1 00:00:06,006 --> 00:00:08,675 ⦅ジェス:お願いします。 2 00:00:08,675 --> 00:00:13,514 私には とても一人で 王都を目指すことなどできません。 3 00:00:13,514 --> 00:00:17,851 寂しくて 恐ろしくて… だから➡ 4 00:00:17,851 --> 00:00:20,687 どうか お願いします。 5 00:00:20,687 --> 00:00:23,190 私と一緒に旅に出て➡ 6 00:00:23,190 --> 00:00:27,194 助けてくれる方を お連れください。 7 00:00:31,365 --> 00:00:34,167 どうか… どうか…。 8 00:00:38,372 --> 00:00:40,674 あっ…?⦆ 9 00:00:55,222 --> 00:00:57,224 (豚)そうだったのか。 10 00:00:57,224 --> 00:00:59,393 ⦅イーヴィス:その若者の意識は➡ 11 00:00:59,393 --> 00:01:01,828 世界の狭間を さまよっておる間に➡ 12 00:01:01,828 --> 00:01:04,665 強力な魔法によって 引き寄せられ➡ 13 00:01:04,665 --> 00:01:09,503 この世界におる 1匹の豚に宿ってしまったのだ⦆ 14 00:01:09,503 --> 00:01:14,308 魔法の正体は… ジェスの祈り。 15 00:01:16,343 --> 00:01:19,513 私が祈ったせいで 豚さんをここに…。 16 00:01:19,513 --> 00:01:22,516 メステリアに 連れてきてしまったんです。 17 00:01:25,519 --> 00:01:28,188 本当に… ごめんなさい。 18 00:01:28,188 --> 00:01:31,525 あっ…。 あのとき…。 19 00:01:31,525 --> 00:01:36,029 ⦅実は私 しばらくの間 おいとまをいただいて➡ 20 00:01:36,029 --> 00:01:39,700 王都へ行く予定なんです。 王都に? 21 00:01:39,700 --> 00:01:44,204 はい。 キルトリン家の小間使いとして 仕事の一環で。 22 00:01:44,204 --> 00:01:47,541 豚を連れていったりして 王様に失礼にならないか? 23 00:01:47,541 --> 00:01:50,210 王様は寛大な方だと聞きます。 24 00:01:50,210 --> 00:01:54,214 事情を知れば きっと 力になってくださるはずですよ。 25 00:01:54,214 --> 00:01:58,218 あっ… それなら ぜひ連れていってくれ!⦆ 26 00:01:58,218 --> 00:02:00,654 豚さんは人間に戻るため➡ 27 00:02:00,654 --> 00:02:05,158 私と共に王都へ行くしか なかったでしょう? 28 00:02:05,158 --> 00:02:09,830 私は賢くありませんから 星に願っているときに➡ 29 00:02:09,830 --> 00:02:12,499 そこまで 考えていたわけではありません。 30 00:02:12,499 --> 00:02:15,669 でも豚さんと 一緒に過ごすうちに…。 31 00:02:15,669 --> 00:02:17,671 ⦅私が殺されたら➡ 32 00:02:17,671 --> 00:02:21,008 豚さんは人間に戻れなくなって しまうかもしれません。 33 00:02:21,008 --> 00:02:24,845 俺の心配をしてる場合じゃ ないだろう! あっ…⦆ 34 00:02:24,845 --> 00:02:29,349 気付いたんです。 もし豚さんが人間だったら➡ 35 00:02:29,349 --> 00:02:34,688 豚さんには 私と同行しない という選択肢もありました。 36 00:02:34,688 --> 00:02:36,890 でも そうじゃなかった…。 37 00:02:45,032 --> 00:02:47,367 あなたが人間でなくて➡ 38 00:02:47,367 --> 00:02:50,871 豚さんの姿に なってしまったのは➡ 39 00:02:50,871 --> 00:02:57,377 私の自分勝手な願いが そうさせたからなんです。 40 00:02:57,377 --> 00:03:00,981 ⦅まぁ大変 豚さんじゃないんですね。 