1 00:00:05,606 --> 00:00:09,276 (ドゥラカ)貴方 教会のお偉いさんでしょ? 2 00:00:09,276 --> 00:00:12,179 こんなことしていいんですか? 3 00:00:12,179 --> 00:00:15,716 移動民族が よくそんな口をきけるな。 4 00:00:15,716 --> 00:00:17,651 慎みたまえ。 5 00:00:17,651 --> 00:00:23,457 我ら教会は 流浪の民である 君らの改宗を快く受け入れた。 6 00:00:23,457 --> 00:00:25,459 文明を授けたのだぞ。 7 00:00:25,459 --> 00:00:27,828 (ドゥラカ)フッ…。 ん…? 8 00:00:27,828 --> 00:00:30,697 貴方たちの典型的な思考だ。 9 00:00:30,697 --> 00:00:36,203 自分たちは理性的で優っていて 他者は未開で劣っている。 10 00:00:36,203 --> 00:00:41,608 正しいほうへ導くと言いながら 実情は他者を拒絶し続けてる。 11 00:00:41,608 --> 00:00:45,479 私たちだって 何世代も前から改宗してるのに➡ 12 00:00:45,479 --> 00:00:47,514 未だに差別される。 13 00:00:47,514 --> 00:00:51,718 その態度って 聖書の教えに反するんじゃないですか? 14 00:00:51,718 --> 00:00:54,421 そんなことしてるから教会の分裂が進む。 15 00:00:54,421 --> 00:00:56,356 (騎士団)っ! 16 00:00:56,356 --> 00:01:00,594 ほう。 お… おい 失礼だぞ司教様に! 17 00:01:00,594 --> 00:01:06,099 この男が言ってたぞ。 お前 少しは賢いんだって?➡ 18 00:01:06,099 --> 00:01:11,805 お前の指示で村は廃墟から 布きれを集めてるらしいじゃないか。➡ 19 00:01:11,805 --> 00:01:13,840 何故 布なんだ。 20 00:01:13,840 --> 00:01:17,911 普通 金目の物を優先するだろ。 21 00:01:17,911 --> 00:01:23,317 金目の物を 見つけるのは手間だし 当然競争も激しい。 22 00:01:23,317 --> 00:01:28,588 それに第一 稼ぐのに金は大して重要じゃない。 23 00:01:28,588 --> 00:01:31,224 ん…? 24 00:01:31,224 --> 00:01:34,828 金だけあっても減るだけで増やせない。 25 00:01:34,828 --> 00:01:38,799 だから 金そのものを探すのは得策じゃない。 26 00:01:38,799 --> 00:01:41,969 金が欲しかったら重要なのは➡ 27 00:01:41,969 --> 00:01:44,638 「生産」。 28 00:01:44,638 --> 00:01:47,040 そこで布は便利だ。 29 00:01:47,040 --> 00:01:50,911 加工も簡単で 服にも包帯にも袋にもなる。 30 00:01:50,911 --> 00:01:53,814 つまり商品になりやすい。 31 00:01:53,814 --> 00:01:57,718 ドゥ… あ あの 司教様…。 32 00:01:57,718 --> 00:02:00,387 では 一つ聞かせろ。 あ…。 33 00:02:00,387 --> 00:02:05,125 ん…?この先 教会の権威は どうなると思う? 34 00:02:05,125 --> 00:02:07,127 おっ! な 何を…⁉ 35 00:02:07,127 --> 00:02:09,796 答えろ。 う…。 36 00:02:09,796 --> 00:02:12,265 …揺らぐと思う。 37 00:02:12,265 --> 00:02:14,201 どう防ぐ。 38 00:02:14,201 --> 00:02:16,503 防げない。 39 00:02:16,503 --> 00:02:21,341 だから この先も裕福でいたいなら 早く手を打ったほうがいい。 40 00:02:21,341 --> 00:02:24,911 次の時代に何が「くる」のかを見極めて。 41 00:02:26,947 --> 00:02:29,383 お前は見極められるか? 42 00:02:29,383 --> 00:02:33,954 さァ。 でも見極めなきゃ死ぬだけ。 43 00:02:33,954 --> 00:02:36,323 あ…。 ふん…。 44 00:02:38,592 --> 00:02:40,961 う あ…。 (アントニ)今から教会へ来い。 45 00:02:42,596 --> 00:02:45,032 話がしたい。 46 00:02:45,032 --> 00:02:48,268 え⁉ え⁉ あ あの 私は…? 47 00:02:48,268 --> 00:02:51,505 (アントニ)勝手にしろ。 