1 00:00:05,505 --> 00:00:08,508 (アリシア)えいっ やっ! 2 00:00:08,508 --> 00:00:10,611 えいっ! 3 00:00:12,679 --> 00:00:14,681 それ! 4 00:00:14,681 --> 00:00:17,351 (マルゴ)帰るよ アリシア。 5 00:00:17,351 --> 00:00:21,188 あっ… うん! お父さん! 6 00:00:21,188 --> 00:00:25,526 うわぁ~ フフフッ! 7 00:00:25,526 --> 00:00:28,028 ああっ フフフフ! 8 00:00:41,208 --> 00:00:44,544 ん~ ん~? 9 00:00:44,544 --> 00:00:46,547 ねぇ お父さん。 10 00:00:46,547 --> 00:00:51,051 この地図って なんで えどせあの周りは 真っ黒なの? 11 00:00:51,051 --> 00:00:54,388 アリシアも それが 気になるようになったんだね。 12 00:00:54,388 --> 00:00:57,391 ねぇねぇ なんで? 13 00:00:57,391 --> 00:00:59,559 わからないんだ。 14 00:00:59,559 --> 00:01:02,162 え? なんで? 15 00:01:02,162 --> 00:01:07,167 (マルゴ)世界は エドセア大陸の 向こうにも きっとある。 16 00:01:07,167 --> 00:01:12,005 けど この黒い部分には 恐ろしい魔獣たちが棲んでいてね。 17 00:01:12,005 --> 00:01:14,341 まじゅう…。 18 00:01:14,341 --> 00:01:18,679 (マルゴ)中でも大陸の東西南北を守る 四大魔獣王は➨ 19 00:01:18,679 --> 00:01:23,016 これまで送り出した 探検隊 調査隊を全滅させている。 20 00:01:23,016 --> 00:01:26,520 ぜんめつ? みんな死んじゃったの? 21 00:01:26,520 --> 00:01:28,522 四大魔獣王たちは➨ 22 00:01:28,522 --> 00:01:31,858 人が エドセアの果ての 更に果てに行くことを➨ 23 00:01:31,858 --> 00:01:34,361 ずっと邪魔してきたんだ。 24 00:01:34,361 --> 00:01:39,366 世界は もっともっと 大きいはずなのにね。 25 00:01:39,366 --> 00:01:42,536 ふ~ん じゃあ アリシアたち➨ 26 00:01:42,536 --> 00:01:46,373 えどせあの中で ずっと暮らさなきゃいけないんだ。 27 00:01:46,373 --> 00:01:48,875 そうかもしれない。 28 00:01:48,875 --> 00:01:52,379 けど もし 伝説のとおりになれば…。 29 00:01:52,379 --> 00:01:54,548 伝説? そう。 30 00:01:54,548 --> 00:01:57,050 エドセアの古い伝説。 31 00:01:57,050 --> 00:02:00,153 勇者の中の勇者。 32 00:02:00,153 --> 00:02:05,158 ハイデンの王より賜りし武器で 四体の魔獣王を倒す。 33 00:02:05,158 --> 00:02:10,497 人々は 世界の本当の大きさを知る。 34 00:02:10,497 --> 00:02:12,499 だいたい そんな感じだ。 35 00:02:12,499 --> 00:02:14,835 魔獣王って強いの? 36 00:02:14,835 --> 00:02:16,837 そりゃ 強いさ。 37 00:02:16,837 --> 00:02:19,506 噂じゃ 天地を引き裂くって話だ。 38 00:02:19,506 --> 00:02:22,676 そんなの絶対勝てない。 だからさ。 39 00:02:22,676 --> 00:02:27,681 ハイデンの王から特別な武器を 賜る必要があるんだよ。 40 00:02:27,681 --> 00:02:31,018 勇者のみに与えられるという その武器は➨ 41 00:02:31,018 --> 00:02:34,354 持ち手の能力を 何倍にも高めてくれるという。 42 00:02:34,354 --> 00:02:41,028 アリシア その武器欲しい! 勇者と認められなければ無理だよ。 43 00:02:41,028 --> 00:02:45,198 そして それは難しい。 44 00:02:45,198 --> 00:02:47,868 私なる! 勇者に! 45 00:02:47,868 --> 00:02:53,073 勇者になって 世界をもっと も~っと大きくする! 46 00:02:53,073 --> 00:02:55,342 ヒヒヒヒ! 47 00:03:22,502 --> 00:03:25,839 《アリシア:いよいよだ 父さん。 48 00:03:25,839 --> 00:03:29,843 私の夢に 答えを出す時が来た》 49 00:03:36,016 --> 00:03:40,020 (カッツ)それにしても 至宝が これだけそろうと➨ 50 00:03:40,020 --> 00:03:42,522 さすがに壮観だな。 51 00:03:42,522 --> 00:03:48,528 (ホルガス)うむ 勇者の称号を 得た者に託される伝説の武器…。 52 00:03:48,528 --> 00:03:52,032 (ミルロ)気をつけろ 我らの武器は至宝だぞ。 53 00:03:52,032 --> 00:03:55,869 こんな馬車 簡単に壊れてしまう。 54 00:03:55,869 --> 00:03:58,705 帰りの足が なくなるのは困るな。 55 00:03:58,705 --> 00:04:01,842 (笑い声) 56 00:04:01,842 --> 00:04:04,845 皆 国はバラバラの寄せ集めか。 57 00:04:04,845 --> 00:04:07,848 ドーン人に ハイデン。 58 00:04:07,848 --> 00:04:11,351 ボーレートはいないが… 君は? 59 00:04:11,351 --> 00:04:15,522 いろいろ混ざっていてな。 俺にもよくわからん。 60 00:04:15,522 --> 00:04:17,524 複雑なようだな。 61 00:04:17,524 --> 00:04:21,027 それにしても 女性の勇者とはな。 62 00:04:21,027 --> 00:04:23,530 (ホルガス)出身は どこなのだ? 63 00:04:23,530 --> 00:04:25,532 (ミルロ)名前も まだ聞いてなかったな。 64 00:04:25,532 --> 00:04:28,702 (ステファン)みんな ここはもう魔獣の領域だ。 65 00:04:28,702 --> 00:04:32,372 いつ襲われても おかしくないぞ。 66 00:04:32,372 --> 00:04:35,375 なぜ あいつが リーダー気取りなのだ? 67 00:04:35,375 --> 00:04:40,881 仕方ない。 彼が今回選ばれた中で 一番の実力者だ。 68 00:04:40,881 --> 00:04:42,849 (ホルガス)フン! 69 00:04:46,887 --> 00:04:48,855 (馬の嘶き) 70 00:04:55,228 --> 00:04:58,565 す すみません 勇者様方。 71 00:04:58,565 --> 00:05:02,302 道が険しく これ以上 馬車では…。 72 00:05:02,302 --> 00:05:05,972 ああ ありがとう。 みんな ここからは徒歩で…。 