1 00:00:06,006 --> 00:00:09,009 (ノット)お前 死ぬ覚悟はあんのか? 2 00:00:14,014 --> 00:00:17,684 王都に辿りついたイェスマが 再び外に出ることはねえ。 3 00:00:17,684 --> 00:00:21,688 それはシャビロンも同じだ。 あそこは閉ざされた秘境。 4 00:00:21,688 --> 00:00:26,026 何が起こってんのかは 誰も知らねえ。 5 00:00:26,026 --> 00:00:28,362 殺されるだけかもしれねぇんだぞ。 6 00:00:28,362 --> 00:00:31,865 それでもお前は 王都に行くってのか? 7 00:00:31,865 --> 00:00:34,568 (豚)ブヒッ。 8 00:00:36,703 --> 00:00:39,539 じゃあ これをやる。 9 00:00:39,539 --> 00:00:42,209 これは ロッシが つけているのと同じもんだ。 10 00:00:42,209 --> 00:00:44,711 フゴッ。 11 00:00:44,711 --> 00:00:48,715 水を操り 氷を作って 地面の形状を変えられる。 12 00:00:50,884 --> 00:00:52,886 フゴッ。 13 00:00:55,389 --> 00:00:57,391 水がたくさんあれば➡ 14 00:00:57,391 --> 00:01:00,494 足を取られるような 沼地を作ることも可能だ。 15 00:01:00,494 --> 00:01:03,797 使い方は感覚的だ。 道中で練習しろ。 16 00:01:05,832 --> 00:01:08,335 フゴ。 17 00:01:08,335 --> 00:01:12,506 フッ… 実を言うとな➡ 18 00:01:12,506 --> 00:01:16,677 俺は… イェスマ狩りは 殺したいくらい憎んでるが➡ 19 00:01:16,677 --> 00:01:20,013 実際に殺したことはねえんだ。 20 00:01:20,013 --> 00:01:25,686 5年前 首輪を取り返すとき 何人かと戦ったが➡ 21 00:01:25,686 --> 00:01:29,856 弱っちいのの脚を奪って 片目を潰したくらいだった。 22 00:01:29,856 --> 00:01:34,861 多勢に無勢で あとは逃げるしかなかったんだ。 23 00:01:34,861 --> 00:01:36,863 だから➡ 24 00:01:36,863 --> 00:01:40,867 次にまた イェスマ狩りとやり合ったら➡ 25 00:01:40,867 --> 00:01:45,038 お前たちを無事に逃がせるか わかんねえ。 26 00:01:45,038 --> 00:01:48,041 お前 どうせ頭はいいんだろ。 27 00:01:50,043 --> 00:01:54,047 この道具で ロッシと一緒に 俺を援護してほしい。 28 00:01:57,384 --> 00:01:59,553 何か質問や 言いたいことはあるか? 29 00:01:59,553 --> 00:02:02,489 ンゴ。 フフッ。 30 00:02:02,489 --> 00:02:12,833 ♬~ 31 00:02:12,833 --> 00:02:14,835 最悪の場合➡ 32 00:02:14,835 --> 00:02:18,038 お前を捨て駒にすることだって あるかもしれねぇ。 33 00:02:20,841 --> 00:02:22,843 そのときは判断しろ。 34 00:02:26,847 --> 00:02:28,849 お前が死ぬか➡ 35 00:02:28,849 --> 00:02:30,851 ジェスが死ぬか。 36 00:02:35,022 --> 00:02:37,024 自分で決めるんだな。 37 00:04:14,488 --> 00:04:17,157 (ノット)ここを越えると 「針の森」に入る。 38 00:04:17,157 --> 00:04:19,159 王都は その中心部だ。 39 00:04:24,831 --> 00:04:27,167 (ブレース)あっ…。 40 00:04:27,167 --> 00:04:29,503 あっ!? (ジェス)あっ…。 41 00:04:29,503 --> 00:04:31,505 大丈夫ですか!? 42 00:04:44,017 --> 00:04:46,119 気にしないでください。 43 00:05:12,312 --> 00:05:14,481 ⦅北の空にある➡ 44 00:05:14,481 --> 00:05:18,818 あの赤い星が見えるかい? (ブレース)あっ…? 45 00:05:18,818 --> 00:05:22,489 あれは願い星 「サルビーア」。 46 00:05:22,489 --> 00:05:27,160 あの星を手にすれば 願いがかなうんだってさ。 47 00:05:27,160 --> 00:05:29,496 願いが…⦆ 48 00:05:29,496 --> 00:05:44,010 ♬~ 49 00:05:51,351 --> 00:05:55,555 あれが… 王都。 あぁ。 