あ…。 っ…。 48 00:02:51,505 --> 00:02:54,508 ドゥ ドゥラカ。 信じてたぞ。 49 00:02:54,508 --> 00:02:58,779 お前なら この窮地も乗り越えると。 今喋らないほうがいいよ。 50 00:03:00,914 --> 00:03:05,218 (ドゥラカ)どこの教会なんですか? (アントニ)ここから南西へ少し下った所の…。 51 00:03:05,218 --> 00:03:07,721 (ドゥラカ)あぁ あの街ですか! 52 00:03:09,389 --> 00:03:11,324 …ん? 53 00:03:11,324 --> 00:03:14,027 ところで その本はなんだ。 54 00:03:14,027 --> 00:03:17,464 あ… こ これは…。 55 00:03:17,464 --> 00:03:20,701 ふん。 56 00:03:20,701 --> 00:03:26,973 <どうしよう… この「地動説」って 今の宇宙論に反するんじゃ…> 57 00:03:26,973 --> 00:03:28,975 渡せ。 58 00:03:32,779 --> 00:03:35,882 <でも この司教なら…> 59 00:03:39,486 --> 00:03:41,488 (斬撃音) 60 00:03:48,528 --> 00:03:53,200 ♬「何度でも 何度でも叫ぶ」 61 00:03:53,200 --> 00:04:01,374 ♬「この暗い夜の怪獣になっても」 62 00:04:01,374 --> 00:04:07,180 ♬「ここに残しておきたいんだよ」 63 00:04:07,180 --> 00:04:09,182 ♬「この秘密を」 64 00:04:12,018 --> 00:04:15,789 ♬「だんだん食べる」 65 00:04:15,789 --> 00:04:22,562 ♬「赤と青の星々 未来から過去を」 66 00:04:22,562 --> 00:04:26,433 ♬「順々に食べる」 67 00:04:26,433 --> 00:04:34,474 ♬「何十回も噛み潰し 溶けたなら飲もう」 68 00:04:34,474 --> 00:04:39,112 ♬「丘の上で星を見ると」 69 00:04:39,112 --> 00:04:45,051 ♬「感じるこの寂しさも」 70 00:04:45,051 --> 00:04:47,821 ♬「朝焼けで」 71 00:04:47,821 --> 00:04:54,594 ♬「手が染まる頃にはもう忘れてるんだ」 72 00:04:54,594 --> 00:05:01,835 ♬「この世界は好都合に未完成」 73 00:05:01,835 --> 00:05:04,738 ♬「だから知りたいんだ」 74 00:05:04,738 --> 00:05:12,379 ♬「でも怪獣みたいに遠く遠く叫んでも」 75 00:05:12,379 --> 00:05:17,117 ♬「また消えてしまうんだ」 76 00:05:17,117 --> 00:05:19,119 あ゛ あ゛あ゛ぁ…。 77 00:05:20,787 --> 00:05:22,722 (一同)うっ⁉ てっ 敵襲っ!! 78 00:05:22,722 --> 00:05:24,658 フゥッ!! グァッ! 79 00:05:24,658 --> 00:05:26,660 グッ⁉ ガッ…! 80 00:05:26,660 --> 00:05:29,162 うぅあああ! ッ! フッ!! 81 00:05:29,162 --> 00:05:31,164 ブハァッ!! 82 00:05:32,799 --> 00:05:35,602 ガ… ヴヴェッ。 83 00:05:35,602 --> 00:05:37,537 っ!! 84 00:05:37,537 --> 00:05:40,774 何してる! 私を守れ! 退くぞ! 85 00:05:40,774 --> 00:05:42,709 奴ら 逃げるぞ!! 86 00:05:42,709 --> 00:05:45,278 (シュミット)いいさ レヴァンドロフスキ君。 87 00:05:45,278 --> 00:05:47,514 私たちもすぐ ここを出る。 88 00:05:47,514 --> 00:05:51,284 (フライ)しかし… こんな偶然があるのか。 89 00:05:51,284 --> 00:05:54,187 またも教会の者と出くわすなんて。 90 00:05:54,187 --> 00:05:57,190 ああ 全くツイてねぇ。 91 00:06:00,126 --> 00:06:03,263 だからこそ運命を感じる。 92 00:06:03,263 --> 00:06:07,067 これは一体 どんな導きなのだろう。 93 00:06:07,067 --> 00:06:10,937 叔父さん。 ドゥ ドゥラカ…。 94 00:06:10,937 --> 00:06:12,873 た 助け…。 95 00:06:12,873 --> 00:06:17,277 さっきまで私を売ろうと してたのに よく言えるね…。 