1 00:00:01,235 --> 00:00:03,837 (ドアが開く音) 2 00:00:05,606 --> 00:00:08,008 物資はこれで全部だ。 3 00:00:14,781 --> 00:00:16,884 剣を貰おう。 4 00:00:20,254 --> 00:00:22,789 ではドゥラカ君 行くぞ。 5 00:00:22,789 --> 00:00:25,225 っ…。 6 00:00:25,225 --> 00:00:28,829 皆さんは これでよかったんですか? 7 00:00:28,829 --> 00:00:31,498 仕事だ。 8 00:00:31,498 --> 00:00:34,001 いいも悪いも ない。 9 00:00:38,272 --> 00:00:43,110 こないだ会ったばかりで 私は みんなを知らないし➡ 10 00:00:43,110 --> 00:00:46,813 みんなは私を知らない。 11 00:00:46,813 --> 00:00:51,652 けど 私たちはヨレンタさんを知ってる。 12 00:00:51,652 --> 00:00:53,620 あの人は私に➡ 13 00:00:53,620 --> 00:00:57,024 「印刷機を貸してあげる」 って言ってくれて…。 14 00:00:57,024 --> 00:01:01,261 (ヨレンタ) 何を売るかは 貴方が新しく見つけて。 15 00:01:01,261 --> 00:01:05,766 悪い条件じゃないと思うけど どうかな? 16 00:01:08,335 --> 00:01:13,006 (ドゥラカ)その一言は 本の内容と引き換えに 引き出した言葉だし➡ 17 00:01:13,006 --> 00:01:18,478 ヨレンタさんからしたら 軽い気持ちの 一言だったかもしれないけど➡ 18 00:01:18,478 --> 00:01:20,480 でも➡ 19 00:01:20,480 --> 00:01:23,150 私には あの声が…➡ 20 00:01:23,150 --> 00:01:26,920 私の価値観への 私の未来への➡ 21 00:01:26,920 --> 00:01:30,223 肯定に聞こえた。 22 00:01:30,223 --> 00:01:34,194 きっと ここにいる人たちも ヨレンタさんに➡ 23 00:01:34,194 --> 00:01:39,967 この組織に そう思った瞬間があるから ここにいるんだと思う。 24 00:01:39,967 --> 00:01:43,770 なので 何が言いたいかというと。 25 00:01:49,409 --> 00:01:52,079 私も仕事します。 26 00:01:52,079 --> 00:01:54,448 あぁ 頼んだぞ。 27 00:01:54,448 --> 00:01:56,450 はい。 28 00:01:58,652 --> 00:02:03,223 ♬「何度でも 何度でも叫ぶ」 29 00:02:03,223 --> 00:02:11,465 ♬「この暗い夜の怪獣になっても」 30 00:02:11,465 --> 00:02:17,270 ♬「ここに残しておきたいんだよ」 31 00:02:17,270 --> 00:02:19,272 ♬「この秘密を」 32 00:02:22,109 --> 00:02:25,879 ♬「だんだん食べる」 33 00:02:25,879 --> 00:02:32,619 ♬「赤と青の星々 未来から過去を」 34 00:02:32,619 --> 00:02:36,490 ♬「順々に食べる」 35 00:02:36,490 --> 00:02:44,598 ♬「何十回も噛み潰し 溶けたなら飲もう」 36 00:02:44,598 --> 00:02:49,102 ♬「丘の上で星を見ると」 37 00:02:49,102 --> 00:02:55,275 ♬「感じるこの寂しさも」 38 00:02:55,275 --> 00:02:57,944 ♬「朝焼けで」 39 00:02:57,944 --> 00:03:04,584 ♬「手が染まる頃にはもう忘れてるんだ」 40 00:03:04,584 --> 00:03:11,925 ♬「この世界は好都合に未完成」 41 00:03:11,925 --> 00:03:14,828 ♬「だから知りたいんだ」 42 00:03:14,828 --> 00:03:22,469 ♬「でも怪獣みたいに遠く遠く叫んでも」 43 00:03:22,469 --> 00:03:26,273 ♬「また消えてしまうんだ」 44 00:03:32,245 --> 00:03:34,815 ん…? どうした? 45 00:03:34,815 --> 00:03:39,653 フウゥ… この前の自爆が頭から消えない。 