1 00:00:02,002 --> 00:00:05,505 (聖華)もう1束 欲しいです。 私 お金持ちなんです。 2 00:00:05,505 --> 00:00:07,508 そうは 言っても…。 3 00:00:07,508 --> 00:00:10,010 《しげる:もう パンパンじゃねえか》 4 00:00:10,010 --> 00:00:15,849 《矢なんて 俺が スキルで 量産してやるのに》 ♬(鼻歌) 5 00:00:15,849 --> 00:00:18,518 しげるさんは 買わないんですか? 6 00:00:18,518 --> 00:00:21,021 あっ… 貧乏だから 買えないんですね。 7 00:00:21,021 --> 00:00:23,023 《ド直球》 8 00:00:23,023 --> 00:00:25,359 (誠司)よさそうな宿を見つけたよ。 9 00:00:25,359 --> 00:00:28,028 今日は そこで 1泊しましょう。 10 00:00:28,028 --> 00:00:30,030 やった! 楽しみです。 11 00:00:30,030 --> 00:00:32,032 うわっ… とと…。 12 00:00:32,032 --> 00:00:35,202 せっかくだけど 俺は 公園で。 13 00:00:35,202 --> 00:00:38,372 宿代くらい 私が出してあげますわ。 14 00:00:38,372 --> 00:00:41,208 へっ? そんなの だめですよ。 15 00:00:41,208 --> 00:00:45,045 やっぱり 私の おごりは 嫌なんですね。 16 00:00:45,045 --> 00:00:47,547 ああ… いや そうじゃないです。 17 00:00:47,547 --> 00:00:51,051 じゃあ 行きましょう。 んっ…。 こっちです。 18 00:00:51,051 --> 00:00:54,221 《布越しなら ダメージはないのか。 19 00:00:54,221 --> 00:00:57,224 しかし どうにも調子が狂う。 20 00:00:57,224 --> 00:01:00,861 彼女は 危なっかしくて 邪険にできない。 21 00:01:00,861 --> 00:01:04,131 誰か導いてくれる リーダーがいれば…》 22 00:02:46,400 --> 00:02:48,368 う~ん…。 23 00:02:55,075 --> 00:02:59,913 フフフ… フフッ… フフフ フフッ フフッ…。 んっ… んっ…。 24 00:02:59,913 --> 00:03:03,350 《これ以上の借りを 作るわけにはいかないが➨ 25 00:03:03,350 --> 00:03:08,188 俺は 入金率1万分の1で 現在 無一文。 26 00:03:08,188 --> 00:03:12,192 収入の手段を確実にしないと 早々に詰む。 27 00:03:12,192 --> 00:03:17,197 もし 詰んでしまったら かなり ひどい状況に陥るらしい。 28 00:03:17,197 --> 00:03:21,668 逃げ込んだはずの この世界から 逃げ出したくなるほどの。 29 00:03:21,668 --> 00:03:24,571 さて どうしたもんか…》 30 00:03:27,674 --> 00:03:29,709 (3人)うわっ! 31 00:03:29,709 --> 00:03:33,380 どうぞ。 俺一人じゃ食いきれないんで。 32 00:03:33,380 --> 00:03:35,382 もらっちゃっていいんですか? うわっ…。 33 00:03:35,382 --> 00:03:37,718 チョコクッキーですね。 かわいい! 34 00:03:37,718 --> 00:03:39,886 しげるさん これは? 35 00:03:39,886 --> 00:03:42,055 親切な人がくれました。 36 00:03:42,055 --> 00:03:45,726 終電の社畜の まねをしてみたんです。 37 00:03:45,726 --> 00:03:47,727 「終電のシャチク」? 38 00:03:47,727 --> 00:03:50,564 《知らないのか… 純真だな》 39 00:03:50,564 --> 00:03:56,069 こんな…。 それは 何か あげたくなります。 40 00:03:56,069 --> 00:04:00,140 でも 貧乏だからって はしたないですわよ。 41 00:04:00,140 --> 00:04:04,311 んっ… 困ったら お金持ちの 私に言いなさい。 はい はい。 42 00:04:04,311 --> 00:04:07,647 おいしいです。 ありがとうございます。 43 00:04:07,647 --> 00:04:10,317 《まっ 実際には 買ったんだがな。 44 00:04:10,317 --> 00:04:12,986 気付いてしまえば シンプルな仕掛けだ。 45 00:04:12,986 --> 00:04:16,823 それは… 物々交換。 46 00:04:16,823 --> 00:04:19,659 まずは スキルで 矢を あほほど生成。 47 00:04:19,659 --> 00:04:21,995 そいつを持って 武器屋へ。 