1 00:00:02,002 --> 00:00:06,006 《栞奈:テストで赤点を 取ってしまった私たちは➡ 2 00:00:06,006 --> 00:00:10,844 旧校舎倉庫の片づけを 手伝わされることになった》 3 00:00:10,844 --> 00:00:13,847 (栞奈)うぅ 早く帰りたい。 4 00:00:13,847 --> 00:00:16,683 (本橋)ほら ちゃっちゃと片づけるぞ! 5 00:00:16,683 --> 00:00:20,354 手を動かせば その分 早く帰れるから! 6 00:00:20,354 --> 00:00:22,689 (花代/静江)は~い! あ~…。 7 00:00:22,689 --> 00:00:24,858 持ちますよ 杉本先生。 8 00:00:24,858 --> 00:00:28,028 (杉本)あっ すみません お願いします。 9 00:00:28,028 --> 00:00:31,031 (静江)本橋先生って好青年よねぇ。 10 00:00:31,031 --> 00:00:33,133 (花代)わかる~。 11 00:00:44,378 --> 00:00:46,880 (静江)ところでさ。 (栞奈)んしょ…。 12 00:00:46,880 --> 00:00:50,384 前にお姉ちゃんから 聞いたんだけど。 んっ? 13 00:00:50,384 --> 00:00:52,886 この旧校舎が使われてたころ➡ 14 00:00:52,886 --> 00:00:55,556 「死神の楽譜」ってうわさが あったんだって。 15 00:00:55,556 --> 00:00:58,392 死神の… 楽譜? 16 00:00:58,392 --> 00:01:01,662 (静江)それは楽譜だけど 楽譜じゃなくて➡ 17 00:01:01,662 --> 00:01:04,998 見た人は 死神の呪いで不幸になるとか➡ 18 00:01:04,998 --> 00:01:07,334 死神にさらわれるとか。 19 00:01:07,334 --> 00:01:11,505 またそういう話? この学校 多いよねぇ。 20 00:01:11,505 --> 00:01:14,174 実際にそれで 男の先生が➡ 21 00:01:14,174 --> 00:01:16,843 1人いなくなったんだって! えっ!? ホントに!? 22 00:01:16,843 --> 00:01:20,514 (河田)消えたわけじゃ ありませんよ。 クロード先生は➡ 23 00:01:20,514 --> 00:01:23,350 ちゃんとした理由があって 帰国されたんです。 24 00:01:23,350 --> 00:01:25,852 (花代)外国の 先生だったんですか? 25 00:01:25,852 --> 00:01:28,855 (河田)米国人の英語の先生でね。 26 00:01:28,855 --> 00:01:32,025 人当たりもよくて 生徒にも人気だったんですが➡ 27 00:01:32,025 --> 00:01:35,529 米国と日本の関係が 悪くなり始めて➡ 28 00:01:35,529 --> 00:01:38,865 やむなく 戦争前に帰国されたんです。 29 00:01:38,865 --> 00:01:41,034 (栞奈)へぇ~。 30 00:01:41,034 --> 00:01:43,870 杉本先生? どうしました? 31 00:01:43,870 --> 00:01:46,873 あ… あっ いえ。 何でもないです。 32 00:01:46,873 --> 00:01:50,377 そういえば 杉本先生は クロード先生と➡ 33 00:01:50,377 --> 00:01:52,546 折り合いが悪かったんでしたね。 34 00:01:52,546 --> 00:01:54,715 嫌なことを 思い出させてしまったら➡ 35 00:01:54,715 --> 00:01:57,551 すみません。 いえ 大丈夫です。 36 00:01:57,551 --> 00:01:59,987 合わなかったんです いろいろと…。 37 00:01:59,987 --> 00:02:02,656 杉本先生? んっ? 38 00:02:02,656 --> 00:02:05,158 (静江)楽譜? 39 00:02:05,158 --> 00:02:07,995 ん~…? 40 00:02:07,995 --> 00:02:11,498 この楽譜 変じゃないですか? 変? 41 00:02:11,498 --> 00:02:13,667 だって ほら見て。 42 00:02:13,667 --> 00:02:16,336 (静江)音部記号も小節も 書いていないから➡ 43 00:02:16,336 --> 00:02:20,340 楽譜として不完全だし 音階もメチャクチャ。 44 00:02:20,340 --> 00:02:23,844 ですよね? 杉本先生。 あっ? 45 00:02:23,844 --> 00:02:25,846 先生? 46 00:02:27,848 --> 00:02:32,352 もしかしてこれ 「死神の楽譜」だったりして? 47 00:02:32,352 --> 00:02:35,355 えっ そんなわけないでしょ! 48 00:02:35,355 --> 00:02:37,391 片づけを進めましょう! 