1 00:00:04,304 --> 00:00:08,308 (豚)ここが… 事件のあった修道院か。 2 00:00:08,308 --> 00:00:10,310 (セレス)はい…。 3 00:00:14,481 --> 00:00:16,483 (ジェス)んっ…。 ジェス。 4 00:00:16,483 --> 00:00:19,319 ハッ! (2人)あっ。 (剣の音) 5 00:00:19,319 --> 00:00:24,324 (うなり声) 6 00:00:24,324 --> 00:00:26,493 《アイツ… あのときの。 7 00:00:26,493 --> 00:00:29,329 やけにジェスを 気にしてると思ったが➡ 8 00:00:29,329 --> 00:00:31,832 まさか イェスマ狩りなのか!?》 9 00:00:31,832 --> 00:00:34,501 あ… あの…。 10 00:00:34,501 --> 00:00:36,503 (みんな)ウウッ! 11 00:00:36,503 --> 00:00:38,505 (爆発音) 12 00:00:38,505 --> 00:00:40,507 (ノット)ハァッ! 13 00:00:50,684 --> 00:00:52,686 (みんな)あぁ…。 14 00:01:12,472 --> 00:01:15,075 《ヤベぇヤツが来た》 15 00:02:51,004 --> 00:02:53,006 豚さん どうしましょう。 16 00:02:53,006 --> 00:02:56,677 普通に戦っても 俺たちじゃ コイツにはかなわない。 17 00:02:56,677 --> 00:02:59,679 とにか… く!? 18 00:02:59,679 --> 00:03:02,449 ノットさん こんにちはです。 19 00:03:02,449 --> 00:03:05,952 へっ? 《あの… ノットさんは大丈夫です》 20 00:03:05,952 --> 00:03:08,955 知り合いなのか? イェスマ狩りなんじゃ…。 21 00:03:08,955 --> 00:03:13,293 《違います。 とてもいい方です。 信じてください》 22 00:03:13,293 --> 00:03:16,129 《そうなんですね わかりました》 23 00:03:16,129 --> 00:03:19,299 ちょっと待てジェス 信頼するのが早すぎる。 24 00:03:19,299 --> 00:03:23,303 なぁセレス ソイツは王都に向かってるイェスマだろ。 25 00:03:23,303 --> 00:03:25,806 観光にでも連れてきたのか? 26 00:03:25,806 --> 00:03:28,642 あっ いえ 観光というか。 27 00:03:28,642 --> 00:03:31,645 お花を供えさせて いただきたいんです。 28 00:03:35,816 --> 00:03:39,820 参拝のつもりか? それは結構だが…。 29 00:03:39,820 --> 00:03:43,490 そのスカーフ 首輪を隠していることが バレバレだ。 30 00:03:43,490 --> 00:03:45,492 外せ! えっ。 31 00:03:45,492 --> 00:03:47,494 これを着けろ。 32 00:03:47,494 --> 00:03:50,163 遠くから見れば お前の肌と見分けがつかねえ。 33 00:03:50,163 --> 00:03:53,667 でも 近くで見られたら むしろすぐに➡ 34 00:03:53,667 --> 00:03:55,669 わかってしまうのでは ありませんか? 35 00:03:55,669 --> 00:03:58,672 遠くから一目で わからねえことが大切なんだ。 36 00:03:58,672 --> 00:04:00,607 お前のためじゃねえ。 37 00:04:00,607 --> 00:04:03,610 セレスに危険が及ぶかも しれねぇから言ってんだ。 38 00:04:03,610 --> 00:04:07,114 言うことをきいて付け替えろ。 はい…。 39 00:04:07,114 --> 00:04:09,116 油断するなよ ジェス。 40 00:04:22,629 --> 00:04:24,798 んっ…。 んっ? 41 00:04:24,798 --> 00:04:28,468 《おいおい思春期かよ まったく。 42 00:04:28,468 --> 00:04:31,805 会ったばかりの少女に ガチ恋なんて。 43 00:04:31,805 --> 00:04:36,143 でもまぁ 危険な感じは そこまでしないな》 44 00:04:36,143 --> 00:04:39,312 ここは俺の正体は 内緒にしておこう。 45 00:04:39,312 --> 00:04:42,983 ジェスに危害が加わりそうだったら すぐに伝える。 46 00:04:42,983 --> 00:04:46,486 これでどうだ? 