96 00:06:17,277 --> 00:06:19,312 ッ… ヒュ…。 97 00:06:19,312 --> 00:06:22,682 叔父さんは これでよかったの? 98 00:06:22,682 --> 00:06:25,252 信念のせいで地獄に堕ちそうだけど。 99 00:06:25,252 --> 00:06:29,756 (ドゥルーヴ)うっ… フッ… 言ったろ…。 100 00:06:29,756 --> 00:06:35,462 じ ごく… なんて… ない…。 101 00:06:35,462 --> 00:06:38,798 ク…ソ…。 102 00:06:38,798 --> 00:06:41,201 オ゛…。 103 00:06:44,571 --> 00:06:46,673 (シュミット)君。 っ! 104 00:06:49,042 --> 00:06:52,012 貴方たち… 何者? 105 00:06:52,012 --> 00:06:54,281 君こそ何者だ。 106 00:06:54,281 --> 00:06:57,684 何故その本を持ってる? 107 00:06:57,684 --> 00:07:00,587 さっき 偶然あの家で…。 108 00:07:00,587 --> 00:07:02,589 (シュミット)そうか。 109 00:07:02,589 --> 00:07:05,859 我々のモノだ。 返したまえ。 110 00:07:05,859 --> 00:07:10,030 っ… この本って 一体なんなの? 111 00:07:10,030 --> 00:07:14,868 君の手に負える物じゃないことは確かだ。 112 00:07:14,868 --> 00:07:16,836 渡せ。 113 00:07:16,836 --> 00:07:21,241 貴方たちのせいで 私の叔父が死んだんだけど➡ 114 00:07:21,241 --> 00:07:24,911 もう少し説明があっても いいんじゃない? 115 00:07:24,911 --> 00:07:27,347 それはすまない。 116 00:07:27,347 --> 00:07:30,250 その本は重要な物だ。 117 00:07:30,250 --> 00:07:33,086 説明は以上。 渡せ。 118 00:07:33,086 --> 00:07:36,056 重要? 重要って何? 119 00:07:36,056 --> 00:07:40,593 我々は今日ここへ お喋りをしに来たわけじゃない。 120 00:07:40,593 --> 00:07:43,363 その本を回収しに来たんだ。 121 00:07:43,363 --> 00:07:47,167 君はさっき偶然見つけただけだろ。 122 00:07:47,167 --> 00:07:51,471 君は この件に無関係だ。 123 00:07:51,471 --> 00:07:55,275 これで最後の忠告にするぞ。 124 00:07:55,275 --> 00:07:58,278 渡せ。 手荒な真似はしたくない。 125 00:08:00,013 --> 00:08:02,248 もしかしたら私は一生…➡ 126 00:08:02,248 --> 00:08:06,553 このまま ここで 終わる運命なんじゃないか って。 127 00:08:06,553 --> 00:08:10,357 いつかその信念が お前を導く。 128 00:08:10,357 --> 00:08:14,260 知性が宿れば 踏み出す勇気が湧く。 129 00:08:16,296 --> 00:08:20,600 <この瞬間を逃したら 私はもう…> 130 00:08:24,371 --> 00:08:28,308 (ドゥラカ)貴方たちは 「今日ここに この本を回収しに」来た。 131 00:08:28,308 --> 00:08:30,310 私は無関係だ。 132 00:08:30,310 --> 00:08:34,047 ん…? (ドゥラカ)でも 申し訳ないけど…。 133 00:08:34,047 --> 00:08:36,349 っ! 134 00:08:36,349 --> 00:08:39,652 私は「今日ここに運命を変えに」来てる。 135 00:08:41,488 --> 00:08:44,024 (3人)っ!! なっ 何しやがる⁉ 136 00:08:44,024 --> 00:08:48,762 中身は私が覚えてる! 完璧じゃないけど記憶力はいいほうだ! 137 00:08:48,762 --> 00:08:51,865 信じられるか! 信じるしかない! 138 00:08:54,367 --> 00:08:58,238 フライ君。 本の内容は覚えてるか? 139 00:08:58,238 --> 00:09:01,508 君が覚えていたら この娘を処理する。 140 00:09:01,508 --> 00:09:05,979 いえ 途中までしか 読んでませんので 内容は…。 141 00:09:05,979 --> 00:09:08,548 迂闊でした。 142 00:09:08,548 --> 00:09:11,751 いいんだ。 燃やされた私に非がある。 