1 00:00:34,001 --> 00:00:37,504 (聖華)もう1束 欲しいです。 私 お金持ちなんです。 2 00:00:37,504 --> 00:00:39,506 そうは 言っても…。 3 00:00:39,506 --> 00:00:42,009 《しげる:もう パンパンじゃねえか》 4 00:00:42,009 --> 00:00:47,848 《矢なんて 俺が スキルで 量産してやるのに》 ♬(鼻歌) 5 00:00:47,848 --> 00:00:50,517 しげるさんは 買わないんですか? 6 00:00:50,517 --> 00:00:53,020 あっ… 貧乏だから 買えないんですね。 7 00:00:53,020 --> 00:00:55,022 《ド直球》 8 00:00:55,022 --> 00:00:57,357 (誠司)よさそうな宿を見つけたよ。 9 00:00:57,357 --> 00:01:00,027 今日は そこで 1泊しましょう。 10 00:01:00,027 --> 00:01:02,029 やった! 楽しみです。 11 00:01:02,029 --> 00:01:04,031 うわっ… とと…。 12 00:01:04,031 --> 00:01:07,200 せっかくだけど 俺は 公園で。 13 00:01:07,200 --> 00:01:10,370 宿代くらい 私が出してあげますわ。 14 00:01:10,370 --> 00:01:13,206 へっ? そんなの だめですよ。 15 00:01:13,206 --> 00:01:17,044 やっぱり 私の おごりは 嫌なんですね。 16 00:01:17,044 --> 00:01:19,546 ああ… いや そうじゃないです。 17 00:01:19,546 --> 00:01:23,050 じゃあ 行きましょう。 んっ…。 こっちです。 18 00:01:23,050 --> 00:01:26,219 《布越しなら ダメージはないのか。 19 00:01:26,219 --> 00:01:29,222 しかし どうにも調子が狂う。 20 00:01:29,222 --> 00:01:32,859 彼女は 危なっかしくて 邪険にできない。 21 00:01:32,859 --> 00:01:36,129 誰か導いてくれる リーダーがいれば…》 22 00:03:18,398 --> 00:03:20,367 う~ん…。 23 00:03:27,074 --> 00:03:31,912 フフフ… フフッ… フフフ フフッ フフッ…。 んっ… んっ…。 24 00:03:31,912 --> 00:03:35,348 《これ以上の借りを 作るわけにはいかないが➡ 25 00:03:35,348 --> 00:03:40,187 俺は 入金率1万分の1で 現在 無一文。 26 00:03:40,187 --> 00:03:44,191 収入の手段を確実にしないと 早々に詰む。 27 00:03:44,191 --> 00:03:49,196 もし 詰んでしまったら かなり ひどい状況に陥るらしい。 28 00:03:49,196 --> 00:03:53,667 逃げ込んだはずの この世界から 逃げ出したくなるほどの。 29 00:03:53,667 --> 00:03:56,570 さて どうしたもんか…》 30 00:03:59,673 --> 00:04:01,708 (3人)うわっ! 31 00:04:01,708 --> 00:04:05,378 どうぞ。 俺一人じゃ食いきれないんで。 32 00:04:05,378 --> 00:04:07,380 もらっちゃっていいんですか? うわっ…。 33 00:04:07,380 --> 00:04:09,716 チョコクッキーですね。 かわいい! 34 00:04:09,716 --> 00:04:11,885 しげるさん これは? 35 00:04:11,885 --> 00:04:14,054 親切な人がくれました。 36 00:04:14,054 --> 00:04:17,724 終電の社畜の まねをしてみたんです。 37 00:04:17,724 --> 00:04:19,726 「終電のシャチク」? 38 00:04:19,726 --> 00:04:22,562 《知らないのか… 純真だな》 39 00:04:22,562 --> 00:04:28,068 こんな…。 それは 何か あげたくなります。 40 00:04:28,068 --> 00:04:32,139 でも 貧乏だからって はしたないですわよ。 41 00:04:32,139 --> 00:04:36,309 んっ… 困ったら お金持ちの 私に言いなさい。 はい はい。 42 00:04:36,309 --> 00:04:39,646 おいしいです。 ありがとうございます。 43 00:04:39,646 --> 00:04:42,315 《まっ 実際には 買ったんだがな。 44 00:04:42,315 --> 00:04:44,985 気付いてしまえば シンプルな仕掛けだ。 45 00:04:44,985 --> 00:04:48,822 それは… 物々交換。 46 00:04:48,822 --> 00:04:51,658 まずは スキルで 矢を あほほど生成。 47 00:04:51,658 --> 00:04:53,994 そいつを持って 武器屋へ。 