1 00:01:29,023 --> 00:01:32,860 ⦅ギリン:やはり ただの伝承ではなかった。 2 00:01:32,860 --> 00:01:36,364 (ギリン)滅亡した古代王国は 存在した! 3 00:01:38,366 --> 00:01:42,036 (ヌール)こりゃ純金だぜ。 (ブリガン)とんでもねえな。 4 00:01:42,036 --> 00:01:44,038 (センシ)なぁ…。 5 00:01:44,038 --> 00:01:46,708 一度 地上へ帰るべきでは? 6 00:01:46,708 --> 00:01:49,544 探索するなら もっと入念な準備が…。 7 00:01:49,544 --> 00:01:52,213 (トタン)なに寝ぼけたこと 言っとるんじゃ。 8 00:01:52,213 --> 00:01:56,384 (インバー)センシ お前の体には 本当に鉄が流れてるのか? 9 00:01:56,384 --> 00:01:59,487 無理するな お前は ここで待ってろ。 10 00:01:59,487 --> 00:02:02,991 んっ… 俺だって金が欲しい!⦆ 11 00:02:02,991 --> 00:02:06,995 《センシ:一人にされるのも怖くて ウソをついた。 12 00:02:06,995 --> 00:02:09,998 どうも この場所が 好きになれなかったし➡ 13 00:02:09,998 --> 00:02:13,501 野心家の多い 仲間たちであったとはいえ➡ 14 00:02:13,501 --> 00:02:16,004 あのときの様子は異常だった。 15 00:02:16,004 --> 00:02:19,173 闇の中で両目を爛々と輝かせ➡ 16 00:02:19,173 --> 00:02:23,344 吸い寄せられるように 奥へ奥へと進んでいく。 17 00:02:23,344 --> 00:02:27,348 そして… 突然それは始まった》 18 00:02:27,348 --> 00:02:29,517 ⦅3人:あっ!? (叫び声) 19 00:02:29,517 --> 00:02:31,519 あっ…。 (ギリン)何があった!? 20 00:02:31,519 --> 00:02:35,023 あっ! (ヌール)ま… 魔物だ! 21 00:02:35,023 --> 00:02:38,026 でかい鳥の化け物が いきなり現れて…。 22 00:02:38,026 --> 00:02:40,194 トタンが殺されちまった! 23 00:02:40,194 --> 00:02:42,196 ただの遺跡じゃない。 24 00:02:42,196 --> 00:02:44,866 迷宮化している! (3人)ハッ…⦆ 25 00:02:44,866 --> 00:02:48,870 《センシ:恐怖で皆が ようやく我に返ったころには➡ 26 00:02:48,870 --> 00:02:52,206 帰り道が わからなくなっていた》 27 00:02:52,206 --> 00:02:55,877 ⦅ヌール:俺たち 閉じ込められたんじゃ…。 28 00:02:55,877 --> 00:02:59,814 ハッ…。 迷宮ってのは 必ず地上に繋がってる。 29 00:02:59,814 --> 00:03:02,984 落ち着いて出口を探そう⦆ 30 00:03:02,984 --> 00:03:07,488 《センシ:魔物を避けて 迷宮内をひたすら さまよった。 31 00:03:07,488 --> 00:03:09,490 奇妙なことに➡ 32 00:03:09,490 --> 00:03:11,492 喉が渇けば泉が。 33 00:03:11,492 --> 00:03:15,496 疲れがたまれば 安らげる部屋が現れる。 34 00:03:15,496 --> 00:03:21,502 物陰で絶世の美女に 誘惑されたという者すらいた。 35 00:03:21,502 --> 00:03:24,839 やがて 食料が尽きた》 36 00:03:24,839 --> 00:03:27,341 ⦅このままじゃ飢えて死ぬ。 37 00:03:27,341 --> 00:03:31,345 戦ってでも食える物を探さないと。 食える物? 38 00:03:31,345 --> 00:03:34,682 魔物だって 何かを食って生きてるはずだ。 39 00:03:34,682 --> 00:03:39,353 インバー ブリガン お前たちは盾で周囲を警戒しろ。 40 00:03:39,353 --> 00:03:42,523 ヌールと俺は武器で魔物を撃退する。 41 00:03:42,523 --> 00:03:44,525 (ギリン)センシは…。 んっ…。 42 00:03:44,525 --> 00:03:48,029 ここに残って この辺の地図をまとめてろ。 43 00:03:48,029 --> 00:03:50,031 行くぞ! んっ。 44 00:03:52,033 --> 00:03:54,035 (扉の閉まる音) 45 00:03:56,037 --> 00:03:58,873 (インバー)鳥の魔物が また出た! (扉の開く音) 46 00:03:58,873 --> 00:04:03,311 (ギリン)あの野郎 すぐ空中へ逃げやがる。 47 00:04:03,311 --> 00:04:08,483 つ 次の食料探しは俺も行く! いらねえ 邪魔になるだけだ。 48 00:04:08,483 --> 00:04:13,154 ウッ…。 (ギリン)食料を見つけた。 お前は これを食ってろ⦆ 49 00:04:13,154 --> 00:04:18,826 《センシ:何もしないくせに腹は減る。 自分が情けなかったよ。 50 00:04:18,826 --> 00:04:23,164 出口より その日 食う物を 探すことで必死になった。 51 00:04:23,164 --> 00:04:27,001 鳥は私たちのあとを 執念深く追ってくる。 52 00:04:27,001 --> 00:04:31,005 戦うたびに仲間は減り… 食うに困って➡ 53 00:04:31,005 --> 00:04:33,508 ついに馬も しめた》 54 00:04:33,508 --> 00:04:37,512 ⦅ギリン:四つ足の鷲… 間違いない。 55 00:04:37,512 --> 00:04:42,350 ありゃ グリフィンって魔物だ。 