50 00:05:59,693 --> 00:06:02,629 お前ら こんな話を知ってるか? 51 00:06:02,629 --> 00:06:06,967 ここらに生えてるキノコはな 夜になると ぼんやり光るんだ。 52 00:06:06,967 --> 00:06:09,469 それなら聞いたことがあります。 53 00:06:09,469 --> 00:06:13,139 光る原因は よくわかっていないんですよね。 54 00:06:13,139 --> 00:06:18,144 いや。 俺は現地の狩人に 教えてもらった。 あっ? 55 00:06:20,647 --> 00:06:24,484 あれは キノコに吸われた イェスマの血が光ってんだよ。 56 00:06:24,484 --> 00:06:26,486 んっ…!? 57 00:06:26,486 --> 00:06:30,790 この先に小さな村がある。 今夜は そこにある旅籠で休むぞ。 58 00:06:35,328 --> 00:06:40,500 なぁ… あの首輪 黒いぞ。 本当ですね。 59 00:06:40,500 --> 00:06:44,671 イェスマを守る者が管理をすると 首輪は輝き➡ 60 00:06:44,671 --> 00:06:50,010 悪意が近づくと首輪は黒くなる。 そんな話だったはずだが…。 61 00:06:50,010 --> 00:06:52,846 「針の森」はイェスマ狩りの温床だ。 62 00:06:52,846 --> 00:06:58,184 飢えた ならず者たちが ばっこし 多くのイェスマが命を落とす。 63 00:06:58,184 --> 00:07:00,787 この辺りには邪気が充満してんだ。 64 00:07:00,787 --> 00:07:02,789 あれくらいの黒さだったら➡ 65 00:07:02,789 --> 00:07:05,292 まだ ずいぶんと マシなほうだろう。 66 00:07:07,294 --> 00:07:12,966 お前ら2人… 3人とは おそらく明日でお別れだ。 67 00:07:12,966 --> 00:07:16,136 王都に入れば 俺とは一生 会うことがねえ。 68 00:07:16,136 --> 00:07:18,638 もちろん死んだら それっきりだ。 69 00:07:18,638 --> 00:07:22,475 俺は酒を飲む。 お前らも好きなものを頼め。 70 00:07:22,475 --> 00:07:24,577 この宿は そういう宿だ。 71 00:07:26,646 --> 00:07:28,815 《最後の晩餐か…》 72 00:07:28,815 --> 00:07:33,153 さぁ 明日に備えて…。 (ブレース)すみません。 73 00:07:33,153 --> 00:07:37,991 私 先に休ませていただきます。 74 00:07:37,991 --> 00:07:39,993 疲れてしまい➡ 75 00:07:39,993 --> 00:07:42,495 食欲もないのです…。 76 00:07:42,495 --> 00:07:44,497 あっ…。 77 00:07:48,168 --> 00:07:50,170 部屋で寝てろ。 78 00:07:50,170 --> 00:07:52,572 ロッシが近くで見張りをする。 79 00:08:04,784 --> 00:08:08,455 (ドアの開閉音) 80 00:08:08,455 --> 00:08:14,060 (ノット)フゥ… とっとと食うぞ。 はい…。 81 00:08:16,129 --> 00:08:18,631 んっ… おいしい! 82 00:08:18,631 --> 00:08:22,302 ほら豚さん このお肉は ウズラでしょうか。 83 00:08:22,302 --> 00:08:27,507 塩と香草が効いていますので ほんの少しだけですけど はい。 84 00:08:29,476 --> 00:08:33,480 ウフフ。 おいしいな 高級な焼き鳥みたいだ。 85 00:08:33,480 --> 00:08:37,150 やきとり? あぁ 俺のいた国の料理だ。 86 00:08:37,150 --> 00:08:41,054 そうですか。 豚さんのいた国にも。 87 00:08:43,156 --> 00:08:46,826 これ お部屋に持っていけたり するのでしょうか。 88 00:08:46,826 --> 00:08:50,663 んっ? 食欲がないと おっしゃっていましたが➡ 89 00:08:50,663 --> 00:08:55,835 これなら ブレースさんも。 あぁ 食べられるかもしれないな。 90 00:08:55,835 --> 00:08:57,837 フフッ。 (ジョッキを置く音) 91 00:08:57,837 --> 00:08:59,839 あっ。 んっ? 92 00:08:59,839 --> 00:09:03,777 ちょっといいか。 んっ? 93 00:09:03,777 --> 00:09:07,280 優先順位についてだ。 あっ…? 94 00:09:07,280 --> 00:09:10,617 俺は 人間だろうがイェスマだろうが➡ 95 00:09:10,617 --> 00:09:14,120 心ある者すべての命は 平等だと思ってる。 