48 00:04:53,994 --> 00:04:57,664 4掛けでいいからと 金の代わりに商品をもらう。 49 00:04:57,664 --> 00:05:01,334 まあ ちょっと 強引な商談は 吹っかけたが。 50 00:05:01,334 --> 00:05:05,172 ともあれ 聖華さん 借りは 1つ返したぜ》 51 00:05:05,172 --> 00:05:07,174 おいしい! 52 00:05:07,174 --> 00:05:10,010 おなかも いっぱいになったところで➡ 53 00:05:10,010 --> 00:05:12,846 次の冒険の話をしたいのだけど。 54 00:05:12,846 --> 00:05:16,349 えっ? もっと 街を探検したいです。 55 00:05:16,349 --> 00:05:19,352 まずは 収入を確保しないとね。 56 00:05:19,352 --> 00:05:22,189 モンスターは お金を落とさなかったから。 57 00:05:22,189 --> 00:05:25,859 《やはり 気付いていたか。 さすがだ》 58 00:05:25,859 --> 00:05:29,362 この街の近くに洞窟があるらしい。 59 00:05:29,362 --> 00:05:32,966 今日のうちに 調べておこうと思うんだ。 60 00:05:32,966 --> 00:05:35,302 洞窟? 楽しそうですわ。 61 00:05:35,302 --> 00:05:37,637 でも 危険なのでは…。 62 00:05:37,637 --> 00:05:41,141 (恭志郎)アルガの洞窟に行くのかい? (3人)んっ? 63 00:05:41,141 --> 00:05:43,176 ナビは いらねえか? 64 00:05:43,176 --> 00:05:46,479 俺は お前らと同じ転生者さ。 65 00:05:46,479 --> 00:05:48,815 《転生者?》 うおっ! 66 00:05:48,815 --> 00:05:52,986 あんたは なかなかの…。 《はい ブサメンですよ》 67 00:05:52,986 --> 00:05:54,988 初めて見る顔だが➡ 68 00:05:54,988 --> 00:05:57,324 こっちには 来たばっかりなんだろう? 69 00:05:57,324 --> 00:06:01,828 はい。 《誠司さんは 慎重》 70 00:06:01,828 --> 00:06:06,166 じゃあ これ 知ってるかい? それは なんですか? 71 00:06:06,166 --> 00:06:08,501 《聖華さんは 無邪気すぎ》 72 00:06:08,501 --> 00:06:11,671 最初のログハウスで見つかる アイテムさ。 73 00:06:11,671 --> 00:06:15,175 一度だけ 宿代を値引きできるぜ。 74 00:06:15,175 --> 00:06:17,377 えっ! 見つけてないです。 75 00:06:17,377 --> 00:06:19,679 あ~ん もったいない。 76 00:06:19,679 --> 00:06:23,016 そいつは やるから フロントで 払い戻してこいよ。 77 00:06:23,016 --> 00:06:26,686 本当ですか? ちょっ… 聖華さん。 78 00:06:26,686 --> 00:06:29,522 お得です。 あっ…。 79 00:06:29,522 --> 00:06:32,292 失礼ですが あなたは? 80 00:06:32,292 --> 00:06:35,629 おっと 失敬… 俺は 恭志郎。 81 00:06:35,629 --> 00:06:39,466 お前らみたいな 初心者を ガイドして食ってる者だ。 82 00:06:39,466 --> 00:06:42,469 俺を雇えば もっと 得するぜ。 83 00:06:42,469 --> 00:06:46,640 《怪しすぎる。 十中八九 初心者狩りだな。 84 00:06:46,640 --> 00:06:50,810 まあ 何かあれば 絶対神の力がある。 85 00:06:50,810 --> 00:06:53,480 ここは 誠司さんに任せてみよう》 86 00:06:53,480 --> 00:06:55,982 お金は 貴重だけど➡ 87 00:06:55,982 --> 00:07:01,488 知識と経験を底上げする 投資と考えれば。 88 00:07:01,488 --> 00:07:05,325 1日 120リラと 成功報酬で どうですか? 89 00:07:05,325 --> 00:07:07,827 その条件で よろしければ。 90 00:07:07,827 --> 00:07:10,830 おう 任せとけ。 91 00:07:10,830 --> 00:07:12,866 ハッ! んっ! 92 00:07:12,866 --> 00:07:16,836 いざ アルガの洞窟へ! 93 00:07:16,836 --> 00:07:19,506 (鳴き声) 94 00:07:19,506 --> 00:07:21,675 あっ… ゴブリン! 95 00:07:21,675 --> 00:07:25,845 んっ! えいっ! えいっ! 96 00:07:25,845 --> 00:07:27,847 《一発も 当たってねえ》 97 00:07:27,847 --> 00:07:31,952 聖華さんだったか? 