1 00:00:33,934 --> 00:00:37,938 《栞奈:テストで赤点を 取ってしまった私たちは➡ 2 00:00:37,938 --> 00:00:42,776 旧校舎倉庫の片づけを 手伝わされることになった》 3 00:00:42,776 --> 00:00:45,779 (栞奈)うぅ 早く帰りたい。 4 00:00:45,779 --> 00:00:48,615 (本橋)ほら ちゃっちゃと片づけるぞ! 5 00:00:48,615 --> 00:00:52,286 手を動かせば その分 早く帰れるから! 6 00:00:52,286 --> 00:00:54,621 (花代/静江)は~い! あ~…。 7 00:00:54,621 --> 00:00:56,790 持ちますよ 杉本先生。 8 00:00:56,790 --> 00:00:59,960 (杉本)あっ すみません お願いします。 9 00:00:59,960 --> 00:01:02,963 (静江)本橋先生って好青年よねぇ。 10 00:01:02,963 --> 00:01:05,065 (花代)わかる~。 11 00:01:16,310 --> 00:01:18,812 (静江)ところでさ。 (栞奈)んしょ…。 12 00:01:18,812 --> 00:01:22,316 前にお姉ちゃんから 聞いたんだけど。 んっ? 13 00:01:22,316 --> 00:01:24,818 この旧校舎が使われてたころ➡ 14 00:01:24,818 --> 00:01:27,487 「死神の楽譜」ってうわさが あったんだって。 15 00:01:27,487 --> 00:01:30,324 死神の… 楽譜? 16 00:01:30,324 --> 00:01:33,594 (静江)それは楽譜だけど 楽譜じゃなくて➡ 17 00:01:33,594 --> 00:01:36,930 見た人は 死神の呪いで不幸になるとか➡ 18 00:01:36,930 --> 00:01:39,266 死神にさらわれるとか。 19 00:01:39,266 --> 00:01:43,437 またそういう話? この学校 多いよねぇ。 20 00:01:43,437 --> 00:01:46,106 実際にそれで 男の先生が➡ 21 00:01:46,106 --> 00:01:48,775 1人いなくなったんだって! えっ!? ホントに!? 22 00:01:48,775 --> 00:01:52,446 (河田)消えたわけじゃ ありませんよ。 クロード先生は➡ 23 00:01:52,446 --> 00:01:55,282 ちゃんとした理由があって 帰国されたんです。 24 00:01:55,282 --> 00:01:57,784 (花代)外国の 先生だったんですか? 25 00:01:57,784 --> 00:02:00,787 (河田)米国人の英語の先生でね。 26 00:02:00,787 --> 00:02:03,957 人当たりもよくて 生徒にも人気だったんですが➡ 27 00:02:03,957 --> 00:02:07,461 米国と日本の関係が 悪くなり始めて➡ 28 00:02:07,461 --> 00:02:10,797 やむなく 戦争前に帰国されたんです。 29 00:02:10,797 --> 00:02:12,966 (栞奈)へぇ~。 30 00:02:12,966 --> 00:02:15,802 杉本先生? どうしました? 31 00:02:15,802 --> 00:02:18,805 あ… あっ いえ。 何でもないです。 32 00:02:18,805 --> 00:02:22,309 そういえば 杉本先生は クロード先生と➡ 33 00:02:22,309 --> 00:02:24,478 折り合いが悪かったんでしたね。 34 00:02:24,478 --> 00:02:26,647 嫌なことを 思い出させてしまったら➡ 35 00:02:26,647 --> 00:02:29,483 すみません。 いえ 大丈夫です。 36 00:02:29,483 --> 00:02:31,918 合わなかったんです いろいろと…。 37 00:02:31,918 --> 00:02:34,588 杉本先生? んっ? 38 00:02:34,588 --> 00:02:37,090 (静江)楽譜? 39 00:02:37,090 --> 00:02:39,926 ん~…? 40 00:02:39,926 --> 00:02:43,430 この楽譜 変じゃないですか? 変? 41 00:02:43,430 --> 00:02:45,599 だって ほら見て。 42 00:02:45,599 --> 00:02:48,268 (静江)音部記号も小節も 書いていないから➡ 43 00:02:48,268 --> 00:02:52,272 楽譜として不完全だし 音階もメチャクチャ。 44 00:02:52,272 --> 00:02:55,776 ですよね? 杉本先生。 あっ? 45 00:02:55,776 --> 00:02:57,778 先生? 46 00:02:59,780 --> 00:03:04,284 もしかしてこれ 「死神の楽譜」だったりして? 47 00:03:04,284 --> 00:03:07,287 えっ そんなわけないでしょ! 48 00:03:07,287 --> 00:03:09,322 片づけを進めましょう! 