なぜ俺たちを目の敵に? 56 00:04:42,350 --> 00:04:45,019 腹が減ってるわけでも なさそうなのに。 57 00:04:45,019 --> 00:04:48,189 殺りくを楽しんでやがんだろ。 58 00:04:48,189 --> 00:04:51,692 魔物ってのは そういう性分だって話だ。 59 00:04:53,694 --> 00:04:57,865 心配すんな。 今度来たら 丸焼きにして食っちまえばいい。 60 00:04:57,865 --> 00:05:01,569 ほら アンヌに感謝して たくさん食え。 61 00:05:05,306 --> 00:05:07,308 (ブリガン)どういうつもりだ。 62 00:05:07,308 --> 00:05:10,478 役に立たないガキに いちばん飯を食わせて。 63 00:05:10,478 --> 00:05:13,815 (ギリン)アイツは まだ36で 育ち盛りだ。 64 00:05:13,815 --> 00:05:18,319 大人の俺たちが面倒をみる 責任がある。 そんな余裕はない! 65 00:05:18,319 --> 00:05:21,155 次の世代の 面倒をみてやれなくなったら➡ 66 00:05:21,155 --> 00:05:24,158 終わりだろう! チッ! 67 00:05:24,158 --> 00:05:33,334 ♬~ 68 00:05:33,334 --> 00:05:35,336 《腹が減った…。 69 00:05:35,336 --> 00:05:39,340 体の中に 鉄が流れてるくらいなら➡ 70 00:05:39,340 --> 00:05:42,176 石ぐらい食えないものか…》 (ブリガン)おい! 71 00:05:42,176 --> 00:05:44,178 食い物 隠し持ってるな!? ウゥ…。 72 00:05:44,178 --> 00:05:46,848 やめろ! 何をしている! 73 00:05:46,848 --> 00:05:50,518 このガキ…! 外へ出て話そう。 74 00:05:50,518 --> 00:05:52,853 センシが怖がってる⦆ 75 00:05:52,853 --> 00:05:55,356 (ギリンとブリガンの怒鳴り声) 76 00:05:55,356 --> 00:05:58,025 《センシ:怒鳴りあう声が 徐々に激しくなり➡ 77 00:05:58,025 --> 00:06:02,129 大きく争う物音と悲鳴が 何度か聞こえ…》 78 00:06:02,129 --> 00:06:05,032 (悲鳴) 79 00:06:09,303 --> 00:06:12,306 《センシ:恐ろしいほど 静かになった》 80 00:06:12,306 --> 00:06:14,308 ⦅ハッ。 (扉の開く音) 81 00:06:14,308 --> 00:06:16,477 いったい何が? ブリガンは? 82 00:06:16,477 --> 00:06:21,148 ジッとしてろ! 外は見ないほうがいい。 83 00:06:21,148 --> 00:06:23,985 グリフィンに襲われたんだ。 84 00:06:23,985 --> 00:06:27,989 グリフィンは俺が殺したが ブリガンも即死した。 85 00:06:27,989 --> 00:06:30,658 ハッ…⦆ 《センシ:ギリンの頭を見ると➡ 86 00:06:30,658 --> 00:06:34,996 何か鈍器で殴られたような へこみがあった》 87 00:06:34,996 --> 00:06:37,331 ⦅グリフィンを食っちまおう。 88 00:06:37,331 --> 00:06:40,334 アイツをさばいてスープにすれば…。 89 00:06:40,334 --> 00:06:42,837 何日かは生きられる⦆ 90 00:06:54,348 --> 00:06:57,685 《センシ:水で煮ただけの グリフィンのスープは➡ 91 00:06:57,685 --> 00:07:01,789 獣の臭いと肉のかたさで ひどい味だったが…》 92 00:07:01,789 --> 00:07:04,292 ⦅んっ… ハァ…⦆ 93 00:07:04,292 --> 00:07:06,627 《センシ:夢中で咀嚼し➡ 94 00:07:06,627 --> 00:07:10,798 ゆっくりと 長い時間をかけ飲み込んだ。 95 00:07:10,798 --> 00:07:18,639 小便をしてくると言って ふらりと出ていった彼は…。 96 00:07:18,639 --> 00:07:21,142 二度と戻らなかった。 97 00:07:21,142 --> 00:07:24,645 私は独り 残されてしまった。 98 00:07:24,645 --> 00:07:27,982 扉の先の光景を見る勇気がなく➡ 99 00:07:27,982 --> 00:07:32,153 部屋の中から動けなかったが…。 100 00:07:32,153 --> 00:07:34,655 残りの肉で食いつなぎながら➡ 101 00:07:34,655 --> 00:07:37,658 今までに描いた地図を眺めた。 102 00:07:37,658 --> 00:07:41,329 壁につけられた暗号に 法則性を見つけ➡ 103 00:07:41,329 --> 00:07:45,333 意を決して 部屋の外に出てみると…》 104 00:07:47,335 --> 00:07:49,337 ⦅あっ…⦆ 105 00:07:49,337 --> 00:07:51,339 《センシ:死体は なかった。 106 00:07:51,339 --> 00:07:55,843 さまざまな生き物が きれいに 平らげてしまったのだろう。 107 00:07:55,843 --> 00:07:58,679 その後 オークに捕まり➡ 108 00:07:58,679 --> 00:08:02,450 しばらくは集落で 捕虜として拘禁された。 109 00:08:02,450 --> 00:08:05,953 話してみると 案外 気のいい連中で➡ 110 00:08:05,953 --> 00:08:08,622 古代ドワーフ語を教える代わりに➡ 111 00:08:08,622 --> 00:08:12,126 食えるキノコと食えないキノコの 見分け方や➡ 112 00:08:12,126 --> 00:08:14,795 魔物のあしらい方などを学んだ。 