49 00:02:37,391 --> 00:02:41,028 河田先生 いくつか 棚が空になってるんですが➡ 50 00:02:41,028 --> 00:02:45,866 何か ご存じですか? ん~ あぁ そういえば➡ 51 00:02:45,866 --> 00:02:48,568 外国人が働いてたってことで➡ 52 00:02:48,568 --> 00:02:51,571 以前 憲兵が 調べにきたことがありました。 53 00:02:51,571 --> 00:02:54,908 そのときに 押収されたのかもしれませんね。 54 00:02:54,908 --> 00:02:58,078 杉本先生が お休みの日だったかな…。 55 00:02:58,078 --> 00:03:01,148 あ そう… ですか。 56 00:03:01,148 --> 00:03:04,851 先生 顔色悪いですけど 大丈夫ですか? 57 00:03:06,820 --> 00:03:09,322 ありがとう 本当に大丈夫よ。 58 00:03:09,322 --> 00:03:15,028 う~ん あんな感じの楽譜 見たことある気がするなぁ。 59 00:03:16,997 --> 00:03:18,999 そろそろ時間ですね。 60 00:03:18,999 --> 00:03:22,002 皆さん ありがとうございました。 は~い。 61 00:03:22,002 --> 00:03:24,171 (静江)やったぁ 帰ろ帰ろ! う~ん…。 62 00:03:24,171 --> 00:03:26,173 (静江)終わった~! 63 00:03:28,175 --> 00:03:31,178 (涼子)先生? 先生? えっ! 64 00:03:31,178 --> 00:03:34,014 (涼子)先生? 聞いてますか? 65 00:03:34,014 --> 00:03:36,016 ああ ごめんなさい。 66 00:03:36,016 --> 00:03:40,520 なんか 杉本先生 元気ないよね。 う うん…。 67 00:03:40,520 --> 00:03:42,522 ねぇ なんだか今日➡ 68 00:03:42,522 --> 00:03:45,025 ずっと誰かに見られてる気がする。 えっ? 69 00:03:45,025 --> 00:03:49,863 静江も? 実は私もなんだ。 あの楽譜を見ちゃったせいかなぁ。 70 00:03:49,863 --> 00:03:52,365 やっぱり 「死神の楽譜」だったりして。 71 00:03:52,365 --> 00:03:54,701 わ 私なんて じっくり見ちゃったけど➡ 72 00:03:54,701 --> 00:03:58,705 何ともないから 気のせいだよ きっと… あっ! 73 00:03:58,705 --> 00:04:06,146 ♬~ 74 00:04:06,146 --> 00:04:08,148 《あの楽譜…。 75 00:04:08,148 --> 00:04:11,651 前に図書準備室を 片づけたときに見たんだ》 76 00:04:20,994 --> 00:04:24,498 たしか この辺に… あ…。 77 00:04:24,498 --> 00:04:26,500 あった! 78 00:04:29,336 --> 00:04:31,338 でも こんなにあるなんて…。 79 00:04:31,338 --> 00:04:33,507 (中禅寺)何をしているんだね? ヒッ! 80 00:04:33,507 --> 00:04:37,177 せ 先生! 驚かさないでくださいよぅ。 81 00:04:37,177 --> 00:04:42,349 この部屋は一応 僕が管理者だ。 勝手に入り込むのはやめたまえ。 82 00:04:42,349 --> 00:04:46,553 こ これには 訳があってですねぇ あ~…。 83 00:04:48,522 --> 00:04:50,524 (中禅寺)「死神の楽譜」ねぇ…。 84 00:04:50,524 --> 00:04:53,360 楽譜の怪異なんてあるんですか? 85 00:04:53,360 --> 00:04:56,863 楽譜とは 音という形のないものを記録し➡ 86 00:04:56,863 --> 00:05:00,333 演奏して再現するためのものだ。 87 00:05:00,333 --> 00:05:03,336 音楽は呪術文化とも 深い関連があるから➡ 88 00:05:03,336 --> 00:05:05,338 「曲を聴いた」とか➡ 89 00:05:05,338 --> 00:05:09,843 「脳内で再現した」というなら わからないでもないが…。 90 00:05:09,843 --> 00:05:14,314 単に楽譜を読んだというのでは 楽譜である意味が…。 91 00:05:14,314 --> 00:05:16,316 んっ! 92 00:05:20,153 --> 00:05:23,824 どうしたんですか? 今日はもう遅い。 93 00:05:23,824 --> 00:05:26,693 (中禅寺)バス停まで送るから 君も帰りなさい。 94 00:05:26,693 --> 00:05:28,662 (栞奈)え~。 95 00:05:32,499 --> 00:05:35,869 《「死神の楽譜」が あんなにあるはずないよね。 96 00:05:35,869 --> 00:05:38,872 杉本先生に言って 安心させてあげよっと》 97 00:05:38,872 --> 00:05:42,842 失礼しま~す。 