1 00:00:02,002 --> 00:00:08,008 (アリシア)もう寒くないや。 十分 温まった。 2 00:00:08,008 --> 00:00:11,345 (ミレア)おい! 待て待て待て! 3 00:00:11,345 --> 00:00:13,847 安楽な道に流されもしない! 4 00:00:13,847 --> 00:00:17,184 父親をニセモノと斬り捨てもしない! 5 00:00:17,184 --> 00:00:23,023 揺るぎない自己肯定… ここに来て正解ルートだと!? 6 00:00:23,023 --> 00:00:27,194 絶対に落ちる流れだっただろう! 7 00:00:27,194 --> 00:00:32,199 ありがとう。 さよなら。 8 00:00:32,199 --> 00:00:35,102 絶対に! ありえん! 9 00:00:38,038 --> 00:00:40,707 おまえには何も残さない! 10 00:00:40,707 --> 00:00:43,377 ここで得た能力も情報も➨ 11 00:00:43,377 --> 00:00:48,882 両親と再会した記憶も当然紋も 無に還る! 12 00:00:48,882 --> 00:00:51,718 記憶が… 無に…。 13 00:00:51,718 --> 00:00:55,222 無数の鏡に貫かれて➨ 14 00:00:55,222 --> 00:00:59,126 今度こそ死ね! ニセ勇者! 15 00:02:59,980 --> 00:03:06,319 (クレン)初めてだな。 同格の敵と戦うのは。 16 00:03:06,319 --> 00:03:10,490 (クレン)さあ 続けようか ヴォーデイン。 17 00:03:10,490 --> 00:03:14,661 (ヴォド)全力を出すのが そんなに楽しいか。 18 00:03:14,661 --> 00:03:17,497 笑みがこぼれているぞ。 19 00:03:17,497 --> 00:03:20,667 我が… 笑みを? 20 00:03:20,667 --> 00:03:25,005 敵がいないというのは つまらないものだ。 21 00:03:25,005 --> 00:03:32,512 魔獣王と戦えるのは 同じように領域の力を持つ者か➨ 22 00:03:32,512 --> 00:03:38,185 領域を壊す力を持った 真の勇者のみ。 23 00:03:38,185 --> 00:03:41,855 それに出会うことのなかった おまえは➨ 24 00:03:41,855 --> 00:03:45,692 さぞ力を持て余したことだろう。 25 00:03:45,692 --> 00:03:48,862 (ザフティエ)あなたを倒したのは勇者。 26 00:03:48,862 --> 00:03:53,033 それを倒したのは 焦爛のヴォーデインです。 27 00:03:53,033 --> 00:03:55,535 (クレバテス)ヴォーデイン。 28 00:03:55,535 --> 00:03:59,372 (ザフティエ)百年ごとに 様子を見に来ましょう。 29 00:03:59,372 --> 00:04:02,976 その度に 巫女の姿は変わるでしょうが➨ 30 00:04:02,976 --> 00:04:05,145 気にせぬように…。 31 00:04:05,145 --> 00:04:09,149 おまえ 我と戦ってみるか。 32 00:04:09,149 --> 00:04:13,987 あいにくと 巫女を通しての力は 限られています。 33 00:04:13,987 --> 00:04:19,493 ザフティエよ 生きるとはなんだろうな。 34 00:04:19,493 --> 00:04:24,164 生まれてから死ぬまでの過程… でしょうか。 35 00:04:24,164 --> 00:04:30,170 子を作り育て その子が成長してまた子を作る。 36 00:04:30,170 --> 00:04:34,174 その中に答えがある気がします。 37 00:04:34,174 --> 00:04:36,843 つまり知らないんだな。 38 00:04:36,843 --> 00:04:40,013 2千年以上生きているくせに。 39 00:04:40,013 --> 00:04:42,015 はい。 40 00:04:42,015 --> 00:04:44,518 帰れ ザフティエ。 41 00:04:44,518 --> 00:04:47,187 では また百年後。 