48 00:04:21,995 --> 00:04:25,665 4掛けでいいからと 金の代わりに商品をもらう。 49 00:04:25,665 --> 00:04:29,336 まあ ちょっと 強引な商談は 吹っかけたが。 50 00:04:29,336 --> 00:04:33,173 ともあれ 聖華さん 借りは 1つ返したぜ》 51 00:04:33,173 --> 00:04:35,175 おいしい! 52 00:04:35,175 --> 00:04:38,011 おなかも いっぱいになったところで➨ 53 00:04:38,011 --> 00:04:40,847 次の冒険の話をしたいのだけど。 54 00:04:40,847 --> 00:04:44,351 えっ? もっと 街を探検したいです。 55 00:04:44,351 --> 00:04:47,354 まずは 収入を確保しないとね。 56 00:04:47,354 --> 00:04:50,190 モンスターは お金を落とさなかったから。 57 00:04:50,190 --> 00:04:53,860 《やはり 気付いていたか。 さすがだ》 58 00:04:53,860 --> 00:04:57,364 この街の近くに洞窟があるらしい。 59 00:04:57,364 --> 00:05:00,967 今日のうちに 調べておこうと思うんだ。 60 00:05:00,967 --> 00:05:03,303 洞窟? 楽しそうですわ。 61 00:05:03,303 --> 00:05:05,639 でも 危険なのでは…。 62 00:05:05,639 --> 00:05:09,142 (恭志郎)アルガの洞窟に行くのかい? (3人)んっ? 63 00:05:09,142 --> 00:05:11,178 ナビは いらねえか? 64 00:05:11,178 --> 00:05:14,481 俺は お前らと同じ転生者さ。 65 00:05:14,481 --> 00:05:16,817 《転生者?》 うおっ! 66 00:05:16,817 --> 00:05:20,987 あんたは なかなかの…。 《はい ブサメンですよ》 67 00:05:20,987 --> 00:05:22,989 初めて見る顔だが➨ 68 00:05:22,989 --> 00:05:25,325 こっちには 来たばっかりなんだろう? 69 00:05:25,325 --> 00:05:29,829 はい。 《誠司さんは 慎重》 70 00:05:29,829 --> 00:05:34,167 じゃあ これ 知ってるかい? それは なんですか? 71 00:05:34,167 --> 00:05:36,503 《聖華さんは 無邪気すぎ》 72 00:05:36,503 --> 00:05:39,673 最初のログハウスで見つかる アイテムさ。 73 00:05:39,673 --> 00:05:43,176 一度だけ 宿代を値引きできるぜ。 74 00:05:43,176 --> 00:05:45,378 えっ! 見つけてないです。 75 00:05:45,378 --> 00:05:47,681 あ~ん もったいない。 76 00:05:47,681 --> 00:05:51,017 そいつは やるから フロントで 払い戻してこいよ。 77 00:05:51,017 --> 00:05:54,688 本当ですか? ちょっ… 聖華さん。 78 00:05:54,688 --> 00:05:57,524 お得です。 あっ…。 79 00:05:57,524 --> 00:06:00,293 失礼ですが あなたは? 80 00:06:00,293 --> 00:06:03,630 おっと 失敬… 俺は 恭志郎。 81 00:06:03,630 --> 00:06:07,467 お前らみたいな 初心者を ガイドして食ってる者だ。 82 00:06:07,467 --> 00:06:10,470 俺を雇えば もっと 得するぜ。 83 00:06:10,470 --> 00:06:14,641 《怪しすぎる。 十中八九 初心者狩りだな。 84 00:06:14,641 --> 00:06:18,812 まあ 何かあれば 絶対神の力がある。 85 00:06:18,812 --> 00:06:21,481 ここは 誠司さんに任せてみよう》 86 00:06:21,481 --> 00:06:23,984 お金は 貴重だけど➨ 87 00:06:23,984 --> 00:06:29,489 知識と経験を底上げする 投資と考えれば。 88 00:06:29,489 --> 00:06:33,326 1日 120リラと 成功報酬で どうですか? 89 00:06:33,326 --> 00:06:35,829 その条件で よろしければ。 90 00:06:35,829 --> 00:06:38,832 おう 任せとけ。 91 00:06:38,832 --> 00:06:40,867 ハッ! んっ! 92 00:06:40,867 --> 00:06:44,838 いざ アルガの洞窟へ! 93 00:06:44,838 --> 00:06:47,507 (鳴き声) 94 00:06:47,507 --> 00:06:49,676 あっ… ゴブリン! 95 00:06:49,676 --> 00:06:53,847 んっ! えいっ! えいっ! 96 00:06:53,847 --> 00:06:55,849 《一発も 当たってねえ》 97 00:06:55,849 --> 00:06:59,953 聖華さんだったか? 