1 00:00:38,872 --> 00:00:41,875 (アリシア)えいっ やっ! 2 00:00:41,875 --> 00:00:43,977 えいっ! 3 00:00:46,046 --> 00:00:48,048 それ! 4 00:00:48,048 --> 00:00:50,717 (マルゴ)帰るよ アリシア。 5 00:00:50,717 --> 00:00:54,554 あっ… うん! お父さん! 6 00:00:54,554 --> 00:00:58,892 うわぁ~ フフフッ! 7 00:00:58,892 --> 00:01:01,395 ああっ フフフフ! 8 00:01:14,575 --> 00:01:17,911 ん~ ん~? 9 00:01:17,911 --> 00:01:19,913 ねぇ お父さん。 10 00:01:19,913 --> 00:01:24,418 この地図って なんで えどせあの周りは 真っ黒なの? 11 00:01:24,418 --> 00:01:27,754 アリシアも それが 気になるようになったんだね。 12 00:01:27,754 --> 00:01:30,757 ねぇねぇ なんで? 13 00:01:30,757 --> 00:01:32,926 わからないんだ。 14 00:01:32,926 --> 00:01:35,529 え? なんで? 15 00:01:35,529 --> 00:01:40,534 (マルゴ)世界は エドセア大陸の 向こうにも きっとある。 16 00:01:40,534 --> 00:01:45,372 けど この黒い部分には 恐ろしい魔獣たちが棲んでいてね。 17 00:01:45,372 --> 00:01:47,708 まじゅう…。 18 00:01:47,708 --> 00:01:52,045 (マルゴ)中でも大陸の東西南北を守る 四大魔獣王は➡ 19 00:01:52,045 --> 00:01:56,383 これまで送り出した 探検隊 調査隊を全滅させている。 20 00:01:56,383 --> 00:01:59,886 ぜんめつ? みんな死んじゃったの? 21 00:01:59,886 --> 00:02:01,888 四大魔獣王たちは➡ 22 00:02:01,888 --> 00:02:05,225 人が エドセアの果ての 更に果てに行くことを➡ 23 00:02:05,225 --> 00:02:07,728 ずっと邪魔してきたんだ。 24 00:02:07,728 --> 00:02:12,733 世界は もっともっと 大きいはずなのにね。 25 00:02:12,733 --> 00:02:15,902 ふ~ん じゃあ アリシアたち➡ 26 00:02:15,902 --> 00:02:19,740 えどせあの中で ずっと暮らさなきゃいけないんだ。 27 00:02:19,740 --> 00:02:22,242 そうかもしれない。 28 00:02:22,242 --> 00:02:25,746 けど もし 伝説のとおりになれば…。 29 00:02:25,746 --> 00:02:27,914 伝説? そう。 30 00:02:27,914 --> 00:02:30,417 エドセアの古い伝説。 31 00:02:30,417 --> 00:02:33,520 勇者の中の勇者。 32 00:02:33,520 --> 00:02:38,525 ハイデンの王より賜りし武器で 四体の魔獣王を倒す。 33 00:02:38,525 --> 00:02:43,864 人々は 世界の本当の大きさを知る。 34 00:02:43,864 --> 00:02:45,866 だいたい そんな感じだ。 35 00:02:45,866 --> 00:02:48,201 魔獣王って強いの? 36 00:02:48,201 --> 00:02:50,203 そりゃ 強いさ。 37 00:02:50,203 --> 00:02:52,873 噂じゃ 天地を引き裂くって話だ。 38 00:02:52,873 --> 00:02:56,043 そんなの絶対勝てない。 だからさ。 39 00:02:56,043 --> 00:03:01,048 ハイデンの王から特別な武器を 賜る必要があるんだよ。 40 00:03:01,048 --> 00:03:04,384 勇者のみに与えられるという その武器は➡ 41 00:03:04,384 --> 00:03:07,721 持ち手の能力を 何倍にも高めてくれるという。 42 00:03:07,721 --> 00:03:14,394 アリシア その武器欲しい! 勇者と認められなければ無理だよ。 43 00:03:14,394 --> 00:03:18,565 そして それは難しい。 44 00:03:18,565 --> 00:03:21,234 私なる! 勇者に! 45 00:03:21,234 --> 00:03:26,440 勇者になって 世界をもっと も~っと大きくする! 46 00:03:26,440 --> 00:03:28,708 ヒヒヒヒ! 47 00:03:55,869 --> 00:03:59,206 《アリシア:いよいよだ 父さん。 48 00:03:59,206 --> 00:04:03,210 私の夢に 答えを出す時が来た》 49 00:04:09,382 --> 00:04:13,386 (カッツ)それにしても 至宝が これだけそろうと➡ 50 00:04:13,386 --> 00:04:15,889 さすがに壮観だな。 51 00:04:15,889 --> 00:04:21,895 (ホルガス)うむ 勇者の称号を 得た者に託される伝説の武器…。 52 00:04:21,895 --> 00:04:25,398 (ミルロ)気をつけろ 我らの武器は至宝だぞ。 53 00:04:25,398 --> 00:04:29,236 こんな馬車 簡単に壊れてしまう。 54 00:04:29,236 --> 00:04:32,072 帰りの足が なくなるのは困るな。 55 00:04:32,072 --> 00:04:35,208 (笑い声) 56 00:04:35,208 --> 00:04:38,211 皆 国はバラバラの寄せ集めか。 57 00:04:38,211 --> 00:04:41,214 ドーン人に ハイデン。 58 00:04:41,214 --> 00:04:44,718 ボーレートはいないが… 君は? 59 00:04:44,718 --> 00:04:48,889 いろいろ混ざっていてな。 俺にもよくわからん。 60 00:04:48,889 --> 00:04:50,891 複雑なようだな。 61 00:04:50,891 --> 00:04:54,394 それにしても 女性の勇者とはな。 62 00:04:54,394 --> 00:04:56,897 (ホルガス)出身は どこなのだ? 63 00:04:56,897 --> 00:04:58,899 (ミルロ)名前も まだ聞いてなかったな。 64 00:04:58,899 --> 00:05:02,068 (ステファン)みんな ここはもう魔獣の領域だ。 65 00:05:02,068 --> 00:05:05,739 いつ襲われても おかしくないぞ。 66 00:05:05,739 --> 00:05:08,742 なぜ あいつが リーダー気取りなのだ? 67 00:05:08,742 --> 00:05:14,247 仕方ない。 彼が今回選ばれた中で 一番の実力者だ。 68 00:05:14,247 --> 00:05:16,216 (ホルガス)フン! 69 00:05:20,253 --> 00:05:22,222 (馬の嘶き) 70 00:05:28,595 --> 00:05:31,932 す すみません 勇者様方。 71 00:05:31,932 --> 00:05:35,669 道が険しく これ以上 馬車では…。 72 00:05:35,669 --> 00:05:39,339 ああ ありがとう。 みんな ここからは徒歩で…。 