1 00:00:34,668 --> 00:00:36,670 (ダガン)どうなった!? 2 00:00:36,670 --> 00:00:38,672 (サッチ)んっ…。 3 00:00:38,672 --> 00:00:41,341 (サッチ)クソッ! ダメだ 死んだ! 4 00:00:41,341 --> 00:00:44,344 どうすんだ! あいつに13本の至宝の場所まで➡ 5 00:00:44,344 --> 00:00:46,513 案内させるはずだったろ! 6 00:00:46,513 --> 00:00:49,182 (ダガン)どうもこうもねえ! とにかく降りるぞ! 7 00:00:49,182 --> 00:00:53,353 死んだなんてブロコが知ったら きっと面倒なことになる! 8 00:00:53,353 --> 00:00:55,355 (サッチ)ああ クソッ! 9 00:01:00,527 --> 00:01:03,030 《アリシア:ハァ…。 10 00:01:03,030 --> 00:01:07,034 とりあえず 死ななかった… が➡ 11 00:01:07,034 --> 00:01:11,204 首から下の感覚がない。 12 00:01:11,204 --> 00:01:14,374 私の体は どうなった? 13 00:01:14,374 --> 00:01:17,544 骨が砕けて溝に はまってるのか? 14 00:01:17,544 --> 00:01:20,213 血も こんなに流れて…。 15 00:01:20,213 --> 00:01:22,549 生きていても どうするんだ これ。 16 00:01:22,549 --> 00:01:25,552 もたもたしてたら山賊共が来るぞ。 17 00:01:25,552 --> 00:01:27,721 動け… 動け…》 18 00:01:27,721 --> 00:01:30,057 うっ! 19 00:01:30,057 --> 00:01:32,659 なんだ 血が…。 20 00:01:36,363 --> 00:01:39,032 (クレバテス)血を流しすぎだ 愚か者。 21 00:01:39,032 --> 00:01:41,001 (アリシア)クレバテス!? 22 00:03:27,541 --> 00:03:32,646 なんだ… その小犬みたいな姿は。 23 00:03:32,646 --> 00:03:36,316 姿形は 魔血の量で決まる。 24 00:03:36,316 --> 00:03:39,319 この魔血が うぬの体を生かしておるのだ。 25 00:03:39,319 --> 00:03:43,323 すべて失えば 今度こそ死ぬぞ。 26 00:03:43,323 --> 00:03:46,993 (クレバテス)もっとも 利用価値があるうちは➡ 27 00:03:46,993 --> 00:03:50,497 無理やりにでも その体に戻すがな。 28 00:03:50,497 --> 00:03:54,501 すべて戻せば 完全に失われている部分以外は➡ 29 00:03:54,501 --> 00:03:57,337 すぐに回復してやれる。 30 00:03:57,337 --> 00:04:03,677 じゃあ なぜ そうしない。 ようやく私を見限ったか? 31 00:04:03,677 --> 00:04:09,182 (クレバテス)こうして話ができるうちに 一つ尋ねたいことがあるからだ。 32 00:04:09,182 --> 00:04:12,352 尋ねたい こと…。 33 00:04:12,352 --> 00:04:14,855 (クレバテス)うぬが こうしている間に➡ 34 00:04:14,855 --> 00:04:17,858 我は ルナに ちょうどいい乳母を見つけた。 35 00:04:17,858 --> 00:04:22,195 その者はネルという。 山賊の仲間だ。 36 00:04:22,195 --> 00:04:24,197 魔獣の我から見ても➡ 37 00:04:24,197 --> 00:04:27,701 ここでの境遇が 恵まれているとは言い難い。 38 00:04:27,701 --> 00:04:33,140 だから我の雇うという申し入れを 快諾するものと思っていたが➡ 39 00:04:33,140 --> 00:04:37,310 あっさり断られた。 なぜだ? 40 00:04:37,310 --> 00:04:41,314 それは たぶん お前が奴隷で➡ 41 00:04:41,314 --> 00:04:43,483 子どもだからだ。 42 00:04:43,483 --> 00:04:45,986 (クレバテス)それだけか? 43 00:04:45,986 --> 00:04:50,323 そもそも ああいう連中は 出ていく者を許さない。 