1 00:00:04,045 --> 00:00:05,839 ‎僕たちは何だ? 2 00:00:06,423 --> 00:00:10,093 ‎無論 次の時代を担う存在だ 3 00:00:10,969 --> 00:00:15,181 ‎僕らは 前時代的な ‎差別と偏見から抜け出し 4 00:00:15,265 --> 00:00:21,187 ‎自由に 気軽に 上品に ‎深淵‎の探索を行う 5 00:00:21,271 --> 00:00:25,316 ‎そこに今日 1人の仲間が加わった 6 00:00:25,400 --> 00:00:26,693 ‎アルベルト君だ 7 00:00:26,776 --> 00:00:28,445 ‎-おお! ‎-よろしく {\an8} 8 00:00:29,070 --> 00:00:30,572 ‎歓迎するぜ 9 00:00:31,948 --> 00:00:34,701 ‎僕が家庭教師をさせてもらってるが 10 00:00:34,784 --> 00:00:37,412 ‎彼の明晰ぶりには驚くよ 11 00:00:37,912 --> 00:00:40,331 ‎まるで この少年の中には 12 00:00:40,415 --> 00:00:42,959 ‎手だれの論理学者が ‎入ってるかのようだ 13 00:00:44,044 --> 00:00:49,215 ‎だけど それより注視すべきは ‎その好奇心の強さだ 14 00:00:49,799 --> 00:00:54,512 ‎学術の未来において ‎これこそが何より重要な才能だ 15 00:00:55,221 --> 00:00:59,100 ‎というのも ‎僕は今 恐れているんだ 16 00:00:59,184 --> 00:01:01,436 ‎もしかしたら 今後 17 00:01:01,519 --> 00:01:06,858 ‎“真理は発見されるものではなく ‎作られるもの”という見方が 18 00:01:06,941 --> 00:01:09,611 ‎ある種 前提になるかもしれない 19 00:01:10,195 --> 00:01:12,530 ‎過去の書物や異国を見ると 20 00:01:12,614 --> 00:01:16,618 ‎それぞれに違う歴史や文化 ‎信仰がある 21 00:01:17,202 --> 00:01:19,496 ‎今は まだ情報が少ないけど 22 00:01:19,579 --> 00:01:23,583 ‎この先 さらに ‎自分たち以外とつながれば 23 00:01:23,666 --> 00:01:27,212 ‎真理さえ相対的であると ‎見なされていくだろう 24 00:01:28,296 --> 00:01:30,256 ‎そうなれば 人の心から 25 00:01:30,340 --> 00:01:36,387 ‎絶対普遍の真理という理念に対する ‎畏怖や崇拝が薄れていく 26 00:01:37,055 --> 00:01:41,559 ‎そして ‎全ての研究活動は専門化して 27 00:01:41,643 --> 00:01:45,230 ‎知の総体に触れたいという ‎崇高な欲望 28 00:01:45,313 --> 00:01:47,148 ‎つまり 好奇心は 29 00:01:47,816 --> 00:01:51,861 ‎バカげた不要なものとして ‎唾棄‎されるかもしれない 30 00:01:52,987 --> 00:01:57,659 ‎そうなるのは ‎何というか僕は 寂しいよ 31 00:01:57,742 --> 00:01:58,993 ‎うん 32 00:02:00,370 --> 00:02:01,955 ‎だから僕は... 33 00:02:02,914 --> 00:02:04,374 ‎信じてる 34 00:02:04,457 --> 00:02:05,917 ‎ここにいる君らを 35 00:02:06,626 --> 00:02:08,461 ‎その好奇心を 36 00:02:09,879 --> 00:02:13,925 ‎君らと ‎新しく入った少年の好奇心に 37 00:02:14,843 --> 00:02:15,927 ‎乾杯! 38 00:02:16,511 --> 00:02:17,929 ‎乾杯! 39 00:02:23,393 --> 00:02:28,147 ‎♪~ 40 00:03:47,518 --> 00:03:52,023 ‎~♪ 41 00:03:52,941 --> 00:03:56,194 ‎いやあ ついつい ‎長くしゃべってしまった 42 00:03:56,277 --> 00:03:58,279 ‎あ... あの 43 00:03:58,363 --> 00:04:00,740 ‎改めて ありがとうございます 44 00:04:01,241 --> 00:04:03,076 ‎何て言ったらいいか... 