1 00:00:02,970 --> 00:00:05,172 ⚟(ノヴァク)お~い。 2 00:00:07,174 --> 00:00:12,045 どうも。 君らの実習を担当するノヴァクだ。 3 00:00:12,045 --> 00:00:14,314 よろしく~。 4 00:00:14,314 --> 00:00:17,084 よっ よろしくお願いします! 5 00:00:17,084 --> 00:00:20,320 ハハハ… 硬いね~。 6 00:00:20,320 --> 00:00:24,825 その不安はわかるよ。 社会にとって必要な仕事だけど➡ 7 00:00:24,825 --> 00:00:29,496 異端と接したり 拷問したりするのは 気持ちいいもんじゃないからねぇ。 8 00:00:29,496 --> 00:00:31,431 (シモン レフ)ん…。 9 00:00:31,431 --> 00:00:35,736 私だって まだ 娘にちゃんと話せてないし。 10 00:00:35,736 --> 00:00:40,707 ま 安心してよ。 やっていくウチに慣れるから。 11 00:00:40,707 --> 00:00:47,047 ここで君らが気にすべきこと この仕事で 最も覚悟してほしいことは――➡ 12 00:00:47,047 --> 00:00:49,049 コレだ。 13 00:00:49,049 --> 00:00:51,418 コレ 何かわかる? 14 00:00:51,418 --> 00:00:53,353 え…? いえ…。 15 00:00:53,353 --> 00:00:58,959 コレは一人の異端者を審問する際に必要な 書類の厚さ。 16 00:00:58,959 --> 00:01:03,363 つまり この仕事 ひじょ~~~に めんどい。 17 00:01:03,363 --> 00:01:07,334 えっ。 (ノヴァク)ここにおいて君らが知りたいのは➡ 18 00:01:07,334 --> 00:01:11,872 出世までの 効率的な働き方だよね。え?? 19 00:01:11,872 --> 00:01:15,309 (ノヴァク)まァ私なりの方法論をまとめると➡ 20 00:01:15,309 --> 00:01:19,613 ウチの司教様は 宇宙論関係を重視している。 21 00:01:19,613 --> 00:01:25,018 だから そういう案件があったら 意識的に手を挙げれば点数を稼げる。 22 00:01:25,018 --> 00:01:29,723 あと 一人の大物をオトそうと 長期間こだわるより➡ 23 00:01:29,723 --> 00:01:32,626 小物でも大勢を処理したほうがいい。 24 00:01:32,626 --> 00:01:36,830 人数の実績は 見栄えがいいからさ。 25 00:01:36,830 --> 00:01:39,766 あ~ 何か質問ある? 26 00:01:39,766 --> 00:01:45,606 あ あの じゃあ… 何故司教様は 宇宙論を重視するのですか? 27 00:01:45,606 --> 00:01:51,345 あぁ… 司教様って昔 天文学をやってたらしいんだよねぇ。 28 00:01:51,345 --> 00:01:55,549 (2人)っ! なのに今は異常に毛嫌いしてる。 29 00:01:55,549 --> 00:02:00,220 こういう場合 昔 何か嫌なことがあったんだと思うよ。 30 00:02:00,220 --> 00:02:03,690 若い頃のそういうのは 根深いからさ~~。 31 00:02:03,690 --> 00:02:06,994 もう 質問ない? (2人)う…。 32 00:02:06,994 --> 00:02:10,864 じゃ 続きは 異端審問所で実習だ! 33 00:02:10,864 --> 00:02:13,600 行こう。 …ん? 34 00:02:13,600 --> 00:02:17,471 あ… どうも アントニさん。 35 00:02:17,471 --> 00:02:21,708 なんか騒がしいと思ったら 何故 審問官たちがここに? 36 00:02:21,708 --> 00:02:26,546 いやー 司教様から新人たちへの 激励がありまして。 37 00:02:26,546 --> 00:02:30,283 新人だァ? おいおい勘弁してくれよ。 38 00:02:30,283 --> 00:02:33,820 ただでさえ 君ら審問官の維持に金がかかるのに➡ 39 00:02:33,820 --> 00:02:36,289 新人採用したのかよ! 40 00:02:36,289 --> 00:02:40,160 まァまァ 信徒がそんな金カネ言っても。 41 00:02:40,160 --> 00:02:43,063 (アントニ)ちっ。 これだから無知は。 42 00:02:43,063 --> 00:02:49,169 いいか? 異教徒との戦争にも 教会を維持するにも 金が必要なんだよ。 43 00:02:49,169 --> 00:02:52,939 金の重みを もう少し理解しろ! 44 00:02:52,939 --> 00:02:56,343 お前 司教様に気に入られてるか知らんが➡ 45 00:02:56,343 --> 00:02:59,946 審問官風情は 身を弁えろよ。 