49 00:03:09,322 --> 00:03:12,959 河田先生 いくつか 棚が空になってるんですが➡ 50 00:03:12,959 --> 00:03:17,798 何か ご存じですか? ん~ あぁ そういえば➡ 51 00:03:17,798 --> 00:03:20,500 外国人が働いてたってことで➡ 52 00:03:20,500 --> 00:03:23,503 以前 憲兵が 調べにきたことがありました。 53 00:03:23,503 --> 00:03:26,840 そのときに 押収されたのかもしれませんね。 54 00:03:26,840 --> 00:03:30,010 杉本先生が お休みの日だったかな…。 55 00:03:30,010 --> 00:03:33,080 あ そう… ですか。 56 00:03:33,080 --> 00:03:36,783 先生 顔色悪いですけど 大丈夫ですか? 57 00:03:38,752 --> 00:03:41,254 ありがとう 本当に大丈夫よ。 58 00:03:41,254 --> 00:03:46,960 う~ん あんな感じの楽譜 見たことある気がするなぁ。 59 00:03:48,929 --> 00:03:50,931 そろそろ時間ですね。 60 00:03:50,931 --> 00:03:53,934 皆さん ありがとうございました。 は~い。 61 00:03:53,934 --> 00:03:56,103 (静江)やったぁ 帰ろ帰ろ! う~ん…。 62 00:03:56,103 --> 00:03:58,105 (静江)終わった~! 63 00:04:00,107 --> 00:04:03,110 (涼子)先生? 先生? えっ! 64 00:04:03,110 --> 00:04:05,946 (涼子)先生? 聞いてますか? 65 00:04:05,946 --> 00:04:07,948 ああ ごめんなさい。 66 00:04:07,948 --> 00:04:12,452 なんか 杉本先生 元気ないよね。 う うん…。 67 00:04:12,452 --> 00:04:14,454 ねぇ なんだか今日➡ 68 00:04:14,454 --> 00:04:16,957 ずっと誰かに見られてる気がする。 えっ? 69 00:04:16,957 --> 00:04:21,795 静江も? 実は私もなんだ。 あの楽譜を見ちゃったせいかなぁ。 70 00:04:21,795 --> 00:04:24,297 やっぱり 「死神の楽譜」だったりして。 71 00:04:24,297 --> 00:04:26,633 わ 私なんて じっくり見ちゃったけど➡ 72 00:04:26,633 --> 00:04:30,637 何ともないから 気のせいだよ きっと… あっ! 73 00:04:30,637 --> 00:04:38,078 ♬~ 74 00:04:38,078 --> 00:04:40,080 《あの楽譜…。 75 00:04:40,080 --> 00:04:43,583 前に図書準備室を 片づけたときに見たんだ》 76 00:04:52,926 --> 00:04:56,429 たしか この辺に… あ…。 77 00:04:56,429 --> 00:04:58,431 あった! 78 00:05:01,268 --> 00:05:03,270 でも こんなにあるなんて…。 79 00:05:03,270 --> 00:05:05,438 (中禅寺)何をしているんだね? ヒッ! 80 00:05:05,438 --> 00:05:09,109 せ 先生! 驚かさないでくださいよぅ。 81 00:05:09,109 --> 00:05:14,281 この部屋は一応 僕が管理者だ。 勝手に入り込むのはやめたまえ。 82 00:05:14,281 --> 00:05:18,485 こ これには 訳があってですねぇ あ~…。 83 00:05:20,453 --> 00:05:22,455 (中禅寺)「死神の楽譜」ねぇ…。 84 00:05:22,455 --> 00:05:25,292 楽譜の怪異なんてあるんですか? 85 00:05:25,292 --> 00:05:28,795 楽譜とは 音という形のないものを記録し➡ 86 00:05:28,795 --> 00:05:32,265 演奏して再現するためのものだ。 87 00:05:32,265 --> 00:05:35,268 音楽は呪術文化とも 深い関連があるから➡ 88 00:05:35,268 --> 00:05:37,270 「曲を聴いた」とか➡ 89 00:05:37,270 --> 00:05:41,775 「脳内で再現した」というなら わからないでもないが…。 90 00:05:41,775 --> 00:05:46,246 単に楽譜を読んだというのでは 楽譜である意味が…。 91 00:05:46,246 --> 00:05:48,248 んっ! 92 00:05:52,085 --> 00:05:55,755 どうしたんですか? 今日はもう遅い。 93 00:05:55,755 --> 00:05:58,625 (中禅寺)バス停まで送るから 君も帰りなさい。 94 00:05:58,625 --> 00:06:00,594 (栞奈)え~。 95 00:06:04,431 --> 00:06:07,801 《「死神の楽譜」が あんなにあるはずないよね。 96 00:06:07,801 --> 00:06:10,804 杉本先生に言って 安心させてあげよっと》 97 00:06:10,804 --> 00:06:14,774 失礼しま~す。 