44 00:04:50,323 --> 00:04:53,827 どこまでも執拗に追いかけ 殺す。 45 00:04:53,827 --> 00:05:00,667 だから その女も出られるなんて まったく思ってないんだろう。 46 00:05:00,667 --> 00:05:04,004 なるほど。 ならば どうすればよい? 47 00:05:04,004 --> 00:05:09,009 いちばん確実なのは この山賊団を潰してしまうことだ。 48 00:05:09,009 --> 00:05:11,678 そうすれば追っ手もない。 49 00:05:11,678 --> 00:05:13,680 うむ…。 50 00:05:13,680 --> 00:05:17,851 お前が その気になれば 簡単… なんじゃないか? 51 00:05:17,851 --> 00:05:22,355 ダメだ。 我が月の山から 離れていると知られるのは➡ 52 00:05:22,355 --> 00:05:24,691 いろいろと まずい。 53 00:05:24,691 --> 00:05:27,527 不在を突かれるわけには ゆかぬし➡ 54 00:05:27,527 --> 00:05:30,864 ここにいる理由を 探られても面倒だ。 55 00:05:30,864 --> 00:05:33,466 ルナを育てる上でもな。 56 00:05:33,466 --> 00:05:36,469 よって うぬがやれ。 57 00:05:36,469 --> 00:05:39,506 (アリシア)は? (クレバテス)うぬが大暴れして➡ 58 00:05:39,506 --> 00:05:43,009 この鴉という群れを粉砕するのだ。 59 00:05:43,009 --> 00:05:46,680 勇者であれば 行きがかりに 山賊団の一つや二つ➡ 60 00:05:46,680 --> 00:05:50,350 皆殺しにしても おかしくなかろう。 61 00:05:50,350 --> 00:05:54,020 いやいやいや… ないから な そういうの! 62 00:05:54,020 --> 00:05:57,357 お前は 勇者をなんだと思っているんだ。 63 00:05:57,357 --> 00:05:59,526 (クレバテス)いいから やれ。 64 00:05:59,526 --> 00:06:02,696 ルナが また腹を空かせる前にな。 65 00:06:02,696 --> 00:06:05,865 うっ! また勝手な…。 66 00:06:05,865 --> 00:06:07,868 (鼓動) 67 00:06:07,868 --> 00:06:11,638 がっ ぐっ! ぐ… ぐっ…。 68 00:06:13,707 --> 00:06:15,709 うわっ! おっ! 69 00:06:15,709 --> 00:06:17,711 ぐっ… うっ! 70 00:06:17,711 --> 00:06:20,046 (ダガン)おい どうなってんだ!? 71 00:06:20,046 --> 00:06:24,384 がっ! うっ…。 72 00:06:24,384 --> 00:06:27,387 うわぁ~ うっ…。 73 00:06:27,387 --> 00:06:30,390 うわぁ~! 74 00:06:30,390 --> 00:06:32,492 (どよめき) 75 00:06:32,492 --> 00:06:35,829 《骨が つながるたびに 激痛が走る…。 76 00:06:35,829 --> 00:06:39,833 勘弁してくれ まったく…》 77 00:06:39,833 --> 00:06:42,802 ウソだろ!? こんなのありえねえ! 78 00:06:42,802 --> 00:06:46,172 気味悪ぃな。 79 00:06:46,172 --> 00:06:49,843 (サッチ)うぅ クソッ どうだっていい! とにかく生きてんだ! 80 00:06:49,843 --> 00:06:53,179 ひっ捕まえて 13本の至宝に案内させるまでだ! 81 00:06:53,179 --> 00:06:57,350 用心しろ お前ら! 相手は 女でも勇者だ! 82 00:06:57,350 --> 00:06:59,519 手足を切り落としたって 構わねえ! 83 00:06:59,519 --> 00:07:03,356 今度こそ逃がすな! (かけ声) 84 00:07:03,356 --> 00:07:05,859 やっぱり弱ってるぜ こいつ! 85 00:07:05,859 --> 00:07:09,029 気の毒なのは 私かな こいつらかな。 86 00:07:09,029 --> 00:07:11,197 左手もらった! 