1 00:00:03,337 --> 00:00:20,354 ♬~ 2 00:00:20,354 --> 00:00:22,356 (紗和子)ハッ…! 3 00:00:25,025 --> 00:00:28,862 (和子)えっ! あの林の奥の 幽霊屋敷に人が住んでるの!? 4 00:00:28,862 --> 00:00:31,198 (キヨ)そう 町じゅうのうわさよ! 5 00:00:31,198 --> 00:00:33,367 先月 若夫婦が引っ越してきたの。 6 00:00:33,367 --> 00:00:36,536 (キヨ)奥さんが家の中で たびたび白い人影を見て➡ 7 00:00:36,536 --> 00:00:38,538 まいっちゃってるんだって。 8 00:00:38,538 --> 00:00:41,875 閉めてたはずのふすまが いつの間にか開いてたり。 9 00:00:41,875 --> 00:00:44,711 (和子)何それ怖~い。 その家➡ 10 00:00:44,711 --> 00:00:46,713 もともと学者さんが 住んでたんだけど➡ 11 00:00:46,713 --> 00:00:48,882 急死しちゃったらしいのね。 12 00:00:48,882 --> 00:00:51,885 そのあと 誰も住んでない その家の窓に➡ 13 00:00:51,885 --> 00:00:54,221 人だまが映ったなんて話も出て…。 14 00:00:54,221 --> 00:00:56,890 (静江)おはらいとかしたほうが いいんじゃないの? 15 00:00:56,890 --> 00:00:59,559 (キヨ)見たって言ってるのが 奥さんだけなのよ。 16 00:00:59,559 --> 00:01:02,496 だから夢か幻覚だろうって 思われてる。 17 00:01:02,496 --> 00:01:04,665 それ絶対に幽霊だよ! 18 00:01:04,665 --> 00:01:07,834 栞奈は どう思う? (栞奈)えっ 私? 19 00:01:07,834 --> 00:01:11,505 う~ん… 幽霊は見たことないからなぁ。 20 00:01:11,505 --> 00:01:14,341 実際に調べてみないと何とも…。 21 00:01:14,341 --> 00:01:16,677 (2人)さっすが心霊探偵! えっ? 22 00:01:16,677 --> 00:01:18,679 栞奈なら その屋敷に➡ 23 00:01:18,679 --> 00:01:20,681 本当に幽霊がいるのか わかるよね! 24 00:03:02,315 --> 00:03:05,819 (栞奈)中禅寺先生 幽霊っているんですか? 25 00:03:05,819 --> 00:03:08,655 (中禅寺)なんだね急に。 いえ➡ 26 00:03:08,655 --> 00:03:11,158 「幽霊が出る家の話」を 聞いたもので。 27 00:03:11,158 --> 00:03:14,661 ハァ… 君はどう思うのかね? 28 00:03:14,661 --> 00:03:18,665 う~ん 見たことないけど いるんじゃないかなぁ。 29 00:03:18,665 --> 00:03:24,004 だって 幽霊の話は昔からあるし。 少なくとも 何かがあったから➡ 30 00:03:24,004 --> 00:03:27,007 存在として 語られてきたんじゃないかなって。 31 00:03:27,007 --> 00:03:31,011 ふむ 君にしては おもしろい考察だ。 32 00:03:31,011 --> 00:03:33,513 幽霊とは 死者の魂が➡ 33 00:03:33,513 --> 00:03:36,683 生前の姿をとって 現れたものとされる。 34 00:03:36,683 --> 00:03:38,719 『古事記』には➡ 35 00:03:38,719 --> 00:03:41,054 黄泉の国の死者について 書かれているから➡ 36 00:03:41,054 --> 00:03:43,056 奈良時代にはすでに➡ 37 00:03:43,056 --> 00:03:45,392 死者の国という概念が あったのだろう。 38 00:03:45,392 --> 00:03:49,229 幽霊は 告知や要求のために 現れるとされていたが➡ 39 00:03:49,229 --> 00:03:51,565 しだいに 怨恨や未練➡ 40 00:03:51,565 --> 00:03:55,235 執着のために現れると 考えられるようになった。 41 00:03:55,235 --> 00:03:57,370 この恨みや未練を聞き届け➡ 42 00:03:57,370 --> 00:03:59,973 安心させることで 姿を消すといわれ➡ 43 00:03:59,973 --> 00:04:02,809 これが神道的見地では 「鎮魂」。 44 00:04:02,809 --> 00:04:05,979 仏教的見地では 「成仏」と称される。 45 00:04:05,979 --> 00:04:10,817 さて 世に言う幽霊の 「足がない」という特徴だが➡ 46 00:04:10,817 --> 00:04:14,321 これは文芸や演劇の影響が大きい。 47 00:04:14,321 --> 00:04:16,990 ことに 丸山応挙の描いた幽霊画は➡ 48 00:04:16,990 --> 00:04:20,994 多くの絵師に影響を与えたと いわれている。 