杉本先生…。 98 00:06:17,811 --> 00:06:23,149 えっ… それって 「死神の楽譜」? 99 00:06:23,149 --> 00:06:27,787 フッ 誰かの いたずらかしらね。 だ 大丈夫ですか? 100 00:06:27,787 --> 00:06:31,124 えっ? あら 心配してくれてるの? 101 00:06:31,124 --> 00:06:36,062 日下部さんは優しいのね。 《あ あれ? 102 00:06:36,062 --> 00:06:40,066 この間 楽譜を見てたときは あんなに不安そうだったのに》 103 00:06:42,235 --> 00:06:44,237 どうしました? 杉本先生? 104 00:06:44,237 --> 00:06:47,407 何かあったんですか? いえ 別に何も。 105 00:06:47,407 --> 00:06:50,410 (本橋)何かあったら いつでも相談してください! 106 00:06:50,410 --> 00:06:52,412 (杉本)ありがとうございます。 107 00:06:56,082 --> 00:06:59,085 (栞奈)この間見た 楽譜に似てるけど…。 108 00:06:59,085 --> 00:07:03,423 ん~ なんか違うような? 109 00:07:03,423 --> 00:07:06,092 日下部さん? ヒッ! 110 00:07:06,092 --> 00:07:09,930 先生! こ こんな時間まで いらっしゃったんですね!? 111 00:07:09,930 --> 00:07:11,932 日下部さんもね。 112 00:07:11,932 --> 00:07:14,434 ダメじゃない 女の子がこんな時間に1人で。 113 00:07:14,434 --> 00:07:17,037 一緒に帰りましょ。 は はい。 114 00:07:20,607 --> 00:07:24,277 じゃあ 私はこっちだから。 気をつけて帰ってね。 115 00:07:24,277 --> 00:07:27,947 はい さようなら。 ハハハ…。 116 00:07:27,947 --> 00:07:31,051 《なんかもう 大丈夫そう》 117 00:07:34,721 --> 00:07:36,723 (杉本)キャーッ! ハッ! 118 00:07:40,760 --> 00:07:43,096 杉本先生! あっ! 119 00:07:43,096 --> 00:07:45,598 日下部さん…。 120 00:07:45,598 --> 00:07:57,577 ♬~ 121 00:07:57,577 --> 00:07:59,913 あっ! 122 00:07:59,913 --> 00:08:02,449 日下部さん 逃げて! 123 00:08:02,449 --> 00:08:04,451 んっ…。 124 00:08:04,451 --> 00:08:07,420 このおっ! ウッ! 125 00:08:11,424 --> 00:08:15,428 ビ ビックリしたぁ。 日下部さん! 126 00:08:15,428 --> 00:08:18,765 逃げてって言ったのに ケガしたらどうするの! 127 00:08:18,765 --> 00:08:20,767 大丈夫です。 128 00:08:20,767 --> 00:08:23,603 先生こそ大丈夫ですか? えぇ。 129 00:08:23,603 --> 00:08:27,607 でも 一歩間違っていたら 大変なことになってましたよ。 130 00:08:27,607 --> 00:08:30,110 これって もしかして死神の…。 さっ➡ 131 00:08:30,110 --> 00:08:32,545 交番に寄って帰りましょう。 あっ? 132 00:08:32,545 --> 00:08:37,050 そういうことじゃないから 大丈夫よ。 133 00:08:37,050 --> 00:08:40,220 あっ…。 134 00:08:40,220 --> 00:08:42,722 (栞奈)昨日は 大変だったんですよ! 135 00:08:42,722 --> 00:08:44,724 職員会議で聞いたよ。 136 00:08:44,724 --> 00:08:48,228 杉本先生が 暴漢に襲われたそうじゃないか。 137 00:08:48,228 --> 00:08:52,065 はい! でも私がカバンを 投げつけたら逃げていって…。 138 00:08:52,065 --> 00:08:54,734 相手が たまたま逃げたから いいものの➡ 139 00:08:54,734 --> 00:08:58,071 反撃してきたら どうするつもりだったんだね? 140 00:08:58,071 --> 00:09:00,073 そ それは…。 141 00:09:00,073 --> 00:09:02,909 刃物を持った人間に 立ち向かおうなんて。 142 00:09:02,909 --> 00:09:07,580 自殺行為だよ 日下部くん。 す すみません…。 143 00:09:07,580 --> 00:09:11,084 フゥ… まったく…。 144 00:09:11,084 --> 00:09:15,088 気をつけなさい。 《もしかして心配されてる?》 