41 00:03:00,981 --> 00:03:03,650 手は尽くしたのですが➡ 42 00:03:03,650 --> 00:03:07,320 あなたを人の姿に戻すことは かないませんでした。 43 00:03:07,320 --> 00:03:12,159 ごめんなさい。 すべて私が 勝手にやってしまったことです。 44 00:03:12,159 --> 00:03:14,661 それに豚さんを 巻き込んでしまい…。 45 00:03:18,498 --> 00:03:21,001 面倒だなんて そんな…。 46 00:03:21,001 --> 00:03:23,804 はい… すみません。 47 00:03:26,339 --> 00:03:28,675 ごめんなさい。 私➡ 48 00:03:28,675 --> 00:03:31,344 実はもう お屋敷には戻らないんです。 49 00:03:31,344 --> 00:03:35,682 そんな! 私と一緒に 王都に行くんじゃないんですか!? 50 00:03:35,682 --> 00:03:40,020 違うんです! 本当は そういうことじゃないんです! 51 00:03:40,020 --> 00:03:44,691 お願いです 私を一人にしないで。 52 00:03:44,691 --> 00:03:46,693 いいんです。 53 00:03:48,695 --> 00:03:53,533 私がやりたくて やったことですから。 54 00:03:53,533 --> 00:03:58,038 じゃあ 豚さんに 隠し事はできませんね。 55 00:03:58,038 --> 00:04:01,975 どういうわけか 豚になってしまったようで。 56 00:04:01,975 --> 00:04:04,978 王都に着いたら 魔法使いの方に➡ 57 00:04:04,978 --> 00:04:07,147 戻してもらおうと 思っているんです⦆ 58 00:04:07,147 --> 00:04:12,319 私はそれに気付いてからも ずっと黙っていました。 59 00:04:12,319 --> 00:04:15,322 ⦅私はもう十分 ワガママです。 60 00:04:17,824 --> 00:04:21,495 豚さんに死んでほしくないという ワガママです。 61 00:04:21,495 --> 00:04:25,999 私… 明日…。 62 00:04:25,999 --> 00:04:28,668 どのようなことになろうとも➡ 63 00:04:28,668 --> 00:04:34,341 私は豚さんと旅ができて 幸せでした。 64 00:04:34,341 --> 00:04:37,344 豚さん…⦆ 65 00:04:37,344 --> 00:04:40,347 豚さんを騙していたんです。 66 00:04:43,850 --> 00:04:45,852 そんなこと…。 67 00:04:45,852 --> 00:04:49,523 (泣き声) 68 00:04:49,523 --> 00:04:53,527 ごめんなさい… 豚さんは私のせいで➡ 69 00:04:53,527 --> 00:04:56,029 こんなひどい目に遭ってしまって。 70 00:05:00,300 --> 00:05:03,303 いいんじゃないか ワガママでも。 71 00:05:03,303 --> 00:05:08,475 星に祈る自由は誰にだってある。 あっ。 72 00:05:08,475 --> 00:05:12,479 それに 俺だって ジェスと出会えて よかったと思ってるぞ。 73 00:05:12,479 --> 00:05:18,151 本当ですか? んっ 当たり前じゃないか。 74 00:05:18,151 --> 00:05:21,154 ジェスに出会えて 本当によかった。 75 00:05:24,157 --> 00:05:26,159 んっ? 76 00:05:28,829 --> 00:05:32,666 もう一つだけ 私の願いを聞いてくれますか? 77 00:05:32,666 --> 00:05:34,668 あぁ。 78 00:05:36,837 --> 00:05:39,172 行ってほしくないです。 あっ…。 79 00:05:39,172 --> 00:05:42,342 元の世界に戻らないでください。 80 00:05:42,342 --> 00:05:45,011 悪いが それはできない。 81 00:05:45,011 --> 00:05:49,182 どうしてですか! 王との約束だ。 