46 00:03:39,653 --> 00:03:45,392 奴らきっと… 目的のためなら なんでもする。 47 00:03:45,392 --> 00:03:47,994 こ… 怖い…。 48 00:03:51,198 --> 00:03:56,169 また数時間後には いつものように朝がくる。 49 00:03:56,169 --> 00:04:00,874 いつか君にも 朝日に微笑む日が くることを願っているよ。 50 00:04:00,874 --> 00:04:03,143 またですか。 51 00:04:03,143 --> 00:04:06,046 だから私は朝日が苦手だって…。 52 00:04:06,046 --> 00:04:10,851 ⚟(扉の鍵を外す音) てか 同じこと何度も 言わないでくれます? 面倒なんで。 53 00:04:10,851 --> 00:04:15,455 いや 同じじゃない。 今度は本気で思ってる。 54 00:04:15,455 --> 00:04:18,291 (ドゥラカ)は? 本気? 55 00:04:18,291 --> 00:04:20,927 …嫌がらせですか? 56 00:04:20,927 --> 00:04:25,365 そうもとれるが これは私なりの感謝だ。 57 00:04:25,365 --> 00:04:27,567 ⚟(扉が閉まる音) 58 00:04:31,905 --> 00:04:34,674 君にとって魅力的でなくても➡ 59 00:04:34,674 --> 00:04:39,179 私にとっては 世界一 素晴らしい時間なのだ。 60 00:04:39,179 --> 00:04:41,982 それを伝えたくなってね。 61 00:04:41,982 --> 00:04:44,985 は? なんで。 62 00:04:44,985 --> 00:04:47,120 さァ。 63 00:04:47,120 --> 00:04:53,126 しかし おそらく 私と君が 偶然出会ったからだろう。 64 00:04:54,795 --> 00:04:56,796 ⚟(馬車が止まる音) 65 00:05:11,044 --> 00:05:13,380 えらい静かだな…。 66 00:05:13,380 --> 00:05:16,249 わ 私は異端審問官! 67 00:05:16,249 --> 00:05:19,019 何故訪ねたかは わかっているな! 68 00:05:19,019 --> 00:05:21,321 おとなしく投降しろ! 69 00:05:25,592 --> 00:05:27,594 っ!! 70 00:05:34,334 --> 00:05:36,536 ッ 撃てえっ!! 71 00:05:39,773 --> 00:05:43,276 うっ…! テストゥドか。 72 00:05:43,276 --> 00:05:47,714 狼狽えるな あの陣形は白兵戦に弱い。 73 00:05:47,714 --> 00:05:50,617 だから…。接近しろッ! 白兵戦に持ち込むんだッ!! 74 00:05:50,617 --> 00:05:53,820 (騎士団)了解! ウォォオオオッ!! 75 00:05:53,820 --> 00:05:55,755 来るぞッ! 76 00:05:55,755 --> 00:05:58,391 テェッ! ウゥッ! 77 00:05:58,391 --> 00:06:01,194 今だ。 (ドゥラカ)…くっ! 78 00:06:04,531 --> 00:06:06,100 ん? 79 00:06:06,100 --> 00:06:08,935 もっと右から攻めろ! 80 00:06:08,935 --> 00:06:10,937 ⚟(落馬する音) ん…? 81 00:06:15,275 --> 00:06:17,978 え…? あぁっ! 82 00:06:17,978 --> 00:06:19,913 おい!! 83 00:06:19,913 --> 00:06:23,450 クソッ! あっちは囮か! 84 00:06:23,450 --> 00:06:26,052 荷車を切り離して馬だけにしろ! 85 00:06:27,687 --> 00:06:29,623 アッシュ君!! 86 00:06:29,623 --> 00:06:32,926 え… あ… いや…。 87 00:06:36,363 --> 00:06:40,233 まァ これは私の仕事か。 88 00:06:40,233 --> 00:06:42,836 ここは任せたぞ。 (いななき) 89 00:06:47,874 --> 00:06:49,809 っ! 90 00:06:49,809 --> 00:06:52,212 クソッ 追いつかれる!! 91 00:06:52,212 --> 00:06:54,814 あぁ そのようだ。 