42 00:04:47,187 --> 00:04:49,856 もう来なくていい。 43 00:04:49,856 --> 00:04:54,694 この千年 さぞ退屈していたことだろう。 44 00:04:54,694 --> 00:04:56,897 千年! 45 00:05:00,300 --> 00:05:03,803 おまえが笑っていられるのは➨ 46 00:05:03,803 --> 00:05:07,140 私が あの時代を終わらせたからだ。 47 00:05:07,140 --> 00:05:12,846 それまでの歴史と 惨劇を 何も知らないからだ。 48 00:05:21,488 --> 00:05:25,325 ここには 人属が古代と呼ぶ時代より➨ 49 00:05:25,325 --> 00:05:27,994 さらに古い文明があった。 50 00:05:27,994 --> 00:05:33,333 「トア」。 それはこの地全体の事。 51 00:05:33,333 --> 00:05:36,837 全ての元凶はここにある。 52 00:05:39,339 --> 00:05:41,841 (ヴォド)千と百数十年前。 53 00:05:41,841 --> 00:05:46,012 人属の住まう領域は 三層に分かれていた。 54 00:05:46,012 --> 00:05:50,183 トアの民が住む天上層と高階層。 55 00:05:50,183 --> 00:05:54,354 そして 他の種族が住む広大な下層だ。 56 00:05:54,354 --> 00:06:00,861 今は海だが ソルセインの北に トアの中心はあったのだ。 57 00:06:05,966 --> 00:06:07,968 (咆哮) 58 00:06:11,972 --> 00:06:17,811 ⸨ヴォーデイン:やはり 領域を広げるのが先か⸩ 59 00:06:17,811 --> 00:06:21,481 (ヴォド) 先に侵略してきたのは 「トア」だ。 60 00:06:21,481 --> 00:06:26,820 数万年の血の記憶が そう教えてくれる。 61 00:06:26,820 --> 00:06:29,990 我らは 「トア」とは違う領域を獲得し➨ 62 00:06:29,990 --> 00:06:33,994 長い年月を経て押し返した。 63 00:06:33,994 --> 00:06:39,332 だが 奴らはまったく新しい兵士を 送りこんできた。 64 00:06:39,332 --> 00:06:43,336 それまでの数に任せた 単調な攻撃と違い➨ 65 00:06:43,336 --> 00:06:46,840 魔力による術と剣を使った戦術。 66 00:06:46,840 --> 00:06:51,678 何より その 殺意や恐怖を 剥き出しにした表情は➨ 67 00:06:51,678 --> 00:06:54,681 これまでの人属には なかったものだ。 68 00:06:54,681 --> 00:06:57,183 ⸨おい 薬だ 早く! 69 00:06:57,183 --> 00:06:59,185 はい 「勇者」様。 70 00:06:59,185 --> 00:07:01,121 《「勇者」?》 71 00:07:01,121 --> 00:07:04,457 おい 魔獣王だ! 魔獣王が出たぞ! 72 00:07:04,457 --> 00:07:08,461 むしろオレらラッキーじゃね!? 陣を組め! 魔法陣を! 73 00:07:08,461 --> 00:07:10,463 奴隷たちは前へ! 74 00:07:10,463 --> 00:07:14,968 (一同)極大魔法 ダークネスエッジトルネード! 75 00:07:19,306 --> 00:07:22,142 やったか!? 76 00:07:22,142 --> 00:07:24,978 (兵たち)うぎゃっ! 77 00:07:24,978 --> 00:07:26,980 (咆哮) 78 00:07:34,487 --> 00:07:40,327 (ヴォーデイン)これは… ぬけがら? 79 00:07:40,327 --> 00:07:46,333 《「勇者」という存在について 探りを入れる必要がありそうだ》 80 00:07:55,508 --> 00:08:00,947 しばらくこの体で活動しよう。 81 00:08:00,947 --> 00:08:04,117 《この 「勇者」という存在は➨ 82 00:08:04,117 --> 00:08:08,955 上位の魔獣と同じく 死んでも新たに復活する。 