87 00:07:11,197 --> 00:07:13,199 うっ!? あっ! 88 00:07:13,199 --> 00:07:15,368 やっぱり私だな。 89 00:07:15,368 --> 00:07:18,204 こいつらに 同情の余地なんてなかった。 90 00:07:18,204 --> 00:07:20,206 はぁ? ぶらぺ! 91 00:07:20,206 --> 00:07:22,709 (ダガンたち)わっ! 92 00:07:22,709 --> 00:07:25,879 汚らしい眼帯だ。 93 00:07:25,879 --> 00:07:29,049 ああいいさ やってやるさ。 あっ! 94 00:07:29,049 --> 00:07:33,286 やりゃあ いいんだろ! 山賊団潰し! 95 00:07:33,286 --> 00:07:35,955 (クレン)これでよし。 96 00:07:35,955 --> 00:07:40,794 我らは ネルを見つけ 今一度 説得を試みるとしよう。 97 00:07:40,794 --> 00:07:45,298 案ずるな ルナ。 アリシアは ああ見えて 我の角に小傷を入れた➡ 98 00:07:45,298 --> 00:07:48,802 初めての人属だ。 99 00:07:48,802 --> 00:07:51,971 (カルメ)やっと帰ってきた。 (ネル)あ? 100 00:07:51,971 --> 00:07:55,976 どこ行ってたんだい ネル。 (ネル)カルメ姉ひゃま。 101 00:07:55,976 --> 00:07:58,645 2人相手に時間かけすぎ。 102 00:07:58,645 --> 00:08:02,649 ひょの… 赤ちゃんに お乳を与えていたのれ…。 103 00:08:02,649 --> 00:08:04,818 (カルメ)ならいいけどね。 104 00:08:04,818 --> 00:08:07,487 あんた 絵に描いたようなグズだから また殴られて➡ 105 00:08:07,487 --> 00:08:10,490 気を失ってるんじゃないかと 思ったよ。 106 00:08:10,490 --> 00:08:14,995 ったく やられる前に やることやっちまえって➡ 107 00:08:14,995 --> 00:08:17,664 いつも言ってんだろ。 エヒェヘ。 108 00:08:17,664 --> 00:08:20,333 (カルメ)さあ 厨房の掃除が 残ってるよ。 109 00:08:20,333 --> 00:08:24,337 さっさと片づけな。 (ネル)はひ。 110 00:08:26,339 --> 00:08:30,176 殴られて帰ってきたわりには ずいぶんと上機嫌だね。 111 00:08:30,176 --> 00:08:33,113 何か いいことでもあったのかい? 112 00:08:33,113 --> 00:08:35,115 フフッ…。 113 00:08:35,115 --> 00:08:39,119 姉ひゃまは ここの外から来たんれすよね? 114 00:08:39,119 --> 00:08:42,789 え? それが何だってんだい? 115 00:08:42,789 --> 00:08:45,458 わたひは 生まれたときから鴉らったんれ➡ 116 00:08:45,458 --> 00:08:49,462 外の世界が どんなところかなって。 117 00:08:49,462 --> 00:08:53,800 どんなところかって 聞かれてもねぇ。 118 00:08:53,800 --> 00:08:57,971 私だけじゃなく ここにいる女は 大抵 元いた場所で➡ 119 00:08:57,971 --> 00:09:01,474 居場所をなくしたり 何か悪いことをして➡ 120 00:09:01,474 --> 00:09:03,643 ここに流れ着いたんだ。 121 00:09:03,643 --> 00:09:06,980 外の世界に いい思い出なんかないさ。 122 00:09:06,980 --> 00:09:10,150 そうれすか…。 123 00:09:10,150 --> 00:09:12,986 なんで 今更 そんなことを聞くんだい? 124 00:09:12,986 --> 00:09:16,156 え ひぇへ その…。 まさか あんた➡ 125 00:09:16,156 --> 00:09:18,491 ここを出ようなんて 考えてないだろうね? 126 00:09:18,491 --> 00:09:21,327 まさか ひょんな。 127 00:09:21,327 --> 00:09:25,832 ただ もひ… もひ 外に出られるとひたら➡ 128 00:09:25,832 --> 00:09:30,670 どんなところなのかなって 思ったらけれす。 