1 00:00:03,003 --> 00:00:06,506 (静江)ねえ 栞奈聞いた? 来月 転校生が来るんだって。 2 00:00:06,506 --> 00:00:08,508 (栞奈)ひぇんほうひぇい? 3 00:00:08,508 --> 00:00:11,178 女子? 男子? (花代)女子。 4 00:00:11,178 --> 00:00:13,680 昨日 先生たちが 話してるのを聞いたの。 5 00:00:13,680 --> 00:00:16,350 たしか… サエキヒデヨって名前。 6 00:00:16,350 --> 00:00:19,019 へぇ~ 楽しみだね! ねぇ! 7 00:00:19,019 --> 00:00:21,321 どんな子だろ~ んっ? 8 00:00:23,690 --> 00:00:27,527 あれって中禅寺先生じゃない? だよね。 9 00:00:27,527 --> 00:00:29,529 (ドアベル) 10 00:00:29,529 --> 00:00:33,333 あれ!? なぁんだ 似てただけか。 11 00:00:35,369 --> 00:00:39,206 そういえば知ってる? この世には 自分と瓜二つの人間が➨ 12 00:00:39,206 --> 00:00:42,042 3人は いるんだって。 (栞奈)へぇ~。 13 00:00:42,042 --> 00:00:46,046 だから私と同じ顔の女の子が 世界のどこかにいてさ➨ 14 00:00:46,046 --> 00:00:48,715 もしかしたら その子がお姫様かも? 15 00:00:48,715 --> 00:00:52,553 (栞奈)お姫様かぁ… もし入れ替われたら➨ 16 00:00:52,553 --> 00:00:54,554 おいしいもの食べ放題!? 17 00:00:54,554 --> 00:00:57,557 ヘヘ~。 栞奈は そればっかりだね。 ウヘヘヘ。 18 00:00:57,557 --> 00:00:59,726 あ あのさ。 19 00:00:59,726 --> 00:01:05,032 私 見たことある… お母さんのそっくりさん。 20 00:01:05,032 --> 00:01:07,034 1週間くらい前かな…。 21 00:01:07,034 --> 00:01:11,038 お母さんに頼まれて 買い物に行ったら…。 22 00:01:11,038 --> 00:01:14,041 《あっ》 23 00:01:14,041 --> 00:01:16,376 (花代)街にお母さんがいたの。 24 00:01:16,376 --> 00:01:18,879 《あぁ…。 25 00:01:18,879 --> 00:01:20,847 ただいま~…。 26 00:01:20,847 --> 00:01:23,684 お母さん さっき街へ出てた? 27 00:01:23,684 --> 00:01:26,887 ずっとここで ごはんの支度をしてたわよ?》 28 00:01:31,692 --> 00:01:34,194 やっぱり そっくりさんって いるのね。 29 00:01:34,194 --> 00:01:36,863 (花代)でもさ その街にいた そっくりさん➨ 30 00:01:36,863 --> 00:01:39,900 お母さんが持ってる着物と 同じ柄の着物を着てたの。 31 00:01:39,900 --> 00:01:43,236 だから絶対 お母さんだって 思ったんだけど…。 32 00:01:43,236 --> 00:01:45,739 う~む いとあやし。 33 00:01:45,739 --> 00:01:47,908 あ あれ…。 34 00:01:52,412 --> 00:01:54,581 あっ…! 35 00:03:38,018 --> 00:03:40,554 い 今の…。 36 00:03:40,554 --> 00:03:43,523 花代にそっくりだったね~ ビックリ! 37 00:03:43,523 --> 00:03:46,526 髪留めまで同じだった…。 38 00:03:46,526 --> 00:03:48,528 私が産まれたとき➨ 39 00:03:48,528 --> 00:03:51,031 お母さんが 手作りしてくれた物なのに。 40 00:03:51,031 --> 00:03:53,567 顔が似てるだけならともかく➨ 41 00:03:53,567 --> 00:03:56,236 着てる服 つけてる物まで 同じなんて…。 42 00:03:56,236 --> 00:03:58,738 まさか やっぱり あの話…。 43 00:03:58,738 --> 00:04:00,640 は 花代? 44 00:04:00,640 --> 00:04:02,642 ドッペルゲンガー。 えっ? 45 00:04:09,149 --> 00:04:11,651 (関口)うわっ! ご ごめんなさい どうぞ! 46 00:04:11,651 --> 00:04:15,322 い いや いやぁ どどどうぞ… って… あれ? 47 00:04:15,322 --> 00:04:18,325 き 君… 中禅寺の生徒の…。 48 00:04:18,325 --> 00:04:21,828 えっ? う~ん…。 49 00:04:21,828 --> 00:04:24,498 どこかでお会いしましたっけ? 