1 00:00:02,002 --> 00:00:04,004 (誠司)僕は 絶対に 仲間を裏切らない。 2 00:00:04,004 --> 00:00:10,177 勇者の雄たけびが 眠れる もう1人の僕を呼び起こし➨ 3 00:00:10,177 --> 00:00:13,680 第3の目が開かれん。 4 00:00:13,680 --> 00:00:16,183 不屈の勇者…。 5 00:00:16,183 --> 00:00:18,518 アルディーン! 6 00:00:18,518 --> 00:00:20,520 《しげる:はい?》 7 00:02:10,697 --> 00:02:12,699 (恭志郎)変身しやがった。 8 00:02:12,699 --> 00:02:15,002 《勇者… アル… はい?》 9 00:02:15,002 --> 00:02:18,105 いくぞ! 高速の聖なる稲妻。 10 00:02:20,173 --> 00:02:24,177 オーロラ・シャイニング・レスティーネーション! 11 00:02:24,177 --> 00:02:27,714 《稲妻は?》 ああ~! 12 00:02:27,714 --> 00:02:32,219 ああ…。 寸止め? 13 00:02:32,219 --> 00:02:34,721 なぜ 拳を止めた? 14 00:02:34,721 --> 00:02:38,558 あなたを裁くのは 僕ではない… 法だ。 15 00:02:38,558 --> 00:02:42,396 恭志郎さん この場で 僕が手を下すのは たやすい。 16 00:02:42,396 --> 00:02:46,900 だが それでは あなたたちが 償う機会を奪ってしまう。 17 00:02:46,900 --> 00:02:50,237 法の裁きで 己の罪を悔やみ➨ 18 00:02:50,237 --> 00:02:53,573 心から 生まれ変わるんだ。 くっ…。 19 00:02:53,573 --> 00:02:56,576 《誠司さん あんた いい人すぎるよ》 20 00:02:56,576 --> 00:03:00,847 負けたよ… 勇者 アルディーン。 21 00:03:00,847 --> 00:03:03,316 んっ… フッ…。 22 00:03:03,316 --> 00:03:07,020 再び 悪事に手を染めたなら 容赦はしない。 23 00:03:07,020 --> 00:03:09,022 《誠司さん 背中を向けちゃ だめだ!》 24 00:03:09,022 --> 00:03:11,324 フッ… かかったな! 25 00:03:11,324 --> 00:03:14,528 あっ…。 うわ~ 転んだ。 26 00:03:14,528 --> 00:03:17,364 ぐはっ… この豚! 27 00:03:17,364 --> 00:03:19,366 んっ! (怒号) 28 00:03:19,366 --> 00:03:22,002 (怒号) 29 00:03:22,002 --> 00:03:24,337 《どうも すみませ~ん》 30 00:03:24,337 --> 00:03:27,507 あっ… アルディーンの仲間。 31 00:03:27,507 --> 00:03:29,509 何? (手下たち)んっ? 32 00:03:33,714 --> 00:03:36,716 一体 何が…。 今のは アルディーンが。 33 00:03:36,716 --> 00:03:39,386 (恭志郎/手下たち)えっ? なんて 威力だ。 34 00:03:39,386 --> 00:03:43,223 《俺の鼻くそだがな。 あとは 誠司さんが…。 35 00:03:43,223 --> 00:03:46,359 って… おい! あんたまで びっくりして どうする?》 36 00:03:46,359 --> 00:03:51,198 今のは 僕が? 《いかん! なんとか場をつながないと》 37 00:03:51,198 --> 00:03:54,201 あっ ああ… 俺は 見てしまいました。 38 00:03:54,201 --> 00:03:57,070 白い翼の タカが舞い降りたのです。 39 00:03:57,070 --> 00:04:00,474 勇者の怒りに呼応するように。 40 00:04:00,474 --> 00:04:03,477 そして 俺を 危機から 救ってくれた。 41 00:04:03,477 --> 00:04:06,146 あなたが 奇跡を呼んだのです。 42 00:04:06,146 --> 00:04:09,649 そんなことが…。 《はい そんなことが》 43 00:04:09,649 --> 00:04:13,820 お許しください! アルディーン様。 (手下たち)ひぃ! 44 00:04:13,820 --> 00:04:15,989 《こいつら 不利を悟ったな》 45 00:04:15,989 --> 00:04:18,158 (恭志郎)つい 魔が差しちまって! 46 00:04:18,158 --> 00:04:20,160 もう 悪事は働きません! 47 00:04:20,160 --> 00:04:22,496 どうか ご慈悲を…。 《汚ぇ!》 48 00:04:22,496 --> 00:04:25,332 改心します… お願いします! 49 00:04:25,332 --> 00:04:29,669 《ずいぶん カジュアルな改心ですな いいだろう…》 50 00:04:29,669 --> 00:04:32,005 お前ら 一列に並べ。 