1 00:00:04,671 --> 00:00:07,341 (フリード)エリザベート! (どよめき) 2 00:00:07,341 --> 00:00:09,843 (フリード)貴様の悪行の数々➨ 3 00:00:09,843 --> 00:00:12,346 もはや容認することはできない! 4 00:00:12,346 --> 00:00:15,849 (エリザベート)殿下… なんのご冗談を? (フリード)黙れ! 5 00:00:15,849 --> 00:00:19,853 王太子である俺の婚約者という 立場を利用して➨ 6 00:00:19,853 --> 00:00:22,856 シルビア・ロックイート嬢… いや➨ 7 00:00:22,856 --> 00:00:27,694 いとしいシルビィへの悪行の数々 すべて知っているぞ! 8 00:00:27,694 --> 00:00:31,365 それもシルビィに対する 醜い嫉妬からだ! 9 00:00:31,365 --> 00:00:35,035 先日はシルビィを 階段から突き落としたらしいな! 10 00:00:35,035 --> 00:00:38,372 殿下… いえ フリード様。 11 00:00:38,372 --> 00:00:41,875 いかに宰相である レイストン公爵の令嬢とはいえ➨ 12 00:00:41,875 --> 00:00:43,877 もはや見過ごせん! 13 00:00:43,877 --> 00:00:45,879 エリザベート・レイストン! 14 00:00:45,879 --> 00:00:48,882 今この時をもって 貴様との婚約を破棄し! 15 00:00:48,882 --> 00:00:51,385 地下牢への投獄を言い渡す! 16 00:00:51,385 --> 00:00:53,387 ハッ…!? 17 00:02:37,524 --> 00:02:40,527 《私 エリザベート・レイストンは➨ 18 00:02:40,527 --> 00:02:45,866 ハルドリア王国の宰相 ジーク・レイストン公爵の 娘として生まれ➨ 19 00:02:45,866 --> 00:02:50,704 物心付く頃から 王太子である フリード・ハルドリアの➨ 20 00:02:50,704 --> 00:02:53,540 婚約者であることが 決められていた。 21 00:02:53,540 --> 00:02:55,542 文武にいそしみ➨ 22 00:02:55,542 --> 00:02:59,046 幸いなことに 容姿にも恵まれた私は➨ 23 00:02:59,046 --> 00:03:02,315 王太子の婚約者として 王宮に上がってからは➨ 24 00:03:02,315 --> 00:03:06,820 王国のための執務を 一手に引き受けていた》 25 00:03:06,820 --> 00:03:09,523 (ミレイ)失礼します。 (ノック) 26 00:03:14,161 --> 00:03:16,163 ありがとう。 27 00:03:16,163 --> 00:03:20,834 お嬢様 あまり遅くまで 根を詰めると➨ 28 00:03:20,834 --> 00:03:22,836 お体に毒です。 29 00:03:22,836 --> 00:03:26,173 この案件の決済と 申し送りだけは➨ 30 00:03:26,173 --> 00:03:28,842 今夜中にしておかないと ならないわ。 31 00:03:28,842 --> 00:03:33,180 それは本来 王太子様が 決済なさるべき事案では…。 32 00:03:33,180 --> 00:03:37,517 殿下は ギアコ商会主催の会合で お忙しいそうよ。 33 00:03:37,517 --> 00:03:40,520 (ミレイ)会合とは名ばかりの パーティーです。 34 00:03:40,520 --> 00:03:44,858 そもそも 政務を何もかも 婚約者であるお嬢様に➨ 35 00:03:44,858 --> 00:03:47,360 丸投げして…。 およしなさい ミレイ。 36 00:03:47,360 --> 00:03:50,530 申し訳ありません。 37 00:03:50,530 --> 00:03:52,699 (エリザベート)殿下が 口を出してくると➨ 38 00:03:52,699 --> 00:03:54,868 かえって 面倒になることもあるし➨ 39 00:03:54,868 --> 00:03:58,872 私がやってしまうほうが早いもの。 お嬢様…。 40 00:03:58,872 --> 00:04:02,476 それに 私が政務と向き合っているのは➨ 41 00:04:02,476 --> 00:04:06,480 王国の民たちのためよ。 んっ…。 42 00:04:06,480 --> 00:04:14,654 ♬~ 43 00:04:14,654 --> 00:04:18,825 順調ね。 では これを正式に提出して。 44 00:04:18,825 --> 00:04:21,661 (店長)かしこまりました 会長。 