96 00:09:14,120 --> 00:09:16,289 だが➡ 97 00:09:16,289 --> 00:09:19,459 明日もし… ジェスか ブレースか➡ 98 00:09:19,459 --> 00:09:23,063 いずれか一方の命しか 助けられない状況になったら…。 99 00:09:25,131 --> 00:09:29,135 俺たちは迷わず ジェスを選ぶことにしよう。 100 00:09:32,138 --> 00:09:35,475 あっ… ノットさん…。 101 00:09:35,475 --> 00:09:38,144 何を…。 見ただろう。 102 00:09:38,144 --> 00:09:40,814 今のアイツは心を病んで➡ 103 00:09:40,814 --> 00:09:43,483 生きる気力も ほとんど感じられねえ。 104 00:09:43,483 --> 00:09:45,985 でも…。 105 00:09:45,985 --> 00:09:49,656 だがジェスは そうじゃねえ。 あっ…。 106 00:09:49,656 --> 00:09:53,993 もちろん すべての命を 守ることが最優先だ。 107 00:09:53,993 --> 00:09:56,663 だが どうしようも なくなったときは➡ 108 00:09:56,663 --> 00:10:00,366 ジェスの命を まず優先することに 決めておくんだ。 109 00:10:03,169 --> 00:10:06,506 だめです… そんなこと。 110 00:10:06,506 --> 00:10:09,342 ブレースさんが かわいそうです。 111 00:10:09,342 --> 00:10:13,680 だから…。 ジェス。 112 00:10:13,680 --> 00:10:16,015 俺は ジェスのシャビロンだ。 113 00:10:16,015 --> 00:10:19,185 んっ…。 ジェスの命を守るため➡ 114 00:10:19,185 --> 00:10:22,856 そのために俺はいる。 あっ…。 115 00:10:22,856 --> 00:10:29,362 何ができるかは わからない。 だが俺の中に すでに覚悟はある。 116 00:10:29,362 --> 00:10:32,665 豚… さん…。 117 00:10:36,703 --> 00:10:39,706 あの… ごめんなさい。 118 00:10:39,706 --> 00:10:42,375 そんなことを 言っていただいたことが➡ 119 00:10:42,375 --> 00:10:46,546 なかったものですから どうしたらいいのかが…。 120 00:10:46,546 --> 00:10:49,549 素直に喜んでくれるのが➡ 121 00:10:49,549 --> 00:10:52,552 俺としては いちばんうれしいんだけどな。 122 00:10:54,554 --> 00:10:57,157 じゃあ… 喜びます。 123 00:10:59,225 --> 00:11:01,227 フフッ…。 124 00:11:03,830 --> 00:11:09,002 でも 先ほどの ノットさんのご相談に関しては➡ 125 00:11:09,002 --> 00:11:13,506 ブレースさんがかわいそうで とても…。 126 00:11:19,679 --> 00:11:23,016 俺には夢があったんだ。 えっ。 127 00:11:23,016 --> 00:11:26,686 シャビロンとして あるヤツと一緒に王都に行き➡ 128 00:11:26,686 --> 00:11:29,689 死ぬまで 一緒にいてやるという夢だ。 129 00:11:33,026 --> 00:11:38,031 ソイツの骨が この双剣に使われている。 130 00:11:38,031 --> 00:11:42,035 バカらしいと思うなら バカにしろ。 131 00:11:42,035 --> 00:11:44,037 でもな…。 132 00:11:44,037 --> 00:11:49,709 お前はソイツに よく似てんだ。 あっ…。 133 00:11:49,709 --> 00:11:53,713 俺はせめて お前を王都まで 送り届けてやりてぇ。 134 00:11:53,713 --> 00:11:57,050 生きたくても生きられなかった アイツの分まで➡ 135 00:11:57,050 --> 00:12:03,156 お前には 生きてほしいんだよ。 あっ…。 136 00:12:03,156 --> 00:12:06,859 ありがとうございます ノットさん。 137 00:12:11,831 --> 00:12:15,668 ハンッ… もちろん俺も生きて帰る。 138 00:12:15,668 --> 00:12:19,339 セレスを泣かせたくはねえからな。 139 00:12:19,339 --> 00:12:24,344 はい 全員生きて この旅を終えましょう。 140 00:12:30,850 --> 00:12:34,520 ⦅バット:いっつもここで 何してんだ姉ちゃん。 141 00:12:34,520 --> 00:12:37,857 お祈りをしているのです➡ 142 00:12:37,857 --> 00:12:40,526 「願い星」に。 