82 00:05:49,182 --> 00:05:51,585 豚さんは それでいいんですか? 83 00:05:54,187 --> 00:05:56,690 決めたことだ。 84 00:05:56,690 --> 00:05:58,692 聞いただろ。 85 00:05:58,692 --> 00:06:03,463 俺がいなくなれば お前は王の一族になるんだ。 86 00:06:03,463 --> 00:06:06,299 王都に辿りついた イェスマたちの中でも➡ 87 00:06:06,299 --> 00:06:09,469 群を抜いて恵まれた 幸せな未来が待っている。 88 00:06:09,469 --> 00:06:12,472 そして俺だって元の世界に帰れる。 89 00:06:12,472 --> 00:06:15,475 このうえない ハッピーエンドじゃないか。 90 00:06:15,475 --> 00:06:19,813 でも私は嫌です。 ジェス…。 91 00:06:19,813 --> 00:06:22,983 どうしてそうやって 俺を困らせる? 92 00:06:22,983 --> 00:06:25,151 ジェスは知らないだろうが➡ 93 00:06:25,151 --> 00:06:27,988 俺にだって 向こうの生活があったんだ。 94 00:06:27,988 --> 00:06:32,158 頑張って勉強して 大学というところに合格して➡ 95 00:06:32,158 --> 00:06:34,828 いろいろと 学び始めた時期だったし➡ 96 00:06:34,828 --> 00:06:37,163 楽しい友達もいた。 97 00:06:37,163 --> 00:06:40,166 超絶かわいい彼女だっていたんだ。 98 00:06:40,166 --> 00:06:43,003 彼女いない歴イコール年齢の➡ 99 00:06:43,003 --> 00:06:47,674 眼鏡ヒョロガリクソ童貞さんだって 言っていたじゃないですか。 100 00:06:47,674 --> 00:06:50,076 ウソをつかないでください。 101 00:06:53,680 --> 00:06:57,350 そうだ ちゃっかりウソをついた。 102 00:06:57,350 --> 00:06:59,686 だがお前は そんなクソ童貞と➡ 103 00:06:59,686 --> 00:07:02,455 一緒にいたいのか? いたいです。 104 00:07:02,455 --> 00:07:07,260 豚さんを人間にする方法だって 探せば きっと他にもあります。 105 00:07:10,463 --> 00:07:13,466 俺が この世界に 残ろうとしたって➡ 106 00:07:13,466 --> 00:07:17,304 王の機嫌を損ねて 結果は変わらないのがオチだろう。 107 00:07:17,304 --> 00:07:19,806 それに俺が 人間に戻ったところで➡ 108 00:07:19,806 --> 00:07:21,975 冴えない ヒョロガリ眼鏡なんだ。 109 00:07:21,975 --> 00:07:24,811 ノットやシュラヴィスのほうが ずっと男前だ。 110 00:07:24,811 --> 00:07:29,316 きっと がっかりするぞ。 がっかりなんて 絶対にしません。 111 00:07:29,316 --> 00:07:32,485 どうして最後に そうワガママになるんだよ。 112 00:07:32,485 --> 00:07:35,322 もっとワガママになっていいと 教えてくれたのは➡ 113 00:07:35,322 --> 00:07:37,324 豚さんじゃないですか! 114 00:07:37,324 --> 00:07:41,027 私は嫌です! 豚さんと離れたくありません! 115 00:07:43,997 --> 00:07:46,166 あっ。 116 00:07:46,166 --> 00:07:54,841 《そうか 首輪がないから これが… ジェスの本当の気持ち》 117 00:07:54,841 --> 00:07:57,677 そんなこと 頼むから言わないでくれよ。 118 00:07:57,677 --> 00:08:00,780 俺だって…。 豚さんだって 何ですか。 119 00:08:00,780 --> 00:08:02,782 あっ。 120 00:08:06,786 --> 00:08:08,788 なんでもない。 121 00:08:10,790 --> 00:08:14,461 聞いてくれ。 