45 00:04:03,159 --> 00:04:06,162 ‎とてもうれしいです ‎ここに呼んでもらえて 46 00:04:06,246 --> 00:04:10,166 ‎アハハッ ‎そんな謙遜よしてくれよ 47 00:04:10,250 --> 00:04:12,210 ‎僕らは対等だよ 48 00:04:12,293 --> 00:04:16,214 ‎じゃあ ちょっと僕は ‎用があるから席を外すけど 49 00:04:16,297 --> 00:04:17,924 ‎君は楽しんでくれ 50 00:04:18,007 --> 00:04:18,800 ‎え? 51 00:04:18,883 --> 00:04:23,179 ‎あっちのテーブルで ‎宇宙論の話が聞けると思う 52 00:04:23,262 --> 00:04:25,515 ‎君の興味に合うはずだよ 53 00:04:27,141 --> 00:04:28,851 ‎宇宙論 54 00:04:28,935 --> 00:04:31,354 ‎ 55 00:04:31,437 --> 00:04:33,398 ‎せっかく来たんだ 56 00:04:33,481 --> 00:04:36,192 ‎途中で帰るなんて ‎悲しいことしないで 57 00:04:36,276 --> 00:04:38,152 ‎しっかり最後までいてくれよ 58 00:04:38,236 --> 00:04:40,279 ‎あっ... はい もちろん 59 00:04:40,363 --> 00:04:42,240 ‎それじゃ またあとで 60 00:04:47,203 --> 00:04:50,957 ‎そこで 俺が秘密裏に ‎手に入れたネタなんだが 61 00:04:51,040 --> 00:04:53,001 ‎イブン・シャーティルっつう ‎お偉いさんが 62 00:04:53,084 --> 00:04:56,004 ‎マラーガ学派の問題意識を継いで 63 00:04:56,087 --> 00:04:58,214 ‎プトレマイオスモデルの ‎等速運動を... 64 00:04:58,298 --> 00:04:59,882 ‎-あっ ‎-ん? 65 00:04:59,966 --> 00:05:01,509 ‎いえ すいません 66 00:05:01,592 --> 00:05:03,386 ‎続けてください 67 00:05:03,469 --> 00:05:05,096 ‎おう それでな 68 00:05:05,179 --> 00:05:07,807 ‎イブン・シャーティルが ‎何をしたかっつうと... 69 00:05:07,890 --> 00:05:09,350 ‎‎ヤバい 70 00:05:09,434 --> 00:05:13,438 ‎今日の観測記録 ‎すっかり つけ忘れてた 71 00:05:14,564 --> 00:05:15,982 ‎どうしよう 72 00:05:16,065 --> 00:05:18,067 ‎今から一度 帰って戻ったら 73 00:05:18,151 --> 00:05:20,862 ‎さすがに ‎会は終わっちゃってるだろうな 74 00:05:21,529 --> 00:05:24,157 ‎けど 今日は特別な日だし 75 00:05:24,240 --> 00:05:27,660 ‎一日くらい ‎記録つけなくても問題ないか 76 00:05:28,411 --> 00:05:30,288 ‎少し違う捉え方なんだが... 77 00:05:30,371 --> 00:05:31,205 ‎ん? 78 00:05:31,289 --> 00:05:32,999 ‎ ‎ちょ... ちょっと帰ります 79 00:05:33,082 --> 00:05:35,251 ‎今日は ありがとうございました! 80 00:05:35,334 --> 00:05:38,046 ‎ん? おう また来いよ 81 00:05:38,129 --> 00:05:40,089 ‎はい 失礼します 82 00:05:45,511 --> 00:05:46,721 ‎‎運がよければ⸺ 83 00:05:46,804 --> 00:05:49,974 ‎父さんに馬を出してもらって ‎すぐ戻れるかも 84 00:05:50,058 --> 00:05:51,768 ‎そうすれば 会は まだ... 85 00:05:51,851 --> 00:05:54,771 ‎ 86 00:05:55,813 --> 00:05:57,065 ‎ただいま... 87 00:06:18,336 --> 00:06:19,170 ‎え? 88 00:06:19,253 --> 00:06:20,922 ‎おっと 89 00:06:21,005 --> 00:06:25,176 ‎なっ... え? な... 