45 00:04:21,661 --> 00:04:24,331 あの分なら 来年度は➨ 46 00:04:24,331 --> 00:04:27,834 雇用制度を更に改善する 資金を捻出できそうね。 47 00:04:27,834 --> 00:04:30,837 民も お嬢様には感謝しています。 48 00:04:30,837 --> 00:04:33,673 感謝されるほどのことではないわ。 49 00:04:33,673 --> 00:04:37,177 いいえ お嬢様には 私欲がありません。 50 00:04:37,177 --> 00:04:41,181 ご自身でファンネル商会を立ち上げ 運営されて➨ 51 00:04:41,181 --> 00:04:43,183 その利益はすべて➨ 52 00:04:43,183 --> 00:04:47,020 貧民救済と慈善事業のために お使いになっています。 53 00:04:47,020 --> 00:04:49,189 当然のことをしてるだけ。 54 00:04:49,189 --> 00:04:51,191 ⚟そりゃあ なんたって➨ 55 00:04:51,191 --> 00:04:53,193 エリザベート様だろ! んっ? 56 00:04:53,193 --> 00:04:56,196 王宮内で俺たち国民の 味方っていったら➨ 57 00:04:56,196 --> 00:04:58,198 あのお方がピカイチさ。 58 00:04:58,198 --> 00:05:00,467 エリザベート様がいなかったら➨ 59 00:05:00,467 --> 00:05:03,637 この国はもっと 貧富の差が激しかったかもね。 60 00:05:03,637 --> 00:05:05,639 一度 お顔を見て…。 えっ!? 61 00:05:05,639 --> 00:05:09,643 直接お礼を申し上げたいね。 感謝感謝だ。 62 00:05:09,643 --> 00:05:12,145 (ミレイ)誰も気付きませんよ➨ 63 00:05:12,145 --> 00:05:14,981 肖像画も出回ってないんですから。 64 00:05:14,981 --> 00:05:17,817 べっ 別にそういうわけじゃ…。 65 00:05:17,817 --> 00:05:19,820 フッ…。 66 00:05:21,988 --> 00:05:25,158 もっと力を尽くさねば…。 67 00:05:25,158 --> 00:05:30,063 王国を豊かに… すべては民たちを幸せに。 68 00:05:33,667 --> 00:05:35,669 毎日 精が出るなぁ。 69 00:05:35,669 --> 00:05:40,340 殿下 御用向きは? ああ ギアコ商会だがな。 70 00:05:40,340 --> 00:05:44,678 王室への出入りの口を 利いてくれと会長に頼まれてな。 71 00:05:44,678 --> 00:05:47,013 あそこは 小売店の利益を➨ 72 00:05:47,013 --> 00:05:49,683 必要以上に搾取しているようです。 73 00:05:49,683 --> 00:05:53,186 王室への出入りを許可するには 品性に欠けるかと。 74 00:05:53,186 --> 00:05:57,691 なに!? 近々 王室として 警告を与えるつもりです。 75 00:05:57,691 --> 00:06:00,794 おい! そんなことしたら 俺のメンツはどうなる! 76 00:06:00,794 --> 00:06:02,796 取り潰しはいたしません。 77 00:06:02,796 --> 00:06:05,465 他ならぬ殿下のごひいきですから。 78 00:06:05,465 --> 00:06:08,969 ぐっ…! ですが 出入りに関しては➨ 79 00:06:08,969 --> 00:06:10,971 商売の姿勢が改まったのを➨ 80 00:06:10,971 --> 00:06:13,139 見届けてからでもよろしいかと。 くっ…。 81 00:06:13,139 --> 00:06:17,477 婚約者らしく もう少しかわいく 俺の言うことを聞いたらどうだ! 82 00:06:17,477 --> 00:06:21,815 殿下 くれぐれも 王室の名に傷が付きませぬよう➨ 83 00:06:21,815 --> 00:06:24,618 ご自重ください。 ぐっ…! 84 00:06:26,987 --> 00:06:29,489 チッ…。 85 00:06:29,489 --> 00:06:32,158 (エリザベート)ロベルト殿。 (ロベルト)はっ。 86 00:06:32,158 --> 00:06:34,995 殿下に おかしな虫が付かないよう➨ 87 00:06:34,995 --> 00:06:37,831 よく目を光らせておいて くださいね。 88 00:06:37,831 --> 00:06:40,166 差し出がましいとは思いますが➨ 89 00:06:40,166 --> 00:06:43,503 殿下も日頃の政務で 気疲れしているかと。 90 00:06:43,503 --> 00:06:49,342 エリザベート様は殿下の婚約者 もう少し優しいお言葉を…。 