50 00:04:24,498 --> 00:04:28,335 ほ ほら この間… ジャズクラブの入り口で…。 51 00:04:28,335 --> 00:04:31,338 あ… あ~っ そういえば! 52 00:04:31,338 --> 00:04:35,008 あっ 私 日下部です。 日下部栞奈。 53 00:04:35,008 --> 00:04:37,844 ぼ 僕は… せ 関口巽です。 54 00:04:37,844 --> 00:04:41,181 中禅寺とは 学生時代からの し 知り合いで。 55 00:04:41,181 --> 00:04:43,683 関口巽? あっ! 56 00:04:43,683 --> 00:04:47,521 もしかして時々 『近代文藝』に 寄稿してませんか? 57 00:04:47,521 --> 00:04:49,856 (関口)えっ…? よ よく知ってるね。 58 00:04:49,856 --> 00:04:52,359 先月号のコラム おもしろかったです! 59 00:04:52,359 --> 00:04:55,862 あ ありがとう 見てくれてる人がいるなんて…。 60 00:04:55,862 --> 00:04:59,199 音楽に文章に… 多才なんですね! えっ!? 61 00:04:59,199 --> 00:05:01,801 い いや… 小遣い稼ぎで…。 62 00:05:01,801 --> 00:05:03,803 ほ 本業というか…。 63 00:05:03,803 --> 00:05:06,973 僕は大学で 粘菌の研究をしてるんだ…。 64 00:05:06,973 --> 00:05:08,975 研究者! すごい! 65 00:05:08,975 --> 00:05:12,145 いやいや…。 粘菌ってなんですか? 66 00:05:12,145 --> 00:05:15,482 粘菌っていうのは 胞子を出しながら➨ 67 00:05:15,482 --> 00:05:19,653 移動と捕食をして 自らの体を変えていく生物だよ。 68 00:05:19,653 --> 00:05:22,822 胞子… キノコとは違うんです? 69 00:05:22,822 --> 00:05:25,358 (関口)ああ。 キノコは粘菌と違って➨ 70 00:05:25,358 --> 00:05:27,527 胞子が発芽した場所にとどまり➨ 71 00:05:27,527 --> 00:05:30,530 菌糸体を形成して成長する 真菌だね。 72 00:05:30,530 --> 00:05:33,033 だからキノコは 別々の場所に生えていても➨ 73 00:05:33,033 --> 00:05:37,370 地中でつながっていて それが同じ個体だったりするんだ。 74 00:05:37,370 --> 00:05:40,340 別々の場所にいても 同じ個体…。 75 00:05:42,342 --> 00:05:47,013 あの 自分とまったく同じ見た目の 人間がいるっていうのは➨ 76 00:05:47,013 --> 00:05:49,683 双子以外で何か考えられますか? 77 00:05:49,683 --> 00:05:51,685 う~ん…。 78 00:05:51,685 --> 00:05:56,189 双子以外… というと ドッペルゲンガー とかかな? 79 00:05:56,189 --> 00:06:00,460 う~ん… 自分自身の姿を 自分で見る現象のことで➨ 80 00:06:00,460 --> 00:06:03,129 神話や伝説なんかにも 時々出てくるんだけど➨ 81 00:06:03,129 --> 00:06:06,633 死の前兆として 語られることが多いね。 82 00:06:06,633 --> 00:06:13,340 自分のドッペルゲンガーを 見た者は… 死ぬんだ。 死ぬ…。 83 00:06:15,342 --> 00:06:18,011 《そっか… だから花代あんなに…》 84 00:06:19,980 --> 00:06:22,315 (栞奈)えっ? 花代が休んでる? 85 00:06:22,315 --> 00:06:27,988 そうなの。 原因不明の高熱だって。 まさか…。 86 00:06:27,988 --> 00:06:31,491 (中禅寺)ドッペルゲンガーねぇ…。 87 00:06:31,491 --> 00:06:34,494 (中禅寺)君を含めて2人が見たと。 はい。 88 00:06:34,494 --> 00:06:38,832 ソイツを見ても死なずに済む 方法なんて あるのかな~って。 89 00:06:38,832 --> 00:06:41,835 まったく… 次から次へと➨ 90 00:06:41,835 --> 00:06:44,504 怪しげなものに 首を突っ込むね 君は。 91 00:06:44,504 --> 00:06:50,343 ドッペルゲンガーとは 瓜二つな姿の存在が 確認される現象を指す言葉だ。 92 00:06:50,343 --> 00:06:53,179 ドイツ語の 「写し doppel」と➨ 93 00:06:53,179 --> 00:06:56,016 「行くもの ganger」を 合成した言葉で➨ 94 00:06:56,016 --> 00:06:58,518 「重なって歩くもの」という 意味の言葉だ。 