92 00:06:54,814 --> 00:06:56,916 どうする⁉ 93 00:06:59,085 --> 00:07:02,555 (シュミット) 私は自らの選択を恐れたことがなかった。 94 00:07:02,555 --> 00:07:05,191 は⁉ すべては➡ 95 00:07:05,191 --> 00:07:09,095 神が決めた運命に従うだけだと 思っていたからだ。 96 00:07:10,764 --> 00:07:14,634 だが… 今 初めて怖い。 97 00:07:14,634 --> 00:07:17,537 えっ? 98 00:07:17,537 --> 00:07:20,240 君の成功を祈る。 っ! 99 00:07:20,240 --> 00:07:22,242 シュミットさん!! 100 00:07:24,678 --> 00:07:26,613 う゛っ! 101 00:07:26,613 --> 00:07:28,615 (いななき) 102 00:07:32,352 --> 00:07:35,055 テェッ! うぁっ! 103 00:07:35,055 --> 00:07:36,990 ぐはっ…! 104 00:07:36,990 --> 00:07:39,292 あ゛っ! うぐっ…。 (シュミット)ぐ…! 105 00:07:40,927 --> 00:07:43,763 うっ…。 106 00:07:43,763 --> 00:07:45,765 っ! 107 00:07:48,134 --> 00:07:51,805 私は君の仲間を大勢殺した。 108 00:07:51,805 --> 00:07:55,475 動機は私の信仰上の理由だ。 109 00:07:55,475 --> 00:08:00,213 しかし今 その信仰が 私の中で揺らいでいる。 110 00:08:00,213 --> 00:08:04,551 もう君たちを殺す正当性は ない。 111 00:08:04,551 --> 00:08:07,487 しかしそれでも君を殺す。 112 00:08:07,487 --> 00:08:11,391 動機は私の都合だ。 すまん! 113 00:08:11,391 --> 00:08:15,195 ナニ言ってんだ この異端者がァアア!! 114 00:08:15,195 --> 00:08:17,130 死ね!! 115 00:08:17,130 --> 00:08:19,132 がぁ…! 116 00:08:22,936 --> 00:08:26,840 …カハッ!! ハァッ ハァッ ハッ…。 117 00:08:26,840 --> 00:08:29,442 グッ! カッ…。 118 00:08:29,442 --> 00:08:32,345 ウゥ… ハッ…。 クッ…。 119 00:08:32,345 --> 00:08:35,248 ふ… 地獄へ堕ちろ! 120 00:08:40,086 --> 00:08:42,689 ハァッ ハァッ…。 121 00:08:42,689 --> 00:08:44,624 あっ…。 122 00:08:44,624 --> 00:08:47,527 (シュミット)う… あが…。 123 00:08:47,527 --> 00:08:50,463 あ゛… あ゛ あ゛…。 124 00:08:50,463 --> 00:08:52,966 ガハッ… オ゛ブッ…。 125 00:08:52,966 --> 00:08:56,936 ゴボ… ゴ…。 ふっ 自分の血で溺死とは。 126 00:08:56,936 --> 00:09:01,808 地動説信者にふさわしい惨めな運命だ。 127 00:09:01,808 --> 00:09:04,444 グ… カ… ググ…。 128 00:09:04,444 --> 00:09:07,313 し… しがじ➡ 129 00:09:07,313 --> 00:09:11,918 私が 選んだ… 運命だ。 130 00:09:26,199 --> 00:09:30,570 ファアァァ… フゥ…。 131 00:09:30,570 --> 00:09:32,572 ん? 132 00:09:34,874 --> 00:09:37,477 何者だ! こんな時間に。 133 00:09:39,646 --> 00:09:42,215 …遍歴職人です。 134 00:09:42,215 --> 00:09:44,617 ふむ。 証明書は。 135 00:09:47,987 --> 00:09:49,989 コレです。 136 00:09:52,692 --> 00:09:54,627 (助祭)司教様! 137 00:09:54,627 --> 00:09:58,798 ん…? ん んん…。 138 00:09:58,798 --> 00:10:02,669 なんだ 私の眠りの邪魔をするとは。 