91 00:06:49,342 --> 00:06:51,344 肝に銘じますわ。 92 00:06:51,344 --> 00:06:55,348 でも 小さな綻びから 国が傾くこともあります。 93 00:06:55,348 --> 00:06:59,352 んっ… 殿下は小さな綻びだと? 94 00:06:59,352 --> 00:07:01,788 あくまで例えです。 95 00:07:01,788 --> 00:07:07,460 忘れないでください。 国が傾けば 苦しむのは民たちです。 96 00:07:07,460 --> 00:07:10,263 はい…。 97 00:07:12,632 --> 00:07:14,634 馬車の用意はできた? 98 00:07:14,634 --> 00:07:17,137 一日 体が空くなんて➨ 99 00:07:17,137 --> 00:07:19,806 次はいつになるか わからないもの。 100 00:07:19,806 --> 00:07:21,808 今日は羽を伸ばさなきゃ。 101 00:07:21,808 --> 00:07:23,810 あっ? (ノック) 102 00:07:23,810 --> 00:07:25,812 あっ? お父様。 (ドアの開く音) 103 00:07:25,812 --> 00:07:27,981 (エリザベート)ごきげんよう。 104 00:07:27,981 --> 00:07:31,151 (ジーク)急きょ 国際会議が 開かれることになったとの➨ 105 00:07:31,151 --> 00:07:34,988 通達が来た。 まぁ… いつですの? 106 00:07:34,988 --> 00:07:36,990 来週早々だ。 107 00:07:36,990 --> 00:07:39,659 陛下は明朝 ご出立しなければならない。 108 00:07:39,659 --> 00:07:43,663 えっ? 無論 宰相として私もお供する。 109 00:07:43,663 --> 00:07:48,501 ですが… 来週は 王国建国記念パーティーが…。 110 00:07:48,501 --> 00:07:53,506 魔物出現に関する重要な会議だ。 欠席するわけにはいかん。 111 00:07:53,506 --> 00:07:56,509 では パーティーは中止ですわね。 112 00:07:56,509 --> 00:07:59,846 遠方の賓客は すでに国を出ているだろう。 113 00:07:59,846 --> 00:08:04,451 中止にはできん。 ですが 国王と宰相が不在では…。 114 00:08:04,451 --> 00:08:07,287 エリザベートにすべて任せる。 えっ…。 115 00:08:07,287 --> 00:08:11,624 私には そんな大役は…。 これは陛下のご意思だ。 116 00:08:11,624 --> 00:08:16,463 お前に任せておけば すべて大丈夫だろうとのお言葉。 117 00:08:16,463 --> 00:08:21,634 王国主催のパーティーだ くれぐれも粗相のないようにな。 118 00:08:21,634 --> 00:08:24,471 お嬢様…。 (ドアの閉まる音) 119 00:08:24,471 --> 00:08:28,141 ハァ… 休日はお預けね。 120 00:08:28,141 --> 00:08:32,645 私がここで ワガママは言えないわ… あっ。 121 00:08:36,316 --> 00:08:38,318 (ミレイ)何者ですか? 122 00:08:38,318 --> 00:08:42,822 シルビア嬢… ロックイート男爵家の養子になって➨ 123 00:08:42,822 --> 00:08:45,992 最近 王宮に上がったそうよ。 124 00:08:45,992 --> 00:08:48,328 歯に衣を着せぬ物言いが➨ 125 00:08:48,328 --> 00:08:50,997 貴族の殿方には 新鮮に映るらしくて➨ 126 00:08:50,997 --> 00:08:53,666 殿下も 熱を上げてらっしゃるとか。 127 00:08:53,666 --> 00:08:57,837 堂々と中庭で… 不謹慎です。 128 00:08:57,837 --> 00:08:59,839 殿下のおそばにいるのなら➨ 129 00:08:59,839 --> 00:09:02,442 ふさわしい在り方を 教えてあげないと。 130 00:09:02,442 --> 00:09:06,446 お嬢様がなぜ 殿下の浮気相手の世話まで。 131 00:09:06,446 --> 00:09:10,116 かまわないわ これも私の務め。 132 00:09:10,116 --> 00:09:13,620 殿下が第二王妃を 迎えることだって当然よ。 133 00:09:17,457 --> 00:09:20,460 あなたのささいな 振る舞い一つで➨ 134 00:09:20,460 --> 00:09:24,964 殿下の ひいては王国の評判に 傷が付くこともあります。 135 00:09:24,964 --> 00:09:26,966 はい…。 