矢は もっと 大切に使いな。 98 00:06:59,953 --> 00:07:03,123 大丈夫です。 たくさん ありますから。 99 00:07:03,123 --> 00:07:06,793 いやいや… もっと 命中率を 上げたほうがいいって話だ。 100 00:07:06,793 --> 00:07:09,963 その矢 一本を 1億円だと思って打ってみな。 101 00:07:09,963 --> 00:07:13,133 それは お金持ちでも 慎重になります。 102 00:07:13,133 --> 00:07:15,335 (鳴き声) 103 00:07:15,335 --> 00:07:17,637 《1億円…》 んっ! 104 00:07:17,637 --> 00:07:20,006 ギャッ! 当たった。 105 00:07:20,006 --> 00:07:22,342 なかなか 筋がいいな。 106 00:07:22,342 --> 00:07:25,512 わっ… 私にかかれば こんなもんです。 107 00:07:25,512 --> 00:07:28,682 もはや 弓道部の しげるさんを 超えましたわ。 108 00:07:28,682 --> 00:07:30,684 《マジかよ》 109 00:07:30,684 --> 00:07:32,652 僕らも 行こう。 はい。 110 00:07:32,652 --> 00:07:34,988 私も! 111 00:07:34,988 --> 00:07:37,657 《意外にも ちゃんと指導してくれている。 112 00:07:37,657 --> 00:07:40,493 ビジネスの においがすると 疑っちまうのは➨ 113 00:07:40,493 --> 00:07:43,663 元営業の 悲しい さがだな。 114 00:07:43,663 --> 00:07:46,032 このヘルメットも おっさんが勧めてくれた アイテムだ。 115 00:07:46,032 --> 00:07:49,536 先に来た 転生者が 作った物らしい。 116 00:07:49,536 --> 00:07:52,706 聖華さんは 先走って 60リラを どぶに捨てた》 117 00:07:52,706 --> 00:07:56,042 《うぅ… うっ…》 《合掌》 118 00:07:56,042 --> 00:07:58,178 (女性/誠司)ハッ! えいっ! フッ! 119 00:07:58,178 --> 00:08:01,114 えいっ! 誠司さんは もっと 手首を固定して! 120 00:08:01,114 --> 00:08:03,450 武器の重さで 斬ってみな。 121 00:08:03,450 --> 00:08:06,653 わかりました。 短剣の場合は➨ 122 00:08:06,653 --> 00:08:08,822 切っ先を抜くように斬るといい。 123 00:08:08,822 --> 00:08:12,125 速さと軽さが強みだからな。 124 00:08:12,125 --> 00:08:14,127 はい! てやっ! 125 00:08:14,127 --> 00:08:17,464 えいっ! えいっ! えいっ! 126 00:08:17,464 --> 00:08:19,499 ああ…。 127 00:08:19,499 --> 00:08:23,670 お前は 参加しないのかい? ちょうどいい スキルがないんです。 128 00:08:23,670 --> 00:08:28,341 《うそは 言っていない》 つえは 経験値を上げにくいからな。 129 00:08:28,341 --> 00:08:31,311 《すいません もう レベル61です》 130 00:08:31,311 --> 00:08:33,346 そう 気を落とすな。 131 00:08:33,346 --> 00:08:36,850 つえは 最終スキルが すげえって うわさだ。 132 00:08:36,850 --> 00:08:38,852 《確かに…。 133 00:08:38,852 --> 00:08:43,523 今朝 矢を作ろうと 街の外に出たら…》 134 00:08:45,692 --> 00:08:48,361 《巨大な オークに遭遇して➨ 135 00:08:48,361 --> 00:08:53,033 たまたま つえスキルの いちばん 強いやつを試そうとしたら…》 136 00:08:53,033 --> 00:08:55,034 《おっ…》 (警告音) 137 00:08:55,034 --> 00:08:59,205 《《半径200km圏内が消滅? 138 00:08:59,205 --> 00:09:02,442 仮に 埼玉県で 発動しようもんなら➨ 139 00:09:02,442 --> 00:09:05,945 太平洋と日本海が つながっちまう》》 140 00:09:05,945 --> 00:09:08,448 《もちろん すぐに キャンセルした》 141 00:09:08,448 --> 00:09:12,118 おお…。 戦闘には 積極的に参加しろよ。 142 00:09:12,118 --> 00:09:14,954 じゃないと 俺のように リタイアだぜ。 143 00:09:14,954 --> 00:09:19,793 リタイア? 昔 よう兵団に所属しててな。 