矢は もっと 大切に使いな。 98 00:07:31,952 --> 00:07:35,121 大丈夫です。 たくさん ありますから。 99 00:07:35,121 --> 00:07:38,792 いやいや… もっと 命中率を 上げたほうがいいって話だ。 100 00:07:38,792 --> 00:07:41,962 その矢 一本を 1億円だと思って打ってみな。 101 00:07:41,962 --> 00:07:45,131 それは お金持ちでも 慎重になります。 102 00:07:45,131 --> 00:07:47,334 (鳴き声) 103 00:07:47,334 --> 00:07:49,636 《1億円…》 んっ! 104 00:07:49,636 --> 00:07:52,005 ギャッ! 当たった。 105 00:07:52,005 --> 00:07:54,341 なかなか 筋がいいな。 106 00:07:54,341 --> 00:07:57,510 わっ… 私にかかれば こんなもんです。 107 00:07:57,510 --> 00:08:00,680 もはや 弓道部の しげるさんを 超えましたわ。 108 00:08:00,680 --> 00:08:02,682 《マジかよ》 109 00:08:02,682 --> 00:08:04,651 僕らも 行こう。 はい。 110 00:08:04,651 --> 00:08:06,986 私も! 111 00:08:06,986 --> 00:08:09,656 《意外にも ちゃんと指導してくれている。 112 00:08:09,656 --> 00:08:12,492 ビジネスの においがすると 疑っちまうのは➡ 113 00:08:12,492 --> 00:08:15,662 元営業の 悲しい さがだな。 114 00:08:15,662 --> 00:08:18,031 このヘルメットも おっさんが勧めてくれた アイテムだ。 115 00:08:18,031 --> 00:08:21,534 先に来た 転生者が 作った物らしい。 116 00:08:21,534 --> 00:08:24,704 聖華さんは 先走って 60リラを どぶに捨てた》 117 00:08:24,704 --> 00:08:28,041 ((うぅ… うっ…)) 《合掌》 118 00:08:28,041 --> 00:08:30,176 (女性/誠司)ハッ! えいっ! フッ! 119 00:08:30,176 --> 00:08:33,113 えいっ! 誠司さんは もっと 手首を固定して! 120 00:08:33,113 --> 00:08:35,448 武器の重さで 斬ってみな。 121 00:08:35,448 --> 00:08:38,651 わかりました。 短剣の場合は➡ 122 00:08:38,651 --> 00:08:40,820 切っ先を抜くように斬るといい。 123 00:08:40,820 --> 00:08:44,124 速さと軽さが強みだからな。 124 00:08:44,124 --> 00:08:46,126 はい! てやっ! 125 00:08:46,126 --> 00:08:49,462 えいっ! えいっ! えいっ! 126 00:08:49,462 --> 00:08:51,498 ああ…。 127 00:08:51,498 --> 00:08:55,668 お前は 参加しないのかい? ちょうどいい スキルがないんです。 128 00:08:55,668 --> 00:09:00,340 《うそは 言っていない》 つえは 経験値を上げにくいからな。 129 00:09:00,340 --> 00:09:03,309 《すいません もう レベル61です》 130 00:09:03,309 --> 00:09:05,345 そう 気を落とすな。 131 00:09:05,345 --> 00:09:08,848 つえは 最終スキルが すげえって うわさだ。 132 00:09:08,848 --> 00:09:10,850 《確かに…。 133 00:09:10,850 --> 00:09:15,522 今朝 矢を作ろうと 街の外に出たら…》 134 00:09:17,690 --> 00:09:20,360 《巨大な オークに遭遇して➡ 135 00:09:20,360 --> 00:09:25,031 たまたま つえスキルの いちばん 強いやつを試そうとしたら…》 136 00:09:25,031 --> 00:09:27,033 ((おっ…)) (警告音) 137 00:09:27,033 --> 00:09:31,204 ((《半径200km圏内が消滅? 138 00:09:31,204 --> 00:09:34,441 仮に 埼玉県で 発動しようもんなら➡ 139 00:09:34,441 --> 00:09:37,944 太平洋と日本海が つながっちまう》)) 140 00:09:37,944 --> 00:09:40,447 《もちろん すぐに キャンセルした》 141 00:09:40,447 --> 00:09:44,117 おお…。 戦闘には 積極的に参加しろよ。 142 00:09:44,117 --> 00:09:46,953 じゃないと 俺のように リタイアだぜ。 143 00:09:46,953 --> 00:09:51,791 リタイア? 昔 よう兵団に所属しててな。 