1 00:00:02,336 --> 00:00:05,672 (クレン)この黒い湯は なんだ? ネルル。 2 00:00:05,672 --> 00:00:10,010 (ネルル)コーヒーれす 主様。 とても高価なもので➨ 3 00:00:10,010 --> 00:00:13,013 時々 ブロコの旦那が飲んれいました。 4 00:00:13,013 --> 00:00:18,018 なんれも 東の海を越えた スラーダで採れる豆だとか。 5 00:00:18,018 --> 00:00:20,020 (クレン)ふむ…。 (ネルル)砂糖も➨ 6 00:00:20,020 --> 00:00:24,024 たっぷり入れましたのれ 疲れが取れると思います。 7 00:00:24,024 --> 00:00:27,361 人属は 妙なことを思い付く…。 8 00:00:27,361 --> 00:00:29,363 熱っ! 9 00:00:29,363 --> 00:00:32,699 舌の皮膚まで薄いことを 忘れておったわ。 10 00:00:32,699 --> 00:00:35,369 (ルナ)お~ お~。 やめておけ ルナ。 11 00:00:35,369 --> 00:00:38,038 うぬの舌では爛れてしまうぞ。 12 00:00:38,038 --> 00:00:40,040 あう あう…。 ところれ➨ 13 00:00:40,040 --> 00:00:43,710 あの怖いお方は どちらに行かれたのれすか? 14 00:00:43,710 --> 00:00:46,046 ガルトか? あやつなら…。 15 00:00:46,046 --> 00:00:49,349 《ガルト:オレは魔術と魔道士について 報告しに行く》 16 00:00:52,386 --> 00:00:54,388 (クレン)と言って飛んでいったぞ。 17 00:00:54,388 --> 00:00:56,723 飛んでいかれたのれすか? 18 00:00:56,723 --> 00:01:01,662 うぬへの疑念は解いておいたから もう怖がることはない。 19 00:01:01,662 --> 00:01:03,664 うん? 20 00:01:03,664 --> 00:01:07,501 これは なかなか悪くない薫りだ。 21 00:01:07,501 --> 00:01:10,003 お気に召されて良かったれす。 22 00:01:10,003 --> 00:01:12,005 (アリシア)クレン! 23 00:01:12,005 --> 00:01:15,342 町の商人たちから話を聞いてきた。 24 00:01:15,342 --> 00:01:20,047 (アリシア)やっぱり このハイデンは今 とんでもないことになってる。 25 00:03:01,982 --> 00:03:05,986 (アリシア)隣国のボーレートが国境を破り 攻めてきたんだ。 26 00:03:05,986 --> 00:03:08,655 もちろん ハイデンも応戦しているが➨ 27 00:03:08,655 --> 00:03:13,326 王と首都機能を失った現状では どうしたって止められない。 28 00:03:13,326 --> 00:03:15,328 国境手前でエスリンが➨ 29 00:03:15,328 --> 00:03:19,499 進軍を阻止しようとしたらしいが 止められなかったとも聞いた。 30 00:03:19,499 --> 00:03:21,501 なぜ エスリンが? 31 00:03:21,501 --> 00:03:26,006 (アリシア)エスリンとボーレートは 昔から戦争を繰り返していてな。 32 00:03:26,006 --> 00:03:29,676 今は 魔術において 後れを取るエスリンからすれば➨ 33 00:03:29,676 --> 00:03:32,679 ハイデン王家の炉まで ボーレートのものとなっては➨ 34 00:03:32,679 --> 00:03:34,681 たまらんのだろう。 ふむ…。 35 00:03:34,681 --> 00:03:39,019 尤も ハイデンに炉があったとしても 王亡き今➨ 36 00:03:39,019 --> 00:03:42,355 それを扱える 魔術的知識のある者もいない。 37 00:03:42,355 --> 00:03:45,025 ウィザードは もとからいないしな。 38 00:03:45,025 --> 00:03:47,360 なぜだ? ハイデン王が➨ 39 00:03:47,360 --> 00:03:50,697 国内での魔術の使用を 禁止していたからだ。 40 00:03:50,697 --> 00:03:56,036 おまえが魔術に無知なのは きっと そのせいもあるだろう。 41 00:03:56,036 --> 00:03:59,706 (ネルル)勇者様も どうぞ。 42 00:03:59,706 --> 00:04:03,310 コーヒー!? 心を込めて入れました。 43 00:04:03,310 --> 00:04:06,980 なんだ うぬも飲むのは初めてか? コーヒー。 