49 00:04:20,994 --> 00:04:25,165 えぇと つまり…。 世に言う幽霊は➡ 50 00:04:25,165 --> 00:04:28,668 本来のありさまを 文芸的に変化させたものだ。 51 00:04:28,668 --> 00:04:32,506 信仰や思想と結びついた 「概念」である 「幽霊」とは➡ 52 00:04:32,506 --> 00:04:35,008 別のものと考えなければならない。 53 00:04:35,008 --> 00:04:37,010 そして 「概念」とは➡ 54 00:04:37,010 --> 00:04:40,180 存在するしないで 語られるものではなく➡ 55 00:04:40,180 --> 00:04:42,182 「そういうもの」なんだよ。 56 00:04:42,182 --> 00:04:44,184 そういう もの? 57 00:04:44,184 --> 00:04:49,356 いる いないを論じるのなら それは概念ではなく物理現象だ。 58 00:04:49,356 --> 00:04:54,361 霊現象は再現性が極めて低く 誰かが見たと言っても➡ 59 00:04:54,361 --> 00:04:57,864 他の者は見ていないという ケースがほとんどだ。 60 00:04:57,864 --> 00:05:02,502 我々の世界は量子力学と 相対性理論によって成立している。 61 00:05:02,502 --> 00:05:05,472 これは必要な 「情報と環境」を用意すれば➡ 62 00:05:05,472 --> 00:05:08,808 現象の再現が 可能ということでもある。 63 00:05:08,808 --> 00:05:11,812 再現性が 極めて低いということは➡ 64 00:05:11,812 --> 00:05:15,315 「情報と環境」は 目撃した者の脳内にのみ➡ 65 00:05:15,315 --> 00:05:17,317 存在するかもしれない ということだ。 66 00:05:17,317 --> 00:05:19,486 えっ? 頭の中だけ? 67 00:05:19,486 --> 00:05:23,657 思考や記憶は ニューロンを伝う電気信号だからね。 68 00:05:23,657 --> 00:05:25,659 その霊現象は➡ 69 00:05:25,659 --> 00:05:28,662 脳内の物理現象が見せたもの ということになる。 70 00:05:28,662 --> 00:05:30,830 (栞奈)つまり… 幽霊は➡ 71 00:05:30,830 --> 00:05:33,166 幻覚や見間違いってことですか? 72 00:05:33,166 --> 00:05:36,002 (中禅寺)観測できないからいない とはならないよ。 73 00:05:36,002 --> 00:05:38,004 どっちなんですか!? 74 00:05:38,004 --> 00:05:41,841 (中禅寺)君が見たカラスが すべて 黒だったからというだけで➡ 75 00:05:41,841 --> 00:05:45,512 白いカラスは存在しないとは ならないだろう? 76 00:05:45,512 --> 00:05:49,182 だからこそ 「ある」ことを 証明するためには➡ 77 00:05:49,182 --> 00:05:52,519 観察と検証が必要なんだ。 う~ん…。 78 00:05:52,519 --> 00:05:55,856 結局 幽霊はいるんですか? いないんですか? 79 00:05:55,856 --> 00:05:58,692 見た者にとっては いるだろうし➡ 80 00:05:58,692 --> 00:06:02,128 そうでない者にとっては いないと答えるしかないな。 81 00:06:02,128 --> 00:06:04,965 ただ… 君の言うように➡ 82 00:06:04,965 --> 00:06:07,801 幽霊を連想させる 「何か」があったからこそ➡ 83 00:06:07,801 --> 00:06:12,305 国内外でいるとされている ということではあるのだろう。 84 00:06:14,474 --> 00:06:18,812 その何かを突き止める方法が 「観察と検証」なんですね! 85 00:06:18,812 --> 00:06:20,814 わかりました ありがとうございます! 86 00:06:20,814 --> 00:06:23,149 じゃあ今日はこれで! さようなら! 87 00:06:23,149 --> 00:06:28,154 気をつけて帰りたまえ…。 88 00:06:28,154 --> 00:06:30,657 (栞奈)見た者にとってはいるし➡ 89 00:06:30,657 --> 00:06:32,659 そうでない者にとっては いないが➡ 90 00:06:32,659 --> 00:06:36,329 幽霊を連想させる何かはある…。 91 00:06:36,329 --> 00:06:39,332 《よし! これなら みんなも納得するかな!》 92 00:06:39,332 --> 00:06:41,334 あっ そうだ! 93 00:06:41,334 --> 00:06:44,838 (栞奈)あ~つこさ~ん! 94 00:06:44,838 --> 00:06:47,007 (敦子)あら! もう読んだの? 