46 00:03:03,250 --> 00:03:06,553 はい 承知しました。 47 00:03:06,553 --> 00:03:09,956 (アントニ)ちっ 司教も頭が悪くて困る。 48 00:03:13,894 --> 00:03:15,929 い 今のは? 49 00:03:15,929 --> 00:03:20,467 えーと 助任司祭…なのかな? 50 00:03:20,467 --> 00:03:22,803 ちゃんとした役職知らないけど~。 51 00:03:22,803 --> 00:03:26,573 まァ わかりやすく言うと 司教様の息子。 52 00:03:26,573 --> 00:03:29,810 (2人)えっ⁉ 息子⁉ 独身制は? 53 00:03:29,810 --> 00:03:34,014 もちろん守っているよ。 公には。 54 00:03:34,014 --> 00:03:36,049 (2人)っ! 55 00:03:36,049 --> 00:03:40,854 (ノヴァク) さっ! 気を取り直して審問所で実習だ! 56 00:03:43,490 --> 00:03:48,128 ♬「何度でも 何度でも叫ぶ」 57 00:03:48,128 --> 00:03:56,403 ♬「この暗い夜の怪獣になっても」 58 00:03:56,403 --> 00:04:02,042 ♬「ここに残しておきたいんだよ」 59 00:04:02,042 --> 00:04:04,044 ♬「この秘密を」 60 00:04:06,880 --> 00:04:10,684 ♬「だんだん食べる」 61 00:04:10,684 --> 00:04:17,457 ♬「赤と青の星々 未来から過去を」 62 00:04:17,457 --> 00:04:21,328 ♬「順々に食べる」 63 00:04:21,328 --> 00:04:29,402 ♬「何十回も噛み潰し 溶けたなら飲もう」 64 00:04:29,402 --> 00:04:34,040 ♬「丘の上で星を見ると」 65 00:04:34,040 --> 00:04:39,980 ♬「感じるこの寂しさも」 66 00:04:39,980 --> 00:04:42,749 ♬「朝焼けで」 67 00:04:42,749 --> 00:04:49,489 ♬「手が染まる頃にはもう忘れてるんだ」 68 00:04:49,489 --> 00:04:56,830 ♬「この世界は好都合に未完成」 69 00:04:56,830 --> 00:04:59,733 ♬「だから知りたいんだ」 70 00:04:59,733 --> 00:05:07,340 ♬「でも怪獣みたいに遠く遠く叫んでも」 71 00:05:07,340 --> 00:05:11,144 ♬「また消えてしまうんだ」 72 00:05:15,682 --> 00:05:20,020 あ そうだ。 審問室へ入る前に聞きたい。 73 00:05:20,020 --> 00:05:23,390 君ら 異端と話したことある? 74 00:05:23,390 --> 00:05:25,325 い… いえ。 75 00:05:25,325 --> 00:05:30,063 (レフ)もちろん ありません。 だよね。 う~ん。 76 00:05:30,063 --> 00:05:33,366 ま 気をつけることは一つだけ。 77 00:05:33,366 --> 00:05:36,169 奴らは嘘が上手い。 78 00:05:36,169 --> 00:05:38,872 騙されないように。 (2人)あ…。 79 00:05:38,872 --> 00:05:40,974 (ドアが開く音) 80 00:05:46,513 --> 00:05:48,815 (シモン)じょ 女性? 81 00:05:50,383 --> 00:05:54,287 (ノヴァク)うん。 そういうの多いよ。 82 00:05:56,089 --> 00:05:59,459 彼女は昨日捕まったばかりでね➡ 83 00:05:59,459 --> 00:06:03,230 黒ミサのことなんて 何も知らないって言うんだ。 84 00:06:03,230 --> 00:06:09,336 でも複数件の通報が入っているから しっかり取り調べなきゃいけない。 85 00:06:09,336 --> 00:06:14,875 まず今日 君らにやってもらうのは 基礎中の基礎。 86 00:06:14,875 --> 00:06:18,078 指責め。 (2人)っ! 87 00:06:18,078 --> 00:06:20,847 ⚟(ノヴァクの足音) 88 00:06:20,847 --> 00:06:22,782 ⚟(女の頬を軽く叩く音)(息をのむ音) 89 00:06:22,782 --> 00:06:24,985 起きてくださーい。 90 00:06:27,354 --> 00:06:30,690 ん… んん… ハッ。 91 00:06:30,690 --> 00:06:32,993 おはようございます。 92 00:06:32,993 --> 00:06:37,464 昨日も聞きましたが 黒ミサの情報を教えてください。 93 00:06:37,464 --> 00:06:40,700 あと 貴方の協力者も吐いてください。 94 00:06:40,700 --> 00:06:46,573 だから 何度も言ってるじゃないですか! 私は何も知りません! 