1 00:00:03,136 --> 00:00:07,140 (北田 岳)〈偉大な数学者 オイラーのようになりたかった〉 2 00:00:07,140 --> 00:00:09,109 〈ガウスのようになりたかった〉 3 00:00:09,109 --> 00:00:12,112 〈望月新一教授のようになりたかった〉 4 00:00:16,116 --> 00:00:24,124 ♬~ 5 00:00:25,125 --> 00:00:29,162 (西門理事長) 最終日の問題を白紙で出すとは…。 6 00:00:29,162 --> 00:00:36,136 北田岳くん 我が学園は開校以来 数学オリンピックに名を連ねてきました。 7 00:00:37,137 --> 00:00:42,142 (西門)君が その歴史を止めたんです。 一生の恥と思いなさい。 8 00:00:42,142 --> 00:00:45,145 (校長)西門理事長…。 (教頭)あんまりでは…。 9 00:00:45,145 --> 00:00:49,149 君たち教師陣にも責任がありますよね? 10 00:00:49,149 --> 00:00:52,119 《オイラーのようになりたかった…》 11 00:00:52,119 --> 00:00:56,123 《ガウス ペレルマン 望月新一教授のように→ 12 00:00:56,123 --> 00:01:00,127 数学の道で この世の真理を見いだすような人間に…》 13 00:01:02,129 --> 00:01:04,131 《僕は… なれない》 14 00:01:07,134 --> 00:01:17,110 ♬~ 15 00:02:45,098 --> 00:02:48,101 (魚見亜由)な… なんだ? それ! 16 00:02:48,101 --> 00:02:50,103 特待生じゃなくなって…→ 17 00:02:50,103 --> 00:02:53,106 タダだった学費 払わなきゃいけなくなったんだって!? 18 00:02:53,106 --> 00:02:55,108 そうなんだよね。 19 00:02:55,108 --> 00:02:58,111 まあ 奨学金でなんとかなってる。 20 00:02:58,111 --> 00:03:01,114 それでも やっぱり 親に負担かけてしまって…。 21 00:03:01,114 --> 00:03:04,084 こうやって バイトすることにしたんだ。 22 00:03:04,084 --> 00:03:06,086 学校内でなら バイトもオッケーって。 23 00:03:06,086 --> 00:03:08,121 卒業するまで あと半年。 24 00:03:08,121 --> 00:03:11,091 まあ なんとかなるなる。 25 00:03:11,091 --> 00:03:15,128 私らスポーツ科って 普段 進学科と話す機会ないんだけど…。 26 00:03:15,128 --> 00:03:18,098 なのに あんたの名前だけは知ってるんだよ。 27 00:03:18,098 --> 00:03:21,168 「めちゃくちゃ頭のいい奴がいる」ってさ! 28 00:03:21,168 --> 00:03:23,103 いやあ…。 29 00:03:23,103 --> 00:03:28,108 ひっどいなあ。 確かに うちのワンマン理事長 嫌な噂 多いからな。 30 00:03:28,108 --> 00:03:32,112 それで 学生食堂でバイトかあ。 31 00:03:32,112 --> 00:03:36,116 私はスポーツ進学が早々に決まって 小遣い稼ぎだから…。 32 00:03:36,116 --> 00:03:39,152 あんたが気の毒だなあ…。 33 00:03:39,152 --> 00:03:45,125 あっ そうだ。 私 甥っ子が勉強ダメなんだ。 家庭教師とか紹介してやろうか? 34 00:03:45,125 --> 00:03:47,127 教えるのとか 向いてない。 35 00:03:48,128 --> 00:03:53,133 料理は楽だ。 ぼーっと考えてる間に終わってくれる…。 36 00:03:53,133 --> 00:03:55,102 もうちょっと炒めるかな…。 37 00:03:57,137 --> 00:03:59,106 お… おい あんた ケチャップ! 38 00:03:59,106 --> 00:04:01,108 おいおいおい おいおいおい! 拭けよ! 39 00:04:08,115 --> 00:04:14,121 ♬~ 40 00:04:14,121 --> 00:04:16,123 美味しそ。 