95 00:06:47,007 --> 00:06:50,176 どうだった? とっても おもしろかったです~。 96 00:06:50,176 --> 00:06:54,180 そうだ 今ちょうど 栞奈ちゃんの話をしてたの。 97 00:06:54,180 --> 00:06:57,017 上がって上がって! 私の話? 98 00:06:57,017 --> 00:07:02,122 (千鶴子)いらっしゃい 栞奈さん。 (雪絵)こんにちは 心霊探偵さん。 99 00:07:02,122 --> 00:07:04,124 雪絵さん! 100 00:07:06,126 --> 00:07:08,128 (敦子)それで 雪絵さんの近所に➡ 101 00:07:08,128 --> 00:07:10,130 幽霊が出るって うわさが立って。 102 00:07:10,130 --> 00:07:13,800 心霊現象ってところから 栞奈ちゃんの話になったの。 103 00:07:13,800 --> 00:07:15,802 (栞奈)んっ? もしかして➡ 104 00:07:15,802 --> 00:07:18,471 奥さんだけが 幽霊を見るっていう? 105 00:07:18,471 --> 00:07:21,808 あら 知ってるのね。 その奥さん➡ 106 00:07:21,808 --> 00:07:25,979 遠野紗和子っていうんだけど 私の友達でね。 107 00:07:25,979 --> 00:07:30,150 力になりたくて 秋彦さんに相談にきたの。 108 00:07:30,150 --> 00:07:32,152 そうだったんですね。 109 00:07:32,152 --> 00:07:35,989 でも 危ないことには 関わらないでね 栞奈ちゃん。 110 00:07:35,989 --> 00:07:38,658 それ いつも先生に言われてます。 111 00:07:38,658 --> 00:07:41,361 でも困ってる人がいると どうしても…。 112 00:07:41,361 --> 00:07:43,830 自覚があるなら直したまえ。 ひぃ~! 113 00:07:43,830 --> 00:07:47,167 せせせ 先生! あら秋彦さん。 114 00:07:47,167 --> 00:07:50,670 おじゃましてます。 いらっしゃい 雪絵さん。 115 00:07:50,670 --> 00:07:53,506 で? 君は なんの用だったのかね。 116 00:07:53,506 --> 00:07:56,343 敦子さんに借りた本を返しに…。 117 00:07:56,343 --> 00:08:01,614 僕に渡せばよかったろうに。 いやぁ それも忘れてて…。 118 00:08:01,614 --> 00:08:04,818 (栞奈)あっ 今日はすぐに帰れって 言われてたんだった! 119 00:08:07,454 --> 00:08:09,456 (敦子)引き止めちゃってごめんね。 120 00:08:09,456 --> 00:08:12,125 いえ お話しできて 楽しかったです! 121 00:08:12,125 --> 00:08:14,794 学生の本分は勉強だ。 122 00:08:14,794 --> 00:08:17,464 むやみやたらと 妙なことに関わらないよう➡ 123 00:08:17,464 --> 00:08:21,134 気をつけたまえ。 はい! おじゃましました~! 124 00:08:21,134 --> 00:08:24,471 (中禅寺)で 雪絵さん。 僕に何か用があったのでは? 125 00:08:24,471 --> 00:08:29,309 実は… 私の友人が 幽霊に悩まされていて。 126 00:08:29,309 --> 00:08:31,644 幽霊? 127 00:08:31,644 --> 00:08:36,149 (栞奈の母)栞奈 建具屋さんで 障子紙買ってきて。 128 00:08:36,149 --> 00:08:41,521 今日は ゆっくり宇田川先生の本を 読もうと思ってたのに。 129 00:08:41,521 --> 00:08:43,523 (栞奈)すみませ~ん。 130 00:08:43,523 --> 00:08:45,825 (山辺)いらっしゃい! 何か入り用で? 131 00:08:45,825 --> 00:08:50,630 障子紙ありますか? ああ。 奥にあるから待ってな。 132 00:08:53,333 --> 00:08:55,335 えっ!? あっ…。 133 00:08:55,335 --> 00:08:59,005 す すみません。 いえ…。 134 00:08:59,005 --> 00:09:01,441 (由美)紗和子さ~ん あったあった! 135 00:09:01,441 --> 00:09:03,443 はいこれ補修用のニス。 136 00:09:03,443 --> 00:09:06,446 ありがとうございます…。 《紗和子さん?》 137 00:09:06,446 --> 00:09:10,283 紗和子さんさぁ もっといい所に引っ越したら? 138 00:09:10,283 --> 00:09:12,619 お金もないですし…。 139 00:09:12,619 --> 00:09:16,122 夫のつてで 格安で貸してもらえた家なので。 140 00:09:16,122 --> 00:09:18,958 (由美)でもねぇ 幽霊が出る家なんて➡ 141 00:09:18,958 --> 00:09:21,127 やめたほうがいいわよ。 