俺は ここにいるべきじゃないんだ。 122 00:08:14,461 --> 00:08:17,464 俺は ジェスの人生の 邪魔にしかならない。 123 00:08:17,464 --> 00:08:19,466 そんなことはありません。 124 00:08:19,466 --> 00:08:23,470 豚さんは いつだって 私を助けてくれました。 125 00:08:23,470 --> 00:08:27,140 これからだって きっとそうです。 助けてきたのは当然だ。 126 00:08:27,140 --> 00:08:31,144 ジェスは優しくて でも 恵まれず弱かった。 127 00:08:31,144 --> 00:08:33,146 俺のいた世界ではな➡ 128 00:08:33,146 --> 00:08:35,982 そんなヤツを見捨てることなんて ありえないんだ。 129 00:08:35,982 --> 00:08:38,818 だが これからのお前は違う。 130 00:08:38,818 --> 00:08:41,821 お前は魔法使いになり 王家に入り➡ 131 00:08:41,821 --> 00:08:46,993 自分の力で生きていけるんだ。 嫌です。 132 00:08:46,993 --> 00:08:51,831 お前はな 親身になって 助けてくれる人に初めて会って➡ 133 00:08:51,831 --> 00:08:54,501 それに すがっているだけだ。 134 00:08:54,501 --> 00:08:58,338 そして俺は お前が俺を 必要としているということに➡ 135 00:08:58,338 --> 00:09:01,775 甘えていただけだ。 違います。 136 00:09:01,775 --> 00:09:06,279 違います! 豚さんがいないと私は…。 137 00:09:06,279 --> 00:09:09,616 (泣き声) 138 00:09:09,616 --> 00:09:11,618 俺の最後の願いだ。 (泣き声) 139 00:09:11,618 --> 00:09:15,288 聞いてくれ ジェス。 (泣き声) 140 00:09:15,288 --> 00:09:18,958 王の誘いは やっとのことで つかんだチャンスなんだ。 141 00:09:18,958 --> 00:09:21,061 それを無駄にしないでほしい。 142 00:09:23,129 --> 00:09:27,033 これからは 自分の力で幸せになってくれ。 143 00:09:30,303 --> 00:09:34,808 それが… 豚さんの 本当の望みなのですか? 144 00:09:34,808 --> 00:09:37,010 そうだ。 145 00:09:43,983 --> 00:09:47,153 わかりました。 146 00:09:47,153 --> 00:09:51,858 今度は私が 豚さんの願いを かなえる番ですね。 147 00:10:00,166 --> 00:10:04,170 とても穏やかな所ですね。 あぁ。 148 00:10:07,674 --> 00:10:10,510 日没までには まだ時間があるな。 149 00:10:10,510 --> 00:10:14,514 あっ? 豚さん。 150 00:10:14,514 --> 00:10:19,185 どこに行きたいですか? どこ と言われても…。 151 00:10:19,185 --> 00:10:21,187 でしたら…。 んっ? 152 00:10:24,858 --> 00:10:27,160 フフッ… あっち。 153 00:10:29,362 --> 00:10:33,533 こんなふうに 自由気ままに 決めてみるのはいかがでしょう? 154 00:10:33,533 --> 00:10:36,035 いいな 賛成だ。 155 00:10:36,035 --> 00:11:59,385 ♬~ 156 00:11:59,385 --> 00:12:01,387 あっ…。 157 00:12:04,324 --> 00:12:07,160 あっ豚さん。 158 00:12:07,160 --> 00:12:09,829 どうした? あの店に入りましょう。 159 00:12:09,829 --> 00:12:12,332 んっ? 何をする所なんだ? 160 00:12:12,332 --> 00:12:14,667 証しが欲しいんです。 161 00:12:14,667 --> 00:12:18,171 私たちが一緒にいた証しが。 