95 00:06:46,573 --> 00:06:49,476 君 コレを親指にハメて。 96 00:06:49,476 --> 00:06:52,245 え… あ…。 97 00:06:52,245 --> 00:06:54,247 う… っ…。 98 00:06:54,247 --> 00:06:57,384 ⚟(器具の音 レフの足音) 99 00:06:57,384 --> 00:07:00,287 う…。 100 00:07:00,287 --> 00:07:04,157 っ! ちょ ちょっと…。 (器具を嵌める音) 101 00:07:04,157 --> 00:07:07,661 さァ 何か言う気になりましたか? 102 00:07:07,661 --> 00:07:10,163 だから 何も知らないって! 103 00:07:10,163 --> 00:07:12,098 うぅ…! 104 00:07:12,098 --> 00:07:14,768 (ノヴァク)回して。 えっ。 105 00:07:14,768 --> 00:07:18,038 あ… あ…。 106 00:07:18,038 --> 00:07:20,674 早く。 107 00:07:20,674 --> 00:07:22,642 は…。 108 00:07:22,642 --> 00:07:26,913 うあぁあぁぁあぁああ…!! 109 00:07:26,913 --> 00:07:29,449 あぐっ あっ あぁあ…!! 110 00:07:29,449 --> 00:07:32,285 うっ うっぐぅううぅう…! 111 00:07:32,285 --> 00:07:36,957 (女の嗚咽) (ノヴァク)あなたが例の森に 出入りしているのは知っているんです。➡ 112 00:07:36,957 --> 00:07:41,861 (嗚咽) あの場所 誰から聞いたんです? 協力者がいるでしょう。 113 00:07:41,861 --> 00:07:46,499 ⚟(嗚咽)お互い こんなこと 早く終わらせたいでしょ。 114 00:07:46,499 --> 00:07:50,670 だ だから… 私は… ひっ…。 115 00:07:50,670 --> 00:07:55,208 山菜を探してたら… あの森に着いただけで…。 116 00:07:55,208 --> 00:07:58,111 しょうがない もっと回して。 (女)ひィッ…。 117 00:07:58,111 --> 00:08:01,348 し しかし これ以上は…。 118 00:08:01,348 --> 00:08:06,219 やるんだ。 それが指示書に 書かれている決まりだよ。 119 00:08:06,219 --> 00:08:08,221 う…。 120 00:08:08,221 --> 00:08:11,024 (ノヴァク)じゃなきゃ仕事を終われない。 121 00:08:11,024 --> 00:08:13,360 (女)うぅう…。 122 00:08:13,360 --> 00:08:16,062 (女)うぅっ… うぅ…。 123 00:08:16,062 --> 00:08:17,998 っ…! 124 00:08:17,998 --> 00:08:19,100 (親指の潰れる音) 125 00:08:21,735 --> 00:08:26,139 ⚟(女)ぐぁああぁああぁああ…!!!➡ 126 00:08:26,139 --> 00:08:29,376 う゛あぁっ あぁああぁう゛!!➡ 127 00:08:29,376 --> 00:08:31,444 う゛っ う゛う゛っ うぅうう…!! 128 00:08:31,444 --> 00:08:34,314 (ノヴァク)よし。 外していいよ。 ⚟(嗚咽) 129 00:08:34,314 --> 00:08:36,449 ホッ…。⚟(嗚咽) 130 00:08:36,449 --> 00:08:38,385 (ノヴァク)次 君。 え。⚟(嗚咽) 131 00:08:38,385 --> 00:08:40,920 左手が残ってる。 ⚟(嗚咽) 132 00:08:40,920 --> 00:08:45,225 ⚟(嗚咽) 133 00:08:45,225 --> 00:08:48,895 う゛っ… もう… (器具を嵌める音)やめてください…。 134 00:08:48,895 --> 00:08:52,599 っ! (嗚咽)じゃあ喋ってください。 135 00:08:52,599 --> 00:08:57,237 一人であの森に 偶然辿り着いたわけないでしょう。➡ 136 00:08:57,237 --> 00:09:01,174 誰かから聞いたんだ。 なんで… なんでこんな目に…。 137 00:09:01,174 --> 00:09:03,543 (女)うっ う…。 (ノヴァク)回して。 138 00:09:03,543 --> 00:09:07,480 っ! ほ 本当に何も知らないんじゃ…? 139 00:09:07,480 --> 00:09:09,916 (嗚咽) 140 00:09:09,916 --> 00:09:12,318 (嗚咽)やって。 141 00:09:12,318 --> 00:09:14,287 (器具を嵌める音) 142 00:09:14,287 --> 00:09:16,523 (嗚咽) 143 00:09:16,523 --> 00:09:18,825 …っ! 144 00:09:18,825 --> 00:09:21,728 か… 神様…。 