《あっ…》 142 00:09:21,127 --> 00:09:25,131 旦那さんは 次いつ帰ってくるの? 3日後です。 143 00:09:25,131 --> 00:09:28,301 (由美)心配だねぇ…。 あっ これ➡ 144 00:09:28,301 --> 00:09:30,637 お茶菓子 入れといたから 食べてね。 145 00:09:30,637 --> 00:09:34,641 (紗和子)いつもお気遣い ありがとうございます由美さん。 146 00:09:34,641 --> 00:09:38,311 家のこと また相談させてください。 147 00:09:38,311 --> 00:09:40,480 (栞奈)あのっ! (走る足音) 148 00:09:40,480 --> 00:09:42,982 遠野紗和子さん ですか? 149 00:09:42,982 --> 00:09:45,819 あっ? そうですが… 何か? 150 00:09:45,819 --> 00:09:49,489 えっと 何か力になれないかと思って。 151 00:09:49,489 --> 00:09:52,158 力? あなたはいったい? 152 00:09:52,158 --> 00:09:54,327 えっ!? んっ…! 153 00:09:54,327 --> 00:09:56,830 心霊探偵の日下部栞奈です! 154 00:09:56,830 --> 00:10:00,500 雪絵さんから おうちの話を聞きました! 155 00:10:00,500 --> 00:10:03,169 ああ! 雪絵さんが言ってた➡ 156 00:10:03,169 --> 00:10:06,172 「不思議なことを何でも 解決してしまう」って人ね! 157 00:10:06,172 --> 00:10:08,875 えっ? あ… はい! 158 00:10:10,844 --> 00:10:13,012 《栞奈:紗和子さんの話はこうだ。 159 00:10:13,012 --> 00:10:16,015 夫が不在の夜 目を覚ますと➡ 160 00:10:16,015 --> 00:10:19,519 ふすまの奥の暗闇に 人の顔があった。 161 00:10:19,519 --> 00:10:23,523 気を失った紗和子さんが 目を覚ますと 朝になっていた。 162 00:10:23,523 --> 00:10:28,027 鍵は閉まっており 何か盗まれたような形跡もない。 163 00:10:28,027 --> 00:10:30,363 帰宅した夫に話すと➡ 164 00:10:30,363 --> 00:10:32,866 夢でも見たんだろうと 言われたが…。 165 00:10:32,866 --> 00:10:36,369 夫が不在の夜 再びそれを見た》 166 00:10:36,369 --> 00:10:38,371 ((ハッ!)) 167 00:10:40,373 --> 00:10:44,544 《怖さのあまり 布団をかぶって 念仏を唱えていたら➡ 168 00:10:44,544 --> 00:10:48,715 いつの間にか消えており やはり家に異常はなかった》 169 00:10:48,715 --> 00:10:52,218 あの… やっぱり幽霊なんでしょうか? 170 00:10:52,218 --> 00:10:55,121 とりあえず おうちの中を 見せてもらえますか? 171 00:10:57,056 --> 00:10:59,392 (紗和子)ここが寝室で…。 (ふすまを開ける音) 172 00:10:59,392 --> 00:11:03,830 幽霊… は 向こうのふすまの 廊下側から のぞいてました。 173 00:11:03,830 --> 00:11:05,832 ふむ…。 174 00:11:05,832 --> 00:11:07,834 なるほどね。 ほう…。 175 00:11:07,834 --> 00:11:09,836 これはもしや…。 176 00:11:09,836 --> 00:11:12,172 なるほど なるほど…。 177 00:11:12,172 --> 00:11:14,674 《全然わからん》 178 00:11:14,674 --> 00:11:16,676 あっ…。 179 00:11:16,676 --> 00:11:19,178 《ここにも窓が…》 180 00:11:21,848 --> 00:11:23,850 あっ…? 181 00:11:23,850 --> 00:11:28,188 その鍵は中で さびているみたいで 回らないんです。 182 00:11:28,188 --> 00:11:31,524 この向こうは何が? 裏庭です。 183 00:11:31,524 --> 00:11:34,694 《特に不審な点は 見つからず か…》 184 00:11:34,694 --> 00:11:39,198 あの どうでしょうか? うっ… そ そうですね…。 185 00:11:39,198 --> 00:11:41,701 《栞奈:どうしよう。 わからないって言ったら➡ 186 00:11:41,701 --> 00:11:44,037 不安にさせちゃう》 (中禅寺)ごめんください。 187 00:11:44,037 --> 00:11:46,706 えっ!? 遠野さん いらっしゃいますか? 188 00:11:46,706 --> 00:11:52,111 雪絵さんに頼まれましてね。 幽霊が出てお困りだとか。 