杉本先生…。 98 00:05:45,879 --> 00:05:51,218 えっ… それって 「死神の楽譜」? 99 00:05:51,218 --> 00:05:55,856 フッ 誰かの いたずらかしらね。 だ 大丈夫ですか? 100 00:05:55,856 --> 00:05:59,192 えっ? あら 心配してくれてるの? 101 00:05:59,192 --> 00:06:04,130 日下部さんは優しいのね。 《あ あれ? 102 00:06:04,130 --> 00:06:08,134 この間 楽譜を見てたときは あんなに不安そうだったのに》 103 00:06:10,303 --> 00:06:12,305 どうしました? 杉本先生? 104 00:06:12,305 --> 00:06:15,475 何かあったんですか? いえ 別に何も。 105 00:06:15,475 --> 00:06:18,478 (本橋)何かあったら いつでも相談してください! 106 00:06:18,478 --> 00:06:20,480 (杉本)ありがとうございます。 107 00:06:24,150 --> 00:06:27,153 (栞奈)この間見た 楽譜に似てるけど…。 108 00:06:27,153 --> 00:06:31,491 ん~ なんか違うような? 109 00:06:31,491 --> 00:06:34,160 日下部さん? ヒッ! 110 00:06:34,160 --> 00:06:37,998 先生! こ こんな時間まで いらっしゃったんですね!? 111 00:06:37,998 --> 00:06:39,100 日下部さんもね。 112 00:06:39,100 --> 00:06:42,502 ダメじゃない 女の子がこんな時間に1人で。 113 00:06:42,502 --> 00:06:45,105 一緒に帰りましょ。 は はい。 114 00:06:48,675 --> 00:06:52,345 じゃあ 私はこっちだから。 気をつけて帰ってね。 115 00:06:52,345 --> 00:06:56,016 はい さようなら。 ハハハ…。 116 00:06:56,016 --> 00:06:59,119 《なんかもう 大丈夫そう》 117 00:07:02,789 --> 00:07:04,791 (杉本)キャーッ! ハッ! 118 00:07:08,828 --> 00:07:11,164 杉本先生! あっ! 119 00:07:11,164 --> 00:07:13,667 日下部さん…。 120 00:07:13,667 --> 00:07:25,645 ♬~ 121 00:07:25,645 --> 00:07:27,981 あっ! 122 00:07:27,981 --> 00:07:30,517 日下部さん 逃げて! 123 00:07:30,517 --> 00:07:32,519 んっ…。 124 00:07:32,519 --> 00:07:35,488 このおっ! ウッ! 125 00:07:39,492 --> 00:07:43,496 ビ ビックリしたぁ。 日下部さん! 126 00:07:43,496 --> 00:07:46,833 逃げてって言ったのに ケガしたらどうするの! 127 00:07:46,833 --> 00:07:48,835 大丈夫です。 128 00:07:48,835 --> 00:07:51,671 先生こそ大丈夫ですか? えぇ。 129 00:07:51,671 --> 00:07:55,675 でも 一歩間違っていたら 大変なことになってましたよ。 130 00:07:55,675 --> 00:07:58,178 これって もしかして死神の…。 さっ➡ 131 00:07:58,178 --> 00:08:00,613 交番に寄って帰りましょう。 あっ? 132 00:08:00,613 --> 00:08:05,118 そういうことじゃないから 大丈夫よ。 133 00:08:05,118 --> 00:08:08,288 あっ…。 134 00:08:08,288 --> 00:08:10,790 (栞奈)昨日は 大変だったんですよ! 135 00:08:10,790 --> 00:08:12,792 職員会議で聞いたよ。 136 00:08:12,792 --> 00:08:16,296 杉本先生が 暴漢に襲われたそうじゃないか。 137 00:08:16,296 --> 00:08:20,133 はい! でも私がカバンを 投げつけたら逃げていって…。 138 00:08:20,133 --> 00:08:22,802 相手が たまたま逃げたから いいものの➡ 139 00:08:22,802 --> 00:08:26,139 反撃してきたら どうするつもりだったんだね? 140 00:08:26,139 --> 00:08:28,141 そ それは…。 141 00:08:28,141 --> 00:08:30,977 刃物を持った人間に 立ち向かおうなんて。 142 00:08:30,977 --> 00:08:35,648 自殺行為だよ 日下部くん。 す すみません…。 143 00:08:35,648 --> 00:08:39,152 フゥ… まったく…。 144 00:08:39,152 --> 00:08:43,156 気をつけなさい。 《もしかして心配されてる?》 