1 00:00:02,002 --> 00:00:04,838 (アリシア)えっ? え… ちょっ いやいや…。 2 00:00:04,838 --> 00:00:08,008 (クレン)これは没収だ。 (アリシア)なんで!? 3 00:00:08,008 --> 00:00:11,011 この剣は目立ちすぎる。 えっ? 4 00:00:11,011 --> 00:00:15,015 またよからぬ輩に 目をつけられても面倒だからな。 5 00:00:15,015 --> 00:00:19,019 ああ… 私の滝割りが…。 6 00:00:19,019 --> 00:00:21,355 (クレン)必要なときは出してやる。 7 00:00:21,355 --> 00:00:24,524 捨てられないだけ ありがたく思え。 8 00:00:24,524 --> 00:00:29,363 (ネルル)主様は 不思議な術を お使いになられるのですね。 9 00:00:29,363 --> 00:00:31,532 (クレン)ネルルか。 準備はできたか? 10 00:00:31,532 --> 00:00:33,700 (ネルル)はいれす。 勝手に持ち出すのは➨ 11 00:00:33,700 --> 00:00:36,870 気がひけましたが 旅に必要そうなものは➨ 12 00:00:36,870 --> 00:00:38,872 すべてそろえました。 13 00:00:38,872 --> 00:00:43,710 見てくらさい。 ルナ様のお召し物も 見つけたんれす。 14 00:00:43,710 --> 00:00:47,047 でかした。 にしてもネルル➨ 15 00:00:47,047 --> 00:00:50,717 その大荷物にルナまで抱えて 重くないのか? 16 00:00:50,717 --> 00:00:54,888 大丈夫れす。 不思議と体が軽いのれ。 17 00:00:54,888 --> 00:00:57,224 《軽い… か。 18 00:00:57,224 --> 00:01:01,194 ネルルは 体の結構な部分を失っていた。 19 00:01:01,194 --> 00:01:06,700 クレンのやつ いかつい山賊の体でも くっつけたのか? 20 00:01:06,700 --> 00:01:09,703 何をしたのか 死んでて見てないからな…》 21 00:01:09,703 --> 00:01:12,539 おっしゃっていたらければ 勇者様の剣や鎧➨ 22 00:01:12,539 --> 00:01:14,708 なんれも持ちます。 23 00:01:14,708 --> 00:01:17,044 勇者様のお役に立ちたいんれす! 24 00:01:17,044 --> 00:01:19,212 う… うん ありがとう。 25 00:01:19,212 --> 00:01:22,549 預けようにも 剣も鎧もないんだよね。 26 00:01:22,549 --> 00:01:24,551 剣が入り用れしたら➨ 27 00:01:24,551 --> 00:01:28,722 カルメ姉様が いいものは全部 ブロコ様の机にしまってあると…。 28 00:01:28,722 --> 00:01:31,224 本当か!? その机なら たぶん見た! 29 00:01:31,224 --> 00:01:33,226 いいだろ それくらい! 30 00:01:33,226 --> 00:01:35,228 まあ… うぬから剣を取ったら 何も残らんからな。 31 00:01:35,228 --> 00:01:38,565 やった! 32 00:01:38,565 --> 00:01:41,234 (クレン)1本だけだぞ。 33 00:01:41,234 --> 00:01:46,073 想像よりも ずっと かわいらしい 人なんれすね 勇者様って。 34 00:01:46,073 --> 00:01:49,409 抜けているだけだ。 35 00:01:49,409 --> 00:01:54,414 (クレン)とはいえ あやつの働きで 山賊は一掃された。 36 00:01:54,414 --> 00:01:58,085 奴隷たちも逃げ出して もぬけの殻だ。 37 00:01:58,085 --> 00:02:00,520 少しは未練があるか? 38 00:02:00,520 --> 00:02:03,523 ここには いい思い出がありません。 39 00:02:03,523 --> 00:02:07,694 れも 私にとっては 母と過ごした場所なのれ➨ 40 00:02:07,694 --> 00:02:13,700 誰もいないのを見るのは ほんの少し寂しいれす。 