73 00:05:05,972 --> 00:05:08,808 (叫び声) 74 00:05:08,808 --> 00:05:11,645 ひぃ~! 魔獣だ! 魔獣が出た…。 75 00:05:11,645 --> 00:05:13,647 (うめき声) 76 00:05:17,984 --> 00:05:20,654 ここから先は 魔獣だらけだ。 77 00:05:20,654 --> 00:05:24,157 弓で活路を開き 槍兵が先陣を切って突撃する! 78 00:05:24,157 --> 00:05:26,159 (魔獣の鳴き声) 79 00:05:26,159 --> 00:05:29,563 討ちもらした魔獣は 私と彼女が引き受ける! 80 00:05:32,332 --> 00:05:35,001 (ステファン)誰ひとり欠けることなく 山頂を目指すぞ! 81 00:05:35,001 --> 00:05:37,003 (2人)おう! 82 00:05:37,003 --> 00:05:39,172 (咆哮) 83 00:05:39,172 --> 00:05:56,523 ♬~ 84 00:05:56,523 --> 00:06:02,329 (クレバテス)世界が 混沌より 生まれたというのであれば➨ 85 00:06:02,329 --> 00:06:06,299 我も そうなのであろう。 86 00:06:10,837 --> 00:06:13,340 (うめき声) 87 00:06:13,340 --> 00:06:15,842 うりゃ! えい! 88 00:06:15,842 --> 00:06:19,512 (咆哮) 89 00:06:19,512 --> 00:06:24,084 ぬぁ~ ぬお~っ! 90 00:06:28,021 --> 00:06:31,091 (咆哮) 91 00:06:34,861 --> 00:06:37,697 くっ! うぅ…。 92 00:06:37,697 --> 00:06:41,067 うぅ~ あぁ~! 93 00:06:51,211 --> 00:06:54,714 (うなり声) 94 00:06:54,714 --> 00:06:58,585 うお~ 斬撃波! 95 00:07:28,348 --> 00:07:34,020 ハァ… ハァ… ここが魔獣王の根城か。 96 00:07:46,366 --> 00:07:51,871 あと少しだ… あと少しで俺たちは 伝説をひとつ成し遂げた➨ 97 00:07:51,871 --> 00:07:54,541 最初の勇者になる…。 98 00:07:54,541 --> 00:07:57,711 あっ… 来るぞ! (地響き) 99 00:07:57,711 --> 00:08:00,880 (アリシア)この 月の山の主が! 100 00:08:20,300 --> 00:08:22,302 (一同)あっ! 101 00:08:22,302 --> 00:08:27,507 (カッツ)あれが… 四大魔獣王…。 102 00:08:30,643 --> 00:08:38,485 エドセアの南の果てを統べる 月光のクレバテス! 103 00:08:38,485 --> 00:08:40,820 (うなり声) 104 00:08:40,820 --> 00:08:42,989 (ムド)なんて圧だ…。 105 00:08:42,989 --> 00:08:46,993 (カッツ)ああ… これまでの魔獣とは ケタが違う。 106 00:08:46,993 --> 00:08:53,333 だが! 我々も ハイデン王に選ばれし 13人の勇者! 107 00:08:53,333 --> 00:08:55,335 この紅き至高の鋼と➨ 108 00:08:55,335 --> 00:09:00,039 その誇りに誓って やつを必ず倒す! 109 00:09:01,975 --> 00:09:10,750 行くぞ! (一同)うお~! 110 00:09:18,324 --> 00:09:21,161 あ… ああ あ…。 (カッツ)ステファン! 111 00:09:21,161 --> 00:09:23,129 あ… あ…。 112 00:09:26,332 --> 00:09:28,334 おのれ! あっ… 待て! 113 00:09:28,334 --> 00:09:30,837 みな 俺に続け! 114 00:09:30,837 --> 00:09:33,173 粉砕波! 115 00:09:33,173 --> 00:09:37,343 あっ! あの尾は まずい! いったん距離を… ぐわっ! 116 00:09:37,343 --> 00:09:40,180 バカな… まだ届く距離じゃ…。 117 00:09:40,180 --> 00:09:42,182 ぐえっ! 影だ! 118 00:09:42,182 --> 00:09:44,684 その攻撃は 影から来る! 影から!? 119 00:09:44,684 --> 00:09:47,020 ぐわっ! みんな 影から離れろ! 120 00:09:47,020 --> 00:09:49,522 離れろって…。 跳ぶんだ! 121 00:09:49,522 --> 00:09:52,192 跳べば 影は体から離れる! 122 00:09:52,192 --> 00:09:54,861 あっ… 空中疾走! 123 00:10:00,700 --> 00:10:04,370 《ふむ… 賢い》 124 00:10:04,370 --> 00:10:06,372 ぐっ! ぐえっ! 125 00:10:06,372 --> 00:10:10,376 《これが人間… いや 人属か…》 126 00:10:10,376 --> 00:10:15,648 うお~ 土石竜! 127 00:10:18,551 --> 00:10:22,555 うっ… この私の力をもってしても 制御できん! 128 00:10:22,555 --> 00:10:24,824 これが しほ… ぐわっ! 129 00:10:28,228 --> 00:10:30,897 一点突破! 130 00:10:33,900 --> 00:10:39,906 《こんな間近で見るのも久しい。 おおよそ千年ぶりか…》 131 00:10:39,906 --> 00:10:43,576 うお~! 132 00:10:43,576 --> 00:10:46,145 うっ! 133 00:10:52,418 --> 00:10:56,756 《虫と同列の 脆弱な生き物のはずだが➨ 134 00:10:56,756 --> 00:11:00,159 なぜ こんなところまで 来られた?》 135 00:11:00,159 --> 00:11:02,829 ぐわっ! 136 00:11:02,829 --> 00:11:11,504 《千年で何があった? そもそも目的は何だ?》 137 00:11:11,504 --> 00:11:14,107 いやぁ~! 138 00:11:18,011 --> 00:11:22,515 《こののちも我が地を 脅かすというのであれば➨ 139 00:11:22,515 --> 00:11:26,519 一度 確かめてみねばなるまい》 140 00:11:26,519 --> 00:11:29,622 あっ! ぐはっ…。 141 00:11:38,364 --> 00:11:43,703 《アリシア:父さん ごめん… ダメだったよ…。 142 00:11:43,703 --> 00:11:49,108 私の夢に 答えは出なかった…》 143 00:12:14,200 --> 00:12:17,070 (鉄を打つ音) 144 00:12:30,049 --> 00:12:33,553 はぁ~ んっ ん~。 145 00:12:33,553 --> 00:12:35,521 あぁ? 146 00:12:38,391 --> 00:12:41,661 うん? あぁ? 147 00:12:44,063 --> 00:12:46,032 どうした? 148 00:12:54,907 --> 00:12:56,909 (悲鳴) 149 00:12:56,909 --> 00:12:59,979 黒いオオカミ!? 