1 00:00:35,836 --> 00:00:39,339 (静江)ねえ 栞奈聞いた? 来月 転校生が来るんだって。 2 00:00:39,339 --> 00:00:41,341 (栞奈)ひぇんほうひぇい? 3 00:00:41,341 --> 00:00:44,011 女子? 男子? (花代)女子。 4 00:00:44,011 --> 00:00:46,513 昨日 先生たちが 話してるのを聞いたの。 5 00:00:46,513 --> 00:00:49,182 たしか… サエキヒデヨって名前。 6 00:00:49,182 --> 00:00:51,852 へぇ~ 楽しみだね! ねぇ! 7 00:00:51,852 --> 00:00:54,154 どんな子だろ~ んっ? 8 00:00:56,523 --> 00:01:00,360 あれって中禅寺先生じゃない? だよね。 9 00:01:00,360 --> 00:01:02,362 (ドアベル) 10 00:01:02,362 --> 00:01:06,166 あれ!? なぁんだ 似てただけか。 11 00:01:08,201 --> 00:01:12,039 そういえば知ってる? この世には 自分と瓜二つの人間が➡ 12 00:01:12,039 --> 00:01:14,875 3人は いるんだって。 (栞奈)へぇ~。 13 00:01:14,875 --> 00:01:18,879 だから私と同じ顔の女の子が 世界のどこかにいてさ➡ 14 00:01:18,879 --> 00:01:21,548 もしかしたら その子がお姫様かも? 15 00:01:21,548 --> 00:01:25,385 (栞奈)お姫様かぁ… もし入れ替われたら➡ 16 00:01:25,385 --> 00:01:27,387 おいしいもの食べ放題!? 17 00:01:27,387 --> 00:01:30,390 ヘヘ~。 栞奈は そればっかりだね。 ウヘヘヘ。 18 00:01:30,390 --> 00:01:32,559 あ あのさ。 19 00:01:32,559 --> 00:01:37,864 私 見たことある… お母さんのそっくりさん。 20 00:01:37,864 --> 00:01:39,866 1週間くらい前かな…。 21 00:01:39,866 --> 00:01:43,870 お母さんに頼まれて 買い物に行ったら…。 22 00:01:43,870 --> 00:01:46,873 ((あっ)) 23 00:01:46,873 --> 00:01:49,209 (花代)街にお母さんがいたの。 24 00:01:49,209 --> 00:01:51,712 ((あぁ…。 25 00:01:51,712 --> 00:01:53,680 ただいま~…。 26 00:01:53,680 --> 00:01:56,516 お母さん さっき街へ出てた? 27 00:01:56,516 --> 00:01:59,720 ずっとここで ごはんの支度をしてたわよ?)) 28 00:02:04,524 --> 00:02:07,027 やっぱり そっくりさんって いるのね。 29 00:02:07,027 --> 00:02:09,696 (花代)でもさ その街にいた そっくりさん➡ 30 00:02:09,696 --> 00:02:12,733 お母さんが持ってる着物と 同じ柄の着物を着てたの。 31 00:02:12,733 --> 00:02:16,069 だから絶対 お母さんだって 思ったんだけど…。 32 00:02:16,069 --> 00:02:18,572 う~む いとあやし。 33 00:02:18,572 --> 00:02:20,741 あ あれ…。 34 00:02:25,245 --> 00:02:27,414 あっ…! 35 00:04:10,851 --> 00:04:13,386 い 今の…。 36 00:04:13,386 --> 00:04:16,356 花代にそっくりだったね~ ビックリ! 37 00:04:16,356 --> 00:04:19,359 髪留めまで同じだった…。 38 00:04:19,359 --> 00:04:21,361 私が産まれたとき➡ 39 00:04:21,361 --> 00:04:23,864 お母さんが 手作りしてくれた物なのに。 40 00:04:23,864 --> 00:04:26,399 顔が似てるだけならともかく➡ 41 00:04:26,399 --> 00:04:29,069 着てる服 つけてる物まで 同じなんて…。 42 00:04:29,069 --> 00:04:31,571 まさか やっぱり あの話…。 43 00:04:31,571 --> 00:04:33,473 は 花代? 44 00:04:33,473 --> 00:04:35,475 ドッペルゲンガー。 えっ? 45 00:04:41,982 --> 00:04:44,484 (関口)うわっ! ご ごめんなさい どうぞ! 46 00:04:44,484 --> 00:04:48,155 い いや いやぁ どどどうぞ… って… あれ? 47 00:04:48,155 --> 00:04:51,158 き 君… 中禅寺の生徒の…。 48 00:04:51,158 --> 00:04:54,661 えっ? う~ん…。 49 00:04:54,661 --> 00:04:57,330 どこかでお会いしましたっけ? 