95 00:06:58,518 --> 00:07:00,987 神話や伝説 迷信などでは➨ 96 00:07:00,987 --> 00:07:04,157 「肉体から霊魂が 分離 実体化したもの」と➨ 97 00:07:04,157 --> 00:07:07,294 されているね。 (栞奈)お話の中の 言葉なんですか? 98 00:07:07,294 --> 00:07:11,965 創作物だけでなく ドッペルゲンガーの 目撃例は世界中にあるよ。 99 00:07:11,965 --> 00:07:15,335 有名どころでは 哲学者ピタゴラス。 100 00:07:15,335 --> 00:07:19,172 アメリカ合衆国 第16代大統領 エイブラハム・リンカーン。 101 00:07:19,172 --> 00:07:23,677 帝政ロシアの エカテリーナ2世などの 目撃例がある。 102 00:07:23,677 --> 00:07:28,148 で ドッペルゲンガー現象は 大きく2つに分類される。 103 00:07:28,148 --> 00:07:31,985 一つ。 本人だけがドッペルゲンガーを目撃する。 104 00:07:31,985 --> 00:07:37,324 もう一つは 本人と第三者が ドッペルゲンガーを目撃するというものだ。 105 00:07:37,324 --> 00:07:39,492 その特徴として伝わるのが➨ 106 00:07:39,492 --> 00:07:42,162 「周囲の人間と会話をしない」。 107 00:07:42,162 --> 00:07:45,665 「本人に関係のある場所に 出現する」。 そして➨ 108 00:07:45,665 --> 00:07:49,502 「遭遇すると近いうちに死ぬ」だ…。 109 00:07:49,502 --> 00:07:51,504 ドッペルゲンガーは➨ 110 00:07:51,504 --> 00:07:55,508 「自分の姿を見る」症状として 医学的な研究も行われていて➨ 111 00:07:55,508 --> 00:07:58,678 脳の機能障害と 関係しているのではないか➨ 112 00:07:58,678 --> 00:08:00,613 といわれている。 つまり➨ 113 00:08:00,613 --> 00:08:03,283 「遭遇すると近いうちに死ぬ」 というのは➨ 114 00:08:03,283 --> 00:08:05,785 「脳の病気によって 死期が近かった」➨ 115 00:08:05,785 --> 00:08:08,288 ということではないかとも 考えられるんだ。 116 00:08:08,288 --> 00:08:11,124 じゃ じゃあ すぐに病院に連れていかなきゃ! 117 00:08:11,124 --> 00:08:13,293 最後まで聞きたまえ。 これは➨ 118 00:08:13,293 --> 00:08:16,629 「本人だけが ドッペルゲンガーを目撃した」 場合の話だ。 119 00:08:16,629 --> 00:08:18,631 君たちのケースは➨ 120 00:08:18,631 --> 00:08:22,135 「本人と第三者がドッペルゲンガーを 目撃する」という状況だ。 121 00:08:22,135 --> 00:08:25,638 であれば 脳機能障害の可能性は低いだろう。 122 00:08:25,638 --> 00:08:27,640 あっ… そうですね。 123 00:08:27,640 --> 00:08:30,143 そもそも 私が最初に見つけたんですし…。 124 00:08:30,143 --> 00:08:33,646 あれ? でもそうなると あの子は いったい…。 125 00:08:33,646 --> 00:08:36,149 説明は以上だ。 えっ? 126 00:08:36,149 --> 00:08:40,153 な… 何も証明されてませんよ 中禅寺先生! 127 00:08:40,153 --> 00:08:42,655 私たちが見たのは なんだったんですか!? 128 00:08:42,655 --> 00:08:46,659 何って 似ている誰かだろう。 でも…。 129 00:08:46,659 --> 00:08:49,863 見たら死ぬのは 病によるものと考えられ➨ 130 00:08:49,863 --> 00:08:53,700 その可能性が低いことは 君自身によって証明されたんだ。 131 00:08:53,700 --> 00:08:55,668 それでいいじゃないか。 132 00:08:55,668 --> 00:08:57,670 よくないです! そんなそっくりな人➨ 133 00:08:57,670 --> 00:08:59,672 いるわけないから 相談してるんです! 134 00:08:59,672 --> 00:09:02,776 ないということの証明は 非常に困難なんだよ。 135 00:09:02,776 --> 00:09:06,279 そんな不毛なことのために 僕を巻き込まないでくれるかな。 136 00:09:06,279 --> 00:09:09,449 ふ 不毛~? もういいです! 