189 00:11:54,080 --> 00:11:56,883 ち… 中禅寺先生!? 190 00:11:56,883 --> 00:12:01,321 あら お知り合いですか? 彼女は私の助手です。 191 00:12:01,321 --> 00:12:05,158 今回の件を 事前に 調査してもらってました。 えっ!? 192 00:12:05,158 --> 00:12:07,160 チッ…。 (紗和子)あら じゃあ➡ 193 00:12:07,160 --> 00:12:10,163 不思議なことを何でも 解決してしまう人っていうのは…。 194 00:12:10,163 --> 00:12:12,832 この世には…。 195 00:12:12,832 --> 00:12:16,636 不思議なことなど 何もないんですよ。 196 00:12:18,671 --> 00:12:20,673 (中禅寺)ふむ…。 197 00:12:20,673 --> 00:12:23,343 外に回ってもよろしいですか? 198 00:12:23,343 --> 00:12:33,853 ♬~ 199 00:12:33,853 --> 00:12:36,356 (中禅寺)状況は わかりました。 200 00:12:36,356 --> 00:12:40,860 では この家の履歴については どのくらいご存じですか? 201 00:12:40,860 --> 00:12:45,064 (紗和子)古くから建っている家で 前は老学者が➡ 202 00:12:45,064 --> 00:12:48,735 奥さんと住んでいたそうですが 急逝されて。 203 00:12:48,735 --> 00:12:51,904 奥さんは 娘さんの家に身を寄せたので➡ 204 00:12:51,904 --> 00:12:54,407 空き家になっていたそうです。 205 00:12:54,407 --> 00:12:57,543 その娘さんと 私の夫が知り合いで➡ 206 00:12:57,543 --> 00:13:00,813 私たちが 住む家を 探していることを知って➡ 207 00:13:00,813 --> 00:13:03,650 格安で貸してもらえることに なったんです。 208 00:13:03,650 --> 00:13:06,819 その学者が亡くなったのは いつごろですか? 209 00:13:06,819 --> 00:13:10,990 たしか 1年ぐらい前と おっしゃってました。 210 00:13:10,990 --> 00:13:15,828 では あなたが見たものについて 知っている人は誰がいますか? 211 00:13:15,828 --> 00:13:19,365 えぇと… 夫と雪絵さんと➡ 212 00:13:19,365 --> 00:13:22,168 建具屋の山辺さん夫婦と…。 213 00:13:22,168 --> 00:13:25,338 あなた方 2人ですね。 あれ? 214 00:13:25,338 --> 00:13:27,674 じゃあ どうして うわさが広まって…。 215 00:13:27,674 --> 00:13:30,510 山辺さんというのは ご友人ですか? 216 00:13:30,510 --> 00:13:32,512 近所の建具屋さんで➡ 217 00:13:32,512 --> 00:13:35,181 引っ越してきたとき お世話になった方です。 218 00:13:35,181 --> 00:13:37,517 あっ… そういえば学者さんは➡ 219 00:13:37,517 --> 00:13:40,687 山辺さんのお店で倒れたって 聞きました。 220 00:13:40,687 --> 00:13:43,523 今回のことも心配してくれて➡ 221 00:13:43,523 --> 00:13:46,859 引っ越したほうがいいと 言ってくれてるんですが…。 222 00:13:46,859 --> 00:13:50,196 ここのお家賃は かなり融通していただいたので➡ 223 00:13:50,196 --> 00:13:55,368 夫が反対してまして。 なるほど だいたいわかりました。 224 00:13:55,368 --> 00:13:58,371 あとは家主さんに お尋ねしたいことがあるので➡ 225 00:13:58,371 --> 00:14:00,640 連絡先を教えてください。 226 00:14:00,640 --> 00:14:03,309 次に旦那さんが帰宅されるのは➡ 227 00:14:03,309 --> 00:14:06,479 3日後でしたね? は はい。 228 00:14:06,479 --> 00:14:10,316 では その間 雪絵さんに 泊まり込んでもらいましょう。 229 00:14:10,316 --> 00:14:14,654 あなた以外の誰かがいれば 「それ」は出ないようですしね。 230 00:14:14,654 --> 00:14:18,157 その山辺さんも 心配されてるようですし➡ 231 00:14:18,157 --> 00:14:21,828 しばらく友達が泊まるから 大丈夫とお伝えください。 232 00:14:21,828 --> 00:14:24,997 その間に 解決に向けた準備をします。 233 00:14:24,997 --> 00:14:28,835 か 解決してくださるのですか? (中禅寺)えぇ。 234 00:14:28,835 --> 00:14:33,506 安心してください! 