1 00:00:01,043 --> 00:00:06,132 何だか 最近 私の復讐が ないがしろにされてる気がしてよ! 2 00:00:06,132 --> 00:00:09,301 あ… はぁ フンッ 3 00:00:09,301 --> 00:00:12,304 <あの誘拐事件から1カ月> 4 00:00:12,304 --> 00:00:17,309 <ケイトの証言によって 謎の組織 ダェグ・ガルスに関する情報は> 5 00:00:17,309 --> 00:00:19,520 <いくつか明らかになっていた> 6 00:00:20,688 --> 00:00:23,023 《キリキ・キリクク》 7 00:00:23,023 --> 00:00:25,526 <リリィ様の残された呪文は> 8 00:00:25,526 --> 00:00:29,155 <組織の合言葉として 使われていたものだった> 9 00:00:29,155 --> 00:00:33,325 <その目的は リリィ様の鍵を奪うこと> 10 00:00:33,325 --> 00:00:38,038 <私は 閣下に鍵を託して 独自に調査してもらうことになった> 11 00:00:39,540 --> 00:00:42,877 <誘拐犯の男には 太陽の入れ墨があり> 12 00:00:42,877 --> 00:00:46,046 <組織の一員だと思われたけど> 13 00:00:46,046 --> 00:00:50,551 <尋問の前に 何者かによって獄中で暗殺> 14 00:00:50,551 --> 00:00:55,181 <セシリア王太子妃が 付近で目撃されたという証言もある> 15 00:00:56,182 --> 00:01:00,728 それで どうして アビゲイルを訪ねることになるのかしら? 16 00:01:00,728 --> 00:01:03,355 アイシャ・ハクスリー子爵夫人に 会うためよ 17 00:01:03,355 --> 00:01:07,735 ゴードウィン夫人の夜会で 話を聞きたいって言ってたでしょう 18 00:01:07,735 --> 00:01:10,738 ああ… あの子ね 19 00:01:10,738 --> 00:01:16,577 私みたいな小娘が面会を申し込んでも 無視されるかもしれないから 20 00:01:16,577 --> 00:01:20,748 オブライエン公爵家の力を お借りしようと思って 21 00:01:20,748 --> 00:01:23,918 (足音) よく来たわね コンスタンス 22 00:01:23,918 --> 00:01:27,087 お久しぶりです アビゲイル様 23 00:01:28,214 --> 00:01:31,383 あっ… とってもきれいな方ですのね 24 00:01:31,383 --> 00:01:35,221 アメジストの瞳に 真っ赤なドレス 25 00:01:35,221 --> 00:01:38,224 まるで お姫様みたいですわ! 26 00:01:38,224 --> 00:01:40,226 えっ? 27 00:01:40,226 --> 00:01:42,770 お前 分かってるじゃないの 28 00:01:42,770 --> 00:01:46,106 ええっ えっ… ええっ ええ~ 29 00:01:46,106 --> 00:02:09,630 ♪♪~ 30 00:03:17,865 --> 00:03:19,867 事情は分かったわ 31 00:03:19,867 --> 00:03:24,204 ハクスリー家への紹介状は すぐに届けさせるわね 32 00:03:24,204 --> 00:03:27,499 あっ… 信じていただけるんですか? 33 00:03:27,499 --> 00:03:30,336 あなたのこと ずっと不思議に思っていたけど 34 00:03:30,336 --> 00:03:33,505 スカーレットがいたなら納得ね 35 00:03:33,505 --> 00:03:36,508 ねえ スカーレット 聞こえているかしら? 36 00:03:36,508 --> 00:03:38,719 アビー あちらですわ! 37 00:03:38,719 --> 00:03:40,721 ありがとう ルチア 38 00:03:40,721 --> 00:03:44,892 私 あなたの処刑には 随分と心を痛めたのよ 39 00:03:44,892 --> 00:03:46,894 だから 協力させてね 40 00:03:46,894 --> 00:03:52,066 あら 冗談は 潰れたカエルのような 顔だけにしておいてくださる? 41 00:03:52,066 --> 00:03:56,070 え~っと… 「うん 分かった」って おっしゃってますわ! 42 00:03:56,070 --> 00:04:00,366 フフッ きっと 憎まれ口でも叩いてるんでしょう 43 00:04:00,366 --> 00:04:05,245 まさか 私以外にも スカーレットが見える人がいたなんて… 44 00:04:05,245 --> 00:04:08,749 姪のルチアは 生まれつき勘が鋭い子なの 45 00:04:08,749 --> 00:04:11,919 他に同じような目を持つのは そう… 46 00:04:11,919 --> 00:04:17,091 女神の寵愛を受けているといわれる ハームズワース子爵くらいかしら 47 00:04:17,091 --> 00:04:19,760 女神の寵愛? 