113 00:08:14,795 --> 00:08:17,965 こうして私は…》 114 00:08:17,965 --> 00:08:20,768 ⦅フゥ… フゥッ…⦆ 115 00:08:23,304 --> 00:08:26,974 《センシ:地上へ 出ることができたのだ。 116 00:08:26,974 --> 00:08:31,145 しかし私は 起きた出来事を考えると➡ 117 00:08:31,145 --> 00:08:33,814 とても故郷に戻る気にはなれず➡ 118 00:08:33,814 --> 00:08:37,985 迷宮の付近や浅層で生活した。 119 00:08:37,985 --> 00:08:41,322 やがて 地上の街と迷宮が繋がり➡ 120 00:08:41,322 --> 00:08:44,658 多くの冒険者が やってくるようになった。 121 00:08:44,658 --> 00:08:46,660 気がかりだったのは➡ 122 00:08:46,660 --> 00:08:50,831 本当にあれは グリフィンの 肉だったのかということだ。 123 00:08:50,831 --> 00:08:54,835 何か物を食べるたび スープの味を思い出す。 124 00:08:54,835 --> 00:08:59,774 どんな魔物の肉も あの味からは程遠かった》 125 00:08:59,774 --> 00:09:04,278 これが グリフィンから逃げ出した理由だ。 126 00:09:04,278 --> 00:09:11,452 ワシは… 真実を知るのが恐ろしい。 (マルシル)そんなことが…。 127 00:09:11,452 --> 00:09:14,455 (ライオス)センシ…。 128 00:09:14,455 --> 00:09:16,791 じゃ食べてみるか そこのグリフィン。 129 00:09:16,791 --> 00:09:18,793 (3人)はぁ!? あっ いや…。 130 00:09:18,793 --> 00:09:20,961 先の長い人生 食事のたびに➡ 131 00:09:20,961 --> 00:09:23,798 そのことが頭をよぎり続けるのは 損だろう。 132 00:09:23,798 --> 00:09:27,968 同じ味なら安心できるし 似ても似つかない味だったら…。 133 00:09:27,968 --> 00:09:31,305 残念だけど 心のつかえは取れる。 134 00:09:31,305 --> 00:09:35,142 (チルチャック)いや 余計つかえるだろ。 (イヅツミ)アイツなんなの? 135 00:09:35,142 --> 00:09:38,345 どうかな センシ。 んっ…。 136 00:09:40,314 --> 00:09:43,150 そうだな 食べるべきだろう。 137 00:09:43,150 --> 00:09:45,486 センシ…。 138 00:09:45,486 --> 00:09:47,488 よ~し! それでは➡ 139 00:09:47,488 --> 00:09:50,157 可能なかぎり 当時の調理を再現しよう。 140 00:09:50,157 --> 00:09:52,493 あまり処理はせず 肉を切り出す。 141 00:09:52,493 --> 00:09:55,996 上半身と下半身で まったく味が 違うかもしれないから➡ 142 00:09:55,996 --> 00:09:59,300 両方から取る。 お前 食いたいだけだろ。 143 00:10:03,170 --> 00:10:07,007 すごい筋肉だ。 さすが肉食獣。 144 00:10:07,007 --> 00:10:10,845 なぜグリフィンは センシたちを 執拗に追跡したんだろう。 145 00:10:10,845 --> 00:10:14,348 人を殺しても 食べたりはしなかったんだよな? 146 00:10:14,348 --> 00:10:17,017 あっ 馬を連れてたと言ったか。 147 00:10:17,017 --> 00:10:20,020 それでかな グリフィンは馬が好物だし。 148 00:10:20,020 --> 00:10:24,191 では なぜ最初に 馬を襲わなかったんだ? 知らん。 149 00:10:24,191 --> 00:10:26,694 お湯 沸かすね。 150 00:10:28,696 --> 00:10:31,365 《グリフィンの武器は 前かぎ爪と くちばし。 151 00:10:31,365 --> 00:10:35,369 あれで攻撃されても 鈍器で 殴ったような跡にはならない。 152 00:10:35,369 --> 00:10:39,373 だから ブリガンを殺したのは グリフィンではないだろう。 153 00:10:39,373 --> 00:10:42,376 では 他の3人はどうなんだ? 154 00:10:42,376 --> 00:10:45,880 俺たちがファリンとグリフィンを 見間違えたように➡ 155 00:10:45,880 --> 00:10:48,048 別の魔物だった可能性は? 156 00:10:48,048 --> 00:10:51,218 翼を持つ大型の魔物なら いろいろいる。 157 00:10:51,218 --> 00:10:54,889 コカトリスにバジリスク ハーピー セイレーン。 158 00:10:54,889 --> 00:10:57,892 ペガサス シムルグ ロック鳥…。 159 00:10:57,892 --> 00:11:01,328 その中に鈍器みたいな 武器を持つ魔物は…》 160 00:11:01,328 --> 00:11:04,331 お湯 沸いたけど。 161 00:11:04,331 --> 00:11:06,500 このまま茹でるだけ? 162 00:11:06,500 --> 00:11:09,503 他に具材とか…。 それだけだ。 163 00:11:09,503 --> 00:11:12,506 《味気のないスープになるな。 164 00:11:12,506 --> 00:11:14,842 せめて付け合わせでも…》 165 00:11:14,842 --> 00:11:16,844 そういえば➡ 166 00:11:16,844 --> 00:11:19,847 オークからキノコの見分け方を 教わったと言っていたが➡ 167 00:11:19,847 --> 00:11:23,851 あのキノコは初見だったのか? あぁ 初めて見た。 