魔獣だ! 魔獣が出た! 150 00:12:59,979 --> 00:13:05,318 (悲鳴) 151 00:13:05,318 --> 00:13:10,323 我が地に攻め入ってきた 勇者と名乗る者たちは➨ 152 00:13:10,323 --> 00:13:13,660 ハイデン王に選ばれたと言っていた。 153 00:13:13,660 --> 00:13:18,164 つまり ここの王が首謀者。 154 00:13:18,164 --> 00:13:22,001 すべきことは わかっている。 155 00:13:22,001 --> 00:13:25,004 近衛弓兵中隊 前へ! 156 00:13:25,004 --> 00:13:27,507 《こちらが そうされたように➨ 157 00:13:27,507 --> 00:13:31,811 立ちはだかる者は すべて殺し…》 158 00:13:36,182 --> 00:13:38,518 《王を目指す》 159 00:13:38,518 --> 00:13:40,520 第二射 斉射用意! 160 00:13:49,195 --> 00:13:54,400 (叫び声) 161 00:14:03,342 --> 00:14:06,612 急げ! 王城の守りを固めろ! 162 00:14:11,184 --> 00:14:16,356 目標! 進行中の魔獣 距離2,500メルテ なおも接近中! 163 00:14:16,356 --> 00:14:18,858 カタパルト発射用意 急げ! 164 00:14:18,858 --> 00:14:21,527 カタパルト発射用意 急げ! 165 00:14:23,529 --> 00:14:25,531 狙いよ~し! てぇ~! 166 00:14:25,531 --> 00:14:27,600 発射! 167 00:14:34,707 --> 00:14:36,709 次弾発射 急げ! 168 00:14:36,709 --> 00:14:39,078 絶対王城へ近づけるな! 169 00:14:45,885 --> 00:14:48,054 てぇ~! 170 00:14:50,556 --> 00:14:54,327 《やはり 虫程度の手応えしか感じぬ》 171 00:14:57,063 --> 00:14:59,565 (叫び声) 172 00:14:59,565 --> 00:15:03,469 陛下 陛下! ハァハァハァ…。 173 00:15:03,469 --> 00:15:06,139 (ハイデン王)何事か? 174 00:15:06,139 --> 00:15:08,808 魔獣が 魔獣が城下に現れました! 175 00:15:08,808 --> 00:15:11,477 おそらく…。 よい。 176 00:15:11,477 --> 00:15:14,647 何者かは 察しがつく。 177 00:15:14,647 --> 00:15:17,650 勇者たちが しくじったか。 178 00:15:17,650 --> 00:15:24,824 ハイデンの刃は… マナハイドライトの練度は 我が代では届かなかった。 179 00:15:24,824 --> 00:15:28,828 (地響き) 180 00:15:28,828 --> 00:15:32,165 魔獣め 王城に とりついたな。 181 00:15:32,165 --> 00:15:34,834 お逃げを 国王様! あれは止められません! 182 00:15:34,834 --> 00:15:38,004 止められぬのなら逃げても無駄。 183 00:15:38,004 --> 00:15:40,840 炉を閉じる。 184 00:15:40,840 --> 00:15:46,345 ハイデンの火は 絶やしてはならぬ。 185 00:15:46,345 --> 00:15:52,185 東門扉 1番から6番 開け! 東門扉 1番から6番 開け! 186 00:15:52,185 --> 00:15:57,190 連弩砲 1番から6番 出せ~! 連弩砲 1番から6番 出せ~! 187 00:15:57,190 --> 00:16:01,828 第2連弩砲中隊 配置につけ~! 第2連弩砲中隊 配置につけ~! 188 00:16:01,828 --> 00:16:04,831 連弩砲 1番から6番 配置よし! 189 00:16:04,831 --> 00:16:07,834 連弩砲 8番から10番 左90度 回頭! 190 00:16:07,834 --> 00:16:10,503 狙いは 王城にとりつく魔獣! 191 00:16:10,503 --> 00:16:12,505 照準 急げ~! 192 00:16:12,505 --> 00:16:15,174 それでは王城にも被害が! 王の城を➨ 193 00:16:15,174 --> 00:16:17,176 王の弩級をもって撃つなど! 194 00:16:17,176 --> 00:16:20,046 陛下と王家の炉さえ お守りできればいいんだ! 195 00:16:23,683 --> 00:16:26,686 《勇者は何か違ったのか?》 196 00:16:26,686 --> 00:16:28,855 てぇ~! 197 00:16:32,024 --> 00:16:34,527 《やはり武器か。 198 00:16:34,527 --> 00:16:39,198 あの赤い刃は 我が角をも傷つけた。 199 00:16:39,198 --> 00:16:43,536 虫程度の力でも身につけるもので 脅威になりうる》 200 00:16:43,536 --> 00:16:45,538 第二斉射! 第二斉射! 201 00:16:45,538 --> 00:16:47,540 てぇ~! 202 00:16:47,540 --> 00:16:49,542 (叫び声) 203 00:16:49,542 --> 00:16:56,048 《それが人属の特質ならば 今 見極めねばなるまい。 204 00:16:56,048 --> 00:16:58,818 更なる力を身につける前に》 205 00:17:19,005 --> 00:17:21,674 んっ…。 206 00:17:21,674 --> 00:17:24,844 (衝撃音) 207 00:17:27,847 --> 00:17:30,016 ああっ! 208 00:17:41,027 --> 00:17:43,863 うわっ あぁ…。 209 00:17:43,863 --> 00:17:45,831 あっ! 210 00:17:47,867 --> 00:17:50,703 (叫び声) 211 00:17:50,703 --> 00:17:52,705 なっ…。 212 00:17:52,705 --> 00:17:55,207 (クレバテス)見つけたぞ。 あぁ…。 213 00:17:55,207 --> 00:17:58,177 その過剰な装飾…。 214 00:18:00,279 --> 00:18:03,783 キサマが ハイデンの王だな。 215 00:18:03,783 --> 00:18:06,786 魔獣王 クレバテス! 216 00:18:06,786 --> 00:18:11,457 獣の分際で人の言葉を発すか! 217 00:18:11,457 --> 00:18:14,961 言葉には気をつけよ ハイデンの王よ。 218 00:18:14,961 --> 00:18:20,466 キサマの返答次第では 我は 人属すべてを滅ぼす。 219 00:18:20,466 --> 00:18:23,636 人属すべてを? そうだ。 220 00:18:23,636 --> 00:18:35,481 ハイデンのみならず ドーン オーグ スラーダ ベント エドセアのすべての国と民を滅する。 221 00:18:35,481 --> 00:18:40,486 (クレバテス)キサマの命 国ひとつ滅ぼしたところで➨ 222 00:18:40,486 --> 00:18:47,159 本質が同じならば 別の者が また我が地を荒らしに現れるだけ。 