144 00:09:51,791 --> 00:09:57,797 リーダーは 俺の同期だったが 俺は 力の差につまずいて リタイア。 145 00:09:57,797 --> 00:10:01,801 同期の そいつは 国王にまで 上り詰めた。 146 00:10:01,801 --> 00:10:07,307 ビビるぜ。 レベルは 80くらいで パラメータは 平均160もある。 147 00:10:07,307 --> 00:10:09,642 《3桁? いや 弱くね?》 148 00:10:09,642 --> 00:10:12,312 おっと びっくりさせちまったな。 149 00:10:12,312 --> 00:10:15,982 まっ お前は めげず 頑張りな。 150 00:10:15,982 --> 00:10:17,984 《アルガの洞窟。 151 00:10:17,984 --> 00:10:21,821 遺跡の趣もあって 意外に おもしろそうだが…》 152 00:10:21,821 --> 00:10:23,823 よし! 行きましょう。 153 00:10:23,823 --> 00:10:27,660 《聖華さんは 怖がって 一歩も進まない》 154 00:10:27,660 --> 00:10:30,330 手をつなぐから 一緒に行こう。 155 00:10:30,330 --> 00:10:32,665 ねっ。 《子どもかよ》 156 00:10:32,665 --> 00:10:35,668 うわっ… すご~い! 157 00:10:35,668 --> 00:10:38,171 あれ 鍾乳石ですよね? 158 00:10:38,171 --> 00:10:40,507 危ねえ! 落ちてくるぞ。 159 00:10:40,507 --> 00:10:44,511 ブー。 《あんた 実際は 何歳なんだ?》 160 00:10:44,511 --> 00:10:48,181 聖華さん 元の年齢を聞いていいかな? 161 00:10:48,181 --> 00:10:51,017 戦略を立てるのに必要だと思って。 162 00:10:51,017 --> 00:10:53,353 《誠司さん グッジョブ!》 163 00:10:53,353 --> 00:10:55,355 年齢ですか。 164 00:10:55,355 --> 00:10:57,857 ちなみに 僕は アラサーなんだ。 165 00:10:57,857 --> 00:10:59,859 《え~ 意外!》 166 00:10:59,859 --> 00:11:03,196 そうですね… 実は 私➡ 167 00:11:03,196 --> 00:11:07,033 16歳ではありません。 《ですよね》 168 00:11:07,033 --> 00:11:10,370 17歳です。 《冗談ですよね?》 169 00:11:10,370 --> 00:11:12,372 そうなんだ。 170 00:11:12,372 --> 00:11:15,875 今は 円周率 3で教えてるって ほんと? 171 00:11:15,875 --> 00:11:21,548 基本 3.14で おおよそでいいときには 3です。 172 00:11:21,548 --> 00:11:25,718 入試対策とかもしてた? はい。 大体 A判定でした。 173 00:11:25,718 --> 00:11:28,721 へぇ~ それは すごいな。 《勉強だけは できるようだ。 174 00:11:28,721 --> 00:11:33,359 少し安心したよ お嬢様。 175 00:11:33,359 --> 00:11:38,698 そこから 俺たちは 恭志郎氏のナビを受けつつ…。 176 00:11:38,698 --> 00:11:42,535 オオコウモリと闘いながら…》 (鳴き声) 177 00:11:42,535 --> 00:11:46,005 《最深部まで たどりついた》 178 00:11:46,005 --> 00:11:48,207 うわっ! ハァハァ…。 179 00:11:48,207 --> 00:11:50,376 うわっ… んっ…。 180 00:11:50,376 --> 00:11:53,046 《今日1日で 先走らないようになったな。 181 00:11:53,046 --> 00:11:55,048 偉いぞ》 182 00:11:55,048 --> 00:11:57,884 聖華さんよ あんた レベルは? 183 00:11:57,884 --> 00:12:00,720 3ですわ。 そりゃ だめだ。 184 00:12:00,720 --> 00:12:04,390 そこは ボス部屋 今のあんたじゃ 秒殺だぜ。 185 00:12:04,390 --> 00:12:07,694 えっ… んっ! 186 00:12:07,694 --> 00:12:10,863 よしよし。 今日は ここまでだね。 187 00:12:10,863 --> 00:12:15,368 《つうか 序盤の中ボスなんて とっくに誰かが…》 188 00:12:15,368 --> 00:12:19,205 ありがとうございます。 ここまで 無事に来れました。 189 00:12:19,205 --> 00:12:23,042 恭志郎さんのおかげです。 ヘッ… いいってことよ。 190 00:12:23,042 --> 00:12:25,878 あんた いいリーダーになるぜ。 