137 00:09:09,449 --> 00:09:12,452 関口さんと一緒に なんとかしますから! んっ!? 138 00:09:16,456 --> 00:09:27,967 ♬~ 139 00:09:27,967 --> 00:09:30,470 関口のヤツめ…。 140 00:09:30,470 --> 00:09:32,972 あんな意地悪な先生 もう知りません! 141 00:09:32,972 --> 00:09:35,308 きっと生徒のことなんか どうでもいいんです! 142 00:09:35,308 --> 00:09:37,977 あ~ アイツは そういうところあるよなぁ。 143 00:09:37,977 --> 00:09:40,980 深入りしたがらないというか…。 でしょう? うおっ。 144 00:09:40,980 --> 00:09:44,317 まぁ こういう お化けや妖怪の類いは➨ 145 00:09:44,317 --> 00:09:46,986 アイツの専門なんだけどな…。 んっ? 146 00:09:46,986 --> 00:09:50,990 で… その ドッペルゲンガーだけど 見間違いだったんじゃ? 147 00:09:50,990 --> 00:09:53,660 違います! 私たち3人が見たんですよ? 148 00:09:53,660 --> 00:09:58,164 う~ん… パレイドリア現象 というものがあってね。 149 00:09:58,164 --> 00:10:00,166 見たものや聞いたことを➨ 150 00:10:00,166 --> 00:10:02,335 自分が知っている パターンに当てはめて➨ 151 00:10:02,335 --> 00:10:04,337 誤認することがあるんだ。 152 00:10:04,337 --> 00:10:07,674 例えば月の模様が ウサギに見えたりとかだね。 153 00:10:07,674 --> 00:10:11,511 今回でいえば 同じ服装 同じ髪形と髪飾り…。 154 00:10:11,511 --> 00:10:13,513 類似点が多かったことで➨ 155 00:10:13,513 --> 00:10:16,850 顔も瓜二つだと 思い込んでしまったのでは? 156 00:10:16,850 --> 00:10:20,854 お母さんのことが引っ掛かって 精神的に不安定だったんだろう? 157 00:10:20,854 --> 00:10:24,023 だとすれば 花代くんを安心させてあげれば➨ 158 00:10:24,023 --> 00:10:28,027 解決すると思うよ。 そうか… そうですよね! 159 00:10:28,027 --> 00:10:30,530 ありがとうございます関口さん! 160 00:10:30,530 --> 00:10:33,032 失礼します! 161 00:10:33,032 --> 00:10:35,869 《大事なのは 花代を安心させること。 162 00:10:35,869 --> 00:10:39,038 そうと決まったら すぐに花代に会いにいかなきゃ》 163 00:10:39,038 --> 00:10:41,040 (セミの声) 164 00:10:41,040 --> 00:10:43,543 おっきいなぁ。 (セミの声) 165 00:10:43,543 --> 00:10:45,545 ピンポン…。 (玄関チャイム) 166 00:10:45,545 --> 00:10:47,547 《は~い! 167 00:10:47,547 --> 00:10:53,553 (セミの声) 168 00:10:53,553 --> 00:10:55,655 あっ。 (引き戸の開く音) 169 00:10:57,724 --> 00:10:59,893 あっ お姉ちゃんのお客様? 170 00:10:59,893 --> 00:11:03,663 そう お見舞いに来たの。 花代の妹さん? 171 00:11:03,663 --> 00:11:05,999 はい! 妹の瑞江です! 172 00:11:05,999 --> 00:11:08,668 いつも姉が お世話になってます。 173 00:11:08,668 --> 00:11:11,504 あっ いえいえ こちらこそ…。 (花代の母)瑞江! 174 00:11:11,504 --> 00:11:13,506 あっ お母さん。 175 00:11:13,506 --> 00:11:17,010 (花代の母)お客様の対応は 私がするから。 176 00:11:17,010 --> 00:11:20,013 花代さんと同じクラスの 日下部栞奈です。 177 00:11:20,013 --> 00:11:23,349 あら 花代の… いらっしゃい。 178 00:11:23,349 --> 00:11:28,855 瑞江 私は台所にいるから 花代の部屋に案内してあげて。 179 00:11:28,855 --> 00:11:30,857 はぁい。 180 00:11:32,859 --> 00:11:34,861 最近 いつもああなんです。 181 00:11:34,861 --> 00:11:39,365 なんだか慌ただしいというか 何か隠していそうなんですよね。 182 00:11:41,534 --> 00:11:44,704 瑞江ちゃん 花代の具合はどう? 183 00:11:44,704 --> 00:11:47,373 それが… お姉ちゃんも…。 