50 00:04:57,330 --> 00:05:01,168 ほ ほら この間… ジャズクラブの入り口で…。 51 00:05:01,168 --> 00:05:04,171 あ… あ~っ そういえば! 52 00:05:04,171 --> 00:05:07,841 あっ 私 日下部です。 日下部栞奈。 53 00:05:07,841 --> 00:05:10,677 ぼ 僕は… せ 関口巽です。 54 00:05:10,677 --> 00:05:14,014 中禅寺とは 学生時代からの し 知り合いで。 55 00:05:14,014 --> 00:05:16,516 関口巽? あっ! 56 00:05:16,516 --> 00:05:20,353 もしかして時々 『近代文藝』に 寄稿してませんか? 57 00:05:20,353 --> 00:05:22,689 (関口)えっ…? よ よく知ってるね。 58 00:05:22,689 --> 00:05:25,192 先月号のコラム おもしろかったです! 59 00:05:25,192 --> 00:05:28,695 あ ありがとう 見てくれてる人がいるなんて…。 60 00:05:28,695 --> 00:05:32,032 音楽に文章に… 多才なんですね! えっ!? 61 00:05:32,032 --> 00:05:34,634 い いや… 小遣い稼ぎで…。 62 00:05:34,634 --> 00:05:36,636 ほ 本業というか…。 63 00:05:36,636 --> 00:05:39,806 僕は大学で 粘菌の研究をしてるんだ…。 64 00:05:39,806 --> 00:05:41,808 研究者! すごい! 65 00:05:41,808 --> 00:05:44,978 いやいや…。 粘菌ってなんですか? 66 00:05:44,978 --> 00:05:48,315 粘菌っていうのは 胞子を出しながら➡ 67 00:05:48,315 --> 00:05:52,485 移動と捕食をして 自らの体を変えていく生物だよ。 68 00:05:52,485 --> 00:05:55,655 胞子… キノコとは違うんです? 69 00:05:55,655 --> 00:05:58,191 (関口)ああ。 キノコは粘菌と違って➡ 70 00:05:58,191 --> 00:06:00,360 胞子が発芽した場所にとどまり➡ 71 00:06:00,360 --> 00:06:03,363 菌糸体を形成して成長する 真菌だね。 72 00:06:03,363 --> 00:06:05,865 だからキノコは 別々の場所に生えていても➡ 73 00:06:05,865 --> 00:06:10,203 地中でつながっていて それが同じ個体だったりするんだ。 74 00:06:10,203 --> 00:06:13,173 別々の場所にいても 同じ個体…。 75 00:06:15,175 --> 00:06:19,846 あの 自分とまったく同じ見た目の 人間がいるっていうのは➡ 76 00:06:19,846 --> 00:06:22,515 双子以外で何か考えられますか? 77 00:06:22,515 --> 00:06:24,517 う~ん…。 78 00:06:24,517 --> 00:06:29,022 双子以外… というと ドッペルゲンガー とかかな? 79 00:06:29,022 --> 00:06:33,293 う~ん… 自分自身の姿を 自分で見る現象のことで➡ 80 00:06:33,293 --> 00:06:35,962 神話や伝説なんかにも 時々出てくるんだけど➡ 81 00:06:35,962 --> 00:06:39,466 死の前兆として 語られることが多いね。 82 00:06:39,466 --> 00:06:46,172 自分のドッペルゲンガーを 見た者は… 死ぬんだ。 死ぬ…。 83 00:06:48,174 --> 00:06:50,844 《そっか… だから花代あんなに…》 84 00:06:52,812 --> 00:06:55,148 (栞奈)えっ? 花代が休んでる? 85 00:06:55,148 --> 00:07:00,820 そうなの。 原因不明の高熱だって。 まさか…。 86 00:07:00,820 --> 00:07:04,324 (中禅寺)ドッペルゲンガーねぇ…。 87 00:07:04,324 --> 00:07:07,327 (中禅寺)君を含めて2人が見たと。 はい。 88 00:07:07,327 --> 00:07:11,665 ソイツを見ても死なずに済む 方法なんて あるのかな~って。 89 00:07:11,665 --> 00:07:14,668 まったく… 次から次へと➡ 90 00:07:14,668 --> 00:07:17,337 怪しげなものに 首を突っ込むね 君は。 91 00:07:17,337 --> 00:07:23,176 ドッペルゲンガーとは 瓜二つな姿の存在が 確認される現象を指す言葉だ。 92 00:07:23,176 --> 00:07:26,012 ドイツ語の 「写し doppel」と➡ 93 00:07:26,012 --> 00:07:28,848 「行くもの ganger」を 合成した言葉で➡ 94 00:07:28,848 --> 00:07:31,351 「重なって歩くもの」という 意味の言葉だ。 