191 00:12:25,878 --> 00:12:30,750 だが 帰る前に スペシャルイベントがあるんだ… 来な。 192 00:12:30,750 --> 00:12:33,653 ここさ。 193 00:12:33,653 --> 00:12:36,990 《うっ… 記憶の扉が開く》 194 00:12:36,990 --> 00:12:39,325 この部屋は 恭志郎さんが? 195 00:12:39,325 --> 00:12:42,662 いや 別の転生者が 作ったみたいだ。 196 00:12:42,662 --> 00:12:45,832 ここは モンスターも 魔法も 侵入できない➡ 197 00:12:45,832 --> 00:12:48,334 鉄壁の安全ポイントよ。 198 00:12:48,334 --> 00:12:51,004 《はい 恭志郎氏 ダウト。 199 00:12:51,004 --> 00:12:56,676 イリアの街から 半径200km圏内に 安全ポイントなんて 存在しない。 200 00:12:56,676 --> 00:12:58,678 当然 ここもだ》 201 00:12:58,678 --> 00:13:01,347 うわっ… パーティーみたいです。 202 00:13:01,347 --> 00:13:06,152 そう! ここまで来れた転生者の 歓迎会ってわけだ。 203 00:13:08,521 --> 00:13:12,859 《んっ… 飲み口に薬品。 睡眠薬か…。 204 00:13:12,859 --> 00:13:15,695 まっ 俺には 効かないが》 205 00:13:15,695 --> 00:13:20,533 お気持ちは うれしいですけど 日が高いうちに街に戻らないと。 206 00:13:20,533 --> 00:13:22,535 《いいぞ 誠司さん》 207 00:13:22,535 --> 00:13:26,205 え~… お祝いしてくれてるのに。 208 00:13:26,205 --> 00:13:28,708 そうか おせっかいだったな。 209 00:13:28,708 --> 00:13:33,146 まっ 無理にとは 言わないさ。 急いで 街に戻ろう。 210 00:13:33,146 --> 00:13:36,149 そこで 仕切り直しといこうや。 211 00:13:36,149 --> 00:13:38,484 うぅ…。 212 00:13:38,484 --> 00:13:42,655 すみません! 僕は あなたを疑っていました。 213 00:13:42,655 --> 00:13:45,858 《ああ… この人いい人なんだ》 214 00:13:45,858 --> 00:13:49,696 こんなに 親切にしてもらってるのに 僕は。 215 00:13:49,696 --> 00:13:52,031 いやいや… いいって いいって。 216 00:13:52,031 --> 00:13:55,702 あんたは リーダーとして 当然のことをしたまでさ。 217 00:13:55,702 --> 00:13:58,204 ほら 受け取ってくれるかい? 218 00:13:58,204 --> 00:14:00,173 はい! 219 00:14:00,173 --> 00:14:03,009 《おまけに かなり 熱いね》 220 00:14:03,009 --> 00:14:07,880 ああ… ふがいない。 人の親切を疑うなんて。 221 00:14:07,880 --> 00:14:10,883 もう1本 下さ~い。 おいしい! 222 00:14:10,883 --> 00:14:13,386 《え~… 大丈夫か? こいつら。 223 00:14:13,386 --> 00:14:16,022 解毒魔法は 光って ばれる。 224 00:14:16,022 --> 00:14:18,357 会話で ペースを落とさせるか》 225 00:14:18,357 --> 00:14:20,693 んっ… プハァー。 226 00:14:20,693 --> 00:14:24,564 あっ あの… 皆さんは この世界に来る前➡ 227 00:14:24,564 --> 00:14:27,400 何をしてたんですか? (3人)あっ…。 228 00:14:27,400 --> 00:14:30,370 しげるさん…。 《しまった! 229 00:14:30,370 --> 00:14:35,475 俺を含めて 全員 この世界へは 逃げてきたんだ》 230 00:14:35,475 --> 00:14:39,645 すいません 失言でした。 (聖華/女性)んっ…。 231 00:14:39,645 --> 00:14:43,149 昔話になりますが 聞いてもらえますか。 232 00:14:43,149 --> 00:14:45,184 (聖華/女性)あっ…。 はい。 233 00:14:45,184 --> 00:14:47,186 (誠司)僕は 学生のとき➡ 234 00:14:47,186 --> 00:14:50,690 何もかもが嫌になって 家を飛び出した。 235 00:14:50,690 --> 00:14:53,359 そして 会社を起こしたんです。 236 00:14:53,359 --> 00:14:56,195 社名は サクセスライフ。 237 00:14:56,195 --> 00:15:00,032 《あっ! 確か 営業に行ったことがある。 