184 00:11:47,373 --> 00:11:49,876 2人とも どうしちゃったんだろう。 185 00:11:51,878 --> 00:11:53,880 よし! 186 00:11:53,880 --> 00:11:58,685 お姉ちゃん 日下部さんが お見舞いに来てくれたよ。 187 00:12:03,656 --> 00:12:07,327 (瑞江)じゃあ ごゆっくり。 (栞奈)ありがとう。 188 00:12:07,327 --> 00:12:09,829 花代…。 189 00:12:09,829 --> 00:12:11,831 ハッ…。 190 00:12:18,338 --> 00:12:20,340 花代 大丈夫? 191 00:12:20,340 --> 00:12:22,342 具合どう? ハッ! 192 00:12:22,342 --> 00:12:24,677 ハッ…。 あっ。 193 00:12:24,677 --> 00:12:28,514 ううっ。 ど どうしたの? 194 00:12:28,514 --> 00:12:31,517 あれから 変なことばっかり続いてるの。 195 00:12:31,517 --> 00:12:35,555 落としてもないのに 食器が急に割れて手をケガしたり➨ 196 00:12:35,555 --> 00:12:39,192 鉢植えの花が どんどん枯れていったり。 197 00:12:39,192 --> 00:12:43,029 それに… 時々 誰かの視線を感じるの。 198 00:12:43,029 --> 00:12:47,834 家族の誰も信じてくれなくて。 花代…。 199 00:12:49,869 --> 00:12:52,372 大丈夫 花代は死んだりしないよ。 200 00:12:52,372 --> 00:12:54,374 本当? 201 00:12:54,374 --> 00:12:56,876 不安な気持ちに なってるときってね➨ 202 00:12:56,876 --> 00:12:58,878 見間違いが多くなるんだって。 203 00:12:58,878 --> 00:13:01,981 ぱ… ぱれどりあ っていうんだけど➨ 204 00:13:01,981 --> 00:13:05,818 私も よくよく考えてみたら あのときに見た子は➨ 205 00:13:05,818 --> 00:13:08,821 そんなに花代に 似てなかったと思うよ? 206 00:13:08,821 --> 00:13:11,324 そう… そう… かな…。 207 00:13:13,493 --> 00:13:17,163 そうだよ! ドッペルゲンガーなんて 本当にいるわけないよ! 208 00:13:17,163 --> 00:13:22,001 そう思ったらちょっと安心したよ。 よかった! 209 00:13:22,001 --> 00:13:26,005 部屋も明るくしたほうがいいよ。 カーテン開けるね! 210 00:13:26,005 --> 00:13:28,308 おはよ~! えっ? 211 00:13:30,843 --> 00:13:36,349 (セミの声) 212 00:13:36,349 --> 00:13:38,351 ハッ…。 (花代)ウソ…。 あっ! 213 00:13:41,521 --> 00:13:44,357 (花代)いやあぁ~! 214 00:13:44,357 --> 00:13:46,359 どうしたの? (泣き声) 215 00:13:46,359 --> 00:13:49,028 今 外にお母さんが…。 216 00:13:49,028 --> 00:13:53,199 私が? 私は今まで 台所にいたけれど…。 217 00:13:53,199 --> 00:13:58,705 (セミの声) 218 00:13:58,705 --> 00:14:02,141 誰もいないわよ。 本当です。 219 00:14:02,141 --> 00:14:05,478 お母さんだけじゃなくて 花代と妹さんもいたんです。 220 00:14:05,478 --> 00:14:09,649 そんな… ちょっと待ってて。 外を見てくるわね。 221 00:14:09,649 --> 00:14:12,852 うっ… うぅ…。 222 00:14:12,852 --> 00:14:17,323 もうやだぁ… 怖い… 怖いよお…。 223 00:14:17,323 --> 00:14:21,494 花代… だ 大丈夫。 大丈夫だから。 224 00:14:21,494 --> 00:14:25,331 《もうこれは… 気のせいで済む話じゃない…。 225 00:14:25,331 --> 00:14:28,167 どうしよう… どうすれば…》 226 00:14:28,167 --> 00:14:33,005 花代 やっぱり誰もいなかったわ。 そんな…。 227 00:14:33,005 --> 00:14:35,174 私 ちゃんと見たんだから! 228 00:14:35,174 --> 00:14:38,344 栞奈さん 今日はお引き取りくださる? 229 00:14:38,344 --> 00:14:43,049 《こういう お化けや妖怪の類いは アイツの専門なんだけどな…》 230 00:14:43,049 --> 00:14:45,618 あっ…。 