144 00:09:19,793 --> 00:09:25,799 リーダーは 俺の同期だったが 俺は 力の差につまずいて リタイア。 145 00:09:25,799 --> 00:09:29,803 同期の そいつは 国王にまで 上り詰めた。 146 00:09:29,803 --> 00:09:35,308 ビビるぜ。 レベルは 80くらいで パラメータは 平均160もある。 147 00:09:35,308 --> 00:09:37,644 《3桁? いや 弱くね?》 148 00:09:37,644 --> 00:09:40,313 おっと びっくりさせちまったな。 149 00:09:40,313 --> 00:09:43,983 まっ お前は めげず 頑張りな。 150 00:09:43,983 --> 00:09:45,985 《アルガの洞窟。 151 00:09:45,985 --> 00:09:49,823 遺跡の趣もあって 意外に おもしろそうだが…》 152 00:09:49,823 --> 00:09:51,825 よし! 行きましょう。 153 00:09:51,825 --> 00:09:55,662 《聖華さんは 怖がって 一歩も進まない》 154 00:09:55,662 --> 00:09:58,331 手をつなぐから 一緒に行こう。 155 00:09:58,331 --> 00:10:00,667 ねっ。 《子どもかよ》 156 00:10:00,667 --> 00:10:03,670 うわっ… すご~い! 157 00:10:03,670 --> 00:10:06,172 あれ 鍾乳石ですよね? 158 00:10:06,172 --> 00:10:08,508 危ねえ! 落ちてくるぞ。 159 00:10:08,508 --> 00:10:12,512 ブー。 《あんた 実際は 何歳なんだ?》 160 00:10:12,512 --> 00:10:16,182 聖華さん 元の年齢を聞いていいかな? 161 00:10:16,182 --> 00:10:19,018 戦略を立てるのに必要だと思って。 162 00:10:19,018 --> 00:10:21,354 《誠司さん グッジョブ!》 163 00:10:21,354 --> 00:10:23,356 年齢ですか。 164 00:10:23,356 --> 00:10:25,859 ちなみに 僕は アラサーなんだ。 165 00:10:25,859 --> 00:10:27,861 《え~ 意外!》 166 00:10:27,861 --> 00:10:31,197 そうですね… 実は 私➨ 167 00:10:31,197 --> 00:10:35,034 16歳ではありません。 《ですよね》 168 00:10:35,034 --> 00:10:38,371 17歳です。 《冗談ですよね?》 169 00:10:38,371 --> 00:10:40,373 そうなんだ。 170 00:10:40,373 --> 00:10:43,877 今は 円周率 3で教えてるって ほんと? 171 00:10:43,877 --> 00:10:49,549 基本 3.14で おおよそでいいときには 3です。 172 00:10:49,549 --> 00:10:53,720 入試対策とかもしてた? はい。 大体 A判定でした。 173 00:10:53,720 --> 00:10:56,723 へぇ~ それは すごいな。 《勉強だけは できるようだ。 174 00:10:56,723 --> 00:11:01,361 少し安心したよ お嬢様。 175 00:11:01,361 --> 00:11:06,699 そこから 俺たちは 恭志郎氏のナビを受けつつ…。 176 00:11:06,699 --> 00:11:10,537 オオコウモリと闘いながら…》 (鳴き声) 177 00:11:10,537 --> 00:11:14,007 《最深部まで たどりついた》 178 00:11:14,007 --> 00:11:16,209 うわっ! ハァハァ…。 179 00:11:16,209 --> 00:11:18,378 うわっ… んっ…。 180 00:11:18,378 --> 00:11:21,047 《今日1日で 先走らないようになったな。 181 00:11:21,047 --> 00:11:23,049 偉いぞ》 182 00:11:23,049 --> 00:11:25,885 聖華さんよ あんた レベルは? 183 00:11:25,885 --> 00:11:28,721 3ですわ。 そりゃ だめだ。 184 00:11:28,721 --> 00:11:32,392 そこは ボス部屋 今のあんたじゃ 秒殺だぜ。 185 00:11:32,392 --> 00:11:35,695 えっ… んっ! 186 00:11:35,695 --> 00:11:38,865 よしよし。 今日は ここまでだね。 187 00:11:38,865 --> 00:11:43,369 《つうか 序盤の中ボスなんて とっくに誰かが…》 188 00:11:43,369 --> 00:11:47,207 ありがとうございます。 ここまで 無事に来れました。 189 00:11:47,207 --> 00:11:51,044 恭志郎さんのおかげです。 ヘッ… いいってことよ。 190 00:11:51,044 --> 00:11:53,880 あんた いいリーダーになるぜ。 