何して... 90 00:06:25,259 --> 00:06:27,178 ‎あっ いや... 91 00:06:27,261 --> 00:06:30,181 ‎まったく 面倒なことになったな 92 00:06:30,264 --> 00:06:33,017 ‎うん 君の気持ちは分かる 93 00:06:33,101 --> 00:06:34,811 ‎混乱してるよね 94 00:06:35,520 --> 00:06:38,606 ‎でも まずは冷静になってほしい 95 00:06:38,689 --> 00:06:43,319 ‎理性的に対応すれば ‎この状況も のみ込めるはずだ 96 00:06:43,403 --> 00:06:45,363 ‎君ならできる 97 00:06:48,533 --> 00:06:50,076 ‎最初に言いたいのは 98 00:06:51,077 --> 00:06:55,706 ‎こんなことになったのは ‎僕の本意じゃないってこと 99 00:06:56,290 --> 00:06:58,709 ‎僕は穏便に済ませたかった 100 00:07:01,796 --> 00:07:04,382 ‎じゃあ 一から説明しよう 101 00:07:04,465 --> 00:07:07,760 ‎実は 少し前にウワサで聞いたんだ 102 00:07:08,344 --> 00:07:12,098 ‎君のお父さんが ‎ある資料を持っていると 103 00:07:12,723 --> 00:07:15,810 ‎それは 宇宙の形を ‎根本から変えてしまう⸺ 104 00:07:15,893 --> 00:07:18,437 ‎画期的な説に関するものだ 105 00:07:18,938 --> 00:07:23,109 ‎僕はもう ずっと昔から ‎その説に興味があってね 106 00:07:23,192 --> 00:07:27,447 ‎ただ どこにも手がかりがなくて ‎諦めてたんだが... 107 00:07:27,947 --> 00:07:31,242 ‎やっと糸口が見つかったってわけさ 108 00:07:31,325 --> 00:07:36,205 ‎だから是非 情報を共有して ‎研究しようと提案した 109 00:07:36,831 --> 00:07:39,083 ‎悪い提案じゃなかったはずだよ 110 00:07:39,584 --> 00:07:45,631 ‎正直言って あの説は ‎君のお父さんの手には余る代物だ 111 00:07:45,715 --> 00:07:49,135 ‎僕の頭脳と社会的地位がなければ 112 00:07:49,218 --> 00:07:51,762 ‎宝の持ち腐れに終わる 113 00:07:52,680 --> 00:07:57,810 ‎協力の見返りも十分与えるし ‎双方が得する提案だった 114 00:07:58,311 --> 00:08:01,272 ‎けど ここで問題発生だ 115 00:08:01,355 --> 00:08:04,483 ‎彼は僕の誘いを断った 116 00:08:04,567 --> 00:08:06,319 ‎迷いもせず 117 00:08:06,402 --> 00:08:10,907 ‎なんでも“この説は ‎現状の宇宙論と異なるもので⸺” 118 00:08:10,990 --> 00:08:13,701 ‎“弾圧される可能性もある” 119 00:08:13,784 --> 00:08:18,164 ‎“子供もいるから ‎危ないことはしたくない”だってさ 120 00:08:19,248 --> 00:08:21,959 ‎随分 心配性だ 121 00:08:22,043 --> 00:08:26,380 ‎弾圧の危険なんて ‎政治次第で いくらでも避けられる 122 00:08:26,464 --> 00:08:28,799 ‎なのに聞く耳を持たない 123 00:08:28,883 --> 00:08:31,844 ‎いや それだけなら まだいい 124 00:08:31,928 --> 00:08:35,556 ‎粘り強く説得してたら ‎彼は怒り始め 125 00:08:35,640 --> 00:08:39,227 ‎最後には“資料を燃やす”と言った 126 00:08:40,478 --> 00:08:44,440 ‎何というか これには ‎言葉を失ったよ 127 00:08:45,066 --> 00:08:47,360 ‎知だの学びだの言っておいて 128 00:08:47,443 --> 00:08:51,405 ‎所詮 保身に走る俗物だったわけだ 129 00:08:51,489 --> 00:08:55,409 ‎おっと 今のは ‎お父さんに対して失礼だね 130 00:08:55,493 --> 00:08:57,578 ‎撤回するよ ごめん 131 00:08:58,454 --> 00:09:03,251 ‎まっ とにかく取り乱して ‎今にも何かしでかしそうだった 132 00:09:04,085 --> 00:09:05,711 ‎だから落ち着かせた 133 00:09:05,795 --> 00:09:07,505 ‎しょうがなくね 134 00:09:08,047 --> 00:09:12,760 ‎君のお父さんは ‎“知”を共有しないで独占してた 135 00:09:12,843 --> 00:09:15,304 ‎それは あってはならない罪だ 136 00:09:15,388 --> 00:09:18,307 ‎そういう考えは排除すべきだ 137 00:09:19,767 --> 00:09:23,271 ‎いいかい? ‎この状況で大切なのは 138 00:09:23,354 --> 00:09:26,440 ‎これで 君のお父さんが ‎受け継いだ“知”は 139 00:09:26,524 --> 00:09:29,360 ‎失われずに済んだってことさ 140 00:09:29,443 --> 00:09:33,698 ‎この世の美しさのためなら ‎犠牲はやむをえない 141 00:09:34,532 --> 00:09:37,201 ‎さあ これで納得したろ? 142 00:09:42,206 --> 00:09:43,499 {\an8}結局 143 00:09:43,582 --> 00:09:46,043 {\an8}彼は その演説が終わってすぐ 144 00:09:46,127 --> 00:09:48,629 {\an8}村の人たちに 捕らえられました 145 00:09:49,380 --> 00:09:51,257 {\an8}そのあとは知らない 146 00:09:52,675 --> 00:09:56,137 {\an8}バカですよね あっけなさすぎる 147 00:09:58,097 --> 00:10:01,100 ‎父は言った “疑え”と 148 00:10:01,851 --> 00:10:04,937 ‎結果 彼は誰も信頼せず 149 00:10:05,021 --> 00:10:07,982 ‎資料を共有しないで殺された 150 00:10:08,774 --> 00:10:11,986 ‎先生は言った “信じろ”と 151 00:10:12,570 --> 00:10:16,157 ‎結果 彼は自らの信念に従って 152 00:10:16,240 --> 00:10:18,451 ‎殺人もいとわなくなった 153 00:10:18,993 --> 00:10:22,496 ‎これが“知”に関わった者の ‎末路です 154 00:10:23,205 --> 00:10:26,792 ‎学問だの心理だのは ‎人間には荷が重い 155 00:10:27,626 --> 00:10:29,629 ‎だから大学なんて... 156 00:10:30,129 --> 00:10:31,964 ‎まったくバカらしい 157 00:10:33,257 --> 00:10:36,135 ‎どちらか ‎選択する必要がありますか? 158 00:10:36,218 --> 00:10:37,261 ‎え? 159 00:10:37,887 --> 00:10:42,099 ‎疑念と信念 ‎2つ持っていて不都合が? 160 00:10:42,808 --> 00:10:45,269 ‎ええ 不都合だ 161 00:10:45,353 --> 00:10:47,605 ‎その2つは矛盾する 162 00:10:48,564 --> 00:10:51,067 ‎聖アクイナスは知性を 163 00:10:51,150 --> 00:10:56,238 ‎一方では物体的で ‎他方では非物体的と捉えました 164 00:10:57,865 --> 00:11:00,034 ‎肉体と魂 165 00:11:00,117 --> 00:11:02,036 ‎理性と信仰 166 00:11:02,119 --> 00:11:04,413 ‎哲学と神学 167 00:11:04,497 --> 00:11:07,333 ‎疑うことと信じること 168 00:11:07,416 --> 00:11:09,919 ‎これらの矛盾は両立します 169 00:11:10,002 --> 00:11:11,420 ‎なぜか 170 00:11:11,921 --> 00:11:14,048 ‎それが人間だからです 171 00:11:14,131 --> 00:11:15,549 ‎あっ... 172 00:11:16,509 --> 00:11:21,472 ‎人間は神でも獣でもない ‎その中間に存在する 173 00:11:22,139 --> 00:11:24,016 ‎でも だからこそ 174 00:11:24,100 --> 00:11:28,938 ‎矛盾を 曖昧を 混乱を ‎受け入れられる 175 00:11:29,563 --> 00:11:32,692 ‎むしろ そこで ‎理性の息継ぎをする 176 00:11:34,110 --> 00:11:38,823 ‎話を聞くに ‎あなたは今 神を失っている 177 00:11:39,865 --> 00:11:45,329 ‎つまり この世界が存在するという ‎奇跡を感じられないでいる 178 00:11:46,914 --> 00:11:48,457 ‎奇跡とは 179 00:11:48,541 --> 00:11:52,670 ‎必然に満ちた領域で生まれる ‎偶然のことです 180 00:11:53,170 --> 00:11:58,884 ‎...