へぇ…。 143 00:12:40,526 --> 00:12:45,031 でもオイラ あの星 嫌いだな。 そうなのですか? 144 00:12:45,031 --> 00:12:48,534 欲しい物を言ったとこで 何にもかなえちゃくれねえ。 145 00:12:48,534 --> 00:12:52,205 それに星を手にするなんて できっこないだろ。 146 00:12:52,205 --> 00:12:57,710 だからお祈りするのですよ。 んっ? 147 00:12:57,710 --> 00:13:03,650 かなうはずがないと思うから 希望がないから祈るのですよ。 148 00:13:03,650 --> 00:13:10,356 手が届く星に祈る人はいません。 手が届かないから祈るのです。 149 00:13:12,325 --> 00:13:14,494 それに祈っているときならば➡ 150 00:13:14,494 --> 00:13:19,098 すべて忘れて 願いに集中できるのです。 151 00:13:25,672 --> 00:13:30,176 あなた 16になるんですって? はい。 152 00:13:30,176 --> 00:13:32,512 ここを出て王都に向かいます。 153 00:13:32,512 --> 00:13:37,183 そう… あのね うわさで聞いたんだけど➡ 154 00:13:37,183 --> 00:13:40,019 王都には不思議な話が あるんですって。 155 00:13:40,019 --> 00:13:48,695 ♬~ 156 00:13:48,695 --> 00:13:51,364 行くのか? えぇ。 157 00:13:51,364 --> 00:13:54,367 もう… 会えなくなるんだな。 158 00:13:54,367 --> 00:13:58,705 最後に一つだけ。 あっ? 159 00:13:58,705 --> 00:14:01,641 どうしていいか わからなくなったときは➡ 160 00:14:01,641 --> 00:14:06,312 道しるべになる星を探すのですよ。 161 00:14:06,312 --> 00:14:11,818 サルビーアは ずっと北の空に あるからこそ願い星なのです。 162 00:14:11,818 --> 00:14:16,989 道に迷ったときは 願い星が方向を教えてくれます。 163 00:14:16,989 --> 00:14:21,494 同じように どうやって生きるか わからなくなったときは➡ 164 00:14:21,494 --> 00:14:25,331 あなたにとっての願い星を 探すのですよ。 165 00:14:25,331 --> 00:14:28,835 へぇ… そうなんだ⦆ 166 00:14:28,835 --> 00:14:38,010 ♬~ 167 00:14:38,010 --> 00:14:43,516 《希望は とうにありません。 前から わかっていたのです》 168 00:14:46,352 --> 00:14:52,024 《私の旅は 常に願い星に 背を向けて歩くものでした》 169 00:14:52,024 --> 00:15:03,970 ♬~ 170 00:15:03,970 --> 00:15:06,305 《そう…。 171 00:15:06,305 --> 00:15:11,811 最初から こうなることは わかっていたのです。 172 00:15:11,811 --> 00:15:14,814 繰り返し 繰り返し➡ 173 00:15:14,814 --> 00:15:17,650 ひどいことをされました。 174 00:15:17,650 --> 00:15:22,655 その間も 繰り返し繰り返し 祈りました》 175 00:15:27,660 --> 00:15:30,496 《ミュニレスに連れてこられてからも➡ 176 00:15:30,496 --> 00:15:36,669 牢にいる間は星が見えません。 ですが私は祈りました。 177 00:15:36,669 --> 00:15:39,505 助けが来ないことは 知っていました。 178 00:15:39,505 --> 00:15:42,675 ただただ 不安に飲み込まれないよう➡ 179 00:15:42,675 --> 00:15:47,680 絶望に潰されないよう 祈り続けていたのです》 180 00:15:50,516 --> 00:15:54,854 《そんな私の前に 皆さんが現れたのです。 181 00:15:54,854 --> 00:16:00,793 ノットさんは 檻を開けて 私を抱き締めてくださいました。 182 00:16:00,793 --> 00:16:09,302 あんなに強く抱き締められたのは 初めてのことでした。 183 00:16:09,302 --> 00:16:14,807 私には… 希望を抱き続ける力が もうありません。 184 00:16:14,807 --> 00:16:18,477 でも…。 185 00:16:18,477 --> 00:16:21,581 あの人たちならば…》 186 00:16:25,485 --> 00:16:31,157 《ブレース:お豚さん お豚さん 起きてくださいませんか》 187 00:16:31,157 --> 00:16:33,359 フゴ…。 