48 00:04:19,760 --> 00:04:23,764 子爵はね 人ならざるものが 見えるんですって 49 00:04:23,764 --> 00:04:25,766 えっ? 50 00:04:25,766 --> 00:04:28,936 《あなた様も そう思われるでしょう?》 51 00:04:28,936 --> 00:04:31,397 <まさか… ね> 52 00:04:31,397 --> 00:04:35,943 成金豚のことなんて どうでもいいわ 行くわよ コニー 53 00:04:35,943 --> 00:04:38,946 あっ… 先ほど依頼した件も 54 00:04:38,946 --> 00:04:41,407 あなたの婚約者様にお願いね 55 00:04:41,407 --> 00:04:43,409 あっ はい… 56 00:04:43,409 --> 00:04:46,286 では 失礼します! (足音) 57 00:04:49,790 --> 00:04:53,961 心中事件で命を落とした テレサ・ジェニングス 58 00:04:53,961 --> 00:04:58,799 彼女の夫 ケヴィン・ジェニングスは 薬物中毒になった… 59 00:05:00,300 --> 00:05:02,302 アビゲイル様の調べでは 60 00:05:02,302 --> 00:05:05,973 幻覚剤 ジャッカルの楽園を 売りさばいているのは 61 00:05:05,973 --> 00:05:07,975 ダェグ・ガルスらしい 62 00:05:07,975 --> 00:05:13,605 そんなことより アイシャから 10年前の話を聞き出す方が重要よ 63 00:05:13,605 --> 00:05:17,985 そういえば アイシャ・ハクスリーって どんな人だったの? 64 00:05:17,985 --> 00:05:21,822 そうね 昔は 陰気で地味な子で… 65 00:05:21,822 --> 00:05:26,160 私の取り巻きというか ファンだったのよ 66 00:05:26,160 --> 00:05:30,622 私が赤いドレスを着れば アイシャも赤いドレスを 67 00:05:30,622 --> 00:05:34,835 青いドレスなら青いものを デザインまで似せてね 68 00:05:34,835 --> 00:05:37,171 髪形も同じよ 69 00:05:37,171 --> 00:05:42,176 それから 一度だけ 目を見て話しかけられたことがあったわね 70 00:05:43,343 --> 00:05:46,180 《あなたになりたい》 71 00:05:46,180 --> 00:05:48,474 それで 何て答えたの? 72 00:05:48,474 --> 00:05:51,185 あら 決まってるじゃない 73 00:05:51,185 --> 00:05:56,190 スカーレット・カスティエルは この世に2人もいらないのよ 74 00:06:00,194 --> 00:06:02,654 カスティエル公爵 75 00:06:02,654 --> 00:06:05,365 ランドルフか 76 00:06:05,365 --> 00:06:09,036 私に急ぎの用件とは 何かな? 77 00:06:09,036 --> 00:06:11,663 単刀直入にお伺いします 78 00:06:11,663 --> 00:06:15,876 エリスの聖杯について 知りたいのですが 79 00:06:15,876 --> 00:06:17,878 (本を閉じる) 80 00:06:17,878 --> 00:06:20,214 さて 一体 何の話だろうな 81 00:06:20,214 --> 00:06:23,050 残念ながら 心当たりがない 82 00:06:23,050 --> 00:06:25,677 用件は それだけか? 83 00:06:25,677 --> 00:06:29,056 ええ 今のところは 84 00:06:29,056 --> 00:06:32,518 老婆心ながら 一つ 忠告しておこう 85 00:06:32,518 --> 00:06:36,396 手札は きちんと揃えてから 勝負に挑みなさい 86 00:06:36,396 --> 00:06:39,399 それが長生きの秘訣だ 87 00:06:44,404 --> 00:06:46,907 これまでの状況を整理しよう 88 00:06:46,907 --> 00:06:48,909 まずは 10年前 89 00:06:48,909 --> 00:06:52,204 セシリア王太子妃の暗殺未遂の件ね 90 00:06:52,204 --> 00:06:57,209 彼女のお屋敷の水がめに 毒が入っていたっていうやつ 91 00:06:57,209 --> 00:07:01,421 そもそも どうして スカーレットが疑われたの? 