145 00:08:43,156 --> 00:08:45,492 まっ それはそれとして➡ 146 00:08:45,492 --> 00:08:49,162 君に聞きたいことがあるんだが。 なんですか? 147 00:08:49,162 --> 00:08:53,166 ここに置いていた楽譜が なくなっているんだが➡ 148 00:08:53,166 --> 00:08:55,168 君が持っていったのかね? 149 00:08:55,168 --> 00:08:57,504 えっ? 私じゃないですよ!? 150 00:08:57,504 --> 00:09:00,440 じゃあ その持ってる楽譜は? 151 00:09:00,440 --> 00:09:03,276 これは僕が持ち帰って 調べていたものだ。 152 00:09:03,276 --> 00:09:05,612 調べるって 何を? 153 00:09:05,612 --> 00:09:09,449 これはね 日下部くん。 暗号だよ。 154 00:09:09,449 --> 00:09:11,785 あ 暗号? 155 00:09:11,785 --> 00:09:15,455 (中禅寺)暗号… あるいは クリプトグラフィ。 156 00:09:15,455 --> 00:09:19,125 情報秘匿の手法の一つだ。 第三者が見ても➡ 157 00:09:19,125 --> 00:09:21,795 内容を判読できないように するためのもので➡ 158 00:09:21,795 --> 00:09:27,300 その起源は 紀元前19世紀ごろまで さかのぼるといわれている。 159 00:09:27,300 --> 00:09:29,302 おおまかには➡ 160 00:09:29,302 --> 00:09:32,305 通信内容そのものを 隠匿する方法と➡ 161 00:09:32,305 --> 00:09:35,308 通信内容を変換する方法がある。 162 00:09:35,308 --> 00:09:38,311 内容そのものを隠匿する方法は➡ 163 00:09:38,311 --> 00:09:40,814 切手の裏に通信文を書いたり➡ 164 00:09:40,814 --> 00:09:45,151 小麦袋の中に 手紙を 潜り込ませたりといったものだ。 165 00:09:45,151 --> 00:09:49,656 しかしこれは 見つかった時点で 隠匿は失敗となる。 166 00:09:49,656 --> 00:09:54,327 そして 内容を変換する方法には 大別すると➡ 167 00:09:54,327 --> 00:09:57,330 「コード型」と 「サイファ型」の2つがある。 168 00:09:57,330 --> 00:10:01,868 「コード型」は 単語やフレーズを 他の意味に変換するものだ。 169 00:10:01,868 --> 00:10:04,337 例えば 「朝」を 「夜」に。 170 00:10:04,337 --> 00:10:07,674 「電車」を 「自転車」に といった具合にね。 171 00:10:07,674 --> 00:10:11,544 対応する単語の法則がわかれば 解読は容易だが➡ 172 00:10:11,544 --> 00:10:15,348 一見すると普通の文章に 見えることが利点だ。 173 00:10:15,348 --> 00:10:17,383 一方 サイファ型は➡ 174 00:10:17,383 --> 00:10:21,054 文字ごとに決められた法則に従い 変換を行う。 175 00:10:21,054 --> 00:10:24,224 これは 例えば アルファベットのaをfに➡ 176 00:10:24,224 --> 00:10:27,727 eをsにというような 不規則な置換になる。 177 00:10:27,727 --> 00:10:30,897 コード型に比べて 解読難度は高くなるが➡ 178 00:10:30,897 --> 00:10:34,234 不規則すぎる文字列ゆえ それが暗号だと➡ 179 00:10:34,234 --> 00:10:37,403 すぐに判別されてしまう 欠点があった。 180 00:10:37,403 --> 00:10:42,075 暗号は それが暗号だと 判明した時点で秘匿性が失われ➡ 181 00:10:42,075 --> 00:10:44,410 解読の試みがなされる。 182 00:10:44,410 --> 00:10:48,081 理想は そもそも暗号だと 気付かせないことだ。 183 00:10:48,081 --> 00:10:51,918 そういう意味では これは なかなかよく出来ている。 184 00:10:51,918 --> 00:10:55,421 「死神の楽譜」という うわさとセットにすることで➡ 185 00:10:55,421 --> 00:10:59,092 譜面の不自然さに 気付きにくくさせているんだ。 186 00:10:59,092 --> 00:11:03,663 は~ いつもながら よくそんなこと知ってますね。 187 00:11:03,663 --> 00:11:07,333 私だったら そんなにスラスラ 説明できませんよぉ。 188 00:11:07,333 --> 00:11:10,670 あっ! じゃあその楽譜 なんて書いてあるんですか? 189 00:11:10,670 --> 00:11:14,340 言うわけにはいかないよ。 え~ なんでですか! 