1 00:00:03,971 --> 00:00:05,973 ⦅ブランス:いいか クレイ。 2 00:00:05,973 --> 00:00:09,810 ダンジョンで一人ということは ミス一つで死ぬということだ。 3 00:00:09,810 --> 00:00:12,813 絶対に油断するな。 (クレイ)はい! 4 00:00:12,813 --> 00:00:14,815 (ブランス)例えばだ。 5 00:00:14,815 --> 00:00:20,320 あっ…。 今 まばたきの油断で死んだ。 6 00:00:20,320 --> 00:00:24,324 油断…。 わかるか? はい! 7 00:00:24,324 --> 00:00:27,160 (ブランス)目に頼るな。 気配で感じろ。 8 00:00:27,160 --> 00:00:32,332 見えたときは手遅れ… なんてことは ダンジョンでは多い。 9 00:00:32,332 --> 00:00:34,334 はいっ! 10 00:00:37,337 --> 00:00:42,009 ダンジョンでは 金属より硬い ウロコを持つモンスターも多い。 11 00:00:42,009 --> 00:00:44,611 この程度は簡単にやれ。 はい! 12 00:00:46,680 --> 00:00:49,016 ダンジョントラップを回避するなら➡ 13 00:00:49,016 --> 00:00:52,853 一足で この程度は回避しろ。 はい! 14 00:00:52,853 --> 00:00:55,022 我々 シーフは➡ 15 00:00:55,022 --> 00:00:58,692 戦士のような力も 魔法使いのような魔法も使えない。 16 00:00:58,692 --> 00:01:00,627 だが! あっ…! 17 00:01:00,627 --> 00:01:02,629 モンスターは遠慮も加減もない! わっ! 18 00:01:02,629 --> 00:01:05,632 倒せるまでよけろ 倒せるまで攻撃しろ。 19 00:01:05,632 --> 00:01:09,136 集中し続けろ 動き続けろ! はい! 20 00:01:09,136 --> 00:01:11,638 最低 10時間は戦えるようになれ。 21 00:01:11,638 --> 00:01:15,475 理想は 20時間以上だ! は… はい!⦆ 22 00:01:15,475 --> 00:01:17,978 《クレイ:父は異常な強さだった。 23 00:01:17,978 --> 00:01:19,980 けれど…》 24 00:01:19,980 --> 00:01:26,153 ⦅ブランス:いいぞ あと12時間! (クレイ)は… はい…⦆ 25 00:01:26,153 --> 00:01:29,056 《クレイ:教えるのは 下手だったと思う》 26 00:01:33,994 --> 00:01:36,496 《そんな父が…》 27 00:01:36,496 --> 00:01:40,600 (うなり声) 28 00:01:44,671 --> 00:01:48,575 《ダンジョンに消えて はや3年》 29 00:03:19,966 --> 00:03:21,968 グウッ! 30 00:03:24,304 --> 00:03:26,473 グワーッ! 31 00:03:26,473 --> 00:03:28,475 グウゥ…。 32 00:03:30,477 --> 00:03:32,979 グゥーッ…! 33 00:03:49,996 --> 00:03:53,166 《所属している シーフギルドで聞いた。 34 00:03:53,166 --> 00:03:55,836 このアントムルグのダンジョンにて➡ 35 00:03:55,836 --> 00:04:00,774 冒険者ギルド公認 最深到達点階数は 地下7階。 36 00:04:00,774 --> 00:04:04,611 つまり 帰還している 最高峰の冒険者が➡ 37 00:04:04,611 --> 00:04:08,615 地下7階を 踏破できていないということ。 38 00:04:08,615 --> 00:04:13,954 私が今 この地下8階の フロアガーディアンを単独踏破。 39 00:04:13,954 --> 00:04:17,290 地下9階に 挑もうとしているのは…》 40 00:04:17,290 --> 00:04:20,293 ⦅へばるな! は はい! 41 00:04:20,293 --> 00:04:23,130 10秒で登れ。 はい! 42 00:04:23,130 --> 00:04:26,967 背後を取られたら死んだと思え。 はいぃ! 43 00:04:26,967 --> 00:04:29,302 ウゥ~ッ⦆ 44 00:04:29,302 --> 00:04:32,806 《そんな父の教えの おかげだと思う》 45 00:04:35,642 --> 00:04:41,314 《父がいなくなってから3年間 精進を重ねてきたつもりだが➡ 46 00:04:41,314 --> 00:04:44,818 いまだに 父に追いついた気がしない》 47 00:04:46,820 --> 00:04:51,525 《父は… いったい どこまで降りたんだろう》 48 00:04:59,666 --> 00:05:04,271 《ダンジョンには独自の法則がある。 