41 00:02:13,700 --> 00:02:19,373 せめて カルメ姉様らけには お別れを言いたかったのれすが…。 42 00:02:21,375 --> 00:02:24,044 そのカルメという女だが…。 43 00:02:24,044 --> 00:02:27,214 (ルナ)お お~お。 (鳥の鳴き声) 44 00:02:27,214 --> 00:02:31,885 (ガルト)見つけたぞ。 おかしな術を使うチビ助。 45 00:04:17,657 --> 00:04:19,659 (アリシア)この机だ。 46 00:04:19,659 --> 00:04:23,330 どさくさ紛れに 誰かに 持ち去られていないといいが…。 47 00:04:23,330 --> 00:04:26,500 おっ 金だ。 幸先がいい。 48 00:04:26,500 --> 00:04:30,504 こんなことをしていると どっちが賊だかわからなくなるな。 49 00:04:30,504 --> 00:04:32,506 さて お次は…。 50 00:04:32,506 --> 00:04:34,841 ん? なんだ これ? 51 00:04:34,841 --> 00:04:39,012 女物の革鎧? 変態か あのジジイ。 52 00:04:39,012 --> 00:04:43,683 まさか 自分で 着けていたんじゃないよな…。 53 00:04:43,683 --> 00:04:47,854 いやいやいやいや… においを嗅いでいたとか➨ 54 00:04:47,854 --> 00:04:51,525 そんなんだろう。 うん いただいても問題ない。 55 00:04:51,525 --> 00:04:54,027 死ねなくても痛いのはイヤだし➨ 56 00:04:54,027 --> 00:04:57,531 革鎧なら クレンだって認めてくれるだろう。 57 00:04:57,531 --> 00:05:00,133 さて 次は…。 58 00:05:07,841 --> 00:05:12,846 バランスがよくて軽い。 ハイデンの魔剣ではないが いい剣だ。 59 00:05:12,846 --> 00:05:15,515 これにしよう。 60 00:05:15,515 --> 00:05:18,185 んっ!? (衝撃音) 61 00:05:18,185 --> 00:05:20,153 なんだ!? 62 00:05:22,689 --> 00:05:25,859 クレン! 63 00:05:25,859 --> 00:05:31,198 この軽い体 本当に簡単に吹き飛ぶから困る。 64 00:05:31,198 --> 00:05:33,867 誰にやられた!? あっ! 65 00:05:33,867 --> 00:05:36,369 他にも仲間がいたか。 66 00:05:36,369 --> 00:05:39,339 《こいつ… 強い!》 67 00:05:46,046 --> 00:05:48,715 うっ! 68 00:05:48,715 --> 00:05:51,051 《ただの蹴りじゃない!》 69 00:05:51,051 --> 00:05:54,888 目がいいな。 俺の蹴りをかわすとは。 70 00:05:54,888 --> 00:05:57,357 だが いつまで続くかな。 71 00:05:59,392 --> 00:06:05,165 《空中からの連撃だというのに 一撃一撃が 異常に重い!》 72 00:06:05,165 --> 00:06:07,334 しぶとい。 73 00:06:07,334 --> 00:06:09,669 《離れた!?》 74 00:06:09,669 --> 00:06:12,038 吹き飛べ。 75 00:06:14,507 --> 00:06:16,676 うわぁ! 76 00:06:16,676 --> 00:06:19,012 あ~ あ~。 77 00:06:19,012 --> 00:06:21,181 あっ! うぅ~。 78 00:06:21,181 --> 00:06:23,516 うっ! ぐはっ! 79 00:06:23,516 --> 00:06:26,686 勇者様! うぅ~ う~。 80 00:06:26,686 --> 00:06:31,024 ホントにしぶといな お前。 81 00:06:31,024 --> 00:06:33,860 (ガルト)用があるのは さっきのチビだけだ。 82 00:06:33,860 --> 00:06:36,196 ここで手を引くなら見逃してやる。 83 00:06:36,196 --> 00:06:43,703 見逃す? 山賊の残党か知らんが 勇者をあまりなめるなよ。 