190 00:11:14,340 --> 00:11:18,344 意地悪しないでくださいよぉ! 意地悪じゃない。 191 00:11:18,344 --> 00:11:22,682 内容的に 理由も含めて 明かせない という意味だ。 192 00:11:22,682 --> 00:11:26,519 えぇ~…。 あっ そういえば➡ 193 00:11:26,519 --> 00:11:30,356 杉本先生が 封筒に入った楽譜を 受け取ってて➡ 194 00:11:30,356 --> 00:11:33,192 ゴミ箱から拾ったんですけど。 195 00:11:33,192 --> 00:11:35,862 これも暗号なんですか? 196 00:11:35,862 --> 00:11:39,365 他人の手紙を 拾って読んだのかね 君は。 197 00:11:39,365 --> 00:11:43,369 す すみません。 でも先生が心配で…。 198 00:11:43,369 --> 00:11:45,672 まったく…。 199 00:11:48,207 --> 00:11:52,712 ハァ… やれやれ。 何かわかりましたか!? 200 00:11:52,712 --> 00:11:55,048 事を荒だてたくなかったが➡ 201 00:11:55,048 --> 00:11:58,217 襲撃事件まで起きていたなら しかたない。 202 00:11:58,217 --> 00:12:03,423 面倒だが 骨を折らねばならないな。 203 00:12:11,998 --> 00:12:22,675 ♬~ 204 00:12:22,675 --> 00:12:25,078 ハッ! (走る音) 205 00:12:27,046 --> 00:12:29,015 ああっ! 206 00:12:29,015 --> 00:12:31,017 ハァ ハァ ハァ…。 207 00:12:31,017 --> 00:12:34,821 ハァ ハァ ハァ ハァ…。 208 00:12:37,190 --> 00:12:39,892 ハァ ハァ ハァ ハァ ハァ…。 209 00:12:42,228 --> 00:12:44,897 ハァッ… ハァ ハァ…。 210 00:12:44,897 --> 00:12:47,900 (木場)クッ…! ウッ! 211 00:12:47,900 --> 00:12:49,902 うおぉ~! 212 00:12:49,902 --> 00:12:51,871 ウウッ! 213 00:12:54,207 --> 00:12:56,209 し 死んじゃいました? 214 00:12:56,209 --> 00:12:58,711 バカ言え。 気絶してるだけだ。 215 00:12:58,711 --> 00:13:01,314 おい! もういいぞ! 216 00:13:01,314 --> 00:13:04,651 (栞奈)も 本橋先生!? 217 00:13:04,651 --> 00:13:06,653 コイツも教師なのか? 218 00:13:06,653 --> 00:13:09,489 襲われる心当たりは? 実は➡ 219 00:13:09,489 --> 00:13:12,325 何度も おつきあいの 誘いをされていて。 220 00:13:12,325 --> 00:13:14,994 何度断っても諦めてくれなくて。 221 00:13:14,994 --> 00:13:17,830 脈がないなら 襲ってやれと考えたか。 222 00:13:17,830 --> 00:13:19,832 短絡的だな。 223 00:13:19,832 --> 00:13:21,834 いや もうちょっと手が込んでいる。 224 00:13:21,834 --> 00:13:24,837 これは自作自演だよ。 どういうことだ? 225 00:13:24,837 --> 00:13:26,839 見たまえ。 (3人)んっ? 226 00:13:26,839 --> 00:13:30,343 (中禅寺)この包丁は ブリキの偽物だ。 (木場)おぉ。 227 00:13:30,343 --> 00:13:33,046 目的は暴行ではなく 脅しだ。 228 00:13:33,046 --> 00:13:37,684 「死神の楽譜」のうわさを利用して 杉本先生の恐怖心をあおり➡ 229 00:13:37,684 --> 00:13:41,187 頼れる男として 近づこうとしたんだよ。 230 00:13:41,187 --> 00:13:46,025 なんつう面倒なことを。 そんなだから袖にされるんだよ。 231 00:13:46,025 --> 00:13:49,028 あっ! じゃあこの手紙は! 232 00:13:49,028 --> 00:13:51,631 (杉本)本橋先生が 書いたものでしょうね。 233 00:13:55,034 --> 00:13:57,036 ところで 捨てたものでも➡ 234 00:13:57,036 --> 00:14:01,641 人の手紙を勝手に見てはダメよ。 あっ! ご ごめんなさい! 235 00:14:01,641 --> 00:14:04,977 でも ずっと 心配してくれてたものね。 236 00:14:04,977 --> 00:14:07,780 今回は 巻き込んでごめんなさい。 237 00:14:10,817 --> 00:14:13,486 お気をつけて~。 238 00:14:13,486 --> 00:14:16,489 エヘヘ…。 