145 00:09:21,728 --> 00:09:24,564 っ! 146 00:09:24,564 --> 00:09:26,533 …んっ。 147 00:09:26,533 --> 00:09:30,170 (嗚咽) (器具を外す音) 148 00:09:30,170 --> 00:09:34,374 (シモン)できません。 ふむ そうか…。 149 00:09:36,276 --> 00:09:39,646 まァ しょうがないね。 150 00:09:39,646 --> 00:09:42,248 ガンバったよ。 151 00:09:42,248 --> 00:09:45,452 じゃ。 君 続きやって。 152 00:09:45,452 --> 00:09:48,154 っ…。 さァ。 153 00:09:48,154 --> 00:09:50,156 (息をのむ音) 154 00:09:51,925 --> 00:09:53,860 ひっ… ひっ…! 155 00:09:53,860 --> 00:09:57,397 や… やめてください! 言います! 156 00:09:57,397 --> 00:09:59,332 隣人のアンナです! 157 00:09:59,332 --> 00:10:01,568 私の弟が病気で…➡ 158 00:10:01,568 --> 00:10:05,939 黒ミサに行けば 薬草をくれるって あの森に! 159 00:10:05,939 --> 00:10:11,377 わ… 私は… 魔女じゃないんです! 160 00:10:11,377 --> 00:10:14,347 ただ薬草が欲しくて! 161 00:10:14,347 --> 00:10:17,183 こんなことになるなんて…! 162 00:10:17,183 --> 00:10:19,486 ウッ… ウゥッ ウッ…。 163 00:10:19,486 --> 00:10:23,356 ごめんなさい アンナ… ごめんなさい…。 164 00:10:23,356 --> 00:10:27,260 どうも。 情報提供に感謝します。 ウッ ウゥッ ウゥウウ…。 165 00:10:27,260 --> 00:10:30,063 (ノヴァク)さ ちょっと休憩しようか。 166 00:10:32,632 --> 00:10:35,401 (シモン)大変 申し訳ありませんでした…。 167 00:10:35,401 --> 00:10:40,006 (ノヴァク)いいよ いいよ。 苦悩はわかる 初日だしね。 168 00:10:40,006 --> 00:10:45,245 ただ 仕事を早く終わらせたいなら 気分を入れ替えなきゃ。 169 00:10:45,245 --> 00:10:50,016 しかし この方法は 本当に正しいのでしょうか? 170 00:10:50,016 --> 00:10:54,187 痛みから逃れるために 偽証をする可能性だってある。 171 00:10:54,187 --> 00:10:58,158 もう少し… 対話によって 愛によって更生を。 172 00:10:58,158 --> 00:11:00,260 ダメだ。 っ! 173 00:11:05,131 --> 00:11:10,270 いいかい? そもそも私たちには なんの決定権もない。 174 00:11:10,270 --> 00:11:13,540 上に従うのが役目だ。 175 00:11:13,540 --> 00:11:19,045 それに この仕事に就くと気付くけど 奴ら異端は手段を選ばない。 176 00:11:19,045 --> 00:11:23,917 悪魔と結託して この世界を変えようとする。 177 00:11:23,917 --> 00:11:27,787 それを阻止するために最も重要なもの➡ 178 00:11:27,787 --> 00:11:32,926 世界を今のままに保持するために 必要なものは なんだと思う? 179 00:11:32,926 --> 00:11:34,928 (2人)え…? 180 00:11:39,032 --> 00:11:41,034 (ノヴァク)血だ。 181 00:11:47,173 --> 00:11:49,175 (シモン)血…? 182 00:11:51,044 --> 00:11:53,947 ⚟(審問官)ノヴァクさん! ん? 183 00:11:53,947 --> 00:11:58,251 緊急の派遣要請です! 通報が入りました。 184 00:11:58,251 --> 00:12:04,057 え? それ私が行くの? 今 実習指導中なんだけど。 185 00:12:04,057 --> 00:12:07,360 はい 司教直々にご指名が。 186 00:12:07,360 --> 00:12:09,329 むっ。 187 00:12:09,329 --> 00:12:13,232 ハァ~~ ならしょうがないな~。 188 00:12:13,232 --> 00:12:16,369 じゃ お二人 続きは誰かに聞いて! 189 00:12:16,369 --> 00:12:19,272 またどっかで会ったら よろしく! 190 00:12:19,272 --> 00:12:23,476 (ノヴァク)今回 何? また宇宙論? (審問官)そのようです。 