51 00:04:32,005 --> 00:04:36,510 (恭志郎/手下たち)はい! アルディーン 必殺技を。 52 00:04:36,510 --> 00:04:38,512 (恭志郎/手下たち)うっ…。 (誠司)えっ…。 53 00:04:38,512 --> 00:04:41,348 でも これ以上は…。 わかっています。 54 00:04:41,348 --> 00:04:44,684 なので 熱い拳で ビンタです。 (誠司)ビンタ? 55 00:04:44,684 --> 00:04:47,521 彼らは 他人の痛みが わからないんです。 56 00:04:47,521 --> 00:04:49,523 それを教えてやらないと。 57 00:04:49,523 --> 00:04:51,525 うっ…。 あっ…。 58 00:04:51,525 --> 00:04:57,197 その愛の むちを振るえる人は アルディーン あなたしかいません。 59 00:04:57,197 --> 00:04:59,533 んっ…。 うん。 60 00:04:59,533 --> 00:05:04,137 《チェックメートだ 悪党ども。 本当に改心しているなら…》 61 00:05:04,137 --> 00:05:07,841 《この手の光は いかなる邪悪をも 貫く》 62 00:05:07,841 --> 00:05:10,177 《この拳も 怖くないだろ?》 63 00:05:10,177 --> 00:05:13,013 わかりました。 《あれ?》 64 00:05:13,013 --> 00:05:15,348 どうして 変身を解くんですか? 65 00:05:15,348 --> 00:05:18,151 怒りの理由がなくなったからです。 66 00:05:18,151 --> 00:05:20,654 えっ? 愛の むちなら➨ 67 00:05:20,654 --> 00:05:22,989 怒りを起因としてはいけない。 68 00:05:22,989 --> 00:05:27,027 それは たたく者の 自己満足にすぎません。 69 00:05:27,027 --> 00:05:29,863 打った手と 相手の痛みを心に刻む。 70 00:05:29,863 --> 00:05:31,865 (恭志郎/手下たち)あっ…。 71 00:05:31,865 --> 00:05:34,868 それが愛です。 《え~…》 72 00:05:34,868 --> 00:05:37,537 背筋を伸ばすんだ! (恭志郎/手下たち)はい! 73 00:05:37,537 --> 00:05:39,706 歯を食いしばれ~! 74 00:05:39,706 --> 00:05:41,708 あっ! ありがとうございます! 75 00:05:41,708 --> 00:05:43,710 いっ! ありがとうございます! 76 00:05:43,710 --> 00:05:45,712 ありがとうございます! 次! 77 00:05:45,712 --> 00:05:47,714 ありがとうございます! 次! 78 00:05:47,714 --> 00:05:49,716 ありがとうございます。 79 00:05:49,716 --> 00:05:52,586 《何を見せられているんだろう》 80 00:05:55,021 --> 00:05:58,024 (寝息) 81 00:05:58,024 --> 00:06:01,628 あとは 聖華さんを…。 82 00:06:01,628 --> 00:06:03,630 よっ! んっ…。 83 00:06:03,630 --> 00:06:05,632 《限界なのに すみません。 84 00:06:05,632 --> 00:06:09,469 女の子に触ると 最悪 死んでしまうので》 85 00:06:09,469 --> 00:06:11,972 (手下たち)んっ? (倒れる音) 86 00:06:11,972 --> 00:06:13,974 《誠司さん…》 87 00:06:13,974 --> 00:06:18,144 やっと 薬が効いたのか? 今なら 勝てるかもしれねえぞ。 88 00:06:18,144 --> 00:06:20,647 《やっぱり 改心してないな》 89 00:06:20,647 --> 00:06:24,818 そうだ… おい 豚。 俺たちの仲間になれよ。 90 00:06:24,818 --> 00:06:27,821 高ルックスのパーティーには いづらいだろ? 91 00:06:27,821 --> 00:06:30,657 こっちに来りゃ いい女を紹介してやるぜ。 92 00:06:30,657 --> 00:06:34,661 金だって たっぷり恵んでやる。 93 00:06:34,661 --> 00:06:37,163 フンッ! 94 00:06:37,163 --> 00:06:41,501 (恭志郎/手下たち)ああ…。 誠司さんは 俺より強いぜ。 95 00:06:41,501 --> 00:06:43,670 (恭志郎/手下たち)ひぃ~! 96 00:06:43,670 --> 00:06:45,839 あんな ブサメンなのに正義の心が? 97 00:06:45,839 --> 00:06:48,341 欲の塊にしか見えねえのに。 98 00:06:48,341 --> 00:06:50,510 《好き放題 言いやがって》 99 00:06:50,510 --> 00:06:53,513 (寝息) 100 00:06:53,513 --> 00:06:55,682 お疲れさんでした リーダー。 