239 00:14:16,489 --> 00:14:19,659 やっぱり死神なんて いなかったんですね! 240 00:14:19,659 --> 00:14:22,662 そういえば どうして本橋先生は➡ 241 00:14:22,662 --> 00:14:25,498 図書準備室から 楽譜を盗んだんですかね? 242 00:14:25,498 --> 00:14:29,669 盗んだのは本橋先生じゃないよ。 えっ? 243 00:14:29,669 --> 00:14:33,372 じゃあ 失礼します。 (木場)おう 気をつけて。 244 00:14:37,677 --> 00:14:39,679 あっ? 245 00:14:41,681 --> 00:14:44,016 本橋先生の手紙? 246 00:14:44,016 --> 00:14:46,519 捨てたはずなのに… ハッ! 247 00:14:49,188 --> 00:14:52,859 あぁ…。 248 00:14:52,859 --> 00:15:10,176 ♬~ 249 00:15:13,312 --> 00:15:16,315 (中禅寺)お待ちしていました 杉本先生。 ハッ!? 250 00:15:16,315 --> 00:15:20,319 (杉本)中禅寺先生と 日下部さん? 251 00:15:20,319 --> 00:15:23,156 これは どういう…。 その楽譜は➡ 252 00:15:23,156 --> 00:15:26,659 あなたを ここに呼び出すために 僕が書いたものです。 253 00:15:26,659 --> 00:15:30,329 礼を失する行為ですが ご容赦ください。 254 00:15:30,329 --> 00:15:33,666 これを… あなたが? いったいなぜ…。 255 00:15:33,666 --> 00:15:37,003 今回の件を 解体します。 256 00:15:37,003 --> 00:15:41,340 個人的な理由で 日下部くんにも 聞いてもらう必要があったので➡ 257 00:15:41,340 --> 00:15:43,676 彼女にも来てもらいました。 258 00:15:43,676 --> 00:15:46,712 今回の件…? 259 00:15:46,712 --> 00:15:49,882 「死神の楽譜」の秘密です。 えっ! 260 00:15:52,518 --> 00:15:54,854 これは準備室から見つかった➡ 261 00:15:54,854 --> 00:15:58,524 「死神の楽譜」と 呼ばれたものの一部です。 262 00:15:58,524 --> 00:16:02,795 だが 楽譜としては とても不自然で不完全だ。 263 00:16:02,795 --> 00:16:07,300 ただの いたずら書き。 音楽知識のない者による記述。 264 00:16:07,300 --> 00:16:11,804 いくつか可能性はありますが 楽譜を眺めているうち➡ 265 00:16:11,804 --> 00:16:15,475 規則性があることに気付きました。 266 00:16:15,475 --> 00:16:17,476 例えばここ。 267 00:16:17,476 --> 00:16:20,146 2つ目 4つ目 6つ目…。 268 00:16:20,146 --> 00:16:23,983 偶数箇所の音符に 法則性はないように見えますが➡ 269 00:16:23,983 --> 00:16:27,320 奇数箇所の音符は 必ず五線の上にある。 270 00:16:27,320 --> 00:16:29,989 このことから 奇数箇所は➡ 271 00:16:29,989 --> 00:16:33,159 母音の五音を 表していると仮定しました。 272 00:16:33,159 --> 00:16:37,330 そうなると 子音の表現に 1~10段。 273 00:16:37,330 --> 00:16:41,167 「ん」の表現に 11段目が必要と なりますが➡ 274 00:16:41,167 --> 00:16:43,169 これには五線と➡ 275 00:16:43,169 --> 00:16:47,673 下第一間から 上第一間を 使えば足りる。 276 00:16:47,673 --> 00:16:52,011 しかし 9 10番目にある音符は 五線の線間にあり➡ 277 00:16:52,011 --> 00:16:54,514 この法則に当てはまらない。 278 00:16:54,514 --> 00:16:57,350 そこでカギになるものを探すと➡ 279 00:16:57,350 --> 00:16:59,685 拍子記号が目に入りました。 280 00:16:59,685 --> 00:17:05,291 8分の2… 通常なら 8分の2拍子を表すものですが➡ 281 00:17:05,291 --> 00:17:09,295 そもそも この楽譜には 小節線がないため意味をなさない。 282 00:17:09,295 --> 00:17:12,298 これを8つ読んで2つ飛ばす➡ 283 00:17:12,298 --> 00:17:14,967 つまり 音符を10個単位に見て➡ 284 00:17:14,967 --> 00:17:17,470 1番目から8番目まで 意味がある➡ 285 00:17:17,470 --> 00:17:20,139 という示唆だと考えました。 