84 00:06:43,703 --> 00:06:46,039 よほど死にたいらしい。 85 00:06:46,039 --> 00:06:50,110 《この技でダメなら いよいよ滝割りがいる》 86 00:06:55,215 --> 00:06:57,183 あ? 87 00:06:59,552 --> 00:07:03,123 《秘剣昇龍!》 88 00:07:03,123 --> 00:07:05,125 こいつ! 89 00:07:07,127 --> 00:07:09,963 (クレン)待て! 90 00:07:09,963 --> 00:07:12,565 ぐっ… くっ…。 91 00:07:15,802 --> 00:07:18,972 そこまでにしておけ アリシア。 92 00:07:18,972 --> 00:07:21,474 ん? 93 00:07:21,474 --> 00:07:23,810 うえっ 痛っ! 94 00:07:23,810 --> 00:07:25,812 何をする クレン! 95 00:07:25,812 --> 00:07:29,983 キサマ 斬る以外の意識を 飛ばしておったのか。 96 00:07:29,983 --> 00:07:31,985 そういう技なんだ。 97 00:07:31,985 --> 00:07:35,989 (クレン)そやつが敵対してきたのは ただの思い違いだ。 98 00:07:35,989 --> 00:07:38,158 思い違い? 99 00:07:38,158 --> 00:07:43,330 (クレン)我が止めねば うぬの体も 足で引き裂かれておったぞ。 100 00:07:43,330 --> 00:07:47,334 (ガルト)思い違いだと言うのなら 説明しろ。 101 00:07:47,334 --> 00:07:52,005 そっちの女からは 西方の トロールのにおいが プンプンしている。 102 00:07:52,005 --> 00:07:55,008 え? わ… 私れすか? 103 00:07:55,008 --> 00:07:57,844 もしかして 丸呑みにされたから? 104 00:07:57,844 --> 00:08:02,482 俺は ここにトロールを操る 小男がいると聞いて来た。 105 00:08:02,482 --> 00:08:05,986 そして 地下で トロールの骸も見つけた。 106 00:08:05,986 --> 00:08:07,988 手足は もぎ取られ➨ 107 00:08:07,988 --> 00:08:11,157 顔も はらわたも バラバラの無残な姿で。 108 00:08:11,157 --> 00:08:16,329 お前が その小男で トロールを殺したんじゃないのか。 109 00:08:16,329 --> 00:08:18,498 なるほど…。 110 00:08:18,498 --> 00:08:22,669 ネルル ルナを連れて 集落の入り口で待っていろ。 111 00:08:22,669 --> 00:08:28,007 は… はいれす。 うぅ~ あ~ うぅ~。 112 00:08:28,007 --> 00:08:30,343 私も行こうか? 113 00:08:30,343 --> 00:08:34,180 いいや うぬは残れ。 こやつは 魔獣だ。 114 00:08:34,180 --> 00:08:38,184 あ? (クレン)人の姿は しているが中身は別物。 115 00:08:38,184 --> 00:08:40,520 魔獣!? 強力な幻術で➨ 116 00:08:40,520 --> 00:08:44,357 この我にすら 本来の姿を認識できぬが➨ 117 00:08:44,357 --> 00:08:48,194 鉤爪と翼を持つ者で間違いはない。 118 00:08:48,194 --> 00:08:53,867 そして ここまで強力な幻術を 使える存在は ただ一つ。 119 00:08:53,867 --> 00:09:00,340 西方の魔獣王 迷霧のザフティエ。 120 00:09:02,609 --> 00:09:04,944 西方の魔獣王!? 121 00:09:04,944 --> 00:09:08,948 (クレン)ちなみにだが 月光のクレバテスとは仲が悪い。 122 00:09:08,948 --> 00:09:13,787 なぜ そこまで知っている。 何者なんだ キサマは。 123 00:09:13,787 --> 00:09:20,126 我は クレン。 うぬと同じ 人の姿を借りた魔獣王の臣下だ。 124 00:09:20,126 --> 00:09:23,797 《魔獣相手でも正体を隠すのか。 