101 00:06:55,682 --> 00:06:59,019 信じられん! ルックス 過去最高のブサメンなのに。 102 00:06:59,019 --> 00:07:01,788 どう見ても 堕落した豚なのに。 103 00:07:01,788 --> 00:07:04,291 《腹立つわ…》 104 00:07:06,493 --> 00:07:08,828 (リーズ/聖華/誠司)うわっ…。 105 00:07:08,828 --> 00:07:12,499 《この 10万リラは 恭志郎一味の懸賞金。 106 00:07:12,499 --> 00:07:15,669 日本円で およそ 1,000万円だ。 107 00:07:15,669 --> 00:07:19,172 あの人さらいども よっぽど 悪事を重ねていたらしい》 108 00:07:19,172 --> 00:07:21,174 《ちくしょう!》 109 00:07:21,174 --> 00:07:23,677 この お金は みんなにも 受け取ってほしい。 110 00:07:23,677 --> 00:07:27,180 (聖華)でも 私たち 寝ていただけで何もしてません。 111 00:07:27,180 --> 00:07:29,849 僕は みんなを危険に さらした。 112 00:07:29,849 --> 00:07:33,486 うかつにも 恭志郎氏を 信じてしまったから。 113 00:07:33,486 --> 00:07:35,488 その悪い人たちを やっつけたのも➨ 114 00:07:35,488 --> 00:07:38,325 誠司さんですよね? (リーズ)すごいです。 115 00:07:38,325 --> 00:07:41,361 《確かに いろいろ すごかった》 116 00:07:41,361 --> 00:07:43,530 しげるさんも 寝ていたんですか? 117 00:07:43,530 --> 00:07:46,366 えっ? ああ… いや 俺は…。 118 00:07:46,366 --> 00:07:49,202 しげるさんは 誰よりも 勇敢でした。 119 00:07:49,202 --> 00:07:52,205 身をていして 僕を守ってくれたんです。 120 00:07:52,205 --> 00:07:56,042 《ノーダメージでしたけど》 121 00:07:56,042 --> 00:07:59,979 すごい! じゃあ MVPですね。 うんうん。 122 00:07:59,979 --> 00:08:01,981 そのとおりです。 しげるさん➨ 123 00:08:01,981 --> 00:08:04,951 お金を受け取ってください。 ああ… いやいや…。 124 00:08:04,951 --> 00:08:07,821 《俺は 入金率1万分の1だし➨ 125 00:08:07,821 --> 00:08:12,325 聖華さんに借りを返せば このパーティーとも おさらばだ。 126 00:08:12,325 --> 00:08:17,330 しかたない 元営業マンスキル リップサービスを行使させてもらうぜ》 127 00:08:17,330 --> 00:08:19,499 んっ? 誠司さん。 128 00:08:19,499 --> 00:08:23,670 実は 俺 浪費家で すぐ 金がなくなるんです。 129 00:08:23,670 --> 00:08:27,841 だから 信頼できる人に 活用してもらいたくて。 130 00:08:27,841 --> 00:08:30,477 だめですか? んっ…。 131 00:08:30,477 --> 00:08:33,646 わかりました。 これは 僕の所持金として➨ 132 00:08:33,646 --> 00:08:36,015 パーティー強化のために分配します。 133 00:08:36,015 --> 00:08:38,852 《あんた 不屈にも程があるぞ》 134 00:08:38,852 --> 00:08:43,156 みんな この お金で準備を整えて 今後に備えてほしい。 135 00:08:43,156 --> 00:08:45,658 は~い。 (リーズ)わかりました。 136 00:08:45,658 --> 00:08:47,827 さあ しげるさんも。 ああ いや…。 137 00:08:47,827 --> 00:08:50,997 本当に金持たないほうが 気楽なんです。 138 00:08:50,997 --> 00:08:53,666 はい は~い! お金持ちの私が➨ 139 00:08:53,666 --> 00:08:56,503 しげるさんの お金を 管理してあげます。 140 00:08:56,503 --> 00:08:58,505 《えっ?》 聖華さんが? 141 00:08:58,505 --> 00:09:00,440 はい。 142 00:09:00,440 --> 00:09:03,777 しげるさん お買い物のときは 私に言うんですよ。 143 00:09:03,777 --> 00:09:05,945 《子どもの お小遣いかよ》 144 00:09:05,945 --> 00:09:09,616 待って… 聖華さんは 衝動買いの癖があるよね? 145 00:09:09,616 --> 00:09:11,951 だったら…。 あっ…。 146 00:09:11,951 --> 00:09:16,122 誠司さん 私ばっかり いじめる。 147 00:09:16,122 --> 00:09:19,292 ああ… そんなつもりでは。 《あ~あ…。 