191 00:11:53,880 --> 00:11:58,751 だが 帰る前に スペシャルイベントがあるんだ… 来な。 192 00:11:58,751 --> 00:12:01,654 ここさ。 193 00:12:01,654 --> 00:12:04,991 《うっ… 記憶の扉が開く》 194 00:12:04,991 --> 00:12:07,327 この部屋は 恭志郎さんが? 195 00:12:07,327 --> 00:12:10,663 いや 別の転生者が 作ったみたいだ。 196 00:12:10,663 --> 00:12:13,833 ここは モンスターも 魔法も 侵入できない➨ 197 00:12:13,833 --> 00:12:16,336 鉄壁の安全ポイントよ。 198 00:12:16,336 --> 00:12:19,005 《はい 恭志郎氏 ダウト。 199 00:12:19,005 --> 00:12:24,677 イリアの街から 半径200km圏内に 安全ポイントなんて 存在しない。 200 00:12:24,677 --> 00:12:26,679 当然 ここもだ》 201 00:12:26,679 --> 00:12:29,349 うわっ… パーティーみたいです。 202 00:12:29,349 --> 00:12:34,153 そう! ここまで来れた転生者の 歓迎会ってわけだ。 203 00:12:36,522 --> 00:12:40,860 《んっ… 飲み口に薬品。 睡眠薬か…。 204 00:12:40,860 --> 00:12:43,696 まっ 俺には 効かないが》 205 00:12:43,696 --> 00:12:48,534 お気持ちは うれしいですけど 日が高いうちに街に戻らないと。 206 00:12:48,534 --> 00:12:50,536 《いいぞ 誠司さん》 207 00:12:50,536 --> 00:12:54,207 え~… お祝いしてくれてるのに。 208 00:12:54,207 --> 00:12:56,709 そうか おせっかいだったな。 209 00:12:56,709 --> 00:13:01,147 まっ 無理にとは 言わないさ。 急いで 街に戻ろう。 210 00:13:01,147 --> 00:13:04,150 そこで 仕切り直しといこうや。 211 00:13:04,150 --> 00:13:06,486 うぅ…。 212 00:13:06,486 --> 00:13:10,657 すみません! 僕は あなたを疑っていました。 213 00:13:10,657 --> 00:13:13,860 《ああ… この人いい人なんだ》 214 00:13:13,860 --> 00:13:17,697 こんなに 親切にしてもらってるのに 僕は。 215 00:13:17,697 --> 00:13:20,033 いやいや… いいって いいって。 216 00:13:20,033 --> 00:13:23,703 あんたは リーダーとして 当然のことをしたまでさ。 217 00:13:23,703 --> 00:13:26,205 ほら 受け取ってくれるかい? 218 00:13:26,205 --> 00:13:28,174 はい! 219 00:13:28,174 --> 00:13:31,010 《おまけに かなり 熱いね》 220 00:13:31,010 --> 00:13:35,882 ああ… ふがいない。 人の親切を疑うなんて。 221 00:13:35,882 --> 00:13:38,885 もう1本 下さ~い。 おいしい! 222 00:13:38,885 --> 00:13:41,387 《え~… 大丈夫か? こいつら。 223 00:13:41,387 --> 00:13:44,023 解毒魔法は 光って ばれる。 224 00:13:44,023 --> 00:13:46,359 会話で ペースを落とさせるか》 225 00:13:46,359 --> 00:13:48,695 んっ… プハァー。 226 00:13:48,695 --> 00:13:52,565 あっ あの… 皆さんは この世界に来る前➨ 227 00:13:52,565 --> 00:13:55,401 何をしてたんですか? (3人)あっ…。 228 00:13:55,401 --> 00:13:58,371 しげるさん…。 《しまった! 229 00:13:58,371 --> 00:14:03,476 俺を含めて 全員 この世界へは 逃げてきたんだ》 230 00:14:03,476 --> 00:14:07,647 すいません 失言でした。 (聖華/女性)んっ…。 231 00:14:07,647 --> 00:14:11,150 昔話になりますが 聞いてもらえますか。 232 00:14:11,150 --> 00:14:13,186 (聖華/女性)あっ…。 はい。 233 00:14:13,186 --> 00:14:15,188 (誠司)僕は 学生のとき➨ 234 00:14:15,188 --> 00:14:18,691 何もかもが嫌になって 家を飛び出した。 235 00:14:18,691 --> 00:14:21,361 そして 会社を起こしたんです。 236 00:14:21,361 --> 00:14:24,197 社名は サクセスライフ。 237 00:14:24,197 --> 00:14:28,034 《あっ! 確か 営業に行ったことがある。 