《わかりました》 47 00:04:46,486 --> 00:04:50,657 セレスたそも協力してくれるか? 《たそ?》 48 00:04:50,657 --> 00:04:54,161 信用できそうだと思ったら すぐに正体を明かす。 49 00:04:54,161 --> 00:04:56,830 だからセレスも 俺をただの豚みたいに➡ 50 00:04:56,830 --> 00:04:58,832 扱っておいてくれないか? 51 00:04:58,832 --> 00:05:01,835 《そういうことなら わかりましたです》 52 00:05:05,939 --> 00:05:08,775 あっ…。 フム…。 53 00:05:08,775 --> 00:05:13,480 これでいいだろう。 ありがとうございます。 54 00:05:15,448 --> 00:05:17,784 そういえば 名前を聞いてなかったな。 55 00:05:17,784 --> 00:05:21,288 ジェスです よろしくお願いします。 56 00:05:21,288 --> 00:05:24,791 あの… 中には入れますか? 57 00:05:24,791 --> 00:05:27,961 見てのとおりのありさまだ 勝手に入れ。 58 00:05:27,961 --> 00:05:29,963 ありがとうございます。 59 00:05:29,963 --> 00:06:18,078 ♬~ 60 00:06:21,114 --> 00:06:23,316 気が済んだか? 61 00:06:25,285 --> 00:06:27,287 なら…。 あの! 62 00:06:27,287 --> 00:06:31,458 この辺りに 泉があると伺ったのですが。 63 00:06:31,458 --> 00:06:33,460 水浴びでもするのか? 64 00:06:33,460 --> 00:06:36,630 《お前は何を期待しているんだ ゲス豚か?》 65 00:06:36,630 --> 00:06:39,833 いえ 豚さんを洗おうと思って。 66 00:06:41,801 --> 00:06:44,004 すぐそこにある。 行くぞ。 67 00:06:45,972 --> 00:06:47,974 あっ…。 68 00:06:52,812 --> 00:06:56,149 あぁ… あぁ~っ! 69 00:06:56,149 --> 00:06:58,652 あぁ~っ 悪いな。 70 00:06:58,652 --> 00:07:02,422 《お礼です。 豚さんは私が寝ている間に➡ 71 00:07:02,422 --> 00:07:06,259 ずっと歩いてくれたんですから》 お互いさまだろ。 72 00:07:06,259 --> 00:07:08,595 《私は逃げる必要があって➡ 73 00:07:08,595 --> 00:07:13,433 しかたなく豚さんを運んだんです。 でも 豚さんは違います。 74 00:07:13,433 --> 00:07:17,103 私が寝られるように…》 それは違うな。 75 00:07:17,103 --> 00:07:19,272 《そうなんですか?》 76 00:07:19,272 --> 00:07:23,109 ジェスたその 柔らかい太ももに 挟まれたくてやったことだ。 77 00:07:23,109 --> 00:07:26,780 《フフッ じゃあ そういうことにしておきますね》 78 00:07:26,780 --> 00:07:28,782 フンゴッ。 79 00:07:32,952 --> 00:07:34,954 《わかりやすいなぁ》 80 00:07:42,128 --> 00:07:44,130 あっ。 81 00:07:46,800 --> 00:07:48,802 (ノット)ビール 2つ頼む。 82 00:07:52,639 --> 00:07:55,308 あの… 私…。 83 00:07:55,308 --> 00:07:58,645 金のことなら心配すんな 俺が出す。 84 00:07:58,645 --> 00:08:01,915 ありがとうございます。 でも➡ 85 00:08:01,915 --> 00:08:06,419 セレスさんに怒られませんか? どうしてアイツに怒られるんだ? 86 00:08:06,419 --> 00:08:09,589 (マーサ)おやおやノット 来てたんかい。 87 00:08:09,589 --> 00:08:11,758 ばっちゃん 久しぶりだな。 んっ! 88 00:08:11,758 --> 00:08:14,427 狩りはどうだい? うまくいったのかね? 89 00:08:14,427 --> 00:08:18,765 上々さ。 明日にはきっと 熊の肉を届けられるぜ。 90 00:08:18,765 --> 00:08:21,768 そうかそうか さすがノットだね。 91 00:08:21,768 --> 00:08:24,604 鍋でも作って ごちそうしてあげよう。 92 00:08:24,604 --> 00:08:27,273 楽しみだ。 