143 00:09:14,387 --> 00:09:18,558 すまない諸君 彼女を組織長の元へ連れて行く。 144 00:09:18,558 --> 00:09:21,094 っ! 145 00:09:21,094 --> 00:09:25,598 いいんすか? (シュミット)他に方法はない。 これが運命だ。 146 00:09:27,333 --> 00:09:30,937 (シュミット)ついて来たまえ。 どっ どうも。 147 00:09:33,473 --> 00:09:35,475 ん…。 148 00:09:41,915 --> 00:09:44,818 じゃあね 叔父さん。 149 00:09:51,925 --> 00:09:53,860 どうだ? フライ君。 150 00:09:53,860 --> 00:09:56,396 本当に覚えているようです。 151 00:09:56,396 --> 00:10:00,333 確認できるのは 私の読んだ前半までですが。 152 00:10:00,333 --> 00:10:04,237 どう? 少しは信用してもらえた? 153 00:10:09,943 --> 00:10:13,780 私はドゥラカ。 どうぞよろしく。 154 00:10:13,780 --> 00:10:16,616 俺は レヴァンドロフスキだ。 155 00:10:16,616 --> 00:10:20,487 フライ。 私は隊長のシュミット。 156 00:10:20,487 --> 00:10:24,357 我々は異端解放戦線に所属している。 157 00:10:24,357 --> 00:10:29,729 最悪な出会い方だが 同行が決まったのなら争いは不要。 158 00:10:29,729 --> 00:10:32,031 これからは相互理解を深め➡ 159 00:10:32,031 --> 00:10:36,436 目的に対し 協力し合い 仕事を円滑に進めたい。 160 00:10:36,436 --> 00:10:40,073 つまり 我々に必要なのは対話だ。 161 00:10:40,073 --> 00:10:42,742 はい。 <長いな…> 162 00:10:42,742 --> 00:10:46,079 (シュミット)まず 何故 本を燃やした? っ! 163 00:10:46,079 --> 00:10:49,182 そうまでして我々と同行したい動機は? 164 00:10:50,917 --> 00:10:52,852 フッ…。 165 00:10:52,852 --> 00:10:56,422 あの本に関われば 儲けられそうだったから。 166 00:10:56,422 --> 00:10:59,225 金を稼ぐのが私の信念なので。 167 00:11:00,994 --> 00:11:03,663 ふっ… 信念か。 168 00:11:03,663 --> 00:11:08,001 私も同じようなモノを持っているから 心意気はわかるよ。 169 00:11:08,001 --> 00:11:09,936 君より高尚だがな。 170 00:11:09,936 --> 00:11:12,005 っ…。 171 00:11:12,005 --> 00:11:15,408 しかし 覚悟してもらいたい。 172 00:11:15,408 --> 00:11:21,881 これから見ることになる景色は どれも 教会正統派としては苦しいものになる。 173 00:11:21,881 --> 00:11:26,286 構いませんよ。 私 信徒じゃないし。え。 174 00:11:26,286 --> 00:11:29,188 私は聖書の解釈なんて興味ない。 175 00:11:29,188 --> 00:11:31,991 なんと! 君もか! 176 00:11:31,991 --> 00:11:35,194 これは話が早い! 我々も同意見だ。 177 00:11:35,194 --> 00:11:37,497 え 貴方たちも⁉ 178 00:11:37,497 --> 00:11:41,000 じゃあ 教会の階級制度も バカバカしいと思って? 179 00:11:41,000 --> 00:11:43,436 あぁ もちろん! じゃあ➡ 180 00:11:43,436 --> 00:11:48,007 この世界は人間のために創られたとも 信じてない? もちろん! 181 00:11:48,007 --> 00:11:50,610 じゃあ 神も信じてないわけだ。 182 00:11:53,646 --> 00:11:55,648 …アレ? 183 00:11:57,317 --> 00:11:59,953 どういう意味だ? ん…? 184 00:11:59,953 --> 00:12:04,257 それは… つまり君は 正統派ではない異端の…。 185 00:12:04,257 --> 00:12:06,793 いや 神を信じてません。 186 00:12:06,793 --> 00:12:09,829 は? では別の宗教の信徒…。 187 00:12:09,829 --> 00:12:12,231 いや 神を信じてない。 188 00:12:12,231 --> 00:12:15,134 では つまり…➡ 189 00:12:15,134 --> 00:12:18,705 “神”を信じてないということか? 