中禅寺先生 見た目は怖いけど➡ 235 00:14:33,506 --> 00:14:36,342 やると言ったら 絶対にやっちゃう人ですから! 236 00:14:36,342 --> 00:14:38,845 (紗和子)ありがとう 栞奈さん。 237 00:14:38,845 --> 00:14:42,348 あなたに 話を聞いてもらえてよかった。 238 00:14:42,348 --> 00:14:44,851 (中禅寺)日下部くん。 あっ。 239 00:14:44,851 --> 00:14:48,521 君にもやってもらうことがある。 はい! 240 00:14:48,521 --> 00:14:51,858 (中禅寺)うちに雪絵さんが 来ているはずだ。 241 00:14:51,858 --> 00:14:55,194 今話したことを伝えて 千鶴子には➡ 242 00:14:55,194 --> 00:14:59,031 木場の旦那と関口くんを 呼ぶように言ってくれ。 はい! 243 00:14:59,031 --> 00:15:01,501 それと。 それと? 244 00:15:01,501 --> 00:15:04,337 一段落したら君には説教だ。 245 00:15:04,337 --> 00:15:08,007 あ… はい…。 246 00:15:11,978 --> 00:15:14,847 ハッ…! 247 00:15:14,847 --> 00:15:18,184 (木場)オラッ 腰入れろ! (関口)ひえぇ~。 248 00:15:18,184 --> 00:15:22,021 (由美)遠野さ~ん! 由美さん。 249 00:15:22,021 --> 00:15:24,157 ついに引っ越すのね! 250 00:15:24,157 --> 00:15:28,661 主人を説得して 新しい所を見つけたんです。 251 00:15:28,661 --> 00:15:32,832 友達が手伝ってくれて 思ったより早く終わりそうで…。 252 00:15:32,832 --> 00:15:35,668 今夜には 向こうで落ち着けそうです。 253 00:15:35,668 --> 00:15:38,838 じゃあ この家は。 家主さんが➡ 254 00:15:38,838 --> 00:15:42,008 幽霊が出るんじゃ 住む人もいないだろうから➡ 255 00:15:42,008 --> 00:15:45,511 早々に取り壊す予定だって 言ってました。 256 00:15:45,511 --> 00:15:49,115 そうなんだ~ さみしくなるわぁ。 257 00:15:51,384 --> 00:16:06,966 ♬~ 258 00:16:06,966 --> 00:16:08,968 (戸をたたく音) 259 00:16:08,968 --> 00:16:10,970 (木場)どなたか いらっしゃいますかぁ。 260 00:16:10,970 --> 00:16:12,972 (木場)すみませ~ん。 (戸をたたく音) 261 00:16:19,645 --> 00:16:22,648 ゆ… 幽霊!? あ ありえない! 262 00:16:22,648 --> 00:16:25,818 (榎木津)フハッ! ハッハッハッハ…! 263 00:16:25,818 --> 00:16:27,820 ハーッハッハッハ! (2人)わぁ~っ! 264 00:16:27,820 --> 00:16:31,324 (悲鳴) 265 00:16:31,324 --> 00:16:33,826 お巡りさん! 助けてください! ゆゆゆ 幽霊が! 266 00:16:33,826 --> 00:16:36,162 アンタら この家のもんかい? 267 00:16:36,162 --> 00:16:38,831 ちち 違いますけど! 今はそんなことより…。 268 00:16:38,831 --> 00:16:41,167 (榎木津)ハハハハ…。 (悲鳴) 269 00:16:41,167 --> 00:16:44,170 お巡りさん! あれ 幽霊! 何言ってんだ? 270 00:16:44,170 --> 00:16:46,339 幽霊なんていねえぞ。 (悲鳴) 271 00:16:46,339 --> 00:16:50,343 (2人)はっ? 俺には幽霊なんて 見えねえって言ってるんだよ。 272 00:16:50,343 --> 00:16:52,345 それよりアンタら➡ 273 00:16:52,345 --> 00:16:56,015 家のもんじゃないなら 何してたんだ? 274 00:16:56,015 --> 00:17:00,152 さぁ… どうしてくれようか…。 275 00:17:00,152 --> 00:17:02,154 (2人)あぁ…。 276 00:17:02,154 --> 00:17:04,624 (2人)あぁ…。 (倒れる音) 277 00:17:04,624 --> 00:17:08,160 コイツは幽霊じゃなくて榎木津だ…。 278 00:17:08,160 --> 00:17:10,663 って 聞こえてねえか。 279 00:17:10,663 --> 00:17:14,300 つまら~ん! これからが 楽しいところだったのに! 280 00:17:14,300 --> 00:17:16,302 終わったかね。 281 00:17:16,302 --> 00:17:18,604 フンフンフン! おう! 計画どおりだぜ。 