44 00:04:06,980 --> 00:04:09,983 う うるさい! 村出身の私には➨ 45 00:04:09,983 --> 00:04:12,986 縁遠いものなんだよ。 46 00:04:12,986 --> 00:04:14,988 ウフフ…。 47 00:04:14,988 --> 00:04:17,290 甘い。 48 00:04:19,326 --> 00:04:22,996 おいしいよ ネルル もっと苦いものだと思ってた。 49 00:04:22,996 --> 00:04:25,332 甘々にしましたのれ。 50 00:04:25,332 --> 00:04:27,667 あう あう! (ネルル)さぁ ルナ様➨ 51 00:04:27,667 --> 00:04:29,669 そろそろご飯にしましょう。 52 00:04:29,669 --> 00:04:33,340 お仕事のお邪魔になるのれ あちらで。 53 00:04:33,340 --> 00:04:35,675 あぁ あっ…。 54 00:04:35,675 --> 00:04:39,346 いいなぁ ネルルは 気が利くし➨ 55 00:04:39,346 --> 00:04:43,683 見ていて なんだか 幸せな気持ちになれる フフ。 56 00:04:43,683 --> 00:04:47,687 体つき以外 牝らしい要素が まったくないうぬでも➨ 57 00:04:47,687 --> 00:04:50,690 さすがにネルルと子は作れぬぞ。 ブッ! 58 00:04:50,690 --> 00:04:53,360 そんなつもりで 見ていた訳じゃない! 59 00:04:53,360 --> 00:04:56,363 では 何だ? あっ…。 60 00:04:56,363 --> 00:05:00,300 剣で誰かの笑顔を勝ち取れたのが 実は これが初めてだとか➨ 61 00:05:00,300 --> 00:05:03,637 ようやく勇者らしいことができて 嬉しいだとか➨ 62 00:05:03,637 --> 00:05:06,039 全部言わせるな この! 63 00:05:08,308 --> 00:05:10,310 本題に戻るぞ! 64 00:05:10,310 --> 00:05:12,979 これからどうするって話だ。 65 00:05:12,979 --> 00:05:15,982 おまえは ルナを王にしたいなんて 言っていたが➨ 66 00:05:15,982 --> 00:05:19,319 国そのものが消滅するのも 時間の問題だぞ! 67 00:05:19,319 --> 00:05:22,656 誰かさんが 先に首都を 落としてしまったせいでな! 68 00:05:22,656 --> 00:05:25,325 ハイデンがボーレートになったところで➨ 69 00:05:25,325 --> 00:05:29,329 我から見れば違いはない。 何が問題なのだ? 70 00:05:29,329 --> 00:05:31,665 ボーレートが支配した時点で➨ 71 00:05:31,665 --> 00:05:34,668 ハイデン人のルナは王になれないんだよ。 72 00:05:34,668 --> 00:05:37,003 それは 面倒だな。 73 00:05:37,003 --> 00:05:41,675 それどころか 見つかれば 必ず捕虜にされるぞ。 74 00:05:41,675 --> 00:05:44,678 純血のハイデン人の赤子は少ないし➨ 75 00:05:44,678 --> 00:05:47,347 容姿で王家の血筋だと すぐバレる。 76 00:05:47,347 --> 00:05:50,016 ハイデン人の国がなくなれば➨ 77 00:05:50,016 --> 00:05:53,019 ルナは 人の世界で 居場所を失うんだ。 78 00:05:53,019 --> 00:05:57,691 ハイデン王家の血には 魔鉱石精錬技術の秘密があり➨ 79 00:05:57,691 --> 00:06:00,961 ボーレートは当然 それを狙っているだろう。 80 00:06:00,961 --> 00:06:03,964 そして そのために 軍を動かせる程の人間は➨ 81 00:06:03,964 --> 00:06:05,966 一人しかいない。 82 00:06:05,966 --> 00:06:08,635 「竜殺し」ドレルか。 83 00:06:08,635 --> 00:06:13,306 そうだ あの男は引退して 隠れるように暮らしていた父を➨ 84 00:06:13,306 --> 00:06:17,310 わざわざ見つけ出し 殺した…。 85 00:06:17,310 --> 00:06:21,314 《ドレル:剣を極めた その男を 倒すことで…。 86 00:06:21,314 --> 00:06:24,317 くっ…。 (ドレル)我が魔術は一応の完成を➨ 87 00:06:24,317 --> 00:06:28,655 見たといえるが… まだまだ足りぬ。 