238 00:15:00,032 --> 00:15:03,536 そういえば 社長は こんな…》 239 00:15:03,536 --> 00:15:07,874 設立したてのころに 飛び込みの 営業さんが来たんです。 240 00:15:07,874 --> 00:15:10,877 仮に Y氏としましょうか。 241 00:15:10,877 --> 00:15:15,047 Y氏は やたらに高いコピー機を 売りつけてきてね。 242 00:15:15,047 --> 00:15:17,049 《俺だ…》 243 00:15:17,049 --> 00:15:20,386 (誠司)当然 値引き交渉をしたんですよ。 244 00:15:20,386 --> 00:15:22,722 そしたら Y氏は➡ 245 00:15:22,722 --> 00:15:27,393 「あなたを笑顔にしてみせます 決して期待は 裏切りません」。 246 00:15:27,393 --> 00:15:29,395 なんて…。 247 00:15:29,395 --> 00:15:32,965 更には 「社長のあなたは もっと 遊びなさい」。 248 00:15:32,965 --> 00:15:35,134 とまで 言われてしまって。 249 00:15:35,134 --> 00:15:39,972 Y氏の熱意に押され 現場は 社員に任せることにしました。 250 00:15:39,972 --> 00:15:44,811 僕は 外へ目を向けて 遊ぶようにしたんです。 251 00:15:44,811 --> 00:15:47,647 それから すぐに 会社は 大きくなって➡ 252 00:15:47,647 --> 00:15:49,816 上場まで 果たせました。 253 00:15:49,816 --> 00:15:52,985 《俺は そのころ ニートでした》 254 00:15:52,985 --> 00:15:54,987 ですが その後➡ 255 00:15:54,987 --> 00:15:58,157 僕は 会社を 倒産させてしまったんです。 256 00:15:58,157 --> 00:16:00,159 (一同)あっ…。 257 00:16:00,159 --> 00:16:04,997 (誠司)倒産の原因は 開発中だった 人工知能➡ 258 00:16:04,997 --> 00:16:06,999 AIの事故でした。 259 00:16:06,999 --> 00:16:09,001 あっ…。 260 00:16:09,001 --> 00:16:13,005 関わった人 すべてが不幸になり 僕は 精神を病んだ。 261 00:16:13,005 --> 00:16:15,007 ああ…。 262 00:16:15,007 --> 00:16:17,343 せっかく Y氏から もらった チャンスに➡ 263 00:16:17,343 --> 00:16:21,514 報いることもできないまま。 ああ…。 264 00:16:21,514 --> 00:16:25,852 だから 僕は この世界に来るとき 誓ったんです。 265 00:16:25,852 --> 00:16:29,522 絶対に 誰も裏切らないと。 266 00:16:29,522 --> 00:16:31,991 うっ… うぅ…。 んっ…。 267 00:16:31,991 --> 00:16:34,494 《あんた 立派な人だよ》 268 00:16:34,494 --> 00:16:37,630 実は そのY氏の名前➡ 269 00:16:37,630 --> 00:16:40,633 しげるというんですよ。 んっ…。 270 00:16:40,633 --> 00:16:44,470 しげるさん 名字を教えてもらえませんか? 271 00:16:44,470 --> 00:16:46,973 あっ その…。 272 00:16:46,973 --> 00:16:48,975 佐々木です。 273 00:16:52,979 --> 00:16:56,649 (寝息と いびき) 274 00:16:56,649 --> 00:17:01,153 おうおう… こんな所で 寝ちまいやがって。 275 00:17:01,153 --> 00:17:03,489 風邪ひいても 知らないぜ。 276 00:17:03,489 --> 00:17:07,159 兄貴 今日は 一段と 手際がいいですね。 277 00:17:07,159 --> 00:17:12,331 今日のカモは ばか正直でな。 楽な仕事だったぜ。 278 00:17:12,331 --> 00:17:15,001 《安心してください。 起きてますよ》 279 00:17:15,001 --> 00:17:18,504 (恭志郎)上物ぞろいだ 丁重に こん包しな。 280 00:17:18,504 --> 00:17:20,506 へい。 281 00:17:20,506 --> 00:17:25,511 《この感触… 嫌なものを 思い出させてくれたな》 282 00:17:25,511 --> 00:17:27,513 豚は チャーシューにでもするか。 ヘヘヘヘ ヘヘヘ…。 283 00:17:27,513 --> 00:17:29,515 《えげつな…。 