282 00:17:21,674 --> 00:17:23,676 結論から言えば➡ 283 00:17:23,676 --> 00:17:27,013 遠野紗和子さんが見たものの 正体は 山辺です。 284 00:17:27,013 --> 00:17:29,348 この窓から侵入し➡ 285 00:17:29,348 --> 00:17:32,652 遠野さんを脅かすために 幽霊を演じていました。 286 00:17:32,652 --> 00:17:36,322 そこは鍵が回らなくて 開かないはずですが…。 287 00:17:36,322 --> 00:17:39,325 (昂子)あら そうだったかしら? えっ? 288 00:17:39,325 --> 00:17:41,694 (中禅寺)向こう側の ねじ込み錠は➡ 289 00:17:41,694 --> 00:17:44,497 壊れているように 見せかけているだけで➡ 290 00:17:44,497 --> 00:17:48,701 実際には見えている部分にしか 金具がありません。 291 00:17:48,701 --> 00:17:54,173 窓を開かなくしていたのは 外から刺したクギです。 292 00:17:54,173 --> 00:17:56,208 ん~っ…。 293 00:17:56,208 --> 00:17:59,345 開いた! これは山辺たちが➡ 294 00:17:59,345 --> 00:18:02,448 侵入しやすくするために 行った細工でした。 295 00:18:02,448 --> 00:18:05,117 修理するなら 建具屋に来るだろうから➡ 296 00:18:05,117 --> 00:18:09,121 直すふりをして別の方法を 考えるつもりだったそうです。 297 00:18:09,121 --> 00:18:13,292 でも どうしてそんなことまでして 幽霊のまねを? 298 00:18:13,292 --> 00:18:15,294 あなた方夫婦に➡ 299 00:18:15,294 --> 00:18:17,964 この家から 出ていってほしかったからです。 300 00:18:17,964 --> 00:18:21,300 えっ!? 私 そんなに嫌われていたんですか! 301 00:18:21,300 --> 00:18:26,672 違います。 彼らの目的は この家だったのです。 302 00:18:26,672 --> 00:18:31,844 事件の発端は この家の元の主人である学者➡ 303 00:18:31,844 --> 00:18:36,682 瀬川覚氏が 家の中で あるものを発見したことです。 304 00:18:36,682 --> 00:18:38,651 彼は亡くなる直前に➡ 305 00:18:38,651 --> 00:18:41,487 「お宝を発見した」と 言っていたとか。 306 00:18:41,487 --> 00:18:44,323 はい。 ただ主人は➡ 307 00:18:44,323 --> 00:18:49,161 古本やクズ紙を見つけてきては お宝だと騒いでいたので➡ 308 00:18:49,161 --> 00:18:51,497 私は気にしてませんでした。 309 00:18:51,497 --> 00:18:53,532 (中禅寺)そのお宝は➡ 310 00:18:53,532 --> 00:18:56,535 彼の手では取り出しにくい 状態にあったため➡ 311 00:18:56,535 --> 00:18:59,205 「建具山辺」に駆け込んだ。 312 00:18:59,205 --> 00:19:01,440 しかし興奮のためか➡ 313 00:19:01,440 --> 00:19:07,446 詳細を話す前に覚氏は倒れ お宝の話は宙に浮いてしまう。 314 00:19:07,446 --> 00:19:09,448 おそらくは➡ 315 00:19:09,448 --> 00:19:13,953 家の中でお宝を見つけた。 取り出すのを手伝ってくれ。 316 00:19:13,953 --> 00:19:16,789 といった内容しか 伝わらなかったのでしょう。 317 00:19:16,789 --> 00:19:20,459 あぁ…。 葬儀ののち 家主の昂子さんは➡ 318 00:19:20,459 --> 00:19:23,295 その話をしないまま 引っ越してしまった。 319 00:19:23,295 --> 00:19:26,799 家のどこかに お宝があると考えた 山辺でしたが➡ 320 00:19:26,799 --> 00:19:30,970 そこへ あなた方夫婦が 引っ越してきたため➡ 321 00:19:30,970 --> 00:19:33,472 探索ができなくなった。 322 00:19:33,472 --> 00:19:36,809 幽霊屋敷という うわさを流したのも彼らです。 323 00:19:36,809 --> 00:19:38,811 折しも町中では➡ 324 00:19:38,811 --> 00:19:41,647 探索中に漏れた光が 人だまと うわさされており➡ 325 00:19:41,647 --> 00:19:43,649 それも利用した。 326 00:19:43,649 --> 00:19:45,651 幽霊を演じて あなたを脅かし➡ 327 00:19:45,651 --> 00:19:48,154 家から追い出そうと もくろんだわけです。 328 00:19:48,154 --> 00:19:51,323 あなた一人のときにしか 出なかったのは➡ 329 00:19:51,323 --> 00:19:54,660 旦那さんがいると 反撃の危険があるからでしょう。 