ンゴ? 162 00:12:18,171 --> 00:12:20,506 (シャッター音) 163 00:12:20,506 --> 00:12:23,843 見てください! よく写っています。 164 00:12:23,843 --> 00:12:26,512 豚さんが とってもかわいらしいです。 165 00:12:26,512 --> 00:12:32,352 ジェスのほうが よっぽどかわいいぞ。 私は… 別に…。 166 00:12:32,352 --> 00:12:35,855 《少女と豚… こうして客観的に見ると➡ 167 00:12:35,855 --> 00:12:37,857 なんとも奇妙な絵面だ》 168 00:12:37,857 --> 00:12:44,197 豚さんに選んでいただいたスカーフも 一緒に写った このペンダントも➡ 169 00:12:44,197 --> 00:12:50,103 私 一生の宝物にしますね。 そ そうか…。 170 00:12:54,707 --> 00:12:58,044 《あぁ… こんな経験は➡ 171 00:12:58,044 --> 00:13:01,314 冴えない俺の人生で 一度きりに違いない。 172 00:13:01,314 --> 00:13:04,817 好きな人とデートをして 写真を撮って➡ 173 00:13:04,817 --> 00:13:07,654 おまけに 「一生の宝物」だなんて》 174 00:13:07,654 --> 00:13:09,656 あの…。 んっ。 175 00:13:09,656 --> 00:13:13,326 すまんジェス 違うんだ 今のは…。 何が違うんですか。 176 00:13:13,326 --> 00:13:15,828 悪い 忘れてくれ。 177 00:13:15,828 --> 00:13:18,998 こんなこと俺は…。 私の…。 178 00:13:18,998 --> 00:13:23,503 私の好きなものも お教えしますね。 んっ…? 179 00:13:23,503 --> 00:13:26,839 私も… 豚さんのことが➡ 180 00:13:26,839 --> 00:13:29,142 大好きです。 181 00:13:34,180 --> 00:13:37,517 ウッ…。 182 00:13:37,517 --> 00:13:48,027 ♬~ 183 00:13:48,027 --> 00:13:51,197 (マーサ)拭き終わったら こっち手伝ってくれるかい➡ 184 00:13:51,197 --> 00:13:53,533 セレス。 (セレス)はい。 185 00:13:53,533 --> 00:14:07,146 ♬~ 186 00:14:07,146 --> 00:14:09,649 (ノット)フゥ…。 187 00:14:18,324 --> 00:14:21,327 (ノット)豚の野郎 うまくやってるだろうな…。 188 00:14:25,998 --> 00:14:30,503 (イーヴィス)正直で勇敢な若者よ よくぞ来てくれた。 189 00:14:32,505 --> 00:14:36,342 豚の最期は速やかで安らかだ。 190 00:14:36,342 --> 00:14:40,346 そなたの魂は すぐに元の世界へ戻る。 191 00:14:40,346 --> 00:14:42,849 私の魔法で手を下す。 192 00:14:42,849 --> 00:14:47,019 痛みは まったくない。 ありがとうございます。 193 00:14:47,019 --> 00:14:51,524 簡単な旅行だと思うとよいだろう。 はい。 194 00:14:55,862 --> 00:15:00,633 最期の瞬間 一緒にいることはできますか? 195 00:15:00,633 --> 00:15:04,804 もちろんだ ジェスよ。 近くにいてやりなさい。 196 00:15:04,804 --> 00:15:09,809 豚さんは 私の初めてのお友達でした。 197 00:15:09,809 --> 00:15:12,011 あっ…。 198 00:15:14,313 --> 00:15:18,651 これからもずっと 豚さんのことは忘れません。 199 00:15:18,651 --> 00:15:22,822 わかってる。 俺だって ジェスのことは一生忘れない。 200 00:15:22,822 --> 00:15:25,825 本当ですね? 本当だ。 201 00:15:25,825 --> 00:15:27,827 忘れるはずがない。 