83 00:08:08,955 --> 00:08:11,958 だからこその無謀と狂気》 84 00:08:11,958 --> 00:08:18,465 血がやがて魔鉱石となるのも 魔獣と同じ… トアめ。 85 00:08:18,465 --> 00:08:22,469 見境なくこちらを真似てきたな。 86 00:08:22,469 --> 00:08:25,972 あそこまで行ければいいのだが。 87 00:08:25,972 --> 00:08:30,643 魔力量の多い者ほど 領域の影響を受ける。 88 00:08:30,643 --> 00:08:34,848 やはり地道に聞き出していく 他はないか。 89 00:08:41,488 --> 00:08:43,490 《勇者? 90 00:08:43,490 --> 00:08:47,994 しかし全く敵意も緊張も 感じられぬ…》 91 00:08:47,994 --> 00:08:52,332 おいおまえ。 何をしている? 92 00:08:52,332 --> 00:08:54,334 (ライト)え? ボク? 93 00:08:54,334 --> 00:08:56,836 他に誰がいる。 94 00:08:56,836 --> 00:08:59,839 声をかけられる事は 滅多にないんだ。 95 00:08:59,839 --> 00:09:03,777 ボクは皆から浮いているから。 君は? 96 00:09:03,777 --> 00:09:05,779 ヴォド。 97 00:09:05,779 --> 00:09:08,782 ヴォド… いい響きだね。 98 00:09:08,782 --> 00:09:13,620 ボクはライト。 書くのが仕事だから そう名乗ってる。 99 00:09:13,620 --> 00:09:15,622 ライト…。 100 00:09:15,622 --> 00:09:22,462 《この男 これまで見た 勇者の中では一番強い…》 101 00:09:22,462 --> 00:09:24,798 ボクは今 方々を巡って➨ 102 00:09:24,798 --> 00:09:27,967 本の草案を練っているんだ。 本? 103 00:09:27,967 --> 00:09:31,137 この世界には娯楽の本は 全くないけど➨ 104 00:09:31,137 --> 00:09:33,139 ボクは書きたいんだ。 105 00:09:33,139 --> 00:09:36,643 元いた世界と同じように 楽しい本を。 106 00:09:36,643 --> 00:09:39,312 《元いた世界?》 107 00:09:39,312 --> 00:09:42,649 もちろん 「トア」からの依頼も こなすけど➨ 108 00:09:42,649 --> 00:09:44,651 それはそれとしてもさ。 109 00:09:44,651 --> 00:09:48,154 トアからはこき使われ 勇者の奴隷として扱われている➨ 110 00:09:48,154 --> 00:09:51,157 下層の人たちに夢を与えたいんだ。 111 00:09:51,157 --> 00:09:54,661 じゃないと 感情すら無いように 見える彼らが➨ 112 00:09:54,661 --> 00:09:59,499 あまりにも可哀想すぎる。 そうは思わないかい? 113 00:09:59,499 --> 00:10:02,502 ああ。 114 00:10:02,502 --> 00:10:05,338 同意してくれたのは キミが初めてだよ。 115 00:10:05,338 --> 00:10:07,674 みんな余裕ないから。 116 00:10:07,674 --> 00:10:11,678 (ヴォド)「トア」の依頼とはなんなのだ? えっ…。 117 00:10:11,678 --> 00:10:15,348 ボクのスキル 「司書」と 「大賢者」を使って➨ 118 00:10:15,348 --> 00:10:19,853 勇者たちを導く魔導書を 書くことだよ。 119 00:10:19,853 --> 00:10:22,856 「司書」は領域の力を本に込める力。 120 00:10:22,856 --> 00:10:25,191 「大賢者」は導く力…。 121 00:10:25,191 --> 00:10:29,362 つまり 書いたものを信じさせる力だ。 122 00:10:29,362 --> 00:10:32,866 ボクの書いた魔導書は この世界の人々により➨ 123 00:10:32,866 --> 00:10:35,869 実行可能な物語になる。 