そしたらばっちゃん➡ 93 00:08:27,273 --> 00:08:29,609 ジェスにも 食わしてやることはできねえか? 94 00:08:29,609 --> 00:08:33,113 わかってるだろう? 王都に向かうイェスマを➡ 95 00:08:33,113 --> 00:08:35,949 長いこと 置いとくわけにはいかないんだ。 96 00:08:35,949 --> 00:08:39,619 残念だけど ジェスには 明日の朝に出てってもらう。 97 00:08:39,619 --> 00:08:42,122 それでいいんだったね? はい。 98 00:08:42,122 --> 00:08:45,792 明日の朝には 王都へ向けて 出発するつもりです。 99 00:08:45,792 --> 00:08:49,295 ノット 狩るのは獣だけにしときな。 100 00:08:49,295 --> 00:08:54,467 お前さんが何を考えてるかくらい 私にもわかるんだからね。 101 00:08:54,467 --> 00:08:57,137 だって なんとなく似てるじゃないか。 102 00:08:57,137 --> 00:09:00,240 私も初めて会ったとき そう感じたよ。 103 00:09:00,240 --> 00:09:04,077 うっせぇな ほっといてくれよ。 104 00:09:04,077 --> 00:09:06,079 お待たせしました。 105 00:09:08,081 --> 00:09:11,918 あ あの 私… お酒は初めてで…。 106 00:09:11,918 --> 00:09:15,422 ここのはうまいぞ 気に入らなかったら俺が飲む。 107 00:09:15,422 --> 00:09:21,227 一口だけでも試してみろ。 では お言葉に甘えて。 108 00:09:23,930 --> 00:09:27,434 お… おいしい。 109 00:09:29,936 --> 00:09:33,773 ノットさんは どうしてヘックリポンを 殺したんですか? 110 00:09:33,773 --> 00:09:37,277 ヘックリポンは 見たら殺すことにしてんだ。 111 00:09:37,277 --> 00:09:39,612 アイツらは不幸を呼ぶ…。 112 00:09:39,612 --> 00:09:44,284 そう言われるようになったのは ここ数年の話だがな。 113 00:09:44,284 --> 00:09:49,122 ありがとな。 《いえ いいんです》 114 00:09:49,122 --> 00:09:52,125 なぁジェス その豚はペットなのか? 115 00:09:52,125 --> 00:09:55,128 えっと… お友達です。 116 00:09:55,128 --> 00:09:59,466 そうか やけに大切にするんだな。 117 00:09:59,466 --> 00:10:01,468 長いこと世話してたのか? 118 00:10:01,468 --> 00:10:06,306 いえ そうでもないんですが その…。 119 00:10:06,306 --> 00:10:09,142 運命をともにする豚さんなんです。 120 00:10:09,142 --> 00:10:11,811 んっ… 運命? 121 00:10:11,811 --> 00:10:17,317 《そう 俺はジェスの相棒だ。 運命共同体とも言える。 122 00:10:17,317 --> 00:10:20,820 だから俺は その役割に徹するべきなんだ。 123 00:10:20,820 --> 00:10:23,156 出しゃばるのは よくない》 124 00:10:23,156 --> 00:10:25,992 まぁ そういうこともあるだろうな➡ 125 00:10:25,992 --> 00:10:27,994 お前らイェスマには。 126 00:10:27,994 --> 00:10:37,504 ♬~ 127 00:10:39,506 --> 00:10:42,675 フゥ…。 おいジェス 大丈夫か? 128 00:10:42,675 --> 00:10:45,512 《大丈夫ですよ いい気分です》 129 00:10:45,512 --> 00:10:48,515 そうじゃない その男はジェスを…。 130 00:10:48,515 --> 00:10:50,517 《心配いりません。 131 00:10:50,517 --> 00:10:54,187 ノットさんは 私を襲ったりしませんから》 132 00:10:54,187 --> 00:10:56,189 そうか…。 133 00:10:58,525 --> 00:11:03,129 (ドアの開閉音) 134 00:11:05,131 --> 00:11:08,968 ジェス… 少しつきあってくれないか? 135 00:11:08,968 --> 00:11:12,138 フゥ… ハァ…。 136 00:11:12,138 --> 00:11:14,140 寝たのか? 137 00:11:14,140 --> 00:11:16,309 あれ? えっと…。 