168 00:11:25,853 --> 00:11:29,523 マルシル あとは任せた。 えっ!? ちょっと! 169 00:11:29,523 --> 00:11:33,027 ここまで進めといて投げ出すの? 自由かよっ! 170 00:11:33,027 --> 00:11:35,029 もういい 終わりだ。 171 00:11:35,029 --> 00:11:37,865 こんなことやったってセンシは…。 いや…。 172 00:11:37,865 --> 00:11:40,367 ここまできたら食わせてくれ。 173 00:11:40,367 --> 00:11:43,370 どんな結果でも 受け止めるつもりだ。 174 00:11:43,370 --> 00:11:49,543 ♬~ 175 00:11:49,543 --> 00:11:52,546 完成じゃ。 176 00:11:58,719 --> 00:12:00,654 これは…! 177 00:12:00,654 --> 00:12:05,659 あのとき食べた味とは 似ても似つかない…。 178 00:12:05,659 --> 00:12:09,663 やはり あのとき ワシが口にしたのは…。 179 00:12:09,663 --> 00:12:14,168 それって…。 いいんだ 肩の荷が下りた。 180 00:12:14,168 --> 00:12:18,172 何をしても 生き延びてほしかったのだろう。 181 00:12:18,172 --> 00:12:21,342 その思いを 背負っていくことにしよう。 182 00:12:21,342 --> 00:12:24,511 ライオスのバカ! なんてことしたんだよ。 183 00:12:24,511 --> 00:12:27,348 んっ… ウーン…。 184 00:12:27,348 --> 00:12:31,352 グリフィンの肉… 獣の臭いがきついし かたい。 185 00:12:31,352 --> 00:12:33,854 何より後味が最悪。 186 00:12:33,854 --> 00:12:35,856 そう。 187 00:12:35,856 --> 00:12:37,858 あのときセンシが食べたのは➡ 188 00:12:37,858 --> 00:12:40,361 グリフィンじゃあない。 (2人)ヒッ…。 189 00:12:40,361 --> 00:12:43,030 ましてや人肉でもない。 190 00:12:43,030 --> 00:12:48,202 彼らを襲ったのは グリフィンでなく ヒポグリフだよ。 ヒポグリフ? 191 00:12:48,202 --> 00:12:52,706 グリフィンは 下半身が獅子だが ヒポグリフは 馬の近縁種だ。 192 00:12:52,706 --> 00:12:55,709 執拗に追ってきたのも 馬を連れていたせいだろう。 193 00:12:55,709 --> 00:12:58,712 好奇心か 発情期だったのかもな。 194 00:12:58,712 --> 00:13:01,982 そして ヒポグリフは グリフィンにはない武器を持つ。 195 00:13:01,982 --> 00:13:06,153 ひづめのついた後ろ足だ。 こいつで蹴り上げられたら➡ 196 00:13:06,153 --> 00:13:09,490 金属だろうと 大きな穴があくはずだ。 197 00:13:09,490 --> 00:13:12,493 あっ…。 断言するよ センシ! 198 00:13:12,493 --> 00:13:15,329 センシが あのとき食べたのが ヒポグリフなら➡ 199 00:13:15,329 --> 00:13:18,332 このスープと味が違うのは当然だ! 200 00:13:20,334 --> 00:13:26,674 ハハッ ありがとうライオス。 それを聞いて少し安心した。 201 00:13:26,674 --> 00:13:30,678 ヒポグリフの味を 確かめるすべはないが。 202 00:13:32,680 --> 00:13:36,016 それじゃあ確かめようか。 (4人)えっ? 203 00:13:36,016 --> 00:13:38,686 実際に ヒポグリフの肉と 食べ比べるんだ。 204 00:13:38,686 --> 00:13:40,688 そ そこは➡ 205 00:13:40,688 --> 00:13:43,190 「真相は不明だけど いちるの希望は出たね」で➡ 206 00:13:43,190 --> 00:13:47,861 やんわり終わる流れでは!? というか ヒポグリフなんてどこに。 207 00:13:47,861 --> 00:13:51,865 いや ヒポグリフは すぐそこにいる! 208 00:13:51,865 --> 00:13:55,202 この迷宮では 過去に報告例もあったはずだ。 209 00:13:55,202 --> 00:13:58,038 なのに なぜそこに気付かなかったのか。 210 00:13:58,038 --> 00:14:01,308 「この迷宮には いないはずの グリフィンと戦ったから」。 211 00:14:01,308 --> 00:14:03,310 なぜか!? 212 00:14:03,310 --> 00:14:06,146 それは ことをややこしくした 「共犯者」の仕業さ。 213 00:14:06,146 --> 00:14:08,982 共犯者? 214 00:14:08,982 --> 00:14:11,151 チェンジリングだよ。 215 00:14:11,151 --> 00:14:13,153 あっ…! そういえば➡ 216 00:14:13,153 --> 00:14:15,823 チルチャックの出身のあたりの 伝承だったか。 217 00:14:15,823 --> 00:14:18,659 「取り替え子」って 聞いたことないか? 218 00:14:18,659 --> 00:14:21,328 子どもと化け物が 入れ替わる現象だ。 219 00:14:21,328 --> 00:14:23,497 森へ遊びにいった子どもが➡ 220 00:14:23,497 --> 00:14:26,834 瓜二つの姿の トロールになって帰ってくる。 