129 00:09:30,670 --> 00:09:35,108 一緒に来ないかと誘われたんれ。 130 00:09:35,108 --> 00:09:39,279 はっ!? 誰に!? ど… 奴隷の人… れす。 131 00:09:39,279 --> 00:09:42,282 奴隷の人… ふざけんじゃないよ! 132 00:09:42,282 --> 00:09:44,784 ひぃ! いいかい? ここじゃ女なんて➡ 133 00:09:44,784 --> 00:09:46,786 奪えばいいと思ってる! 134 00:09:46,786 --> 00:09:48,955 いらなくなれば 捨てればいいと思ってる! 135 00:09:48,955 --> 00:09:53,293 ここが底だ! 女として終わったら 死ぬしかないんだ! 136 00:09:53,293 --> 00:09:55,462 だから 女同士 団結してんだ! 137 00:09:55,462 --> 00:09:58,798 なのに あんたみたいなグズが 私を差し置いて誘われた? 138 00:09:58,798 --> 00:10:02,635 うれしそうにヘラヘラと そんな抜け駆けみたいな話➡ 139 00:10:02,635 --> 00:10:04,804 私が許すとでも! ひぃ! 140 00:10:04,804 --> 00:10:06,806 (ブロコ)まったく…。 あっ! 141 00:10:06,806 --> 00:10:10,643 (ブロコ)もっと上品に 食事をとれないのか あいつら。 142 00:10:10,643 --> 00:10:17,150 何の話かは知らんが 仲間同士 暴力はいかんぞ 暴力は。 143 00:10:17,150 --> 00:10:20,987 (カルメ)ブ… ブロコの旦那。 珍しいじゃありませんか。 144 00:10:20,987 --> 00:10:23,823 旦那が わざわざ いらっしゃるなんて…。 145 00:10:23,823 --> 00:10:27,160 なぁに 今日は アレが入荷したと聞いて➡ 146 00:10:27,160 --> 00:10:29,329 来てみただけだ。 147 00:10:29,329 --> 00:10:32,165 あ~ アレですね。 148 00:10:32,165 --> 00:10:34,334 おい ネル! 今日来た赤子は!? 149 00:10:34,334 --> 00:10:38,004 えっ? えと… たぶん 馬小屋のほうに…。 150 00:10:38,004 --> 00:10:40,507 そうかそうか なるほど。 151 00:10:40,507 --> 00:10:44,344 まあ そっちは もう少し 太らせてからでもいいだろう。 152 00:10:44,344 --> 00:10:47,347 おい お前。 はひ。 153 00:10:47,347 --> 00:10:49,349 ちょっと来て 手伝ってくれ。 154 00:10:49,349 --> 00:10:51,851 あっ 旦那 ちょっと…。 155 00:10:51,851 --> 00:10:54,053 ん? 156 00:10:56,523 --> 00:10:59,526 フフフフ…。 フフ。 157 00:11:03,530 --> 00:11:05,532 クソ! 乳の出る女は あいつしかいないってのに➡ 158 00:11:05,532 --> 00:11:10,870 この先どうやって赤子を 肥やしていけっていうんだい! 159 00:11:10,870 --> 00:11:13,706 まったく 女なら 誰でも乳が出ると思ってやがる! 160 00:11:13,706 --> 00:11:16,609 (ルナ)あうぅ…。 あっ! 161 00:11:19,045 --> 00:11:21,881 (カルメ)なんだい 乳が欲しいのかい? 162 00:11:21,881 --> 00:11:25,385 今はダメだ… っていうか もうダメだ。 163 00:11:25,385 --> 00:11:27,720 飲ませられるやつがいないからな。 164 00:11:27,720 --> 00:11:30,056 (クレン)いない? ああ そうだ。 165 00:11:30,056 --> 00:11:32,358 あいつは ヘマをしたんだよ。 166 00:11:32,358 --> 00:11:36,196 見ちゃいけない夢を見た。 自業自得だ。 167 00:11:36,196 --> 00:11:38,865 それは いったい どういうことだ? 168 00:11:38,865 --> 00:11:41,034 どういうことって…。 