191 00:12:27,580 --> 00:12:31,584 (シモン)すまない。 僕の代わりに拷問をやらせてしまって…。 192 00:12:34,087 --> 00:12:37,957 まァ 一つ貸しだぜ。 193 00:12:37,957 --> 00:12:41,494 あぁ ありがとう。➡ 194 00:12:41,494 --> 00:12:45,398 あの人… 顔色一つ変えてなかった。 195 00:12:47,233 --> 00:12:52,405 続ければ あんなに慣れる時が来るのかな。 196 00:12:52,405 --> 00:12:54,841 ⚟(馬車の音)さァ。 197 00:12:54,841 --> 00:12:57,143 でも やるしかない。 198 00:12:58,711 --> 00:13:02,915 (レフ)これは… 人類のためなんだから…。 199 00:13:09,422 --> 00:13:11,691 ⚟(ノック) ん…? 200 00:13:11,691 --> 00:13:15,028 ⚟オクジーです。 そろそろ集合時間になります。➡ 201 00:13:15,028 --> 00:13:17,597 街へ向かったほうがいいかと。 202 00:13:17,597 --> 00:13:20,600 あぁ。 今ちょっと手紙を…。 203 00:13:22,268 --> 00:13:25,138 …まァいいか。 204 00:13:25,138 --> 00:13:27,073 今度書けば…。 205 00:13:27,073 --> 00:13:29,075 (ドアが閉まる音) 206 00:13:31,678 --> 00:13:36,816 ♬~ 207 00:13:36,816 --> 00:13:39,619 あっ。 208 00:13:39,619 --> 00:13:41,888 ハァッ お久しぶりです。 209 00:13:41,888 --> 00:13:44,791 どうも お久しぶりです ヨレンタさん。 210 00:13:44,791 --> 00:13:46,726 どうも。 211 00:13:46,726 --> 00:13:48,661 (バデーニ)――では。 212 00:13:48,661 --> 00:13:50,663 (3人)カンパーイ! 213 00:13:50,663 --> 00:13:55,902 んっ んっ んっ んっ んっ んっ…! 214 00:13:55,902 --> 00:13:57,937 ハァー。プハァ! 215 00:13:57,937 --> 00:14:01,207 そっ それで…➡ 216 00:14:01,207 --> 00:14:04,777 さ… 早速ですが➡ 217 00:14:04,777 --> 00:14:08,347 あの件 進展があったとか。 218 00:14:08,347 --> 00:14:10,283 ああ。 219 00:14:10,283 --> 00:14:13,886 今日 皆に集まってもらった理由は 他でもない。 220 00:14:15,588 --> 00:14:17,657 アレが完成した。 221 00:14:17,657 --> 00:14:20,426 (ヨレンタ オクジー)っ! 222 00:14:20,426 --> 00:14:23,296 ほ… 本当に…。 223 00:14:23,296 --> 00:14:25,598 ま 正確には➡ 224 00:14:25,598 --> 00:14:30,970 私が発表しても構わないと思う 完成度に達したってことだが。 225 00:14:30,970 --> 00:14:35,508 (ヨレンタ)で では やはり… 今も まさに。 226 00:14:35,508 --> 00:14:37,443 あぁ。 227 00:14:37,443 --> 00:14:40,346 (バデーニ)今➡ 228 00:14:40,346 --> 00:14:43,082 たった今➡ 229 00:14:43,082 --> 00:14:45,952 この瞬間にも。 (客の笑い声) 230 00:14:45,952 --> 00:14:55,962 ♬~ 231 00:14:57,563 --> 00:15:00,366 (バデーニ)我々は 動いている。 232 00:15:07,240 --> 00:15:09,575 とても不思議ですね。 233 00:15:09,575 --> 00:15:15,014 その事実も それを知ってるのが 私たちだけというのも…。 234 00:15:15,014 --> 00:15:19,886 えぇ… 俺なんて いまだに実感が湧きません。 235 00:15:19,886 --> 00:15:22,755 (バデーニ)あぁ 私もだ。 え! 236 00:15:22,755 --> 00:15:27,660 (バデーニ)惑星軌道の数学的記述こそ 一旦完成したものの➡ 237 00:15:27,660 --> 00:15:31,798 まだ自然哲学的には 謎が大量にある。 238 00:15:31,798 --> 00:15:34,700 それは“コレから”の問題だ。 239 00:15:34,700 --> 00:15:36,636 (ヨレンタ)そのことですが…➡ 240 00:15:36,636 --> 00:15:39,572 “コレから”は どうするんです? 