125 00:09:23,797 --> 00:09:28,001 そういえば 不在を知られたく ないと言っていたな》 126 00:09:29,969 --> 00:09:32,806 そうか クレバテスの。 127 00:09:32,806 --> 00:09:35,809 本来なら馴れ合うべきでは ないのだろうが…。 128 00:09:37,811 --> 00:09:41,481 (アリシア)あっ! ならば目的も同じだろう。 129 00:09:41,481 --> 00:09:45,985 クレバテスが人属の都を ひとつ潰したという話は聞いた。 130 00:09:45,985 --> 00:09:50,657 実は ザフティエ様も人属のせん滅を 考えておられるのだ。 131 00:09:50,657 --> 00:09:52,992 いぃ!? 132 00:09:52,992 --> 00:09:54,994 俺の名は ガルト。 133 00:09:54,994 --> 00:10:01,835 お前の読みどおり 西方の魔獣王 ザフティエ様の臣下だ。 134 00:10:01,835 --> 00:10:07,006 次は お前だ。 魔獣である証拠を見せてみろ。 135 00:10:07,006 --> 00:10:09,109 少しだけだぞ。 136 00:10:12,378 --> 00:10:14,714 これでいいか? 137 00:10:14,714 --> 00:10:16,883 まあ いいだろう。 138 00:10:19,052 --> 00:10:21,721 ひとまず 争う理由はなくなった。 139 00:10:21,721 --> 00:10:27,360 《おいおい 待て待て。 人の姿と言葉を持つ魔獣が2体!? 140 00:10:27,360 --> 00:10:30,196 クレバテス以外にも もっといるのか!? 141 00:10:30,196 --> 00:10:35,201 だとしたら勇者は 戦うステージを 間違えていたんじゃないのか? 142 00:10:35,201 --> 00:10:40,039 人の世界は もっと ずっと狭かったんじゃ…》 143 00:10:40,039 --> 00:10:42,041 おい 下僕。 えっ? 144 00:10:42,041 --> 00:10:44,210 いらぬ疑いを持つな。 145 00:10:44,210 --> 00:10:49,215 人の姿と言葉両方を持つ魔獣など そうはおらん。 146 00:10:49,215 --> 00:10:51,718 《はっ!? 心を読まれた!》 147 00:10:51,718 --> 00:10:55,221 それに 好んで化けるザフティエを除けば➨ 148 00:10:55,221 --> 00:10:59,225 目的もなく 人と関わろうとする者など皆無だ。 149 00:10:59,225 --> 00:11:02,829 基本的に 人属を見下しているからな。 150 00:11:02,829 --> 00:11:06,499 言葉を交わすことすら 恥だと思っている。 151 00:11:06,499 --> 00:11:10,670 そのとおりだ。 だからこそ これだけは説明してもらうぞ。 152 00:11:10,670 --> 00:11:14,841 そいつは 自分を勇者だと言った。 153 00:11:14,841 --> 00:11:17,510 勇者は 魔獣の敵。 なぜ一緒にいる? 154 00:11:17,510 --> 00:11:23,349 答えろ。 クレバテスの臣下 クレン。 その女は何だ? 155 00:11:23,349 --> 00:11:28,021 こやつは 確かに勇者だが 今は 我の下僕。 156 00:11:28,021 --> 00:11:31,858 絶対に逆らえぬ術をかけている。 157 00:11:31,858 --> 00:11:37,864 人属どもの生態を知るための 道案内 兼 盾だな。 158 00:11:37,864 --> 00:11:40,033 向こうの2人についてもそうだ。 159 00:11:40,033 --> 00:11:44,037 人属どもの生態を知るための道具。 160 00:11:44,037 --> 00:11:49,042 詳細については よそ者の うぬに話す義理はない。 161 00:11:51,377 --> 00:11:54,714 なるほど。 絶対という部分が 引っかかるが➨ 162 00:11:54,714 --> 00:11:56,883 納得はした。 