145 00:09:15,088 --> 00:09:17,424 まっ それはそれとして➡ 146 00:09:17,424 --> 00:09:21,094 君に聞きたいことがあるんだが。 なんですか? 147 00:09:21,094 --> 00:09:25,098 ここに置いていた楽譜が なくなっているんだが➡ 148 00:09:25,098 --> 00:09:27,100 君が持っていったのかね? 149 00:09:27,100 --> 00:09:29,436 えっ? 私じゃないですよ!? 150 00:09:29,436 --> 00:09:32,372 じゃあ その持ってる楽譜は? 151 00:09:32,372 --> 00:09:35,208 これは僕が持ち帰って 調べていたものだ。 152 00:09:35,208 --> 00:09:37,544 調べるって 何を? 153 00:09:37,544 --> 00:09:41,381 これはね 日下部くん。 暗号だよ。 154 00:09:41,381 --> 00:09:43,716 あ 暗号? 155 00:09:43,716 --> 00:09:47,387 (中禅寺)暗号… あるいは クリプトグラフィ。 156 00:09:47,387 --> 00:09:51,057 情報秘匿の手法の一つだ。 第三者が見ても➡ 157 00:09:51,057 --> 00:09:53,726 内容を判読できないように するためのもので➡ 158 00:09:53,726 --> 00:09:59,232 その起源は 紀元前19世紀ごろまで さかのぼるといわれている。 159 00:09:59,232 --> 00:10:01,234 おおまかには➡ 160 00:10:01,234 --> 00:10:04,237 通信内容そのものを 隠匿する方法と➡ 161 00:10:04,237 --> 00:10:07,240 通信内容を変換する方法がある。 162 00:10:07,240 --> 00:10:10,243 内容そのものを隠匿する方法は➡ 163 00:10:10,243 --> 00:10:12,745 切手の裏に通信文を書いたり➡ 164 00:10:12,745 --> 00:10:17,083 小麦袋の中に 手紙を 潜り込ませたりといったものだ。 165 00:10:17,083 --> 00:10:21,588 しかしこれは 見つかった時点で 隠匿は失敗となる。 166 00:10:21,588 --> 00:10:26,259 そして 内容を変換する方法には 大別すると➡ 167 00:10:26,259 --> 00:10:29,262 「コード型」と 「サイファ型」の2つがある。 168 00:10:29,262 --> 00:10:33,800 「コード型」は 単語やフレーズを 他の意味に変換するものだ。 169 00:10:33,800 --> 00:10:36,269 例えば 「朝」を 「夜」に。 170 00:10:36,269 --> 00:10:39,606 「電車」を 「自転車」に といった具合にね。 171 00:10:39,606 --> 00:10:43,476 対応する単語の法則がわかれば 解読は容易だが➡ 172 00:10:43,476 --> 00:10:47,280 一見すると普通の文章に 見えることが利点だ。 173 00:10:47,280 --> 00:10:49,315 一方 サイファ型は➡ 174 00:10:49,315 --> 00:10:52,986 文字ごとに決められた法則に従い 変換を行う。 175 00:10:52,986 --> 00:10:56,155 これは 例えば アルファベットのaをfに➡ 176 00:10:56,155 --> 00:10:59,659 eをsにというような 不規則な置換になる。 177 00:10:59,659 --> 00:11:02,829 コード型に比べて 解読難度は高くなるが➡ 178 00:11:02,829 --> 00:11:06,165 不規則すぎる文字列ゆえ それが暗号だと➡ 179 00:11:06,165 --> 00:11:09,335 すぐに判別されてしまう 欠点があった。 180 00:11:09,335 --> 00:11:14,007 暗号は それが暗号だと 判明した時点で秘匿性が失われ➡ 181 00:11:14,007 --> 00:11:16,342 解読の試みがなされる。 182 00:11:16,342 --> 00:11:20,013 理想は そもそも暗号だと 気付かせないことだ。 183 00:11:20,013 --> 00:11:23,850 そういう意味では これは なかなかよく出来ている。 184 00:11:23,850 --> 00:11:27,353 「死神の楽譜」という うわさとセットにすることで➡ 185 00:11:27,353 --> 00:11:31,024 譜面の不自然さに 気付きにくくさせているんだ。 186 00:11:31,024 --> 00:11:35,595 は~ いつもながら よくそんなこと知ってますね。 187 00:11:35,595 --> 00:11:39,265 私だったら そんなにスラスラ 説明できませんよぉ。 188 00:11:39,265 --> 00:11:42,602 あっ! じゃあその楽譜 なんて書いてあるんですか? 189 00:11:42,602 --> 00:11:46,272 言うわけにはいかないよ。 え~ なんでですか! 