95 00:07:31,351 --> 00:07:33,820 神話や伝説 迷信などでは➡ 96 00:07:33,820 --> 00:07:36,990 「肉体から霊魂が 分離 実体化したもの」と➡ 97 00:07:36,990 --> 00:07:40,126 されているね。 (栞奈)お話の中の 言葉なんですか? 98 00:07:40,126 --> 00:07:44,798 創作物だけでなく ドッペルゲンガーの 目撃例は世界中にあるよ。 99 00:07:44,798 --> 00:07:48,168 有名どころでは 哲学者ピタゴラス。 100 00:07:48,168 --> 00:07:52,005 アメリカ合衆国 第16代大統領 エイブラハム・リンカーン。 101 00:07:52,005 --> 00:07:56,509 帝政ロシアの エカテリーナ2世などの 目撃例がある。 102 00:07:56,509 --> 00:08:00,981 で ドッペルゲンガー現象は 大きく2つに分類される。 103 00:08:00,981 --> 00:08:04,818 一つ。 本人だけがドッペルゲンガーを目撃する。 104 00:08:04,818 --> 00:08:10,156 もう一つは 本人と第三者が ドッペルゲンガーを目撃するというものだ。 105 00:08:10,156 --> 00:08:12,325 その特徴として伝わるのが➡ 106 00:08:12,325 --> 00:08:14,995 「周囲の人間と会話をしない」。 107 00:08:14,995 --> 00:08:18,498 「本人に関係のある場所に 出現する」。 そして➡ 108 00:08:18,498 --> 00:08:22,335 「遭遇すると近いうちに死ぬ」だ…。 109 00:08:22,335 --> 00:08:24,337 ドッペルゲンガーは➡ 110 00:08:24,337 --> 00:08:28,341 「自分の姿を見る」症状として 医学的な研究も行われていて➡ 111 00:08:28,341 --> 00:08:31,511 脳の機能障害と 関係しているのではないか➡ 112 00:08:31,511 --> 00:08:33,446 といわれている。 つまり➡ 113 00:08:33,446 --> 00:08:36,116 「遭遇すると近いうちに死ぬ」 というのは➡ 114 00:08:36,116 --> 00:08:38,618 「脳の病気によって 死期が近かった」➡ 115 00:08:38,618 --> 00:08:41,121 ということではないかとも 考えられるんだ。 116 00:08:41,121 --> 00:08:43,957 じゃ じゃあ すぐに病院に連れていかなきゃ! 117 00:08:43,957 --> 00:08:46,126 最後まで聞きたまえ。 これは➡ 118 00:08:46,126 --> 00:08:49,462 「本人だけが ドッペルゲンガーを目撃した」 場合の話だ。 119 00:08:49,462 --> 00:08:51,464 君たちのケースは➡ 120 00:08:51,464 --> 00:08:54,968 「本人と第三者がドッペルゲンガーを 目撃する」という状況だ。 121 00:08:54,968 --> 00:08:58,471 であれば 脳機能障害の可能性は低いだろう。 122 00:08:58,471 --> 00:09:00,473 あっ… そうですね。 123 00:09:00,473 --> 00:09:02,976 そもそも 私が最初に見つけたんですし…。 124 00:09:02,976 --> 00:09:06,479 あれ? でもそうなると あの子は いったい…。 125 00:09:06,479 --> 00:09:08,982 説明は以上だ。 えっ? 126 00:09:08,982 --> 00:09:12,986 な… 何も証明されてませんよ 中禅寺先生! 127 00:09:12,986 --> 00:09:15,488 私たちが見たのは なんだったんですか!? 128 00:09:15,488 --> 00:09:19,492 何って 似ている誰かだろう。 でも…。 129 00:09:19,492 --> 00:09:22,695 見たら死ぬのは 病によるものと考えられ➡ 130 00:09:22,695 --> 00:09:26,533 その可能性が低いことは 君自身によって証明されたんだ。 131 00:09:26,533 --> 00:09:28,501 それでいいじゃないか。 132 00:09:28,501 --> 00:09:30,503 よくないです! そんなそっくりな人➡ 133 00:09:30,503 --> 00:09:32,505 いるわけないから 相談してるんです! 134 00:09:32,505 --> 00:09:35,608 ないということの証明は 非常に困難なんだよ。 135 00:09:35,608 --> 00:09:39,112 そんな不毛なことのために 僕を巻き込まないでくれるかな。 136 00:09:39,112 --> 00:09:42,282 ふ 不毛~? もういいです! 