92 00:07:01,421 --> 00:07:04,216 あの腹黒が言っていたとおり 93 00:07:04,216 --> 00:07:07,219 きっかけは リュゼ家の水がめのそばに 94 00:07:07,219 --> 00:07:09,221 私のものと同じデザインの 95 00:07:09,221 --> 00:07:12,432 月虹石の耳飾りが落ちていたことよ 96 00:07:12,432 --> 00:07:18,230 運の悪いことに 私 その数刻前に リュゼ邸を訪れていたの 97 00:07:18,230 --> 00:07:20,232 《(頬を叩く)》 98 00:07:24,236 --> 00:07:27,781 その耳飾りは 本当に スカーレットのものだったの? 99 00:07:27,781 --> 00:07:33,078 いいえ 疑いをかけられた時 私のものは手元に揃っていたから 100 00:07:33,078 --> 00:07:35,080 そのことは? 101 00:07:35,080 --> 00:07:37,624 もちろん 捜査官に伝えたわ 102 00:07:37,624 --> 00:07:42,629 私が身に着けるものは どれも職人につくらせた一点物だもの 103 00:07:42,629 --> 00:07:47,259 工房を調べれば 私の主張が正しいと分かる 104 00:07:47,259 --> 00:07:51,805 だったら どうして スカーレットの疑いは晴れなかったの? 105 00:07:51,805 --> 00:07:57,811 鑑定結果によると 渡した耳飾りの片方が 偽物だったと言われたの 106 00:07:57,811 --> 00:08:02,816 捜査官が来ることを知って 似たものを用意したのだろうって 107 00:08:02,816 --> 00:08:06,987 つまり 何者かが憲兵総局の保管庫で 108 00:08:06,987 --> 00:08:11,825 私の耳飾りと リュゼ邸に落ちていたものとを すり替えたのよ 109 00:08:11,825 --> 00:08:13,827 誰が そんなことを… 110 00:08:13,827 --> 00:08:16,830 さあね でも 結局 111 00:08:16,830 --> 00:08:18,999 国王陛下の許可のもと 112 00:08:18,999 --> 00:08:22,002 屋敷の捜索が行われることになったの 113 00:08:22,002 --> 00:08:24,004 陛下の命でもなければ 114 00:08:24,004 --> 00:08:27,299 カスティエル家に そんなことはできないもの 115 00:08:27,299 --> 00:08:29,509 あとは知ってのとおり 116 00:08:29,509 --> 00:08:32,512 私の部屋から 使いかけの毒瓶が出てきて 117 00:08:32,512 --> 00:08:35,682 そのまま連行というわけね 118 00:08:35,682 --> 00:08:39,311 スカーレットは セシリア王太子妃を疑っていたの? 119 00:08:39,311 --> 00:08:44,524 そうね 私が死んで 一番得をしたのは あの女でしょう? 120 00:08:44,524 --> 00:08:49,029 だから 少し前までは 自作自演だと思っていたわ 121 00:08:49,029 --> 00:08:51,031 少し前まで? 122 00:08:51,031 --> 00:08:54,159 正直 今は よく分からない 123 00:08:54,159 --> 00:08:56,161 だって あの女ときたら 124 00:08:56,161 --> 00:08:59,331 ちっとも満足そうじゃないんだもの 125 00:08:59,331 --> 00:09:03,710 10年たっても エンリケのことは 変わらず嫌っているようだし 126 00:09:03,710 --> 00:09:07,547 お金や権力に執着してる様子もない 127 00:09:07,547 --> 00:09:12,177 一体 あの女は 何が目的で動いているのかしら 128 00:09:13,345 --> 00:09:16,056 真相は まだ分かりそうもないね 129 00:09:16,056 --> 00:09:19,726 そうね けれど 10年前だけじゃない 130 00:09:19,726 --> 00:09:25,190 今 何かが起きていて それに セシリアが関係しているのは確かよ 131 00:09:25,190 --> 00:09:28,193 あの赤毛の女記者も言っていたでしょう? 132 00:09:28,193 --> 00:09:33,198 セシリア・リュゼは 孤児院上がりの娼婦の娘だって 133 00:09:33,198 --> 00:09:37,744 真相に近づいたケヴィン・ジェニングスは 廃人になっているそうだし 134 00:09:37,744 --> 00:09:40,914 そうだった… 135 00:09:40,914 --> 00:09:44,084 ファリスの第七殿下とやらが 誘拐された日に 136 00:09:44,084 --> 00:09:49,589 商人が彼女のもとを訪れているのも 偶然にしたら できすぎだもの 137 00:09:49,589 --> 00:09:53,927 ええっと 確か バドっていう商人だっけ 138 00:09:53,927 --> 00:10:00,225 そういえば 証言にあった誘拐犯の仲間は サルバドルと呼ばれていたそうね 