49 00:05:04,271 --> 00:05:08,441 地下のダンジョンでは 下の階へと降りる階段を守る➡ 50 00:05:08,441 --> 00:05:10,777 「フロアガーディアン」と呼ばれるモンスターが➡ 51 00:05:10,777 --> 00:05:16,950 次の階層にいる徘徊モンスターの 強さと ほぼ同等となっている。 52 00:05:16,950 --> 00:05:19,953 ただしそれは 「単体」での話で…》 53 00:05:29,629 --> 00:05:31,631 《いる》 54 00:05:31,631 --> 00:05:40,140 ♬~ 55 00:05:40,140 --> 00:05:45,979 《地下5階を超えると モンスターとて パーティーを組み連携もする。 56 00:05:45,979 --> 00:05:48,081 知能があるのだ》 57 00:05:50,150 --> 00:05:53,486 《ゴブリン… マッチョなゴブリン? 58 00:05:53,486 --> 00:05:57,490 でも こんな筋肉のついた ゴブリンは見たことないし…。 59 00:05:57,490 --> 00:06:00,093 よし コイツは 「マッチョゴブリン」。 60 00:06:00,093 --> 00:06:05,098 後ろは… 細いな 「ヒョロゴブリン」にしよう。 61 00:06:05,098 --> 00:06:07,801 まずは後列のヒョロから》 62 00:06:09,936 --> 00:06:11,938 オッ? オッ? (物音) 63 00:06:15,275 --> 00:06:19,279 《クレイ:パーティーを組むということは 崩し方も…》 64 00:06:19,279 --> 00:06:21,448 アッ? 《後ろから崩す…。 65 00:06:21,448 --> 00:06:24,251 セオリーどおりでいいということだ》 66 00:06:26,286 --> 00:06:28,622 グギ? グギギ…。 67 00:06:28,622 --> 00:06:31,458 ギッ! 68 00:06:31,458 --> 00:06:34,461 ギギ…ッ。 《よし 麻痺は効く》 69 00:06:34,461 --> 00:06:36,463 グウッ! 70 00:06:38,965 --> 00:06:42,802 グアッ…! 71 00:06:42,802 --> 00:06:44,804 グア! 72 00:06:53,980 --> 00:06:57,984 《この辺りになると どいつも宝石を落とすんだな。 73 00:06:57,984 --> 00:06:59,986 おいしい》 74 00:07:01,921 --> 00:07:06,593 《このダンジョンのモンスターは 死ぬと 宝石に変化することがある。 75 00:07:06,593 --> 00:07:09,763 深い階層ほど その傾向が強く➡ 76 00:07:09,763 --> 00:07:12,432 一獲千金の宝箱よりも➡ 77 00:07:12,432 --> 00:07:17,237 宝石狙いの冒険者のほうが 圧倒的に多いのが実情だ》 78 00:07:24,110 --> 00:07:28,949 《今のはパーティーでの戦力で あの配置にされてたの… あっ。 79 00:07:28,949 --> 00:07:32,786 あの扉の向こう…。 80 00:07:32,786 --> 00:07:36,790 強いのがいるな…。 81 00:07:36,790 --> 00:07:40,794 周囲に他の存在は感じられない。 82 00:07:40,794 --> 00:07:45,465 回復薬も減っていない。 体力も余裕がある。 83 00:07:45,465 --> 00:07:48,468 後回しにして 他の邪魔が入るよりは➡ 84 00:07:48,468 --> 00:07:50,971 今 叩いたほうがいいか…?》 85 00:07:54,140 --> 00:07:56,142 あっ! 86 00:08:01,247 --> 00:08:03,550 《麻痺は利かなそうだな》 87 00:08:05,585 --> 00:08:08,421 (ペッコモ)ウァーッ! 88 00:08:08,421 --> 00:08:13,593 《なるほど… 図体と腕力のわりに スピードもある。 89 00:08:13,593 --> 00:08:16,096 強いな。 90 00:08:16,096 --> 00:08:18,264 さっきのゴブリンは なんだったんだ?》 