138 00:11:16,309 --> 00:11:18,645 寝てませんよ~。 139 00:11:18,645 --> 00:11:21,347 おい 変な気を起こすなよ。 140 00:11:27,320 --> 00:11:29,989 んっ!? 141 00:11:29,989 --> 00:11:32,825 おい…。 142 00:11:32,825 --> 00:11:37,664 フンゴォォ…! 143 00:11:37,664 --> 00:11:39,666 クッ… おいジェス! 144 00:11:39,666 --> 00:11:42,168 胸を…。 んっ!? 145 00:11:42,168 --> 00:11:45,338 貸してくれ…。 ハッ…。 146 00:11:45,338 --> 00:11:48,641 ンゴッ! フンゴッ…。 147 00:11:50,677 --> 00:11:54,013 《体当たりで ぶち破るか。 148 00:11:54,013 --> 00:11:56,015 あっ いやいやいや…。 149 00:11:56,015 --> 00:12:00,286 「ノットさんは私を襲わない」と ジェスは はっきり言っていた。 150 00:12:00,286 --> 00:12:03,790 だったら俺は… ジェスを➡ 151 00:12:03,790 --> 00:12:06,459 信じよう…》 152 00:12:06,459 --> 00:12:23,643 ♬~ 153 00:12:23,643 --> 00:12:26,312 やっぱり私は悪い子です。 154 00:12:26,312 --> 00:12:31,317 こんなことする資格はないのに。 155 00:12:31,317 --> 00:12:33,820 私は…。 156 00:12:33,820 --> 00:12:35,822 悪いイェスマです。 157 00:12:52,171 --> 00:12:54,173 ンゴッ。 158 00:13:01,447 --> 00:13:05,451 《何かされた形跡はない》 159 00:13:05,451 --> 00:13:07,453 んっ? (ドアの開く音) 160 00:13:07,453 --> 00:13:09,455 誰だ! 《豚さん》 161 00:13:09,455 --> 00:13:12,258 セレス。 どうした こんな遅くに。 162 00:13:15,461 --> 00:13:19,632 それで相談っていうのは? 明日の朝一番で➡ 163 00:13:19,632 --> 00:13:22,302 ノットさんに 正体を明かしてほしいんです。 164 00:13:22,302 --> 00:13:25,138 ノット? それは問題ないが。 165 00:13:25,138 --> 00:13:27,974 わざわざ言いにいかなきゃ いけないのか? 166 00:13:27,974 --> 00:13:29,976 明日の早朝➡ 167 00:13:29,976 --> 00:13:32,812 ノットさんは必ず ジェスさんに会いに来ます。 168 00:13:32,812 --> 00:13:34,814 会いに来る? なぜだ? 169 00:13:34,814 --> 00:13:38,651 なぜって… それは… あの…。 170 00:13:38,651 --> 00:13:40,653 おい どうした!? 171 00:13:40,653 --> 00:13:44,824 すみません。 でも だって… ノットさんは➡ 172 00:13:44,824 --> 00:13:46,826 ジェスさんのことを…。 173 00:13:46,826 --> 00:13:48,995 ウッ… ウゥッ…。 174 00:13:48,995 --> 00:13:51,831 ウワーッ! 175 00:13:51,831 --> 00:13:57,503 《あぁ そうか そうだった。 この幼い少女は…》 (泣き声) 176 00:13:57,503 --> 00:14:00,606 私 もう13です。 177 00:14:00,606 --> 00:14:04,110 お前は ノットのことが…。 わかっています。 178 00:14:04,110 --> 00:14:08,948 イェスマの私に… 子どもの私に そんな資格はないんです。 179 00:14:08,948 --> 00:14:10,950 でも…。 180 00:14:10,950 --> 00:14:13,786 でも ノットさんには 行ってほしくないんです。 181 00:14:13,786 --> 00:14:16,456 行ってほしくないっていうのは…。 182 00:14:16,456 --> 00:14:20,126 ノットさんは ジェスさんと一緒に 王都へ行くつもりです。 183 00:14:20,126 --> 00:14:22,128 はっ? 184 00:14:22,128 --> 00:14:26,466 ノットさんは ジェスさんの シャビロンになるつもりなんです。 185 00:14:26,466 --> 00:14:28,468 シャビロン? 