231 00:14:52,191 --> 00:14:55,194 やっぱり来たな。 やっぱりって…。 232 00:14:55,194 --> 00:15:00,133 関口巽のアドバイスに従ったら 余計に混乱を招いてしまい➨ 233 00:15:00,133 --> 00:15:05,805 僕の所に来たんだろう? うっ… ま まぁ そうですけど。 234 00:15:05,805 --> 00:15:09,809 どうせ関口も 「他人の そら似だ」 みたいなことを言ったんだろう。 235 00:15:09,809 --> 00:15:12,478 どうしてそれを…。 236 00:15:12,478 --> 00:15:16,816 そんなことくらい簡単にわかるよ。 事実の検証どころか➨ 237 00:15:16,816 --> 00:15:19,986 調査すらせずに 思い込みで適当なことを言う。 238 00:15:19,986 --> 00:15:22,488 関口さんは悪くないです。 239 00:15:22,488 --> 00:15:25,658 花代がおびえちゃったのは 私のせい…。 240 00:15:25,658 --> 00:15:27,660 ハァ…。 241 00:15:27,660 --> 00:15:31,831 連城花代くんの父上 連城雄一氏は➨ 242 00:15:31,831 --> 00:15:35,334 17年前 事業に失敗したことがあってね。 243 00:15:35,334 --> 00:15:39,338 えっ… なんの話ですか? 何って➨ 244 00:15:39,338 --> 00:15:43,676 君が知りたがっていた ドッペルゲンガーの正体だよ。 245 00:15:43,676 --> 00:15:49,015 事業に失敗した彼だったが その時期に奥方が産院で出産。 246 00:15:49,015 --> 00:15:51,017 その2年後に雄一氏は➨ 247 00:15:51,017 --> 00:15:54,020 今の 「蓮城運輸」を興し 成功している。 248 00:15:54,020 --> 00:15:58,024 そして 12年前 花代くんの妹が誕生。 249 00:15:58,024 --> 00:16:01,627 これは先日 麗子さんに聞いたのだが➨ 250 00:16:01,627 --> 00:16:03,963 花代くんの母上の実家は➨ 251 00:16:03,963 --> 00:16:07,466 没落を免れた 元華族の薬袋家だそうでね。 252 00:16:07,466 --> 00:16:10,670 薬袋家の娘… つまり➨ 253 00:16:10,670 --> 00:16:14,473 花代くんの母上は 双子だそうだ。 えっ? 254 00:16:14,473 --> 00:16:16,676 姉は連城家へ嫁ぎ➨ 255 00:16:16,676 --> 00:16:20,346 妹は佐伯という実業家と 結婚したそうだ。 256 00:16:20,346 --> 00:16:23,516 じゃ じゃあ花代が 街で見たっていうのは…。 257 00:16:23,516 --> 00:16:26,986 佐伯家に嫁いだという妹だろうね。 258 00:16:26,986 --> 00:16:29,322 話は以上だ。 えっ? 259 00:16:29,322 --> 00:16:31,657 待ってください! 花代のお母さんに➨ 260 00:16:31,657 --> 00:16:34,160 双子の妹さんがいることは わかりましたけど…。 261 00:16:34,160 --> 00:16:37,663 じゃあ 花代と妹の瑞江ちゃんに そっくりな子がいたのは➨ 262 00:16:37,663 --> 00:16:39,665 どう説明するんですか? 263 00:16:39,665 --> 00:16:43,002 これ以上は 連城家のプライバシーに関わる問題だ。 264 00:16:43,002 --> 00:16:45,338 他人が暴きたてるべきじゃない。 265 00:16:45,338 --> 00:16:49,675 でも… 花代はあんなに憔悴しているし。 266 00:16:49,675 --> 00:16:54,680 状況を聞くに 遅かれ早かれ解決するよ。 267 00:16:54,680 --> 00:16:59,685 花代のお母さんも様子が変だし 私のせいで…。 268 00:16:59,685 --> 00:17:02,455 ハァ…。 269 00:17:02,455 --> 00:17:06,325 しかたがないな。 えっ…。 270 00:17:06,325 --> 00:17:08,461 なら花代くんに会ってもらおう。 271 00:17:08,461 --> 00:17:12,765 彼女自身のドッペルゲンガーに。 272 00:17:14,800 --> 00:17:17,970 《ドッペルゲンガーを見た者は死ぬ…。 273 00:17:17,970 --> 00:17:23,009 私は自分のどころか 家族のドッペルゲンガーまで見た…。 274 00:17:23,009 --> 00:17:25,845 死ぬ… でも どうやって? 275 00:17:25,845 --> 00:17:28,314 わからないのが余計に怖い…》 276 00:17:30,349 --> 00:17:32,318 ハッ! 