124 00:10:35,869 --> 00:10:38,037 責任重大だ。 125 00:10:38,037 --> 00:10:42,709 トアの意図は分かるよ。 召喚したものの➨ 126 00:10:42,709 --> 00:10:46,713 無秩序で制御の利かない 勇者の行動をなんとかしたいんだ。 127 00:10:46,713 --> 00:10:51,551 「魔獣王を倒せば 元の世界に戻れる」なんて➨ 128 00:10:51,551 --> 00:10:54,387 ボクらからしたらただの脅迫。 129 00:10:54,387 --> 00:10:56,890 真面目に戦えるわけ ないじゃないか。 130 00:10:56,890 --> 00:11:01,494 死なないし 他に目的もないから 戦ってはいるけどね。 131 00:11:01,494 --> 00:11:06,499 それで殺されてしまう魔獣たちに ホント申し訳ないよ。 132 00:11:06,499 --> 00:11:10,670 トアには感情も想像力も 足りていないんだ。 133 00:11:10,670 --> 00:11:13,673 依頼の時に 天上のトア人とも会ったけど➨ 134 00:11:13,673 --> 00:11:19,012 アレじゃ無理。 人間味のかけらもありはしない。 135 00:11:19,012 --> 00:11:22,849 だからこそ ボクが頑張らないと。 136 00:11:22,849 --> 00:11:26,853 魔導書が完成すれば みんなもっと強くなれるし➨ 137 00:11:26,853 --> 00:11:29,689 人の世界も良くなるはずなんだ。 138 00:11:29,689 --> 00:11:33,026 《ヴォド:この男は危険すぎる。 139 00:11:33,026 --> 00:11:36,129 今ここで無力化せねば》 140 00:11:38,197 --> 00:11:41,367 アレ なんでここまで 話してしまったんだろう? 141 00:11:41,367 --> 00:11:44,203 誰にも話さなかったのに。 142 00:11:44,203 --> 00:11:48,875 う~ん… 相手が君だからかな。 143 00:11:48,875 --> 00:11:52,579 フフッ 君には何でも話せる気がする。 144 00:11:54,547 --> 00:11:59,052 なんというか 歯車が上手く噛み合った感じだ。 145 00:11:59,052 --> 00:12:01,487 ねぇ ヴォド。 ボクと来ない? 146 00:12:01,487 --> 00:12:06,326 聞き手がいる方が創作も捗る。 ダメかな? 147 00:12:06,326 --> 00:12:08,328 いいだろう。 148 00:12:08,328 --> 00:12:10,330 やった。 149 00:12:10,330 --> 00:12:14,334 《ヴォド:この男からは 更なるトアの情報を引き出せる。 150 00:12:14,334 --> 00:12:18,638 処理するのは その後でも遅くない》 151 00:12:26,012 --> 00:12:31,017 ガルルル~。 うわ! うわっ うわぁ~! 152 00:12:31,017 --> 00:12:35,622 (ライト)タイトルは 『勇者伝承』だ。 シンプルでいいだろ? 153 00:12:40,526 --> 00:12:42,528 はむっ。 154 00:12:45,531 --> 00:12:50,370 (ライト)最近 ますます勇者たちは 仲間同士で殺し合ったり➨ 155 00:12:50,370 --> 00:12:53,206 下層民の女性を襲ったりしてる。 156 00:12:53,206 --> 00:12:55,875 トア人たちは見て見ぬふりだ。 157 00:12:55,875 --> 00:12:58,711 そもそも罪の意識がないんだろう。 158 00:12:58,711 --> 00:13:03,483 戦いに勝ったって 世界は悪くしかならないよ。 159 00:13:03,483 --> 00:13:07,487 このまま本を書いていて いいんだろうか。 160 00:13:07,487 --> 00:13:11,658 いや この体はトアが用意した物だ。 161 00:13:11,658 --> 00:13:15,995 こんな事は口に出しちゃダメなんだ。 