139 00:10:00,225 --> 00:10:02,227 どちらも字面が似ているわ 140 00:10:02,227 --> 00:10:05,605 それも偶然かしら? あっ… 141 00:10:05,605 --> 00:10:08,400 もし 2人が 同一人物だとしたら 142 00:10:08,400 --> 00:10:13,113 セシリアも ダェグ・ガルスに 関係していると 考えるのが妥当だわ 143 00:10:13,113 --> 00:10:16,241 薔薇十字通りでばらまかれていた ジャッカルの楽園も 144 00:10:16,241 --> 00:10:19,411 ヤツらが関係しているそうだし 145 00:10:19,411 --> 00:10:23,123 ジョン・ドゥ伯爵の夜会で倒れたご令嬢 146 00:10:23,123 --> 00:10:27,252 キアラ・グラフトンが持っていたのも 同じ幻覚剤だよね 147 00:10:28,253 --> 00:10:30,422 ケヴィン・ジェニングスもよ 148 00:10:31,631 --> 00:10:34,259 じゃあ ユリシーズ殿下の誘拐も 149 00:10:34,259 --> 00:10:36,261 ケイトがさらわれたのも 150 00:10:36,261 --> 00:10:39,139 ジャッカルの楽園を 蔓延させようとしているのも 151 00:10:39,139 --> 00:10:42,267 全部 ダェグ・ガルスの仕業ってこと? 152 00:10:42,267 --> 00:10:46,646 一つ 大事なことを忘れているわ 153 00:10:46,646 --> 00:10:51,443 お前も襲われたわ ダェグ・ガルスに あっ… 154 00:10:51,443 --> 00:10:56,156 ケイト・ロレーヌの誘拐犯は リリィの鍵をさがしていたんでしょう? 155 00:10:56,156 --> 00:10:58,158 ええ 156 00:10:58,158 --> 00:11:04,164 さっき 今 何かが起きていると言ったけれど 少し違ったわね 157 00:11:04,164 --> 00:11:09,836 10年前から今に至るまで ずっと何かが起き続けているんだわ 158 00:11:09,836 --> 00:11:13,173 この国 アデルバイドで 159 00:11:13,173 --> 00:11:17,177 それが 私の処刑と無関係だったとは思えないの 160 00:11:18,178 --> 00:11:20,180 うん 161 00:11:21,181 --> 00:11:26,019 <恐らく その何かのせいで リリィ様は命を落とした> 162 00:11:26,019 --> 00:11:28,855 <「エリスの聖杯を破壊せよ」> 163 00:11:28,855 --> 00:11:32,192 <彼女の最後の言葉の意味は…> (ランプの火が消える) 164 00:11:32,192 --> 00:11:34,319 <結局 分からないままだ…> 165 00:11:39,032 --> 00:11:42,202 あの 閣下… 何だ? 166 00:11:42,202 --> 00:11:46,331 情報交換のためとはいえ どうして 資料館に? 167 00:11:46,331 --> 00:11:49,501 ここには オーラミュンデ家の寄贈品がある 168 00:11:49,501 --> 00:11:52,337 鍵の手掛かりになるかと思ってな 169 00:11:52,337 --> 00:11:54,881 リリィと一緒に回ったこともある あっ… 170 00:11:56,216 --> 00:11:58,218 <そっか…> 171 00:11:58,218 --> 00:12:01,513 <この人は リリィと呼んでいたんだ…> 172 00:12:03,056 --> 00:12:05,225 <そっか…> 173 00:12:05,225 --> 00:12:08,520 この朴念仁が… 174 00:12:08,520 --> 00:12:10,522 ここに入っているのが 175 00:12:10,522 --> 00:12:13,733 聖女アナスタシアが 女神の使者から授かったといわれる 176 00:12:13,733 --> 00:12:16,361 聖典の一つだ 177 00:12:16,361 --> 00:12:18,363 どうした? 小腹でも減ったか 178 00:12:18,363 --> 00:12:20,365 あ… いえ その… 179 00:12:20,365 --> 00:12:22,367 (おなかが鳴る) はっ! 180 00:12:23,535 --> 00:12:27,914 アビゲイルの依頼だが しばらく 時間がかかりそうだ 181 00:12:27,914 --> 00:12:32,919 ケヴィン・ジェニングスの入院先の病院が 王太子妃の所有でな 182 00:12:32,919 --> 00:12:35,755 少々厄介な手続きが必要なんだ 183 00:12:35,755 --> 00:12:37,757 分かりました 184 00:12:37,757 --> 00:12:42,095 スカーレットと 10年前の出来事を整理してみたんですけど 185 00:12:42,095 --> 00:12:45,265 彼女の耳飾りが すり替えられていたそうで 186 00:12:45,265 --> 00:12:47,934 件の耳飾りの記録を見た 187 00:12:47,934 --> 00:12:51,271 偽物と判定された方は 月虹石ではなく 188 00:12:51,271 --> 00:12:55,108 白銀貝と呼ばれる貝の一種だそうだ 189 00:12:55,108 --> 00:12:58,278 う~ん それで デザインは? 