223 00:18:47,159 --> 00:18:52,331 故に 我が知りたいのは キサマら人属の➨ 224 00:18:52,331 --> 00:18:56,669 体を飾りたて 歩く者たちの本質。 225 00:18:56,669 --> 00:19:01,807 キサマらは どういう生き物なのか答えよ。 226 00:19:01,807 --> 00:19:05,478 なぜ我が死を望んだ? 227 00:19:05,478 --> 00:19:08,748 獣には理解できまい。 228 00:19:14,153 --> 00:19:16,622 よくわかった。 229 00:19:39,011 --> 00:19:41,847 《まずは軍団を作る。 230 00:19:41,847 --> 00:19:46,185 人属を滅ぼすための軍団を》 231 00:19:46,185 --> 00:19:49,021 (泣き声) 232 00:19:49,021 --> 00:19:51,023 ん? 233 00:19:51,023 --> 00:19:59,365 (泣き声) 234 00:19:59,365 --> 00:20:02,201 《クレバテス:ハイデン人の赤子か》 235 00:20:02,201 --> 00:20:06,038 待って…。 (泣き声) 236 00:20:06,038 --> 00:20:17,383 この子を… 助けて… 助けて… ください…。 237 00:20:17,383 --> 00:20:21,220 《こやつ 目が見えておらぬのか?》 238 00:20:21,220 --> 00:20:24,390 我は クレバテス。 239 00:20:24,390 --> 00:20:27,226 人属すべてを殺すと決めた。 240 00:20:27,226 --> 00:20:34,066 恨むなら 人属として このハイデンに 生まれたことを恨むがいい。 241 00:20:34,066 --> 00:20:39,738 待って… 子供は➨ 242 00:20:39,738 --> 00:20:42,608 生まれる時と場所を選べない…。 243 00:20:46,579 --> 00:20:52,418 大人が あなたに どれだけ ひどいことをしたからって➨ 244 00:20:52,418 --> 00:21:00,159 ケホッ… それが この子の死ぬ理由に なるだなんて あんまりだ。 245 00:21:00,159 --> 00:21:03,496 まだ立てもしないのに…。 246 00:21:03,496 --> 00:21:09,502 我からすれば人属は人属。 大人も子供も変わりはせぬ。 247 00:21:12,338 --> 00:21:17,843 (クレバテス)成長すれば剣を取る。 我ら魔獣族に牙をむく。 248 00:21:17,843 --> 00:21:22,848 今の領分に満足せず 他の地を侵略し始める。 249 00:21:22,848 --> 00:21:27,520 何よりも危険で厄介な存在。 250 00:21:27,520 --> 00:21:30,856 故に我は滅ぼす。 251 00:21:30,856 --> 00:21:36,362 それでも なお そやつに 生かす価値があるというのなら➨ 252 00:21:36,362 --> 00:21:41,367 今 それを証明してみせよ。 253 00:21:41,367 --> 00:21:51,210 無理だ… だって ボクは… もう 死ぬ… もの…。 254 00:21:51,210 --> 00:22:02,188 でも それは きっと… この子が 証明する… から…➨ 255 00:22:02,188 --> 00:22:05,057 だか… ら…。 256 00:22:07,359 --> 00:22:11,197 (泣き声) 257 00:22:11,197 --> 00:22:20,206 (泣き声) 258 00:22:20,206 --> 00:22:25,177 (泣き声) 259 00:22:25,177 --> 00:22:28,848 《なんの説得力もないが。 260 00:22:28,848 --> 00:22:33,152 人の成長など我から見れば一瞬》 261 00:22:36,021 --> 00:22:39,625 《ならば 証明してみせよ》 262 00:23:07,152 --> 00:23:13,692 < その大地 エドセアには 5つの種族 人属がいた。 263 00:23:13,692 --> 00:23:16,028 1つ目の種族は ドーン。 264 00:23:16,028 --> 00:23:23,035 最も数が多く 建築と兵法に長け 大地の中央 ドーン平原を二分する➨ 265 00:23:23,035 --> 00:23:27,506 2大国家 エスリンとボーレートを築きあげた> 266 00:23:31,043 --> 00:23:34,046 <2つ目の種族は オーグ。 267 00:23:34,046 --> 00:23:38,117 勇敢な森の民で 狩りと薬学に長けていた> 268 00:23:41,720 --> 00:23:44,223 <3つ目の種族は スラーダ。 269 00:23:44,223 --> 00:23:49,595 水の民で 操船と泳ぎに長け 他種族との交流を嫌う> 270 00:23:53,399 --> 00:23:56,068 <4つ目の種族は ベント。 271 00:23:56,068 --> 00:23:58,070 荒野に住む野蛮な種族で➨ 272 00:23:58,070 --> 00:24:02,641 個の力に絶対の自信を持つが まとまりには欠けた> 273 00:24:06,645 --> 00:24:09,815 < そして 5つ目の種族が ハイデン。 274 00:24:09,815 --> 00:24:16,655 最も古い種族で謎が多く 精錬術と加工技術に長けていた。 275 00:24:16,655 --> 00:24:20,659 ハイデンは山深く 小さな国だったが➨ 276 00:24:20,659 --> 00:24:24,163 魔素を含む 魔鉱石から武器を作れるのは➨ 277 00:24:24,163 --> 00:24:27,499 彼らだけで その製法を知るのは➨ 278 00:24:27,499 --> 00:24:33,172 首都 ハイドラートに住む 王家の人間だけだった。 279 00:24:33,172 --> 00:24:36,675 武器取引による ドーン人との交流は長く➨ 280 00:24:36,675 --> 00:24:41,180 今では 混血のハーフハイデンが多数を占める。 281 00:24:41,180 --> 00:24:45,184 純血のハイデン人は まれだ。 282 00:24:45,184 --> 00:24:50,356 世界は エドセアにとどまらず 更なる広がりを見せていたが➨ 283 00:24:50,356 --> 00:24:55,027 この5種族が その先を知ることはなかった。 284 00:24:55,027 --> 00:25:01,500 なぜなら エドセアの外は 魔獣たちの棲み処であり➨ 285 00:25:01,500 --> 00:25:04,670 4体の魔獣王が それぞれの行く手を➨ 286 00:25:04,670 --> 00:25:07,139 阻んでいたからである> 287 00:25:24,023 --> 00:25:30,362 (うなり声) 288 00:25:30,362 --> 00:25:35,034 うっ… うぅ うぅ…。 289 00:25:35,034 --> 00:25:37,102 うっ うぅ…。 290 00:25:43,375 --> 00:25:45,878 (泣き声) 291 00:25:45,878 --> 00:25:50,215 《やれやれ。 