162 00:13:15,995 --> 00:13:20,166 意向に反すれば 退場させられるかもしれない。 163 00:13:20,166 --> 00:13:23,569 本は完成間近だけど…。 164 00:13:26,506 --> 00:13:29,342 ねえ ヴォド。 なんだ。 165 00:13:29,342 --> 00:13:31,344 行動を共にして一年。 166 00:13:31,344 --> 00:13:34,681 君にだけは信じてほしいんだ。 ボクの事を。 167 00:13:34,681 --> 00:13:38,184 いいかな。 168 00:13:38,184 --> 00:13:40,687 ああ。 169 00:13:40,687 --> 00:13:45,024 良かった。 それさえ聞ければ もう迷いはないよ。 170 00:13:45,024 --> 00:13:47,527 書き上げられる。 171 00:13:47,527 --> 00:13:51,030 世界を良くするための本を。 172 00:13:51,030 --> 00:13:54,367 《ヴォド:ライトはトアを敵視している。 173 00:13:54,367 --> 00:13:58,871 逆に魔獣に対しては 敵意を向けなかった。 174 00:13:58,871 --> 00:14:03,976 せめて本が完成するまでは 待つとしよう》⸩ 175 00:14:03,976 --> 00:14:07,146 (ヴォド)しかし それから4年。 176 00:14:07,146 --> 00:14:10,850 ライトが姿を見せることは無かった。 177 00:14:13,486 --> 00:14:17,490 ⸨ここのところ 領域が押されはじめている…。 178 00:14:17,490 --> 00:14:20,493 赤い刃…。 179 00:14:20,493 --> 00:14:26,833 《まさか… 『勇者伝承』が 機能し始めているのか!? 180 00:14:26,833 --> 00:14:31,003 やはりあの時 見逃すべきではなかったか》 181 00:14:31,003 --> 00:14:33,106 ライト。 182 00:14:41,514 --> 00:14:43,516 やあヴォド。 183 00:14:43,516 --> 00:14:46,185 わかるのか。 184 00:14:46,185 --> 00:14:50,857 (ライト)一年一緒に旅したんだ。 君のことは気配で分かるよ。 185 00:14:50,857 --> 00:14:54,527 なんとなく 人間じゃないような気はしてた。 186 00:14:54,527 --> 00:14:59,966 (ヴォーデイン)『勇者伝承』。 それは トアにより歪められた世界を➨ 187 00:14:59,966 --> 00:15:03,302 正すためのものではなかったのか。 188 00:15:03,302 --> 00:15:08,641 (ライト)違うよ。 あれは魔獣王を倒し 世界を広げるための物語だ。 189 00:15:08,641 --> 00:15:14,147 きっと勇者は君を倒せるほどに 強くなるだろう。 190 00:15:14,147 --> 00:15:16,482 ライト。 191 00:15:16,482 --> 00:15:20,486 悔しいかい ヴォド。 だったら来るといい。 192 00:15:20,486 --> 00:15:25,324 謁見の間で君を待つ。 ボクがデザインした場所だ。 193 00:15:25,324 --> 00:15:29,328 そこまで立ちはだかる勇者を 倒せればだけど。 194 00:15:29,328 --> 00:15:31,497 転送。 195 00:15:31,497 --> 00:15:33,499 クッ…。 196 00:15:33,499 --> 00:15:36,669 全眷属 集結。 197 00:15:36,669 --> 00:15:42,842 これより退路を無視し 領域を押し広げ進軍する。 198 00:15:42,842 --> 00:15:47,513 トアの民と勇者を殲滅せよ。 199 00:15:47,513 --> 00:15:51,684 《ヴォーデイン:侵攻25日目。 200 00:15:51,684 --> 00:15:55,521 ここまで進むのに 多くの犠牲を出した。 201 00:15:55,521 --> 00:15:59,358 ラスウェルとクレバテスも討たれたようだ。 