186 00:14:28,468 --> 00:14:30,470 言い伝えがあるんです。 187 00:14:30,470 --> 00:14:33,806 王都へ無事 辿りつける イェスマには条件があって。 188 00:14:33,806 --> 00:14:36,309 それは…。 189 00:14:36,309 --> 00:14:41,647 賢くて勇敢な同行者 シャビロンの存在で。 190 00:14:41,647 --> 00:14:48,154 でも シャビロンは必ず イェスマと一緒に 姿を消してしまうといいます。 191 00:14:48,154 --> 00:14:52,492 永遠に…。 《なるほど。 192 00:14:52,492 --> 00:14:57,163 ノットが ジェスの シャビロンになると思って それで…》 193 00:14:57,163 --> 00:15:01,934 豚さんも ノットさんが シャビロンになるのは嫌ですよね。 194 00:15:01,934 --> 00:15:03,936 だって豚さんは…。 おいっ! 195 00:15:03,936 --> 00:15:07,540 豚さんは ジェスさんのことが お好きなんですから。 196 00:15:13,279 --> 00:15:15,782 好きって 一口に言ってもな➡ 197 00:15:15,782 --> 00:15:18,785 大人の世界にはいろいろあるんだ。 198 00:15:18,785 --> 00:15:22,455 セレスは5年くらい前から ここに仕えてるって➡ 199 00:15:22,455 --> 00:15:24,957 おばちゃんが言ってたな。 200 00:15:24,957 --> 00:15:27,460 それなら きっと長い時間かけて➡ 201 00:15:27,460 --> 00:15:30,797 ノットとの仲を深めてきたんだろう? 202 00:15:30,797 --> 00:15:32,799 そういうのはいいんだ。 203 00:15:32,799 --> 00:15:37,136 すばらしいことだと思うし かなうに値する思いだと思う。 204 00:15:37,136 --> 00:15:40,973 豚さんの思いは かなうに値しないんですか? 205 00:15:40,973 --> 00:15:43,643 しないな。 どうしてですか? 206 00:15:43,643 --> 00:15:46,312 俺とジェスは出会ったばかりなんだ。 207 00:15:46,312 --> 00:15:50,316 親切にしてもらって 俺が勝手に好意を抱いた。 208 00:15:50,316 --> 00:15:53,486 ただそれだけのことだ。 豚の分際で➡ 209 00:15:53,486 --> 00:15:57,089 ジェスを俺のものにしようだなんて 自分勝手がすぎる。 210 00:15:59,158 --> 00:16:01,093 ジェスは みんなに優しい。 211 00:16:01,093 --> 00:16:05,097 ジェスがノットに心を許したのだって みんなに優しいからだ。 212 00:16:05,097 --> 00:16:09,769 あの優しさは 決して俺だけに 向けられたものではない。 213 00:16:09,769 --> 00:16:12,939 《それについては 今更なんとも思うまい。 214 00:16:12,939 --> 00:16:16,609 伊達に19年間 童貞をやってきたわけじゃない》 215 00:16:16,609 --> 00:16:18,611 でも豚さんは➡ 216 00:16:18,611 --> 00:16:21,280 ノットさんがシャビロンになったら 嫌でしょう? 217 00:16:21,280 --> 00:16:23,950 それは… だが➡ 218 00:16:23,950 --> 00:16:28,120 俺の気持ちだけで ジェスの旅路を邪魔することなんて。 219 00:16:28,120 --> 00:16:32,458 えっ… でも…。 220 00:16:32,458 --> 00:16:35,461 安心しろ 正体は明かす。 221 00:16:37,463 --> 00:16:40,800 そうですか… ありがとうです。 222 00:16:40,800 --> 00:16:44,136 あの… ジェスさんや私を通せば➡ 223 00:16:44,136 --> 00:16:47,974 豚さんの言葉を ノットさんに 伝えることができますので。 224 00:16:47,974 --> 00:16:50,977 それも イェスマの能力か? はい。 225 00:16:50,977 --> 00:16:54,647 なるほど ルーターみたいなものか。 226 00:16:54,647 --> 00:16:56,816 でも…。 んっ? 227 00:16:56,816 --> 00:16:59,919 私が何年 頑張ったところで➡ 228 00:16:59,919 --> 00:17:02,922 ジェスさんに かなうことは なさそうですね。 