190 00:12:58,278 --> 00:13:02,949 あっ あの スカーレットが デザインは どうだったかと 191 00:13:02,949 --> 00:13:07,287 彼女が持っていたものと うり二つだった 192 00:13:07,287 --> 00:13:10,123 白銀貝の流通経路は限られている 193 00:13:10,123 --> 00:13:12,292 当時の購入者を調べたら 194 00:13:12,292 --> 00:13:15,295 聞き覚えのある家名があった 195 00:13:15,295 --> 00:13:17,797 スペンサー伯爵家だ 196 00:13:17,797 --> 00:13:21,426 それって… アイシャの旧姓よ 197 00:13:21,426 --> 00:13:26,806 スペンサー家は 貴金属を取り扱う工房を いくつか所有している 198 00:13:26,806 --> 00:13:30,435 アイシャなら 私の耳飾りと そっくりのものをつくっていても 199 00:13:30,435 --> 00:13:32,604 おかしくないわね 200 00:13:32,604 --> 00:13:36,149 話を聞くために ハクスリー邸へ行くと言っていたな 201 00:13:36,149 --> 00:13:38,610 え… ええ 202 00:13:38,610 --> 00:13:42,447 彼女は ダェグ・ガルスと関わっている可能性もある 203 00:13:42,447 --> 00:13:44,616 むちゃはしないでくれ 204 00:13:44,616 --> 00:13:46,618 はい 205 00:13:49,996 --> 00:13:52,832 やっぱり 何も感じないし 206 00:13:52,832 --> 00:13:55,335 何も思い出さないわね 207 00:13:56,336 --> 00:14:00,173 本当に ここで 私は処刑されたのかしら 208 00:14:04,010 --> 00:14:07,180 <コンスタンス・グレイル…> 209 00:14:07,180 --> 00:14:10,016 <まさか アビゲイル・ オブライエンを使って> 210 00:14:10,016 --> 00:14:12,185 <接触してくるなんて> 211 00:14:14,646 --> 00:14:17,023 フーッ… 212 00:14:17,023 --> 00:14:19,859 <あんな平凡な小娘が どうして> 213 00:14:19,859 --> 00:14:24,197 <あのスカーレット・カスティエルに 似ているなんて話になるのよ> 214 00:14:27,492 --> 00:14:30,870 <誰も 彼女の代わりになどなれない> 215 00:14:30,870 --> 00:14:34,499 <彼女は 私の女神なのだから> 216 00:14:34,499 --> 00:14:37,210 《あなた アイシャ・スペンサーね》 217 00:14:37,210 --> 00:14:39,212 《え…》 218 00:14:39,212 --> 00:14:41,214 《私を見ていたでしょう》 219 00:14:41,214 --> 00:14:44,884 《さっきも その前も 一体 何かしら?》 220 00:14:44,884 --> 00:14:48,680 《あの な… 名前 何で知って…》 221 00:14:48,680 --> 00:14:52,684 《あら あいさつしたじゃないの 以前のパーティーで》 222 00:14:52,684 --> 00:14:54,894 《お… 覚えて…》 223 00:14:54,894 --> 00:14:57,397 《当然よ》 224 00:14:57,397 --> 00:15:01,067 《お前 私を誰だと思っているの?》 225 00:15:01,067 --> 00:15:03,069 《ああっ…》 226 00:15:04,237 --> 00:15:07,240 (馬のいななきと馬車のドアが開く音) 227 00:15:09,909 --> 00:15:11,911 くっ… 228 00:15:18,710 --> 00:15:20,920 ようこそ ミス・グレイル 229 00:15:20,920 --> 00:15:22,922 こんなところで ごめんなさいね 230 00:15:22,922 --> 00:15:27,552 いえ お招きいただき ありがとうございます 231 00:15:27,552 --> 00:15:29,554 ハクスリー夫人 232 00:15:30,555 --> 00:15:34,100 驚いたわ 下級貴族である我が家に 