238 00:14:28,034 --> 00:14:31,537 そういえば 社長は こんな…》 239 00:14:31,537 --> 00:14:35,875 設立したてのころに 飛び込みの 営業さんが来たんです。 240 00:14:35,875 --> 00:14:38,878 仮に Y氏としましょうか。 241 00:14:38,878 --> 00:14:43,049 Y氏は やたらに高いコピー機を 売りつけてきてね。 242 00:14:43,049 --> 00:14:45,051 《俺だ…》 243 00:14:45,051 --> 00:14:48,388 (誠司)当然 値引き交渉をしたんですよ。 244 00:14:48,388 --> 00:14:50,723 そしたら Y氏は➨ 245 00:14:50,723 --> 00:14:55,394 「あなたを笑顔にしてみせます 決して期待は 裏切りません」。 246 00:14:55,394 --> 00:14:57,396 なんて…。 247 00:14:57,396 --> 00:15:00,967 更には 「社長のあなたは もっと 遊びなさい」。 248 00:15:00,967 --> 00:15:03,136 とまで 言われてしまって。 249 00:15:03,136 --> 00:15:07,974 Y氏の熱意に押され 現場は 社員に任せることにしました。 250 00:15:07,974 --> 00:15:12,812 僕は 外へ目を向けて 遊ぶようにしたんです。 251 00:15:12,812 --> 00:15:15,648 それから すぐに 会社は 大きくなって➨ 252 00:15:15,648 --> 00:15:17,817 上場まで 果たせました。 253 00:15:17,817 --> 00:15:20,987 《俺は そのころ ニートでした》 254 00:15:20,987 --> 00:15:22,989 ですが その後➨ 255 00:15:22,989 --> 00:15:26,159 僕は 会社を 倒産させてしまったんです。 256 00:15:26,159 --> 00:15:28,161 (一同)あっ…。 257 00:15:28,161 --> 00:15:32,999 (誠司)倒産の原因は 開発中だった 人工知能➨ 258 00:15:32,999 --> 00:15:35,001 AIの事故でした。 259 00:15:35,001 --> 00:15:37,003 あっ…。 260 00:15:37,003 --> 00:15:41,007 関わった人 すべてが不幸になり 僕は 精神を病んだ。 261 00:15:41,007 --> 00:15:43,009 ああ…。 262 00:15:43,009 --> 00:15:45,344 せっかく Y氏から もらった チャンスに➨ 263 00:15:45,344 --> 00:15:49,515 報いることもできないまま。 ああ…。 264 00:15:49,515 --> 00:15:53,853 だから 僕は この世界に来るとき 誓ったんです。 265 00:15:53,853 --> 00:15:57,523 絶対に 誰も裏切らないと。 266 00:15:57,523 --> 00:15:59,992 うっ… うぅ…。 んっ…。 267 00:15:59,992 --> 00:16:02,495 《あんた 立派な人だよ》 268 00:16:02,495 --> 00:16:05,631 実は そのY氏の名前➨ 269 00:16:05,631 --> 00:16:08,634 しげるというんですよ。 んっ…。 270 00:16:08,634 --> 00:16:12,471 しげるさん 名字を教えてもらえませんか? 271 00:16:12,471 --> 00:16:14,974 あっ その…。 272 00:16:14,974 --> 00:16:16,976 佐々木です。 273 00:16:20,980 --> 00:16:24,650 (寝息と いびき) 274 00:16:24,650 --> 00:16:29,155 おうおう… こんな所で 寝ちまいやがって。 275 00:16:29,155 --> 00:16:31,490 風邪ひいても 知らないぜ。 276 00:16:31,490 --> 00:16:35,161 兄貴 今日は 一段と 手際がいいですね。 277 00:16:35,161 --> 00:16:40,333 今日のカモは ばか正直でな。 楽な仕事だったぜ。 278 00:16:40,333 --> 00:16:43,002 《安心してください。 起きてますよ》 279 00:16:43,002 --> 00:16:46,505 (恭志郎)上物ぞろいだ 丁重に こん包しな。 280 00:16:46,505 --> 00:16:48,508 へい。 281 00:16:48,508 --> 00:16:53,513 《この感触… 嫌なものを 思い出させてくれたな》 282 00:16:53,513 --> 00:16:55,514 豚は チャーシューにでもするか。 ヘヘヘヘ ヘヘヘ…。 283 00:16:55,514 --> 00:16:57,516 《えげつな…。 