91 00:08:18,264 --> 00:08:26,606 ♬~ 92 00:08:26,606 --> 00:08:28,608 《硬い…! 93 00:08:28,608 --> 00:08:31,778 体力もありそうだし これは手間取るな…。 94 00:08:31,778 --> 00:08:33,780 単体でよかった。 95 00:08:33,780 --> 00:08:37,951 まずは足…》 グアッ! 96 00:08:37,951 --> 00:08:40,954 《と言いたいところだけど! 97 00:08:40,954 --> 00:08:44,290 硬っ! 98 00:08:44,290 --> 00:08:48,795 金属鎧に穴開ける勢いだったのに。 99 00:08:48,795 --> 00:08:50,797 足は無理か? 100 00:08:50,797 --> 00:08:52,799 ならまず ましな腕から》 101 00:08:52,799 --> 00:08:54,801 (クレイ)あっ! フンッ! 102 00:08:57,971 --> 00:08:59,973 んっ…! 103 00:09:01,908 --> 00:09:04,244 あっ。 フンッ! 104 00:09:04,244 --> 00:09:07,414 《なるほど。 素手のほうが速い。 105 00:09:07,414 --> 00:09:10,417 威力も私相手なら 十分ということか》 106 00:09:10,417 --> 00:09:12,419 あっ! 107 00:09:16,256 --> 00:09:20,927 《ダンジョンの壁が崩れて… そんなことがあるのか》 108 00:09:20,927 --> 00:09:23,763 (ペッコモ)うへ! マジか! あっ? 109 00:09:23,763 --> 00:09:29,436 壁 崩れるとか聞いてないし。 ウソでしょ? 110 00:09:29,436 --> 00:09:34,274 《モ モ モンスターが… しゃべった!》 111 00:09:34,274 --> 00:09:36,943 あぁ あ… 待った! やめやめ。 112 00:09:36,943 --> 00:09:40,780 それどころじゃない。 待とう。 待つ? 113 00:09:40,780 --> 00:09:44,617 君 壁が崩れただけとか 思ってるんでしょ? 114 00:09:44,617 --> 00:09:48,621 違うからね? 今 すっげ~問題起きてるから。 115 00:09:48,621 --> 00:09:50,790 すぐ責任者 来るから。 116 00:09:50,790 --> 00:09:56,463 《確かに殺気がなくなった。 本当にやめるということか?》 117 00:09:56,463 --> 00:09:58,465 その部屋 見てみ? 118 00:09:58,465 --> 00:10:01,134 《にしても 流ちょうにしゃべるな》 119 00:10:01,134 --> 00:10:03,136 なんに見える? 120 00:10:05,638 --> 00:10:08,808 (クレイ)宿の… 部屋? 121 00:10:08,808 --> 00:10:12,479 ダンジョンに? 惜しい。 私室で~す。 122 00:10:12,479 --> 00:10:14,981 私室? 誰の? 123 00:10:14,981 --> 00:10:16,983 あっ! 124 00:10:16,983 --> 00:10:22,489 《何か… 尋常じゃない強さの… 何かが…》 125 00:10:24,491 --> 00:10:26,493 《来る!》 126 00:10:30,663 --> 00:10:33,566 (ベル)わっ! 本当に崩れてる。 127 00:10:49,849 --> 00:10:53,353 わっ! 本当に崩れてる。 128 00:10:53,353 --> 00:10:57,690 あわわ… うぅ… あぁ…。 129 00:10:57,690 --> 00:10:59,692 あっ! あっ。 130 00:11:01,628 --> 00:11:05,632 すみません 少々お待ちください。 えっ あ… あぁ…。 131 00:11:09,302 --> 00:11:11,304 お手数おかけしました。 132 00:11:11,304 --> 00:11:16,309 あとは こちらで引き継ぎますので 配置に戻って大丈夫です。 133 00:11:16,309 --> 00:11:19,646 あっ… こちらの方と➡ 134 00:11:19,646 --> 00:11:22,649 お話… したんですよね? ウッ! 135 00:11:24,817 --> 00:11:28,321 ブ… ブモ…。 《クレイ:牛っぽくごまかした!》 136 00:11:28,321 --> 00:11:31,658 だって全然 戦闘の空気じゃないですよね? 