221 00:14:26,834 --> 00:14:29,670 長いこと魔術の類いだと 思われていたが➡ 222 00:14:29,670 --> 00:14:34,174 近年になって このキノコ型の 魔物の仕業だと判明した。 223 00:14:34,174 --> 00:14:36,844 この キノコの輪に 足を踏み入れた生物は➡ 224 00:14:36,844 --> 00:14:38,846 少しだけ 「変わって」しまう。 225 00:14:38,846 --> 00:14:41,682 原因がわかってからは 駆除が進んで➡ 226 00:14:41,682 --> 00:14:45,352 めっきり見なくなったが こんな所に生えていたとは。 227 00:14:45,352 --> 00:14:48,355 センシをさらっても 食べなかったこと。 228 00:14:48,355 --> 00:14:51,525 召喚獣を殺した あの鋭い蹴り。 229 00:14:51,525 --> 00:14:55,529 おそらく 俺たちが戦った このグリフィンは…。 230 00:14:55,529 --> 00:14:57,698 確かめてみよう。 231 00:14:57,698 --> 00:15:02,202 グリフィンの肉を チェンジリングのフェアリーリングに…。 232 00:15:04,471 --> 00:15:08,976 (イヅツミ)肉の見た目が変わった! サシが入って うまそうになったな。 233 00:15:08,976 --> 00:15:11,478 よし これをスープにしよう。 234 00:15:29,997 --> 00:15:35,169 ウゥッ… ウッ! (3人)あっ! 235 00:15:35,169 --> 00:15:37,838 セ センシ!? ま まぁ➡ 236 00:15:37,838 --> 00:15:41,842 味って条件や環境しだいで 結構変わるから そんな気にせず。 237 00:15:41,842 --> 00:15:46,346 違う… 違うんだ…。 238 00:15:46,346 --> 00:15:52,352 ずっと… ずっと このスープを もう一度 飲みたかった…。 239 00:15:55,355 --> 00:15:59,626 ありがとう… みんな。 240 00:15:59,626 --> 00:16:03,130 ありがとう…。 241 00:16:03,130 --> 00:16:08,302 長く迷宮で暮らして ひとつ気付いたことがある。 242 00:16:08,302 --> 00:16:12,639 この迷宮は 人の欲望に強く反応する。 243 00:16:12,639 --> 00:16:16,476 富 知識 名声。 244 00:16:16,476 --> 00:16:18,479 オークたちのような➡ 245 00:16:18,479 --> 00:16:21,982 迷宮へ 「求めない者」に 対しては寛容だが➡ 246 00:16:21,982 --> 00:16:25,319 何かを求めたとたん 牙をむく。 247 00:16:25,319 --> 00:16:27,487 これから お前たちは➡ 248 00:16:27,487 --> 00:16:30,824 ファリンを取り戻すという 目的に加え➡ 249 00:16:30,824 --> 00:16:35,996 狂乱の魔術師や 有翼の獅子を求めることになる。 250 00:16:35,996 --> 00:16:40,000 迷宮の反応は 更に苛烈になるだろう。 251 00:16:40,000 --> 00:16:42,002 それでも…。 252 00:16:42,002 --> 00:16:46,006 ワシは お前たちに 教えたいことが たくさんある。 253 00:16:46,006 --> 00:16:48,342 一緒に連れてってくれるか? 254 00:16:48,342 --> 00:16:50,644 フフッ…。 あぁ もちろん! 255 00:16:54,681 --> 00:16:56,850 よしっ それじゃみんな! 256 00:16:56,850 --> 00:16:59,152 先に進もう! 257 00:17:05,459 --> 00:17:09,296 みんな… 具合はどうだ? ウゥ…。 258 00:17:09,296 --> 00:17:11,298 (センシ)寒い…。 だめかも…。 259 00:17:11,298 --> 00:17:14,635 《どう考えても食中毒だよな~。 260 00:17:14,635 --> 00:17:18,305 さんざん いろんな物 口にしてきたからなぁ。 261 00:17:18,305 --> 00:17:21,642 しかし こんな所で 終わるわけには…。 262 00:17:21,642 --> 00:17:24,978 ファリン…》 263 00:17:24,978 --> 00:17:26,980 ハッ。 264 00:17:26,980 --> 00:17:29,816 《どのくらい眠ってた? 体が軽い。 265 00:17:29,816 --> 00:17:32,152 食あたりは おさまったか。 266 00:17:32,152 --> 00:17:35,155 よかった どうなることかと…》 267 00:17:35,155 --> 00:17:37,491 おっ? えっ? 268 00:17:37,491 --> 00:17:39,993 どういうことだ? 269 00:17:39,993 --> 00:17:42,162 んんっ…。 あっ マルシル。 270 00:17:42,162 --> 00:17:45,332 これ見てくれ! 俺の体 なんか変じゃ… あっ? 271 00:17:45,332 --> 00:17:48,502 んん~っ。 272 00:17:48,502 --> 00:17:51,672 はぁ! うわっ! マルシルも縮んでる!? 273 00:17:51,672 --> 00:17:54,007 センシ 大変だ! 起きてくれ~! 274 00:17:54,007 --> 00:17:56,343 センッ…。 275 00:17:56,343 --> 00:17:58,345 どっ どなた!? 276 00:17:58,345 --> 00:18:01,949 んだよ さっきから うるせえな。 