233 00:15:34,100 --> 00:15:37,937 わざわざ オブライエン公爵家の使者が やって来るんだもの 234 00:15:37,937 --> 00:15:42,275 フタを開けてみれば グレイル家からのお誘いだったわけだけど 235 00:15:42,275 --> 00:15:44,444 申し訳ありません 236 00:15:44,444 --> 00:15:47,447 どうしても 夫人と お会いしたかったので 237 00:15:47,447 --> 00:15:51,451 早速ですが 一つ お伺いしたいことがあるのです 238 00:15:51,451 --> 00:15:54,746 私が答えられる範囲でなら どうぞ 239 00:15:54,746 --> 00:15:57,957 それは 何のにおいですか? 240 00:15:57,957 --> 00:15:59,959 <えっ…> 241 00:15:59,959 --> 00:16:04,464 私の知り合いに 鼻と記憶力が すこぶるいい人がいるんです 242 00:16:04,464 --> 00:16:07,592 あなたが ここに来た瞬間に 分かったみたい 243 00:16:07,592 --> 00:16:10,136 教えてください ハクスリー夫人 244 00:16:10,136 --> 00:16:12,138 どうして あなたから 245 00:16:12,138 --> 00:16:15,308 ジャッカルの楽園のにおいがするんですか? 246 00:16:15,308 --> 00:16:17,602 <気づかれた…?> 247 00:16:17,602 --> 00:16:19,604 何のお話かしら? 248 00:16:19,604 --> 00:16:21,606 ジャッカルの楽園って 249 00:16:21,606 --> 00:16:24,609 10年前に はやった幻覚剤のこと? 250 00:16:25,985 --> 00:16:28,780 何か勘違いをしているようだけど 251 00:16:28,780 --> 00:16:32,158 今日は ちょっとだけ珍しい香水をつけたから 252 00:16:32,158 --> 00:16:34,160 そのにおいじゃないかしら 253 00:16:34,160 --> 00:16:36,162 遠い異国のものよ 254 00:16:36,162 --> 00:16:38,998 あなたじゃ 名前を言っても分からないと思うわ 255 00:16:38,998 --> 00:16:41,000 あなたって 256 00:16:41,000 --> 00:16:44,337 笑ってしまうくらい 嘘が下手くそなのね 257 00:16:45,338 --> 00:16:47,632 ず… 随分と失礼な子ね 258 00:16:47,632 --> 00:16:49,801 もういいわ 帰ってちょうだい! 259 00:16:49,801 --> 00:16:53,638 あらあら おいたがバレて わめき散らすだなんて 260 00:16:53,638 --> 00:16:55,640 まるで しつけのなってない 子供じゃないの 261 00:16:55,640 --> 00:16:58,184 な…! 262 00:16:58,184 --> 00:17:00,645 <急に何なの?> 263 00:17:00,645 --> 00:17:04,023 <目の前にいるのは 小娘のままだというのに> 264 00:17:04,023 --> 00:17:06,192 <まるで…> 265 00:17:06,192 --> 00:17:09,654 覚えておきなさい アイシャ・スペンサー 266 00:17:09,654 --> 00:17:12,031 私をだまそうとすることの方が 267 00:17:12,031 --> 00:17:14,367 よっぽど無礼な振る舞いなのよ 268 00:17:14,367 --> 00:17:16,369 あっ… 269 00:17:16,369 --> 00:17:21,374 お前 私を誰だと思っているの? 270 00:17:21,374 --> 00:17:23,835 スカー… レット? 271 00:17:24,335 --> 00:17:28,715 <いえ 私が彼女を見間違えるはずがない> 272 00:17:28,715 --> 00:17:31,885 <10年前 私の世界の中心は> 273 00:17:31,885 --> 00:17:34,554 <スカーレット・カスティエルだったもの> 274 00:17:35,555 --> 00:17:39,726 <彼女と その婚約者のエンリケ王太子殿下> 275 00:17:39,726 --> 00:17:43,563 <2人は 恋人のように甘い関係ではなかったけれど> 276 00:17:43,563 --> 00:17:46,357 <どこか 姉弟のような気安さがあったことに> 277 00:17:46,357 --> 00:17:48,902 <私は気づいていた> 278 00:17:48,902 --> 00:17:52,363 <そんな姿に私は憧れていた> 279 00:17:52,363 --> 00:17:56,075 <なのに あの女が現れて…> 280 00:17:57,577 --> 