190 00:12:18,705 --> 00:12:21,808 だから そう言ってるんですけど…。 191 00:12:26,112 --> 00:12:29,015 …あの。 待て! 時間をくれ。 192 00:12:29,015 --> 00:12:31,684 うむ…。 193 00:12:31,684 --> 00:12:33,620 …っ! 194 00:12:33,620 --> 00:12:37,490 そうか この運命も…。 195 00:12:37,490 --> 00:12:41,461 まず君のような意見の者とは 初めて会った。 196 00:12:41,461 --> 00:12:45,832 率直に言って大変動揺してるし 怒りも覚えてる。 197 00:12:45,832 --> 00:12:51,404 だが同時に この運命を 神が与えたと今 気付き直した。 198 00:12:51,404 --> 00:12:53,640 私はそれを受け入れる。 199 00:12:53,640 --> 00:12:55,942 しかし願わくは 用がすんだら➡ 200 00:12:55,942 --> 00:12:59,912 君は早急に消え失せる 運命であってくれと思ってる。 201 00:12:59,912 --> 00:13:03,316 ハァ はい。 <長いって…> 202 00:13:07,253 --> 00:13:11,791 ――って ことは 貴方たちは神をガッツリ信じてると? 203 00:13:11,791 --> 00:13:15,361 信じてるも何も 神は“いる”。 204 00:13:15,361 --> 00:13:19,599 根拠は この世界が“ある”から 制作者もいる。 205 00:13:19,599 --> 00:13:24,437 が その神に人格はないし 解釈も不可能。 206 00:13:24,437 --> 00:13:29,609 私はただ 神の創った自然を崇拝するだけだ。 207 00:13:29,609 --> 00:13:31,577 ふーん…。 208 00:13:31,577 --> 00:13:35,415 ん? ちょっと待って。 (シュミット フライ)ん? 209 00:13:35,415 --> 00:13:40,253 自然を崇拝すること自体が 一つの「解釈」なんじゃ? 210 00:13:40,253 --> 00:13:43,156 ほう。 それは違う。 211 00:13:43,156 --> 00:13:48,394 何故なら 私はそれをただ“良い”と 感じてるだけだからだ。 212 00:13:48,394 --> 00:13:52,298 論理ではなく感覚だ。 解釈までいかない。 213 00:13:54,100 --> 00:14:00,440 私が宗教を嫌うのも 論理的でないから ではなく 「論理的だから」だ。 214 00:14:00,440 --> 00:14:03,643 神の動機など人にはわからん筈だ。 215 00:14:03,643 --> 00:14:08,514 神は雄大な自然を作ったが 人間のためにだとは思わない。 216 00:14:08,514 --> 00:14:13,653 神は私の運命を定めているが どこに導くかは知らない。 217 00:14:13,653 --> 00:14:17,457 は ハァ…。 (シュミット)ま 簡単に言うと➡ 218 00:14:17,457 --> 00:14:23,563 何かを理解しようとする 人の知性とやらを 信用してない。 219 00:14:23,563 --> 00:14:26,265 っ! 220 00:14:26,265 --> 00:14:30,770 じゃあ私は その意見にはのれない。 221 00:14:30,770 --> 00:14:34,941 だって人間は 論理や知性を使って成長する。 222 00:14:34,941 --> 00:14:38,711 それを捨てたら社会は どうやって発展するの? 223 00:14:38,711 --> 00:14:41,280 フッ。 224 00:14:41,280 --> 00:14:44,617 成長しよう 発展しようという考えが➡ 225 00:14:44,617 --> 00:14:47,520 そもそも不自然なのだよ。 は…? 226 00:14:47,520 --> 00:14:51,691 必要な時に必要な分だけ その場で作る。 227 00:14:51,691 --> 00:14:53,626 十分ではないか。 228 00:14:53,626 --> 00:14:56,662 不自然に“楽”を したいから 人は争う。 229 00:14:56,662 --> 00:14:59,298 世界は混沌とする。 230 00:14:59,298 --> 00:15:01,234 …へえ。 231 00:15:01,234 --> 00:15:05,204 でも「技術」によって 救われる命もあると思うけど? 232 00:15:05,204 --> 00:15:11,144 元々死ぬ運命だった命が 不自然な力で救われる必要があるか? 