136 00:09:28,968 --> 00:09:31,805 右足を痛めていますね? あっ…。 137 00:09:31,805 --> 00:09:33,807 さる貴族の方と➨ 138 00:09:33,807 --> 00:09:36,309 遠乗りに出かけた時に 痛めたのじゃなくて? 139 00:09:36,309 --> 00:09:39,646 んっ…。 殿下のお耳には入れません。 140 00:09:39,646 --> 00:09:44,484 ですが 今後 殿下以外の殿方と 親しくすることは➨ 141 00:09:44,484 --> 00:09:46,486 厳に慎んでいただきたいの。 142 00:09:46,486 --> 00:09:51,324 はい… お教え 肝に銘じます。 143 00:09:51,324 --> 00:09:59,499 ♬~ 144 00:09:59,499 --> 00:10:01,501 チッ…。 145 00:10:01,501 --> 00:10:03,837 (フリード)シルビィ。 あっ。 ここにいたのか。 146 00:10:03,837 --> 00:10:05,839 あぁ…。 探したぞ。 147 00:10:05,839 --> 00:10:09,342 これから中庭のほうへ 行こうと思うんだが… あっ。 148 00:10:09,342 --> 00:10:11,845 うぅ…。 149 00:10:11,845 --> 00:10:14,347 シルビィ ど どうしたんだ? 150 00:10:14,347 --> 00:10:17,517 んっ… あぁっ! うっ。 あっ…。 151 00:10:17,517 --> 00:10:20,854 足を痛めたのか!? 何があった!? 152 00:10:20,854 --> 00:10:25,358 私が… 私が至らなかったのです。 153 00:10:25,358 --> 00:10:28,361 エリザベート様… に…。 154 00:10:28,361 --> 00:10:32,031 エリザベート? エリザベートに何かされたのか!? 155 00:10:32,031 --> 00:10:36,202 そっ その足は… まさか…。 ううっ…。 156 00:10:36,202 --> 00:10:40,540 くっ… あの女 かわいいシルビィに何を…。 157 00:10:40,540 --> 00:10:44,043 許さんぞ…! フフッ…。 158 00:10:44,043 --> 00:10:46,713 (フリード)エリザベート! (どよめき) 159 00:10:46,713 --> 00:10:50,550 先日はついにシルビィを 階段から突き落としたらしいな! 160 00:10:50,550 --> 00:10:53,386 殿下… いえ フリード様。 161 00:10:53,386 --> 00:10:55,889 もはや見過ごすことはできない! 162 00:10:55,889 --> 00:10:57,891 エリザベート・レイストン! 163 00:10:57,891 --> 00:11:01,661 今この時をもって 貴様との婚約を破棄する! 164 00:11:01,661 --> 00:11:04,998 私には何一つ 身に覚えはございません。 165 00:11:04,998 --> 00:11:07,500 何より今は大事なパーティー。 166 00:11:07,500 --> 00:11:10,503 お客様の面前でそのような…。 (ルーカス)ハッ…。 167 00:11:10,503 --> 00:11:14,340 うっ… あっ! (どよめき) 168 00:11:14,340 --> 00:11:16,342 ロベルト…。 169 00:11:16,342 --> 00:11:19,178 殿下に傷を付けたのは お前のほうだ。 170 00:11:19,178 --> 00:11:21,181 んっ…。 171 00:11:21,181 --> 00:11:24,350 シルビィは けなげにも お前をかばっていた。 172 00:11:24,350 --> 00:11:27,020 自分が至らなかったのだとな! フフッ…。 173 00:11:27,020 --> 00:11:29,022 《そういうこと…》 174 00:11:29,022 --> 00:11:32,525 (ロベルト)衛兵! この女を地下牢へ連れていけ! 175 00:11:32,525 --> 00:11:35,028 (衛兵)で ですが…。 (ロベルト)恐れ多くも➨ 176 00:11:35,028 --> 00:11:39,365 殿下のご寵愛を受けたシルビア嬢を…。 どういうことだ? これは…。 177 00:11:39,365 --> 00:11:42,702 (衛兵)しかし その…。 かまいませんわ。 えっ…。 178 00:11:42,702 --> 00:11:46,706 殿下のご命令に背くことは できないでしょう。 179 00:11:46,706 --> 00:11:49,208 (衛兵)はっ! ご ご案内いたします。 