190 00:11:46,272 --> 00:11:50,276 意地悪しないでくださいよぉ! 意地悪じゃない。 191 00:11:50,276 --> 00:11:54,614 内容的に 理由も含めて 明かせない という意味だ。 192 00:11:54,614 --> 00:11:58,451 えぇ~…。 あっ そういえば➡ 193 00:11:58,451 --> 00:12:02,288 杉本先生が 封筒に入った楽譜を 受け取ってて➡ 194 00:12:02,288 --> 00:12:05,124 ゴミ箱から拾ったんですけど。 195 00:12:05,124 --> 00:12:07,794 これも暗号なんですか? 196 00:12:07,794 --> 00:12:11,297 他人の手紙を 拾って読んだのかね 君は。 197 00:12:11,297 --> 00:12:15,301 す すみません。 でも先生が心配で…。 198 00:12:15,301 --> 00:12:17,604 まったく…。 199 00:12:20,139 --> 00:12:24,644 ハァ… やれやれ。 何かわかりましたか!? 200 00:12:24,644 --> 00:12:26,980 事を荒だてたくなかったが➡ 201 00:12:26,980 --> 00:12:30,149 襲撃事件まで起きていたなら しかたない。 202 00:12:30,149 --> 00:12:35,355 面倒だが 骨を折らねばならないな。 203 00:12:43,930 --> 00:12:54,607 ♬~ 204 00:12:54,607 --> 00:12:57,010 ハッ! (走る音) 205 00:12:58,978 --> 00:13:00,947 ああっ! 206 00:13:00,947 --> 00:13:02,949 ハァ ハァ ハァ…。 207 00:13:02,949 --> 00:13:06,753 ハァ ハァ ハァ ハァ…。 208 00:13:09,122 --> 00:13:11,824 ハァ ハァ ハァ ハァ ハァ…。 209 00:13:14,160 --> 00:13:16,829 ハァッ… ハァ ハァ…。 210 00:13:16,829 --> 00:13:19,832 (木場)クッ…! ウッ! 211 00:13:19,832 --> 00:13:21,834 うおぉ~! 212 00:13:21,834 --> 00:13:23,803 ウウッ! 213 00:13:26,139 --> 00:13:28,141 し 死んじゃいました? 214 00:13:28,141 --> 00:13:30,643 バカ言え。 気絶してるだけだ。 215 00:13:30,643 --> 00:13:33,246 おい! もういいぞ! 216 00:13:33,246 --> 00:13:36,582 (栞奈)も 本橋先生!? 217 00:13:36,582 --> 00:13:38,584 コイツも教師なのか? 218 00:13:38,584 --> 00:13:41,421 襲われる心当たりは? 実は➡ 219 00:13:41,421 --> 00:13:44,257 何度も おつきあいの 誘いをされていて。 220 00:13:44,257 --> 00:13:46,926 何度断っても諦めてくれなくて。 221 00:13:46,926 --> 00:13:49,762 脈がないなら 襲ってやれと考えたか。 222 00:13:49,762 --> 00:13:51,764 短絡的だな。 223 00:13:51,764 --> 00:13:53,766 いや もうちょっと手が込んでいる。 224 00:13:53,766 --> 00:13:56,769 これは自作自演だよ。 どういうことだ? 225 00:13:56,769 --> 00:13:58,771 見たまえ。 (3人)んっ? 226 00:13:58,771 --> 00:14:02,275 (中禅寺)この包丁は ブリキの偽物だ。 (木場)おぉ。 227 00:14:02,275 --> 00:14:04,977 目的は暴行ではなく 脅しだ。 228 00:14:04,977 --> 00:14:09,615 「死神の楽譜」のうわさを利用して 杉本先生の恐怖心をあおり➡ 229 00:14:09,615 --> 00:14:13,119 頼れる男として 近づこうとしたんだよ。 230 00:14:13,119 --> 00:14:17,957 なんつう面倒なことを。 そんなだから袖にされるんだよ。 231 00:14:17,957 --> 00:14:20,960 あっ! じゃあこの手紙は! 232 00:14:20,960 --> 00:14:23,563 (杉本)本橋先生が 書いたものでしょうね。 233 00:14:26,966 --> 00:14:28,968 ところで 捨てたものでも➡ 234 00:14:28,968 --> 00:14:33,573 人の手紙を勝手に見てはダメよ。 あっ! ご ごめんなさい! 235 00:14:33,573 --> 00:14:36,909 でも ずっと 心配してくれてたものね。 236 00:14:36,909 --> 00:14:39,712 今回は 巻き込んでごめんなさい。 237 00:14:42,749 --> 00:14:45,418 お気をつけて~。 238 00:14:45,418 --> 00:14:48,421 エヘヘ…。 