これは簡単に死んでしまうな》 292 00:25:50,215 --> 00:25:52,384 (泣き声) 293 00:25:52,384 --> 00:25:54,553 《どうしたものか》 294 00:25:54,553 --> 00:25:59,124 (泣き声) 295 00:26:03,462 --> 00:26:07,299 《こうやって 体力を回復することはできるが➨ 296 00:26:07,299 --> 00:26:10,302 ただの一時しのぎ。 297 00:26:10,302 --> 00:26:13,972 根本的な問題の解決にはならん。 298 00:26:13,972 --> 00:26:18,477 そもそも なぜ このような薄い皮を巻いている? 299 00:26:18,477 --> 00:26:21,980 あまりに弱い肉体を 守るためであろうが➨ 300 00:26:21,980 --> 00:26:25,984 これでは 糞尿に まみれてしまうではないか。 301 00:26:25,984 --> 00:26:28,320 よいのか? これで》 302 00:26:28,320 --> 00:26:30,656 うっ… うぅ…。 303 00:26:30,656 --> 00:26:36,829 (泣き声) 304 00:26:36,829 --> 00:26:42,668 《よいわけがないな。 おのれ 面倒この上ない》 305 00:26:42,668 --> 00:26:45,070 (泣き声) 306 00:26:47,339 --> 00:26:49,341 うっ… うえっ。 307 00:26:51,677 --> 00:26:53,679 (泣き声) 308 00:26:53,679 --> 00:26:58,183 そやつらは 血肉を食らわず 器用に糞尿をさらう。 309 00:26:58,183 --> 00:27:01,186 じっとしておれば清潔になろう。 310 00:27:05,491 --> 00:27:07,993 うっ うっ う…。 311 00:27:07,993 --> 00:27:10,496 わめくな。 (泣き声) 312 00:27:10,496 --> 00:27:12,831 人属の赤子など➨ 313 00:27:12,831 --> 00:27:16,668 数度寝ているうちに 大人になると思っておったが➨ 314 00:27:16,668 --> 00:27:21,006 まだ最初の夜すら 明けておらんとは…。 315 00:27:21,006 --> 00:27:26,278 《子供は… 生まれる時と場所を選べない…。 316 00:27:29,348 --> 00:27:35,020 それは きっと… この子が 証明するから…》 317 00:27:35,020 --> 00:27:38,690 《なぜ 聞き入れてしまったのか》 318 00:27:38,690 --> 00:27:41,860 (泣き声) 319 00:27:41,860 --> 00:27:48,634 《だが 一度決めたことを 違えるなど魔獣王の名折れ》 320 00:27:52,371 --> 00:27:56,708 必ず うぬの成長を見届ける。 321 00:27:56,708 --> 00:28:00,479 この大地 エドセアに群れる➨ 322 00:28:00,479 --> 00:28:09,254 人属すべての命運を決めるために 今 必要なのは こやつの…。 323 00:28:15,827 --> 00:28:18,664 《父さん! 父さん! 324 00:28:18,664 --> 00:28:20,999 立って 父さん! 325 00:28:20,999 --> 00:28:23,669 アリ… シア…。 326 00:28:23,669 --> 00:28:26,004 父さん! 327 00:28:26,004 --> 00:28:28,073 ぐっ!》 328 00:28:32,511 --> 00:28:38,350 《アリシア:父さん 私は… 魔獣王を倒して➨ 329 00:28:38,350 --> 00:28:41,320 父さんが誇れるような勇者に…》 330 00:28:43,322 --> 00:28:45,324 はっ! 331 00:28:47,326 --> 00:28:50,495 (アリシア)なんだ? ここは どこだ? 332 00:28:50,495 --> 00:28:52,998 私は死んだのか…。 333 00:28:56,335 --> 00:28:58,503 (クレバテス)目覚めたな。 あっ! 334 00:28:58,503 --> 00:29:01,773 クレバテス! うっ… 剣が! 335 00:29:01,773 --> 00:29:06,445 うぬの仲間の骸と武器は すべて谷底へ捨てた。 336 00:29:06,445 --> 00:29:09,948 捨てた!? うぬだけは 利用価値があったから➨ 337 00:29:09,948 --> 00:29:13,619 よみがえらせた。 よみが… え? 338 00:29:13,619 --> 00:29:20,959 今のうぬは 我が与えた 魔血により動く 歩く屍だ。 339 00:29:20,959 --> 00:29:24,296 歩く… 何? 340 00:29:24,296 --> 00:29:27,299 《何を言っているんだ こいつは…。 341 00:29:27,299 --> 00:29:32,971 なぜ人語を話す… 魔血? 私だけが生かされた?》 342 00:29:32,971 --> 00:29:35,474 あっ!? 343 00:29:35,474 --> 00:29:37,643 《なんだ この足。 344 00:29:37,643 --> 00:29:41,146 一度 完全に ちぎれ飛んだような…。 345 00:29:41,146 --> 00:29:43,482 やはり私は死んだのか? 346 00:29:43,482 --> 00:29:47,319 何だ? いったい何が どうなって…》 347 00:29:47,319 --> 00:29:50,822 (クレバテス)早速だが 女 乳を出せ。 348 00:29:50,822 --> 00:29:54,826 なななな なに!? こいつ 今なんと言った!? 349 00:29:54,826 --> 00:29:59,665 月光のクレバテスが 四柱の魔獣王が乳を出せ!? 350 00:29:59,665 --> 00:30:01,667 聞き違いか? 351 00:30:01,667 --> 00:30:07,339 赤子が腹を空かせている。 黙って乳を出せ。 352 00:30:07,339 --> 00:30:12,678 うっ… か 体の自由が利かない…。 353 00:30:12,678 --> 00:30:16,014 手… 手が 勝手に…。 354 00:30:16,014 --> 00:30:18,850 早くしろ。 355 00:30:18,850 --> 00:30:21,186 うぅ…。 (お腹が鳴る音) 356 00:30:21,186 --> 00:30:23,522 くっ ぐっ くっ…。 357 00:30:23,522 --> 00:30:25,524 乳を出せ。 358 00:30:25,524 --> 00:30:28,360 うっ… うぅ…。 359 00:30:28,360 --> 00:30:32,664 (アリシア)うおぉ~! 360 00:30:34,700 --> 00:30:38,203 なぜ出ん? 出てたまるか! 私は処女だ! 361 00:30:38,203 --> 00:30:40,706 生娘だと出んのか? 362 00:30:40,706 --> 00:30:43,542 母乳は 子を産み 母になった者にしか出せん! 363 00:30:43,542 --> 00:30:46,712 知らんのか! 役立たずが。 364 00:30:46,712 --> 00:30:49,047 くっ なんという辱め。 365 00:30:49,047 --> 00:30:53,552 勇者の私が 乳房までさらし ののしられるとは…。 