180 00:11:49,208 --> 00:11:51,611 (ロベルト)罪人に気遣いなど無用! 181 00:11:53,713 --> 00:11:57,717 (フリード)皆の者 聞け! 私は宣言する! 182 00:11:57,717 --> 00:12:01,654 たった今 ここにいる シルビア・ロックイート嬢と➨ 183 00:12:01,654 --> 00:12:03,990 婚約することを! (どよめき) 184 00:12:03,990 --> 00:12:07,293 (拍手) 185 00:12:09,495 --> 00:12:14,834 (ブラート)なんだと!? フリードがエリザベートを牢に!? 186 00:12:14,834 --> 00:12:17,670 くぅ… あのバカ息子めが。 187 00:12:17,670 --> 00:12:21,507 すぐに戻って 事態を収拾せねばならんな。 188 00:12:21,507 --> 00:12:24,344 陛下 それには及びますまい。 189 00:12:24,344 --> 00:12:27,847 なに!? そなたの娘が 投獄されたのだぞ? 190 00:12:27,847 --> 00:12:31,851 あれなら 自分一人の力で なんとかするでしょう。 191 00:12:31,851 --> 00:12:37,023 確かに… 彼女に任せておけば 案ずることもないか。 192 00:12:37,023 --> 00:12:40,026 この状況を 自力でなんとかできなければ➨ 193 00:12:40,026 --> 00:12:43,363 殿下の婚約者たる 資格はありません。 194 00:12:43,363 --> 00:12:47,700 今は エリザベートなどに 構っている暇はございません。 195 00:12:47,700 --> 00:12:50,703 よし エリザベートに任せよう。 196 00:12:55,541 --> 00:13:01,314 投獄しておいて 国の重要な仕事は いつもどおり私に丸投げ。 197 00:13:01,314 --> 00:13:05,618 ここまで無責任だとは 殿下には ほとほとあきれるわ。 198 00:13:08,154 --> 00:13:10,156 《んっ… 来たわね》 199 00:13:10,156 --> 00:13:12,825 ちょっと あなた。 あっ。 200 00:13:12,825 --> 00:13:14,994 はい いかがなさいました? 201 00:13:14,994 --> 00:13:17,664 「ヒュプノシス」。 (指を鳴らす音) 202 00:13:17,664 --> 00:13:19,666 あっ…! 203 00:13:19,666 --> 00:13:21,668 あなたはそこに座っていなさい。 204 00:13:21,668 --> 00:13:26,339 そして今見たことは すべて忘れるのよ。 はい。 205 00:13:26,339 --> 00:13:28,675 もういいわよ ミレイ。 206 00:13:28,675 --> 00:13:32,345 お手数おかけしました お嬢様。 207 00:13:32,345 --> 00:13:35,181 この1か月 なんの動きもない。 208 00:13:35,181 --> 00:13:38,017 お父様たちに連絡は いっているのよね? 209 00:13:38,017 --> 00:13:42,188 それが… 「後始末はエリザベートに任せる」と。 210 00:13:42,188 --> 00:13:44,691 あっ…! 211 00:13:44,691 --> 00:13:49,195 うっ… また私に 丸投げするつもりなのね? 212 00:13:49,195 --> 00:13:52,198 それと ファンネル商会ですが➨ 213 00:13:52,198 --> 00:13:56,369 国家反逆を企てた 罪人の経営する商会として➨ 214 00:13:56,369 --> 00:13:59,372 殿下が強制捜査を。 なんですって? 215 00:13:59,372 --> 00:14:03,476 しかも ご自分の息のかかった 商人や貴族を➨ 216 00:14:03,476 --> 00:14:08,481 幹部に据えるよう圧力を。 あそこを殿下が手にしても…。 217 00:14:08,481 --> 00:14:12,819 今や 王国経済の中でも 上位に食い込む規模。 218 00:14:12,819 --> 00:14:16,656 きっと狙いがあるのでしょう。 ハァ…。 219 00:14:16,656 --> 00:14:21,327 殿下の意のまま動かしては また苦しむ民が増えるわ。 220 00:14:21,327 --> 00:14:23,329 私がなんとかしないと。 221 00:14:23,329 --> 00:14:26,666 せん越ながら…。 んっ? 222 00:14:26,666 --> 00:14:30,670 お嬢様は なぜそこまでこの国に 尽くされるのでしょうか? 223 00:14:30,670 --> 00:14:32,672 なぜって…。 