148 00:09:19,292 --> 00:09:23,797 だが 聖華さんに渡すのは いいかもしれないな》 149 00:09:25,965 --> 00:09:28,635 しげるさんは 待っててくださいね。 150 00:09:28,635 --> 00:09:30,637 私の おごりです。 151 00:09:30,637 --> 00:09:33,139 んっ…。 フフフッ…。 152 00:09:33,139 --> 00:09:36,643 《結局 俺の取り分は 聖華さんに託された。 153 00:09:36,643 --> 00:09:38,645 2万5,000リラなら➨ 154 00:09:38,645 --> 00:09:41,648 一宿一飯の借りを 返したといえるだろう。 155 00:09:41,648 --> 00:09:43,983 俺は スキルがあれば 食っていける。 156 00:09:43,983 --> 00:09:46,319 もう つきあう義理もないが➨ 157 00:09:46,319 --> 00:09:50,490 まっ 最後の晩さんってやつだ》 158 00:09:50,490 --> 00:09:52,492 貧乏な しげるさん。 うっ! 159 00:09:52,492 --> 00:09:54,494 さあ これは なんでしょう? 160 00:09:54,494 --> 00:09:57,330 ハンバーガーです。 《また 答え言っちゃってますよ》 161 00:09:57,330 --> 00:09:59,499 さあ お礼を言いましょう。 162 00:09:59,499 --> 00:10:01,501 どうも…。 あっ…。 163 00:10:01,501 --> 00:10:05,004 「どうも」じゃないでしょう。 《ああ…》 164 00:10:05,004 --> 00:10:08,007 ありがとうございます。 あっ…。 165 00:10:08,007 --> 00:10:11,010 どういたしまして。 《やれやれ…。 166 00:10:11,010 --> 00:10:13,680 「ありがとう」 「どういたしまして」。 167 00:10:13,680 --> 00:10:17,517 聖華さんは この やり取りが楽しいらしい。 168 00:10:17,517 --> 00:10:19,519 最初は ツンツンしてたのに➨ 169 00:10:19,519 --> 00:10:22,188 実際は ずいぶんと 人なつっこい子だ》 170 00:10:22,188 --> 00:10:25,525 あっ… ダイエットなんて諦めて 食べましょう。 171 00:10:25,525 --> 00:10:27,527 《うるさ~い》 172 00:10:29,529 --> 00:10:33,533 ハンバーガー 好きなんですか? はい おととい 好きになりました。 173 00:10:33,533 --> 00:10:36,369 《そうなの? おとといが初めてだとしたら➨ 174 00:10:36,369 --> 00:10:39,372 相当な箱入り娘か?》 175 00:10:39,372 --> 00:10:41,374 あ~ん! 176 00:10:41,374 --> 00:10:44,043 んっ…。 《ぶきっちょかよ》 177 00:10:44,043 --> 00:10:47,881 そういえば しげるさんの ステータスって どんなのですか? 178 00:10:47,881 --> 00:10:51,384 えっ いや… つまんない感じですよ。 179 00:10:51,384 --> 00:10:55,555 そうなんですか。 あのことに 気付けば よかったですね。 180 00:10:55,555 --> 00:10:58,057 あのこと? 実は 私➨ 181 00:10:58,057 --> 00:11:00,326 裏技を見つけちゃったんです。 182 00:11:00,326 --> 00:11:05,498 ステータス入力のルックスを下げると ボーナスポイントが増えるって。 183 00:11:05,498 --> 00:11:08,501 《気付いたのか… でも…》 184 00:11:08,501 --> 00:11:10,503 ルックスを下げたようには…。 185 00:11:10,503 --> 00:11:13,339 16 マイナスにしました。 マジ? 186 00:11:13,339 --> 00:11:15,708 《どういうことだ? いくら もともと➨ 187 00:11:15,708 --> 00:11:18,878 ルックスが高かったとしても…》 188 00:11:18,878 --> 00:11:21,548 フフッ…。 んっ? 189 00:11:21,548 --> 00:11:25,351 私 きれいですか? えっ… ええ まあ…。 190 00:11:25,351 --> 00:11:28,855 フフッ… 私 お願いしたんです。 191 00:11:28,855 --> 00:11:32,392 ステータスの下に特記事項って ありますよね? 192 00:11:32,392 --> 00:11:34,561 そこに記入したんです。 193 00:11:34,561 --> 00:11:37,230 「きれいになりたい」って。 194 00:11:37,230 --> 00:11:39,899 《あっ… そんな手があったのか! 195 00:11:39,899 --> 00:11:43,403 だったら 俺も あのCMのイケメン俳優みたいにとか➨ 196 00:11:43,403 --> 00:11:45,572 書いておけば…。 