233 00:15:11,144 --> 00:15:15,014 人の命が神の選択に 優先されることなどない。 234 00:15:15,014 --> 00:15:18,851 ッ… バカバカしい! それじゃまるで神の奴隷だ! 235 00:15:18,851 --> 00:15:22,722 うむ。 思い上がった人間よりましだ。 236 00:15:22,722 --> 00:15:27,660 フッ あっそ。 あなたが正しいとは全く思わない。 237 00:15:27,660 --> 00:15:30,797 そのままお返しさせて頂く。 238 00:15:30,797 --> 00:15:32,799 ハァ…。 239 00:15:32,799 --> 00:15:36,569 (シュミット) どうやら これ以上の対話は不要だ。➡ 240 00:15:36,569 --> 00:15:40,039 どうだろう。 こういう時は一つ…。 241 00:15:40,039 --> 00:15:43,042 (コインをはじく音) 242 00:15:43,042 --> 00:15:47,713 表なら私 裏なら君が正しい。 243 00:15:47,713 --> 00:15:49,715 ん…。 244 00:15:51,384 --> 00:15:53,386 おや 表。 245 00:15:53,386 --> 00:15:56,222 どうやらこの場は私が正しい。 246 00:15:56,222 --> 00:16:01,194 フン! だから? 私その提案にのってないんだけど。 247 00:16:01,194 --> 00:16:05,431 そもそも私は こんな偶然に何も決めさせない! 248 00:16:05,431 --> 00:16:08,901 ま いずれ君もわかるさ。 249 00:16:08,901 --> 00:16:10,903 …ん? 250 00:16:13,873 --> 00:16:17,376 きた! 止めてくれ。 ⚟(レヴァンドロフスキ)あいよ! 251 00:16:17,376 --> 00:16:19,378 ⚟(いななき) 252 00:16:24,217 --> 00:16:27,453 え? 何? どういうこと? 253 00:16:27,453 --> 00:16:29,956 一日の始まりだ。 254 00:16:34,093 --> 00:16:36,128 んっ! 255 00:16:36,128 --> 00:16:44,737 ♬~ 256 00:16:44,737 --> 00:16:46,739 (深く息を吸う音) 257 00:16:48,608 --> 00:16:50,877 ハァー…。 258 00:16:50,877 --> 00:16:52,812 う…。 259 00:16:52,812 --> 00:16:55,181 は? 何してるの? 260 00:16:55,181 --> 00:17:00,086 朝日を浴びてる。 こうすることで感じ取る。 261 00:17:00,086 --> 00:17:02,455 何を? 262 00:17:02,455 --> 00:17:04,524 神を。 263 00:17:04,524 --> 00:17:06,759 は…? 264 00:17:06,759 --> 00:17:09,562 このために わざわざ降りたの? 265 00:17:09,562 --> 00:17:13,032 このために わざわざ生まれてきた。 266 00:17:13,032 --> 00:17:16,002 何が…なんだか。 267 00:17:16,002 --> 00:17:18,437 何故 出てこない。 268 00:17:18,437 --> 00:17:23,042 君はこの荘厳な曙光を前に 何も感じないのか? 269 00:17:25,311 --> 00:17:27,313 …感じますよ。 270 00:17:29,649 --> 00:17:32,552 「苦痛」を。 271 00:17:32,552 --> 00:17:34,553 何? 272 00:17:36,555 --> 00:17:41,260 朝日は すべてを勝手に照らす。➡ 273 00:17:41,260 --> 00:17:46,465 隠れたくても 見たくない日も 勝手にやってくる。➡ 274 00:17:46,465 --> 00:17:49,902 しかも決まって律儀に毎日昇る。➡ 275 00:17:49,902 --> 00:17:52,405 誰も逃げられない。 276 00:17:55,608 --> 00:17:59,278 私の大嫌いな運命って言葉を思い出す。 277 00:17:59,278 --> 00:18:01,781 朝日は最悪だ。 278 00:18:05,952 --> 00:18:10,856 私には その良さは死んでもわからない。 279 00:18:10,856 --> 00:18:13,826 フ…。 280 00:18:13,826 --> 00:18:15,962 そうか。 281 00:18:15,962 --> 00:18:19,532 (シュミット)では死ね。 (ドゥラカ) ハァ⁉ だから死んでもわからないって。 