41 00:04:16,123 --> 00:04:18,091 か… 変わった奴…。 42 00:04:31,104 --> 00:04:33,106 はい 賄い。 43 00:04:33,106 --> 00:04:35,108 ナポリタン。 44 00:04:36,109 --> 00:04:38,111 うわあ…。 45 00:04:38,111 --> 00:04:42,082 学食のメニューにあったか? ナポリタンなんて。 46 00:04:42,082 --> 00:04:46,119 賄いは 余った材料で作るから オリジナル。 味付けも適当。 47 00:04:46,119 --> 00:04:49,122 こんなうまそうな賄い 初めてだ…。 48 00:04:49,122 --> 00:04:52,125 えっと… 魚見さんだっけ? 49 00:04:52,125 --> 00:04:55,128 魚見亜由。 魚見亜由さん。 50 00:04:55,128 --> 00:04:59,099 スポーツ進学か。 いいな うらやましい。 51 00:04:59,099 --> 00:05:03,103 自分の才能を信じて 進路を決めれるっていうのが。 52 00:05:10,110 --> 00:05:12,078 (においを嗅ぐ音) 53 00:05:20,153 --> 00:05:22,155 》(朝倉 海)美味しい? 54 00:05:23,089 --> 00:05:25,091 それ 美味しい? 55 00:05:27,093 --> 00:05:29,129 俺にも 同じものを1つ。 56 00:05:29,129 --> 00:05:31,131 これ 賄いだから。 57 00:05:31,131 --> 00:05:34,100 注文はメニューから…。 えっ? 58 00:05:35,101 --> 00:05:37,070 えっ… ちょっと 君…。 59 00:05:38,104 --> 00:05:40,073 えっ…? えっ? 60 00:05:45,111 --> 00:05:47,113 ええええええー! 61 00:05:47,113 --> 00:05:49,182 それ 僕の…。 62 00:05:49,182 --> 00:05:51,151 ああ…。 63 00:05:52,118 --> 00:05:54,087 あ…。 64 00:05:54,087 --> 00:05:56,089 あのね 君…。 (おなかが鳴る音) 65 00:05:57,090 --> 00:05:59,092 何度? 66 00:05:59,092 --> 00:06:01,094 えっ? 67 00:06:02,128 --> 00:06:05,131 ああ… 45度だ それ。 68 00:06:05,131 --> 00:06:07,100 わあ! 69 00:06:07,100 --> 00:06:09,102 ハハハハハ…。 70 00:06:13,106 --> 00:06:17,110 へ… 変なのがいるなあ うちの高校は…。 (おなかが鳴る音) 71 00:06:17,110 --> 00:06:19,112 北田! ん? 72 00:06:19,112 --> 00:06:21,081 うますぎるよ これ。 73 00:06:23,149 --> 00:06:26,119 》(教頭)北田くん 本気で言っているのか!? 74 00:06:26,119 --> 00:06:30,090 今度は聖訪大学数学コンテストに 挑戦しないなんて…。 75 00:06:30,090 --> 00:06:33,093 (教頭)学内では ずっとトップの成績だ。 76 00:06:33,093 --> 00:06:38,131 学校の実績を誇示するのに ああいった大会は うってつけなんだ。 77 00:06:38,131 --> 00:06:42,102 (教頭)数学オリンピックの雪辱を 果たしたくないのかい? 78 00:06:42,102 --> 00:06:45,105 前回 はっきりわかりました。 79 00:06:45,105 --> 00:06:50,110 全国区での競技数学で勝ち抜ける力は 僕にはありません。 80 00:06:50,110 --> 00:06:53,113 なぜ そう思うんです? 81 00:06:56,116 --> 00:06:58,084 すみません…。 82 00:06:59,185 --> 00:07:01,187 (ドアの閉まる音) 83 00:07:02,122 --> 00:07:04,124 (机をたたく音) 84 00:07:09,129 --> 00:07:11,131 あれ? 85 00:07:11,131 --> 00:07:13,133 あ…。 