137 00:11:31,658 --> 00:11:33,993 壁が崩れたからって➡ 138 00:11:33,993 --> 00:11:37,797 探索者が モンスター目の前に 気を抜くわけないですよ? 139 00:11:39,832 --> 00:11:41,834 すみませんした。 140 00:11:41,834 --> 00:11:44,504 (ペッコモ)いやぁ… この子 すばしっこいし➡ 141 00:11:44,504 --> 00:11:47,840 あっちの部屋に逃げられたら たまらんと思いまして。 142 00:11:47,840 --> 00:11:51,844 (ベル)いいんですよ。 壁はこちらの不手際ですから。 143 00:11:51,844 --> 00:11:55,348 ふだんは 気をつけておられますよね? 144 00:11:59,185 --> 00:12:02,589 もちろん。 (ベル)沈黙 長いですね。 145 00:12:04,457 --> 00:12:06,626 お待たせしました。 146 00:12:06,626 --> 00:12:10,463 《クレイ:姿を見ると ただの少女だが。 147 00:12:10,463 --> 00:12:15,134 さっきの あの気配は… この少女が?》 148 00:12:15,134 --> 00:12:19,806 詳しくお話ししますので ついてきていただけますか? 149 00:12:19,806 --> 00:12:23,142 あ… あぁ…。 150 00:12:23,142 --> 00:12:25,144 こちらへどうぞ。 151 00:12:25,144 --> 00:12:27,981 《油断するな。 考えろ。 152 00:12:27,981 --> 00:12:31,317 この娘もまた ダンジョンのモンスターで➡ 153 00:12:31,317 --> 00:12:34,988 私は今 罠にかけられようとしている…。 154 00:12:34,988 --> 00:12:37,991 という可能性は?》 155 00:12:37,991 --> 00:12:40,994 あっ! 156 00:12:40,994 --> 00:12:44,998 あっ 居住区に モンスターは配置していませんから➡ 157 00:12:44,998 --> 00:12:48,001 警戒はしなくて大丈夫ですよ。 158 00:12:48,001 --> 00:12:53,006 安全区域になります。 あんぜん? 159 00:12:53,006 --> 00:12:58,011 (クレイ)ここは ダンジョンではないのか? (ベル)そうですね。 160 00:12:58,011 --> 00:13:02,615 居住区では ダンジョンとしての機能が 割り当てられていませんから➡ 161 00:13:02,615 --> 00:13:05,618 そういう意味では違いますね。 162 00:13:05,618 --> 00:13:08,121 《居住区…。 163 00:13:08,121 --> 00:13:11,624 ダンジョンに住むということか? なぜ?》 164 00:13:15,628 --> 00:13:17,630 どうぞ。 165 00:13:25,471 --> 00:13:27,473 (ベル)では改めまして。 166 00:13:27,473 --> 00:13:33,146 このダンジョンの管理をしております ベイルヘイラ・ラングダスと申します。 167 00:13:33,146 --> 00:13:37,150 クレイさん ですよね? あっ。 168 00:13:37,150 --> 00:13:41,154 どうして私の名前を? 管理人ですから。 169 00:13:41,154 --> 00:13:45,158 有力な探索者は 把握しているんですよ。 170 00:13:45,158 --> 00:13:49,662 把握… いや どうやってそんな…。 171 00:13:49,662 --> 00:13:51,664 そうですね。 172 00:13:51,664 --> 00:13:55,501 居住区や管理も含めて 詳細をお話しする前に➡ 173 00:13:55,501 --> 00:13:58,671 本題なんですが…。 本題? 174 00:13:58,671 --> 00:14:01,107 クレイさん ここで➡ 175 00:14:01,107 --> 00:14:04,610 私と働きませんか? あっ。 176 00:14:07,113 --> 00:14:12,118 働く? はい このダンジョンで。 177 00:14:12,118 --> 00:14:15,621 ずっと人手が欲しいと 思っていたんですが➡ 178 00:14:15,621 --> 00:14:19,959 ダンジョンだと モンスターと触れ合う機会が 多くてですね➡ 179 00:14:19,959 --> 00:14:23,129 「モンスターになめられない」という 条件を➡ 180 00:14:23,129 --> 00:14:28,134 クリアできる方がおられなくて。 