239 00:14:48,421 --> 00:14:51,591 やっぱり死神なんて いなかったんですね! 240 00:14:51,591 --> 00:14:54,594 そういえば どうして本橋先生は➡ 241 00:14:54,594 --> 00:14:57,430 図書準備室から 楽譜を盗んだんですかね? 242 00:14:57,430 --> 00:15:01,601 盗んだのは本橋先生じゃないよ。 えっ? 243 00:15:01,601 --> 00:15:05,304 じゃあ 失礼します。 (木場)おう 気をつけて。 244 00:15:09,609 --> 00:15:11,611 あっ? 245 00:15:13,613 --> 00:15:15,948 本橋先生の手紙? 246 00:15:15,948 --> 00:15:18,451 捨てたはずなのに… ハッ! 247 00:15:21,120 --> 00:15:24,791 あぁ…。 248 00:15:24,791 --> 00:15:42,108 ♬~ 249 00:15:45,244 --> 00:15:48,247 (中禅寺)お待ちしていました 杉本先生。 ハッ!? 250 00:15:48,247 --> 00:15:52,251 (杉本)中禅寺先生と 日下部さん? 251 00:15:52,251 --> 00:15:55,087 これは どういう…。 その楽譜は➡ 252 00:15:55,087 --> 00:15:58,591 あなたを ここに呼び出すために 僕が書いたものです。 253 00:15:58,591 --> 00:16:02,261 礼を失する行為ですが ご容赦ください。 254 00:16:02,261 --> 00:16:05,598 これを… あなたが? いったいなぜ…。 255 00:16:05,598 --> 00:16:08,935 今回の件を 解体します。 256 00:16:08,935 --> 00:16:13,272 個人的な理由で 日下部くんにも 聞いてもらう必要があったので➡ 257 00:16:13,272 --> 00:16:15,608 彼女にも来てもらいました。 258 00:16:15,608 --> 00:16:18,644 今回の件…? 259 00:16:18,644 --> 00:16:21,814 「死神の楽譜」の秘密です。 えっ! 260 00:16:24,450 --> 00:16:26,786 これは準備室から見つかった➡ 261 00:16:26,786 --> 00:16:30,456 「死神の楽譜」と 呼ばれたものの一部です。 262 00:16:30,456 --> 00:16:34,727 だが 楽譜としては とても不自然で不完全だ。 263 00:16:34,727 --> 00:16:39,232 ただの いたずら書き。 音楽知識のない者による記述。 264 00:16:39,232 --> 00:16:43,736 いくつか可能性はありますが 楽譜を眺めているうち➡ 265 00:16:43,736 --> 00:16:47,406 規則性があることに気付きました。 266 00:16:47,406 --> 00:16:49,408 例えばここ。 267 00:16:49,408 --> 00:16:52,078 2つ目 4つ目 6つ目…。 268 00:16:52,078 --> 00:16:55,915 偶数箇所の音符に 法則性はないように見えますが➡ 269 00:16:55,915 --> 00:16:59,252 奇数箇所の音符は 必ず五線の上にある。 270 00:16:59,252 --> 00:17:01,921 このことから 奇数箇所は➡ 271 00:17:01,921 --> 00:17:05,091 母音の五音を 表していると仮定しました。 272 00:17:05,091 --> 00:17:09,262 そうなると 子音の表現に 1~10段。 273 00:17:09,262 --> 00:17:13,099 「ん」の表現に 11段目が必要と なりますが➡ 274 00:17:13,099 --> 00:17:15,101 これには五線と➡ 275 00:17:15,101 --> 00:17:19,605 下第一間から 上第一間を 使えば足りる。 276 00:17:19,605 --> 00:17:23,943 しかし 9 10番目にある音符は 五線の線間にあり➡ 277 00:17:23,943 --> 00:17:26,445 この法則に当てはまらない。 278 00:17:26,445 --> 00:17:29,282 そこでカギになるものを探すと➡ 279 00:17:29,282 --> 00:17:31,617 拍子記号が目に入りました。 280 00:17:31,617 --> 00:17:37,223 8分の2… 通常なら 8分の2拍子を表すものですが➡ 281 00:17:37,223 --> 00:17:41,227 そもそも この楽譜には 小節線がないため意味をなさない。 282 00:17:41,227 --> 00:17:44,230 これを8つ読んで2つ飛ばす➡ 283 00:17:44,230 --> 00:17:46,899 つまり 音符を10個単位に見て➡ 284 00:17:46,899 --> 00:17:49,402 1番目から8番目まで 意味がある➡ 285 00:17:49,402 --> 00:17:52,071 という示唆だと考えました。 