202 00:15:27,827 --> 00:15:37,003 (泣き声) 203 00:15:37,003 --> 00:15:49,849 ♬~ 204 00:15:49,849 --> 00:15:53,352 幸せになれよ。 はい。 205 00:15:55,354 --> 00:15:58,858 お別れだジェス… 達者でな。 206 00:15:58,858 --> 00:16:02,128 豚さんもどうか お元気で。 207 00:16:02,128 --> 00:16:11,137 (鐘の音) 208 00:16:11,137 --> 00:16:24,984 ♬~ 209 00:16:24,984 --> 00:16:27,587 さようなら。 210 00:16:34,327 --> 00:16:39,131 (救急車のサイレン) 211 00:16:47,340 --> 00:16:49,342 (スライドドアの開く音) 212 00:16:49,342 --> 00:16:53,346 いつまで寝てんの もう 食中毒とかまったく…。 213 00:16:53,346 --> 00:16:55,348 このあと検査だって。 214 00:16:55,348 --> 00:16:58,851 何にもなかったら そのまま退院していいらしいから。 215 00:16:58,851 --> 00:17:00,786 お母さんは先 帰ってるね。 216 00:17:00,786 --> 00:17:02,788 (スライドドアの閉まる音) 217 00:17:17,970 --> 00:17:21,641 《あぁ… 帰ってきてしまった。 218 00:17:21,641 --> 00:17:25,311 俺の人生の どんな期間を切り取っても➡ 219 00:17:25,311 --> 00:17:29,315 ここ数日で俺が 感じてきたものを超える経験は➡ 220 00:17:29,315 --> 00:17:31,651 存在しえないだろう。 221 00:17:31,651 --> 00:17:36,355 ただ 喪失感だけが胸に残る》 222 00:17:42,328 --> 00:17:45,998 《その後の俺はというと 入院のせいで➡ 223 00:17:45,998 --> 00:17:50,169 必要な試験を受けることができず 留年が確定。 224 00:17:50,169 --> 00:17:53,172 リアルな日々に忙殺されている間に➡ 225 00:17:53,172 --> 00:17:56,842 「やっぱり あれは夢だったんだな」と➡ 226 00:17:56,842 --> 00:17:59,345 自己完結するようになっていた。 227 00:17:59,345 --> 00:18:03,616 そんな中 せめてもの供養ということで➡ 228 00:18:03,616 --> 00:18:07,954 メステリアでの俺の冒険譚を ウェブ小説にしてアップした。 229 00:18:07,954 --> 00:18:10,289 ジェスたそとの ブヒブヒな日々を➡ 230 00:18:10,289 --> 00:18:13,793 格調高い端麗な文体で綴った その作品は➡ 231 00:18:13,793 --> 00:18:16,295 そこそこの人たちに 読んでもらえて➡ 232 00:18:16,295 --> 00:18:18,297 少しは評価を得た。 233 00:18:18,297 --> 00:18:23,135 まぁともかく 最後に 俺が伝えたいことは一つだ。 234 00:18:23,135 --> 00:18:25,805 豚のレバーは加熱しろ。 235 00:18:25,805 --> 00:18:29,475 痛い思いをするし 入院沙汰になるし➡ 236 00:18:29,475 --> 00:18:33,145 おかしな夢を見て 人生を狂わせてしまう。 237 00:18:33,145 --> 00:18:37,149 いいな諸君 何度も言うが フリじゃないからな。 238 00:18:37,149 --> 00:18:41,654 今でも腹がちぎれるような 感覚を味わうことがあるんだ。 239 00:18:41,654 --> 00:18:46,492 実在するかもわからない 二度と会えない少女を思って➡ 240 00:18:46,492 --> 00:18:49,495 涙が止まらなくなることが あるんだ。 241 00:18:49,495 --> 00:18:54,500 そんな思いをしたくなければ… 豚のレバーは加熱しろ。 