282 00:18:19,532 --> 00:18:23,636 (シュミット)諦めるな。 何事もやってみなければ わからんぞ。 ファ~…。 283 00:18:28,841 --> 00:18:32,111 で 気がすんだら そろそろ教えてもらえますか? 284 00:18:32,111 --> 00:18:36,115 ん? あの本で一体 何をするつもりか。 285 00:18:36,115 --> 00:18:38,250 じき目的地です。 286 00:18:38,250 --> 00:18:42,555 我々にも今回の任務内容を 話してもいいのでは? 287 00:18:44,056 --> 00:18:46,058 …ああ そうだな。 288 00:18:47,893 --> 00:18:49,895 君らは 知っているかね。 289 00:18:49,895 --> 00:18:53,699 これから先 恐らく 世界を揺るがす➡ 290 00:18:53,699 --> 00:18:56,268 三つの発明。➡ 291 00:18:56,268 --> 00:18:58,804 一つ 火薬。➡ 292 00:18:58,804 --> 00:19:01,741 二つ 羅針盤。➡ 293 00:19:01,741 --> 00:19:07,213 そして三つ目。 これが今回の要➡ 294 00:19:07,213 --> 00:19:09,548 「活版印刷」。 295 00:19:09,548 --> 00:19:12,818 かっぱん いんさつ? 296 00:19:12,818 --> 00:19:16,122 ああ。 従来の本の複製方法は➡ 297 00:19:16,122 --> 00:19:21,327 手書きの写本か 1頁ずつ木を彫る木版印刷だ。 298 00:19:21,327 --> 00:19:24,930 しかし 活版印刷は違う。➡ 299 00:19:24,930 --> 00:19:26,866 手順は簡単。➡ 300 00:19:26,866 --> 00:19:32,972 まず活字と呼ばれる1文字の型を作り それを並べて活版を作る。➡ 301 00:19:32,972 --> 00:19:38,678 そこにインクを塗り 後は活版を紙に押しつける。➡ 302 00:19:38,678 --> 00:19:41,647 たったそれだけ。➡ 303 00:19:41,647 --> 00:19:43,649 それだけで…。 304 00:19:43,649 --> 00:19:49,021 (ドゥラカ)驚くほど短時間で 均一な品質の写本を量産できる。➡ 305 00:19:49,021 --> 00:19:52,992 なんて発想だ… スゴすぎる。 306 00:19:52,992 --> 00:19:55,127 うむ…。 307 00:19:55,127 --> 00:19:58,497 内容 時代 技術➡ 308 00:19:58,497 --> 00:20:02,368 すべて… 揃った。 309 00:20:02,368 --> 00:20:06,038 では 貴方たちの目的は…。 310 00:20:06,038 --> 00:20:11,844 ああ。 我々の目的は あの本を「出版」することだ。 311 00:20:11,844 --> 00:20:15,815 あ…。 (シュミット)これが組織長直々に命を受けた➡ 312 00:20:15,815 --> 00:20:19,652 最重要とされる今回の任務だ。➡ 313 00:20:19,652 --> 00:20:22,488 だから ドゥラカ君。 314 00:20:22,488 --> 00:20:26,358 君には しっかり本の中身を 覚えておいてもらわないと➡ 315 00:20:26,358 --> 00:20:28,294 困るというわけだ。 316 00:20:28,294 --> 00:20:30,362 っ…。 317 00:20:30,362 --> 00:20:34,700 しかし 組織長は何故あの本を…。 318 00:20:34,700 --> 00:20:37,670 あの本の内容が 広く知れ渡ることが➡ 319 00:20:37,670 --> 00:20:42,441 教会正統派の価値観に 打撃を与えると信じてるからだ。 320 00:20:42,441 --> 00:20:46,745 曰く 「絶対が揺らぐ」と。 321 00:20:46,745 --> 00:20:49,515 そんな簡単にいくでしょうか? 322 00:20:49,515 --> 00:20:53,519 さァな。 しかし懸ける期待は大きい。 323 00:20:53,519 --> 00:20:56,021 ふむ…。 324 00:20:56,021 --> 00:20:59,625 なんだ。 疑問があったら遠慮するな。 325 00:21:01,393 --> 00:21:06,799 では… 本来 我々が行うのは解放活動の筈。 326 00:21:06,799 --> 00:21:10,102 コレは管轄外の仕事では? 327 00:21:10,102 --> 00:21:12,404 それには こう返そう。