169 00:11:41,034 --> 00:11:44,304 あっ!? 詳しく話せ。 170 00:11:52,545 --> 00:11:56,049 うわぁ…。 171 00:11:56,049 --> 00:11:58,885 生まれたときから ここにいまふけろ➡ 172 00:11:58,885 --> 00:12:01,721 こんな場所があるなんて ひりませんれひた。 173 00:12:01,721 --> 00:12:06,893 (ブロコ)そうか? もともと 魔鉱石の採掘場だったからな。 174 00:12:06,893 --> 00:12:09,229 ここには多くの穴がある。 175 00:12:09,229 --> 00:12:13,733 知っていたか? みんなが 何気に使っている このランプも➡ 176 00:12:13,733 --> 00:12:19,072 中身は とある虫の油に 魔鉱石を溶かしたものだ。 177 00:12:19,072 --> 00:12:23,409 魔鉱石には 剣を作る以外にも さまざまな使い道があるのさ。 178 00:12:23,409 --> 00:12:25,411 フフーッ。 179 00:12:25,411 --> 00:12:29,249 最近じゃ 魔術なんて シャレた呼び方をするらしいがな。 180 00:12:29,249 --> 00:12:35,421 俺様も鴉へ入る前は 長いこと 研究に明け暮れていたもんだ。 181 00:12:38,358 --> 00:12:40,627 ああ ここを左だ。 182 00:12:46,366 --> 00:12:48,868 (物音) 183 00:12:48,868 --> 00:12:52,372 ほ… 骨!? ネズミの骨だろう。 184 00:12:52,372 --> 00:12:55,341 まったく 多くて困ったもんだ。 185 00:12:58,378 --> 00:13:03,549 (ブロコ)そうそう 俺様の研究内容なんだがな。 186 00:13:03,549 --> 00:13:08,388 (ネル)あっ! あの… ブロコひゃま…。 187 00:13:08,388 --> 00:13:14,727 あ… 灯りが消えまひたが 暗くて何も見えまひぇん。 188 00:13:14,727 --> 00:13:17,897 あの…。 (ブロコ)おっと すまん すまん。 189 00:13:17,897 --> 00:13:22,168 故障かな。 待っていろ 今 点けてやるからな。 190 00:13:24,904 --> 00:13:27,073 えっ!? (うなり声) 191 00:13:27,073 --> 00:13:32,645 (うなり声) 192 00:13:32,645 --> 00:13:35,348 あ… あぁ あっ…。 193 00:13:37,350 --> 00:13:40,520 俺様の研究は 魔鉱石の粉末と➡ 194 00:13:40,520 --> 00:13:45,358 あらゆる薬剤を混ぜ 魔獣を使役する方法だ。 195 00:13:45,358 --> 00:13:48,695 鴉は 裏切り者を絶対に許さない。 196 00:13:48,695 --> 00:13:55,368 お前の中の小さな憧れは 鴉に対する明確な裏切りとみなす。 197 00:13:55,368 --> 00:13:57,704 よって 処刑だ。 198 00:13:57,704 --> 00:14:00,707 今宵 ベティのエサとなれ! 199 00:14:00,707 --> 00:14:02,709 あ… あぁ…。 200 00:14:02,709 --> 00:14:05,378 喰っていいぞ ベティ。 201 00:14:05,378 --> 00:14:08,214 あぁ… あぁ!? (咆哮) 202 00:14:08,214 --> 00:14:13,886 《ネル:あのとき あの手を取ってさえいたら➡ 203 00:14:13,886 --> 00:14:20,560 取ってさえいたら 私は… 今とは違う何かをつかめたかも》 204 00:14:20,560 --> 00:14:22,562 (うなり声) 205 00:14:22,562 --> 00:14:24,564 はっ!? 206 00:14:24,564 --> 00:14:30,903 《ごめんね… もう あなたの腹を 満たしてあげられない…》 207 00:14:30,903 --> 00:14:35,975 (泣き声) 208 00:14:35,975 --> 00:14:40,313 泣くな ルナ。 喰うも喰われるも世界の摂理。 209 00:14:40,313 --> 00:14:42,815 うん? (クレン)動物だろうが人属だろうが➡ 210 00:14:42,815 --> 00:14:44,984 そして当然 魔獣であっても➡ 211 00:14:44,984 --> 00:14:48,154 腹が空けば 何かを喰わねば死んでしまう。 