88 00:06:28,655 --> 00:06:32,993 そんなことを確かめるために 父さんと戦ったのか…。 89 00:06:32,993 --> 00:06:34,995 何なんだ キサマは! 90 00:06:38,331 --> 00:06:40,634 我が名は ドレル。 91 00:06:44,337 --> 00:06:48,675 うあっ…。 その男のかつての友にして➨ 92 00:06:48,675 --> 00:06:52,078 真の力を求めし者。 93 00:06:54,014 --> 00:06:56,683 ま 待て! 94 00:06:56,683 --> 00:06:59,953 くっ…。 95 00:06:59,953 --> 00:07:03,290 (マルゴ)よせ アリシア…。 96 00:07:03,290 --> 00:07:07,294 ヤツは軍人 戦争屋だ。 97 00:07:07,294 --> 00:07:12,299 戦えば オマエは戦争に巻き込まれる。 98 00:07:12,299 --> 00:07:16,303 戦争は勇者の道からは一番遠い…。 99 00:07:16,303 --> 00:07:21,308 戦争は人の世界を狭くするだけ…。 100 00:07:21,308 --> 00:07:25,312 だから ヤツとは戦うな。 101 00:07:25,312 --> 00:07:28,982 勇者になるんだろ アリシア。 102 00:07:28,982 --> 00:07:33,653 そして 世界の その先を見るんだろ。 103 00:07:33,653 --> 00:07:37,157 あっ…。 それを 父さんにも➨ 104 00:07:37,157 --> 00:07:41,061 見せておくれ…。 105 00:07:43,997 --> 00:07:46,100 あっ…。 106 00:07:46,100 --> 00:07:52,005 うわぁ!》 107 00:07:54,007 --> 00:07:57,010 (アリシア)本当にルナを 人の世界で生かしたいのなら➨ 108 00:07:57,010 --> 00:07:59,679 今は ボーレートの軍を退け➨ 109 00:07:59,679 --> 00:08:02,949 ハイデンを守らなきゃダメってことだ。 110 00:08:02,949 --> 00:08:04,951 やれやれ…。 111 00:08:06,953 --> 00:08:08,955 本当に面倒だな。 112 00:08:08,955 --> 00:08:10,957 いずれ滅ぼすと 決めているものを➨ 113 00:08:10,957 --> 00:08:12,959 守ってやらねばならんとは。 114 00:08:12,959 --> 00:08:15,628 行くんだな なら私も…。 115 00:08:15,628 --> 00:08:18,965 うぬは ここに残り ルナとネルルを守れ。 116 00:08:18,965 --> 00:08:21,301 あっ… どうして!? 魔獣王の我が➨ 117 00:08:21,301 --> 00:08:25,305 特定の人属のために動いていると 知られたくはないからだ。 118 00:08:25,305 --> 00:08:29,142 出るからには相応の理由がいる。 119 00:08:29,142 --> 00:08:31,311 ウィザードとドレル…。 120 00:08:31,311 --> 00:08:34,314 秘かに魔獣の子を さらっているのなら➨ 121 00:08:34,314 --> 00:08:36,983 魔獣王の我が それを問い詰めるのは➨ 122 00:08:36,983 --> 00:08:38,985 ごく自然なこと。 123 00:08:38,985 --> 00:08:43,823 ついでに ウィザードとやらの力が どんなものか 見てやろう。 124 00:08:43,823 --> 00:08:47,660 親の仇と逸る気持ちも あるのであろうが➨ 125 00:08:47,660 --> 00:08:50,663 うぬの出る幕はない。 くっ…。 126 00:08:50,663 --> 00:08:52,665 それに うぬは➨ 127 00:08:52,665 --> 00:08:57,337 ドレルと戦うなと 言われていたのであろう? 128 00:08:57,337 --> 00:08:59,939 それが父との約束…。 129 00:08:59,939 --> 00:09:03,610 戦争は 勇者の道に反していると…。 130 00:09:03,610 --> 00:09:06,946 だが 私はとっくに勇者じゃない。 131 00:09:06,946 --> 00:09:11,618 おまえの魔血で動く 歩く屍…。 132 00:09:11,618 --> 00:09:14,621 親の仇くらい 取りたいと思ったって➨ 133 00:09:14,621 --> 00:09:16,623 いいじゃないか…。 