➡ 328 00:21:12,404 --> 00:21:16,275 これは最も重要な 解放活動とも言える。➡ 329 00:21:16,275 --> 00:21:20,279 つまり―― 「情報を解放する」のだ。 330 00:21:21,981 --> 00:21:23,916 (フライ ドゥラカ)ん…。 331 00:21:23,916 --> 00:21:28,120 今 我々の世界では 情報は監禁されている。 332 00:21:28,120 --> 00:21:31,023 権威による本の検閲から始まり➡ 333 00:21:31,023 --> 00:21:34,326 共同体での相互監視 果ては➡ 334 00:21:34,326 --> 00:21:38,731 自ら恐れ忖度し 口を噤んでいる。 335 00:21:38,731 --> 00:21:43,302 情報の自由度が社会の自由度に繋がる。 336 00:21:43,302 --> 00:21:45,304 大昔 アカデメイアでは➡ 337 00:21:45,304 --> 00:21:49,508 思想の違うプラトンとアリストテレスが 同居していた。 338 00:21:49,508 --> 00:21:55,314 そういう開かれた場で多様な意見が 集まってこそ 理性は磨かれる――➡ 339 00:21:55,314 --> 00:21:58,918 と 組織長は考えてる。 340 00:21:58,918 --> 00:22:02,655 そこで出版を請け負い 情報を解放し➡ 341 00:22:02,655 --> 00:22:06,392 自由を与えるのが重要というわけだ。 342 00:22:06,392 --> 00:22:09,695 そして出版した本は…➡ 343 00:22:09,695 --> 00:22:13,065 教会改革派に流通させる構えだ。 344 00:22:13,065 --> 00:22:15,901 っ! あの改革派に⁉ 345 00:22:15,901 --> 00:22:22,675 ああ この前まで正統派と 大きな戦争をしてた 改革派にだ。 346 00:22:22,675 --> 00:22:27,446 聖書を重視してる彼らが 地動説を受け入れるの? 347 00:22:27,446 --> 00:22:31,016 そこは組織長も対策を考えてある。 348 00:22:31,016 --> 00:22:34,887 それに理性と信仰を分ける者も多い。 349 00:22:34,887 --> 00:22:38,290 彼らも一枚岩じゃないからな。 350 00:22:38,290 --> 00:22:40,259 ⚟(レヴァンドロフスキ)おい。 (3人)ん? 351 00:22:40,259 --> 00:22:43,128 ⚟(レヴァンドロフスキ)“話し合い”は一時中断だ。 352 00:22:43,128 --> 00:22:45,231 到着だぜ。 353 00:23:03,148 --> 00:23:05,150 (ドアが開く音) 354 00:23:07,887 --> 00:23:09,955 ⚟久しぶり。 355 00:23:09,955 --> 00:23:14,260 (シュミット)おお これは。 わざわざお出迎え感謝します。 356 00:23:16,228 --> 00:23:18,998 ドゥラカ君 紹介しよう。 あ…。 357 00:23:18,998 --> 00:23:24,103 (シュミット)こちらが 我々異端解放戦線の組織長――。 358 00:23:27,206 --> 00:23:30,109 (シュミット)ヨレンタさんだ。 359 00:23:30,109 --> 00:23:35,381 ♬「行方知らずのあの雲を見た」 360 00:23:35,381 --> 00:23:40,986 ♬「わたしの鱗はあなたに似ていた」 361 00:23:40,986 --> 00:23:46,525 ♬「舌は二つ、 まぶたは眠らず」 362 00:23:46,525 --> 00:23:53,065 ♬「ぼやけたよもぎの 香りがする」 363 00:23:53,065 --> 00:24:03,275 ♬~ 364 00:24:03,275 --> 00:24:08,881 ♬「行方知らずの あの雲の下」 365 00:24:08,881 --> 00:24:14,453 ♬「わたしの心は 火の粉に似ていた」 366 00:24:14,453 --> 00:24:20,225 ♬「靴はいらず、 耳は知らず」 367 00:24:20,225 --> 00:24:23,929 ♬「あなたの 寝息を聞く」 368 00:24:25,698 --> 00:24:31,570 ♬「ブルーベルのベッドを滑った 春みたいだ」 369 00:24:31,570 --> 00:24:36,875 ♬「シジュウカラはあんな風に歌うのか」 370 00:24:36,875 --> 00:24:43,515 ♬「海を知らず、花を愛でず、 空を仰ぐわたしは」 371 00:24:43,515 --> 00:24:47,820 ♬「また巫山の雲を見たいだけ」 372 00:24:47,820 --> 00:24:57,329 ♬~