と同時に 偶然に満ちた領域で ‎必然が生まれることです 181 00:12:00,678 --> 00:12:03,514 ‎昔のあなたは それらを感じていた 182 00:12:04,724 --> 00:12:08,269 ‎この世の全てが ‎奇跡的だと知っていた 183 00:12:10,062 --> 00:12:14,483 ‎しかし 経験や記憶 過去や故郷 184 00:12:14,567 --> 00:12:19,613 ‎そして 痛みと引き換えに ‎奇跡まで失ってしまった 185 00:12:19,697 --> 00:12:24,326 ‎それこそ ‎あなたが生きる場所だったのにです 186 00:12:25,494 --> 00:12:27,621 ‎ ‎勝手に決めないでください 187 00:12:29,123 --> 00:12:31,459 ‎どうすればいいか ‎分かりますか? 188 00:12:31,542 --> 00:12:33,169 ‎知りませんよ 189 00:12:33,711 --> 00:12:37,256 ‎単純です ‎空を見ればいいのです 190 00:12:37,882 --> 00:12:40,217 ‎そして深く息を吸う 191 00:12:40,718 --> 00:12:41,802 ‎ハァ... 192 00:12:41,886 --> 00:12:45,014 ‎これは ‎そんな簡単な問題じゃないです 193 00:12:45,097 --> 00:12:46,432 ‎もちろん 194 00:12:47,224 --> 00:12:50,519 ‎でも乗り越えられないわけじゃない 195 00:12:52,104 --> 00:12:56,442 ‎コリント人への手紙 第10章13節 196 00:12:57,359 --> 00:12:59,904 ‎“神は真実な方です” 197 00:12:59,987 --> 00:13:04,116 ‎“あなた方を 耐えられない試練に ‎遭わせることはなさいません” 198 00:13:04,700 --> 00:13:07,244 ‎“むしろ 耐えられるように⸺” 199 00:13:07,328 --> 00:13:11,081 ‎“試練とともに ‎脱出の道も備えてくださいます” 200 00:13:15,336 --> 00:13:19,423 ‎では あなたが ‎勇気を出してくださったので 201 00:13:19,507 --> 00:13:22,635 ‎私も 人には言えない悩みを ‎告白します 202 00:13:22,718 --> 00:13:23,844 ‎ん? 203 00:13:25,054 --> 00:13:26,597 ‎それは... 204 00:13:26,680 --> 00:13:28,432 ‎ 205 00:13:28,516 --> 00:13:33,729 ‎私が昔 ‎友人を見殺しにしたことです 206 00:13:33,812 --> 00:13:34,980 ‎あっ... 207 00:13:35,523 --> 00:13:41,529 ‎発端は 友人が ある仕事で ‎重大な違反を犯してしまったんです 208 00:13:42,279 --> 00:13:44,949 ‎取り返しのつかないことをした 209 00:13:45,991 --> 00:13:49,411 ‎その結果 彼は死んだ 210 00:13:49,954 --> 00:13:53,165 ‎しかし 彼の罪が重いからこそ 211 00:13:53,249 --> 00:13:57,002 ‎彼を諭し 救うことが重要だった 212 00:13:58,003 --> 00:14:00,965 ‎あの時 ‎どうするのが正解だったのか 213 00:14:01,966 --> 00:14:03,801 ‎答えは出ていません 214 00:14:04,426 --> 00:14:06,554 ‎今後も出るか分かりません 215 00:14:07,179 --> 00:14:10,891 ‎しかし 1つだけ ‎はっきりしてるのは 216 00:14:11,433 --> 00:14:16,146 ‎今日まで私が あの過去から ‎目をそらしてきたことです 217 00:14:17,940 --> 00:14:22,319 ‎でも 今 初めて ‎この悩みを言葉にできた 218 00:14:22,403 --> 00:14:26,448 ‎そのせいで 今日から ‎より一層 さいなまれるでしょう 219 00:14:28,242 --> 00:14:32,663 ‎しかし同時に ‎今日が一歩目になったと信じます 220 00:14:33,414 --> 00:14:35,624 ‎それは あなたも同じです 221 00:14:36,166 --> 00:14:38,794 ‎あなたは私に話してくれた 222 00:14:39,336 --> 00:14:41,630 ‎だから きっと進める 223 