86 00:07:13,133 --> 00:07:15,101 ハハッ。 87 00:07:18,104 --> 00:07:22,142 やあ 君 理事長室はどこかな? は…? 88 00:07:22,142 --> 00:07:25,145 この学校の理事長に呼ばれててさ。 89 00:07:25,145 --> 00:07:27,113 理事長室…。 90 00:07:27,113 --> 00:07:31,151 なんだ… あの怖い人に怒られるようなことしたの? 91 00:07:31,151 --> 00:07:36,122 それより ダメだよ~ 君。 昨日みたいに ズカズカ 厨房 入ってきちゃ。 92 00:07:36,122 --> 00:07:38,124 揚げ句 賄いまで…。 93 00:07:38,124 --> 00:07:42,128 どこの学科なんだ? 俺 ここの学生じゃないよ。 94 00:07:42,128 --> 00:07:45,131 えっ? そうなの? 95 00:07:45,131 --> 00:07:47,133 料理を作りにきた。 96 00:07:47,133 --> 00:07:52,138 今夜 理事長サマが 有力者を集めてパーティーをするとかで→ 97 00:07:52,138 --> 00:07:56,142 俺らはケータリングサービス。 そのあいさつにさ。 98 00:07:56,142 --> 00:07:58,144 料理…。 99 00:07:58,144 --> 00:08:01,147 料理人なのか 君。 へえ~。 100 00:08:01,147 --> 00:08:04,117 う~ん。 でも 理事長室 いいや。 101 00:08:04,117 --> 00:08:06,119 なんか 行く気 失せた。 (布袋勝也)おいおい。 102 00:08:07,120 --> 00:08:09,089 君に会ったからさ。 103 00:08:09,089 --> 00:08:13,093 昨日の粗相のおわびだ。 俺に何か作らせてくれないか? 104 00:08:14,094 --> 00:08:16,096 すごいなあ。 105 00:08:16,096 --> 00:08:20,100 23歳… その若さで お店を持っているんですね。 106 00:08:20,100 --> 00:08:22,102 腕一本で お金稼いで。 107 00:08:22,102 --> 00:08:25,105 僕には まねできないな。 108 00:08:25,105 --> 00:08:29,109 君こそ 数学オリンピックに出れるくらい 頭いいのに? 109 00:08:29,109 --> 00:08:32,112 すごいじゃないか。 最終予選止まりです。 110 00:08:32,112 --> 00:08:34,114 大したことない。 111 00:08:34,114 --> 00:08:36,116 (携帯電話の振動音) 112 00:08:37,150 --> 00:08:39,119 📱(北田 勲)おお 岳! 113 00:08:39,119 --> 00:08:41,154 どうだ? 学校のほうは! 114 00:08:41,154 --> 00:08:44,157 📱ちゃんと 成績キープしてるよ。 父さん。 115 00:08:44,157 --> 00:08:46,192 📱東大は行けると思う。 116 00:08:46,192 --> 00:08:50,096 📱それで 4年後 なるべく給料の高い仕事に就けるように…。 117 00:08:50,096 --> 00:08:52,098 (勲)何 言ってやがんだ てめえは! 118 00:08:52,098 --> 00:08:57,103 俺の心配はするな。 院だよ。 大学院 狙っていけ。 119 00:08:57,103 --> 00:08:59,172 金なら 俺がなんとかする! 120 00:08:59,172 --> 00:09:03,109 📱海外留学もやったり それで ロン文っちゅうの書けば→ 121 00:09:03,109 --> 00:09:07,113 スーガクシャになれるんだろ! 任せとけ! 122 00:09:07,113 --> 00:09:12,085 トンビが鷹を生んだって 親戚中に いまだに言われるけどよ→ 123 00:09:12,085 --> 00:09:15,121 最近は それも嬉しくなっちまって。 124 00:09:15,121 --> 00:09:18,124 もう一度言う 心配するな。 