242 00:18:54,500 --> 00:18:57,169 お兄さんとの約束だ》 243 00:18:57,169 --> 00:19:14,954 ♬~ 244 00:19:14,954 --> 00:19:17,556 なんでわざわざDMで…。 245 00:19:25,297 --> 00:19:28,134 えっ… 「会いたい」? 246 00:19:28,134 --> 00:19:30,136 📱 247 00:19:30,136 --> 00:19:32,138 んっ? 248 00:19:37,309 --> 00:19:39,311 📱 249 00:19:44,150 --> 00:19:46,152 フゥ…。 250 00:20:15,848 --> 00:20:19,852 《ネットで知り合った人と 実際に会うことへの抵抗感は➡ 251 00:20:19,852 --> 00:20:21,854 そこまでなかった。 252 00:20:21,854 --> 00:20:25,524 パフェをつつきながら話していると 集まった3人が➡ 253 00:20:25,524 --> 00:20:29,195 俺の小説に やたら詳しいことが わかってきた。 254 00:20:29,195 --> 00:20:31,864 いや それどころではない》 255 00:20:31,864 --> 00:20:35,367 (サノン)北部が独立を宣言して 王朝に反旗を。 256 00:20:35,367 --> 00:20:38,537 (ひろぽん)イェスマ狩りの勢力が 巨大化して。 257 00:20:38,537 --> 00:20:41,040 (ケント)ノットが捕らわれて闘技場に。 258 00:20:41,040 --> 00:20:43,375 《勝手に話を膨らませて➡ 259 00:20:43,375 --> 00:20:46,879 俺の知らない内容まで 話し始めていた。 260 00:20:46,879 --> 00:20:52,051 あっ… 俺はこのとき やっと気付いた。 261 00:20:52,051 --> 00:20:54,053 目の前のオタク3人が➡ 262 00:20:54,053 --> 00:20:58,724 自らをメステリアからの帰還者であると 主張していることに》 263 00:20:58,724 --> 00:21:02,495 (サノン)イェスマを守るためには 豚の力が必要なんです。 264 00:21:02,495 --> 00:21:05,998 何より革命者のノットが 豚を必要としています。 265 00:21:05,998 --> 00:21:08,334 (ひろぽん)でも どうやって向こうに。 266 00:21:08,334 --> 00:21:10,336 (ケント)それについては➡ 267 00:21:10,336 --> 00:21:13,172 俺とサノンさんで考えた 再転移計画があります。 268 00:21:13,172 --> 00:21:16,175 おそらく 俺たちの異世界転移は➡ 269 00:21:16,175 --> 00:21:18,344 ヒョロガリポークさんがきっかけで 起こったんです。 270 00:21:18,344 --> 00:21:20,346 (ひろぽん)ほうほう。 271 00:21:20,346 --> 00:21:22,348 (サノン)ヒョロガリポークさんが意識を失い➡ 272 00:21:22,348 --> 00:21:25,351 ジェスたそによって メステリアへ引き寄せられたとき➡ 273 00:21:25,351 --> 00:21:30,189 なんらかの魔法の道筋が。 あっ…。 274 00:21:30,189 --> 00:21:33,025 《これが夢なのか現実なのか➡ 275 00:21:33,025 --> 00:21:37,863 はたまた狂言なのか 俺は見極められずにいた。 276 00:21:37,863 --> 00:21:39,865 しかし…》 277 00:21:39,865 --> 00:21:43,068 (サノン)私たちで一緒に メステリアへ戻りませんか。 278 00:21:45,371 --> 00:21:50,876 《熱い血液が体じゅうを巡り 俺のレバーを加熱する》 279 00:21:50,876 --> 00:21:54,046 戻ろう! メステリアへ! 280 00:21:54,046 --> 00:21:56,649 ジェスの元へ! 281 00:23:44,023 --> 00:23:48,127 (豚の鳴き声) 282 00:23:52,698 --> 00:23:54,700 フゴッ!