00:18:02,916 <身分違いの悲恋の噂は あっという間に広がっていった> 281 00:18:02,916 --> 00:18:07,086 <このままでは きっと 噂が真実になってしまう> 282 00:18:07,086 --> 00:18:09,380 <何か 行動を起こさなければ> 283 00:18:09,380 --> 00:18:11,758 <そう思っていた時に…> 284 00:18:13,092 --> 00:18:15,094 《どうしたの? シャロン姉様》 285 00:18:15,094 --> 00:18:18,932 《前に会った時より 随分 痩せているけれど》 286 00:18:18,932 --> 00:18:20,934 《これよ》 287 00:18:20,934 --> 00:18:25,104 《異国の気付け薬らしいけど すごい効果でしょう?》 288 00:18:26,105 --> 00:18:28,399 《ほんの1滴でいいの》 289 00:18:28,399 --> 00:18:31,236 《たくさん飲むと体を壊すから》 290 00:18:32,612 --> 00:18:36,950 <セシリアは 生まれつき 体が弱いと聞いていた> 291 00:18:36,950 --> 00:18:41,412 <体調が崩れたら 領地に帰るしかなくなるはず> 292 00:18:43,248 --> 00:18:48,962 <スカーレットが使っていた 月虹石の耳飾りを模したものを身に着けて> 293 00:18:48,962 --> 00:18:53,424 <私は 見舞いのために リュゼ子爵邸へと向かった> 294 00:18:53,424 --> 00:18:56,427 <数刻前に スカーレットが現れて> 295 00:18:56,427 --> 00:18:59,639 <ひともんちゃくあったとは 知るよしもなく…> 296 00:19:02,642 --> 00:19:04,811 《<あった…>》 297 00:19:04,811 --> 00:19:09,274 《<この水がめに 気付け薬を入れれば…>》 298 00:19:09,274 --> 00:19:12,443 《<これは スカーレットのためなのよ>》 299 00:19:12,443 --> 00:19:15,154 《<スカーレットなら そうしたはず>》 300 00:19:15,154 --> 00:19:17,657 《<スカーレットであれば…!>》 301 00:19:23,454 --> 00:19:27,166 《<こうすれば スカーレットになれる!>》 302 00:19:30,461 --> 00:19:33,464 お前が毒を仕込んだのね 303 00:19:33,464 --> 00:19:36,175 毒だなんて知らなかった… 304 00:19:37,677 --> 00:19:41,681 嘘じゃないわ! あの時 使った瓶は まだ持っているの! 305 00:19:41,681 --> 00:19:45,476 調べれば 中身は ただの痩せ薬だって分かるはずよ! 306 00:19:45,476 --> 00:19:48,021 私のせいじゃない! だから お願い 307 00:19:48,021 --> 00:19:50,189 許して スカーレット! 308 00:19:50,189 --> 00:19:52,692 許す? ならば なぜ 309 00:19:52,692 --> 00:19:56,029 お前は 自分の罪を告白しなかったの? 310 00:19:57,030 --> 00:19:59,866 毒であろうとなかろうと 関係ないわ 311 00:19:59,866 --> 00:20:04,871 だって お前は 私が無実であることを知っていたのだから 312 00:20:06,205 --> 00:20:08,708 お前の犯した罪のせいで 313 00:20:08,708 --> 00:20:11,210 私は処刑されたのよ 314 00:20:11,210 --> 00:20:14,047 あ… あなたのためだったの! 315 00:20:14,047 --> 00:20:17,508 あなただって 機会さえあれば 同じことをしたでしょう? 316 00:20:17,508 --> 00:20:20,219 だから 私が代わりに… 私は… 317 00:20:21,220 --> 00:20:25,058 たとえ死んでも そんな無様な振る舞いはしなくてよ 318 00:20:25,058 --> 00:20:27,226 くっ… 319 00:20:27,226 --> 00:20:29,896 10年前に起きたことは全て 320 00:20:29,896 --> 00:20:33,900 お前がお前自身のために やったことでしょう 321 00:20:33,900 --> 00:20:36,736 私を言い訳に使うだなんて 322 00:20:36,736 --> 00:20:38,905 身の程を知りなさい! 323 00:20:39,906 --> 00:20:42,367 アイシャ・スペンサー 324 00:20:42,367 --> 00:20:46,079 特別に もう一度だけ教えて差し上げる 325 00:20:46,079 --> 00:20:50,541 お前 私を 一体 誰だと思っているの? 