73 00:05:39,339 --> 00:05:42,175 (叫び声) 74 00:05:42,175 --> 00:05:45,011 ひぃ~! 魔獣だ! 魔獣が出た…。 75 00:05:45,011 --> 00:05:47,013 (うめき声) 76 00:05:51,351 --> 00:05:54,020 ここから先は 魔獣だらけだ。 77 00:05:54,020 --> 00:05:57,524 弓で活路を開き 槍兵が先陣を切って突撃する! 78 00:05:57,524 --> 00:05:59,526 (魔獣の鳴き声) 79 00:05:59,526 --> 00:06:02,929 討ちもらした魔獣は 私と彼女が引き受ける! 80 00:06:05,699 --> 00:06:08,368 (ステファン)誰ひとり欠けることなく 山頂を目指すぞ! 81 00:06:08,368 --> 00:06:10,370 (2人)おう! 82 00:06:10,370 --> 00:06:12,539 (咆哮) 83 00:06:12,539 --> 00:06:29,889 ♬~ 84 00:06:29,889 --> 00:06:35,695 (クレバテス)世界が 混沌より 生まれたというのであれば➡ 85 00:06:35,695 --> 00:06:39,666 我も そうなのであろう。 86 00:06:44,204 --> 00:06:46,706 (うめき声) 87 00:06:46,706 --> 00:06:49,209 うりゃ! えい! 88 00:06:49,209 --> 00:06:52,879 (咆哮) 89 00:06:52,879 --> 00:06:57,450 ぬぁ~ ぬお~っ! 90 00:07:01,388 --> 00:07:04,457 (咆哮) 91 00:07:08,228 --> 00:07:11,064 くっ! うぅ…。 92 00:07:11,064 --> 00:07:14,434 うぅ~ あぁ~! 93 00:07:24,577 --> 00:07:28,081 (うなり声) 94 00:07:28,081 --> 00:07:31,952 うお~ 斬撃波! 95 00:08:01,715 --> 00:08:07,387 ハァ… ハァ… ここが魔獣王の根城か。 96 00:08:19,733 --> 00:08:25,238 あと少しだ… あと少しで俺たちは 伝説をひとつ成し遂げた➡ 97 00:08:25,238 --> 00:08:27,907 最初の勇者になる…。 98 00:08:27,907 --> 00:08:31,077 あっ… 来るぞ! (地響き) 99 00:08:31,077 --> 00:08:34,247 (アリシア)この 月の山の主が! 100 00:08:53,666 --> 00:08:55,668 (一同)あっ! 101 00:08:55,668 --> 00:09:00,874 (カッツ)あれが… 四大魔獣王…。 102 00:09:04,010 --> 00:09:11,851 エドセアの南の果てを統べる 月光のクレバテス! 103 00:09:11,851 --> 00:09:14,187 (うなり声) 104 00:09:14,187 --> 00:09:16,356 (ムド)なんて圧だ…。 105 00:09:16,356 --> 00:09:20,360 (カッツ)ああ… これまでの魔獣とは ケタが違う。 106 00:09:20,360 --> 00:09:26,699 だが! 我々も ハイデン王に選ばれし 13人の勇者! 107 00:09:26,699 --> 00:09:28,701 この紅き至高の鋼と➡ 108 00:09:28,701 --> 00:09:33,406 その誇りに誓って やつを必ず倒す! 109 00:09:35,341 --> 00:09:44,117 行くぞ! (一同)うお~! 110 00:09:51,691 --> 00:09:54,527 あ… ああ あ…。 (カッツ)ステファン! 111 00:09:54,527 --> 00:09:56,496 あ… あ…。 112 00:09:59,699 --> 00:10:01,701 おのれ! あっ… 待て! 113 00:10:01,701 --> 00:10:04,204 みな 俺に続け! 114 00:10:04,204 --> 00:10:06,539 粉砕波! 115 00:10:06,539 --> 00:10:10,710 あっ! あの尾は まずい! いったん距離を… ぐわっ! 116 00:10:10,710 --> 00:10:13,546 バカな… まだ届く距離じゃ…。 117 00:10:13,546 --> 00:10:15,548 ぐえっ! 影だ! 118 00:10:15,548 --> 00:10:18,051 その攻撃は 影から来る! 影から!? 119 00:10:18,051 --> 00:10:20,386 ぐわっ! みんな 影から離れろ! 120 00:10:20,386 --> 00:10:22,889 離れろって…。 跳ぶんだ! 121 00:10:22,889 --> 00:10:25,558 跳べば 影は体から離れる! 122 00:10:25,558 --> 00:10:28,228 あっ… 空中疾走! 123 00:10:34,067 --> 00:10:37,737 《ふむ… 賢い》 124 00:10:37,737 --> 00:10:39,739 ぐっ! ぐえっ! 125 00:10:39,739 --> 00:10:43,743 《これが人間… いや 人属か…》 126 00:10:43,743 --> 00:10:49,015 うお~ 土石竜! 127 00:10:51,918 --> 00:10:55,922 うっ… この私の力をもってしても 制御できん! 128 00:10:55,922 --> 00:10:58,191 これが しほ… ぐわっ! 129 00:11:01,594 --> 00:11:04,264 一点突破! 130 00:11:07,267 --> 00:11:13,273 《こんな間近で見るのも久しい。 おおよそ千年ぶりか…》 131 00:11:13,273 --> 00:11:16,943 うお~! 132 00:11:16,943 --> 00:11:19,512 うっ! 133 00:11:25,785 --> 00:11:30,123 《虫と同列の 脆弱な生き物のはずだが➡ 134 00:11:30,123 --> 00:11:33,526 なぜ こんなところまで 来られた?》 135 00:11:33,526 --> 00:11:36,196 ぐわっ! 136 00:11:36,196 --> 00:11:44,871 《千年で何があった? そもそも目的は何だ?》 137 00:11:44,871 --> 00:11:47,473 いやぁ~! 138 00:11:51,377 --> 00:11:55,882 《こののちも我が地を 脅かすというのであれば➡ 139 00:11:55,882 --> 00:11:59,886 一度 確かめてみねばなるまい》 140 00:11:59,886 --> 00:12:02,989 あっ! ぐはっ…。 141 00:12:11,731 --> 00:12:17,070 《アリシア:父さん ごめん… ダメだったよ…。 142 00:12:17,070 --> 00:12:22,475 私の夢に 答えは出なかった…》 143 00:12:47,567 --> 00:12:50,436 (鉄を打つ音) 144 00:13:03,416 --> 00:13:06,919 はぁ~ んっ ん~。 145 00:13:06,919 --> 00:13:08,888 あぁ? 146 00:13:11,758 --> 00:13:15,028 うん? あぁ? 147 00:13:17,430 --> 00:13:19,399 どうした? 148 00:13:28,274 --> 00:13:30,276 (悲鳴) 149 00:13:30,276 --> 00:13:33,346 黒いオオカミ!? 