139 00:10:02,669 --> 00:10:06,673 訪問者です。 大切な話がある と…。 140 00:10:06,673 --> 00:10:10,443 ん…? どんな奴だ。 141 00:10:10,443 --> 00:10:16,349 女です。 身なりから見て 移動民族の者かと。 142 00:10:16,349 --> 00:10:18,618 ふむ…。 143 00:10:18,618 --> 00:10:23,389 ⚟(足音) 144 00:10:23,389 --> 00:10:26,192 やはり君か。 145 00:10:26,192 --> 00:10:28,628 お久しぶりです。 146 00:10:28,628 --> 00:10:30,730 話とはなんだ。 147 00:10:32,499 --> 00:10:34,501 …未来です。 148 00:10:34,501 --> 00:10:37,203 儲け話 とも言える。 149 00:10:39,806 --> 00:10:41,841 君は下がれ。 えっ。 150 00:10:41,841 --> 00:10:44,244 私が話を聞く。 151 00:10:46,513 --> 00:10:49,115 (ノヴァク)はぁ…。 152 00:10:53,620 --> 00:10:55,622 ん゛ん゛…。 153 00:11:08,601 --> 00:11:10,703 足跡…。 154 00:11:12,472 --> 00:11:18,178 (馬の駆ける音) 155 00:11:19,946 --> 00:11:21,881 (アントニ)儲け話か。 156 00:11:21,881 --> 00:11:26,286 悪くない。 で どうやって儲ける? 157 00:11:26,286 --> 00:11:29,255 端的にお話しします。 158 00:11:29,255 --> 00:11:31,257 “本”です。 159 00:11:31,257 --> 00:11:37,263 私はこの先 物の個人所有が進んで 本が売れる時代が来ると思う。 160 00:11:38,965 --> 00:11:43,836 今や 市民は宗教ではなく 娯楽を欲している。 161 00:11:43,836 --> 00:11:46,606 大道芸から処刑に至るまで➡ 162 00:11:46,606 --> 00:11:50,610 貪るように群がる彼らの熱気を 知ってるでしょう。 163 00:11:50,610 --> 00:11:54,314 みんな 刺激に飢えてます。 164 00:11:54,314 --> 00:11:56,649 そこで本です。 165 00:11:56,649 --> 00:12:00,286 文字は思考に直接届く表現だ。 166 00:12:00,286 --> 00:12:04,223 市民にも読みやすくすれば きっと病みつきになる。 167 00:12:04,223 --> 00:12:07,060 時間も場所も選ばないから便利だし➡ 168 00:12:07,060 --> 00:12:12,999 活版印刷を用いた本の複製は安価で しかも おそろしく手軽だ。 169 00:12:12,999 --> 00:12:17,503 もし火がつけば 莫大な利益が生まれる。 170 00:12:17,503 --> 00:12:21,007 そこで 貴方に是非 協力してほしい。 171 00:12:21,007 --> 00:12:24,944 印刷機の使用と 本の発行許可を 貰いたいんです。 172 00:12:24,944 --> 00:12:28,181 必ずや損はさせません。 173 00:12:28,181 --> 00:12:32,518 ほう。 で その本の内容は。 174 00:12:32,518 --> 00:12:36,289 (ドゥラカ)っ… それが問題です。 ん? 175 00:12:36,289 --> 00:12:40,026 宇宙論的な一つの思案というか…➡ 176 00:12:40,026 --> 00:12:43,730 自然に対する ある仮説で…。 177 00:12:43,730 --> 00:12:48,568 平たく言うと 「地球の運動について」です。 178 00:12:48,568 --> 00:12:52,238 っ… 貴様… 何を言って――。 179 00:12:52,238 --> 00:12:54,173 異端思想ですか? 180 00:12:54,173 --> 00:12:58,945 しかしです。 お話ししたいのは ここからだ。 181 00:12:58,945 --> 00:13:00,947 考えてみてください。 182 00:13:00,947 --> 00:13:06,686 歴史上 地動説が弾圧された前例を 聞いたことがありますか? 