277 00:18:01,949 --> 00:18:05,619 チル… チルチャックさん? 278 00:18:05,619 --> 00:18:08,121 わ~っ! ぎゃ~! うお~っ! 279 00:18:08,121 --> 00:18:10,624 察するに…。 280 00:18:10,624 --> 00:18:14,294 どうやら俺たちは チェンジリングを踏んでしまったようだ。 281 00:18:14,294 --> 00:18:19,299 そ そんなことって…。 グリフィンをヒポグリフに変えるほどだ。 282 00:18:19,299 --> 00:18:21,802 人間がこうなってもおかしくない。 283 00:18:21,802 --> 00:18:25,305 俺は ドワーフに。 センシは エルフ。 284 00:18:25,305 --> 00:18:27,641 マルシルは ハーフフット? 285 00:18:27,641 --> 00:18:29,643 チルチャックは トールマン。 286 00:18:29,643 --> 00:18:32,980 イヅツミは… 犬に。 287 00:18:32,980 --> 00:18:37,651 いや あれたぶん コボルトだよね。 猫耳コボルトだ。 288 00:18:37,651 --> 00:18:41,655 さて。 どうやって元の体に戻るか。 289 00:18:41,655 --> 00:18:44,491 来た道を引き返すしか ないだろうよ。 290 00:18:44,491 --> 00:18:47,160 また キノコの輪を踏めば 戻れるんでしょ? 291 00:18:47,160 --> 00:18:50,664 と思うんだが… 外を見てくれ。 292 00:18:50,664 --> 00:18:52,100 あっ! 道が変わってる。 293 00:18:52,100 --> 00:18:56,503 寝込んでる間 震えが止まらなかったけど➡ 294 00:18:56,503 --> 00:18:59,606 体じゃなくて 迷宮が揺れてたってわけ? 295 00:18:59,606 --> 00:19:03,310 引き返せるか不明だが… 貯水庫へ戻ろう。 296 00:19:06,780 --> 00:19:10,117 《おっ 荷物がすごく軽い》 297 00:19:10,117 --> 00:19:12,119 ん~っ ん~っ。 マルシル。 298 00:19:12,119 --> 00:19:14,788 荷物 少し持つよ。 ありがとう。 299 00:19:14,788 --> 00:19:19,126 《この体いいなぁ 暗くても よく見えるし。 300 00:19:19,126 --> 00:19:21,795 今ならナマリに 腕相撲で勝てるかも》 301 00:19:21,795 --> 00:19:25,632 チルチャックはどうだ? その体は? ん~っ…。 302 00:19:25,632 --> 00:19:29,636 重くて透明な 分厚い膜に包まれてるような…。 303 00:19:29,636 --> 00:19:33,473 感覚が鈍くなったということか? あぁ…。 304 00:19:33,473 --> 00:19:36,476 しかし妙に落ち着く感じもする。 305 00:19:36,476 --> 00:19:41,648 まっ お前らを見下ろせるのは 気分がいいよ。 306 00:19:41,648 --> 00:19:51,648 ♬~ 307 00:20:04,337 --> 00:20:06,640 あれ? あの扉って…。 308 00:20:10,677 --> 00:20:15,348 わ~っ! 最初の目的地だ~っ! 例の 「最奥」か。 309 00:20:15,348 --> 00:20:18,852 引き返すつもりが やはり先に進んでいたか。 310 00:20:18,852 --> 00:20:21,688 キャンプの跡がある。 311 00:20:21,688 --> 00:20:24,191 他の冒険者が来ていたようだな。 312 00:20:24,191 --> 00:20:28,195 その人たち これ治す方法とか 知らないかなぁ。 313 00:20:28,195 --> 00:20:30,197 ウーン…。 314 00:20:30,197 --> 00:20:32,866 扉の奥に進んだとは思えない。 315 00:20:32,866 --> 00:20:35,202 転移術で地上へ戻ったあとかもな。 316 00:20:35,202 --> 00:20:37,871 そんなぁ どうしよう。 317 00:20:37,871 --> 00:20:39,873 考えたんだが…。 318 00:20:39,873 --> 00:20:42,542 このまま翼獅子探しを 続けないか? 319 00:20:42,542 --> 00:20:44,878 はぁ!? どうも迷宮は➡ 320 00:20:44,878 --> 00:20:47,547 俺たちを 逃がすつもりがないようだし。 321 00:20:47,547 --> 00:20:52,052 あがいて時間を浪費するより 先へ進むほうが早そうだ。 322 00:20:52,052 --> 00:20:55,889 いやもちろん 地上に戻れば 解決法はいくらでもあるはずだ。 323 00:20:55,889 --> 00:20:58,058 一生 その姿でいろなんてことは。 324 00:20:58,058 --> 00:21:01,828 アホか! テメエは長命種の体 引けたからって! 325 00:21:01,828 --> 00:21:03,830 確かに…。 あっ。 326 00:21:03,830 --> 00:21:06,500 意外とここまで不便はなかったし。 327 00:21:06,500 --> 00:21:09,503 耳の大きさの違いが なんだというのか。 328 00:21:11,838 --> 00:21:16,343 じゃあ先に進むとして あの扉をどうするつもりだよ。 329 00:21:16,343 --> 00:21:18,845 あれが開かないから みんな騒いでんだろ? 330 00:21:18,845 --> 00:21:21,515 チルチャック 開錠できそうか? 331 00:21:21,515 --> 00:21:27,020 開錠もなにも 錠がないんじゃな。 魔術的な仕掛けじゃないか。 