魔獣だ! 魔獣が出た! 150 00:13:33,346 --> 00:13:38,685 (悲鳴) 151 00:13:38,685 --> 00:13:43,690 我が地に攻め入ってきた 勇者と名乗る者たちは➡ 152 00:13:43,690 --> 00:13:47,026 ハイデン王に選ばれたと言っていた。 153 00:13:47,026 --> 00:13:51,531 つまり ここの王が首謀者。 154 00:13:51,531 --> 00:13:55,368 すべきことは わかっている。 155 00:13:55,368 --> 00:13:58,371 近衛弓兵中隊 前へ! 156 00:13:58,371 --> 00:14:00,873 《こちらが そうされたように➡ 157 00:14:00,873 --> 00:14:05,178 立ちはだかる者は すべて殺し…》 158 00:14:09,549 --> 00:14:11,884 《王を目指す》 159 00:14:11,884 --> 00:14:13,886 第二射 斉射用意! 160 00:14:22,562 --> 00:14:27,767 (叫び声) 161 00:14:36,709 --> 00:14:39,979 急げ! 王城の守りを固めろ! 162 00:14:44,550 --> 00:14:49,722 目標! 進行中の魔獣 距離2,500メルテ なおも接近中! 163 00:14:49,722 --> 00:14:52,225 カタパルト発射用意 急げ! 164 00:14:52,225 --> 00:14:54,894 カタパルト発射用意 急げ! 165 00:14:56,896 --> 00:14:58,898 狙いよ~し! てぇ~! 166 00:14:58,898 --> 00:15:00,967 発射! 167 00:15:08,074 --> 00:15:10,076 次弾発射 急げ! 168 00:15:10,076 --> 00:15:12,445 絶対王城へ近づけるな! 169 00:15:19,252 --> 00:15:21,420 てぇ~! 170 00:15:23,923 --> 00:15:27,693 《やはり 虫程度の手応えしか感じぬ》 171 00:15:30,429 --> 00:15:32,932 (叫び声) 172 00:15:32,932 --> 00:15:36,836 陛下 陛下! ハァハァハァ…。 173 00:15:36,836 --> 00:15:39,505 (ハイデン王)何事か? 174 00:15:39,505 --> 00:15:42,175 魔獣が 魔獣が城下に現れました! 175 00:15:42,175 --> 00:15:44,844 おそらく…。 よい。 176 00:15:44,844 --> 00:15:48,014 何者かは 察しがつく。 177 00:15:48,014 --> 00:15:51,017 勇者たちが しくじったか。 178 00:15:51,017 --> 00:15:58,191 ハイデンの刃は… マナハイドライトの練度は 我が代では届かなかった。 179 00:15:58,191 --> 00:16:02,195 (地響き) 180 00:16:02,195 --> 00:16:05,531 魔獣め 王城に とりついたな。 181 00:16:05,531 --> 00:16:08,201 お逃げを 国王様! あれは止められません! 182 00:16:08,201 --> 00:16:11,370 止められぬのなら逃げても無駄。 183 00:16:11,370 --> 00:16:14,207 炉を閉じる。 184 00:16:14,207 --> 00:16:19,712 ハイデンの火は 絶やしてはならぬ。 185 00:16:19,712 --> 00:16:25,551 東門扉 1番から6番 開け! 東門扉 1番から6番 開け! 186 00:16:25,551 --> 00:16:30,556 連弩砲 1番から6番 出せ~! 連弩砲 1番から6番 出せ~! 187 00:16:30,556 --> 00:16:35,194 第2連弩砲中隊 配置につけ~! 第2連弩砲中隊 配置につけ~! 188 00:16:35,194 --> 00:16:38,197 連弩砲 1番から6番 配置よし! 189 00:16:38,197 --> 00:16:41,200 連弩砲 8番から10番 左90度 回頭! 190 00:16:41,200 --> 00:16:43,870 狙いは 王城にとりつく魔獣! 191 00:16:43,870 --> 00:16:45,872 照準 急げ~! 192 00:16:45,872 --> 00:16:48,541 それでは王城にも被害が! 王の城を➡ 193 00:16:48,541 --> 00:16:50,543 王の弩級をもって撃つなど! 194 00:16:50,543 --> 00:16:53,412 陛下と王家の炉さえ お守りできればいいんだ! 195 00:16:57,049 --> 00:17:00,052 《勇者は何か違ったのか?》 196 00:17:00,052 --> 00:17:02,221 てぇ~! 197 00:17:05,391 --> 00:17:07,894 《やはり武器か。 198 00:17:07,894 --> 00:17:12,565 あの赤い刃は 我が角をも傷つけた。 199 00:17:12,565 --> 00:17:16,903 虫程度の力でも身につけるもので 脅威になりうる》 200 00:17:16,903 --> 00:17:18,905 第二斉射! 第二斉射! 201 00:17:18,905 --> 00:17:20,907 てぇ~! 202 00:17:20,907 --> 00:17:22,909 (叫び声) 203 00:17:22,909 --> 00:17:29,415 《それが人属の特質ならば 今 見極めねばなるまい。 204 00:17:29,415 --> 00:17:32,184 更なる力を身につける前に》 205 00:17:52,371 --> 00:17:55,041 んっ…。 206 00:17:55,041 --> 00:17:58,210 (衝撃音) 207 00:18:01,213 --> 00:18:03,382 ああっ! 208 00:18:14,393 --> 00:18:17,229 うわっ あぁ…。 209 00:18:17,229 --> 00:18:19,198 あっ! 210 00:18:21,233 --> 00:18:24,070 (叫び声) 211 00:18:24,070 --> 00:18:26,072 なっ…。 212 00:18:26,072 --> 00:18:28,574 (クレバテス)見つけたぞ。 あぁ…。 213 00:18:28,574 --> 00:18:31,544 その過剰な装飾…。 214 00:18:33,646 --> 00:18:37,149 キサマが ハイデンの王だな。 215 00:18:37,149 --> 00:18:40,152 魔獣王 クレバテス! 216 00:18:40,152 --> 00:18:44,824 獣の分際で人の言葉を発すか! 217 00:18:44,824 --> 00:18:48,327 言葉には気をつけよ ハイデンの王よ。 218 00:18:48,327 --> 00:18:53,833 キサマの返答次第では 我は 人属すべてを滅ぼす。 219 00:18:53,833 --> 00:18:57,003 人属すべてを? そうだ。 220 00:18:57,003 --> 00:19:08,848 ハイデンのみならず ドーン オーグ スラーダ ベント エドセアのすべての国と民を滅する。 221 00:19:08,848 --> 00:19:13,853 (クレバテス)キサマの命 国ひとつ滅ぼしたところで➡ 222 00:19:13,853 --> 00:19:20,526 本質が同じならば 別の者が また我が地を荒らしに現れるだけ。 