284 00:16:57,516 --> 00:17:01,821 まあいい これで 遠慮なく 俺のフルパワーを…》 285 00:17:01,821 --> 00:17:03,823 んっ? (物音) 286 00:17:03,823 --> 00:17:05,825 んっ? んっ? 287 00:17:05,825 --> 00:17:08,127 うっ… くっ! 288 00:17:08,127 --> 00:17:10,129 《誠司さん…》 289 00:17:10,129 --> 00:17:13,966 みんなに手を出すな。 290 00:17:13,966 --> 00:17:16,335 へぇ~ 見上げた根性だが➨ 291 00:17:16,335 --> 00:17:19,005 立つだけで 精いっぱいってとこか。 292 00:17:19,005 --> 00:17:21,807 作業続行だ。 (手下たち)へい! 293 00:17:21,807 --> 00:17:23,809 やっ… やめろ! 294 00:17:25,811 --> 00:17:27,847 フン! くっ…。 295 00:17:27,847 --> 00:17:32,018 最後の最後で 俺を信用したのが 運の尽きさ。 296 00:17:32,018 --> 00:17:35,855 まっ 相手が悪かったな。 くっ…。 297 00:17:35,855 --> 00:17:39,358 《まずい… だが 俺のチートステータスじゃ➨ 298 00:17:39,358 --> 00:17:42,361 誠司さんまで 巻き添えに…》 299 00:17:42,361 --> 00:17:45,531 んっ! 痛っ… フンッ! 300 00:17:45,531 --> 00:17:47,700 《誠司さん ナイス!》 301 00:17:47,700 --> 00:17:51,837 うぅ…。 傷を付けんな! 値が下がる。 302 00:17:51,837 --> 00:17:56,509 今までも こうして 人をさらってきたのか? 303 00:17:56,509 --> 00:17:59,845 あなたは なんて ひどい人だ。 304 00:17:59,845 --> 00:18:05,618 この世界に来る 多くは 元の世界で 心折れた人だろう。 305 00:18:05,618 --> 00:18:08,621 再起を懸けて 立ち上がったところを➨ 306 00:18:08,621 --> 00:18:10,957 突き落とすなんて。 307 00:18:10,957 --> 00:18:16,295 ここは その 人生の落後者が来る世界だぜ。 308 00:18:16,295 --> 00:18:19,131 あんた ちょっと考えが甘かったな。 309 00:18:19,131 --> 00:18:22,802 それでも 僕の仲間に手出しはさせない。 310 00:18:22,802 --> 00:18:25,137 彼らは 僕が守る。 311 00:18:25,137 --> 00:18:28,140 ハッ… そんなざまで 何ができる。 312 00:18:28,140 --> 00:18:30,309 さっさと こいつを こん包しちまえ! 313 00:18:30,309 --> 00:18:33,312 (手下たち)へい! 《今だ!》 314 00:18:33,312 --> 00:18:35,348 誠司さん! あっ! 315 00:18:35,348 --> 00:18:37,316 ああ? 316 00:18:41,153 --> 00:18:43,656 《即席スキル 豚ジャンプ。 317 00:18:43,656 --> 00:18:47,193 ただ 体重を生かして 飛び込んだだけだがな。 318 00:18:47,193 --> 00:18:52,498 俺のステータスで 下手に攻撃すれば すべてを粉砕しかねない》 319 00:18:52,498 --> 00:18:54,500 なっ… なんて むちゃな。 320 00:18:54,500 --> 00:18:57,003 ここは 俺に任せてください。 321 00:18:57,003 --> 00:19:01,440 だめです! しげるさんだけを 戦わせるわけにはいきません。 322 00:19:01,440 --> 00:19:04,944 《あっ… この人 かなり 熱いんだった》 323 00:19:04,944 --> 00:19:07,947 (手下たち)痛てて…。 ふざけやがって。 324 00:19:07,947 --> 00:19:12,451 んっ…。 言っておくが 僕は強い。 んっ? 325 00:19:12,451 --> 00:19:15,454 一撃で あなたを倒せるだろう。 326 00:19:15,454 --> 00:19:17,790 はい? 一撃? 327 00:19:17,790 --> 00:19:20,292 世まい言を… ふん縛っちまえ! 328 00:19:20,292 --> 00:19:23,129 (手下たち)へい! 《させるか!》 329 00:19:23,129 --> 00:19:27,299 ぐわっ! 邪魔だ! 筋力80パンチ! 330 00:19:27,299 --> 00:19:29,635 (手下たち)おお…。 フンッ! 331 00:19:29,635 --> 00:19:31,637 うわっ…。 332 00:19:31,637 --> 00:19:34,140 なんだ あの豚は!? 333 00:19:34,140 --> 00:19:38,811 《俺に ダメージを与えたかったら 女の子を連れてきな》 334 00:19:38,811 --> 00:19:41,814 くそ! あの豚を先にやれ。 