137 00:09:42,282 --> 00:09:45,285 関口さんと一緒に なんとかしますから! んっ!? 138 00:09:49,289 --> 00:10:00,800 ♬~ 139 00:10:00,800 --> 00:10:03,303 関口のヤツめ…。 140 00:10:03,303 --> 00:10:05,805 あんな意地悪な先生 もう知りません! 141 00:10:05,805 --> 00:10:08,141 きっと生徒のことなんか どうでもいいんです! 142 00:10:08,141 --> 00:10:10,810 あ~ アイツは そういうところあるよなぁ。 143 00:10:10,810 --> 00:10:13,813 深入りしたがらないというか…。 でしょう? うおっ。 144 00:10:13,813 --> 00:10:17,150 まぁ こういう お化けや妖怪の類いは➡ 145 00:10:17,150 --> 00:10:19,819 アイツの専門なんだけどな…。 んっ? 146 00:10:19,819 --> 00:10:23,823 で… その ドッペルゲンガーだけど 見間違いだったんじゃ? 147 00:10:23,823 --> 00:10:26,493 違います! 私たち3人が見たんですよ? 148 00:10:26,493 --> 00:10:30,997 う~ん… パレイドリア現象 というものがあってね。 149 00:10:30,997 --> 00:10:32,999 見たものや聞いたことを➡ 150 00:10:32,999 --> 00:10:35,168 自分が知っている パターンに当てはめて➡ 151 00:10:35,168 --> 00:10:37,170 誤認することがあるんだ。 152 00:10:37,170 --> 00:10:40,507 例えば月の模様が ウサギに見えたりとかだね。 153 00:10:40,507 --> 00:10:44,344 今回でいえば 同じ服装 同じ髪形と髪飾り…。 154 00:10:44,344 --> 00:10:46,346 類似点が多かったことで➡ 155 00:10:46,346 --> 00:10:49,682 顔も瓜二つだと 思い込んでしまったのでは? 156 00:10:49,682 --> 00:10:53,686 お母さんのことが引っ掛かって 精神的に不安定だったんだろう? 157 00:10:53,686 --> 00:10:56,856 だとすれば 花代くんを安心させてあげれば➡ 158 00:10:56,856 --> 00:11:00,860 解決すると思うよ。 そうか… そうですよね! 159 00:11:00,860 --> 00:11:03,363 ありがとうございます関口さん! 160 00:11:03,363 --> 00:11:05,865 失礼します! 161 00:11:05,865 --> 00:11:08,701 《大事なのは 花代を安心させること。 162 00:11:08,701 --> 00:11:11,871 そうと決まったら すぐに花代に会いにいかなきゃ》 163 00:11:11,871 --> 00:11:13,873 (セミの声) 164 00:11:13,873 --> 00:11:16,376 おっきいなぁ。 (セミの声) 165 00:11:16,376 --> 00:11:18,378 ピンポン…。 (玄関チャイム) 166 00:11:18,378 --> 00:11:20,380 ⚟は~い! 167 00:11:20,380 --> 00:11:26,386 (セミの声) 168 00:11:26,386 --> 00:11:28,488 あっ。 (引き戸の開く音) 169 00:11:30,557 --> 00:11:32,725 あっ お姉ちゃんのお客様? 170 00:11:32,725 --> 00:11:36,496 そう お見舞いに来たの。 花代の妹さん? 171 00:11:36,496 --> 00:11:38,831 はい! 妹の瑞江です! 172 00:11:38,831 --> 00:11:41,501 いつも姉が お世話になってます。 173 00:11:41,501 --> 00:11:44,337 あっ いえいえ こちらこそ…。 (花代の母)瑞江! 174 00:11:44,337 --> 00:11:46,339 あっ お母さん。 175 00:11:46,339 --> 00:11:49,842 (花代の母)お客様の対応は 私がするから。 176 00:11:49,842 --> 00:11:52,845 花代さんと同じクラスの 日下部栞奈です。 177 00:11:52,845 --> 00:11:56,182 あら 花代の… いらっしゃい。 178 00:11:56,182 --> 00:12:01,688 瑞江 私は台所にいるから 花代の部屋に案内してあげて。 179 00:12:01,688 --> 00:12:03,690 はぁい。 180 00:12:05,692 --> 00:12:07,694 最近 いつもああなんです。 181 00:12:07,694 --> 00:12:12,198 なんだか慌ただしいというか 何か隠していそうなんですよね。 182 00:12:14,367 --> 00:12:17,537 瑞江ちゃん 花代の具合はどう? 183 00:12:17,537 --> 00:12:20,206 それが… お姉ちゃんも…。 