284 00:17:29,515 --> 00:17:33,819 まあいい これで 遠慮なく 俺のフルパワーを…》 285 00:17:33,819 --> 00:17:35,821 んっ? (物音) 286 00:17:35,821 --> 00:17:37,823 んっ? んっ? 287 00:17:37,823 --> 00:17:40,126 うっ… くっ! 288 00:17:40,126 --> 00:17:42,128 《誠司さん…》 289 00:17:42,128 --> 00:17:45,965 みんなに手を出すな。 290 00:17:45,965 --> 00:17:48,334 へぇ~ 見上げた根性だが➡ 291 00:17:48,334 --> 00:17:51,003 立つだけで 精いっぱいってとこか。 292 00:17:51,003 --> 00:17:53,806 作業続行だ。 (手下たち)へい! 293 00:17:53,806 --> 00:17:55,808 やっ… やめろ! 294 00:17:57,810 --> 00:17:59,845 フン! くっ…。 295 00:17:59,845 --> 00:18:04,016 最後の最後で 俺を信用したのが 運の尽きさ。 296 00:18:04,016 --> 00:18:07,853 まっ 相手が悪かったな。 くっ…。 297 00:18:07,853 --> 00:18:11,357 《まずい… だが 俺のチートステータスじゃ➡ 298 00:18:11,357 --> 00:18:14,360 誠司さんまで 巻き添えに…》 299 00:18:14,360 --> 00:18:17,530 んっ! 痛っ… フンッ! 300 00:18:17,530 --> 00:18:19,699 《誠司さん ナイス!》 301 00:18:19,699 --> 00:18:23,836 うぅ…。 傷を付けんな! 値が下がる。 302 00:18:23,836 --> 00:18:28,507 今までも こうして 人をさらってきたのか? 303 00:18:28,507 --> 00:18:31,844 あなたは なんて ひどい人だ。 304 00:18:31,844 --> 00:18:37,617 この世界に来る 多くは 元の世界で 心折れた人だろう。 305 00:18:37,617 --> 00:18:40,620 再起を懸けて 立ち上がったところを➡ 306 00:18:40,620 --> 00:18:42,955 突き落とすなんて。 307 00:18:42,955 --> 00:18:48,294 ここは その 人生の落後者が来る世界だぜ。 308 00:18:48,294 --> 00:18:51,130 あんた ちょっと考えが甘かったな。 309 00:18:51,130 --> 00:18:54,800 それでも 僕の仲間に手出しはさせない。 310 00:18:54,800 --> 00:18:57,136 彼らは 僕が守る。 311 00:18:57,136 --> 00:19:00,139 ハッ… そんなざまで 何ができる。 312 00:19:00,139 --> 00:19:02,308 さっさと こいつを こん包しちまえ! 313 00:19:02,308 --> 00:19:05,311 (手下たち)へい! 《今だ!》 314 00:19:05,311 --> 00:19:07,346 誠司さん! あっ! 315 00:19:07,346 --> 00:19:09,315 ああ? 316 00:19:13,152 --> 00:19:15,655 《即席スキル 豚ジャンプ。 317 00:19:15,655 --> 00:19:19,191 ただ 体重を生かして 飛び込んだだけだがな。 318 00:19:19,191 --> 00:19:24,497 俺のステータスで 下手に攻撃すれば すべてを粉砕しかねない》 319 00:19:24,497 --> 00:19:26,499 なっ… なんて むちゃな。 320 00:19:26,499 --> 00:19:29,001 ここは 俺に任せてください。 321 00:19:29,001 --> 00:19:33,439 だめです! しげるさんだけを 戦わせるわけにはいきません。 322 00:19:33,439 --> 00:19:36,942 《あっ… この人 かなり 熱いんだった》 323 00:19:36,942 --> 00:19:39,945 (手下たち)痛てて…。 ふざけやがって。 324 00:19:39,945 --> 00:19:44,450 んっ…。 言っておくが 僕は強い。 んっ? 325 00:19:44,450 --> 00:19:47,453 一撃で あなたを倒せるだろう。 326 00:19:47,453 --> 00:19:49,789 はい? 一撃? 327 00:19:49,789 --> 00:19:52,291 世まい言を… ふん縛っちまえ! 328 00:19:52,291 --> 00:19:55,127 (手下たち)へい! 《させるか!》 329 00:19:55,127 --> 00:19:59,298 ぐわっ! 邪魔だ! 筋力80パンチ! 330 00:19:59,298 --> 00:20:01,634 (手下たち)おお…。 フンッ! 331 00:20:01,634 --> 00:20:03,636 うわっ…。 332 00:20:03,636 --> 00:20:06,138 なんだ あの豚は!? 333 00:20:06,138 --> 00:20:10,810 《俺に ダメージを与えたかったら 女の子を連れてきな》 334 00:20:10,810 --> 00:20:13,813 くそ! あの豚を先にやれ。 