286 00:17:52,071 --> 00:17:55,074 その法則に従って解読すると…。 287 00:17:55,074 --> 00:18:00,246 「明日 18時 図書室で待ってます」。 288 00:18:00,246 --> 00:18:02,582 おぉ~。 これを元に➡ 289 00:18:02,582 --> 00:18:05,584 杉本先生を呼び出す 暗号を作りました。 290 00:18:05,584 --> 00:18:09,088 この文面からわかるのは この暗号文は➡ 291 00:18:09,088 --> 00:18:13,092 学校関係者の間で交わされていた 私信だということです。 292 00:18:13,092 --> 00:18:16,095 杉本先生…。 293 00:18:16,095 --> 00:18:20,766 これは あなたとクロード先生が 作ったのですね? 294 00:18:20,766 --> 00:18:25,438 お二人は ひそかに 交際されていたのでは? 295 00:18:25,438 --> 00:18:28,774 えっ!? でも 杉本先生とクロード先生は➡ 296 00:18:28,774 --> 00:18:32,545 仲が悪かったって! カモフラージュだったのだろう。 297 00:18:32,545 --> 00:18:35,715 隠していたのは 当時の世相のせいでしょうか。 298 00:18:35,715 --> 00:18:38,050 はい…。 299 00:18:38,050 --> 00:18:41,420 真剣におつきあいするように なったころは➡ 300 00:18:41,420 --> 00:18:44,757 米国との関係が悪化し始めていて。 301 00:18:44,757 --> 00:18:49,595 職場が同じこともあって 互いのために隠すことにしました。 302 00:18:49,595 --> 00:18:52,098 最初は ホントに苦手だったんです。 303 00:18:52,098 --> 00:18:55,601 ジョナサン… クロード先生は いい人なんですが➡ 304 00:18:55,601 --> 00:18:58,771 少し いいかげんなところが あったので。 305 00:18:58,771 --> 00:19:02,074 暗号文にしたのは あなたのアイデアですか? 306 00:19:02,074 --> 00:19:05,578 いいえ あの人です。 周囲には秘密で➡ 307 00:19:05,578 --> 00:19:08,080 おつきあいをしようと 決めたとき…。 308 00:19:08,080 --> 00:19:11,584 ((クロード:暗号を 作ってみませんか?)) 309 00:19:11,584 --> 00:19:14,920 (杉本)少し手間はかかりましたが 楽しかったんです。 310 00:19:14,920 --> 00:19:16,922 推理小説みたいで…。 311 00:19:16,922 --> 00:19:21,761 そもそも最初のきっかけが 本屋で彼を助けたことで…。 312 00:19:21,761 --> 00:19:25,598 日本で書かれた推理小説を 読んでみたかったって。 313 00:19:25,598 --> 00:19:28,100 そのころ 彼はまだ➡ 314 00:19:28,100 --> 00:19:31,270 日本語の文章を読むのは不得意で。 315 00:19:31,270 --> 00:19:35,274 読み方を教えているうちに 親密に…。 316 00:19:37,209 --> 00:19:39,879 それにしても よく解読されましたね。 317 00:19:39,879 --> 00:19:42,214 人が作ったものなら可能です。 318 00:19:42,214 --> 00:19:44,550 準備室から 楽譜を持っていったのも➡ 319 00:19:44,550 --> 00:19:49,388 あなたですね? はい。 申し訳ありませんでした。 320 00:19:49,388 --> 00:19:53,893 いや もともとあなたの物です。 残りもお渡ししますよ。 321 00:19:53,893 --> 00:19:57,563 クロード先生が帰国したあとも 捨てられなくて➡ 322 00:19:57,563 --> 00:20:00,232 ここの戸棚に しまっておいたんです。 323 00:20:00,232 --> 00:20:02,902 でも 先日 片づけをしているときに➡ 324 00:20:02,902 --> 00:20:04,904 なくなっていることがわかって。 325 00:20:04,904 --> 00:20:09,075 河田先生が 憲兵に押収されたと おっしゃったので➡ 326 00:20:09,075 --> 00:20:11,577 どうにもならないと 思ったのですが➡ 327 00:20:11,577 --> 00:20:16,248 日下部さんの 「どこかで見た」って つぶやきが聞こえてしまって…。 328 00:20:16,248 --> 00:20:18,250 日下部さんの動向を見ていれば➡ 329 00:20:18,250 --> 00:20:21,253 見つかるかもしれないと 思っていたんですけど…。 330 00:20:21,253 --> 00:20:24,757 まさか あんな所に 部屋があるなんて。 