241 00:15:39,572 --> 00:15:45,778 私は諸々の準備を済ませたら 近いうちに南西にある共和国へ行く。 242 00:15:45,778 --> 00:15:49,582 あそこは比較的自由に 研究が行えるらしい。 っ! 243 00:15:51,217 --> 00:15:55,955 それと 修道院長が私の悪評を 広めてしまっているらしいから➡ 244 00:15:55,955 --> 00:15:59,425 これからは還俗して身分を偽る。 245 00:15:59,425 --> 00:16:03,296 もう修道士でいる必要もないしな。 246 00:16:03,296 --> 00:16:07,867 あとは貴族や富裕層の学問好き相手に 家庭教師をして➡ 247 00:16:07,867 --> 00:16:10,336 当分のツテと収入を得る。 248 00:16:10,336 --> 00:16:14,907 そうやって地盤を固め 発表の時節を狙う。 249 00:16:14,907 --> 00:16:18,744 では あの村を出るのですね。 あぁ。 250 00:16:18,744 --> 00:16:21,113 オクジーさんもご存じで? 251 00:16:21,113 --> 00:16:26,552 え えぇ… この前 言われたばっかですが。 252 00:16:26,552 --> 00:16:31,991 バデーニさんが村を出たら 俺も近々 別の街へ越そうと思います。 253 00:16:31,991 --> 00:16:34,260 街へ? えぇ。 254 00:16:34,260 --> 00:16:36,863 それから適当に仕事を見つけて➡ 255 00:16:36,863 --> 00:16:39,298 当面はお金を貯めて➡ 256 00:16:39,298 --> 00:16:42,235 将来的には 大学へ行きたいと思ってます。 257 00:16:42,235 --> 00:16:44,237 は?え。 258 00:16:44,237 --> 00:16:48,007 ちょ ちょっと興味が湧いて… エヘヘ。 259 00:16:48,007 --> 00:16:51,811 今後の人生の予定もないですし 気長に目指そうかと。 260 00:16:51,811 --> 00:16:53,746 (バデーニ)なんだそれ。 う…。 261 00:16:53,746 --> 00:16:58,584 す 素晴らしい志だと思います! 頑張ってください! 262 00:16:58,584 --> 00:17:03,222 ヨレンタさんは どうするんですか? これから先。 263 00:17:03,222 --> 00:17:07,059 私は… 上司のコルベさんが出世して➡ 264 00:17:07,059 --> 00:17:11,864 新しくできた天文の研究班に 私を採用してくれたので➡ 265 00:17:11,864 --> 00:17:15,768 当面は そこでの仕事に努めます。 266 00:17:15,768 --> 00:17:18,337 そこで ゆくゆくは…➡ 267 00:17:18,337 --> 00:17:22,208 自分の名前で ちゃんと論文を発表してみたいです。 268 00:17:22,208 --> 00:17:24,143 自分の名前? 269 00:17:24,143 --> 00:17:28,014 (ヨレンタ)えぇ。 今はそれすら ままならないので…。 270 00:17:28,014 --> 00:17:33,486 私が そういう前例を作れたら 後進も生まれやすいというか…。 271 00:17:33,486 --> 00:17:37,089 誰でも平等に研究を発表できる未来。 272 00:17:37,089 --> 00:17:41,260 自由な知的空間ができる いつかの未来のために➡ 273 00:17:41,260 --> 00:17:43,663 一役買えたらなと…。 274 00:17:43,663 --> 00:17:46,666 まァ そんなのは夢みたいな話ですが。 275 00:17:48,301 --> 00:17:50,937 夢。 (バデーニ ヨレンタ)あ…? 276 00:17:50,937 --> 00:17:56,142 あ… いや… 昔 組合の先輩が言ってたんです。 277 00:17:56,142 --> 00:17:59,145 「夢を持つのはいい」って。 278 00:18:01,948 --> 00:18:07,553 (オクジー)今なら… その言葉の意味がわかる気がします。 279 00:18:07,553 --> 00:18:09,488 (ドアが開く音) 280 00:18:09,488 --> 00:18:12,425 なんというか 夢っていうのがあると➡ 281 00:18:12,425 --> 00:18:16,762 とりあえず一週間くらいは 悲劇に耐えられる気がします。 282 00:18:16,762 --> 00:18:20,433 これは確かに貴重なことですね。 283 00:18:20,433 --> 00:18:23,769 (ヨレンタ)えぇ… 同感です。 284 00:18:23,769 --> 00:18:27,640 あ そう言えば… オクジーさんが書いてる本?って➡ 285 00:18:27,640 --> 00:18:29,942 今どうなって いるんですか? 