224 00:14:32,672 --> 00:14:35,007 私は貴族で 国や民のために➨ 225 00:14:35,007 --> 00:14:37,176 働くのは当然で…。 私は…。 226 00:14:37,176 --> 00:14:42,181 家が没落し 奴隷か路上生活を するしかないという時に➨ 227 00:14:42,181 --> 00:14:45,017 お嬢様に救っていただきました。 228 00:14:45,017 --> 00:14:50,189 恐れ多くも 腹心と呼んでくださる あなた様を敬愛しております。 229 00:14:50,189 --> 00:14:53,359 ミレイ…? だからこそ! 230 00:14:53,359 --> 00:14:57,029 お嬢様を都合のいいときに 便利な道具のようにこき使う➨ 231 00:14:57,029 --> 00:15:00,800 この国のヤツらが許せない! ハァッ…。 232 00:15:00,800 --> 00:15:04,804 (エリザベート)確かに あの殿下やロックイート嬢➨ 233 00:15:04,804 --> 00:15:07,140 ロベルトの所業は目に余る。 234 00:15:07,140 --> 00:15:11,310 国王陛下やお父様の態度も ひどいもの…。 235 00:15:11,310 --> 00:15:14,647 でも 民たちに罪はないわ。 236 00:15:14,647 --> 00:15:18,151 私は この国の民たちのために…。 お嬢様の名誉を➨ 237 00:15:18,151 --> 00:15:21,487 傷つけるようなうわさが 広まっています。 うわさ…? 238 00:15:21,487 --> 00:15:23,489 「嫉妬に狂って➨ 239 00:15:23,489 --> 00:15:26,659 男爵令嬢を暗殺しようとした」。 あっ! 240 00:15:26,659 --> 00:15:29,662 「王太子を差し置いて まつりごとに口を出し➨ 241 00:15:29,662 --> 00:15:32,165 国を乗っ取ろうとしている」。 242 00:15:32,165 --> 00:15:34,834 出どころは いずれもあのクズ…。 243 00:15:34,834 --> 00:15:40,173 王太子殿下と つながりのある 者たちに行き着きました。 244 00:15:40,173 --> 00:15:42,675 根も葉もないうわさですが➨ 245 00:15:42,675 --> 00:15:45,511 民の中には 真に受け信じる者が➨ 246 00:15:45,511 --> 00:15:48,181 日に日に増しています。 民が…。 247 00:15:48,181 --> 00:15:52,018 お嬢様のことを 国を破滅に導く➨ 248 00:15:52,018 --> 00:15:55,855 魔物の化身だと言う者たちまで。 魔物…。 249 00:15:55,855 --> 00:16:00,126 常に国と民のことを考え 働いてきたお嬢様を➨ 250 00:16:00,126 --> 00:16:04,130 くだらないうわさだけで見限る… 私は許せない! 251 00:16:04,130 --> 00:16:08,968 お嬢様に頼るばかりで 心配すらしない国王も➨ 252 00:16:08,968 --> 00:16:11,471 レイストン公爵も! 253 00:16:11,471 --> 00:16:16,642 何より お嬢様の価値を 理解しない あの王太子! 254 00:16:16,642 --> 00:16:20,146 お嬢様を陥れる あの男爵令嬢も! 255 00:16:20,146 --> 00:16:24,150 私は… この王国が許せない! 256 00:16:26,152 --> 00:16:28,855 そう… よね…。 257 00:16:31,490 --> 00:16:33,826 あっ!? (壁を破壊する音) 258 00:16:33,826 --> 00:16:35,828 あっ…。 259 00:16:35,828 --> 00:16:40,666 ありがとう… ミレイ。 260 00:16:40,666 --> 00:16:42,835 目が覚めたわ。 261 00:16:42,835 --> 00:16:45,505 さっさと こんな国からは出ましょう。 262 00:16:45,505 --> 00:16:48,174 お嬢様…! 263 00:16:48,174 --> 00:16:50,176 決行は5日後。 264 00:16:50,176 --> 00:16:53,846 決行後に接触したい人物が いるので 準備してほしいの。 265 00:16:53,846 --> 00:16:56,182 なんなりと お申しつけください。 266 00:16:56,182 --> 00:16:58,684 商会のほうは いかがいたしましょう。 267 00:16:58,684 --> 00:17:01,120 幹部の交代を受け入れ➨ 268 00:17:01,120 --> 00:17:04,624 交代した者たちには 出国して待機するよう伝えて。 