184 00:12:20,206 --> 00:12:22,709 2人とも どうしちゃったんだろう。 185 00:12:24,711 --> 00:12:26,713 よし! 186 00:12:26,713 --> 00:12:31,517 お姉ちゃん 日下部さんが お見舞いに来てくれたよ。 187 00:12:36,489 --> 00:12:40,159 (瑞江)じゃあ ごゆっくり。 (栞奈)ありがとう。 188 00:12:40,159 --> 00:12:42,662 花代…。 189 00:12:42,662 --> 00:12:44,664 ハッ…。 190 00:12:51,170 --> 00:12:53,172 花代 大丈夫? 191 00:12:53,172 --> 00:12:55,174 具合どう? ハッ! 192 00:12:55,174 --> 00:12:57,510 ハッ…。 あっ。 193 00:12:57,510 --> 00:13:01,347 ううっ。 ど どうしたの? 194 00:13:01,347 --> 00:13:04,350 あれから 変なことばっかり続いてるの。 195 00:13:04,350 --> 00:13:08,388 落としてもないのに 食器が急に割れて手をケガしたり➡ 196 00:13:08,388 --> 00:13:12,025 鉢植えの花が どんどん枯れていったり。 197 00:13:12,025 --> 00:13:15,862 それに… 時々 誰かの視線を感じるの。 198 00:13:15,862 --> 00:13:20,667 家族の誰も信じてくれなくて。 花代…。 199 00:13:22,702 --> 00:13:25,204 大丈夫 花代は死んだりしないよ。 200 00:13:25,204 --> 00:13:27,206 本当? 201 00:13:27,206 --> 00:13:29,709 不安な気持ちに なってるときってね➡ 202 00:13:29,709 --> 00:13:31,711 見間違いが多くなるんだって。 203 00:13:31,711 --> 00:13:34,814 ぱ… ぱれどりあ っていうんだけど➡ 204 00:13:34,814 --> 00:13:38,651 私も よくよく考えてみたら あのときに見た子は➡ 205 00:13:38,651 --> 00:13:41,654 そんなに花代に 似てなかったと思うよ? 206 00:13:41,654 --> 00:13:44,157 そう… そう… かな…。 207 00:13:46,326 --> 00:13:49,996 そうだよ! ドッペルゲンガーなんて 本当にいるわけないよ! 208 00:13:49,996 --> 00:13:54,834 そう思ったらちょっと安心したよ。 よかった! 209 00:13:54,834 --> 00:13:58,838 部屋も明るくしたほうがいいよ。 カーテン開けるね! 210 00:13:58,838 --> 00:14:01,140 おはよ~! えっ? 211 00:14:03,676 --> 00:14:09,182 (セミの声) 212 00:14:09,182 --> 00:14:11,184 ハッ…。 (花代)ウソ…。 あっ! 213 00:14:14,354 --> 00:14:17,190 (花代)いやあぁ~! 214 00:14:17,190 --> 00:14:19,192 どうしたの? (泣き声) 215 00:14:19,192 --> 00:14:21,861 今 外にお母さんが…。 216 00:14:21,861 --> 00:14:26,032 私が? 私は今まで 台所にいたけれど…。 217 00:14:26,032 --> 00:14:31,537 (セミの声) 218 00:14:31,537 --> 00:14:34,974 誰もいないわよ。 本当です。 219 00:14:34,974 --> 00:14:38,311 お母さんだけじゃなくて 花代と妹さんもいたんです。 220 00:14:38,311 --> 00:14:42,482 そんな… ちょっと待ってて。 外を見てくるわね。 221 00:14:42,482 --> 00:14:45,685 うっ… うぅ…。 222 00:14:45,685 --> 00:14:50,156 もうやだぁ… 怖い… 怖いよお…。 223 00:14:50,156 --> 00:14:54,327 花代… だ 大丈夫。 大丈夫だから。 224 00:14:54,327 --> 00:14:58,164 《もうこれは… 気のせいで済む話じゃない…。 225 00:14:58,164 --> 00:15:01,000 どうしよう… どうすれば…》 226 00:15:01,000 --> 00:15:05,838 花代 やっぱり誰もいなかったわ。 そんな…。 227 00:15:05,838 --> 00:15:08,007 私 ちゃんと見たんだから! 228 00:15:08,007 --> 00:15:11,177 栞奈さん 今日はお引き取りくださる? 229 00:15:11,177 --> 00:15:15,882 ((こういう お化けや妖怪の類いは アイツの専門なんだけどな…)) 230 00:15:15,882 --> 00:15:18,451 あっ…。 