183 00:13:06,686 --> 00:13:11,524 果たして この説は 本当に異端なのですか? 184 00:13:11,524 --> 00:13:14,761 あ? 当然 異端だ。 185 00:13:14,761 --> 00:13:17,030 冗談も大概にしろ。 186 00:13:17,030 --> 00:13:22,402 時間を損したよ。 君を監獄に送る前に教えてやるが➡ 187 00:13:22,402 --> 00:13:26,873 地動説は かつて私の父が何人も裁いた。 188 00:13:26,873 --> 00:13:31,177 弾圧の…ため… っ…。 189 00:13:31,177 --> 00:13:33,112 いや…。 190 00:13:33,112 --> 00:13:35,381 しかし確かに…➡ 191 00:13:35,381 --> 00:13:38,284 他所で弾圧の話は 聞いたことがない…。 192 00:13:38,284 --> 00:13:40,253 っ!! 193 00:13:40,253 --> 00:13:42,522 やっぱり…! 194 00:13:42,522 --> 00:13:47,694 言葉の印象が先行し 誰もがおそれ敬遠する。 195 00:13:47,694 --> 00:13:51,898 私も初めて知った時 危ういと思った。 196 00:13:51,898 --> 00:13:56,235 確かに宇宙論は 神の創造に抵触する話題だ。 197 00:13:56,235 --> 00:13:58,805 普通なら避けて当然。 198 00:13:58,805 --> 00:14:01,708 これを理由に裁くことも可能でしょう。 199 00:14:01,708 --> 00:14:04,110 慎重になるべきだ。 200 00:14:04,110 --> 00:14:06,779 しかし しかしです。 201 00:14:06,779 --> 00:14:09,582 逆に慎重になりさえすれば➡ 202 00:14:09,582 --> 00:14:14,153 必ずしも禁止されるべきものでは ないのではないですか? 203 00:14:14,153 --> 00:14:19,859 そしてそれは 刺激的な 娯楽の題材になりませんか? 204 00:14:19,859 --> 00:14:22,595 ふむ…。 205 00:14:22,595 --> 00:14:27,533 要するに君の考えでは 地動説が異端かどうかは➡ 206 00:14:27,533 --> 00:14:32,238 時の権力者の裁量によって いくらでも変わるというわけか。 207 00:14:32,238 --> 00:14:34,640 ええ そうです。 208 00:14:36,142 --> 00:14:38,411 …わかった。 っ! 209 00:14:38,411 --> 00:14:42,048 ただ一つ理解しておけ。 210 00:14:42,048 --> 00:14:46,319 私は風向き次第では いくらでも君を切る。 211 00:14:46,319 --> 00:14:50,490 あ… え…! と いうことは…。 212 00:14:50,490 --> 00:14:55,261 落ち着け。 肝心の利益の分配は? 213 00:14:55,261 --> 00:14:57,263 あ… ん…。 214 00:15:00,199 --> 00:15:03,102 ん… 5対5で…。 215 00:15:03,102 --> 00:15:08,808 ハッ! 冗談言うな。 私の歩み寄りを考えろ。 216 00:15:08,808 --> 00:15:11,444 8対… 2だ。 217 00:15:11,444 --> 00:15:13,446 あ…。 218 00:15:15,681 --> 00:15:18,718 わかりました。 219 00:15:18,718 --> 00:15:23,022 ではこれで 話はまとまったな。 220 00:15:23,022 --> 00:15:25,925 (ドゥラカ)あ あっ ありがとうございます! 221 00:15:30,229 --> 00:15:33,132 (ドゥラカ)…あと一つ。 ん…? 222 00:15:33,132 --> 00:15:37,003 発行に際して 一通 手紙を出したいのですが➡ 223 00:15:37,003 --> 00:15:39,272 いいでしょうか? 224 00:15:39,272 --> 00:15:43,776 では私の伝書鳩を使え。 今 持ってこさせよう。 225 00:15:45,611 --> 00:15:47,613 (衛兵)何者だ! 226 00:15:49,282 --> 00:15:51,884 異端捜査に協力してる者だ。 