269 00:17:04,624 --> 00:17:07,460 ただし 情報収集のために➨ 270 00:17:07,460 --> 00:17:09,795 何人かは王都に 残しておきましょう。 271 00:17:09,795 --> 00:17:11,797 かしこまりました。 272 00:17:11,797 --> 00:17:14,300 ミレイから他には? せん越ながら➨ 273 00:17:14,300 --> 00:17:17,470 そちらをどうにかされたほうが よろしいかと。 274 00:17:17,470 --> 00:17:20,139 あっ…。 お嬢様の神器であれば➨ 275 00:17:20,139 --> 00:17:23,142 すぐに修復できます。 そうね…。 276 00:17:23,142 --> 00:17:25,645 お嬢様。 あっ? 277 00:17:25,645 --> 00:17:30,483 お嬢様の新たな門出に 神の祝福があらんことを。 278 00:17:30,483 --> 00:17:32,985 ありがとう。 279 00:17:37,823 --> 00:17:39,825 さて…。 280 00:17:39,825 --> 00:17:45,665 《この世界のすべての生物は 体内に 「魔力」を持つ。 281 00:17:45,665 --> 00:17:49,502 そして 鍛錬を積んだ一部の者だけが➨ 282 00:17:49,502 --> 00:17:52,838 己の内なる魔力を 道具として具現化できる。 283 00:17:52,838 --> 00:17:55,341 それが神器だ。 284 00:17:55,341 --> 00:17:59,845 その形は 槍や剣であったり さまざま。 285 00:17:59,845 --> 00:18:02,114 私の場合は…》 286 00:18:02,114 --> 00:18:05,618 神器 「グリモア・ベルゼブブ」。 287 00:18:10,790 --> 00:18:12,959 《「グリモア・ベルゼブブ」…。 288 00:18:12,959 --> 00:18:15,795 私の神器 「グリモア・セブンス」。 289 00:18:15,795 --> 00:18:19,298 すなわち 「七つの魔導書」のうちの一つ。 290 00:18:19,298 --> 00:18:22,468 その能力は魔法の記憶。 291 00:18:22,468 --> 00:18:28,140 元来 適性のない属性の魔法は 使うことはできない。 だが➨ 292 00:18:28,140 --> 00:18:32,478 この 「グリモア・ベルゼブブ」に 人の魔法を記録することで➨ 293 00:18:32,478 --> 00:18:35,982 適性のない魔法を 使うことができる。 294 00:18:35,982 --> 00:18:39,819 私は 水属性の適性しか 持たないが…》 295 00:18:39,819 --> 00:18:42,021 「ストーン・ウォール」。 296 00:18:46,325 --> 00:18:48,995 《彼にかけた闇属性の催眠魔法➨ 297 00:18:48,995 --> 00:18:51,163 「ヒュプノシス」も》 あっ… あっ!? (指を鳴らす音) 298 00:18:51,163 --> 00:18:53,100 《同様だ》 299 00:18:53,100 --> 00:18:57,503 フッ… 忙しくなるわね。 300 00:18:57,503 --> 00:19:00,106 《5日後の夜》 301 00:19:02,108 --> 00:19:04,110 「アイス・ドール」。 302 00:19:11,450 --> 00:19:14,620 《牢内に身代わりの 「アイス・ドール」を置き》 303 00:19:14,620 --> 00:19:16,622 「ミラージュ」。 304 00:19:19,125 --> 00:19:21,627 《私は解放された》 305 00:19:21,627 --> 00:19:24,463 ⚟エリザベート。 あっ! 306 00:19:24,463 --> 00:19:26,632 とんだ女狐だったってわけだな。 307 00:19:26,632 --> 00:19:28,968 民のためとか言いながら➨ 308 00:19:28,968 --> 00:19:31,804 俺たちからたっぷり 搾取してたというじゃないか。 309 00:19:31,804 --> 00:19:35,808 あきれた話だ なにが王太子の婚約者だ➨ 310 00:19:35,808 --> 00:19:38,477 王国を乗っ取るつもりだったに 違いない。 311 00:19:38,477 --> 00:19:41,814 ホントに許せない 縛り首ってうわさよ。 312 00:19:41,814 --> 00:19:44,316 フン 自業自得ってやつさ。 313 00:19:44,316 --> 00:19:46,619 そうだそうだ! 