223 00:19:20,526 --> 00:19:25,698 故に 我が知りたいのは キサマら人属の➡ 224 00:19:25,698 --> 00:19:30,036 体を飾りたて 歩く者たちの本質。 225 00:19:30,036 --> 00:19:35,174 キサマらは どういう生き物なのか答えよ。 226 00:19:35,174 --> 00:19:38,844 なぜ我が死を望んだ? 227 00:19:38,844 --> 00:19:42,114 獣には理解できまい。 228 00:19:47,520 --> 00:19:49,989 よくわかった。 229 00:20:12,378 --> 00:20:15,214 《まずは軍団を作る。 230 00:20:15,214 --> 00:20:19,552 人属を滅ぼすための軍団を》 231 00:20:19,552 --> 00:20:22,388 (泣き声) 232 00:20:22,388 --> 00:20:24,390 ん? 233 00:20:24,390 --> 00:20:32,732 (泣き声) 234 00:20:32,732 --> 00:20:35,568 《クレバテス:ハイデン人の赤子か》 235 00:20:35,568 --> 00:20:39,405 待って…。 (泣き声) 236 00:20:39,405 --> 00:20:50,749 この子を… 助けて… 助けて… ください…。 237 00:20:50,749 --> 00:20:54,587 《こやつ 目が見えておらぬのか?》 238 00:20:54,587 --> 00:20:57,756 我は クレバテス。 239 00:20:57,756 --> 00:21:00,593 人属すべてを殺すと決めた。 240 00:21:00,593 --> 00:21:07,433 恨むなら 人属として このハイデンに 生まれたことを恨むがいい。 241 00:21:07,433 --> 00:21:13,105 待って… 子供は➡ 242 00:21:13,105 --> 00:21:15,975 生まれる時と場所を選べない…。 243 00:21:19,945 --> 00:21:25,784 大人が あなたに どれだけ ひどいことをしたからって➡ 244 00:21:25,784 --> 00:21:33,526 ケホッ… それが この子の死ぬ理由に なるだなんて あんまりだ。 245 00:21:33,526 --> 00:21:36,862 まだ立てもしないのに…。 246 00:21:36,862 --> 00:21:42,868 我からすれば人属は人属。 大人も子供も変わりはせぬ。 247 00:21:45,704 --> 00:21:51,210 (クレバテス)成長すれば剣を取る。 我ら魔獣族に牙をむく。 248 00:21:51,210 --> 00:21:56,215 今の領分に満足せず 他の地を侵略し始める。 249 00:21:56,215 --> 00:22:00,886 何よりも危険で厄介な存在。 250 00:22:00,886 --> 00:22:04,223 故に我は滅ぼす。 251 00:22:04,223 --> 00:22:09,728 それでも なお そやつに 生かす価値があるというのなら➡ 252 00:22:09,728 --> 00:22:14,733 今 それを証明してみせよ。 253 00:22:14,733 --> 00:22:24,577 無理だ… だって ボクは… もう 死ぬ… もの…。 254 00:22:24,577 --> 00:22:35,554 でも それは きっと… この子が 証明する… から…➡ 255 00:22:35,554 --> 00:22:38,424 だか… ら…。 256 00:22:40,726 --> 00:22:44,563 (泣き声) 257 00:22:44,563 --> 00:22:53,572 (泣き声) 258 00:22:53,572 --> 00:22:58,544 (泣き声) 259 00:22:58,544 --> 00:23:02,214 《なんの説得力もないが。 260 00:23:02,214 --> 00:23:06,518 人の成長など我から見れば一瞬》 261 00:23:09,388 --> 00:23:12,992 《ならば 証明してみせよ》 262 00:23:40,519 --> 00:23:47,059 < その大地 エドセアには 5つの種族 人属がいた。 263 00:23:47,059 --> 00:23:49,395 1つ目の種族は ドーン。 264 00:23:49,395 --> 00:23:56,402 最も数が多く 建築と兵法に長け 大地の中央 ドーン平原を二分する➡ 265 00:23:56,402 --> 00:24:00,873 2大国家 エスリンとボーレートを築きあげた> 266 00:24:04,410 --> 00:24:07,413 <2つ目の種族は オーグ。 267 00:24:07,413 --> 00:24:11,483 勇敢な森の民で 狩りと薬学に長けていた> 268 00:24:15,087 --> 00:24:17,589 <3つ目の種族は スラーダ。 269 00:24:17,589 --> 00:24:22,961 水の民で 操船と泳ぎに長け 他種族との交流を嫌う> 270 00:24:26,765 --> 00:24:29,435 <4つ目の種族は ベント。 271 00:24:29,435 --> 00:24:31,437 荒野に住む野蛮な種族で➡ 272 00:24:31,437 --> 00:24:36,008 個の力に絶対の自信を持つが まとまりには欠けた> 273 00:24:40,012 --> 00:24:43,182 < そして 5つ目の種族が ハイデン。 274 00:24:43,182 --> 00:24:50,022 最も古い種族で謎が多く 精錬術と加工技術に長けていた。 275 00:24:50,022 --> 00:24:54,026 ハイデンは山深く 小さな国だったが➡ 276 00:24:54,026 --> 00:24:57,529 魔素を含む 魔鉱石から武器を作れるのは➡ 277 00:24:57,529 --> 00:25:00,866 彼らだけで その製法を知るのは➡ 278 00:25:00,866 --> 00:25:06,538 首都 ハイドラートに住む 王家の人間だけだった。 279 00:25:06,538 --> 00:25:10,042 武器取引による ドーン人との交流は長く➡ 280 00:25:10,042 --> 00:25:14,546 今では 混血のハーフハイデンが多数を占める。 281 00:25:14,546 --> 00:25:18,550 純血のハイデン人は まれだ。 282 00:25:18,550 --> 00:25:23,722 世界は エドセアにとどまらず 更なる広がりを見せていたが➡ 283 00:25:23,722 --> 00:25:28,394 この5種族が その先を知ることはなかった。 284 00:25:28,394 --> 00:25:34,867 なぜなら エドセアの外は 魔獣たちの棲み処であり➡ 285 00:25:34,867 --> 00:25:38,036 4体の魔獣王が それぞれの行く手を➡ 286 00:25:38,036 --> 00:25:40,506 阻んでいたからである> 287 00:25:57,389 --> 00:26:03,729 (うなり声) 288 00:26:03,729 --> 00:26:08,400 うっ… うぅ うぅ…。 289 00:26:08,400 --> 00:26:10,469 うっ うぅ…。 290 00:26:16,742 --> 00:26:19,244 (泣き声) 291 00:26:19,244 --> 00:26:23,582 《やれやれ。 