125 00:09:18,124 --> 00:09:23,096 お前がガキの頃から ずーっと 数ばっか書いてたの 俺は見てきてる。 126 00:09:23,096 --> 00:09:28,101 子供のやりたいこと 応援すんのが親だ。 頑張れよ 岳! 127 00:09:32,105 --> 00:09:34,107 ん? 128 00:09:34,107 --> 00:09:36,076 おわっ! 129 00:09:39,112 --> 00:09:43,116 声の大きいお父さんだな 岳。 君とは大違いだ。 130 00:09:43,116 --> 00:09:46,119 あ… あ… ナポリタン できたんだ!? 131 00:09:46,119 --> 00:09:50,123 ああ。 冷蔵庫のありものでできたから ちょうどよかった。 132 00:09:50,123 --> 00:09:52,091 じゃあ 早速…。 133 00:09:55,128 --> 00:09:58,131 …何? 早く食べないと。 134 00:09:58,131 --> 00:10:00,200 せっかく 出来たてのナポリタンがのびて…。 135 00:10:00,200 --> 00:10:02,135 君ってさ…→ 136 00:10:02,135 --> 00:10:07,106 よっぽど 数学オリンピックでの敗北に 心 砕かれたんだな 岳。 137 00:10:09,109 --> 00:10:13,146 君のことが気になってね。 調べたんだ 昨日と今日で。 138 00:10:13,146 --> 00:10:15,215 は… はあ!? 139 00:10:15,215 --> 00:10:17,116 ご学友や教師 皆 口をそろえる。 140 00:10:17,116 --> 00:10:22,121 あの日以来 岳は 覇気が全く失せてしまったと…。 141 00:10:22,121 --> 00:10:25,125 な… なんで そんな勝手に… みんなに聞いて回るなんて…! 142 00:10:26,125 --> 00:10:29,129 お前に興味があるんだ。 143 00:10:29,129 --> 00:10:33,133 お前は 自分が何者か気づいてない。 144 00:10:34,100 --> 00:10:36,135 た…→ 145 00:10:36,135 --> 00:10:38,104 食べていい? 146 00:10:40,106 --> 00:10:44,110 《へ… 変な人を部屋に上げてしまった。 どうしよう…》 147 00:10:44,110 --> 00:10:48,114 《せっかくのナポリタン ちょっと のびてしまってるよ…》 148 00:10:48,114 --> 00:10:51,117 《食べるだけ食べて さっさと帰ってもらおう》 149 00:10:51,117 --> 00:10:53,119 (においを嗅ぐ音) 150 00:10:53,119 --> 00:10:56,122 《なんか すごい… 豊潤なトマトの香り…》 151 00:10:56,122 --> 00:10:59,092 《そんないいトマト 買ってたっけ…?》 152 00:11:02,128 --> 00:11:06,132 (かむ音) 153 00:11:06,132 --> 00:11:08,101 (飲み込む音) 154 00:11:08,101 --> 00:11:24,083 ♬~ 155 00:11:24,083 --> 00:11:39,098 ♬~ 156 00:11:39,098 --> 00:11:42,101 《なんだ? なんだ!? なんだ!?》 157 00:11:42,101 --> 00:11:45,104 《なんだ 今の感覚…。 なんだ!?》 158 00:11:45,104 --> 00:11:48,107 《うまい… うますぎる! でも それだけじゃない!》 159 00:11:48,107 --> 00:11:51,110 《たかだか 料理で… ナポリタンで…》 160 00:11:51,110 --> 00:11:54,113 《鮮烈なイメージが頭に…》 161 00:11:54,113 --> 00:11:58,084 《これだ! このイメージだ…。 なんだ!?》 162 00:11:58,084 --> 00:12:01,120 《料理だぞ? これは。 なんで 料理で こんな…》 163 00:12:01,120 --> 00:12:03,089 (ドアの閉まる音) 《あっ…》 164 00:12:04,123 --> 00:12:06,092 そんなにうまかったか? 165 00:12:08,094 --> 00:12:11,097 これ どうやって作っ…。 (携帯電話の振動音) 166 00:12:11,097 --> 00:12:13,099 (携帯電話の振動音) 167 00:12:13,099 --> 00:12:16,102 ちょ… ちょっと待って! 帰るの!? (携帯電話の振動音) 168 00:12:16,102 --> 00:12:18,104 美味しかっただろ? 169 00:12:18,104 --> 00:12:23,109 でも 俺は お前のナポリタンのほうが美味しかった。 170 00:12:23,109 --> 00:12:28,114 それはな お前がした 「ある工夫」を わざとしてないんだ。 171 00:12:28,114 --> 00:12:30,116 なので完璧じゃない。 172 00:12:30,116 --> 00:12:33,119 まったく 恐ろしい人間だ。 173 00:12:33,119 --> 00:12:37,090 お前は それを工夫とも考えずにやっていた。 174 00:12:37,090 --> 00:12:39,125 恐ろしい。 175 00:12:39,125 --> 00:12:42,095 君は 一体 なんなんだ!? 176 00:12:42,095 --> 00:12:44,130 名前も知らない君から 訳のわからないことを ずっと…。 177 00:12:44,130 --> 00:12:48,101 俺の名前はカイ。 朝倉海だ。 178 00:12:49,102 --> 00:12:51,104 いずれ また。 179 00:12:53,106 --> 00:12:55,108 (ドアの閉まる音) 180 00:12:55,108 --> 00:12:58,111 (海の声)お前は 自分が何者か気づいてない。 181 00:12:58,111 --> 00:13:00,179 (携帯電話の振動音) 182 00:13:00,179 --> 00:13:04,183 北田! あんた… 学校の掲示板 見たか!? 📱え…? 183 00:13:04,183 --> 00:13:08,121 なんか悪いことでもしたのか!? 📱何? なんのこと…? 184 00:13:08,121 --> 00:13:12,125 ああ… もう! 写真 送ってやる。 急いで確認しろ! 185 00:13:21,167 --> 00:13:24,137 奨学金の即時返済なんて…! 186 00:13:24,137 --> 00:13:28,107 お願いします。 数学コンテストに 挑戦しないっていうだけで…。 187 00:13:28,107 --> 00:13:30,109 (教頭)君 場をわきまえなさい! 188 00:13:30,109 --> 00:13:35,114 今でも必死にお金を工面してくれてる父に なんて言えばいいんですか…。 189 00:13:35,114 --> 00:13:37,116 私はね… 北田岳くん。 190 00:13:37,116 --> 00:13:42,121 侮辱されるという行為を この世で最も憎んでるんです。 191 00:13:42,121 --> 00:13:47,126 私を侮辱する人間は許さん。 なぜ 白紙で出した。 192 00:13:47,126 --> 00:13:49,095 この前の数学オリンピック→ 193 00:13:49,095 --> 00:13:54,133 確かに あれで 見込んでた多額の寄付金が なくなりましたが…。 194 00:13:54,133 --> 00:13:58,104 (西門)この学園は 私が一代で築き上げたもの。 195 00:13:58,104 --> 00:14:02,208 学園の顔として 君に託したのに 大変な裏切り。 196 00:14:02,208 --> 00:14:05,111 挽回の機会さえも…。 197 00:14:05,111 --> 00:14:09,115 私の心を踏みにじった。 許しません。 198 00:14:09,115 --> 00:14:11,117 り… 理事長。 199 00:14:11,117 --> 00:14:13,119 (西門)うん!? (校長)ヒッ…! 200 00:14:13,119 --> 00:14:16,189 (西門)東大合格の実績が 1人減るのは惜しいが→ 201 00:14:16,189 --> 00:14:20,093 まあ 31人が30人になるだけの話…。 202 00:14:20,093 --> 00:14:23,096 私の心の平静さを保つほうが優先です。 203 00:14:23,096 --> 00:14:27,133 奨学金返納も猶予は与えません。 204 00:14:27,133 --> 00:14:29,102 お願いしますよ。 