134 00:09:16,623 --> 00:09:21,628 勇者か そうでないかは うぬ自身が決めることなのか? 135 00:09:21,628 --> 00:09:25,632 なっ…。 剣を持てば 勇者なのか? 136 00:09:25,632 --> 00:09:28,635 魔獣を殺せば 勇者と呼ばれるのか? 137 00:09:28,635 --> 00:09:33,039 そもそも うぬは 何をしたくて勇者になった? 138 00:09:35,308 --> 00:09:40,313 世界を もっと 広くしたかったからだ…。 139 00:09:40,313 --> 00:09:44,317 そうか。 140 00:09:44,317 --> 00:09:47,654 ネルルの世界は広くなったな。 141 00:09:47,654 --> 00:09:49,656 あっ…。 142 00:09:49,656 --> 00:09:51,658 (クレン)我は 一度たりとも➨ 143 00:09:51,658 --> 00:09:55,328 勇者をやめろなどと 命じた覚えはないぞ。 144 00:09:55,328 --> 00:09:57,664 あっ…。 やめたいと言うのなら➨ 145 00:09:57,664 --> 00:10:00,366 止めはせんがな。 146 00:10:06,673 --> 00:10:09,676 待て クレン! 147 00:10:09,676 --> 00:10:13,346 (アリシア)油断なんかするなよ。 148 00:10:13,346 --> 00:10:17,517 キサマは我を誰だと思っている。 149 00:10:17,517 --> 00:10:21,354 あう… きゃう。 ルナ様 すごい。 150 00:10:21,354 --> 00:10:23,356 ひゃあ…。 151 00:10:23,356 --> 00:10:26,059 わぁ…。 あっ… キャア! 152 00:10:30,029 --> 00:10:33,032 ネルル。 勇者様。 153 00:10:33,032 --> 00:10:36,703 主様は どちらかへ 行かれたのれすか? 154 00:10:36,703 --> 00:10:39,372 アイツなら すぐ戻るさ。 155 00:10:39,372 --> 00:10:41,674 望んでなくたってな。 156 00:10:46,045 --> 00:10:48,047 (クレバテス)フン…。 157 00:10:58,057 --> 00:11:03,363 ウオー! 158 00:11:09,669 --> 00:11:16,342 ♬~ 159 00:11:16,342 --> 00:11:18,344 ガオー。 160 00:11:20,680 --> 00:11:22,682 (ミケル)第二の砦が…。 161 00:11:22,682 --> 00:11:24,684 (ロッド)くっ あんなにあっさり…。 162 00:11:24,684 --> 00:11:27,353 (ミケル)どうする? ロッド。 ふっ! 163 00:11:27,353 --> 00:11:29,689 (ミケル)勝手に国境を越えてきたが➨ 164 00:11:29,689 --> 00:11:32,025 この勢いじゃ ハイドラートまで あっという間だ。 165 00:11:32,025 --> 00:11:34,027 増援も間に合わないぞ! 166 00:11:34,027 --> 00:11:36,029 やるしかない ミケル! 167 00:11:36,029 --> 00:11:38,698 この先に 底の浅い幅広の川がある。 168 00:11:38,698 --> 00:11:40,700 そこで止める! 169 00:11:44,704 --> 00:11:46,706 (ファビオ)やっ! 170 00:11:51,544 --> 00:11:54,047 寝ちゃいましたね。 だな。 171 00:11:54,047 --> 00:11:56,049 《痛い 痛い! 172 00:11:56,049 --> 00:11:58,051 (2人)あっ…。 173 00:11:58,051 --> 00:12:02,655 (マーク)卑しい山賊め! やめ やめて…。 174 00:12:02,655 --> 00:12:05,658 よくも ノコノコ出てきやがったな。 175 00:12:05,658 --> 00:12:08,661 (マーク)シロンは 俺たち 木工職人の町だ! 176 00:12:08,661 --> 00:12:13,666 うらっ! オレはただ 逃げてきただけ…。 177 00:12:13,666 --> 00:12:17,337 (アリシア)鴉の残党か…。 178 00:12:17,337 --> 00:12:20,673 うっ…。 《まだ奴らが怖いんだな》 179 00:12:20,673 --> 00:12:22,675 大丈夫だ ネルル。 180 00:12:22,675 --> 00:12:25,678 今のおまえを見て 気付く奴はいないさ。 