231 00:15:25,024 --> 00:15:28,027 やっぱり来たな。 やっぱりって…。 232 00:15:28,027 --> 00:15:32,965 関口巽のアドバイスに従ったら 余計に混乱を招いてしまい➡ 233 00:15:32,965 --> 00:15:38,638 僕の所に来たんだろう? うっ… ま まぁ そうですけど。 234 00:15:38,638 --> 00:15:42,642 どうせ関口も 「他人の そら似だ」 みたいなことを言ったんだろう。 235 00:15:42,642 --> 00:15:45,311 どうしてそれを…。 236 00:15:45,311 --> 00:15:49,649 そんなことくらい簡単にわかるよ。 事実の検証どころか➡ 237 00:15:49,649 --> 00:15:52,819 調査すらせずに 思い込みで適当なことを言う。 238 00:15:52,819 --> 00:15:55,321 関口さんは悪くないです。 239 00:15:55,321 --> 00:15:58,491 花代がおびえちゃったのは 私のせい…。 240 00:15:58,491 --> 00:16:00,493 ハァ…。 241 00:16:00,493 --> 00:16:04,664 連城花代くんの父上 連城雄一氏は➡ 242 00:16:04,664 --> 00:16:08,167 17年前 事業に失敗したことがあってね。 243 00:16:08,167 --> 00:16:12,171 えっ… なんの話ですか? 何って➡ 244 00:16:12,171 --> 00:16:16,509 君が知りたがっていた ドッペルゲンガーの正体だよ。 245 00:16:16,509 --> 00:16:21,848 事業に失敗した彼だったが その時期に奥方が産院で出産。 246 00:16:21,848 --> 00:16:23,850 その2年後に雄一氏は➡ 247 00:16:23,850 --> 00:16:26,853 今の 「蓮城運輸」を興し 成功している。 248 00:16:26,853 --> 00:16:30,857 そして 12年前 花代くんの妹が誕生。 249 00:16:30,857 --> 00:16:34,460 これは先日 麗子さんに聞いたのだが➡ 250 00:16:34,460 --> 00:16:36,796 花代くんの母上の実家は➡ 251 00:16:36,796 --> 00:16:40,299 没落を免れた 元華族の薬袋家だそうでね。 252 00:16:40,299 --> 00:16:43,503 薬袋家の娘… つまり➡ 253 00:16:43,503 --> 00:16:47,306 花代くんの母上は 双子だそうだ。 えっ? 254 00:16:47,306 --> 00:16:49,509 姉は連城家へ嫁ぎ➡ 255 00:16:49,509 --> 00:16:53,179 妹は佐伯という実業家と 結婚したそうだ。 256 00:16:53,179 --> 00:16:56,349 じゃ じゃあ花代が 街で見たっていうのは…。 257 00:16:56,349 --> 00:16:59,819 佐伯家に嫁いだという妹だろうね。 258 00:16:59,819 --> 00:17:02,154 話は以上だ。 えっ? 259 00:17:02,154 --> 00:17:04,490 待ってください! 花代のお母さんに➡ 260 00:17:04,490 --> 00:17:06,993 双子の妹さんがいることは わかりましたけど…。 261 00:17:06,993 --> 00:17:10,496 じゃあ 花代と妹の瑞江ちゃんに そっくりな子がいたのは➡ 262 00:17:10,496 --> 00:17:12,498 どう説明するんですか? 263 00:17:12,498 --> 00:17:15,835 これ以上は 連城家のプライバシーに関わる問題だ。 264 00:17:15,835 --> 00:17:18,170 他人が暴きたてるべきじゃない。 265 00:17:18,170 --> 00:17:22,508 でも… 花代はあんなに憔悴しているし。 266 00:17:22,508 --> 00:17:27,513 状況を聞くに 遅かれ早かれ解決するよ。 267 00:17:27,513 --> 00:17:32,518 花代のお母さんも様子が変だし 私のせいで…。 268 00:17:32,518 --> 00:17:35,288 ハァ…。 269 00:17:35,288 --> 00:17:39,158 しかたがないな。 えっ…。 270 00:17:39,158 --> 00:17:41,294 なら花代くんに会ってもらおう。 271 00:17:41,294 --> 00:17:45,598 彼女自身のドッペルゲンガーに。 272 00:17:47,633 --> 00:17:50,803 《ドッペルゲンガーを見た者は死ぬ…。 273 00:17:50,803 --> 00:17:55,841 私は自分のどころか 家族のドッペルゲンガーまで見た…。 274 00:17:55,841 --> 00:17:58,678 死ぬ… でも どうやって? 275 00:17:58,678 --> 00:18:01,147 わからないのが余計に怖い…》 276 00:18:03,182 --> 00:18:05,151 ハッ! 