00:14:42,214 --> 00:14:45,092 {\an8}神は私たちを 認めてくださる 224 00:14:45,801 --> 00:14:47,261 {\an8}そして神は 225 00:14:47,344 --> 00:14:50,431 {\an8}いつでも 私たちの 居場所になってくださる 226 00:14:51,056 --> 00:14:52,808 {\an8}しかし そのためには 227 00:14:52,892 --> 00:14:55,894 {\an8}私たちが 私たち自身を乗り越え 228 00:14:56,729 --> 00:14:59,231 ‎神に向き合わなければならない 229 00:14:59,732 --> 00:15:03,485 ‎そして ‎孤独に問い続けなければならない 230 00:15:05,029 --> 00:15:10,576 ‎自分は神に認めてもらえる ‎存在なのだろうか... と 231 00:15:11,118 --> 00:15:16,498 ‎でも いくら悩んで問うても ‎神は口を開かない 232 00:15:16,999 --> 00:15:18,250 ‎そうですよ 233 00:15:18,334 --> 00:15:23,005 ‎だから永遠に ‎私たちは考え続けられるのです 234 00:15:23,088 --> 00:15:24,173 ‎ハッ! 235 00:15:24,256 --> 00:15:27,593 ‎ ‎私は それを 幸福だと思いたい 236 00:15:31,805 --> 00:15:35,476 ‎では 最後に1つ質問です 237 00:15:36,644 --> 00:15:40,064 ‎硬貨をささげれば パンを得られる 238 00:15:41,190 --> 00:15:44,568 ‎税をささげれば 権利を得られる 239 00:15:45,444 --> 00:15:49,281 ‎労働をささげれば 報酬を得られる 240 00:15:50,491 --> 00:15:56,747 ‎なら一体 何をささげれば ‎この世の全てを知れる 241 00:15:56,830 --> 00:15:58,666 ‎...と 思いますか? 242 00:16:03,504 --> 00:16:05,965 ‎その答えを探してください 243 00:16:07,633 --> 00:16:09,510 ‎何のために? 244 00:16:09,593 --> 00:16:12,763 ‎この世で ‎“再び”生きるために 245 00:16:19,520 --> 00:16:23,691 ‎‎そこで大学へ行くのは ‎一つの道だと思いますよ 246 00:16:24,525 --> 00:16:27,194 ‎では 神のご加護を 247 00:16:27,277 --> 00:16:31,281 ‎ 248 00:16:56,932 --> 00:16:58,350 ‎んっ... 249 00:16:58,934 --> 00:17:02,604 ‎この世の美しさのためなら ‎犠牲はやむをえない 250 00:17:05,482 --> 00:17:10,112 ‎僕は何があろうと ‎君の好奇心を否定しない 251 00:17:12,197 --> 00:17:13,115 ‎んっ! 252 00:17:39,516 --> 00:17:41,018 ‎先生 253 00:17:41,977 --> 00:17:45,022 ‎“この世の美しさを追求したい” 254 00:17:45,105 --> 00:17:49,359 ‎“そのために ‎何か犠牲になってもかまわない” 255 00:17:51,153 --> 00:17:54,364 ‎はっきり言って 僕も同意見です 256 00:17:56,033 --> 00:17:58,243 ‎だけど あなたのやり方では 257 00:17:59,077 --> 00:18:01,538 ‎美しさに到達できなかった 258 00:18:02,790 --> 00:18:05,042 ‎この世の全てを知るために⸺ 259 00:18:05,125 --> 00:18:07,961 ‎何をささげればいいかなんて ‎分からない 260 00:18:09,338 --> 00:18:12,841 ‎けど 隠そうとする父さんも 261 00:18:12,925 --> 00:18:15,385 ‎排除しようとする先生も 262 00:18:15,469 --> 00:18:18,388 ‎有効じゃなかったことだけは確かだ 263 00:18:19,431 --> 00:18:23,310 ‎僕らは足りない ‎だから補い合える 264 00:18:23,393 --> 00:18:26,772 ‎そうじゃなきゃ ‎この世界には挑めない 265 00:18:27,856 --> 00:18:31,151 ‎人間は 社会的な動物だ 266 00:18:32,736 --> 00:18:36,865 ‎先生 