181 00:12:25,678 --> 00:12:29,349 もう悪さはしま… あっ。 182 00:12:29,349 --> 00:12:33,353 アイツだ! あの勇者が オレらのアジトにタコを…。 183 00:12:33,353 --> 00:12:36,356 うん? アイツさえ現れなきゃ…。 184 00:12:36,356 --> 00:12:39,359 何が勇者だ! ふざけやがって! あっ…。 185 00:12:39,359 --> 00:12:41,361 あっ…。 勇者が生きてたら 今頃➨ 186 00:12:41,361 --> 00:12:44,364 この国は こうはなっていないんだよ! 187 00:12:44,364 --> 00:12:46,699 (マーク)かまわねえ コイツも木に吊るしてやれ! 188 00:12:46,699 --> 00:12:48,701 やめてぇ! 189 00:12:52,038 --> 00:12:54,540 (マーク)今日だけで鴉が9人か…。 190 00:12:54,540 --> 00:12:59,045 エルベの縦坑にデカイタコが出た ってのは 本当かもな。 191 00:12:59,045 --> 00:13:03,316 古来種か… ったく この国はどうなっちまってんだ。 192 00:13:03,316 --> 00:13:07,320 クレバテスの出現に ボーレートの進軍。 193 00:13:07,320 --> 00:13:09,656 悪い噂しか聞こえてこねぇ。 194 00:13:09,656 --> 00:13:13,359 世も末だぜ。 ハア…。 195 00:13:15,328 --> 00:13:19,666 なんにしても オレたちの町は オレたちの手で守るぞ。 196 00:13:19,666 --> 00:13:24,671 老人から子供まで 力のあるヤツは全員武装させろ! 197 00:13:24,671 --> 00:13:27,340 こっちだ! ほら 行くぞ。 198 00:13:27,340 --> 00:13:30,343 さすがにピリピリしているな。 199 00:13:30,343 --> 00:13:32,679 ネルル 頼みがある。 200 00:13:32,679 --> 00:13:34,681 はいれす 勇者様。 201 00:13:34,681 --> 00:13:37,016 町では 勇者ではなく➨ 202 00:13:37,016 --> 00:13:39,018 アリシアと呼んでくれないか? 203 00:13:39,018 --> 00:13:41,020 お嫌れしたか? 204 00:13:41,020 --> 00:13:43,623 今は正体を伏せておきたいんだ。 205 00:13:49,696 --> 00:13:53,700 (ピート)うん? (フィル)あん? 何だ おまえら。 206 00:13:53,700 --> 00:13:56,369 まさか 山賊の仲間か? 207 00:13:56,369 --> 00:14:00,640 いや 私らは…。 (カーリ)およしな 息子たち。 208 00:14:00,640 --> 00:14:02,642 うん…。 母ちゃん。 209 00:14:02,642 --> 00:14:05,144 (カーリ)赤子が起きちまうだろ。 210 00:14:05,144 --> 00:14:07,980 うん? あぁ…。 211 00:14:07,980 --> 00:14:12,318 だけどよ 母ちゃん コイツ眼帯だし 剣持ってるし。 212 00:14:12,318 --> 00:14:14,320 うん。 剣のひとつもなきゃ➨ 213 00:14:14,320 --> 00:14:16,989 このご時世 外も歩けないさ。 214 00:14:16,989 --> 00:14:20,993 図体ばかりデカくても 肝っ玉が小さいね フィル。 215 00:14:20,993 --> 00:14:22,995 父親そっくりだ。 216 00:14:22,995 --> 00:14:28,000 ピート アンタは緊張すると 「うん」しか言えないクセを直しな。 217 00:14:28,000 --> 00:14:31,003 うん…。 すまないね お客さん。 218 00:14:31,003 --> 00:14:33,339 あたしゃ ここの主人のカーリだ。 219 00:14:33,339 --> 00:14:36,676 その子 純血のハイデン人だね。 220 00:14:36,676 --> 00:14:40,346 (カーリ)浅紅色の髪に尖った耳…。 221 00:14:40,346 --> 00:14:43,349 田舎じゃ 純血の子はめずらしい。 222 00:14:43,349 --> 00:14:46,352 ひとまず 事情を話してくれないかい? 223 00:14:46,352 --> 00:14:51,023 内容によっちゃあ このバカ二人を けしかけなきゃならないんでね。 