花代。 277 00:18:09,322 --> 00:18:15,494 (花代)お母さん… よね? 何言ってるの? もちろんよ。 278 00:18:15,494 --> 00:18:18,698 お姉ちゃん またごはん残してる。 279 00:18:21,834 --> 00:18:24,337 花代… 大丈夫? 280 00:18:24,337 --> 00:18:27,340 こ… 来ないで! 281 00:18:27,340 --> 00:18:29,842 何言ってるの花代? 282 00:18:29,842 --> 00:18:32,945 少しは食べたほうがいいよ お姉ちゃん。 283 00:18:32,945 --> 00:18:35,281 あぁ…。 284 00:18:35,281 --> 00:18:38,784 ハッ! 285 00:18:38,784 --> 00:18:44,123 ハァッ… ハァ ハァ ハァ…。 286 00:18:44,123 --> 00:18:47,460 ハァ… ハァ… ハァ…。 287 00:18:47,460 --> 00:18:50,963 《ド… ドッペルゲンガー!?》 288 00:18:50,963 --> 00:18:54,166 (英代の母)花代ちゃんね。 あなたに会いにきたの。 289 00:18:58,137 --> 00:19:01,140 もっとよく顔を見せて。 あ… ひっ…。 290 00:19:04,143 --> 00:19:07,813 (英代)フフッ 私が2人いるみたい。 291 00:19:07,813 --> 00:19:09,815 (2人)フフフ…。 292 00:19:09,815 --> 00:19:12,151 《殺される!?》 293 00:19:12,151 --> 00:19:14,487 (栞奈)大丈夫だよ花代。 294 00:19:14,487 --> 00:19:16,822 か… 栞奈…? 295 00:19:16,822 --> 00:19:20,159 この人たちは お化けでも妖怪でもないよ。 296 00:19:20,159 --> 00:19:22,995 えっ…? 297 00:19:22,995 --> 00:19:25,831 不安にさせて ごめんなさいね花代。 298 00:19:25,831 --> 00:19:28,501 私がすんなり打ち明けていれば…。 299 00:19:28,501 --> 00:19:33,105 でも 栞奈さんに促されて やっと決心がついたの。 300 00:19:33,105 --> 00:19:35,775 ((花代くんの母の双子の妹が➡ 301 00:19:35,775 --> 00:19:38,277 実業家の佐伯と 結婚したのは言ったね。 302 00:19:38,277 --> 00:19:42,782 そちらの事業も 連城の4年あとに 傾いたことがある。 303 00:19:42,782 --> 00:19:47,953 最初は連城 次は佐伯。 おそらくは その2つの時期に➡ 304 00:19:47,953 --> 00:19:51,791 傾いた側の家が それぞれ双子を出産した。 305 00:19:51,791 --> 00:19:53,793 それぞれが双子…。 306 00:19:53,793 --> 00:19:58,631 ありえない話ではないだろう。 なかなかレアなケースだとは思うがね。 307 00:19:58,631 --> 00:20:03,469 経済的に困窮しているときに 扶養する家族が2人増える…。 308 00:20:03,469 --> 00:20:05,805 どちらが言いだしたことかは わからないが➡ 309 00:20:05,805 --> 00:20:08,641 余裕のある側が 双子の片方を引き取って➡ 310 00:20:08,641 --> 00:20:10,643 育てることにしたのだろう。 311 00:20:10,643 --> 00:20:12,645 佐伯が困窮していたときは➡ 312 00:20:12,645 --> 00:20:15,314 連城がその子どもを 1人引き取ったのだ。 313 00:20:15,314 --> 00:20:18,984 花代がそれを知らなかったのは? 想像だが…。 314 00:20:18,984 --> 00:20:22,988 双子の間には結果的に格差が 生まれてしまっているわけだ。 315 00:20:22,988 --> 00:20:26,826 苦しい生活から いつ抜けられるか わからない状況で➡ 316 00:20:26,826 --> 00:20:29,328 その格差を 感じさせたくなかったんだろう。 317 00:20:29,328 --> 00:20:32,998 君が連城家で見かけた家族は 佐伯家だろう。 318 00:20:32,998 --> 00:20:35,835 秘密を明かすための 訪問だったはずだ。 319 00:20:35,835 --> 00:20:38,504 だが花代くんは 体調が回復しておらず➡ 320 00:20:38,504 --> 00:20:41,173 やむをえず 延期にすることにしたのだろう。 321 00:20:41,173 --> 00:20:45,678 その原因は…。 ドッペルゲンガーの話…。 