188 00:16:35,661 --> 00:16:39,665 どうした? 《お話があります》 189 00:16:45,171 --> 00:16:50,009 《すみません お休みのところ》 いや大丈夫だ。 190 00:16:50,009 --> 00:16:52,511 このパターンには慣れている。 191 00:16:52,511 --> 00:16:57,183 話とは何だ? 何でも言ってくれ。 192 00:16:57,183 --> 00:16:59,519 あっ… ど どうした!? 193 00:16:59,519 --> 00:17:04,957 《ご無礼をお許しください。 ですが少し寒いものですから》 194 00:17:04,957 --> 00:17:07,460 そうか… わかった。 195 00:17:07,460 --> 00:17:12,965 《お豚さんは 他の世界から いらっしゃったのですね》 196 00:17:12,965 --> 00:17:18,304 まぁ そうだな… こことは全然違う世界から来た。 197 00:17:18,304 --> 00:17:20,306 《よろしければ➡ 198 00:17:20,306 --> 00:17:23,309 その世界のお話を 聞かせてくださいませんか》 199 00:17:23,309 --> 00:17:28,981 なんだ そんなことか。 わかった。 例えば どんな話を聞きたい? 200 00:17:28,981 --> 00:17:31,817 《お豚さんの世界では➡ 201 00:17:31,817 --> 00:17:35,988 胸の小さな女性が好まれる というのは本当ですか?》 202 00:17:35,988 --> 00:17:39,325 んっ!? すまん 俺はその…。 203 00:17:39,325 --> 00:17:43,329 確かに小さいほうが好きだが 別に…。 204 00:17:43,329 --> 00:17:46,332 《きっと 胸が大きいせいで➡ 205 00:17:46,332 --> 00:17:49,535 男の方を惑わせてしまうことも ないのでしょうね》 206 00:17:53,339 --> 00:17:56,175 あぁ そうだな ないな。 207 00:17:56,175 --> 00:17:58,844 お前なんて たぶん ほとんど見向きもされない。 208 00:17:58,844 --> 00:18:03,783 《そうですか。 そんな世界があるのですね。 209 00:18:03,783 --> 00:18:06,619 明日 私が死んだとき…》 んっ? 210 00:18:06,619 --> 00:18:09,121 《そちらの世界へ 生まれ変われたなら➡ 211 00:18:09,121 --> 00:18:12,625 どんなにいいことでしょう》 縁起でもないことを言うな。 212 00:18:12,625 --> 00:18:15,461 希望は捨てるものじゃないぞ。 213 00:18:15,461 --> 00:18:19,966 《私がお仕えしていたのは 墓守のおうちです。 214 00:18:19,966 --> 00:18:22,134 星々の向こうに➡ 215 00:18:22,134 --> 00:18:27,974 別の世界があるのではないかと そう考えることがありました。 216 00:18:27,974 --> 00:18:32,144 だから 星の向こうから いらっしゃったお豚さんに➡ 217 00:18:32,144 --> 00:18:35,848 私の最後の祈りを 聞いていただきたいのです》 218 00:18:38,818 --> 00:18:42,989 んっ…。 《ご覧になってください》 219 00:18:42,989 --> 00:18:45,658 んっ…!? それは…。 220 00:18:45,658 --> 00:18:47,660 《あの聖堂の地下で➡ 221 00:18:47,660 --> 00:18:51,664 内臓を… 抜かれました》 222 00:18:51,664 --> 00:18:53,666 えっ…。 223 00:18:53,666 --> 00:18:56,669 《皆さんが 助けてくださったときには➡ 224 00:18:56,669 --> 00:18:59,171 すでに手遅れだったのです》 225 00:18:59,171 --> 00:19:02,608 んっ… んんっ…。 226 00:19:02,608 --> 00:19:05,611 あっ… ノットとジェスに相談しよう! 227 00:19:05,611 --> 00:19:08,280 何か治す方法があるかもしれない。 228 00:19:08,280 --> 00:19:11,450 《お伝えしないように お願いします。 229 00:19:11,450 --> 00:19:14,954 ノットさんは とてもお優しい方ですから➡ 230 00:19:14,954 --> 00:19:17,623 私の命を助けようとして➡ 231 00:19:17,623 --> 00:19:19,959 危険を 冒してしまうことでしょう》 232 00:19:19,959 --> 00:19:23,796 しかし黒のリスタで…。 