224 00:14:51,023 --> 00:14:53,359 わっ…。 私らは➨ 225 00:14:53,359 --> 00:14:56,362 さる高貴な御方に仕える護衛だ。 226 00:14:56,362 --> 00:14:59,365 今は この子を護るために 働いている。 227 00:15:01,300 --> 00:15:03,302 《嘘は吐いていない》 228 00:15:05,304 --> 00:15:07,974 いいだろ。 か 母ちゃん! 229 00:15:07,974 --> 00:15:11,644 どうせ アンタの雇い主も ハイドラートから逃げ出した➨ 230 00:15:11,644 --> 00:15:15,314 貴族かなんかだろ。 目的は知ったこっちゃないが➨ 231 00:15:15,314 --> 00:15:18,651 お金を落としてくれるんなら こっちも助かる。 232 00:15:18,651 --> 00:15:23,322 で 必要なのは酒かい? 食料かい? 233 00:15:23,322 --> 00:15:25,992 フウ… 部屋を借りたい。 234 00:15:25,992 --> 00:15:30,997 (アリシア)赤子が安心して眠れるベッドと 二人分の食事を。 235 00:15:30,997 --> 00:15:35,334 一泊銀貨二枚 前金で二日分頂くよ。 236 00:15:35,334 --> 00:15:39,005 (アリシア)わかった。 まいど。 237 00:15:39,005 --> 00:15:42,341 部屋は そこの階段を上がった 一番右だよ。 238 00:15:42,341 --> 00:15:44,677 ありがとう。 言っとくが オレたちは➨ 239 00:15:44,677 --> 00:15:48,681 余所者を信用しねえからな。 うん うん。 240 00:15:48,681 --> 00:15:50,683 おらっ! い いてっ! 241 00:15:50,683 --> 00:15:54,020 バカやってないで さっさと荷物を運んでやりな! 242 00:15:54,020 --> 00:15:56,689 だから アンタらはモテないんだよ。 243 00:15:56,689 --> 00:15:59,025 わ 私なら大丈夫れす。 244 00:15:59,025 --> 00:16:02,628 いいから貸せ モテたい…。 245 00:16:02,628 --> 00:16:04,964 なんだよ 兄貴 抜けがけかよ! 246 00:16:04,964 --> 00:16:09,302 フン。 では…。 247 00:16:09,302 --> 00:16:11,971 うっ ぬあっ…。 どうした? 兄貴。 248 00:16:11,971 --> 00:16:14,307 良かったな ネルル。 はい。 249 00:16:14,307 --> 00:16:17,643 見てないで手伝え! お おう…。 250 00:16:17,643 --> 00:16:19,979 う~ん…。 うお…。 251 00:16:19,979 --> 00:16:22,648 あぁ いったい 何が詰まってんだ。 252 00:16:22,648 --> 00:16:24,984 めちゃくちゃ重い…。 253 00:16:24,984 --> 00:16:27,320 (カーリ)どうだい 気に入ったかい? 254 00:16:27,320 --> 00:16:31,490 あぁ とても。 ベッドも鉄製で立派だ。 255 00:16:31,490 --> 00:16:35,661 木工職の町なのに 鉄のベッドってのも不思議だろ? 256 00:16:35,661 --> 00:16:39,332 何十年も前に 城の椅子作りの礼にと➨ 257 00:16:39,332 --> 00:16:42,001 国王がくださったんだよ。 258 00:16:42,001 --> 00:16:45,338 なのに こんなことになっちまって…。 259 00:16:45,338 --> 00:16:50,343 国王が死んで 戦争になって この先 どうなんだか…。 260 00:16:50,343 --> 00:16:54,013 すまない…。 なんで アンタが謝んだい。 261 00:16:54,013 --> 00:16:58,351 ともかく ゆっくりしてってくれ。 262 00:16:58,351 --> 00:17:02,288 あっ 必要なものがあれば言いな。 (ドアの閉まる音) 263 00:17:02,288 --> 00:17:05,958 ひとまず ルナ様をベッドに寝かせませんか? 264 00:17:05,958 --> 00:17:07,960 そうだな。 265 00:17:14,300 --> 00:17:17,637 (メイナード)おやおや どうやら もう見つけちゃったよ。 266 00:17:17,637 --> 00:17:21,307 フフフ さぁ 可愛い虫たち➨ 267 00:17:21,307 --> 00:17:24,310 狙いは消えたハイデンの王子…。 