229 00:17:02,922 --> 00:17:09,262 だって ジェスさんは 会って1日もしないうちに…。 230 00:17:09,262 --> 00:17:12,598 そんなことはないぞ セレスだって すてきな女性だ。 231 00:17:12,598 --> 00:17:14,767 すごく魅力的だし➡ 232 00:17:14,767 --> 00:17:18,437 俺が人間だったら 抱き締めちゃうところだ。 233 00:17:18,437 --> 00:17:21,774 豚さんは 幼い女性がお好きなんですか? 234 00:17:21,774 --> 00:17:24,944 いや 今のは失言だった 聞き流してくれ。 235 00:17:24,944 --> 00:17:28,614 フフッ… かなわないって わかってるんです。 236 00:17:28,614 --> 00:17:31,117 だって ジェスさんは似てますから。 237 00:17:31,117 --> 00:17:34,453 似てるって誰に? 238 00:17:34,453 --> 00:17:36,956 それは…。 239 00:17:36,956 --> 00:17:39,458 あっ も もしかして➡ 240 00:17:39,458 --> 00:17:42,795 あの壁にかかっていた 首輪の持ち主か? 241 00:17:42,795 --> 00:17:46,799 豚さんはとても勘がいいのですね。 242 00:17:46,799 --> 00:17:48,801 そうです。 243 00:17:48,801 --> 00:17:52,805 ノットさんは以前 あの旅籠で働いていた➡ 244 00:17:52,805 --> 00:17:55,641 イースさんという方に 恋をしていたのです。 245 00:17:55,641 --> 00:17:58,644 その思いは かないませんでしたが…。 246 00:17:58,644 --> 00:18:01,581 彼女は王都へ向かわず➡ 247 00:18:01,581 --> 00:18:04,483 バップサスの修道院で 暮らしてたんだな。 248 00:18:06,419 --> 00:18:08,588 修道院が火事になったあと➡ 249 00:18:08,588 --> 00:18:13,926 イースさんは イェスマ狩りにさらわれて 殺されてしまいました。 250 00:18:13,926 --> 00:18:16,762 そして ノットさんは イェスマ狩りを追い➡ 251 00:18:16,762 --> 00:18:19,765 イースさんの首輪を 取り戻したんです。 252 00:18:19,765 --> 00:18:25,271 もしかして その事件の前に ヘックリポンが集まるか何かしたのか? 253 00:18:25,271 --> 00:18:28,274 だから村で 不幸の兆しとして扱われ➡ 254 00:18:28,274 --> 00:18:31,444 ノットは殺意を 抱くようになったんじゃないか? 255 00:18:31,444 --> 00:18:33,946 そう… だと思います。 256 00:18:35,948 --> 00:18:38,784 セレスは イースに 会ったことはあるのか? 257 00:18:38,784 --> 00:18:41,287 いえ お写真を見ただけです。 258 00:18:41,287 --> 00:18:45,124 ノットさんは イースさんのお姿が焼きついた➡ 259 00:18:45,124 --> 00:18:47,460 ガラスのペンダントをしているんです。 260 00:18:47,460 --> 00:18:50,630 一途なんだな…。 261 00:18:50,630 --> 00:18:53,799 それに ノットさんの双剣は➡ 262 00:18:53,799 --> 00:18:57,303 柄の一部に イースさんの骨を使っています。 263 00:18:57,303 --> 00:18:59,905 ノットさんの執念が続くかぎり➡ 264 00:18:59,905 --> 00:19:04,577 双剣は炎をまとい イェスマ狩りを斬り続けるでしょう。 265 00:19:04,577 --> 00:19:07,079 あっ…。 だから➡ 266 00:19:07,079 --> 00:19:12,485 ノットさんの心に 私の入り込む 隙間なんて ないんです。 267 00:19:14,420 --> 00:19:17,256 なぁセレス。 はい。 268 00:19:17,256 --> 00:19:21,761 明日の早朝 セレスも 食堂で待っていてくれないか? 269 00:19:21,761 --> 00:19:24,096 えっ? 俺の…。 270 00:19:24,096 --> 00:19:26,766 説得の手伝いをしてほしいんだ。 271 00:19:26,766 --> 00:19:30,069 わかりました もちろんお手伝いします。 