197 00:11:45,572 --> 00:11:48,908 うっ だめだ… 名前 知らねえ》 198 00:11:48,908 --> 00:11:53,079 んっ? あっ…。 んっ? (鳴き声) 199 00:11:53,079 --> 00:11:55,248 あれは 猫ですか? 200 00:11:55,248 --> 00:11:58,084 えっ ああ… 猫ですね。 201 00:11:58,084 --> 00:12:02,155 こんな近くで見たのは 初めてです。 かわいい。 202 00:12:02,155 --> 00:12:04,157 こっち 来てくれないかな? 203 00:12:04,157 --> 00:12:08,328 触りに行けば? あっ… ああ…。 204 00:12:08,328 --> 00:12:11,664 《なっ… なんだ?》 あっ… そうだ! 205 00:12:11,664 --> 00:12:14,500 私 もう 立てるんでした! あっ…。 206 00:12:14,500 --> 00:12:16,836 《えっ… それって…》 207 00:12:16,836 --> 00:12:19,005 うわ~! 208 00:12:19,005 --> 00:12:23,009 うわっ… うっ…。 ころ…。 うわわわ…。 209 00:12:23,009 --> 00:12:27,013 んっ… 猫ちゃん。 210 00:12:27,013 --> 00:12:29,682 しげるさん どうしたんです? 211 00:12:29,682 --> 00:12:32,518 ああ いや… 食後の運動です。 212 00:12:32,518 --> 00:12:36,022 猫ちゃん。 213 00:12:36,022 --> 00:12:38,024 (鳴き声) 214 00:12:38,024 --> 00:12:40,526 うわ~ なでさせて…。 215 00:12:40,526 --> 00:12:43,696 ちょっと トイレに。 だめ? あっ は~い。 216 00:12:43,696 --> 00:12:46,599 猫ちゃん…。 (鳴き声) 217 00:12:48,701 --> 00:12:51,204 《そういうことかよ…。 218 00:12:51,204 --> 00:12:54,874 さっき 聖華さんは 俺のほうに手を向けていた。 219 00:12:54,874 --> 00:12:59,045 そのあとに眺めていたのも 触っていたのも 自身の手。 220 00:12:59,045 --> 00:13:04,851 普通 美人になりたいと願ったなら 手ではなく 顔を触る》 221 00:13:08,154 --> 00:13:11,024 《手だけじゃない 恐らく 足も➨ 222 00:13:11,024 --> 00:13:13,693 立てないほどの 不自由があったのだろう。 223 00:13:13,693 --> 00:13:15,995 まだ 10代の女の子が…。 224 00:13:15,995 --> 00:13:19,799 この世には 神も仏も いねえのかよ》 (泣き声) 225 00:13:21,834 --> 00:13:26,005 《あっ 俺だ… とんでもねえ あたしゃ 絶対神だよ》 226 00:13:26,005 --> 00:13:28,508 しげるさん? おっ…。 (ノック) 227 00:13:28,508 --> 00:13:30,877 おなか ピーピーなんですか? 228 00:13:30,877 --> 00:13:33,212 お薬 買ってきましょうか? 229 00:13:33,212 --> 00:13:36,215 だっ… 大丈夫です。 すぐ出ます。 230 00:13:36,215 --> 00:13:38,885 《聖華さんは 社会経験がなさすぎる。 231 00:13:38,885 --> 00:13:40,887 真っ白なんだ。 232 00:13:40,887 --> 00:13:44,223 このままだと 彼女のすべてが 絶好のカモだ。 233 00:13:44,223 --> 00:13:47,894 神の肩書を持つ 俺にできることは…》 234 00:13:54,367 --> 00:13:57,704 あっ… しげるさん。 心配したんですよ。 235 00:13:57,704 --> 00:13:59,972 すみません。 ありがとうございます。 236 00:13:59,972 --> 00:14:02,809 あっ… どういたしまして。 237 00:14:02,809 --> 00:14:05,645 さあ みんな 待ってますよ。 ああ…。 238 00:14:05,645 --> 00:14:09,482 《しかたない 仮にも 神になっちまった以上は➨ 239 00:14:09,482 --> 00:14:14,987 聖華さん あんたを 一人前に導いてやるよ》 240 00:14:17,990 --> 00:14:20,326 これからのことなんだけど➨ 241 00:14:20,326 --> 00:14:23,329 みんな 職業を決めるのは どうかな? 242 00:14:23,329 --> 00:14:27,333 職業? 職業を意識して ポイント配分すれば➨ 243 00:14:27,333 --> 00:14:31,504 能力値に メリハリが出て 戦いやすくなると思うんだ。 244 00:14:31,504 --> 00:14:35,007 《なるほど… 考えたな》 というわけで➨ 245 00:14:35,007 --> 00:14:39,011 僕は 勇者を目指す。 