花代。 277 00:17:36,489 --> 00:17:42,662 (花代)お母さん… よね? 何言ってるの? もちろんよ。 278 00:17:42,662 --> 00:17:45,865 お姉ちゃん またごはん残してる。 279 00:17:49,001 --> 00:17:51,504 花代… 大丈夫? 280 00:17:51,504 --> 00:17:54,507 こ… 来ないで! 281 00:17:54,507 --> 00:17:57,009 何言ってるの花代? 282 00:17:57,009 --> 00:18:00,112 少しは食べたほうがいいよ お姉ちゃん。 283 00:18:00,112 --> 00:18:02,448 あぁ…。 284 00:18:02,448 --> 00:18:05,952 ハッ! 285 00:18:05,952 --> 00:18:11,290 ハァッ… ハァ ハァ ハァ…。 286 00:18:11,290 --> 00:18:14,627 ハァ… ハァ… ハァ…。 287 00:18:14,627 --> 00:18:18,130 《ド… ドッペルゲンガー!?》 288 00:18:18,130 --> 00:18:21,334 (英代の母)花代ちゃんね。 あなたに会いにきたの。 289 00:18:25,304 --> 00:18:28,307 もっとよく顔を見せて。 あ… ひっ…。 290 00:18:31,310 --> 00:18:34,981 (英代)フフッ 私が2人いるみたい。 291 00:18:34,981 --> 00:18:36,983 (2人)フフフ…。 292 00:18:36,983 --> 00:18:39,318 《殺される!?》 293 00:18:39,318 --> 00:18:41,654 (栞奈)大丈夫だよ花代。 294 00:18:41,654 --> 00:18:43,990 か… 栞奈…? 295 00:18:43,990 --> 00:18:47,326 この人たちは お化けでも妖怪でもないよ。 296 00:18:47,326 --> 00:18:50,162 えっ…? 297 00:18:50,162 --> 00:18:52,999 不安にさせて ごめんなさいね花代。 298 00:18:52,999 --> 00:18:55,668 私がすんなり打ち明けていれば…。 299 00:18:55,668 --> 00:19:00,272 でも 栞奈さんに促されて やっと決心がついたの。 300 00:19:00,272 --> 00:19:02,942 《花代くんの母の双子の妹が➨ 301 00:19:02,942 --> 00:19:05,444 実業家の佐伯と 結婚したのは言ったね。 302 00:19:05,444 --> 00:19:09,949 そちらの事業も 連城の4年あとに 傾いたことがある。 303 00:19:09,949 --> 00:19:15,121 最初は連城 次は佐伯。 おそらくは その2つの時期に➨ 304 00:19:15,121 --> 00:19:18,958 傾いた側の家が それぞれ双子を出産した。 305 00:19:18,958 --> 00:19:20,960 それぞれが双子…。 306 00:19:20,960 --> 00:19:25,798 ありえない話ではないだろう。 なかなかレアなケースだとは思うがね。 307 00:19:25,798 --> 00:19:30,636 経済的に困窮しているときに 扶養する家族が2人増える…。 308 00:19:30,636 --> 00:19:32,972 どちらが言いだしたことかは わからないが➨ 309 00:19:32,972 --> 00:19:35,808 余裕のある側が 双子の片方を引き取って➨ 310 00:19:35,808 --> 00:19:37,810 育てることにしたのだろう。 311 00:19:37,810 --> 00:19:39,812 佐伯が困窮していたときは➨ 312 00:19:39,812 --> 00:19:42,481 連城がその子どもを 1人引き取ったのだ。 313 00:19:42,481 --> 00:19:46,152 花代がそれを知らなかったのは? 想像だが…。 314 00:19:46,152 --> 00:19:50,156 双子の間には結果的に格差が 生まれてしまっているわけだ。 315 00:19:50,156 --> 00:19:53,993 苦しい生活から いつ抜けられるか わからない状況で➨ 316 00:19:53,993 --> 00:19:56,495 その格差を 感じさせたくなかったんだろう。 317 00:19:56,495 --> 00:20:00,166 君が連城家で見かけた家族は 佐伯家だろう。 318 00:20:00,166 --> 00:20:03,002 秘密を明かすための 訪問だったはずだ。 319 00:20:03,002 --> 00:20:05,671 だが花代くんは 体調が回復しておらず➨ 320 00:20:05,671 --> 00:20:08,340 やむをえず 延期にすることにしたのだろう。 321 00:20:08,340 --> 00:20:12,845 その原因は…。 ドッペルゲンガーの話…。 