366 00:30:53,552 --> 00:30:56,722 殺せ! いっそ再び殺してしまえ!! 367 00:30:56,722 --> 00:31:02,527 死を望んでも死ねはせぬ。 我が魔血が流れているかぎりな。 368 00:31:02,527 --> 00:31:04,529 くっ… くそっ! 369 00:31:04,529 --> 00:31:07,999 (お腹が鳴る音) 370 00:31:07,999 --> 00:31:10,001 うっ うぅ…。 371 00:31:10,001 --> 00:31:12,671 見ろ 泣いてしまった。 (泣き声) 372 00:31:12,671 --> 00:31:16,341 体力は 我が力で いくらでも回復できるが➨ 373 00:31:16,341 --> 00:31:19,177 空腹ばかりは どうにもできん。 374 00:31:19,177 --> 00:31:21,179 そもそも なぜだ! 375 00:31:21,179 --> 00:31:25,684 なぜキサマが人の… ハイデン人の赤子を 連れている!? 376 00:31:25,684 --> 00:31:29,354 理由など うぬが知る必要はない。 377 00:31:29,354 --> 00:31:34,693 だが こやつには 人のまま 大人になってもらわねばならん。 378 00:31:34,693 --> 00:31:38,864 乳が出せない以上 別の方法で役に立ってもらうぞ。 379 00:31:38,864 --> 00:31:40,866 別の方法? 380 00:31:40,866 --> 00:31:43,702 (クレバテス)我には 人の赤子を育てる知識がない。 381 00:31:43,702 --> 00:31:45,704 それを埋めよ。 382 00:31:45,704 --> 00:31:49,374 わ… 私にだって 赤子を育てた経験はないぞ! 383 00:31:49,374 --> 00:31:51,710 知識だけあればよい。 384 00:31:51,710 --> 00:31:54,546 まずは こやつの腹を満たす方法だ。 385 00:31:54,546 --> 00:31:57,215 どうすればよい。 386 00:31:57,215 --> 00:32:01,319 《くっ… ダメだ こいつの言葉に逆らえない》 387 00:32:01,319 --> 00:32:06,992 は… 母親が いないのであれば 乳母を見つけるしかないだろう。 388 00:32:06,992 --> 00:32:10,162 乳母? (アリシア)代理母のことだ。 389 00:32:10,162 --> 00:32:13,999 乳の出る女が 母親の代わりに それをやる。 390 00:32:13,999 --> 00:32:17,002 知り合いにいなければ 金で雇うことになる。 391 00:32:17,002 --> 00:32:20,172 (クレバテス)金? 金というものがない場合は? 392 00:32:20,172 --> 00:32:23,175 そのときは 物で取り引きする。 393 00:32:23,175 --> 00:32:26,845 そう 例えば… 石だな。 394 00:32:26,845 --> 00:32:30,015 この山には 魔鉱石が豊富にある。 395 00:32:30,015 --> 00:32:34,853 そのひとかけらだけでも 乳母を雇うのには十分すぎる。 396 00:32:34,853 --> 00:32:37,355 ふむ…。 397 00:32:37,355 --> 00:32:42,027 《剣… せめて剣があれば こいつに一撃くらわせて…。 398 00:32:42,027 --> 00:32:44,362 くっ…。 399 00:32:44,362 --> 00:32:48,700 ダメだ。 この怪物に手も足も出ないのは➨ 400 00:32:48,700 --> 00:32:51,036 身をもってわかっている》 401 00:32:51,036 --> 00:32:54,706 (クレバテス)では行くぞ 乳母を雇いに。 402 00:32:54,706 --> 00:32:56,708 おいおい 待て 待て! 403 00:32:56,708 --> 00:32:59,878 ん? お前が人を雇えるわけないだろ! 404 00:32:59,878 --> 00:33:02,848 問題か? 問題大ありだ! 405 00:33:02,848 --> 00:33:05,684 小さな魔獣が出ただけでも 大騒ぎになるのに➨ 406 00:33:05,684 --> 00:33:09,187 その巨体で現れてみろ! 街中パニックになって➨ 407 00:33:09,187 --> 00:33:12,190 乳母を見つけるどころの 話じゃなくなるぞ! 408 00:33:12,190 --> 00:33:14,159 確かに。 409 00:33:14,159 --> 00:33:17,863 その赤子を貸せ! 代わりに私が行く! 410 00:33:17,863 --> 00:33:21,199 《こんなバケモノを 人里に行かせてたまるか!》 411 00:33:21,199 --> 00:33:23,535 私が乳母を見つけて預けてやる! 412 00:33:23,535 --> 00:33:25,537 (くしゃみ) 413 00:33:25,537 --> 00:33:28,707 《どういう事情か知らないが あの赤子も絶対こいつから➨ 414 00:33:28,707 --> 00:33:30,709 引きはがしたほうがいい》 415 00:33:30,709 --> 00:33:32,711 さあ 早く その赤子を! 416 00:33:32,711 --> 00:33:34,679 (クレバテス)ダメだ。 あっ!? 417 00:33:34,679 --> 00:33:37,849 目の届かぬところで 死なれては困る。 418 00:33:37,849 --> 00:33:40,685 (泣き声) 419 00:33:40,685 --> 00:33:45,190 ふむ だが 確かに このままの姿で連れ歩けば➨ 420 00:33:45,190 --> 00:33:48,860 こやつは 人として成長せぬかもしれん。 421 00:33:48,860 --> 00:33:51,363 それでは 推し量れぬ。 422 00:33:51,363 --> 00:33:54,232 よし。 423 00:33:54,232 --> 00:33:56,601 ぐっ くっ…。 424 00:34:05,176 --> 00:34:08,513 これでよかろう。 425 00:34:08,513 --> 00:34:11,182 な… 何だ その姿!? 426 00:34:11,182 --> 00:34:16,855 我は 影を操る。 これは この赤子を連れていた者の姿。 427 00:34:16,855 --> 00:34:19,190 他は隠した。 428 00:34:19,190 --> 00:34:23,161 隠しきれてないぞ! うん? 429 00:34:26,364 --> 00:34:28,700 ふむ。 430 00:34:28,700 --> 00:34:31,536 今度こそ よいな。 431 00:34:31,536 --> 00:34:33,705 さて 次は 名だな。 432 00:34:33,705 --> 00:34:35,874 角は 隠さんのか。 433 00:34:35,874 --> 00:34:41,546 こやつにも 我にも 人の世界を歩くには名がいる。 434 00:34:41,546 --> 00:34:46,518 我は クレン。 うぬは ルナだ。 435 00:34:46,518 --> 00:34:48,520 (ルナ)うっ う…。 436 00:34:48,520 --> 00:34:53,858 (クレン)女勇者 いや しもべよ 名は? 437 00:34:53,858 --> 00:34:57,028 わ… 私は アリシア。 