《その発言が勇者だよ》 246 00:14:39,011 --> 00:14:41,347 君は 魔法使い。 はい。 247 00:14:41,347 --> 00:14:44,517 そして しげるさんは ガチファイター。 248 00:14:44,517 --> 00:14:48,354 《なぜ ガチを付けた? 絶妙に 嫌なんだけど》 249 00:14:48,354 --> 00:14:51,691 誠司さん。 私も 勇者 やりたいです。 250 00:14:51,691 --> 00:14:56,028 えっ でも…。 聖華さん ガチファイターやりませんか? 251 00:14:56,028 --> 00:14:58,131 嫌です。 《ですよね》 252 00:15:01,667 --> 00:15:03,636 フンッ! 253 00:15:05,972 --> 00:15:10,476 んっ…。 《誠司さん 慎重なのに 奮発したな。 254 00:15:10,476 --> 00:15:12,478 それだけ 気合いが入ってるのか》 255 00:15:12,478 --> 00:15:14,480 しげるさん! うわっ…。 256 00:15:14,480 --> 00:15:16,983 大魔法使いに変身した 私を見るのです。 257 00:15:16,983 --> 00:15:21,354 《はいはい… 一時は勇者になると 譲らなかったが…》 258 00:15:21,354 --> 00:15:25,491 よく似合ってますよ。 ハハッ… でしょう。 259 00:15:25,491 --> 00:15:28,161 エヘッ…。 260 00:15:28,161 --> 00:15:33,166 さて 次の目的地は 近隣で 最大の都市 ヴァレリア公国。 261 00:15:33,166 --> 00:15:36,836 でも その前に みんなに 伝えておきたいことがあるんだ。 262 00:15:36,836 --> 00:15:40,006 (リーズ/聖華/しげる)んっ? おやつは 3リラまでとします。 263 00:15:40,006 --> 00:15:42,175 《遠足か!》 はい。 264 00:15:42,175 --> 00:15:44,844 《なぜ 泣く?》 集合は 明日の朝。 265 00:15:44,844 --> 00:15:46,846 では 解散! 266 00:15:46,846 --> 00:15:49,015 《バナナは おやつに入るんだろうか?》 267 00:15:49,015 --> 00:15:51,050 あっ あの…。 268 00:15:51,050 --> 00:15:53,886 その… えっと…。 269 00:15:53,886 --> 00:15:57,023 《初めての友達 聖華さん 頑張れ!》 270 00:15:57,023 --> 00:16:00,126 あの… 縄跳び…。 271 00:16:00,126 --> 00:16:02,128 今から 一緒にやりませんか? 272 00:16:02,128 --> 00:16:05,131 縄跳び? 教えてあげます。 273 00:16:05,131 --> 00:16:08,301 修行しましたから… ホアター! 274 00:16:08,301 --> 00:16:11,304 うん。 じゃあ 公園に行きましょう。 275 00:16:11,304 --> 00:16:13,306 その格好で できるの? 276 00:16:13,306 --> 00:16:16,809 あっ… 着替えます。 フフッ…。 277 00:16:16,809 --> 00:16:19,312 あっ…。 (ドアの開閉音) 278 00:16:19,312 --> 00:16:22,982 《何故 縄跳びかって話だが…》 279 00:16:22,982 --> 00:16:26,319 《魔法使いの武器って 少ないんですね。 280 00:16:26,319 --> 00:16:29,655 まあ 魔法が武器ですからね。 281 00:16:29,655 --> 00:16:31,657 あっ! 《むっ…》 282 00:16:31,657 --> 00:16:33,993 それは ガチファイター用ですね。 283 00:16:33,993 --> 00:16:36,329 聖華さん ガチファイターやるんですか? 284 00:16:36,329 --> 00:16:38,331 ああ… 嫌です。 285 00:16:38,331 --> 00:16:41,000 《よし 危険そうな武器は 回避できた》 286 00:16:41,000 --> 00:16:45,671 じゃあ あれは? んっ? んっ…。 287 00:16:45,671 --> 00:16:48,007 ガチカンフー使いの武器ですね。 288 00:16:48,007 --> 00:16:50,343 やるんですか? ガチカンフー。 289 00:16:50,343 --> 00:16:52,678 ああ… これ下さい! 290 00:16:52,678 --> 00:16:56,015 《えっ? ガチの部分が 嫌なわけじゃなかったの?》 291 00:16:56,015 --> 00:16:59,519 この ヌンチャクかい? ああ… いやいや…。 292 00:16:59,519 --> 00:17:01,454 その隣の…。 293 00:17:01,454 --> 00:17:03,956 《って… 縄跳び…》 はぁ? 294 00:17:05,958 --> 00:17:08,661 フッ… お客さん お目が高い。 