難易度 高いな。 181 00:14:28,134 --> 00:14:32,805 そういう条件なら 冒険者ギルドに 頼むべきではないか? 182 00:14:32,805 --> 00:14:36,809 7階で足踏みするような 方々には無理ですから。 183 00:14:36,809 --> 00:14:38,811 《辛辣!》 184 00:14:38,811 --> 00:14:44,650 (クレイ)それで… 私か。 (ベル)はい。 8階まで単独踏破。 185 00:14:44,650 --> 00:14:48,154 実力に申し分ありません。 いかがでしょう? 186 00:14:50,156 --> 00:14:52,158 《崩れた壁の奥。 187 00:14:52,158 --> 00:14:55,995 ここまで深い階層で 「隣」にある以上➡ 188 00:14:55,995 --> 00:15:00,933 ここが存在的にダンジョンの一部なのは 間違いないと思う。 189 00:15:00,933 --> 00:15:07,940 ベイルヘイラ・ラングダス… だっけ? この少女が ダンジョンの管理人…》 190 00:15:07,940 --> 00:15:11,110 「管理人」ということは➡ 191 00:15:11,110 --> 00:15:14,113 「このダンジョンのボス」 ということなのか? 192 00:15:14,113 --> 00:15:16,115 そうですね。 193 00:15:16,115 --> 00:15:19,118 ここは現在 10階ほど階層がありますが➡ 194 00:15:19,118 --> 00:15:21,954 最後のフロアで しかるべき場所に来た方とは➡ 195 00:15:21,954 --> 00:15:26,125 私が相対することになります。 じゃあ…。 196 00:15:26,125 --> 00:15:30,129 私と 立ち合ってもらえるか? 197 00:15:30,129 --> 00:15:33,966 あぁっ… 実技試験は不要ですけど。 198 00:15:33,966 --> 00:15:37,637 私の都合だ。 私が勝てば帰らせてもらう。 199 00:15:37,637 --> 00:15:41,474 負けたらここで働こう。 それでいいか? 200 00:15:41,474 --> 00:15:44,310 それは かまいませんが…。 201 00:15:44,310 --> 00:15:46,979 手加減できるかはわかりませんよ。 202 00:15:46,979 --> 00:15:50,149 かまわない。 あっ…。 203 00:15:50,149 --> 00:15:52,151 《手加減… か。 204 00:15:52,151 --> 00:15:55,154 父はダンジョンに消えた。 205 00:15:55,154 --> 00:15:59,158 父より弱い私が 地下9階にいるのだから➡ 206 00:15:59,158 --> 00:16:02,929 父は地下10階に 到達していたのだと思う。 207 00:16:02,929 --> 00:16:07,433 その先にいるのが この少女なら 父は…。 208 00:16:07,433 --> 00:16:11,771 この子に負けた… ということになる。 209 00:16:11,771 --> 00:16:14,774 聞けば教えてくれるかもしれない。 210 00:16:14,774 --> 00:16:18,444 けれど 「そうですよ」と 言われたところで➡ 211 00:16:18,444 --> 00:16:22,281 私は きっと納得しない》 (ベル)わかりました。 212 00:16:22,281 --> 00:16:25,284 では 手を。 213 00:16:25,284 --> 00:16:28,487 あっ? 214 00:16:30,456 --> 00:16:32,458 (クレイ)あっ…! 215 00:16:43,970 --> 00:16:48,975 ようこそ。 地下10階 最深部 最後の間へ。 216 00:16:50,977 --> 00:16:53,646 壁が ないんだが…。 217 00:16:53,646 --> 00:16:56,649 ここは閉ざされた領域ですので➡ 218 00:16:56,649 --> 00:17:00,920 特定の手順を踏まないと 入れないんですよ 本来は。 219 00:17:00,920 --> 00:17:03,589 一応 ふだんは2名ほど➡ 220 00:17:03,589 --> 00:17:06,759 悪魔系の方に お供をお願いしてるんですけど。 221 00:17:06,759 --> 00:17:09,262 今日は なしでかまいませんよね? 222 00:17:09,262 --> 00:17:12,431 (クレイ)ハンデか? いいえ。 223 00:17:12,431 --> 00:17:16,435 足かせが ないということです。 