227 00:15:51,884 --> 00:15:54,220 これ許可書。 228 00:15:54,220 --> 00:15:57,123 容疑者の足跡を追ったら ここへ。 229 00:15:57,123 --> 00:16:00,026 誰か怪しい者が来なかったか? 230 00:16:00,026 --> 00:16:03,329 っ! そういえばさっき 女が…。 231 00:16:03,329 --> 00:16:06,065 女⁉ どこへ向かった⁉ 232 00:16:06,065 --> 00:16:09,068 えっ。 教会のほうへ…。 233 00:16:09,068 --> 00:16:11,070 (ノヴァク)教会? 234 00:16:14,473 --> 00:16:17,977 ここらで強い酒を売ってる店はないか? 235 00:16:28,788 --> 00:16:30,723 あっ…。 236 00:16:30,723 --> 00:16:32,725 (2人)ん? 237 00:16:32,725 --> 00:16:34,727 え? 238 00:16:34,727 --> 00:16:37,630 (ノヴァク)あ 貴方は…。 239 00:16:37,630 --> 00:16:39,732 アントニ司教? 240 00:16:44,971 --> 00:16:48,908 (足音) 今はここで 司教をされてるのですね⁉ 241 00:16:48,908 --> 00:16:53,479 私はノヴァクです! 昔 異端審問官を…。 242 00:16:53,479 --> 00:16:55,781 あぁ 覚えてる。 243 00:16:55,781 --> 00:16:58,985 そっ その女から離れてください! 244 00:16:58,985 --> 00:17:01,754 危険です! ソイツは異端者だ!! 245 00:17:01,754 --> 00:17:04,557 あの… 地動説の…! 246 00:17:04,557 --> 00:17:07,059 …あぁ。 247 00:17:07,059 --> 00:17:09,662 あ あぁって…➡ 248 00:17:09,662 --> 00:17:15,201 地動説ですよ⁉ 貴方のお父様が 特に警戒してらした あの! 249 00:17:15,201 --> 00:17:17,136 覚えてるでしょ!! 250 00:17:17,136 --> 00:17:20,039 だから早く離れてくだっ…。 251 00:17:22,742 --> 00:17:27,046 え… な… 何…。 252 00:17:27,046 --> 00:17:30,783 何 黙ってるんです? 253 00:17:30,783 --> 00:17:33,586 お… おい…。 254 00:17:33,586 --> 00:17:36,489 そんな… 冗談だろ…。 255 00:17:36,489 --> 00:17:40,359 まさか… あんた この異端に…。 256 00:17:40,359 --> 00:17:43,362 一つだけ聞かせてくれ。 あ…。 257 00:17:43,362 --> 00:17:47,133 君は地動説の 何が問題だと思う? 258 00:17:47,133 --> 00:17:49,135 …は? 259 00:17:51,003 --> 00:17:53,572 そっ そん そんなの…➡ 260 00:17:53,572 --> 00:17:57,076 宇宙論は神の創造に関わる問題で! 261 00:17:57,076 --> 00:18:00,546 く 詳しいこと は…➡ 262 00:18:00,546 --> 00:18:04,183 その… 前の司教様が…! 263 00:18:04,183 --> 00:18:07,219 随分 曖昧だな。 (ノヴァク)っ! 264 00:18:07,219 --> 00:18:12,258 いいかノヴァク君。 わかってないなら ハッキリ言おう。 265 00:18:12,258 --> 00:18:16,128 人を異端と呼び 拷問し殺すなら➡ 266 00:18:16,128 --> 00:18:20,633 その理由に正当性があるのかくらいは 自分で調べろ。 267 00:18:20,633 --> 00:18:23,002 行動に責任を持て。 268 00:18:23,002 --> 00:18:26,205 いっ いや 正当性って…。 269 00:18:26,205 --> 00:18:29,675 そっ そうだ! 確か聖書にも! 270 00:18:29,675 --> 00:18:31,611 ふむ。 271 00:18:31,611 --> 00:18:36,048 「地は堅く捉えられ 動かされることはない」。 