286 00:17:20,139 --> 00:17:23,142 その法則に従って解読すると…。 287 00:17:23,142 --> 00:17:28,314 「明日 18時 図書室で待ってます」。 288 00:17:28,314 --> 00:17:30,650 おぉ~。 これを元に➡ 289 00:17:30,650 --> 00:17:33,653 杉本先生を呼び出す 暗号を作りました。 290 00:17:33,653 --> 00:17:37,156 この文面からわかるのは この暗号文は➡ 291 00:17:37,156 --> 00:17:41,160 学校関係者の間で交わされていた 私信だということです。 292 00:17:41,160 --> 00:17:44,163 杉本先生…。 293 00:17:44,163 --> 00:17:48,834 これは あなたとクロード先生が 作ったのですね? 294 00:17:48,834 --> 00:17:53,506 お二人は ひそかに 交際されていたのでは? 295 00:17:53,506 --> 00:17:56,842 えっ!? でも 杉本先生とクロード先生は➡ 296 00:17:56,842 --> 00:18:00,613 仲が悪かったって! カモフラージュだったのだろう。 297 00:18:00,613 --> 00:18:03,783 隠していたのは 当時の世相のせいでしょうか。 298 00:18:03,783 --> 00:18:06,118 はい…。 299 00:18:06,118 --> 00:18:09,488 真剣におつきあいするように なったころは➡ 300 00:18:09,488 --> 00:18:12,825 米国との関係が悪化し始めていて。 301 00:18:12,825 --> 00:18:17,663 職場が同じこともあって 互いのために隠すことにしました。 302 00:18:17,663 --> 00:18:20,166 最初は ホントに苦手だったんです。 303 00:18:20,166 --> 00:18:23,669 ジョナサン… クロード先生は いい人なんですが➡ 304 00:18:23,669 --> 00:18:26,839 少し いいかげんなところが あったので。 305 00:18:26,839 --> 00:18:30,142 暗号文にしたのは あなたのアイデアですか? 306 00:18:30,142 --> 00:18:33,646 いいえ あの人です。 周囲には秘密で➡ 307 00:18:33,646 --> 00:18:36,148 おつきあいをしようと 決めたとき…。 308 00:18:36,148 --> 00:18:39,652 ((クロード:暗号を 作ってみませんか?)) 309 00:18:39,652 --> 00:18:42,989 (杉本)少し手間はかかりましたが 楽しかったんです。 310 00:18:42,989 --> 00:18:44,991 推理小説みたいで…。 311 00:18:44,991 --> 00:18:49,829 そもそも最初のきっかけが 本屋で彼を助けたことで…。 312 00:18:49,829 --> 00:18:53,666 日本で書かれた推理小説を 読んでみたかったって。 313 00:18:53,666 --> 00:18:56,168 そのころ 彼はまだ➡ 314 00:18:56,168 --> 00:18:59,338 日本語の文章を読むのは不得意で。 315 00:18:59,338 --> 00:19:03,342 読み方を教えているうちに 親密に…。 316 00:19:05,277 --> 00:19:07,947 それにしても よく解読されましたね。 317 00:19:07,947 --> 00:19:10,282 人が作ったものなら可能です。 318 00:19:10,282 --> 00:19:12,618 準備室から 楽譜を持っていったのも➡ 319 00:19:12,618 --> 00:19:17,456 あなたですね? はい。 申し訳ありませんでした。 320 00:19:17,456 --> 00:19:21,961 いや もともとあなたの物です。 残りもお渡ししますよ。 321 00:19:21,961 --> 00:19:25,631 クロード先生が帰国したあとも 捨てられなくて➡ 322 00:19:25,631 --> 00:19:28,300 ここの戸棚に しまっておいたんです。 323 00:19:28,300 --> 00:19:30,970 でも 先日 片づけをしているときに➡ 324 00:19:30,970 --> 00:19:32,972 なくなっていることがわかって。 325 00:19:32,972 --> 00:19:37,143 河田先生が 憲兵に押収されたと おっしゃったので➡ 326 00:19:37,143 --> 00:19:39,645 どうにもならないと 思ったのですが➡ 327 00:19:39,645 --> 00:19:44,316 日下部さんの 「どこかで見た」って つぶやきが聞こえてしまって…。 328 00:19:44,316 --> 00:19:46,318 日下部さんの動向を見ていれば➡ 329 00:19:46,318 --> 00:19:49,321 見つかるかもしれないと 思っていたんですけど…。 330 00:19:49,321 --> 00:19:52,825 まさか あんな所に 部屋があるなんて。 