438 00:34:57,028 --> 00:35:01,032 ソーゴ村のアリシアだ。 439 00:35:06,638 --> 00:35:09,341 行くぞ アリシア。 町へ。 440 00:35:14,145 --> 00:35:16,147 はぁ…。 441 00:35:24,656 --> 00:35:27,659 これでよし。 442 00:35:27,659 --> 00:35:29,828 なんて ザマだ。 443 00:35:29,828 --> 00:35:31,830 (クレン)終わったか 下僕。 444 00:35:34,332 --> 00:35:38,336 ルナのクソは 洗い流せたかと聞いている。 445 00:35:38,336 --> 00:35:41,006 い… 今終わったところだ。 446 00:35:41,006 --> 00:35:43,008 (くしゃみ) 447 00:35:43,008 --> 00:35:46,511 あぁ すまん。 今 拭いてやるからな。 448 00:35:48,513 --> 00:35:52,350 うわぁ!? (クレン)もたもたやってるからだ。 449 00:35:52,350 --> 00:35:55,854 《アリシア:こいつ…》 そこ 拭き残してる。 450 00:35:55,854 --> 00:36:00,291 もっと丁寧に。 力を入れすぎだ 赤くなってる。 451 00:36:00,291 --> 00:36:02,293 指の間も ちゃんとやれ。 452 00:36:02,293 --> 00:36:05,130 《私が言葉に逆らえないことを いいことに…》 453 00:36:05,130 --> 00:36:10,001 耳の裏も見ろ。 《中身が アレなくせに いちいち細かい…》 454 00:36:10,001 --> 00:36:12,671 その布は 本当に きれいなのであろうな? 455 00:36:12,671 --> 00:36:15,840 《こいつは 私の継母か?》 ガサツなメスだ。 456 00:36:19,010 --> 00:36:21,312 きゃう~ キャッ キャッ! 457 00:36:21,312 --> 00:36:25,517 (クレン)虫のほうが まだ丁寧だ。 役立たずめ。 458 00:36:25,517 --> 00:36:28,019 くっ…。 それにしても➨ 459 00:36:28,019 --> 00:36:30,855 ここが うぬらの キャンプだという話だったが➨ 460 00:36:30,855 --> 00:36:32,857 ろくなものがないな。 461 00:36:32,857 --> 00:36:34,859 (アリシア)戦闘に必要のないものは➨ 462 00:36:34,859 --> 00:36:37,862 ほとんど 麓の宿に預けてきたんだ。 463 00:36:37,862 --> 00:36:39,864 それでか。 464 00:36:39,864 --> 00:36:42,700 それでも着替えのひとつくらいは あるだろう。 465 00:36:42,700 --> 00:36:47,872 残りの鎧も すべて脱げ。 血に汚れて子育てには不向きだ。 466 00:36:47,872 --> 00:36:52,043 (クレン)それから 川で体を洗え。 467 00:36:52,043 --> 00:36:55,213 どんな魔獣でも 今のうぬよりは清潔だ。 468 00:36:55,213 --> 00:36:59,050 一緒にルナが巻いていた これもな。 469 00:36:59,050 --> 00:37:02,287 私は クソと同列か。 470 00:37:02,287 --> 00:37:05,290 本当に みじめだ。 471 00:37:10,628 --> 00:37:13,298 あっ! 472 00:37:13,298 --> 00:37:17,469 これは… ハイデン王家の紋章!? 473 00:37:17,469 --> 00:37:20,472 まさか! 474 00:37:20,472 --> 00:37:22,974 うきゃっ! あ~。 475 00:37:32,817 --> 00:37:36,821 (ファビオ)なんてことだ。 これを1匹の魔獣がやったのか。 476 00:37:39,657 --> 00:37:44,162 やはり… 魔獣王と戦うなんて 無謀だったんだ。 477 00:37:44,162 --> 00:37:48,500 王は なぜ今になって 伝説に挑もうなんて考えたんだ。 478 00:37:48,500 --> 00:37:54,506 あれは夢物語で 実現は不可能だと 言われていたのに。 479 00:37:54,506 --> 00:37:59,344 王は 何か おかしくなっておられたのか。 480 00:37:59,344 --> 00:38:03,348 くっ… 皇太子妃の不安は正しかった。 481 00:38:05,483 --> 00:38:08,319 計画では 命名の儀の今日➨ 482 00:38:08,319 --> 00:38:12,323 ご子息とともに城から抜け出す 手はずだったのに! 483 00:38:12,323 --> 00:38:16,161 誰でもいい! 生きていたら返事をしろ~! 484 00:38:16,161 --> 00:38:18,630 お~い! 485 00:38:30,675 --> 00:38:36,347 (ドレル)伝説は やはり伝説でしかない… か。 486 00:38:36,347 --> 00:38:40,351 (メイナード)いかがいたしましょう ドレル将軍。 487 00:38:40,351 --> 00:38:44,022 (ドレル)早馬を出せ。 皇帝に報告を。 488 00:38:44,022 --> 00:38:47,525 伝説は落ちた と。 489 00:38:47,525 --> 00:38:51,863 (ドレル)ハイドラート城が落ち 仮に王も死亡となれば➨ 490 00:38:51,863 --> 00:38:55,033 このハイデンは 空白となる。 491 00:38:55,033 --> 00:39:00,471 我らだけでなく エスリンも 黙って見てはいないだろう。 492 00:39:00,471 --> 00:39:07,312 防壁の弱まった南の山々から 魔獣が押し寄せる可能性もある。 493 00:39:07,312 --> 00:39:11,983 何より重要なのは ハイデン王族のみに伝わる➨ 494 00:39:11,983 --> 00:39:15,153 魔鉱石の精錬秘術。 495 00:39:15,153 --> 00:39:19,490 これだけは絶対に 他国より先に奪わねばならぬ。 496 00:39:19,490 --> 00:39:23,328 私は国境に戻り 軍を再編成する。 497 00:39:23,328 --> 00:39:29,500 メイナード キサマは残り 王と その血族の生き残りを捜せ。 498 00:39:29,500 --> 00:39:34,172 見つけ次第 生け捕りにするのだ。 499 00:39:34,172 --> 00:39:38,343 了解しました。 フフ…。 500 00:39:38,343 --> 00:39:40,311 (ドレル)はっ。 501 00:39:43,681 --> 00:39:45,850 (アリシア)どういうことだ!? 502 00:39:45,850 --> 00:39:48,686 何がだ? この紋章は➨ 503 00:39:48,686 --> 00:39:51,022 王家の者だけが身につけられる! 504 00:39:51,022 --> 00:39:55,026 つまり その子は 王の血族の子! 知ってて さらってきたのか? 505 00:39:55,026 --> 00:39:58,029 (クレン)王の血族? (あくび) 506 00:39:58,029 --> 00:40:02,200 知らん。 