326 00:20:51,918 --> 00:20:55,380 <本当は分かっていた…> 327 00:20:55,380 --> 00:21:00,259 <答えなど とっくの昔に分かりきっていた> 328 00:21:00,259 --> 00:21:03,763 <自分かわいさに目をつむっていただけ> 329 00:21:03,763 --> 00:21:08,267 <全部 私が引き起こした 私が> 330 00:21:08,267 --> 00:21:11,270 <スカーレットを殺した!> 331 00:21:11,270 --> 00:21:13,773 ダメ! 332 00:21:13,773 --> 00:21:15,775 あ… 333 00:21:15,775 --> 00:21:17,777 死んでどうするの? 334 00:21:17,777 --> 00:21:22,115 あなたが死んだって スカーレットに したことがなくなるわけじゃない! 335 00:21:25,952 --> 00:21:29,580 あなたは 生きて償うべきだ 336 00:21:29,580 --> 00:21:32,583 くっ はぁ… (倒れる) 337 00:21:32,583 --> 00:21:34,794 ハクスリー夫人!? 338 00:21:40,425 --> 00:21:44,971 <この数日後 10年前の罪を告白したいと> 339 00:21:44,971 --> 00:21:48,975 <アイシャ・ハクスリーから メイフラワー社に連絡があったという> 340 00:21:50,977 --> 00:21:52,979 大丈夫か? 341 00:21:55,314 --> 00:21:57,316 閣下… 342 00:21:57,316 --> 00:22:00,153 <来て… くれたんだ…> 343 00:22:03,322 --> 00:22:05,324 アイシャでした 344 00:22:05,324 --> 00:22:07,994 あの人が リュゼ家の水がめに 毒を入れたんです 345 00:22:07,994 --> 00:22:10,329 証拠になりそうな ものは? 346 00:22:10,329 --> 00:22:12,457 その時の小瓶を 持っていると 347 00:22:12,457 --> 00:22:14,834 10年前のものか 348 00:22:14,834 --> 00:22:17,336 立証に時間がかかりそうだな 349 00:22:17,336 --> 00:22:19,338 それと 彼女は 350 00:22:19,338 --> 00:22:22,008 ジャッカルの楽園を 使っていました 351 00:22:22,008 --> 00:22:26,637 やはり ダェグ・ガルスが関わっていたか はい 352 00:22:28,848 --> 00:22:32,018 落ち着いたら また詳しい話を聞かせてくれ 353 00:22:32,018 --> 00:22:34,353 あ… 354 00:22:34,353 --> 00:22:38,649 屋敷まで送ろう ありがとうございます 355 00:22:40,651 --> 00:22:42,653 どうして 止めたのよ! 356 00:22:42,653 --> 00:22:46,491 あんな女 あのまま 死なせてしまえばよかったのに! 357 00:22:48,201 --> 00:22:51,871 バカコニー! どうして助けたの!? あの女だったのよ! 358 00:22:51,871 --> 00:22:54,665 あの女のせいで 私は…! だからって! 359 00:22:54,665 --> 00:22:58,377 スカーレットの言葉で死のうとするなんて 冗談じゃない! 360 00:22:59,378 --> 00:23:02,048 最後まで スカーレットを言い訳に使うなんて 361 00:23:02,048 --> 00:23:04,050 許せるわけないよ! 362 00:23:04,050 --> 00:23:06,052 あ… 363 00:23:07,512 --> 00:23:11,057 それに 今 アイシャが死んだら 364 00:23:11,057 --> 00:23:14,227 手掛かりが つかめなくなるかもしれない 365 00:23:14,227 --> 00:23:18,064 復讐だって 全然 終わってないじゃない 366 00:23:19,065 --> 00:23:21,234 耳飾りを すり替えた人も 367 00:23:21,234 --> 00:23:24,529 リリィ様のことも ダェグ・ガルスのことだって 368 00:23:24,529 --> 00:23:26,531 何も解決してないよ 369 00:23:27,532 --> 00:23:32,078 いい? スカーレット 私はね… 370 00:23:32,078 --> 00:23:35,414 私の人生を懸けて スカーレットの復讐を 371 00:23:35,414 --> 00:23:38,084 成功させないといけないんだからね! 372 00:23:39,710 --> 00:23:43,923 お前 たまには いいことを言うじゃないの 373 00:23:46,092 --> 00:23:48,719 コニーのくせに 生意気よ