332 00:21:27,020 --> 00:21:33,026 魔力が通ってる感じはするけど 解読には時間と設備とお金が。 333 00:21:35,028 --> 00:21:38,031 ヤアド! これ どうするの~? 334 00:21:38,031 --> 00:21:41,034 助けて~ 有翼の獅子~! 335 00:21:41,034 --> 00:21:43,537 (ライオス/マルシル)お~い! んっ! おい! おいおいおい! 336 00:21:43,537 --> 00:21:46,039 ライオス なんか出てるぞ! 337 00:21:46,039 --> 00:21:48,041 うわっ! ケン助!? 338 00:21:48,041 --> 00:21:50,544 なんか成長してない!? 339 00:21:50,544 --> 00:21:54,347 この酷寒で死んだとばかり…。 340 00:21:59,653 --> 00:22:01,655 扉が…。 341 00:22:01,655 --> 00:22:05,158 これって翼獅子が 力を貸してくれてるのかな? 342 00:22:05,158 --> 00:22:09,496 あるいは ヤアドのおかげかも。 とりあえずお礼を言っておこう! 343 00:22:09,496 --> 00:22:12,999 (2人)ありがとう! 獅子だかヤアドだか! 344 00:22:12,999 --> 00:22:16,169 んっ…? そこ! (葉音) 345 00:22:16,169 --> 00:22:18,672 今 何か動かなかった? (2人)あっ? 346 00:22:24,678 --> 00:22:28,181 (2人)あっ! うわ! ガーゴイルだっ! 347 00:22:28,181 --> 00:22:30,183 来るぞ みんなっ! 348 00:22:30,183 --> 00:22:32,185 ガーゴイルは見てのとおり動く石像だ。 349 00:22:32,185 --> 00:22:35,522 殴れば こちらが 痛い思いをするので気をつけて! 350 00:22:35,522 --> 00:22:40,327 俺の出る幕はないな。 邪魔にならないよう退散すっか。 351 00:22:42,862 --> 00:22:45,365 なっ!? なんで俺を追ってくる!? 352 00:22:45,365 --> 00:22:50,036 いちばん目立つからだよ! タッパがあるんだから お前も戦え! 353 00:22:50,036 --> 00:22:52,038 ムチャ言うな! そんな…。 354 00:22:52,038 --> 00:22:54,874 (爆発音) 355 00:22:54,874 --> 00:22:57,544 チルチャ~ック! 大丈夫。 356 00:22:57,544 --> 00:23:02,315 直撃はして… うっ… あ…。 うぅっ…。 357 00:23:02,315 --> 00:23:06,987 マルシル~!? ま 周りが虹色ら~。 358 00:23:06,987 --> 00:23:10,824 魔力酔いか? あの一発で? マズいな…。 359 00:23:10,824 --> 00:23:13,493 イヅツミ チルチャックを援護し…。 ハァ… ハァ…。 360 00:23:13,493 --> 00:23:17,330 ハァ… ハァ…。 あっ! 待て! だめだイヅツミ。 361 00:23:17,330 --> 00:23:19,666 俺が合図をするまで動くな! 362 00:23:19,666 --> 00:23:22,502 《大きな音と血の匂いで 興奮しまくってる。 363 00:23:22,502 --> 00:23:25,338 戦い始めると 死ぬまでやめないだろう》 364 00:23:25,338 --> 00:23:28,008 センシ! 鍋を…。 365 00:23:28,008 --> 00:23:31,011 センシ? なぜ手ぶらなんだ。 366 00:23:31,011 --> 00:23:33,013 重いから? 367 00:23:35,015 --> 00:23:37,017 うおぉ~っ! 368 00:23:37,017 --> 00:23:39,686 《大丈夫だ! 剣も鍋も ふだんより ずっと軽い! 369 00:23:39,686 --> 00:23:42,188 これなら俺一人でも勝てる! 370 00:23:42,188 --> 00:23:47,527 しかし! なんというか この体…。 371 00:23:47,527 --> 00:23:52,032 すごく疲れる! マズい 普通に負ける!》 372 00:23:52,032 --> 00:23:54,034 みんな ここは逃げるぞ! 373 00:23:54,034 --> 00:23:56,703 センシは マルシルを担いで扉の中へ。 374 00:23:56,703 --> 00:23:59,639 イヅツミは… この鈴を…。 (鈴の音) 375 00:23:59,639 --> 00:24:01,808 追いかけろ~! あ~っ! 376 00:24:01,808 --> 00:24:04,811 チルチャック この鍋の蓋を! 377 00:24:04,811 --> 00:24:06,813 走るぞ! 378 00:24:06,813 --> 00:24:09,316 (2人)うおぉ~っ! 379 00:24:09,316 --> 00:24:11,484 んっ… んんっ…。 380 00:24:11,484 --> 00:24:13,486 (2人)んん~っ! 381 00:24:17,657 --> 00:24:21,161 フゥ… どうしよう。 382 00:24:21,161 --> 00:24:24,331 この体 メチャクチャ不便だ。 383 00:24:24,331 --> 00:24:28,501 取り返しのつかないことを。 しかたねえだろ。 384 00:24:28,501 --> 00:24:32,105 この先 あのキノコが 生えてることを祈るしかない。 385 00:24:37,010 --> 00:24:40,013 こりゃ本格的なドワーフの遺物だな。 386 00:24:40,013 --> 00:24:45,318 あ あのキノコは こんな所にも 生えるの? すごく暑いんだけど。 387 00:24:47,354 --> 00:24:49,356 飯でも作るか。 