当然だ! 314 00:19:48,654 --> 00:19:52,825 (ルーカス)あの王太子 出来が悪いとは聞いていたが。 315 00:19:52,825 --> 00:19:57,329 パーティーでの あの醜態 次期国王があれじゃ➨ 316 00:19:57,329 --> 00:20:01,333 ハルドリアの者たちも 頭が痛いだろうなぁ。 317 00:20:01,333 --> 00:20:05,671 《それに比べて エリザベート嬢の見事な振る舞い…。 318 00:20:05,671 --> 00:20:10,676 近年 王国の陰には 常に彼女の姿があった。 319 00:20:10,676 --> 00:20:14,013 先の帝国と王国の戦争でも➨ 320 00:20:14,013 --> 00:20:19,351 当時10歳の彼女の采配で 帝国は大きな打撃を受けた》 321 00:20:19,351 --> 00:20:24,356 そんな鬼札を自ら捨てるとは 笑いが止まらないな。 322 00:20:24,356 --> 00:20:26,358 (ノック) 323 00:20:26,358 --> 00:20:28,360 どうぞ。 (ドアの開く音) 324 00:20:28,360 --> 00:20:30,362 夜分に失礼する。 325 00:20:30,362 --> 00:20:32,364 ハ ハルドリア国王!? 326 00:20:32,364 --> 00:20:34,700 なぜここへ? 327 00:20:34,700 --> 00:20:38,370 国際会議のため国を空けて いらっしゃったのでは…。 328 00:20:38,370 --> 00:20:40,372 まずは…。 329 00:20:40,372 --> 00:20:43,042 このような時間に このような方法で➨ 330 00:20:43,042 --> 00:20:46,045 面会を求めたことを 謝罪いたしますわ。 331 00:20:46,045 --> 00:20:48,047 はっ!? 332 00:20:48,047 --> 00:20:50,382 (手を叩く音) 333 00:20:50,382 --> 00:20:52,384 うっ!? 334 00:20:52,384 --> 00:20:55,054 うぅ…。 お久しぶりです➨ 335 00:20:55,054 --> 00:20:58,057 ルーカス・レブリック子爵。 あっ!? 336 00:20:58,057 --> 00:21:03,329 姿を偽り面会を求めた無礼を お許しくださいませ。 337 00:21:03,329 --> 00:21:07,666 国王であれば ここまで やすやすと通れましたもので。 338 00:21:07,666 --> 00:21:12,171 エ エリザベート嬢!? たしかあなたは幽閉されて…。 339 00:21:12,171 --> 00:21:15,341 なぜここへ? お願いがあって参りました。 340 00:21:15,341 --> 00:21:19,345 私を帝国に 亡命させていただきたいのです。 341 00:21:19,345 --> 00:21:21,347 ぼ 亡命!? はい。 342 00:21:21,347 --> 00:21:25,518 あっ いや 確かに王太子の言動は 許し難いでしょうが…。 343 00:21:25,518 --> 00:21:29,355 ルーカス様 この国は 王太子だけでなく➨ 344 00:21:29,355 --> 00:21:32,191 民も私のことを 踏みにじりますのよ。 345 00:21:32,191 --> 00:21:36,195 城下に広がってる うわさのことですか? 346 00:21:36,195 --> 00:21:40,199 ですが 国王陛下や宰相が お帰りになれば…。 347 00:21:40,199 --> 00:21:43,035 私 ほとほと愛想が尽きましたの。 348 00:21:43,035 --> 00:21:48,374 私が消えれば この国の民にも 大きな影響を与えるでしょう。 349 00:21:48,374 --> 00:21:52,378 ですが それが何か 問題でしょうか? えっ! 350 00:21:52,378 --> 00:21:55,214 すべてをささげてきた この国と民に➨ 351 00:21:55,214 --> 00:21:58,050 私はいとも簡単に裏切られました。 352 00:21:58,050 --> 00:22:01,987 努力と時間を ゴミのように捨てられたのです。 353 00:22:01,987 --> 00:22:05,658 亡命されて そのあとは…? 354 00:22:05,658 --> 00:22:07,826 あっ…。 355 00:22:07,826 --> 00:22:10,663 この国を潰します。 えっ? 356 00:22:10,663 --> 00:22:16,001 《許さない… 絶対に…》 357 00:22:16,001 --> 00:22:18,003 (割れる音) 358 00:22:18,003 --> 00:22:23,008 私は この国に 報復することにしたのです。