これは簡単に死んでしまうな》 292 00:26:23,582 --> 00:26:25,751 (泣き声) 293 00:26:25,751 --> 00:26:27,920 《どうしたものか》 294 00:26:27,920 --> 00:26:32,491 (泣き声) 295 00:26:36,829 --> 00:26:40,666 《こうやって 体力を回復することはできるが➡ 296 00:26:40,666 --> 00:26:43,669 ただの一時しのぎ。 297 00:26:43,669 --> 00:26:47,339 根本的な問題の解決にはならん。 298 00:26:47,339 --> 00:26:51,844 そもそも なぜ このような薄い皮を巻いている? 299 00:26:51,844 --> 00:26:55,347 あまりに弱い肉体を 守るためであろうが➡ 300 00:26:55,347 --> 00:26:59,351 これでは 糞尿に まみれてしまうではないか。 301 00:26:59,351 --> 00:27:01,687 よいのか? これで》 302 00:27:01,687 --> 00:27:04,022 うっ… うぅ…。 303 00:27:04,022 --> 00:27:10,195 (泣き声) 304 00:27:10,195 --> 00:27:16,034 《よいわけがないな。 おのれ 面倒この上ない》 305 00:27:16,034 --> 00:27:18,437 (泣き声) 306 00:27:20,706 --> 00:27:22,708 うっ… うえっ。 307 00:27:25,043 --> 00:27:27,045 (泣き声) 308 00:27:27,045 --> 00:27:31,550 そやつらは 血肉を食らわず 器用に糞尿をさらう。 309 00:27:31,550 --> 00:27:34,553 じっとしておれば清潔になろう。 310 00:27:38,857 --> 00:27:41,360 うっ うっ う…。 311 00:27:41,360 --> 00:27:43,862 わめくな。 (泣き声) 312 00:27:43,862 --> 00:27:46,198 人属の赤子など➡ 313 00:27:46,198 --> 00:27:50,035 数度寝ているうちに 大人になると思っておったが➡ 314 00:27:50,035 --> 00:27:54,373 まだ最初の夜すら 明けておらんとは…。 315 00:27:54,373 --> 00:27:59,645 ((子供は… 生まれる時と場所を選べない…。 316 00:28:02,714 --> 00:28:08,387 それは きっと… この子が 証明するから…)) 317 00:28:08,387 --> 00:28:12,057 《なぜ 聞き入れてしまったのか》 318 00:28:12,057 --> 00:28:15,227 (泣き声) 319 00:28:15,227 --> 00:28:22,000 《だが 一度決めたことを 違えるなど魔獣王の名折れ》 320 00:28:25,737 --> 00:28:30,075 必ず うぬの成長を見届ける。 321 00:28:30,075 --> 00:28:33,845 この大地 エドセアに群れる➡ 322 00:28:33,845 --> 00:28:42,621 人属すべての命運を決めるために 今 必要なのは こやつの…。 323 00:28:49,194 --> 00:28:52,030 ((父さん! 父さん! 324 00:28:52,030 --> 00:28:54,366 立って 父さん! 325 00:28:54,366 --> 00:28:57,035 アリ… シア…。 326 00:28:57,035 --> 00:28:59,371 父さん! 327 00:28:59,371 --> 00:29:01,440 ぐっ!)) 328 00:29:05,877 --> 00:29:11,717 《アリシア:父さん 私は… 魔獣王を倒して➡ 329 00:29:11,717 --> 00:29:14,686 父さんが誇れるような勇者に…》 330 00:29:16,688 --> 00:29:18,690 はっ! 331 00:29:20,692 --> 00:29:23,862 (アリシア)なんだ? ここは どこだ? 332 00:29:23,862 --> 00:29:26,365 私は死んだのか…。 333 00:29:29,701 --> 00:29:31,870 (クレバテス)目覚めたな。 あっ! 334 00:29:31,870 --> 00:29:35,140 クレバテス! うっ… 剣が! 335 00:29:35,140 --> 00:29:39,811 うぬの仲間の骸と武器は すべて谷底へ捨てた。 336 00:29:39,811 --> 00:29:43,315 捨てた!? うぬだけは 利用価値があったから➡ 337 00:29:43,315 --> 00:29:46,985 よみがえらせた。 よみが… え? 338 00:29:46,985 --> 00:29:54,326 今のうぬは 我が与えた 魔血により動く 歩く屍だ。 339 00:29:54,326 --> 00:29:57,663 歩く… 何? 340 00:29:57,663 --> 00:30:00,666 《何を言っているんだ こいつは…。 341 00:30:00,666 --> 00:30:06,338 なぜ人語を話す… 魔血? 私だけが生かされた?》 342 00:30:06,338 --> 00:30:08,840 あっ!? 343 00:30:08,840 --> 00:30:11,009 《なんだ この足。 344 00:30:11,009 --> 00:30:14,513 一度 完全に ちぎれ飛んだような…。 345 00:30:14,513 --> 00:30:16,848 やはり私は死んだのか? 346 00:30:16,848 --> 00:30:20,686 何だ? いったい何が どうなって…》 347 00:30:20,686 --> 00:30:24,189 (クレバテス)早速だが 女 乳を出せ。 348 00:30:24,189 --> 00:30:28,193 なななな なに!? こいつ 今なんと言った!? 349 00:30:28,193 --> 00:30:33,031 月光のクレバテスが 四柱の魔獣王が乳を出せ!? 350 00:30:33,031 --> 00:30:35,033 聞き違いか? 351 00:30:35,033 --> 00:30:40,706 赤子が腹を空かせている。 黙って乳を出せ。 352 00:30:40,706 --> 00:30:46,044 うっ… か 体の自由が利かない…。 353 00:30:46,044 --> 00:30:49,381 手… 手が 勝手に…。 354 00:30:49,381 --> 00:30:52,217 早くしろ。 355 00:30:52,217 --> 00:30:54,553 うぅ…。 (お腹が鳴る音) 356 00:30:54,553 --> 00:30:56,888 くっ ぐっ くっ…。 357 00:30:56,888 --> 00:30:58,890 乳を出せ。 358 00:30:58,890 --> 00:31:01,727 うっ… うぅ…。 359 00:31:01,727 --> 00:31:06,031 (アリシア)うおぉ~! 360 00:31:08,066 --> 00:31:11,570 なぜ出ん? 出てたまるか! 私は処女だ! 361 00:31:11,570 --> 00:31:14,072 生娘だと出んのか? 362 00:31:14,072 --> 00:31:16,908 母乳は 子を産み 母になった者にしか出せん! 363 00:31:16,908 --> 00:31:20,078 知らんのか! 役立たずが。 364 00:31:20,078 --> 00:31:22,414 くっ なんという辱め。 365 00:31:22,414 --> 00:31:26,918 勇者の私が 乳房までさらし ののしられるとは…。 