163 00:11:56,883 --> 00:11:59,385 だが これだけは言っておく。 164 00:11:59,385 --> 00:12:03,489 俺の邪魔をすれば そいつらは殺す。 165 00:12:03,489 --> 00:12:08,328 好きにしろ。 勝手に殺させはせんがな。 166 00:12:08,328 --> 00:12:13,166 次は 我が問う番だ。 ザフティエの臣下 ガルト。 167 00:12:13,166 --> 00:12:18,338 うぬの主が人属のせん滅を 考えているとは どういうことだ? 168 00:12:18,338 --> 00:12:23,843 我の知る限りザフティエは 人属を愛でるのが好きな変わり者。 169 00:12:23,843 --> 00:12:29,015 西の森では オーグたちに神として 崇められていたと思うが➨ 170 00:12:29,015 --> 00:12:31,684 どういう心変わりだ。 171 00:12:31,684 --> 00:12:35,855 《そうだ。 だから勇者たちも 西を目指さない。 172 00:12:35,855 --> 00:12:40,193 オーグの協力なしに 森を歩くことは不可能だからだ。 173 00:12:40,193 --> 00:12:42,895 西で何かあったのか?》 174 00:12:45,365 --> 00:12:47,367 3日ほど前のことだ。 175 00:12:53,206 --> 00:12:57,610 (うなり声) 176 00:13:01,514 --> 00:13:04,851 《子を捜しているのか。 177 00:13:04,851 --> 00:13:08,688 急にいなくなって 困惑しているようだ。 178 00:13:08,688 --> 00:13:11,357 何か おかしい。 179 00:13:11,357 --> 00:13:14,527 あっ! 180 00:13:14,527 --> 00:13:17,363 (ガルト)少し前から様子がおかしいと 思っていたのですが➨ 181 00:13:17,363 --> 00:13:19,866 自分が把握している限りでも➨ 182 00:13:19,866 --> 00:13:23,870 魔獣の子が理由もなく消えたのは これで9例目。 183 00:13:23,870 --> 00:13:26,372 言葉を持つ魔獣が少ないのと➨ 184 00:13:26,372 --> 00:13:30,209 そもそも 子が食われることなど 珍しくもないので➨ 185 00:13:30,209 --> 00:13:33,046 実際には もっと多くの魔獣の子らが➨ 186 00:13:33,046 --> 00:13:36,215 消えているのだと考えられます。 187 00:13:36,215 --> 00:13:42,722 目的は不明ですが やっているのは おそらく人属。 188 00:13:42,722 --> 00:13:46,726 (ザフティエ)オーグたちとは 良好な関係を築けていたと➨ 189 00:13:46,726 --> 00:13:48,895 思っていたのですが…。 190 00:13:52,565 --> 00:13:55,902 これは 悪い兆候です。 191 00:13:55,902 --> 00:13:58,738 オーグの長を呼びますか? 192 00:13:58,738 --> 00:14:02,809 いいえ 彼らとて信用はなりません。 193 00:14:02,809 --> 00:14:07,647 あなたが彼らの世界に入って 調べてください。 194 00:14:07,647 --> 00:14:14,821 場合によっては 人属のせん滅も 考えねばなりません》 195 00:14:14,821 --> 00:14:19,325 まさか あのザフティエが我… 我が主より先に➨ 196 00:14:19,325 --> 00:14:22,161 そんなことを考えていたとは。 197 00:14:22,161 --> 00:14:26,499 南方の山々でも魔獣の子らが 消えていたはずだぞ。 198 00:14:26,499 --> 00:14:29,502 俺は その手がかりがあると思って 来たんだ。 199 00:14:29,502 --> 00:14:31,671 (クレン)小男は 殺した。 200 00:14:31,671 --> 00:14:35,842 トロールも牙を剥いてきたから やむなく殺した。 201 00:14:35,842 --> 00:14:39,345 そうか。 牙を剥いたのなら仕方がない。 