268 00:17:24,310 --> 00:17:26,312 行け! 269 00:17:30,983 --> 00:17:34,320 《アリシア:ここからでも 月の山が見える…。 270 00:17:34,320 --> 00:17:37,990 クレバテスは もう戦場に着いた頃か?》 271 00:17:37,990 --> 00:17:39,992 ルナは どうだ? 272 00:17:39,992 --> 00:17:42,662 もうすぐ起きると思います。 273 00:17:42,662 --> 00:17:45,364 (ネルル)見てください アリシア様。 うん? 274 00:17:47,333 --> 00:17:50,002 最初の歯が生えてるんれすよ。 275 00:17:50,002 --> 00:17:55,007 本当だ ちっちゃいな。 何もかも ちっちゃいれす。 276 00:17:55,007 --> 00:17:57,343 (ノック) 277 00:17:57,343 --> 00:17:59,345 食事の用意ができたよ。 278 00:17:59,345 --> 00:18:03,282 おっと… 下で食べないんなら 取りに来とくれ。 279 00:18:03,282 --> 00:18:06,285 はいれす。 私が行こう。 280 00:18:06,285 --> 00:18:08,955 ルナも きっと起きるだろうから。 281 00:18:08,955 --> 00:18:12,625 酒が足りねえぞ! ハハハハ! 282 00:18:12,625 --> 00:18:15,294 夜は騒がしくて すまないね。 283 00:18:15,294 --> 00:18:19,298 違うだろ。 だから オレが言ってやったんだ。 284 00:18:19,298 --> 00:18:22,969 カウンターの奥に置いてあるから 持っていっておくれ。 285 00:18:22,969 --> 00:18:25,972 (ガビ)誰だい? カーリ その女。 286 00:18:25,972 --> 00:18:29,642 少なくとも アンタの女じゃないよ ガビ。 287 00:18:29,642 --> 00:18:32,311 (カーリ)赤子もいんだから ちょっかい出さないでおくれよ。 288 00:18:32,311 --> 00:18:36,649 ちっ なんだ コブ付きか。 (笑い声) 289 00:18:36,649 --> 00:18:41,320 にしても 国王様が死んだってのは 本当に本当なのか? 290 00:18:41,320 --> 00:18:45,324 あぁ 魔獣王討伐に失敗して 逆に殺されたんだと。 291 00:18:45,324 --> 00:18:47,660 勇者たちは何してやがったんだ。 292 00:18:47,660 --> 00:18:50,997 勇者なんて肩書き ただの飾りさ。 293 00:18:50,997 --> 00:18:55,334 あいつら 王の至宝の剣欲しさに 勇者になっただけだ。 294 00:18:55,334 --> 00:18:58,671 ひどいヤツなんて 授かったその日に売りやがった。 295 00:18:58,671 --> 00:19:01,941 剣を作っても 伝承に挑む者はいない。 296 00:19:01,941 --> 00:19:06,612 だから王は この十五年 鉄を打つのを止めたんだ。 297 00:19:06,612 --> 00:19:10,282 なのに ここにきて 十三人も勇者を選んだ。 298 00:19:10,282 --> 00:19:13,619 聞いた話じゃ 城の前で パレードまでしたそうだ。 299 00:19:13,619 --> 00:19:16,622 マジかよ。 (ガビ)魔獣王を必ず倒すと➨ 300 00:19:16,622 --> 00:19:18,624 豪語していたに違いないぜ。 301 00:19:18,624 --> 00:19:21,627 パレードまでして 返り討ちなんて 目も当てられねえ。 302 00:19:21,627 --> 00:19:24,296 しくじり勇者め。 王が死んだのも➨ 303 00:19:24,296 --> 00:19:26,966 城が落ちたのも 勇者のせいだ。 304 00:19:26,966 --> 00:19:29,635 ボーレートの進軍を 許しちまったのもだ。 305 00:19:29,635 --> 00:19:32,304 全部 夢見がちな勇者が悪い。 306 00:19:32,304 --> 00:19:34,306 (ガビ)エドセアの外を目指すとか➨ 307 00:19:34,306 --> 00:19:36,976 地に足が着いていないから こうなる。 308 00:19:36,976 --> 00:19:39,311 オレらみたいに 真っ当に働かないから➨ 309 00:19:39,311 --> 00:19:41,647 そんなバカみたいな夢を見たんだ。 