335 00:20:13,813 --> 00:20:15,815 《よし 来い!》 336 00:20:15,815 --> 00:20:17,817 しげるさん 逃げてください! 337 00:20:17,817 --> 00:20:20,486 《俺は あんたに逃げてほしい》 338 00:20:20,486 --> 00:20:22,655 僕が 一撃で倒しますから! 339 00:20:22,655 --> 00:20:25,491 《一撃の根拠は なんですか?》 340 00:20:25,491 --> 00:20:29,495 (手下たち)てや~! 《おい… 髪は やめろ》 341 00:20:29,495 --> 00:20:32,998 誠司さん このままだと 豚は死ぬぜ。 342 00:20:32,998 --> 00:20:35,000 さっさと降参しないと…。 343 00:20:35,000 --> 00:20:37,002 へぶっ! 《お静かに》 344 00:20:37,002 --> 00:20:39,338 フンッ! 痛でででで…。 345 00:20:39,338 --> 00:20:43,008 やめろ! (一同)んっ? 346 00:20:43,008 --> 00:20:47,847 この手の光は いかなる邪悪をも 貫く。 347 00:20:47,847 --> 00:20:50,516 引き下がるなら 今のうちだ。 348 00:20:50,516 --> 00:20:53,352 なっ… なんだ そのスキルは…。 349 00:20:53,352 --> 00:20:58,190 特記事項… 僕は 特記事項に 誓いを立てた。 350 00:20:58,190 --> 00:21:00,860 「絶対に仲間を裏切らない」。 351 00:21:00,860 --> 00:21:07,032 「もし この誓いを破ったときは 報いを一身に受け止める」と。 352 00:21:07,032 --> 00:21:11,704 その誓いで得た ボーナスポイント すべてと引き換えに➡ 353 00:21:11,704 --> 00:21:14,373 この力を手に入れたんだ。 354 00:21:14,373 --> 00:21:16,375 《ていうか 誠司さん➡ 355 00:21:16,375 --> 00:21:18,878 ボーナス 必殺技に全振り? 356 00:21:18,878 --> 00:21:21,046 もっと バランスを…》 357 00:21:21,046 --> 00:21:24,049 この必殺技は 怒りが トリガー。 358 00:21:24,049 --> 00:21:28,554 僕の怒りが頂点に達したとき 真っ赤に輝く。 359 00:21:28,554 --> 00:21:32,691 どうか 武器を収めて 引いてください。 360 00:21:32,691 --> 00:21:36,028 ハッ… 右手を封じちまえば なんてことねえ。 (笑い声) 361 00:21:36,028 --> 00:21:38,998 多少 傷物になるだろうが。 362 00:21:38,998 --> 00:21:42,868 あくまで戦うと… しかたない。 363 00:21:42,868 --> 00:21:47,706 《防御力は そっちのけ どう考えても 無謀だが➡ 364 00:21:47,706 --> 00:21:50,876 そういうの嫌いじゃないぜ》 365 00:21:50,876 --> 00:21:52,878 てや~! 366 00:21:52,878 --> 00:21:55,881 んっ! あっ…。 くっ… どけ! 豚。 367 00:21:55,881 --> 00:21:58,350 しげるさん 下がってください! 368 00:21:58,350 --> 00:22:01,520 多勢に無勢です… 俺が盾に。 369 00:22:01,520 --> 00:22:04,857 ぶほっ…。 あっ… どうして そこまで。 370 00:22:04,857 --> 00:22:09,562 《俺は… 現実の世界じゃ いい人ほど 損をする。 371 00:22:09,562 --> 00:22:13,566 だから 異世界でくらい いい人が報われてもいいよな》 372 00:22:13,566 --> 00:22:17,036 俺は もう 逃げたくないんです。 373 00:22:17,036 --> 00:22:21,040 決めちゃってください… リーダー! 374 00:22:21,040 --> 00:22:24,043 ああ… 赤く輝け。 375 00:22:24,043 --> 00:22:26,212 僕の拳よ! 376 00:22:26,212 --> 00:22:36,155 ああ~…! 377 00:22:36,155 --> 00:22:38,657 たあ~! 378 00:22:40,659 --> 00:22:42,828 変身? 何者だ! 379 00:22:42,828 --> 00:22:44,997 《いや 誠司さんだよ》 380 00:22:44,997 --> 00:22:48,667 不屈の勇者…。 381 00:22:48,667 --> 00:22:51,870 アルディーン! 《なんでだよ!》