202 00:15:59,358 --> 00:16:02,462 だが我ら北方の魔獣は➨ 203 00:16:02,462 --> 00:16:06,799 勇者どもを撥ね退け 辿り着くことができた。 204 00:16:06,799 --> 00:16:10,002 トアの中心地に》 205 00:16:11,971 --> 00:16:15,274 結界の気配が全くない。 206 00:16:17,977 --> 00:16:24,283 天上層… ここがトアの心臓のはずだが…。 207 00:16:31,824 --> 00:16:34,026 ライト…。 208 00:16:41,000 --> 00:16:45,671 ああゴメン。 ここは人の姿でしか 入れない設定にしてあるんだ。 209 00:16:45,671 --> 00:16:48,875 君とは 同じ目線で話したかったから。 210 00:16:55,014 --> 00:16:57,183 懐かしい顔だ。 211 00:16:57,183 --> 00:17:00,953 やっぱり そっちの方が話しやすいよ。 212 00:17:00,953 --> 00:17:04,457 ライト この地で何があった? 213 00:17:04,457 --> 00:17:07,126 ああ… これかい? 214 00:17:07,126 --> 00:17:10,963 ボクが皆殺しにした。 215 00:17:10,963 --> 00:17:13,299 アレ? 喜ばないの? 216 00:17:13,299 --> 00:17:15,301 君たちの悲願だろ? 217 00:17:15,301 --> 00:17:20,640 皆殺しにするつもりなら なぜ最初からそう言わなかった。 218 00:17:20,640 --> 00:17:24,977 ボクの元いた世界には こんな言葉がある。 219 00:17:24,977 --> 00:17:28,314 「敵を欺くにはまず味方から」。 220 00:17:28,314 --> 00:17:31,984 ボクの書いた5節からなる 『勇者伝承』は➨ 221 00:17:31,984 --> 00:17:36,322 実際に勇者を 極限まで強化する内容だった。 222 00:17:36,322 --> 00:17:42,495 それでボクは1節ごとに1箇所 聖地を作る権限を得たんだ。 223 00:17:42,495 --> 00:17:48,334 ここ 「謁見の間」は第4節の聖地 「トアの水源」の真上➨ 224 00:17:48,334 --> 00:17:52,672 トアの天上人と会話し レベルアップが出来るようにしたんだ。 225 00:17:52,672 --> 00:17:56,509 その方がモチベーションも上がると 説得してね。 226 00:17:56,509 --> 00:17:59,679 彼らはまんまと騙されてくれたよ。 227 00:17:59,679 --> 00:18:02,114 雲海に囲まれていて➨ 228 00:18:02,114 --> 00:18:04,283 聖地のゲートをくぐってしか 来られないから➨ 229 00:18:04,283 --> 00:18:06,452 油断していたんだろうね。 230 00:18:06,452 --> 00:18:09,789 ボクは雲を晴らし 結界を解いた。 231 00:18:09,789 --> 00:18:14,460 勇者たちの前に 無防備なトアの民を晒したんだ。 232 00:18:14,460 --> 00:18:18,130 トアの人々には心がないから 知らなかったんだろう。 233 00:18:18,130 --> 00:18:22,635 勝手にこの世界に連れてこられ 何度も死を味わう。 234 00:18:22,635 --> 00:18:25,304 勇者たちの怒りの根深さを。 235 00:18:25,304 --> 00:18:27,974 まさに地獄絵図だったよ。 236 00:18:27,974 --> 00:18:31,811 勇者たちは トアの民を一人残らず殺した後➨ 237 00:18:31,811 --> 00:18:34,647 その場に立ち尽くしていた。 238 00:18:34,647 --> 00:18:39,986 血にまみれた顔で天を仰ぎ どこを見る訳でもなく…。 239 00:18:39,986 --> 00:18:44,991 あの顔は忘れられない。 そして言ったんだ。 240 00:18:44,991 --> 00:18:49,662 「死なせてくれ」… ってね。 