272 00:18:36,048 --> 00:18:41,854 あるいは 「世界は堅く据えられ 決して揺らぐことはない」。 273 00:18:41,854 --> 00:18:45,791 今ざっと思い当たるのは ここら辺か? 274 00:18:45,791 --> 00:18:48,661 しかし冷静に考えるとわかるが➡ 275 00:18:48,661 --> 00:18:53,866 これらは 地動説を排斥する 絶対的根拠にはならないぞ。 276 00:18:53,866 --> 00:18:56,302 っ…! というのも➡ 277 00:18:56,302 --> 00:19:01,540 地動説なんてものは 単に一つの仮説にすぎないからだ。 278 00:19:01,540 --> 00:19:06,078 唯一の真理と 主張するのは危ういかもしれんが➡ 279 00:19:06,078 --> 00:19:09,849 単純に数学的仮定としての発想だ。 280 00:19:09,849 --> 00:19:13,719 一体それに なんの問題がある? 281 00:19:13,719 --> 00:19:19,091 まァもし 万に一つ 大地が実際に動いてるとしても➡ 282 00:19:19,091 --> 00:19:25,998 その前提で聖書を読み直し 再解釈に努めるのが我々の役目だがな。 283 00:19:27,733 --> 00:19:31,237 (アントニ) 新しい意見や発見を拒絶するのではなく➡ 284 00:19:31,237 --> 00:19:35,574 検討して より聖書への理解を深める。 285 00:19:35,574 --> 00:19:40,546 そういう姿勢が 今 信仰に最も必要なんじゃないか? 286 00:19:40,546 --> 00:19:45,951 それにむしろ 太陽が中心であるという 地動説の考えは➡ 287 00:19:45,951 --> 00:19:50,589 三位一体の自然学的な裏付けとも 捉えられる。 288 00:19:50,589 --> 00:19:55,761 これは神学的にも 神を讃える 素晴らしい気付きかもしれんぞ。 289 00:19:55,761 --> 00:19:59,932 っ! し… しかし…➡ 290 00:19:59,932 --> 00:20:03,803 じゃあ 貴方の父親は…⁉ 291 00:20:03,803 --> 00:20:08,407 あぁ。 私の父は宇宙論に厳しかったな。 292 00:20:08,407 --> 00:20:10,810 理由は知らんが。 293 00:20:10,810 --> 00:20:13,679 しかし 君も知ってるだろうが➡ 294 00:20:13,679 --> 00:20:18,651 父も その昔 天文をやっていたらしいじゃないか。 295 00:20:18,651 --> 00:20:22,388 とすると 何か挫折を経験して➡ 296 00:20:22,388 --> 00:20:28,194 天への憧憬は 劣等感へと 変わってしまったのかもしれないな。 297 00:20:28,194 --> 00:20:33,999 なんにせよ 私が推測する 事の顛末はこうだ。 298 00:20:33,999 --> 00:20:38,838 ある所に 宇宙論に特別厳しい権力者がいて➡ 299 00:20:38,838 --> 00:20:43,709 運悪く 彼の管轄内で 地動説を研究した者たちが➡ 300 00:20:43,709 --> 00:20:47,413 異端者の烙印を押された。 301 00:20:47,413 --> 00:20:54,086 人々は“地動説は禁忌だ”という物語を 信じるようになった。 302 00:20:54,086 --> 00:20:56,856 そして その汚れ仕事は➡ 303 00:20:56,856 --> 00:21:02,661 修道会出身の通常の異端審問官ではなく 外部の者➡ 304 00:21:02,661 --> 00:21:06,665 つまり 傭兵上がりの君に委託された。 305 00:21:08,367 --> 00:21:11,337 もしそうだとしたら この騒動は➡ 306 00:21:11,337 --> 00:21:15,908 教会や人々の信仰を守る 聖戦などではなく➡ 307 00:21:15,908 --> 00:21:22,414 一部の人間が起こした ただの「勘違い」だったということになる。 308 00:21:22,414 --> 00:21:25,351 かっ… 勘違い…。 309 00:21:25,351 --> 00:21:30,256 ん…? 勘違いで… すまされるものか…。 