《黒のリスタを使った治療には➡ 233 00:19:23,796 --> 00:19:26,966 相手への思いが強く関わります。 234 00:19:26,966 --> 00:19:30,136 私を治すことは できないでしょう》 ウッ…! 235 00:19:30,136 --> 00:19:34,140 《私は王都に 辿りつかなくてもいいのです。 236 00:19:34,140 --> 00:19:37,977 あなたとジェスさんに この命を捧げます》 237 00:19:37,977 --> 00:19:40,980 ハァッ… 何を…。 238 00:19:40,980 --> 00:19:44,283 《死は救いです》 ハッ! 239 00:19:46,986 --> 00:19:50,990 《イェスマに生まれてしまった私が➡ 240 00:19:50,990 --> 00:19:54,994 この体で 顔で 声で➡ 241 00:19:54,994 --> 00:19:58,831 皆さんを惑わせてしまった 私が悪かったのです》 242 00:19:58,831 --> 00:20:00,833 そんなことはない。 243 00:20:00,833 --> 00:20:04,336 身勝手にイェスマを搾取するヤツらが 悪いに決まってるだろ。 244 00:20:07,506 --> 00:20:09,675 《お豚さんの世界では➡ 245 00:20:09,675 --> 00:20:13,012 そのように考えるのですね》 当然だ。 246 00:20:13,012 --> 00:20:17,683 《私が死んだら お豚さんの世界へ 連れていってください。 247 00:20:17,683 --> 00:20:21,887 これが私の最後の願いです》 248 00:20:24,356 --> 00:20:27,526 俺は祈らずとも こっちに来たんだ。 249 00:20:27,526 --> 00:20:31,363 ずっと祈っていた お前が あっちに行けない道理はない。 250 00:20:31,363 --> 00:20:33,365 ブレースは絶対に➡ 251 00:20:33,365 --> 00:20:38,871 俺がいた世界へ転生できるはずだ。 《ありがとうございます》 252 00:20:38,871 --> 00:20:41,207 フフッ…。 253 00:20:41,207 --> 00:20:47,546 ♬~ 254 00:20:47,546 --> 00:20:49,548 そろそろ戻ろう。 255 00:20:49,548 --> 00:20:54,887 あまり長い間 部屋から離れているのも危険だ。 256 00:20:54,887 --> 00:20:58,390 《お待ちください もう一つだけ》 257 00:21:00,326 --> 00:21:02,661 《墓守のお仕事をしている間➡ 258 00:21:02,661 --> 00:21:05,664 不思議な話を 耳にしたことがあります》 259 00:21:05,664 --> 00:21:08,367 不思議な話? 260 00:21:10,336 --> 00:21:14,340 《王都には入り口が ないそうです》 はっ? 261 00:21:14,340 --> 00:21:19,011 《だから すべてのイェスマは 「針の森」で死ぬのだと》 262 00:21:19,011 --> 00:21:21,347 ど… どういうことだ!? 263 00:21:21,347 --> 00:21:24,517 それじゃ俺たちは 何のために危険を冒して…。 264 00:21:24,517 --> 00:21:26,852 《入る方法はあるようです。 265 00:21:26,852 --> 00:21:32,358 王都に入ったイェスマが 外に現れたことはないのですが。 266 00:21:32,358 --> 00:21:36,362 それでもいつからか 王都への入り方について➡ 267 00:21:36,362 --> 00:21:39,698 こんなうわさが 流れるようになったといいます》 268 00:21:39,698 --> 00:21:43,202 何だ? 《王に訴えよ》 269 00:21:47,706 --> 00:21:51,710 それだけか? 《はい。 270 00:21:51,710 --> 00:21:57,883 イェスマが王都に入る方法は一つ 「王に訴える」ことだと》 271 00:21:57,883 --> 00:22:00,820 王都に向かって 叫べということか? 272 00:22:00,820 --> 00:22:07,326 《わかりません… しかし 少しでも助けになればと》 273 00:22:07,326 --> 00:22:09,328 んっ…? 274 00:22:09,328 --> 00:22:13,132 どうか… どうかお願いです。 275 00:22:16,001 --> 00:22:18,337 あなた方は絶対に➡ 276 00:22:18,337 --> 00:22:20,339 生きて…。 277 00:22:20,339 --> 00:22:22,541 幸せになってください。