388 00:24:49,356 --> 00:24:52,859 なぜいつもセンシが 唐突に食事の支度を始めるのか➡ 389 00:24:52,859 --> 00:24:54,861 今ならわかる。 390 00:24:54,861 --> 00:24:58,965 この体 腹が減るんだ ものすごく。 (お腹の鳴る音) 391 00:24:58,965 --> 00:25:03,136 ナマリが急に食事の支度を始めたのは 見たことないけどな。 392 00:25:03,136 --> 00:25:07,807 フッ… 自分を振り返るのに 料理は最適だ。 393 00:25:07,807 --> 00:25:11,811 《小麦粉 水 塩 卵をよく練り➡ 394 00:25:11,811 --> 00:25:14,481 寝かせておく。 その間に➡ 395 00:25:14,481 --> 00:25:18,151 ひいた肉に刻んだタマネギ他 野菜を加え➡ 396 00:25:18,151 --> 00:25:20,153 よく練る。 397 00:25:20,153 --> 00:25:22,322 寝かせていた生地を棒状にし➡ 398 00:25:22,322 --> 00:25:27,160 等分に切り 薄く伸ばす。 399 00:25:27,160 --> 00:25:29,496 伸ばした皮に具をのせ くるむ。 400 00:25:29,496 --> 00:25:32,832 くるむ…》 401 00:25:32,832 --> 00:25:41,508 ♬~ 402 00:25:41,508 --> 00:25:43,510 不思議だ…。 403 00:25:43,510 --> 00:25:46,679 黙々と作業しているうちに 気持ちが落ち着いてきた。 404 00:25:46,679 --> 00:25:49,015 ちょっと作りすぎじゃないか? 405 00:25:49,015 --> 00:25:51,017 きれいにできたね。 406 00:25:54,020 --> 00:25:56,322 (センシ)完成じゃ。 407 00:25:58,358 --> 00:26:03,296 見覚えのある形なのに 匂いが全然違うの変な感じだ。 408 00:26:03,296 --> 00:26:05,465 芋とかチーズは入れないんだな。 409 00:26:05,465 --> 00:26:07,967 俺の地元じゃ揚げたりするけど。 410 00:26:07,967 --> 00:26:10,270 (みんな)いただきます。 411 00:26:12,305 --> 00:26:14,307 ウッ…。 気をつけろ。 412 00:26:14,307 --> 00:26:17,143 ヤケドをしないようにな。 おせぇよ! 413 00:26:17,143 --> 00:26:20,980 それにしても… なんか妙においしくない? 414 00:26:20,980 --> 00:26:23,650 人種の違いが 味覚にも影響してる? 415 00:26:23,650 --> 00:26:27,320 いや これは 誰が食べてもおいしいよ。 416 00:26:27,320 --> 00:26:29,322 不思議だよなぁ。 417 00:26:29,322 --> 00:26:32,325 ダンプリングは土地や人種で 調理法もまったく変わるのに➡ 418 00:26:32,325 --> 00:26:35,161 どれも結局うまいからな。 419 00:26:35,161 --> 00:26:37,330 そう… そうだよ! 420 00:26:37,330 --> 00:26:40,166 まるで今の俺たちじゃないか。 421 00:26:40,166 --> 00:26:43,670 多少 何かが変わっても 結局 俺たちは俺たちだ。 422 00:26:43,670 --> 00:26:45,672 うまくやれるさ! 423 00:26:45,672 --> 00:26:50,510 これできれいに話がまとまったな。 それは気のせいだ。 424 00:26:50,510 --> 00:26:54,848 しかし ここは異質だな どういう場所なんだ? 425 00:26:54,848 --> 00:26:58,518 ドワーフたちが築いた 防衛地点の一種でしょ? 426 00:26:58,518 --> 00:27:02,956 防衛…。 エルフとドワーフが戦争してたころのね。 427 00:27:02,956 --> 00:27:05,291 学校で習わなかった? 428 00:27:05,291 --> 00:27:08,795 双方が競って 技術を先鋭化させていった結果➡ 429 00:27:08,795 --> 00:27:11,297 大災害を招いてしまったの。 430 00:27:11,297 --> 00:27:15,969 それで エルフやドワーフたちは 同じ過ちが起こるのを危ぶんで➡ 431 00:27:15,969 --> 00:27:18,972 迷宮内の技術にピリピリしてるわけ。 432 00:27:18,972 --> 00:27:22,976 この迷宮は 特にいろんな文化の 衝突点だから➡ 433 00:27:22,976 --> 00:27:26,312 介入の暁には 相当 揉めるでしょうね。 434 00:27:26,312 --> 00:27:28,481 そ その話だけどさ。 435 00:27:28,481 --> 00:27:32,485 もしエルフに因縁つけられたら お前がなんとかできるんだよな? 436 00:27:32,485 --> 00:27:34,487 えっ なんで私? 437 00:27:34,487 --> 00:27:37,490 お前の母親 宮廷勤めとか言ってたろ! 438 00:27:37,490 --> 00:27:40,493 コネとかないのか! そ それは…。 439 00:27:40,493 --> 00:27:44,164 まぁまぁ どのみち 今の彼女は ハーフフットだ。 440 00:27:44,164 --> 00:27:46,866 エルフと交渉するならセンシだよ。 441 00:27:48,835 --> 00:27:51,504 善処する。 442 00:27:51,504 --> 00:27:56,009 やはり極力 元の姿に戻る方法の 模索は続けよう。 443 00:27:56,009 --> 00:27:58,011 (みんな)異議なし。