295 00:17:08,661 --> 00:17:11,330 この縄跳びは カンフー使いの基礎にして➨ 296 00:17:11,330 --> 00:17:13,332 至高の武器! 297 00:17:13,332 --> 00:17:15,334 あんた 素人じゃないね。 298 00:17:15,334 --> 00:17:17,303 《なん… だと?》 299 00:17:17,303 --> 00:17:21,340 しっかり 修行するんだぜ! ♬(鼻歌) 300 00:17:21,340 --> 00:17:25,678 《よう わからんが サンキュー 武器屋の おっさん》 301 00:17:25,678 --> 00:17:31,017 うわ~… 太ってるわりに すごいですね。 302 00:17:31,017 --> 00:17:34,353 《けがをしないように しっかり レクチャーして…》 303 00:17:34,353 --> 00:17:38,324 ハッ! フッ! ホッ! フン! 304 00:17:38,324 --> 00:17:41,661 フン! フン! フン! 305 00:17:41,661 --> 00:17:44,664 ハァ… 私 上手ですか? 306 00:17:44,664 --> 00:17:46,999 ああ すげえ 上達率だ。 307 00:17:46,999 --> 00:17:49,335 んっ…。 どうした? 308 00:17:49,335 --> 00:17:52,004 あの子にも 教えてあげたい。 309 00:17:52,004 --> 00:17:54,674 あの子って… あの子か? 310 00:17:54,674 --> 00:17:58,711 はい… 名前 まだ 教えてもらってません。 311 00:17:58,711 --> 00:18:02,648 教えたくないんでしょうか? う~ん…。 312 00:18:02,648 --> 00:18:06,485 《まあ 前の世界から 逃げてきたくらいだしな》 313 00:18:06,485 --> 00:18:08,988 もっと 仲よくなりたいのに。 314 00:18:08,988 --> 00:18:10,990 だったら いい方法がある。 315 00:18:10,990 --> 00:18:14,126 えっ? フッ…》 316 00:18:14,126 --> 00:18:16,796 《ってなわけで 今に至るのだが…》 317 00:18:16,796 --> 00:18:20,166 んっ! 跳んだときに 手を下にして➨ 318 00:18:20,166 --> 00:18:23,336 1回のジャンプで 2回分 回せば 二重跳びです。 319 00:18:23,336 --> 00:18:26,005 うわ~ 上手だね。 320 00:18:26,005 --> 00:18:29,175 じゃあ やってみてください。 わかった。 321 00:18:29,175 --> 00:18:31,177 んっ! 322 00:18:31,177 --> 00:18:33,512 すごい… 上手です! 323 00:18:33,512 --> 00:18:36,182 でも 髪が… ちょっと切ろっかな。 324 00:18:36,182 --> 00:18:38,351 短いのも 似合うと思います。 325 00:18:38,351 --> 00:18:42,021 今の ふわふわも すてきですけど。 (リーズ)フフッ…。 326 00:18:42,021 --> 00:18:44,991 あの… それで… え~っと…。 327 00:18:44,991 --> 00:18:47,360 あなたの名前のことなんですけど。 328 00:18:47,360 --> 00:18:49,328 んっ…。 329 00:18:51,364 --> 00:18:53,366 あっ… 大丈夫ですか? 330 00:18:53,366 --> 00:18:55,868 大丈夫 引っかけちゃった。 331 00:18:55,868 --> 00:18:58,871 《やはり 名前には 触れられたくないようだな》 332 00:18:58,871 --> 00:19:02,441 実は 私 ニックネームを考えたんです。 333 00:19:02,441 --> 00:19:06,112 ニックネーム? しげるさんと相談して➨ 334 00:19:06,112 --> 00:19:09,782 柔らかそうな単語から 連想しました。 335 00:19:09,782 --> 00:19:13,119 英語や フランス語の 「そよ風」をもじって➨ 336 00:19:13,119 --> 00:19:16,122 リーズ。 ああ…。 337 00:19:18,290 --> 00:19:23,129 あなたのことを リーズと呼んでもいいですか? 338 00:19:23,129 --> 00:19:26,632 ああ…。 339 00:19:26,632 --> 00:19:29,135 んっ… んっ? 340 00:19:31,303 --> 00:19:34,640 フッフッ フッフッ フッフッ…。 あっ… あの…。 341 00:19:34,640 --> 00:19:37,476 んっ! 342 00:19:37,476 --> 00:19:40,646 《なっ… なんだ あの身体能力。 343 00:19:40,646 --> 00:19:45,317 そういえば 最初の戦闘でも けが1つ してなかった。 