322 00:20:12,845 --> 00:20:17,183 タイミングが悪かったのもあるが 君が自分で蒔いた種だ。 323 00:20:17,183 --> 00:20:20,186 自分でなんとか…。 私が! なんとかします!》 324 00:20:22,188 --> 00:20:24,356 (引き戸の閉まる音) 325 00:20:24,356 --> 00:20:26,692 つまり お母さんが双子で➨ 326 00:20:26,692 --> 00:20:28,694 それぞれが 双子を産んだってこと? 327 00:20:28,694 --> 00:20:30,696 両家とも持ち直したら➨ 328 00:20:30,696 --> 00:20:32,698 秘密を打ち明けることに していたの。 329 00:20:32,698 --> 00:20:37,369 その髪飾りが似合う頃には… という願いを込めて作ったのよ。 330 00:20:37,369 --> 00:20:40,206 あなたと あなたの双子の妹に。 331 00:20:40,206 --> 00:20:43,209 はじめましてお姉さん 佐伯英代です。 332 00:20:43,209 --> 00:20:47,880 ホントにそっくり… フフッ。 333 00:20:47,880 --> 00:20:50,049 えっ 何? アハハハハ! 334 00:20:50,049 --> 00:20:52,551 わかってみれば➨ 335 00:20:52,551 --> 00:20:55,054 全然怖いことなんか なかったんだなって➨ 336 00:20:55,054 --> 00:20:58,057 ホッとしちゃった。 あっ…。 337 00:20:58,057 --> 00:21:01,327 じゃあ お母さんの様子が 最近おかしかったのは…。 338 00:21:01,327 --> 00:21:04,663 あぁ… 佐伯家のことをいつ話そうか➨ 339 00:21:04,663 --> 00:21:06,999 ずっと迷ってたのよ。 でも…。 340 00:21:06,999 --> 00:21:09,668 ゆうべ栞奈さんが来て 早く話すように➨ 341 00:21:09,668 --> 00:21:12,505 説得してくれたから 決心がついたの。 342 00:21:12,505 --> 00:21:15,341 そう… だったんだ…。 343 00:21:15,341 --> 00:21:18,344 悩みの種も なくなったということで➨ 344 00:21:18,344 --> 00:21:20,679 もう水やり忘れないでね。 345 00:21:20,679 --> 00:21:23,349 (花代の母)ごめんなさいね。 (瑞江)お皿洗いもだよ! 346 00:21:23,349 --> 00:21:26,185 あのコップ 私のお気に入りだったのに! 347 00:21:26,185 --> 00:21:29,522 (花代の母)そうよね 花代の分も 今度買いにいかなくちゃね。 348 00:21:29,522 --> 00:21:32,024 栞奈 ありがとう。 349 00:21:32,024 --> 00:21:34,193 ううん。 350 00:21:34,193 --> 00:21:36,695 (栞奈)というわけで➨ 351 00:21:36,695 --> 00:21:40,699 連城家と佐伯家は 今後 親交を深めていくそうです。 352 00:21:40,699 --> 00:21:42,701 ふむ。 まぁ➨ 353 00:21:42,701 --> 00:21:45,371 遅かれ早かれ そうなっていただろうね。 354 00:21:45,371 --> 00:21:47,373 でも先生➨ 355 00:21:47,373 --> 00:21:50,376 関わりたくないって言ってたのに 調べてくれたんですね。 356 00:21:50,376 --> 00:21:53,879 君が関口くんと 関わろうとするからだ。 うっ。 357 00:21:53,879 --> 00:21:56,882 この男が動くと 収まるものも収まらなくなる。 358 00:21:56,882 --> 00:22:00,319 それに佐伯英代くんは 来月 この学校に➨ 359 00:22:00,319 --> 00:22:02,488 転校してくることに なっていたから➨ 360 00:22:02,488 --> 00:22:05,324 事前に事態を 把握しておこうと思ったんだよ。 361 00:22:05,324 --> 00:22:08,327 (栞奈)やっと終わった~! 362 00:22:08,327 --> 00:22:12,331 じゃあ次は こっちの棚の 目録作りだな。 えっ。 363 00:22:12,331 --> 00:22:17,836 まさか… この部屋の本 全部やらなきゃダメ? 364 00:22:17,836 --> 00:22:22,007 当たり前だろう。 僕に手間をかけさせた対価だよ。 365 00:22:22,007 --> 00:22:24,009 (栞奈)えぇ~? 366 00:22:24,009 --> 00:22:26,512 (中禅寺)ほら 関口くんも 手を動かしたまえ。 367 00:22:26,512 --> 00:22:28,614 (関口)なんで僕まで…。