僕もタウマゼインを感じます 267 00:18:37,366 --> 00:18:39,785 ‎それを肯定し続けます 268 00:18:40,494 --> 00:18:42,913 ‎あなたとは違ったやり方で 269 00:18:44,832 --> 00:18:49,086 ‎疑いながら進んで ‎信じながら戻って 270 00:18:49,962 --> 00:18:55,759 ‎美しさに きらめきに ‎迫り詰めてみせます 271 00:19:02,474 --> 00:19:04,351 ‎ 272 00:19:04,434 --> 00:19:06,019 ‎おお 戻ったか 273 00:19:06,603 --> 00:19:07,646 ‎随分 遅かったな 274 00:19:07,729 --> 00:19:08,981 ‎親方 275 00:19:10,440 --> 00:19:12,401 ‎大学へ行かせてください 276 00:19:16,572 --> 00:19:18,615 ‎えーと... 277 00:19:18,699 --> 00:19:22,494 ‎君が入学希望者の... 278 00:19:22,578 --> 00:19:24,538 ‎アルベルト君だっけ? 279 00:19:24,621 --> 00:19:25,914 ‎はい 280 00:19:26,498 --> 00:19:28,959 ‎じゃ ここにサインして 281 00:19:36,967 --> 00:19:40,888 ‎アルベルト・ブルゼフスキ? 282 00:19:40,971 --> 00:19:42,306 ‎ええ 283 00:19:42,389 --> 00:19:45,475 ‎ブルゼヴォ 僕の地元の名です 284 00:19:45,976 --> 00:19:48,270 ‎サインの際には それを 285 00:19:48,353 --> 00:19:50,105 ‎ふーん 286 00:19:50,189 --> 00:19:52,691 ‎まっ 何でもいいけど 287 00:19:52,774 --> 00:19:55,777 ‎じゃ あしたから ‎好きな授業 受けて 288 00:20:48,205 --> 00:20:50,123 ‎ 289 00:20:51,959 --> 00:20:53,585 ‎ 290 00:20:56,213 --> 00:20:59,299 ‎ 291 00:20:59,383 --> 00:21:01,134 ‎えっ 郵便? 292 00:21:01,218 --> 00:21:02,219 ‎うちに? 293 00:21:02,302 --> 00:21:04,763 ‎ ‎はい ポトツキさん宛てに 294 00:21:04,846 --> 00:21:06,390 ‎ポトツキ? 295 00:21:06,473 --> 00:21:09,726 ‎いや そんな名前の人 ‎全然知らないよ 296 00:21:09,810 --> 00:21:13,438 ‎でも 住所は間違いなく ‎ここなんですが 297 00:21:13,522 --> 00:21:16,775 ‎うーん 確かに そう書いてあるけど 298 00:21:16,858 --> 00:21:18,318 ‎でもなあ... 299 00:21:18,402 --> 00:21:22,781 ‎もしかしたら ‎前 ここに住んでた人とかかな 300 00:21:22,864 --> 00:21:25,742 ‎だって こんなの身に覚えないよ 301 00:21:25,826 --> 00:21:27,369 ‎“権利書” 302 00:21:27,452 --> 00:21:32,666 ‎“以下の著作物が出版された際 ‎利益の1割を贈与します” 303 00:21:32,749 --> 00:21:34,501 ‎...なんて 気持ち悪い 304 00:21:35,294 --> 00:21:39,381 ‎しっかし この本ってやつの ‎題名も何だ? 305 00:21:39,464 --> 00:21:42,259 ‎「地球の運動について」って 306 00:21:46,722 --> 00:21:50,892 ‎‎書き違いかな ‎運動するのは天球だし 307 00:21:51,476 --> 00:21:53,311 ‎なーんか怪しいな 308 00:21:53,395 --> 00:21:57,065 ‎出版されるって本が ‎同封されてるわけでもないし 309 00:21:57,149 --> 00:22:00,277 ‎いや~ カネが入るなら ‎俺はいいけどさ 310 00:22:02,154 --> 00:22:06,783 ‎ ‎「地球の運動について」か... 311 00:22:12,622 --> 00:22:13,749 ‎ん? 312 00:23:30,992 --> 00:23:35,997 {\an8}♪~ 313 00:24:54,075 --> 00:24:59,080 {\an8}~♪