330 00:19:54,660 --> 00:19:59,165 旦那さんの外泊予定を聞き出して 機会をうかがっていた。 331 00:19:59,165 --> 00:20:02,168 計画どおり あなたは 引っ越すことになったが➡ 332 00:20:02,168 --> 00:20:07,339 家を取り壊すと聞いた彼らは 慌てて行動を起こしたわけです。 333 00:20:07,339 --> 00:20:09,508 そんな…。 334 00:20:09,508 --> 00:20:13,179 夫妻は住居侵入で 逮捕という予定でしたが➡ 335 00:20:13,179 --> 00:20:15,514 木場巡査に連絡した際➡ 336 00:20:15,514 --> 00:20:18,684 榎さんに 話を聞かれてしまいましてね。 337 00:20:18,684 --> 00:20:21,520 紗和子さんを怖がらせた 意趣返しに➡ 338 00:20:21,520 --> 00:20:23,522 一役買ってもらいました。 339 00:20:23,522 --> 00:20:26,525 そりゃあ榎木津さんみたいな きれいすぎる幽霊が出たら➡ 340 00:20:26,525 --> 00:20:28,527 誰だって肝が潰れますよ。 341 00:20:28,527 --> 00:20:32,364 あのう 結局 お宝なんてあったんですか? 342 00:20:32,364 --> 00:20:34,366 ありますよ。 あっ。 343 00:20:36,535 --> 00:20:38,537 これです。 344 00:20:38,537 --> 00:20:41,373 えっ? この古びたふすまが? 345 00:20:41,373 --> 00:20:44,376 ふすまそのものではなく 下貼りです。 346 00:20:44,376 --> 00:20:48,714 古いふすまは 下貼り工程で 和紙を重ねて貼っていきます。 347 00:20:48,714 --> 00:20:53,052 このふすまの下貼りには 反故紙が使われているのです。 348 00:20:53,052 --> 00:20:55,054 (紗和子)ほごし? 349 00:20:55,054 --> 00:21:00,025 (中禅寺)役目を終えた手紙や書類 古い地図などのことです。 350 00:21:00,025 --> 00:21:04,029 反故紙は当時の情報が記された 貴重な資料。 351 00:21:04,029 --> 00:21:07,199 学者にとっては まさにお宝です。 352 00:21:07,199 --> 00:21:10,703 一般的な価値の宝を 探していた山辺夫婦には➡ 353 00:21:10,703 --> 00:21:13,539 覚氏にとってのお宝を 見つけることは➡ 354 00:21:13,539 --> 00:21:15,508 できなかったでしょうね。 355 00:21:17,710 --> 00:21:20,846 あの人らしいですわ…。 356 00:21:20,846 --> 00:21:25,017 (紗和子)あの… この家は 本当に取り壊すんですか? 357 00:21:25,017 --> 00:21:29,188 (昂子)いえ それは 中禅寺さんの考えたウソです。 358 00:21:29,188 --> 00:21:32,191 思い出もある家ですしね。 359 00:21:32,191 --> 00:21:35,694 よければ引き続き 住んでいただけますか? 360 00:21:35,694 --> 00:21:40,032 こちらこそ お願いします! (紗和子の夫)お願いします! 361 00:21:40,032 --> 00:21:42,868 この反故紙は どうしましょうか。 362 00:21:42,868 --> 00:21:47,706 私の知人に こういったものを 鑑定できる男がいます。 363 00:21:47,706 --> 00:21:51,610 買い取りなら適正な価格で 査定してくれるはずです。 364 00:21:55,714 --> 00:21:59,218 それじゃ その山辺夫妻はどうなったの? 365 00:21:59,218 --> 00:22:02,154 木場さんに きつ~く叱られて➡ 366 00:22:02,154 --> 00:22:05,324 反省して 遠野さんにも 謝罪したんですって。 367 00:22:05,324 --> 00:22:07,493 これにて一件落着! 368 00:22:07,493 --> 00:22:09,662 何が一件落着だね。 ひぃ~! 369 00:22:09,662 --> 00:22:12,665 まだ君には説教が残っているぞ。 370 00:22:12,665 --> 00:22:14,667 あぁ…。 371 00:22:14,667 --> 00:22:17,169 こればっかりは しかたないわね。 372 00:22:17,169 --> 00:22:19,505 危ないことをしたのは事実だし。 373 00:22:19,505 --> 00:22:22,007 おとなしく説教されなさいな。 374 00:22:22,007 --> 00:22:25,010 うぅ…。 375 00:22:25,010 --> 00:22:28,614 (栞奈)そんなぁ~!