212 00:14:48,154 --> 00:14:51,657 それが摂理。 なんだ この小僧は。 213 00:14:51,657 --> 00:14:54,827 だから ネルが喰われたのは仕方がない。 214 00:14:54,827 --> 00:14:57,830 間に合わなかった我らが悪い。 215 00:14:57,830 --> 00:15:02,001 だが いったい これは どういうことだ? 216 00:15:02,001 --> 00:15:04,837 西方の誇り高きトロールが➡ 217 00:15:04,837 --> 00:15:08,174 なぜ人属の小男に飼われている? 218 00:15:08,174 --> 00:15:11,010 これは摂理にないことだ。 219 00:15:11,010 --> 00:15:17,350 小僧 酒でも飲まされたか。 ベティを前に堂々と明らかに異常だ。 220 00:15:17,350 --> 00:15:22,355 まあ いい。 ハイデン人の赤子は惜しいが仕方ない。 221 00:15:22,355 --> 00:15:25,858 喰っていいぞ ベティ。 222 00:15:25,858 --> 00:15:29,028 どうした ベティ? さっさと噛み殺さんか! 223 00:15:29,028 --> 00:15:33,166 (おびえる声) 224 00:15:33,166 --> 00:15:36,135 うっ どうしたんだ ベティ!? 225 00:15:44,343 --> 00:15:47,013 (ブロコ)あいやややや! お… おい! 226 00:15:47,013 --> 00:15:50,850 (クレン)恐怖のあまり吐き戻したか。 227 00:15:50,850 --> 00:15:55,121 わずかだが まだ息があるな。 228 00:15:59,692 --> 00:16:02,361 あう あう あ~ あ~。 229 00:16:02,361 --> 00:16:04,697 (クレン)胃酸は中和した。 230 00:16:04,697 --> 00:16:07,867 そばについて 死の間際まで癒やしてやれ。 231 00:16:07,867 --> 00:16:12,538 そやつを癒やせるのは 赤子のうぬだけだ。 232 00:16:12,538 --> 00:16:15,107 うぅ うぅ…。 233 00:16:17,210 --> 00:16:20,046 うっ うぅ うぅ~ う~! 234 00:16:20,046 --> 00:16:23,816 (ブロコ)いったい どうしたんだ! ただのガキと赤子だろう! 235 00:16:26,219 --> 00:16:29,055 (ブロコ)赤子と女は どこ行った? 236 00:16:29,055 --> 00:16:32,158 どんなトリックを使った!? 魔術か? 237 00:16:32,158 --> 00:16:34,827 さては キサマも魔術師だな! 238 00:16:34,827 --> 00:16:38,331 魔術? 魔術とは何だ? 239 00:16:38,331 --> 00:16:41,000 ぐぬ しらを切るつもりか。 240 00:16:41,000 --> 00:16:45,505 確かに魔術は まだ若い学問だが 俺様を山賊のジジイと思って➡ 241 00:16:45,505 --> 00:16:48,007 バカにするなよ! 242 00:16:48,007 --> 00:16:52,511 魔術の基礎は 俺様の世代が 作り上げたも同然なんだぞ。 243 00:16:52,511 --> 00:16:54,780 見ていろ! 244 00:16:57,350 --> 00:17:01,020 キサマに魔術の基礎を レクチャーしてやろう。 245 00:17:01,020 --> 00:17:03,523 これは魔鉱石と いくつかのハーブ➡ 246 00:17:03,523 --> 00:17:08,194 そして アシナガ寄生バエの幼虫を すり潰して粉にしたものだ。 247 00:17:08,194 --> 00:17:12,532 その成分には 宿主の思考力を低下させ➡ 248 00:17:12,532 --> 00:17:15,534 意のままに操る効果がある。 249 00:17:15,534 --> 00:17:18,204 もちろん調合には時間を要した。 250 00:17:18,204 --> 00:17:21,707 完全に支配できるのは メスのトロールだけだが➡ 251 00:17:21,707 --> 00:17:24,543 いずれ すべての魔獣を操ってみせる! 