366 00:31:26,918 --> 00:31:30,088 殺せ! いっそ再び殺してしまえ!! 367 00:31:30,088 --> 00:31:35,894 死を望んでも死ねはせぬ。 我が魔血が流れているかぎりな。 368 00:31:35,894 --> 00:31:37,896 くっ… くそっ! 369 00:31:37,896 --> 00:31:41,366 (お腹が鳴る音) 370 00:31:41,366 --> 00:31:43,368 うっ うぅ…。 371 00:31:43,368 --> 00:31:46,037 見ろ 泣いてしまった。 (泣き声) 372 00:31:46,037 --> 00:31:49,708 体力は 我が力で いくらでも回復できるが➡ 373 00:31:49,708 --> 00:31:52,544 空腹ばかりは どうにもできん。 374 00:31:52,544 --> 00:31:54,546 そもそも なぜだ! 375 00:31:54,546 --> 00:31:59,050 なぜキサマが人の… ハイデン人の赤子を 連れている!? 376 00:31:59,050 --> 00:32:02,721 理由など うぬが知る必要はない。 377 00:32:02,721 --> 00:32:08,059 だが こやつには 人のまま 大人になってもらわねばならん。 378 00:32:08,059 --> 00:32:12,230 乳が出せない以上 別の方法で役に立ってもらうぞ。 379 00:32:12,230 --> 00:32:14,232 別の方法? 380 00:32:14,232 --> 00:32:17,068 (クレバテス)我には 人の赤子を育てる知識がない。 381 00:32:17,068 --> 00:32:19,070 それを埋めよ。 382 00:32:19,070 --> 00:32:22,741 わ… 私にだって 赤子を育てた経験はないぞ! 383 00:32:22,741 --> 00:32:25,076 知識だけあればよい。 384 00:32:25,076 --> 00:32:27,913 まずは こやつの腹を満たす方法だ。 385 00:32:27,913 --> 00:32:30,582 どうすればよい。 386 00:32:30,582 --> 00:32:34,686 《くっ… ダメだ こいつの言葉に逆らえない》 387 00:32:34,686 --> 00:32:40,358 は… 母親が いないのであれば 乳母を見つけるしかないだろう。 388 00:32:40,358 --> 00:32:43,528 乳母? (アリシア)代理母のことだ。 389 00:32:43,528 --> 00:32:47,365 乳の出る女が 母親の代わりに それをやる。 390 00:32:47,365 --> 00:32:50,368 知り合いにいなければ 金で雇うことになる。 391 00:32:50,368 --> 00:32:53,538 (クレバテス)金? 金というものがない場合は? 392 00:32:53,538 --> 00:32:56,541 そのときは 物で取り引きする。 393 00:32:56,541 --> 00:33:00,212 そう 例えば… 石だな。 394 00:33:00,212 --> 00:33:03,381 この山には 魔鉱石が豊富にある。 395 00:33:03,381 --> 00:33:08,220 そのひとかけらだけでも 乳母を雇うのには十分すぎる。 396 00:33:08,220 --> 00:33:10,722 ふむ…。 397 00:33:10,722 --> 00:33:15,393 《剣… せめて剣があれば こいつに一撃くらわせて…。 398 00:33:15,393 --> 00:33:17,729 くっ…。 399 00:33:17,729 --> 00:33:22,067 ダメだ。 この怪物に手も足も出ないのは➡ 400 00:33:22,067 --> 00:33:24,402 身をもってわかっている》 401 00:33:24,402 --> 00:33:28,073 (クレバテス)では行くぞ 乳母を雇いに。 402 00:33:28,073 --> 00:33:30,075 おいおい 待て 待て! 403 00:33:30,075 --> 00:33:33,245 ん? お前が人を雇えるわけないだろ! 404 00:33:33,245 --> 00:33:36,214 問題か? 問題大ありだ! 405 00:33:36,214 --> 00:33:39,050 小さな魔獣が出ただけでも 大騒ぎになるのに➡ 406 00:33:39,050 --> 00:33:42,554 その巨体で現れてみろ! 街中パニックになって➡ 407 00:33:42,554 --> 00:33:45,557 乳母を見つけるどころの 話じゃなくなるぞ! 408 00:33:45,557 --> 00:33:47,525 確かに。 409 00:33:47,525 --> 00:33:51,229 その赤子を貸せ! 代わりに私が行く! 410 00:33:51,229 --> 00:33:54,566 《こんなバケモノを 人里に行かせてたまるか!》 411 00:33:54,566 --> 00:33:56,902 私が乳母を見つけて預けてやる! 412 00:33:56,902 --> 00:33:58,904 (くしゃみ) 413 00:33:58,904 --> 00:34:02,073 《どういう事情か知らないが あの赤子も絶対こいつから➡ 414 00:34:02,073 --> 00:34:04,075 引きはがしたほうがいい》 415 00:34:04,075 --> 00:34:06,077 さあ 早く その赤子を! 416 00:34:06,077 --> 00:34:08,046 (クレバテス)ダメだ。 あっ!? 417 00:34:08,046 --> 00:34:11,216 目の届かぬところで 死なれては困る。 418 00:34:11,216 --> 00:34:14,052 (泣き声) 419 00:34:14,052 --> 00:34:18,557 ふむ だが 確かに このままの姿で連れ歩けば➡ 420 00:34:18,557 --> 00:34:22,227 こやつは 人として成長せぬかもしれん。 421 00:34:22,227 --> 00:34:24,729 それでは 推し量れぬ。 422 00:34:24,729 --> 00:34:27,599 よし。 423 00:34:27,599 --> 00:34:29,968 ぐっ くっ…。 424 00:34:38,543 --> 00:34:41,880 これでよかろう。 425 00:34:41,880 --> 00:34:44,549 な… 何だ その姿!? 426 00:34:44,549 --> 00:34:50,221 我は 影を操る。 これは この赤子を連れていた者の姿。 427 00:34:50,221 --> 00:34:52,557 他は隠した。 428 00:34:52,557 --> 00:34:56,528 隠しきれてないぞ! うん? 429 00:34:59,731 --> 00:35:02,067 ふむ。 430 00:35:02,067 --> 00:35:04,903 今度こそ よいな。 431 00:35:04,903 --> 00:35:07,072 さて 次は 名だな。 432 00:35:07,072 --> 00:35:09,240 角は 隠さんのか。 433 00:35:09,240 --> 00:35:14,913 こやつにも 我にも 人の世界を歩くには名がいる。 434 00:35:14,913 --> 00:35:19,884 我は クレン。 うぬは ルナだ。 435 00:35:19,884 --> 00:35:21,886 (ルナ)うっ う…。 436 00:35:21,886 --> 00:35:27,225 (クレン)女勇者 いや しもべよ 名は? 437 00:35:27,225 --> 00:35:30,395 わ… 私は アリシア。 