310 00:21:32,091 --> 00:21:35,394 フベルト! ラファウ! オクジー! バデーニ! 311 00:21:35,394 --> 00:21:38,297 地動説で処刑された者の名だ!! 312 00:21:38,297 --> 00:21:41,300 私は確かに殺したんだ!! 313 00:21:41,300 --> 00:21:44,904 そ それに…ッ➡ 314 00:21:44,904 --> 00:21:48,307 私の… 娘も…ッ!!! 315 00:21:50,342 --> 00:21:52,812 そうだ 記録! 彼らの記録が――。 316 00:21:52,812 --> 00:21:56,649 (アントニ)全部 非公開処刑だろ。 っ! 317 00:21:56,649 --> 00:22:00,286 そもそも すべて25年以上前だ。 318 00:22:00,286 --> 00:22:03,122 記録が残ってるかも怪しい。 319 00:22:03,122 --> 00:22:05,457 思い返せば妙だった。 320 00:22:05,457 --> 00:22:10,296 君の宇宙論関係は 非公開処刑が多すぎた。 321 00:22:10,296 --> 00:22:13,265 ま 私は用心深い。 322 00:22:13,265 --> 00:22:17,703 ついさっき 君の記録が残ってるか調べさせ➡ 323 00:22:17,703 --> 00:22:21,006 見つけ次第処分しろと指示した。 324 00:22:21,006 --> 00:22:24,376 明日の朝には 何もかも消えるだろう。 325 00:22:24,376 --> 00:22:26,378 あ゛…!! 326 00:22:32,885 --> 00:22:35,221 (ノヴァク)本当に…➡ 327 00:22:35,221 --> 00:22:38,924 本当に 私だけなのか? 328 00:22:38,924 --> 00:22:43,596 地動説の迫害を実行したのは…。 329 00:22:43,596 --> 00:22:47,066 この世で… 私だけ…? 330 00:22:47,066 --> 00:22:50,302 あぁ。 私の知る限り。 331 00:22:50,302 --> 00:22:54,406 (ノヴァク)今さら… 今さらそんな…。 332 00:22:57,042 --> 00:22:59,945 (アントニ)他の場所に生まれていれば➡ 333 00:22:59,945 --> 00:23:02,848 他の時代に生まれていれば➡ 334 00:23:02,848 --> 00:23:06,452 様々な可能性があった。 335 00:23:06,452 --> 00:23:09,655 しかし そうはならない。 336 00:23:09,655 --> 00:23:13,359 それが運命という物だ。 337 00:23:13,359 --> 00:23:17,596 気の毒だが 受け入れるしかないだろう。 338 00:23:17,596 --> 00:23:21,800 君や 君が担当した異端者たち。 339 00:23:23,936 --> 00:23:28,240 君らは歴史の登場人物じゃない。 340 00:23:30,109 --> 00:23:35,381 ♬「行方知らずのあの雲を見た」 341 00:23:35,381 --> 00:23:40,986 ♬「わたしの鱗は あなたに似ていた」 342 00:23:40,986 --> 00:23:46,525 ♬「舌は二つ、 まぶたは眠らず」 343 00:23:46,525 --> 00:23:53,065 ♬「ぼやけたよもぎの 香りがする」 344 00:23:53,065 --> 00:24:03,275 ♬~ 345 00:24:03,275 --> 00:24:08,881 ♬「行方知らずの あの雲の下」 346 00:24:08,881 --> 00:24:14,453 ♬「わたしの心は 火の粉に似ていた」 347 00:24:14,453 --> 00:24:20,225 ♬「靴はいらず、 耳は知らず」 348 00:24:20,225 --> 00:24:23,929 ♬「あなたの 寝息を聞く」 349 00:24:25,698 --> 00:24:31,570 ♬「ブルーベルのベッドを滑った 春みたいだ」 350 00:24:31,570 --> 00:24:36,875 ♬「シジュウカラはあんな風に歌うのか」 351 00:24:36,875 --> 00:24:43,515 ♬「海を知らず、花を愛でず、 空を仰ぐわたしは」 352 00:24:43,515 --> 00:24:47,820 ♬「また巫山の雲を見たいだけ」 353 00:24:47,820 --> 00:24:57,329 ♬~