224 00:17:16,435 --> 00:17:20,439 んっ… あぁ かまわない。 225 00:17:20,439 --> 00:17:23,609 《父がダンジョンで死ぬのは しかたがない。 226 00:17:23,609 --> 00:17:27,947 挑戦し続けて どこかで終わるのは 当然のことだ。 227 00:17:27,947 --> 00:17:31,617 父は それをよしとする人だった。 228 00:17:31,617 --> 00:17:34,787 だから私は知りたいだけだ》 229 00:17:34,787 --> 00:17:38,958 では いいのか? はい いつでも。 230 00:17:38,958 --> 00:17:42,628 《父が どこまで行けたのかを。 231 00:17:42,628 --> 00:17:45,464 父に 追いつけるのかを。 232 00:17:45,464 --> 00:17:47,633 この少女は 父を…》 233 00:17:47,633 --> 00:17:50,803 あっ 投げた!? 《倒すに値するか…》 234 00:17:50,803 --> 00:17:52,972 あっ ほっ ほっ はっ…。 235 00:17:52,972 --> 00:17:57,310 《杖で受けきれるのか! いったん距離を… いや。 236 00:17:57,310 --> 00:17:59,312 近接 「も」できるだけだ。 237 00:17:59,312 --> 00:18:03,916 離れたら魔法の間合いだ。 もっとまずい。 このまま…。 238 00:18:03,916 --> 00:18:05,918 打ち勝つ!》 239 00:18:05,918 --> 00:18:09,422 わっ! と! と! ほっ…。 240 00:18:09,422 --> 00:18:11,424 あっ! ハッ…。 241 00:18:11,424 --> 00:18:20,766 ♬~ 242 00:18:20,766 --> 00:18:24,103 想像以上です 驚きました。 243 00:18:24,103 --> 00:18:26,105 《本気で》 244 00:18:26,105 --> 00:18:31,444 (ベル)「降り注ぐ。 円転の雲」。 245 00:18:31,444 --> 00:18:33,446 《詠唱! まずい!》 246 00:18:33,446 --> 00:18:38,951 「光の瞬き 千の雷のつぶて。 247 00:18:38,951 --> 00:18:40,953 ここに」。 248 00:18:44,290 --> 00:18:47,793 《あぁ… これは…。 249 00:18:47,793 --> 00:18:50,796 父でも無理だろうな…》 250 00:18:52,798 --> 00:18:54,800 あっ。 251 00:18:56,802 --> 00:18:59,639 あっ おはようございます。 252 00:18:59,639 --> 00:19:02,074 おは… おはよう…。 253 00:19:02,074 --> 00:19:05,411 ここは? 私の部屋になります。 254 00:19:05,411 --> 00:19:08,080 あっ 壁は直しましたし➡ 255 00:19:08,080 --> 00:19:12,918 座標もダンジョンと近接しないように 階層をずらしました。 256 00:19:12,918 --> 00:19:16,422 今は 地下11階相当になります。 257 00:19:16,422 --> 00:19:19,091 はぁ~。 そ そうなのか。 258 00:19:19,091 --> 00:19:21,927 《11階…?》 それでそれで! 259 00:19:21,927 --> 00:19:24,530 働いていただけるんですよね? 260 00:19:26,599 --> 00:19:29,602 そういう… 約束だったな。 261 00:19:29,602 --> 00:19:33,272 《クレイ:ダンジョンの管理… か。 262 00:19:33,272 --> 00:19:37,610 まさか私が ダンジョン探索以外の仕事に…》 263 00:19:37,610 --> 00:19:41,614 ウーン… あっ! 264 00:19:41,614 --> 00:19:44,116 (クレイ)ダンジョンの管理というのは➡ 265 00:19:44,116 --> 00:19:47,787 ダンジョンのボスをやっている ということではないのか? 266 00:19:47,787 --> 00:19:50,289 違いますね。 あっ。 267 00:19:50,289 --> 00:19:55,294 ダンジョンの管理… ウーン… 「ダンジョンの運営」でしょうか? 268 00:19:55,294 --> 00:19:59,465 ダンジョンの… 運営…。 はい。 