202 00:14:42,181 --> 00:14:47,353 もしかすると それは 魔獣の子に 限った話ではないかもしれんぞ。 203 00:14:47,353 --> 00:14:50,189 (ガルト)どういうことだ? ここにいた人属から➨ 204 00:14:50,189 --> 00:14:52,191 聞いた話だが…。 205 00:14:52,191 --> 00:14:55,695 《カルメ:ちょ ちょちょ… そんな目で見るんじゃないよ! 206 00:14:55,695 --> 00:14:58,698 ここじゃ女は 子を産んじゃダメなんだよ! 207 00:14:58,698 --> 00:15:02,835 赤子は 必ず あいつらが 買っていっちまうからね。 208 00:15:02,835 --> 00:15:05,004 あいつら? 209 00:15:05,004 --> 00:15:07,840 (カルメ)よくわからない 黒ずくめの連中さ。 210 00:15:07,840 --> 00:15:09,842 適性が どうとか言ってたが➨ 211 00:15:09,842 --> 00:15:12,512 ブロコの旦那が会ってんのを 一度見ただけで➨ 212 00:15:12,512 --> 00:15:17,183 私は何も知らない。 旦那も恐れているようだった。 213 00:15:17,183 --> 00:15:21,354 ネルの子が3度とも死産というのは 妙だと思っていたが➨ 214 00:15:21,354 --> 00:15:23,856 お前が殺していたのか。 215 00:15:23,856 --> 00:15:27,693 そうだよ! ここじゃ それが 女たちのルールなんだ! 216 00:15:27,693 --> 00:15:33,032 産んだところで売られちまう。 男どもは 守っちゃくれない。 217 00:15:33,032 --> 00:15:36,369 底辺の私らが 最低限のプライドを守るために➨ 218 00:15:36,369 --> 00:15:38,704 はらまないよう頑張ってんだ! 219 00:15:38,704 --> 00:15:41,541 ネルは どんくさいから そうできなかった。 220 00:15:41,541 --> 00:15:43,709 だから殺した! 221 00:15:43,709 --> 00:15:47,547 好きで殺めてると思ったのかい ド畜生が! 222 00:15:47,547 --> 00:15:50,216 (泣き声) 223 00:15:50,216 --> 00:15:52,885 言いたいことは わかった。 224 00:15:52,885 --> 00:15:55,721 だが ネルは ここで生まれ育ったそうだぞ。 225 00:15:55,721 --> 00:15:58,558 あっ! おそらく母親が➨ 226 00:15:58,558 --> 00:16:02,795 売り飛ばされない歳になるまで 隠し通したんだろう。 227 00:16:02,795 --> 00:16:05,998 お前たちは そうしようとしなかった。 228 00:16:05,998 --> 00:16:08,000 それだけのことだ。 229 00:16:08,000 --> 00:16:13,005 くっ… うぅ…》 230 00:16:13,005 --> 00:16:17,677 人の赤子を買う連中 魔獣の子をさらう人属。 231 00:16:17,677 --> 00:16:22,348 接点がないようにも見えるが おそらく関連がある。 232 00:16:22,348 --> 00:16:27,186 赤子を買う者たちと 小男ブロコには つながりがあり➨ 233 00:16:27,186 --> 00:16:30,523 そのブロコは トロールを飼いならしていた。 234 00:16:30,523 --> 00:16:34,360 そして 適性という言葉。 235 00:16:34,360 --> 00:16:36,696 つまり この件には➨ 236 00:16:36,696 --> 00:16:40,366 魔術というものが 深く関わっている。 237 00:16:40,366 --> 00:16:42,368 魔術? 238 00:16:42,368 --> 00:16:44,871 くっ…。 浮かぬ顔だ。 239 00:16:44,871 --> 00:16:49,208 うっ!? 何か心当たりでもあるのか? 240 00:16:49,208 --> 00:16:54,380 はぁ… 前にも言ったように 私は魔術は門外漢だ。 241 00:16:54,380 --> 00:16:56,883 だから魔術については知らん。 