335 00:19:41,814 --> 00:19:43,816 《よし 来い!》 336 00:19:43,816 --> 00:19:45,818 しげるさん 逃げてください! 337 00:19:45,818 --> 00:19:48,487 《俺は あんたに逃げてほしい》 338 00:19:48,487 --> 00:19:50,656 僕が 一撃で倒しますから! 339 00:19:50,656 --> 00:19:53,492 《一撃の根拠は なんですか?》 340 00:19:53,492 --> 00:19:57,496 (手下たち)てや~! 《おい… 髪は やめろ》 341 00:19:57,496 --> 00:20:00,100 誠司さん このままだと 豚は死ぬぜ。 342 00:20:00,100 --> 00:20:03,002 さっさと降参しないと…。 343 00:20:03,002 --> 00:20:05,004 へぶっ! 《お静かに》 344 00:20:05,004 --> 00:20:07,339 フンッ! 痛でででで…。 345 00:20:07,339 --> 00:20:11,010 やめろ! (一同)んっ? 346 00:20:11,010 --> 00:20:15,848 この手の光は いかなる邪悪をも 貫く。 347 00:20:15,848 --> 00:20:18,517 引き下がるなら 今のうちだ。 348 00:20:18,517 --> 00:20:21,353 なっ… なんだ そのスキルは…。 349 00:20:21,353 --> 00:20:26,192 特記事項… 僕は 特記事項に 誓いを立てた。 350 00:20:26,192 --> 00:20:28,861 「絶対に仲間を裏切らない」。 351 00:20:28,861 --> 00:20:35,034 「もし この誓いを破ったときは 報いを一身に受け止める」と。 352 00:20:35,034 --> 00:20:39,705 その誓いで得た ボーナスポイント すべてと引き換えに➨ 353 00:20:39,705 --> 00:20:42,374 この力を手に入れたんだ。 354 00:20:42,374 --> 00:20:44,376 《ていうか 誠司さん➨ 355 00:20:44,376 --> 00:20:46,879 ボーナス 必殺技に全振り? 356 00:20:46,879 --> 00:20:49,048 もっと バランスを…》 357 00:20:49,048 --> 00:20:52,051 この必殺技は 怒りが トリガー。 358 00:20:52,051 --> 00:20:56,555 僕の怒りが頂点に達したとき 真っ赤に輝く。 359 00:20:56,555 --> 00:21:00,693 どうか 武器を収めて 引いてください。 360 00:21:00,693 --> 00:21:04,029 ハッ… 右手を封じちまえば なんてことねえ。 (笑い声) 361 00:21:04,029 --> 00:21:06,999 多少 傷物になるだろうが。 362 00:21:06,999 --> 00:21:10,870 あくまで戦うと… しかたない。 363 00:21:10,870 --> 00:21:15,708 《防御力は そっちのけ どう考えても 無謀だが➨ 364 00:21:15,708 --> 00:21:18,878 そういうの嫌いじゃないぜ》 365 00:21:18,878 --> 00:21:20,880 てや~! 366 00:21:20,880 --> 00:21:23,883 んっ! あっ…。 くっ… どけ! 豚。 367 00:21:23,883 --> 00:21:26,352 しげるさん 下がってください! 368 00:21:26,352 --> 00:21:29,522 多勢に無勢です… 俺が盾に。 369 00:21:29,522 --> 00:21:32,858 ぶほっ…。 あっ… どうして そこまで。 370 00:21:32,858 --> 00:21:37,563 《俺は… 現実の世界じゃ いい人ほど 損をする。 371 00:21:37,563 --> 00:21:41,567 だから 異世界でくらい いい人が報われてもいいよな》 372 00:21:41,567 --> 00:21:45,037 俺は もう 逃げたくないんです。 373 00:21:45,037 --> 00:21:49,041 決めちゃってください… リーダー! 374 00:21:49,041 --> 00:21:52,044 ああ… 赤く輝け。 375 00:21:52,044 --> 00:21:54,213 僕の拳よ! 376 00:21:54,213 --> 00:22:04,156 ああ~…! 377 00:22:04,156 --> 00:22:06,659 たあ~! 378 00:22:08,661 --> 00:22:10,830 変身? 何者だ! 379 00:22:10,830 --> 00:22:12,998 《いや 誠司さんだよ》 380 00:22:12,998 --> 00:22:16,669 不屈の勇者…。 381 00:22:16,669 --> 00:22:19,872 アルディーン! 《なんでだよ!》