438 00:35:30,395 --> 00:35:34,399 ソーゴ村のアリシアだ。 439 00:35:40,005 --> 00:35:42,707 行くぞ アリシア。 町へ。 440 00:35:47,512 --> 00:35:49,514 はぁ…。 441 00:35:58,023 --> 00:36:01,026 これでよし。 442 00:36:01,026 --> 00:36:03,194 なんて ザマだ。 443 00:36:03,194 --> 00:36:05,196 (クレン)終わったか 下僕。 444 00:36:07,699 --> 00:36:11,703 ルナのクソは 洗い流せたかと聞いている。 445 00:36:11,703 --> 00:36:14,372 い… 今終わったところだ。 446 00:36:14,372 --> 00:36:16,374 (くしゃみ) 447 00:36:16,374 --> 00:36:19,878 あぁ すまん。 今 拭いてやるからな。 448 00:36:21,880 --> 00:36:25,717 うわぁ!? (クレン)もたもたやってるからだ。 449 00:36:25,717 --> 00:36:29,220 《アリシア:こいつ…》 そこ 拭き残してる。 450 00:36:29,220 --> 00:36:33,658 もっと丁寧に。 力を入れすぎだ 赤くなってる。 451 00:36:33,658 --> 00:36:35,660 指の間も ちゃんとやれ。 452 00:36:35,660 --> 00:36:38,496 《私が言葉に逆らえないことを いいことに…》 453 00:36:38,496 --> 00:36:43,368 耳の裏も見ろ。 《中身が アレなくせに いちいち細かい…》 454 00:36:43,368 --> 00:36:46,037 その布は 本当に きれいなのであろうな? 455 00:36:46,037 --> 00:36:49,207 《こいつは 私の継母か?》 ガサツなメスだ。 456 00:36:52,377 --> 00:36:54,679 きゃう~ キャッ キャッ! 457 00:36:54,679 --> 00:36:58,883 (クレン)虫のほうが まだ丁寧だ。 役立たずめ。 458 00:36:58,883 --> 00:37:01,386 くっ…。 それにしても➡ 459 00:37:01,386 --> 00:37:04,222 ここが うぬらの キャンプだという話だったが➡ 460 00:37:04,222 --> 00:37:06,224 ろくなものがないな。 461 00:37:06,224 --> 00:37:08,226 (アリシア)戦闘に必要のないものは➡ 462 00:37:08,226 --> 00:37:11,229 ほとんど 麓の宿に預けてきたんだ。 463 00:37:11,229 --> 00:37:13,231 それでか。 464 00:37:13,231 --> 00:37:16,067 それでも着替えのひとつくらいは あるだろう。 465 00:37:16,067 --> 00:37:21,239 残りの鎧も すべて脱げ。 血に汚れて子育てには不向きだ。 466 00:37:21,239 --> 00:37:25,410 (クレン)それから 川で体を洗え。 467 00:37:25,410 --> 00:37:28,580 どんな魔獣でも 今のうぬよりは清潔だ。 468 00:37:28,580 --> 00:37:32,417 一緒にルナが巻いていた これもな。 469 00:37:32,417 --> 00:37:35,653 私は クソと同列か。 470 00:37:35,653 --> 00:37:38,656 本当に みじめだ。 471 00:37:43,995 --> 00:37:46,664 あっ! 472 00:37:46,664 --> 00:37:50,835 これは… ハイデン王家の紋章!? 473 00:37:50,835 --> 00:37:53,838 まさか! 474 00:37:53,838 --> 00:37:56,341 うきゃっ! あ~。 475 00:38:06,184 --> 00:38:10,188 (ファビオ)なんてことだ。 これを1匹の魔獣がやったのか。 476 00:38:13,024 --> 00:38:17,529 やはり… 魔獣王と戦うなんて 無謀だったんだ。 477 00:38:17,529 --> 00:38:21,866 王は なぜ今になって 伝説に挑もうなんて考えたんだ。 478 00:38:21,866 --> 00:38:27,872 あれは夢物語で 実現は不可能だと 言われていたのに。 479 00:38:27,872 --> 00:38:32,710 王は 何か おかしくなっておられたのか。 480 00:38:32,710 --> 00:38:36,714 くっ… 皇太子妃の不安は正しかった。 481 00:38:38,850 --> 00:38:41,686 計画では 命名の儀の今日➡ 482 00:38:41,686 --> 00:38:45,690 ご子息とともに城から抜け出す 手はずだったのに! 483 00:38:45,690 --> 00:38:49,527 誰でもいい! 生きていたら返事をしろ~! 484 00:38:49,527 --> 00:38:51,996 お~い! 485 00:39:04,042 --> 00:39:09,714 (ドレル)伝説は やはり伝説でしかない… か。 486 00:39:09,714 --> 00:39:13,718 (メイナード)いかがいたしましょう ドレル将軍。 487 00:39:13,718 --> 00:39:17,388 (ドレル)早馬を出せ。 皇帝に報告を。 488 00:39:17,388 --> 00:39:20,892 伝説は落ちた と。 489 00:39:20,892 --> 00:39:25,230 (ドレル)ハイドラート城が落ち 仮に王も死亡となれば➡ 490 00:39:25,230 --> 00:39:28,399 このハイデンは 空白となる。 491 00:39:28,399 --> 00:39:33,838 我らだけでなく エスリンも 黙って見てはいないだろう。 492 00:39:33,838 --> 00:39:40,678 防壁の弱まった南の山々から 魔獣が押し寄せる可能性もある。 493 00:39:40,678 --> 00:39:45,350 何より重要なのは ハイデン王族のみに伝わる➡ 494 00:39:45,350 --> 00:39:48,519 魔鉱石の精錬秘術。 495 00:39:48,519 --> 00:39:52,857 これだけは絶対に 他国より先に奪わねばならぬ。 496 00:39:52,857 --> 00:39:56,694 私は国境に戻り 軍を再編成する。 497 00:39:56,694 --> 00:40:02,867 メイナード キサマは残り 王と その血族の生き残りを捜せ。 498 00:40:02,867 --> 00:40:07,538 見つけ次第 生け捕りにするのだ。 499 00:40:07,538 --> 00:40:11,709 了解しました。 フフ…。 500 00:40:11,709 --> 00:40:13,678 (ドレル)はっ。 501 00:40:17,048 --> 00:40:19,217 (アリシア)どういうことだ!? 502 00:40:19,217 --> 00:40:22,053 何がだ? この紋章は➡ 503 00:40:22,053 --> 00:40:24,389 王家の者だけが身につけられる! 504 00:40:24,389 --> 00:40:28,393 つまり その子は 王の血族の子! 知ってて さらってきたのか? 505 00:40:28,393 --> 00:40:31,396 (クレン)王の血族? (あくび) 506 00:40:31,396 --> 00:40:35,566 知らん。 