344 00:19:45,317 --> 00:19:47,987 何者なんだ?》 345 00:19:47,987 --> 00:19:49,989 んっ! お~! 346 00:19:49,989 --> 00:19:51,991 すげえ! 347 00:19:51,991 --> 00:19:53,993 あんた 体操選手? あっ…。 348 00:19:53,993 --> 00:19:55,995 もう一度 見せてよ。 すご~い! 349 00:19:55,995 --> 00:19:57,997 いえ 私は…。 350 00:19:57,997 --> 00:20:00,332 あっ あの…。 ねえねえ 冒険者? 351 00:20:00,332 --> 00:20:03,502 うちのパーティーに来ない? 高待遇だよ。 352 00:20:03,502 --> 00:20:05,671 ねえ…。 ちょっ… 抜け駆け! うわっ! 353 00:20:05,671 --> 00:20:07,673 あっ…。 354 00:20:07,673 --> 00:20:11,177 《あっ…》 (泣き声) 355 00:20:11,177 --> 00:20:13,512 何? 何? どうしたの? 356 00:20:13,512 --> 00:20:16,515 《あ~ もう しかたねえ》 (泣き声) 357 00:20:16,515 --> 00:20:19,518 うわっ! なんだ? 358 00:20:19,518 --> 00:20:21,687 ぶっさ。 警備員 呼べ。 359 00:20:21,687 --> 00:20:25,357 いえ… 彼は パーティーの仲間です。 360 00:20:25,357 --> 00:20:28,027 マジ? モンスターみたい。 361 00:20:28,027 --> 00:20:32,531 あっ… あたし 聖華さんに 喜んでほしいと思って。 362 00:20:32,531 --> 00:20:36,035 いや その… 返事くらいしてやれよ。 363 00:20:36,035 --> 00:20:39,705 ガン無視スルーって 結構 こたえるぜ。 364 00:20:39,705 --> 00:20:41,707 あっ…。 365 00:20:41,707 --> 00:20:43,709 (泣き声) 366 00:20:43,709 --> 00:20:47,379 ごめんなさい! あっ ちょっ…。 (泣き声) 367 00:20:47,379 --> 00:20:50,716 ほら 着きました。 マント 離して。 368 00:20:50,716 --> 00:20:54,386 は~い。 《やめなさい》 (はなをかむ音) 369 00:20:54,386 --> 00:20:56,889 はい あしたのおやつ 3リラ分。 370 00:20:56,889 --> 00:20:58,891 うん…。 371 00:20:58,891 --> 00:21:01,193 んっ? んっ? 372 00:21:03,162 --> 00:21:05,831 しげるさん。 お手紙 あの子からです。 373 00:21:05,831 --> 00:21:09,368 えっ… なんて? 「さっきは ごめんなさい」。 374 00:21:09,368 --> 00:21:12,037 「すてきな ニックネームをありがとう」。 375 00:21:12,037 --> 00:21:15,207 「これからも 仲良くしてくださいね」。 376 00:21:15,207 --> 00:21:17,343 「リーズより」。 377 00:21:17,343 --> 00:21:19,345 へぇ~ よかった。 378 00:21:19,345 --> 00:21:22,014 私 あの子を捜してきます。 はいよ。 379 00:21:22,014 --> 00:21:25,518 ハァハァ ハァハァ…。 380 00:21:25,518 --> 00:21:29,522 さてと 聖華さんなら 行っちまったぜ。 381 00:21:33,359 --> 00:21:35,361 (リーズ)お話があります。 382 00:21:35,361 --> 00:21:37,696 どこか 部屋に入っても いいですか? 383 00:21:37,696 --> 00:21:40,900 んっ… あとで 事案にしないでくれよ。 384 00:21:43,702 --> 00:21:45,704 んっ…。 385 00:21:45,704 --> 00:21:47,706 ごめんなさい! 《なっ? 386 00:21:47,706 --> 00:21:49,708 ジャンピング土下座! 387 00:21:49,708 --> 00:21:53,045 身体能力に 土下座が ついてかなかったのか?》 388 00:21:53,045 --> 00:21:55,381 ごめんなさい! ごめんなさい! 389 00:21:55,381 --> 00:21:57,383 えっ… いやいや… 立ってくれよ。 390 00:21:57,383 --> 00:22:00,152 というか なんで 俺に謝ってんの? 391 00:22:00,152 --> 00:22:03,656 しげるさん あなたの名字。 392 00:22:03,656 --> 00:22:06,325 本当は 佐々木では ありませんよね? 393 00:22:06,325 --> 00:22:10,663 あっ…。 (リーズ)あなたの本名は 吉岡しげる。 394 00:22:10,663 --> 00:22:15,868 誠司さんの恩人 Y氏ですよね?