241 00:18:49,662 --> 00:18:54,500 それは死んでも 蘇りたくないという意味だ。 242 00:18:54,500 --> 00:18:57,169 だから叶えてあげたよ。 243 00:18:57,169 --> 00:19:04,276 ボクは 勇者復活のシステムと 一体化していた 『神殿の書』を➨ 244 00:19:04,276 --> 00:19:09,782 彼らの見ている前で 自分の心臓ごと貫いた。 245 00:19:09,782 --> 00:19:14,453 みんな ボクに倣って自害したよ。 246 00:19:14,453 --> 00:19:18,124 これを引き抜けばボクも死ぬ…。 247 00:19:18,124 --> 00:19:20,126 ライト。 248 00:19:20,126 --> 00:19:23,629 最後に君に会いたくて 抜かずにいたんだ…。 249 00:19:23,629 --> 00:19:27,033 ボクの言葉を聞いてほしくて…。 250 00:19:31,971 --> 00:19:36,142 でも これは終わりじゃないよ ヴォド…。 251 00:19:36,142 --> 00:19:40,479 物語はここから始まるんだ。 252 00:19:40,479 --> 00:19:44,150 ボクらでは成し遂げることの できなかった…。 253 00:19:44,150 --> 00:19:49,321 不滅のトアを 倒すための物語は…。 254 00:19:49,321 --> 00:19:52,158 おまえが滅ぼしたのではないのか。 255 00:19:52,158 --> 00:19:54,160 これは序章…。 256 00:19:54,160 --> 00:19:57,329 ボクは種をまいた…。 257 00:19:57,329 --> 00:20:00,332 それが実るのは…。 258 00:20:06,005 --> 00:20:08,674 死なせはせんぞ ライト。 259 00:20:08,674 --> 00:20:11,677 我が炎で止血を。 260 00:20:11,677 --> 00:20:13,679 ムウ…。 261 00:20:21,520 --> 00:20:25,691 このままでは 下の眷属たちも危ない。 262 00:20:25,691 --> 00:20:28,694 行かねば。 263 00:20:28,694 --> 00:20:32,698 あの門の中は揺れていない…⸩ 264 00:20:39,038 --> 00:20:44,543 これが千と百数十年前の真実。 265 00:20:44,543 --> 00:20:46,545 ぬぅう~ん! 266 00:21:05,164 --> 00:21:07,166 ぬううん! 267 00:21:11,337 --> 00:21:14,173 (ラスウェル)ひゃー スゲー火力。 268 00:21:14,173 --> 00:21:19,845 ザフティエは 最終進化した勇者は その上を行くって言ってたよな。 269 00:21:19,845 --> 00:21:23,149 アレより上ってどんな力だよ。 270 00:21:33,025 --> 00:21:37,029 (ヴォド)ライトはトアを不滅と言った。 271 00:21:37,029 --> 00:21:42,535 事実トアの民が死に絶えて 海の底に沈んでも➨ 272 00:21:42,535 --> 00:21:45,037 領域が消え去ることはなかった。 273 00:21:45,037 --> 00:21:48,374 あっ。 ヤツらは姑息にも➨ 274 00:21:48,374 --> 00:21:52,378 海底のさらに地下へと 身を隠したのだ。 275 00:21:52,378 --> 00:21:55,047 あああ。 トアとは何か! 276 00:21:55,047 --> 00:21:57,550 どう倒すというのか! 277 00:21:57,550 --> 00:21:59,985 (クレン)くだ… らん。 278 00:21:59,985 --> 00:22:03,822 実に… くだらん。 279 00:22:03,822 --> 00:22:09,328 今まさにライトが 目覚めようとしているこの時に! 280 00:22:09,328 --> 00:22:14,333 クレバテス おまえは この場にいるべきでは ない! 281 00:22:14,333 --> 00:22:19,038 かっ… あ… あ…。