310 00:19:41,647 --> 00:19:45,317 《これが今の勇者の評価か…》 311 00:19:45,317 --> 00:19:51,657 (ざわめき) 312 00:19:51,657 --> 00:19:53,659 あっ…。 313 00:19:53,659 --> 00:19:55,995 《魔獣の気配!?》 314 00:19:55,995 --> 00:19:58,330 あっ…。 うん!? 315 00:19:58,330 --> 00:20:00,100 誰だい!? ウチの窓を割ったのは! 316 00:20:00,100 --> 00:20:03,669 何だこれ? そいつに触れるな! 317 00:20:03,669 --> 00:20:07,673 うん? うあっ! 318 00:20:07,673 --> 00:20:10,342 虫!? いたい! 319 00:20:10,342 --> 00:20:12,678 兄貴! 320 00:20:12,678 --> 00:20:15,347 ただの虫ではないですよ。 321 00:20:15,347 --> 00:20:17,683 魔獣たちの棲息地に棲み➨ 322 00:20:17,683 --> 00:20:21,020 魔獣たちと対等に存在する虫たち。 323 00:20:21,020 --> 00:20:25,691 つまり アメージングな虫ってことさ。 324 00:20:25,691 --> 00:20:28,360 あまり動かない方がいいですよ。 325 00:20:28,360 --> 00:20:31,030 下手に刺激すると ボクが命じなくても➨ 326 00:20:31,030 --> 00:20:35,034 勝手に攻撃してしまう なんせ虫なんで。 327 00:20:35,034 --> 00:20:37,369 虫を使うウィザードか! 328 00:20:37,369 --> 00:20:40,039 《しまった 剣は部屋に置いたままだ》 329 00:20:40,039 --> 00:20:42,708 オ オレは逃げる 逃げるぞ! 330 00:20:42,708 --> 00:20:47,046 ガビ! 足の多い虫は苦手なんだ! 331 00:20:47,046 --> 00:20:49,048 ヒヒ… へっ? 332 00:20:49,048 --> 00:20:51,050 ヒイー! 333 00:20:51,050 --> 00:20:54,053 虫 虫 虫…あっ あぁ! 334 00:20:56,055 --> 00:20:59,058 あぁ そうそう 言い忘れていたけど➨ 335 00:20:59,058 --> 00:21:01,994 外にも いっぱいいるからね 虫。 336 00:21:01,994 --> 00:21:04,663 ついでに 町をぐるりと包囲して➨ 337 00:21:04,663 --> 00:21:08,334 ネズミ一匹 外へ逃がさないよう 命じている。 338 00:21:08,334 --> 00:21:10,336 何なんだ この虫は!? 339 00:21:10,336 --> 00:21:12,338 まぁ 死にたくないのなら➨ 340 00:21:12,338 --> 00:21:15,007 逃げ出そうなんて 考えないことだね。 341 00:21:15,007 --> 00:21:18,344 何なんだい アンタ 何が目的だい!? 342 00:21:18,344 --> 00:21:23,015 これは失礼 まだ名乗っていなかったね。 343 00:21:23,015 --> 00:21:25,017 ボクの名は メイナード・スワン。 344 00:21:27,019 --> 00:21:32,358 ドレル将軍率いるボーレート軍の 最高位魔道士だよ。 345 00:21:32,358 --> 00:21:36,028 あっ…。 ボーレート!? もう こんな所まで!? 346 00:21:36,028 --> 00:21:38,364 そして 目的は一つ。 347 00:21:38,364 --> 00:21:40,699 ここにいるハイデン人の赤子が➨ 348 00:21:40,699 --> 00:21:43,702 王家の血を引く者か どうかを 確かめることだ。 349 00:21:43,702 --> 00:21:45,704 あっ…。 (ネルル)キャア! 350 00:21:45,704 --> 00:21:47,706 あっ ネルル! 351 00:21:47,706 --> 00:21:49,708 (ルナの泣き声) 352 00:21:49,708 --> 00:21:53,112 (ナイエ)面倒なので 最初に説明しますね。 353 00:21:57,049 --> 00:21:59,652 (ナイエ)私は ナイエ・シフォンリッツ。 354 00:22:01,654 --> 00:22:04,323 ボーレート軍の上位魔道士です。 355 00:22:04,323 --> 00:22:08,327 くっ…。 (ルナの泣き声)