205 00:14:29,102 --> 00:14:31,104 すごいですね。 206 00:14:32,138 --> 00:14:35,108 僕みたいな いち生徒にまで その執念。 207 00:14:35,108 --> 00:14:40,113 それが 学園を大きくするために必要な あなたの強さなんですね。 208 00:14:40,113 --> 00:14:42,115 僕には ないから…。 209 00:14:43,116 --> 00:14:48,121 何を言っているのか…。 どうしたって 許しはしませんよ。 210 00:14:51,124 --> 00:14:53,092 おい 北田! 211 00:15:03,102 --> 00:15:08,107 我がヴェルス学園に 多大なご協力を頂いている皆様。 212 00:15:08,107 --> 00:15:10,109 誠に感謝いたします。 213 00:15:10,109 --> 00:15:14,113 本日は 学園協賛者の皆様を集め→ 214 00:15:14,113 --> 00:15:18,117 最高の料理で おもてなしをさせていただきたい。 215 00:15:18,117 --> 00:15:20,119 《この学園は もっと大きくなる》 216 00:15:20,119 --> 00:15:22,121 《政治 メディア 資金…》 217 00:15:22,121 --> 00:15:26,159 《多くの力に 私は支えられている》 218 00:15:26,159 --> 00:15:28,127 これだけの有力者の方々…。 219 00:15:28,127 --> 00:15:31,130 普段から 美味しいものは食べ慣れてるだろう。 220 00:15:31,130 --> 00:15:34,133 かく言う私も 食にはうるさいですよ? 221 00:15:34,133 --> 00:15:37,136 いや 武蔵先生 その心配はない。 222 00:15:37,136 --> 00:15:41,140 この西門理事長は 大変な美食家でしてね。 223 00:15:41,140 --> 00:15:44,110 私も 都内を何軒と連れて行ってもらいましたが→ 224 00:15:44,110 --> 00:15:46,112 どれも素晴らしい。 225 00:15:46,112 --> 00:15:49,148 もちろんです。 学園の威信を懸けて→ 226 00:15:49,148 --> 00:15:53,152 都内屈指の超一流料理人を この私の別荘に呼び寄せました。 227 00:15:53,152 --> 00:15:55,121 (武蔵)ほう…。 228 00:15:55,121 --> 00:15:58,157 彼の名前は 朝倉海シェフ 23歳。 229 00:15:58,157 --> 00:16:02,128 に… 23歳!? 若すぎない…? 230 00:16:02,128 --> 00:16:06,132 彼は 都内一つ星レストラン Kの オーナーシェフ。 231 00:16:06,132 --> 00:16:08,134 K! 232 00:16:08,134 --> 00:16:10,136 そうか メディアでも取り上げられてた→ 233 00:16:10,136 --> 00:16:14,140 史上最年少で星を獲得したと話題になった 彼か! 234 00:16:14,140 --> 00:16:18,144 彼は 高校中退後 本場 フランス パリで修業。 235 00:16:18,144 --> 00:16:21,147 そこで スーシェフとして 最先端のフレンチを学び→ 236 00:16:21,147 --> 00:16:24,150 帰国後 すぐ 店を開きました。 237 00:16:24,150 --> 00:16:27,119 ジャパンフレンチの新星です。 238 00:16:28,154 --> 00:16:31,123 (拍手) そんな料理人を じかに呼べるとは。 239 00:16:31,123 --> 00:16:33,125 さすが 西門理事長! 240 00:16:33,125 --> 00:16:36,128 皆様のためです。 241 00:16:36,128 --> 00:16:39,131 (福田寧々)どぞー。 これが今日のコースメニュー…。 242 00:16:39,131 --> 00:16:42,134 むっ!? メイン料理がナポリタン? 243 00:16:42,134 --> 00:16:45,137 あ… 朝倉シェフ… ナポリタンですか? 