331 00:19:52,825 --> 00:19:55,995 あの部屋は まさに 検閲逃れのための部屋でしてね。 332 00:19:55,995 --> 00:20:01,333 他の物が運び込まれたとき 一緒に持ち込まれたんでしょう。 333 00:20:01,333 --> 00:20:04,336 日下部くんの友人が 感じた視線は➡ 334 00:20:04,336 --> 00:20:08,507 君の動向をうかがっていた 杉本先生のものだね。 335 00:20:08,507 --> 00:20:12,011 えっ? でも私 何も感じませんでしたよ? 336 00:20:12,011 --> 00:20:16,015 それは君が鈍感なだけだ。 ひどい! 337 00:20:16,015 --> 00:20:19,685 あっ そっか! 暗号を作った本人だから➡ 338 00:20:19,685 --> 00:20:24,190 本橋先生の手紙にあった楽譜が 偽物だって わかったんですね! 339 00:20:24,190 --> 00:20:29,528 意図がわからなくて放置してたの。 まさか襲ってくるとはね…。 340 00:20:29,528 --> 00:20:32,865 傷つけるつもりまでは なかったようですがね。 341 00:20:32,865 --> 00:20:36,202 ともあれ ケガなどなくて何よりでした。 342 00:20:36,202 --> 00:20:38,370 これで謎解きは終わりですが…。 343 00:20:38,370 --> 00:20:40,372 あぁ。 (ノック) 344 00:20:40,372 --> 00:20:42,374 ちょうど着いたようです。 (引き戸の開く音) 345 00:20:42,374 --> 00:20:44,376 あっ! 346 00:20:44,376 --> 00:20:46,879 (杉本)ジョナサン! 347 00:20:46,879 --> 00:20:49,548 ど どういうことなんです 先生!? 348 00:20:49,548 --> 00:20:51,884 解読したものの中に➡ 349 00:20:51,884 --> 00:20:55,387 「戦う以外で 米国と日本のために働きたい。 350 00:20:55,387 --> 00:20:59,391 通訳になって帰ってくる」という 一文があった。 351 00:20:59,391 --> 00:21:02,328 もしやと思い 総一郎さんに調べてもらったら➡ 352 00:21:02,328 --> 00:21:04,497 所在が確認できたんだ。 353 00:21:04,497 --> 00:21:09,034 あとは彼が外出できるように 骨を折ってもらったよ。 354 00:21:09,034 --> 00:21:11,337 約束どおり 帰ってきたよ➡ 355 00:21:11,337 --> 00:21:13,839 ナツエ。 356 00:21:13,839 --> 00:21:17,376 ジョナサン! 357 00:21:17,376 --> 00:21:21,013 遅くなってごめん。 なかなか外出許可が下りなくて。 358 00:21:21,013 --> 00:21:23,015 ジョナサン…。 359 00:21:29,855 --> 00:21:31,857 (栞奈)2人の手紙だったから➡ 360 00:21:31,857 --> 00:21:34,193 内容を 教えてくれなかったんですね。 361 00:21:34,193 --> 00:21:39,231 でも どうして先生は今回 あんなに裏で動いてたんです? 362 00:21:39,231 --> 00:21:43,369 この準備室の平穏を保つためだよ。 んっ? 363 00:21:43,369 --> 00:21:45,871 (中禅寺)実際に暴漢事件が 起きたことで➡ 364 00:21:45,871 --> 00:21:48,207 「死神の楽譜」に 興味を持った生徒が➡ 365 00:21:48,207 --> 00:21:50,543 旧校舎に入り込むかもしれない。 366 00:21:50,543 --> 00:21:54,213 準備室の存在が 生徒に広まったら困る。 367 00:21:54,213 --> 00:21:57,216 そういえば なんで私 あの場に? 368 00:21:57,216 --> 00:22:01,654 真実をみんなに 伝えるため… ですか? 逆だよ。 369 00:22:01,654 --> 00:22:03,822 みんなの興味が ここに向かないよう➡ 370 00:22:03,822 --> 00:22:07,326 それとなく うわさの流れを 誘導してもらうためだ。 371 00:22:07,326 --> 00:22:10,162 当然 今回の件は口外法度。 372 00:22:10,162 --> 00:22:13,999 少なくとも彼女らの交際が 公になるまでね。 373 00:22:13,999 --> 00:22:17,503 2人に迷惑がかからないよう 頑張りたまえ。 374 00:22:17,503 --> 00:22:20,506 えっ… え…。 375 00:22:20,506 --> 00:22:24,109 心霊探偵の手柄が また増えるな。 376 00:22:26,679 --> 00:22:29,582 (栞奈)えぇ~! なんで~!