252 00:17:24,543 --> 00:17:26,812 これが 俺様の魔術! 253 00:17:29,382 --> 00:17:33,119 魔術とは! 魔鉱石を使い あらゆる自然現象を➡ 254 00:17:33,119 --> 00:17:37,790 己がものとするための 新しい技術の総称だ! 255 00:17:37,790 --> 00:17:39,992 この臭いは…。 256 00:17:41,961 --> 00:17:43,963 (うなり声) 257 00:17:43,963 --> 00:17:46,132 (ブロコ)やれ ベティ! そいつを叩き潰せ! 258 00:17:46,132 --> 00:17:48,134 (咳き込む声) 259 00:17:48,134 --> 00:17:50,803 (咆哮) 260 00:17:50,803 --> 00:17:55,975 《やはり この姿では 衝撃を直に受けるな…。 261 00:17:55,975 --> 00:18:02,148 魔術について何の説明もせぬとは アリシアめ…》 262 00:18:02,148 --> 00:18:04,984 あぁ!? あぁ~! 263 00:18:04,984 --> 00:18:07,153 はぁ~! (うめき声) 264 00:18:07,153 --> 00:18:11,490 ハァ ハァ… ハァ ハァ ハァ…。 265 00:18:11,490 --> 00:18:13,492 化け物勇者め! 266 00:18:13,492 --> 00:18:16,495 ふんっ はぁ~! 267 00:18:16,495 --> 00:18:19,665 ((はぁ~! イタタタ イタタ…。 268 00:18:19,665 --> 00:18:23,836 (マルゴ)アハハハ! 剣より 硬いものを叩けば そうなる。 269 00:18:23,836 --> 00:18:26,672 握りは強く 手首は柔らかく。 270 00:18:26,672 --> 00:18:30,009 関節は すべて 柔らかさを意識するといいよ。 271 00:18:30,009 --> 00:18:34,313 は~い! どうしたら もっとも~っと強くなれるかな? 272 00:18:34,313 --> 00:18:38,150 そうだな… 躊躇しないことだな。 273 00:18:38,150 --> 00:18:40,319 ちゅーちょ? 274 00:18:40,319 --> 00:18:45,825 相手を傷つけることへの躊躇 技を繰り出すことへの躊躇。 275 00:18:45,825 --> 00:18:48,995 痛みを感じることへの躊躇。 276 00:18:48,995 --> 00:18:52,164 躊躇は 体を固くする。 277 00:18:52,164 --> 00:18:56,502 固さは剣の持つ 力とスピードを殺してしまう。 278 00:18:56,502 --> 00:19:00,840 固さが全部取れれば アリシアは もっともっと強くなれるよ。 279 00:19:00,840 --> 00:19:02,842 本当!? 280 00:19:02,842 --> 00:19:05,344 (マルゴ)大切なのは 剣を信頼することだ。 281 00:19:05,344 --> 00:19:07,680 剣の力を)) 282 00:19:07,680 --> 00:19:11,183 はぁ~!! 283 00:19:11,183 --> 00:19:14,020 ハァハァ… 8人。 284 00:19:14,020 --> 00:19:17,857 くっ べらぼうな強さだ。 本当に同じ人間か!? 285 00:19:17,857 --> 00:19:23,029 技で かなわねえってんなら 腕力勝負だ~! 286 00:19:23,029 --> 00:19:26,032 ぐはっ うっ…。 287 00:19:26,032 --> 00:19:28,034 やったぞ! 288 00:19:28,034 --> 00:19:32,104 《こんな なまくら 何本あってもダメだ》 289 00:19:32,104 --> 00:19:35,107 (ダガン)骨の2~3本は いってるはずだぞ! 290 00:19:35,107 --> 00:19:38,277 どうなってんだ あいつの体! クソッ! 291 00:19:38,277 --> 00:19:40,279 ハァ… ハァ…。 292 00:19:40,279 --> 00:19:42,615 《もっと ちゃんとした剣を…》 293 00:19:42,615 --> 00:19:45,117 (ダガン)うわぁ 逃げたぞ! 取り押さえろ! 