,010 塩1つ。 あいよ。 309 00:19:40,680 --> 00:19:43,308 おまち! うわぁ! 310 00:19:46,185 --> 00:19:48,187 うまい! 311 00:19:48,187 --> 00:19:51,024 《この街 麺類が人気なんだよなぁ》 312 00:19:51,024 --> 00:19:53,192 そうだ! 313 00:19:55,194 --> 00:19:57,196 ねぇ! (2人)ん? 314 00:19:57,196 --> 00:19:59,699 リアムお坊ちゃま どうなされました? 315 00:19:59,699 --> 00:20:02,493 ちょっと試してもらいたいものが あるんだけど。 316 00:20:02,493 --> 00:20:04,704 はぁ…。 317 00:20:04,704 --> 00:20:08,708 これに お湯を注げば? うん。 318 00:20:08,708 --> 00:20:12,879 しばらく待って…。 319 00:20:12,879 --> 00:20:15,882 食べてみて。 320 00:20:15,882 --> 00:20:18,509 こ これは…。 おいしいです! 321 00:20:18,509 --> 00:20:20,720 成功だ! 不思議! 322 00:20:20,720 --> 00:20:22,722 お湯を注いだだけなのに。 323 00:20:22,722 --> 00:20:26,059 作るのは簡単だ。 買ってきた生麺に 324 00:20:26,059 --> 00:20:31,064 濃いめのダシを染み込ませて ウンディーネに水分を抜かせれば 完成。 325 00:20:31,064 --> 00:20:36,069 保存食なのに おいしいなんて! これは何という食べ物ですか? 326 00:20:36,069 --> 00:20:38,529 すぐに食べられるから…。 327 00:20:38,529 --> 00:20:40,907 即席麺! かな? 328 00:20:40,907 --> 00:20:42,909 ひょっとして お坊ちゃまが これを? 329 00:20:42,909 --> 00:20:44,911 信じられん。 330 00:20:44,911 --> 00:20:47,538 《これは 人気商品になるんじゃないか?》 331 00:20:47,538 --> 00:20:51,250 すばらしい商品ですが… 申し訳ありません。 332 00:20:51,250 --> 00:20:53,544 うちでは取り引きはできかねます。 333 00:20:53,544 --> 00:20:58,091 どうして!? リアム様がハミルトン家の五男だからです。 334 00:20:58,091 --> 00:21:01,552 ハミルトン家の許可なく 領内で商売していいのは 335 00:21:01,552 --> 00:21:07,266 長男のアルブレビト様だけなのです。 そんな~。 336 00:21:07,266 --> 00:21:09,268 (ドアの開閉音) 337 00:21:09,268 --> 00:21:11,396 これでよろしかったので? (アルブレビト)ああ。 338 00:21:11,396 --> 00:21:14,941 領内で勝手なことは この俺が許さん。 339 00:21:14,941 --> 00:21:20,947 リアムめ! こんなものを 作れるほどの魔法を いつの間に。 340 00:21:20,947 --> 00:21:23,783 まさか そんな決まりが あったなんて…。 341 00:21:23,783 --> 00:21:25,785 独立資金を貯めるためなんて 342 00:21:25,785 --> 00:21:28,579 父上の許可が下りるとは 思えないし…。 343 00:21:28,579 --> 00:21:31,290 成人して 家から独立すればいいけど 344 00:21:31,290 --> 00:21:33,292 何年後になるか…。 345 00:21:33,292 --> 00:21:37,296 あとは ハミルトン家の領地じゃない 遠い場所で…。 346 00:21:37,296 --> 00:21:39,966 やってやろうじゃないか。 347 00:21:39,966 --> 00:21:42,301 絶対に売ってやる! 348 00:21:44,303 --> 00:21:46,305 アイテムボックス。 349 00:21:46,305 --> 00:21:48,307 《マジックペディアで覚えた 収納魔法だ。 350 00:21:48,307 --> 00:21:52,145 この小さな空間内に 大量の物が収納できる 351 00:21:52,145 --> 00:21:54,147 便利な魔法だ》 352 00:21:54,147 --> 00:21:56,149 解除。 353 00:21:56,149 --> 00:21:58,151 再発動。 354 00:21:58,151 --> 00:22:01,154 《最初は 魔法を解除すると 中の物も消えていたが 355 00:22:01,154 --> 00:22:03,823 一ヶ月に及ぶ 練習の末 356 00:22:03,823 --> 00:22:07,326 解除しても 中の物が消えなくなったのだ。 357 00:22:07,326 --> 00:22:10,329 そして もうひとつ試したい魔法が》 358 00:22:10,329 --> 00:22:12,999 契約召喚 契約! 359 00:22:12,999 --> 00:22:16,002 《召喚魔法には 大きく2種類ある。 360 00:22:16,002 --> 00:22:18,004 精霊を呼び出す 精霊召喚と 361 00:22:18,004 --> 00:22:22,008 実際の生き物と契約し あるじとなることで 362 00:22:22,008 --> 00:22:24,635 それを呼び出す 契約召喚だ。 363 00:22:24,635 --> 00:22:27,346 今 使うのは 契約召喚。 364 00:22:27,346 --> 00:22:29,849 それも 普通じゃない使い方だ》 365 00:22:29,849 --> 00:22:31,851 うまくいってくれよ…。 366 00:22:31,851 --> 00:22:34,020 契約の対象は 367 00:22:34,020 --> 00:22:37,356 俺自身! 契約召喚 リアム! 368 00:22:44,197 --> 00:22:47,033 成功… なのか? 369 00:22:47,033 --> 00:22:49,869 俺が本物で…。 俺が幻影。 370 00:22:49,869 --> 00:22:52,038 やった! 成功だ。 371 00:22:55,041 --> 00:22:57,668 じゃあ 頼んだぞ。 任せろ。 372 00:22:57,668 --> 00:23:02,048 《リアム:そして 俺は 自分の幻影を送り出した》 373 00:23:05,051 --> 00:23:07,220 (リアム)きた~! 374 00:23:09,514 --> 00:23:11,516 銀貨が入った! 375 00:23:11,516 --> 00:23:13,518 《このアイテムボックスの魔法は 376 00:23:13,518 --> 00:23:16,521 同じリアムなら 離れた場所で同時に使える。 377 00:23:16,521 --> 00:23:19,690 つまり 物の移動が 簡単に行えるのだ。 378 00:23:19,690 --> 00:23:22,693 本物のリアムが 商品を作り 379 00:23:22,693 --> 00:23:25,404 幻影のリアムが 領外で売るのだ》 380 00:23:25,404 --> 00:23:28,699 普通に売りに行ったら 往復6日はかかるところを…。 381 00:23:28,699 --> 00:23:33,412 やったぞ! 独立に向けて バリバリ稼ぐぞ!