286 00:18:29,942 --> 00:18:33,679 それが… ちょっと前に だいたいは完成したんですけど。 287 00:18:33,679 --> 00:18:36,983 えっ! 本当ですか! 是非読んでみたいです! 288 00:18:36,983 --> 00:18:41,354 あぁ… い いや! 人にお見せするものじゃ…。➡ 289 00:18:41,354 --> 00:18:44,590 自分の考えを整理したくて 書いただけで…。 290 00:18:44,590 --> 00:18:49,795 そんなァ せっかく文字にしたら 人に見せなきゃ勿体ないですよ! 291 00:18:49,795 --> 00:18:52,465 ⚟やァ ヨレンタ。 え? 292 00:18:52,465 --> 00:18:54,400 っ! 293 00:18:54,400 --> 00:18:57,203 えーっ⁉ なっ なんでここに⁉ 294 00:18:57,203 --> 00:19:00,172 ん…? ⚟ハハハ 出張でこっちまで来てね。➡ 295 00:19:00,172 --> 00:19:02,742 せっかくだから驚かせようと思って➡ 296 00:19:02,742 --> 00:19:06,312 職場の人にお前の居場所を尋ねたんだよ。 297 00:19:06,312 --> 00:19:10,716 (ヨレンタ)そ そうだったん ですね! あー 驚いた。 298 00:19:10,716 --> 00:19:15,554 おっと これは皆様 お話し中に突然失礼しました。 299 00:19:15,554 --> 00:19:19,959 あぁ すいません。 紹介します。 300 00:19:19,959 --> 00:19:22,862 私の父です。 301 00:19:22,862 --> 00:19:27,767 どうも ヨレンタの父のノヴァクと申します。 302 00:19:27,767 --> 00:19:32,171 (ノヴァク)失礼 座っても? (バデーニ)ええ どうぞ。 303 00:19:32,171 --> 00:19:35,107 ⚟(ノヴァクの足音) 304 00:19:35,107 --> 00:19:37,109 ⚟(腰掛ける音) 305 00:19:38,911 --> 00:19:42,448 (オクジー)ヨ ヨレンタさんのお父様って…➡ 306 00:19:42,448 --> 00:19:45,451 な… 何をされてる方なんですか? 307 00:19:45,451 --> 00:19:47,787 ええと それが…。 308 00:19:47,787 --> 00:19:51,657 まァ ちょっとした 聖職関係のお手伝いを。 309 00:19:51,657 --> 00:19:55,461 こうやって いつも細かいことは 教えてくれないんです。 310 00:19:55,461 --> 00:19:59,165 せっかく家族といる時は 仕事を忘れたいものだよ。 311 00:19:59,165 --> 00:20:01,400 (ヨレンタ)そんな気なんて遣わなくても!➡ 312 00:20:01,400 --> 00:20:04,070 神様に関わる立派なお仕事なのでは? 313 00:20:04,070 --> 00:20:06,105 (ノヴァク)まァ いろいろあるのさ。 314 00:20:06,105 --> 00:20:08,707 (ノヴァクとヨレンタの笑い声) 315 00:20:08,707 --> 00:20:11,610 そ… そうでしたか。 316 00:20:11,610 --> 00:20:14,146 …ハァッ。 317 00:20:14,146 --> 00:20:16,482 ところで➡ 318 00:20:16,482 --> 00:20:20,486 お二人は 娘とどういった関係で? 319 00:20:20,486 --> 00:20:25,291 見たところ ピャスト伯の 施設関係者ではなさそうですが…。 320 00:20:25,291 --> 00:20:28,627 そっ… あ いや それは…。 321 00:20:28,627 --> 00:20:33,232 見てのとおり私らは ふだん 村の教会で働いています。 322 00:20:33,232 --> 00:20:37,503 (ノヴァク) じゃあ あまり飲みすぎちゃいけませんね。 ハハハハハッ。 323 00:20:37,503 --> 00:20:42,341 ――それと 私的に 天文や占星術の研究もしてます。 324 00:20:42,341 --> 00:20:45,277 っ!! 研究? 325 00:20:45,277 --> 00:20:50,749 娘さんとは ちょっと前 街の情報交換掲示板で出会ったんです。➡ 326 00:20:50,749 --> 00:20:53,552 とても博識でいらっしゃるので➡ 327 00:20:53,552 --> 00:20:57,756 こうやって時々 勉強会をさせてもらってるんですよ。 328 00:20:57,756 --> 00:20:59,758 ほォ…。 329 00:21:04,530 --> 00:21:07,099 いやー 素晴らしいなぁ! 330 00:21:07,099 --> 00:21:09,368 感心して ちょっと黙っちゃいました。 