269 00:19:59,465 --> 00:20:02,968 《運営… ダンジョン…。 270 00:20:02,968 --> 00:20:05,971 運営… 運営?》 271 00:20:05,971 --> 00:20:08,474 「ダンジョン」というのは➡ 272 00:20:08,474 --> 00:20:12,478 ダンジョンじゃないのか? ええと あぁ…。 273 00:20:12,478 --> 00:20:16,649 そうですね。 ダンジョンにも いろいろあるんですが➡ 274 00:20:16,649 --> 00:20:19,652 うちのダンジョンは 私が運営しています! 275 00:20:19,652 --> 00:20:21,654 《「うちのダンジョン」…》 276 00:20:21,654 --> 00:20:23,656 (ベル)具体的には これから➡ 277 00:20:23,656 --> 00:20:25,991 覚えていただく ことになりますが➡ 278 00:20:25,991 --> 00:20:28,828 低層のスライムや 不死系の補充。 279 00:20:28,828 --> 00:20:30,830 トラップの修繕。 280 00:20:30,830 --> 00:20:33,332 モンスター雇用の面接など。 281 00:20:33,332 --> 00:20:35,668 どうしても忙しいんですよ。 282 00:20:35,668 --> 00:20:37,837 (クレイ)「モンスター雇用」? 283 00:20:37,837 --> 00:20:41,006 魔界からモンスターを 雇用してるんですよ。 284 00:20:41,006 --> 00:20:43,342 生きているダンジョンと違って➡ 285 00:20:43,342 --> 00:20:46,178 うちでは モンスターは 生えてきませんから。 286 00:20:46,178 --> 00:20:50,850 《モンスターが生えて… ワカラン》 287 00:20:50,850 --> 00:20:56,355 (クレイ)まぁ 仕事が多い というのはわかった。 (ベル)フフッ。 288 00:20:56,355 --> 00:21:00,126 だが 私は シーフギルドに 登録している身だ。 289 00:21:00,126 --> 00:21:04,296 報告もなしに ここで 雇われるわけにはいかない。 290 00:21:04,296 --> 00:21:07,967 一度 戻ってから…。 あっ シーフギルドでしたら➡ 291 00:21:07,967 --> 00:21:10,302 こちらで処理しておきますよ。 んっ? 292 00:21:10,302 --> 00:21:14,640 シーフギルドを立ち上げたのは 先代の管理人でして。 293 00:21:14,640 --> 00:21:17,977 その流れで。 《なるほど。 294 00:21:17,977 --> 00:21:21,480 ダンジョンを管理するなら シーフギルドくらい…?》 295 00:21:21,480 --> 00:21:24,316 わかった。 296 00:21:24,316 --> 00:21:28,487 私の理解が 及ばない事柄 というのはわかった。 297 00:21:28,487 --> 00:21:33,159 つまり 私は今から ここで働くということだな。 298 00:21:33,159 --> 00:21:35,995 (ベル)そうしていただけると 助かります。 299 00:21:35,995 --> 00:21:39,498 情報の記憶隠蔽も しなくて済みますし。 300 00:21:39,498 --> 00:21:42,501 《それは禁呪的なやつでは!?》 301 00:21:42,501 --> 00:21:45,337 さて! そうと決まれば➡ 302 00:21:45,337 --> 00:21:48,841 クレイさんのお部屋を 用意しなくてはいけませんね! 303 00:21:48,841 --> 00:21:52,344 部屋? 通路でかまわんが? 304 00:21:52,344 --> 00:21:56,515 見通しもいいし 何かあったときに対応しやすい。 305 00:21:56,515 --> 00:22:00,286 (ベル)いえ あの… 私がかまいますので! 306 00:22:00,286 --> 00:22:04,490 一応 契約書をお渡ししますね。 あぁ。 307 00:22:07,793 --> 00:22:10,796 えぇ!? ひ 日に金貨5枚!? 308 00:22:10,796 --> 00:22:14,800 お金 すごくあるんです。 貴族か! 309 00:22:14,800 --> 00:22:18,304 《クレイ:ダンジョンに入り始めて10年。 310 00:22:18,304 --> 00:22:20,306 踏破半ばにして➡ 311 00:22:20,306 --> 00:22:25,010 ダンジョンで… 働くことになってしまった》