242 00:16:56,883 --> 00:17:00,453 ただ 連中の やりそうなことだとは思った。 243 00:17:00,453 --> 00:17:02,455 連中? 244 00:17:02,455 --> 00:17:07,793 魔術を戦争の道具にしている連中 魔道士だ。 245 00:17:07,793 --> 00:17:12,298 そいつらは ここ数年で頭角を現し➨ 246 00:17:12,298 --> 00:17:17,637 エスリンとボーレートの争いが続く ドーン平原の戦場を変えた。 247 00:17:17,637 --> 00:17:23,042 今では ウィザードの優劣が 戦局を大きく左右する。 248 00:17:24,977 --> 00:17:26,979 (叫び声) 249 00:17:29,148 --> 00:17:35,154 (うめき声) 250 00:17:35,154 --> 00:17:39,659 (アリシア)そして それを 最初に戦場に持ち込んだのが➨ 251 00:17:39,659 --> 00:17:44,330 竜殺しの異名を持つ将軍 ドレル。 252 00:17:44,330 --> 00:17:47,500 (ドレル)全軍 このまま前進。 253 00:17:47,500 --> 00:17:53,506 目標は ハイデン国境の砦 ハイゲート。 254 00:17:53,506 --> 00:17:56,175 (アリシア)私の父の仇だ。 255 00:17:56,175 --> 00:17:59,512 《アリシア:父さん! 立って 父さん! 256 00:17:59,512 --> 00:18:01,981 (マルゴ)アリ… シア…。 257 00:18:01,981 --> 00:18:05,151 父さん!! 258 00:18:05,151 --> 00:18:10,156 剣だけでは 超えられぬ壁がある。 259 00:18:10,156 --> 00:18:15,328 これからは 剣と魔術の時代ということだ》 260 00:18:19,165 --> 00:18:21,667 くっ…。 261 00:18:21,667 --> 00:18:25,338 アリシア… キサマ 仇がいるのに➨ 262 00:18:25,338 --> 00:18:27,673 我を殺しに来ていたのか。 263 00:18:27,673 --> 00:18:31,644 それが 父の遺言だからな。 264 00:18:37,683 --> 00:18:40,186 (ロッド)ハイゲートの西に 部隊を集結させる。 265 00:18:40,186 --> 00:18:42,521 各隊手早くな。 以上だ。 266 00:18:42,521 --> 00:18:44,857 (兵士たち)はっ! (ミケル)ロッド! 267 00:18:44,857 --> 00:18:46,859 どうだった? ミケル。 268 00:18:46,859 --> 00:18:51,364 先発隊は全滅。 ドレル将軍率いる ボーレート軍は 依然 南下中。 269 00:18:51,364 --> 00:18:53,532 数は 5万。 270 00:18:53,532 --> 00:18:58,037 (ロッド)本気でハイデンを落とす気だな。 こっちは せいぜい6,000だ。 271 00:18:58,037 --> 00:19:01,107 おまけに ウィザードの数も足りていない。 272 00:19:01,107 --> 00:19:04,777 全軍で当たっても 足止めにもならないだろう。 273 00:19:04,777 --> 00:19:07,446 (ミケル)本隊からの増援は? 274 00:19:07,446 --> 00:19:10,616 到着に3日かかるそうだ。 見ろ。 275 00:19:10,616 --> 00:19:14,787 ドレル軍は ここ。 まっすぐハイゲートを目指している。 276 00:19:14,787 --> 00:19:18,791 この砦には 東の大門と西の小門があり➨ 277 00:19:18,791 --> 00:19:24,797 エスリン側の西門から入れれば 門を固めて この数でも戦える。 278 00:19:24,797 --> 00:19:28,300 ただし それには ハイデンの協力が必要だ。 279 00:19:28,300 --> 00:19:30,803 伝令を送ったが まだ返事がない。 280 00:19:30,803 --> 00:19:34,473 門の内側は よほど混乱しているらしい。 