272 00:19:32,438 --> 00:19:34,440 あの…。 273 00:19:34,440 --> 00:19:36,942 豚さん 朝ですよ。 274 00:19:38,944 --> 00:19:41,614 もう そんな時間か。 275 00:19:41,614 --> 00:19:44,283 昨晩は… その…。 276 00:19:44,283 --> 00:19:46,285 失礼しました! 277 00:19:46,285 --> 00:19:49,622 何がだ? えっと…。 278 00:19:49,622 --> 00:19:54,794 私 夕飯のあと 部屋に戻って すぐ眠ってしまって。 279 00:19:54,794 --> 00:19:58,964 豚さんを放っておいてしまったと 思います。 280 00:19:58,964 --> 00:20:01,801 せっかく ご一緒してくださっているのに➡ 281 00:20:01,801 --> 00:20:04,303 ごめんなさい。 気にするな。 282 00:20:04,303 --> 00:20:07,473 疲れてたんだろ しかたのないことだ。 283 00:20:07,473 --> 00:20:10,142 やっぱり 怒ってらっしゃいますよね? 284 00:20:10,142 --> 00:20:12,645 なんで俺が 怒らなきゃいけないんだ。 285 00:20:12,645 --> 00:20:15,481 ジェスが よく眠れたなら俺は満足だ。 286 00:20:15,481 --> 00:20:20,152 体調はどうだ? どこかが痛かったりしないか? 287 00:20:20,152 --> 00:20:22,154 大丈夫そうです。 288 00:20:22,154 --> 00:20:25,658 とっても元気です。 そうか。 289 00:20:25,658 --> 00:20:29,662 じゃあ朝食を食って出発しよう。 あっ…。 290 00:20:51,016 --> 00:20:53,619 ヘッゴッグジュン! ウッ!? 291 00:20:55,688 --> 00:20:59,892 あっ… おはようございます ノットさん。 292 00:21:02,294 --> 00:21:06,132 なぁジェス ちょっと考えたんだが➡ 293 00:21:06,132 --> 00:21:09,468 なんだ… ンンッ…。 294 00:21:09,468 --> 00:21:11,470 その… 俺も➡ 295 00:21:11,470 --> 00:21:13,472 お前と…。 あの! 296 00:21:13,472 --> 00:21:17,309 ノットさん お話があるんです。 んっ? 297 00:21:17,309 --> 00:21:19,979 この豚さんは… 人間さんなんです! 298 00:21:19,979 --> 00:21:22,648 《セレスよ お前は駆け引きが下手か》 299 00:21:22,648 --> 00:21:24,650 豚がどうしたって? 300 00:21:24,650 --> 00:21:27,153 ジェスさんが連れている この豚さん➡ 301 00:21:27,153 --> 00:21:30,156 中身は人間さんなんです! 302 00:21:30,156 --> 00:21:32,358 《喋ってください 伝えます》 303 00:21:34,326 --> 00:21:37,029 あ~… おはよう。 んっ? 304 00:21:39,331 --> 00:21:43,502 今のはお前か? いかにも豚だ。 なっ!? 305 00:21:43,502 --> 00:21:46,672 怪しいな… ジャンプしてみろ。 306 00:21:46,672 --> 00:21:48,674 ああっ! 307 00:21:48,674 --> 00:21:53,012 どうだ 信じたか? お前いつから。 308 00:21:53,012 --> 00:21:56,182 昨日初めて会ったときから ずっと見てたぞ。 309 00:21:56,182 --> 00:21:59,518 ジェスに酒を飲ませ 部屋の中に入ったところもな。 310 00:21:59,518 --> 00:22:01,453 ハッ… クッ…。 311 00:22:01,453 --> 00:22:03,455 お前! あの! 312 00:22:05,457 --> 00:22:08,294 ジェスさんには もうシャビロンの方が いらっしゃるんです。 313 00:22:08,294 --> 00:22:11,964 だから…。 314 00:22:11,964 --> 00:22:14,133 だから ノット。 315 00:22:14,133 --> 00:22:19,805 シャビロンの俺から頼みがある。 んっ… なんだよ。 316 00:22:19,805 --> 00:22:23,809 俺たちと一緒に 王都まで来てくれないか? 317 00:22:23,809 --> 00:22:26,312 あっ! あっ。 えっ…。