331 00:21:09,368 --> 00:21:14,607 えっ。(ノヴァク)聖職に務めていながら さらに研究とは なんて熱心! 332 00:21:14,607 --> 00:21:18,477 情けない話 私なんてすぐ怠けるもので! 333 00:21:18,477 --> 00:21:22,915 いえ 私も娘さんの勤勉さには敵いません。 334 00:21:22,915 --> 00:21:25,284 とても聡明で理知的な方だ。 335 00:21:25,284 --> 00:21:28,187 っ! あぁ…➡ 336 00:21:28,187 --> 00:21:30,489 ありがとうございます!!➡ 337 00:21:30,489 --> 00:21:34,360 正直 そう 言われるのが 生きてて一番嬉しいです! 338 00:21:34,360 --> 00:21:37,163 ちょっと 大げさですよ 恥ずかしい。 339 00:21:37,163 --> 00:21:40,065 (ノヴァク) 褒められたんだから いいじゃないか。 340 00:21:40,065 --> 00:21:43,169 ん…? (ヨレンタ)でも もう少し慎みを…。 341 00:21:45,404 --> 00:21:48,007 ⚟(ドアの開閉音) 342 00:21:48,007 --> 00:21:50,843 (ノヴァク)では 私らはここで! 343 00:21:50,843 --> 00:21:53,512 今日は突然すいませんでした。 344 00:21:53,512 --> 00:21:57,082 (バデーニ) いえいえ 機会があれば また是非。 345 00:21:57,082 --> 00:21:59,185 ⚟(足音) 346 00:22:08,260 --> 00:22:10,863 っ…! はぁっ はぁっ! ん…? 347 00:22:10,863 --> 00:22:13,599 はぁっ… た…➡ 348 00:22:13,599 --> 00:22:16,101 助かった…! 349 00:22:16,101 --> 00:22:20,506 なんだ どういうことだ? さっきから様子がおかしいぞ。 350 00:22:20,506 --> 00:22:22,875 世俗の奴特有の奇行か? 351 00:22:22,875 --> 00:22:27,279 ちっ 違いますよ! たった今! たった今! 352 00:22:27,279 --> 00:22:31,684 人生最大の危機だったんです! …は? 353 00:22:31,684 --> 00:22:34,286 おっ 俺…➡ 354 00:22:34,286 --> 00:22:38,490 ちょっと前に ヨレンタさんの父親に会ってて…。 355 00:22:43,963 --> 00:22:48,133 その記憶が正しければ あの人は…。 356 00:22:48,133 --> 00:22:50,736 (ノヴァク)ちょっと いいかな? 357 00:22:50,736 --> 00:22:58,143 ♬~ 358 00:22:58,143 --> 00:23:00,112 …え。 359 00:23:00,112 --> 00:23:02,982 どうも。 360 00:23:02,982 --> 00:23:05,384 帰られたのでは? 361 00:23:05,384 --> 00:23:08,587 娘は一人で馬車に乗せました。 362 00:23:08,587 --> 00:23:12,224 私はまだ仕事があるので。 363 00:23:12,224 --> 00:23:14,226 仕事? 364 00:23:17,062 --> 00:23:21,967 実は私 異端審問官やってまして。 365 00:23:21,967 --> 00:23:23,969 っ! 366 00:23:30,042 --> 00:23:45,424 ♬~ 367 00:23:45,424 --> 00:23:49,295 ♬「描き始めた あなたは小さく」 368 00:23:49,295 --> 00:23:53,165 ♬「ため息をした あんなに大きく」 369 00:23:53,165 --> 00:23:57,069 ♬「波打つ窓の光の束が」 370 00:23:57,069 --> 00:24:02,474 ♬「あなたの横顔に跳ねている」 371 00:24:04,877 --> 00:24:08,714 ♬「僕の体は雨の集まり」 372 00:24:08,714 --> 00:24:12,618 ♬「貴方の指は 春の木漏れ日」 373 00:24:12,618 --> 00:24:16,689 ♬「紙に弾けたインクの影が」 374 00:24:16,689 --> 00:24:21,593 ♬「僕らの横顔を描写している」 375 00:24:23,562 --> 00:24:32,004 ♬「長い夢を見た 僕らは気球にいた」 376 00:24:32,004 --> 00:24:40,279 ♬「遠い国の誰かが月と見間違ったらいい」 377 00:24:40,279 --> 00:24:48,487 ♬「あの海を見たら 魂が酷く跳ねた」 378 00:24:48,487 --> 00:24:53,125 ♬「白い魚の群れに」 379 00:24:53,125 --> 00:24:55,928 ♬「あなたは見惚れている」