281 00:19:34,473 --> 00:19:39,478 クレバテスが城を落としたという噂は 本当だったんでしょうか? 282 00:19:39,478 --> 00:19:41,480 こうなったら 信じるしかないだろう。 283 00:19:41,480 --> 00:19:46,652 だからボーレートは 主力であるドレルを進軍させた。 284 00:19:46,652 --> 00:19:49,989 目的は おそらく王家の炉。 285 00:19:49,989 --> 00:19:55,494 至宝の一振りである僕の雪華も 君や隊長たちの持つ魔剣も➨ 286 00:19:55,494 --> 00:19:57,830 その炉なしには作れない。 287 00:19:57,830 --> 00:20:00,833 確かに 奪われるのは まずいですね。 288 00:20:00,833 --> 00:20:04,170 優れた剣が手に入らなくなる。 289 00:20:04,170 --> 00:20:06,505 (ロッド)それだけじゃないんだ。 あっ…。 290 00:20:06,505 --> 00:20:10,843 ハイデン王家の炉は 世界最古の 魔術道具とも呼ばれている。 291 00:20:10,843 --> 00:20:14,847 魔術を開発している者にとって その秘密は➨ 292 00:20:14,847 --> 00:20:18,851 のどから手が出るほど 欲しいものらしい。 293 00:20:18,851 --> 00:20:23,022 ただでさえ魔術戦力は ボーレートのほうが上なのに➨ 294 00:20:23,022 --> 00:20:26,192 そんなものまで盗られたら 絶対まずいじゃないですか! 295 00:20:26,192 --> 00:20:30,362 エスリンどころか エドセア全土が ボーレートの手に落ちる! 296 00:20:30,362 --> 00:20:34,366 だからさ。 ドレル軍を絶対止めなきゃならない。 297 00:20:34,366 --> 00:20:37,703 師団長! ロイエス師団長! 298 00:20:37,703 --> 00:20:40,539 どうした? 伝令が戻ったか? 299 00:20:40,539 --> 00:20:42,541 いえ。 300 00:20:42,541 --> 00:20:48,347 西門ではなく 東門が… 東の大門が開いています。 301 00:20:51,717 --> 00:20:54,120 (メイナード)フフッ。 302 00:21:01,994 --> 00:21:05,331 お待ちしておりました ドレル将軍。 303 00:21:05,331 --> 00:21:08,501 首尾はどうだ? メイナード。 304 00:21:08,501 --> 00:21:11,504 ハイデン王の死亡を確認。 305 00:21:11,504 --> 00:21:15,508 皇太子妃は 別の場にいて無事とのこと。 306 00:21:15,508 --> 00:21:19,345 問題は 生後6か月となる ご子息。 307 00:21:19,345 --> 00:21:22,348 今 確実に 王家の血を継いでいるのは➨ 308 00:21:22,348 --> 00:21:24,350 この子だけですが➨ 309 00:21:24,350 --> 00:21:29,688 黒髪の少年が連れていたという 目撃証言を最後に➨ 310 00:21:29,688 --> 00:21:32,358 消息不明となっております。 311 00:21:32,358 --> 00:21:35,861 生死不明か。 はい。 312 00:21:35,861 --> 00:21:41,700 ですが 奇遇にも例の鴉どもから ハイデン人の赤子を仕入れたと➨ 313 00:21:41,700 --> 00:21:44,203 知らせが届きました。 314 00:21:44,203 --> 00:21:48,874 一緒にいたという 少年の髪の色も合致します。 315 00:21:48,874 --> 00:21:51,043 確かめるべきかと。 316 00:21:51,043 --> 00:21:53,712 ならば すぐに行くがよい。 317 00:21:53,712 --> 00:21:58,217 (ドレル)軍最強のウィザード メイナード・スワン。 318 00:21:58,217 --> 00:22:05,824 私が ハイドラートに到着するまでに 必ず連れ戻るのだ。 319 00:22:05,824 --> 00:22:08,627 ふ~ん フフフフフ。