294 00:19:45,117 --> 00:19:47,787 (喚声) 295 00:19:47,787 --> 00:19:50,122 《ざっと50人はいる。 296 00:19:50,122 --> 00:19:52,958 こいつら全員を休まず 相手にするのは無理だ。 297 00:19:52,958 --> 00:19:56,295 不死身でも 体力は ガンガン削れていく。 298 00:19:56,295 --> 00:19:59,965 むしろ… 魔血で 無理やり傷を治しているせいか➡ 299 00:19:59,965 --> 00:20:02,301 消耗が激しい…。 300 00:20:02,301 --> 00:20:05,971 動けなくなるほど 消耗して捕まったら どうなる? 301 00:20:05,971 --> 00:20:08,474 何をしても死なない女だ。 302 00:20:08,474 --> 00:20:12,978 どんな鬼畜なことをされるか わかったもんじゃない》 303 00:20:12,978 --> 00:20:18,818 ハァ… ハァハァ ハァハァ…。 304 00:20:18,818 --> 00:20:21,320 《挑むなら短期決戦! 305 00:20:21,320 --> 00:20:24,523 伝説の あの剣がいる!》 306 00:20:26,992 --> 00:20:29,662 (山賊たち)あっ! 307 00:20:29,662 --> 00:20:32,164 飛び込み台のほうへ行ったぞ! 308 00:20:32,164 --> 00:20:37,336 まさか 飛び込む気か!? そこまでバカじゃねえだろ! 309 00:20:37,336 --> 00:20:41,507 湖には 伝説の勇者を殺した魔獣が ウヨウヨいる! 310 00:20:41,507 --> 00:20:44,677 300年 生きて戻れたやつは いねえんだ! 311 00:20:44,677 --> 00:20:46,679 (咆哮) 312 00:20:46,679 --> 00:20:49,849 《思ったとおり 人が落ちてくるのを狙っている。 313 00:20:49,849 --> 00:20:52,852 何年もかけて学習したんだ》 314 00:20:52,852 --> 00:20:55,855 待て コラァ! 足場を登って逃げる気だ! 315 00:20:55,855 --> 00:20:58,157 やっぱり上に逃げたぞ! 316 00:21:01,193 --> 00:21:03,529 (どよめき) 317 00:21:03,529 --> 00:21:05,531 悪あがきしやがって! 318 00:21:05,531 --> 00:21:09,034 上からも追い詰めた! 挟み撃ちだ! 319 00:21:15,207 --> 00:21:18,043 (深呼吸する音) 320 00:21:18,043 --> 00:21:20,212 ふん! (どよめき) 321 00:21:20,212 --> 00:21:24,884 エサの時間だ。 水棲魔獣 アルベンシス。 322 00:21:24,884 --> 00:21:28,220 (叫び声) 323 00:21:28,220 --> 00:21:31,223 たらふく喰え。 324 00:21:31,223 --> 00:21:36,028 (叫び声) 325 00:21:36,028 --> 00:21:39,532 うおっ 足場を崩しやがった! 正気じゃねえ! 326 00:21:39,532 --> 00:21:41,534 うわぁ~! 327 00:21:41,534 --> 00:21:44,803 (ダガン)落ちたやつら全員 喰われちまうぞ~! 328 00:21:48,207 --> 00:21:50,876 た… 助け… あっぷ! 329 00:21:50,876 --> 00:22:02,888 ♬~ 330 00:22:02,888 --> 00:22:05,224 ぐっ…。 あの女は! 331 00:22:05,224 --> 00:22:07,693 (ダガン)あの女は どこだ~!! 332 00:22:13,899 --> 00:22:20,573 《今の私が 伝説の勇者より 確実に勝る点は ただ一つ。 333 00:22:20,573 --> 00:22:23,576 窒息しても死ねないこと。 334 00:22:23,576 --> 00:22:26,745 飛び込む前に息は全部吐いた。 335 00:22:26,745 --> 00:22:29,582 あとは 耐えるだけだ。 336 00:22:29,582 --> 00:22:35,354 ひたすら 伝説の剣が眠る 湖の底まで…》 337 00:22:38,524 --> 00:22:40,593 (咆哮)