それに こやつは さらったのではなく託されたのだ。 507 00:40:35,566 --> 00:40:39,070 はぁ!? この姿をした人属の小僧に。 508 00:40:39,070 --> 00:40:41,406 託された!? ウソを言うな! 509 00:40:41,406 --> 00:40:44,242 ウソではない うつけが。 うっ…。 510 00:40:44,242 --> 00:40:49,080 思えば こやつは 壊した城のガレキの下にいた。 511 00:40:49,080 --> 00:40:53,251 そうか うぬは 王の血筋の者か。 512 00:40:53,251 --> 00:40:55,420 城を… えっ? 513 00:40:55,420 --> 00:40:59,590 ハイデンの王を殺すついでに落とした。 いちいち驚くな。 514 00:40:59,590 --> 00:41:01,592 王を殺したのか!? 515 00:41:01,592 --> 00:41:03,594 先に仕掛けてきたのは そっちであろう。 516 00:41:03,594 --> 00:41:05,596 あっ… くっ! 517 00:41:05,596 --> 00:41:09,100 王が死んだとなれば 王位継承権を 持つであろう この子を➡ 518 00:41:09,100 --> 00:41:11,102 誰もが捜すぞ! 519 00:41:11,102 --> 00:41:14,272 なぜだ? 魔鉱石の精錬術! 520 00:41:14,272 --> 00:41:18,276 ハイデンの炉は その血を継ぐ者にしか 扱えぬとされているからだ! 521 00:41:18,276 --> 00:41:21,446 うぬらが持っていた武器の製法か。 522 00:41:21,446 --> 00:41:23,448 そうだ。 ふむ。 523 00:41:23,448 --> 00:41:25,450 我自身 なぜ➡ 524 00:41:25,450 --> 00:41:29,620 こやつを育てる気になったのかと 不思議に思っていたが➡ 525 00:41:29,620 --> 00:41:34,692 なるほど こやつにも 避けえぬ血の定めがあったか。 526 00:41:34,692 --> 00:41:37,362 おもしろい。 527 00:41:37,362 --> 00:41:41,032 ならば我が こやつを王にしよう。 528 00:41:41,032 --> 00:41:46,537 王のそばにつき 文字通り陰から支えてやろう。 529 00:41:46,537 --> 00:41:50,208 なに…。 (クレン)侵略に興味はなかったが➡ 530 00:41:50,208 --> 00:41:55,546 人属を観察するのに 高みに立つのは悪くない。 531 00:41:55,546 --> 00:42:00,551 眷属を密かに潜り込ませるのも おもしろかろう。 532 00:42:00,551 --> 00:42:04,055 いつでも滅ぼせるようにな。 533 00:42:04,055 --> 00:42:08,226 《最悪だ… 私が余計なことを言ったせいで➡ 534 00:42:08,226 --> 00:42:11,729 状況が もっと悪い方向に 転んでしまった》 535 00:42:11,729 --> 00:42:13,898 そうと決まれば急ぐぞ。 536 00:42:13,898 --> 00:42:18,569 まずは こやつの… ルナの腹を満たしにな。 537 00:42:18,569 --> 00:42:23,574 水と我が力による体力の回復では 限界がある。 538 00:42:23,574 --> 00:42:27,078 良質な乳母が見つかればよいがな。 539 00:42:27,078 --> 00:42:30,581 魔鉱石のかけらを忘れるなよ。 ああ。 540 00:42:34,052 --> 00:42:37,055 《落ち着け アリシア 大丈夫だ。 541 00:42:37,055 --> 00:42:39,724 仮にルナを連れかえしたとしても➡ 542 00:42:39,724 --> 00:42:42,059 得体の知れない 角の生えた小僧が➡ 543 00:42:42,059 --> 00:42:44,562 側近として認められるはずがない。 544 00:42:44,562 --> 00:42:48,566 角自体は 森の民 オーグにも生えているから➡ 545 00:42:48,566 --> 00:42:54,572 珍しくもないが 身元を保証できる 人間がいない以上 絶対に無理だ。 546 00:42:54,572 --> 00:42:58,743 別の姿に 化けたとしても それは同じ。 547 00:42:58,743 --> 00:43:02,580 きっと あの角は隠せないに違いない。 548 00:43:02,580 --> 00:43:08,086 問題は こいつが いつ気づくか。 気づいた時点で どう出るか。 549 00:43:08,086 --> 00:43:12,757 どういうわけか こいつは ルナに固執している。 550 00:43:12,757 --> 00:43:16,594 もし 引きはがされたり 殺されようものなら➡ 551 00:43:16,594 --> 00:43:19,931 本気で人属を皆殺しにするだろう。 552 00:43:19,931 --> 00:43:23,101 それだけは止めねば。 553 00:43:23,101 --> 00:43:28,973 これが 勇者としての私の最後の使命だ》 554 00:43:31,275 --> 00:43:34,178 遅いぞ アリシア。 555 00:43:34,178 --> 00:43:37,014 んっ? 556 00:43:37,014 --> 00:43:39,217 後ろだ ク… クレン! 557 00:43:44,856 --> 00:43:48,526 容赦ねえ~。 (サッチ)ボケっと 突っ立っているからだ ガキ。 558 00:43:48,526 --> 00:43:50,695 (ピト)カカカカ ハハハハ! 559 00:43:50,695 --> 00:43:54,999 《あぁ 山賊か… 終わったな こいつら》 560 00:44:00,538 --> 00:44:02,707 えっ。 561 00:44:02,707 --> 00:44:10,548 (泣き声) 562 00:44:10,548 --> 00:44:14,385 えぇ~!? 563 00:44:14,385 --> 00:44:16,387 (サッチ)黙れ。 564 00:44:16,387 --> 00:44:21,993 《なんだよ… 私だって 死ねない体になったはずじゃ…》 565 00:46:04,061 --> 00:46:06,731 あ…。 566 00:46:11,902 --> 00:46:14,739 《そうか… 夢か。 567 00:46:14,739 --> 00:46:17,408 今までのは タチの悪い夢で…》 568 00:46:17,408 --> 00:46:20,411 (クレン)おい。 《私たち 13人の勇者で➡ 569 00:46:20,411 --> 00:46:22,913 これからクレバテスを討伐しに…》 570 00:46:22,913 --> 00:46:25,416 (クレン)おい うつけ。 こっちを見ろ。 571 00:46:25,416 --> 00:46:28,419 うっ! 572 00:46:28,419 --> 00:46:31,756 あっ… あっ これは! 573 00:46:31,756 --> 00:46:35,493 (クレン)ようやく目覚めたな アリシア。 574 00:46:35,493 --> 00:46:37,995 (アリシア)ク… クレン! 575 00:46:37,995 --> 00:46:41,499 どうやら我らは捕まったようだぞ。