それに こやつは さらったのではなく託されたのだ。 507 00:40:02,200 --> 00:40:05,703 はぁ!? この姿をした人属の小僧に。 508 00:40:05,703 --> 00:40:08,039 託された!? ウソを言うな! 509 00:40:08,039 --> 00:40:10,875 ウソではない うつけが。 うっ…。 510 00:40:10,875 --> 00:40:15,713 思えば こやつは 壊した城のガレキの下にいた。 511 00:40:15,713 --> 00:40:19,884 そうか うぬは 王の血筋の者か。 512 00:40:19,884 --> 00:40:22,053 城を… えっ? 513 00:40:22,053 --> 00:40:26,224 ハイデンの王を殺すついでに落とした。 いちいち驚くな。 514 00:40:26,224 --> 00:40:28,226 王を殺したのか!? 515 00:40:28,226 --> 00:40:30,228 先に仕掛けてきたのは そっちであろう。 516 00:40:30,228 --> 00:40:32,230 あっ… くっ! 517 00:40:32,230 --> 00:40:35,733 王が死んだとなれば 王位継承権を 持つであろう この子を➨ 518 00:40:35,733 --> 00:40:37,735 誰もが捜すぞ! 519 00:40:37,735 --> 00:40:40,905 なぜだ? 魔鉱石の精錬術! 520 00:40:40,905 --> 00:40:44,909 ハイデンの炉は その血を継ぐ者にしか 扱えぬとされているからだ! 521 00:40:44,909 --> 00:40:48,079 うぬらが持っていた武器の製法か。 522 00:40:48,079 --> 00:40:50,081 そうだ。 ふむ。 523 00:40:50,081 --> 00:40:52,083 我自身 なぜ➨ 524 00:40:52,083 --> 00:40:56,254 こやつを育てる気になったのかと 不思議に思っていたが➨ 525 00:40:56,254 --> 00:41:01,326 なるほど こやつにも 避けえぬ血の定めがあったか。 526 00:41:01,326 --> 00:41:03,995 おもしろい。 527 00:41:03,995 --> 00:41:07,665 ならば我が こやつを王にしよう。 528 00:41:07,665 --> 00:41:13,171 王のそばにつき 文字通り陰から支えてやろう。 529 00:41:13,171 --> 00:41:16,841 なに…。 (クレン)侵略に興味はなかったが➨ 530 00:41:16,841 --> 00:41:22,180 人属を観察するのに 高みに立つのは悪くない。 531 00:41:22,180 --> 00:41:27,185 眷属を密かに潜り込ませるのも おもしろかろう。 532 00:41:27,185 --> 00:41:30,688 いつでも滅ぼせるようにな。 533 00:41:30,688 --> 00:41:34,859 《最悪だ… 私が余計なことを言ったせいで➨ 534 00:41:34,859 --> 00:41:38,363 状況が もっと悪い方向に 転んでしまった》 535 00:41:38,363 --> 00:41:40,531 そうと決まれば急ぐぞ。 536 00:41:40,531 --> 00:41:45,203 まずは こやつの… ルナの腹を満たしにな。 537 00:41:45,203 --> 00:41:50,208 水と我が力による体力の回復では 限界がある。 538 00:41:50,208 --> 00:41:53,711 良質な乳母が見つかればよいがな。 539 00:41:53,711 --> 00:41:57,215 魔鉱石のかけらを忘れるなよ。 ああ。 540 00:42:00,685 --> 00:42:03,688 《落ち着け アリシア 大丈夫だ。 541 00:42:03,688 --> 00:42:06,357 仮にルナを連れかえしたとしても➨ 542 00:42:06,357 --> 00:42:08,693 得体の知れない 角の生えた小僧が➨ 543 00:42:08,693 --> 00:42:11,195 側近として認められるはずがない。 544 00:42:11,195 --> 00:42:15,199 角自体は 森の民 オーグにも生えているから➨ 545 00:42:15,199 --> 00:42:21,205 珍しくもないが 身元を保証できる 人間がいない以上 絶対に無理だ。 546 00:42:21,205 --> 00:42:25,376 別の姿に 化けたとしても それは同じ。 547 00:42:25,376 --> 00:42:29,213 きっと あの角は隠せないに違いない。 548 00:42:29,213 --> 00:42:34,719 問題は こいつが いつ気づくか。 気づいた時点で どう出るか。 549 00:42:34,719 --> 00:42:39,390 どういうわけか こいつは ルナに固執している。 550 00:42:39,390 --> 00:42:43,227 もし 引きはがされたり 殺されようものなら➨ 551 00:42:43,227 --> 00:42:46,564 本気で人属を皆殺しにするだろう。 552 00:42:46,564 --> 00:42:49,734 それだけは止めねば。 553 00:42:49,734 --> 00:42:55,606 これが 勇者としての私の最後の使命だ》 554 00:42:57,909 --> 00:43:00,812 遅いぞ アリシア。 555 00:43:00,812 --> 00:43:03,648 んっ? 556 00:43:03,648 --> 00:43:05,850 後ろだ ク… クレン! 557 00:43:11,489 --> 00:43:15,159 容赦ねえ~。 (サッチ)ボケっと 突っ立っているからだ ガキ。 558 00:43:15,159 --> 00:43:17,328 (ピト)カカカカ ハハハハ! 559 00:43:17,328 --> 00:43:21,632 《あぁ 山賊か… 終わったな こいつら》 560 00:43:27,171 --> 00:43:29,340 えっ。 561 00:43:29,340 --> 00:43:37,181 (泣き声) 562 00:43:37,181 --> 00:43:41,018 えぇ~!? 563 00:43:41,018 --> 00:43:43,020 (サッチ)黙れ。 564 00:43:43,020 --> 00:43:48,626 《なんだよ… 私だって 死ねない体になったはずじゃ…》 565 00:45:30,695 --> 00:45:33,364 あ…。 566 00:45:38,536 --> 00:45:41,372 《そうか… 夢か。 567 00:45:41,372 --> 00:45:44,041 今までのは タチの悪い夢で…》 568 00:45:44,041 --> 00:45:47,044 (クレン)おい。 《私たち 13人の勇者で➨ 569 00:45:47,044 --> 00:45:49,547 これからクレバテスを討伐しに…》 570 00:45:49,547 --> 00:45:52,049 (クレン)おい うつけ。 こっちを見ろ。 571 00:45:52,049 --> 00:45:55,052 うっ! 572 00:45:55,052 --> 00:45:58,389 あっ… あっ これは! 573 00:45:58,389 --> 00:46:02,126 (クレン)ようやく目覚めたな アリシア。 574 00:46:02,126 --> 00:46:04,629 (アリシア)ク… クレン! 575 00:46:04,629 --> 00:46:08,132 どうやら我らは捕まったようだぞ。