322 00:20:45,678 --> 00:20:50,015 タイミングが悪かったのもあるが 君が自分で蒔いた種だ。 323 00:20:50,015 --> 00:20:53,018 自分でなんとか…。 私が! なんとかします!)) 324 00:20:55,020 --> 00:20:57,189 (引き戸の閉まる音) 325 00:20:57,189 --> 00:20:59,525 つまり お母さんが双子で➡ 326 00:20:59,525 --> 00:21:01,527 それぞれが 双子を産んだってこと? 327 00:21:01,527 --> 00:21:03,529 両家とも持ち直したら➡ 328 00:21:03,529 --> 00:21:05,531 秘密を打ち明けることに していたの。 329 00:21:05,531 --> 00:21:10,202 その髪飾りが似合う頃には… という願いを込めて作ったのよ。 330 00:21:10,202 --> 00:21:13,038 あなたと あなたの双子の妹に。 331 00:21:13,038 --> 00:21:16,041 はじめましてお姉さん 佐伯英代です。 332 00:21:16,041 --> 00:21:20,713 ホントにそっくり… フフッ。 333 00:21:20,713 --> 00:21:22,882 えっ 何? アハハハハ! 334 00:21:22,882 --> 00:21:25,384 わかってみれば➡ 335 00:21:25,384 --> 00:21:27,887 全然怖いことなんか なかったんだなって➡ 336 00:21:27,887 --> 00:21:30,890 ホッとしちゃった。 あっ…。 337 00:21:30,890 --> 00:21:34,160 じゃあ お母さんの様子が 最近おかしかったのは…。 338 00:21:34,160 --> 00:21:37,496 あぁ… 佐伯家のことをいつ話そうか➡ 339 00:21:37,496 --> 00:21:39,832 ずっと迷ってたのよ。 でも…。 340 00:21:39,832 --> 00:21:42,501 ゆうべ栞奈さんが来て 早く話すように➡ 341 00:21:42,501 --> 00:21:45,337 説得してくれたから 決心がついたの。 342 00:21:45,337 --> 00:21:48,174 そう… だったんだ…。 343 00:21:48,174 --> 00:21:51,177 悩みの種も なくなったということで➡ 344 00:21:51,177 --> 00:21:53,512 もう水やり忘れないでね。 345 00:21:53,512 --> 00:21:56,182 (花代の母)ごめんなさいね。 (瑞江)お皿洗いもだよ! 346 00:21:56,182 --> 00:21:59,018 あのコップ 私のお気に入りだったのに! 347 00:21:59,018 --> 00:22:02,354 (花代の母)そうよね 花代の分も 今度買いにいかなくちゃね。 348 00:22:02,354 --> 00:22:04,857 栞奈 ありがとう。 349 00:22:04,857 --> 00:22:07,026 ううん。 350 00:22:07,026 --> 00:22:09,528 (栞奈)というわけで➡ 351 00:22:09,528 --> 00:22:13,532 連城家と佐伯家は 今後 親交を深めていくそうです。 352 00:22:13,532 --> 00:22:15,534 ふむ。 まぁ➡ 353 00:22:15,534 --> 00:22:18,204 遅かれ早かれ そうなっていただろうね。 354 00:22:18,204 --> 00:22:20,206 でも先生➡ 355 00:22:20,206 --> 00:22:23,209 関わりたくないって言ってたのに 調べてくれたんですね。 356 00:22:23,209 --> 00:22:26,712 君が関口くんと 関わろうとするからだ。 うっ。 357 00:22:26,712 --> 00:22:29,715 この男が動くと 収まるものも収まらなくなる。 358 00:22:29,715 --> 00:22:33,152 それに佐伯英代くんは 来月 この学校に➡ 359 00:22:33,152 --> 00:22:35,321 転校してくることに なっていたから➡ 360 00:22:35,321 --> 00:22:38,157 事前に事態を 把握しておこうと思ったんだよ。 361 00:22:38,157 --> 00:22:41,160 (栞奈)やっと終わった~! 362 00:22:41,160 --> 00:22:45,164 じゃあ次は こっちの棚の 目録作りだな。 えっ。 363 00:22:45,164 --> 00:22:50,669 まさか… この部屋の本 全部やらなきゃダメ? 364 00:22:50,669 --> 00:22:54,840 当たり前だろう。 僕に手間をかけさせた対価だよ。 365 00:22:54,840 --> 00:22:56,842 (栞奈)えぇ~? 366 00:22:56,842 --> 00:22:59,345 (中禅寺)ほら 関口くんも 手を動かしたまえ。 367 00:22:59,345 --> 00:23:01,447 (関口)なんで僕まで…。