331 00:20:24,757 --> 00:20:27,927 あの部屋は まさに 検閲逃れのための部屋でしてね。 332 00:20:27,927 --> 00:20:33,265 他の物が運び込まれたとき 一緒に持ち込まれたんでしょう。 333 00:20:33,265 --> 00:20:36,268 日下部くんの友人が 感じた視線は➡ 334 00:20:36,268 --> 00:20:40,439 君の動向をうかがっていた 杉本先生のものだね。 335 00:20:40,439 --> 00:20:43,943 えっ? でも私 何も感じませんでしたよ? 336 00:20:43,943 --> 00:20:47,947 それは君が鈍感なだけだ。 ひどい! 337 00:20:47,947 --> 00:20:51,617 あっ そっか! 暗号を作った本人だから➡ 338 00:20:51,617 --> 00:20:56,122 本橋先生の手紙にあった楽譜が 偽物だって わかったんですね! 339 00:20:56,122 --> 00:21:01,460 意図がわからなくて放置してたの。 まさか襲ってくるとはね…。 340 00:21:01,460 --> 00:21:04,797 傷つけるつもりまでは なかったようですがね。 341 00:21:04,797 --> 00:21:08,134 ともあれ ケガなどなくて何よりでした。 342 00:21:08,134 --> 00:21:10,302 これで謎解きは終わりですが…。 343 00:21:10,302 --> 00:21:12,304 あぁ。 (ノック) 344 00:21:12,304 --> 00:21:14,306 ちょうど着いたようです。 (引き戸の開く音) 345 00:21:14,306 --> 00:21:16,308 あっ! 346 00:21:16,308 --> 00:21:18,811 (杉本)ジョナサン! 347 00:21:18,811 --> 00:21:21,480 ど どういうことなんです 先生!? 348 00:21:21,480 --> 00:21:23,816 解読したものの中に➡ 349 00:21:23,816 --> 00:21:27,319 「戦う以外で 米国と日本のために働きたい。 350 00:21:27,319 --> 00:21:31,323 通訳になって帰ってくる」という 一文があった。 351 00:21:31,323 --> 00:21:34,260 もしやと思い 総一郎さんに調べてもらったら➡ 352 00:21:34,260 --> 00:21:36,428 所在が確認できたんだ。 353 00:21:36,428 --> 00:21:40,966 あとは彼が外出できるように 骨を折ってもらったよ。 354 00:21:40,966 --> 00:21:43,269 約束どおり 帰ってきたよ➡ 355 00:21:43,269 --> 00:21:45,771 ナツエ。 356 00:21:45,771 --> 00:21:49,308 ジョナサン! 357 00:21:49,308 --> 00:21:52,945 遅くなってごめん。 なかなか外出許可が下りなくて。 358 00:21:52,945 --> 00:21:54,947 ジョナサン…。 359 00:22:01,787 --> 00:22:03,789 (栞奈)2人の手紙だったから➡ 360 00:22:03,789 --> 00:22:06,125 内容を 教えてくれなかったんですね。 361 00:22:06,125 --> 00:22:11,163 でも どうして先生は今回 あんなに裏で動いてたんです? 362 00:22:11,163 --> 00:22:15,301 この準備室の平穏を保つためだよ。 んっ? 363 00:22:15,301 --> 00:22:17,803 (中禅寺)実際に暴漢事件が 起きたことで➡ 364 00:22:17,803 --> 00:22:20,139 「死神の楽譜」に 興味を持った生徒が➡ 365 00:22:20,139 --> 00:22:22,474 旧校舎に入り込むかもしれない。 366 00:22:22,474 --> 00:22:26,145 準備室の存在が 生徒に広まったら困る。 367 00:22:26,145 --> 00:22:29,148 そういえば なんで私 あの場に? 368 00:22:29,148 --> 00:22:33,586 真実をみんなに 伝えるため… ですか? 逆だよ。 369 00:22:33,586 --> 00:22:35,754 みんなの興味が ここに向かないよう➡ 370 00:22:35,754 --> 00:22:39,258 それとなく うわさの流れを 誘導してもらうためだ。 371 00:22:39,258 --> 00:22:42,094 当然 今回の件は口外法度。 372 00:22:42,094 --> 00:22:45,931 少なくとも彼女らの交際が 公になるまでね。 373 00:22:45,931 --> 00:22:49,435 2人に迷惑がかからないよう 頑張りたまえ。 374 00:22:49,435 --> 00:22:52,438 えっ… え…。 375 00:22:52,438 --> 00:22:56,041 心霊探偵の手柄が また増えるな。 376 00:22:58,611 --> 00:23:01,513 (栞奈)えぇ~! なんで~!