244 00:16:45,137 --> 00:16:48,107 何か高級な食材を…? いえ? 245 00:16:48,107 --> 00:16:54,113 普通のパスタに ごく一般的な食材と トマトケチャップをあえて 炒めるだけ。 246 00:16:54,113 --> 00:16:56,115 なんの変哲もないナポリタンです。 247 00:16:56,115 --> 00:17:00,119 朝倉シェフ… あなたを信用していますが→ 248 00:17:00,119 --> 00:17:03,122 私の威信が懸かった この場で 変な料理を出そうものなら…。 249 00:17:03,122 --> 00:17:08,127 皆様 ナポリタンに 最も感動していただけるはずです。 250 00:17:08,127 --> 00:17:10,129 私の言うとおりになった場合→ 251 00:17:10,129 --> 00:17:16,102 西門理事長 皆様の前で コックに多大な賛辞を頂きたい。 252 00:17:18,104 --> 00:17:20,106 何を考えてるんだ…。 253 00:17:20,106 --> 00:17:23,109 あ… 頭おかしいのか? 君…。 254 00:17:23,109 --> 00:17:26,112 あの人の別荘に 僕を拉致してきて…。 255 00:17:26,112 --> 00:17:30,116 揚げ句 僕に ナポリタンを作れだってぇ!? 256 00:17:30,116 --> 00:17:32,118 カイさま~。 257 00:17:32,118 --> 00:17:36,122 オマール海老のカクテル お出ししてよろしいでしょうか? 258 00:17:36,122 --> 00:17:38,090 ご苦労 寧々。 259 00:17:39,125 --> 00:17:41,093 オーケー。 お出しして。 はい~。 260 00:17:41,093 --> 00:17:44,096 聞いてるの!? 僕の話を…。 261 00:17:44,096 --> 00:17:47,199 すっげえ。 都内に こんな別荘が…。 (カメラのシャッター音) 262 00:17:47,199 --> 00:17:51,103 理事長 儲けてんだな~。 面白そうだから 来てよかった~。 263 00:17:51,103 --> 00:17:53,172 彼女のように楽しんだら? 264 00:17:53,172 --> 00:17:58,144 2品目 5分で仕上がるぜ 海。 ちょっと早いな。 2分 遅らせてくれ 布袋。 265 00:17:58,144 --> 00:18:02,181 (ウィヴィア・ミロ)このコンロ 火が弱いス! クレープ ちょっと 時間かかるかも~。 266 00:18:02,181 --> 00:18:04,183 いい加減にしろ! 267 00:18:06,118 --> 00:18:09,121 これ以上 僕を混乱させないでくれ…。 268 00:18:09,121 --> 00:18:13,125 なんなんだ この状況…。 君は めちゃくちゃな人間だ。 269 00:18:13,125 --> 00:18:17,096 僕は何者でもない。 何者でもあるわけがない…。 270 00:18:17,096 --> 00:18:21,100 あの数学オリンピックの日に 僕の存在は消し飛んだ。 271 00:18:22,134 --> 00:18:24,136 数学が好きだった。 272 00:18:24,136 --> 00:18:28,107 子供の頃から これに捧げる人生なのだと 思うくらい熱中した。 273 00:18:28,107 --> 00:18:31,110 数式の正誤がわかるじゃなく… 見えるんだ。 274 00:18:31,110 --> 00:18:33,112 楽しくって仕方なかった。 275 00:18:33,112 --> 00:18:36,115 素晴らしい才能なんだと 自分でも信じた。 276 00:18:36,115 --> 00:18:39,151 だけど… 残酷なほどの差だった。 277 00:18:39,151 --> 00:18:41,153 不等式証明の難問に→ 278 00:18:41,153 --> 00:18:43,122 ありとあらゆるアイデアで立ち向かっていく 合宿生。 279 00:18:43,122 --> 00:18:47,126 彼らは 数学を愛するだけじゃない。 戦っていた。 280 00:18:47,126 --> 00:18:51,130 まだ見ぬ世界を見るため 火の玉のように難問に突っ込んで→ 281 00:18:51,130 --> 00:18:53,132 そして 解いていった。 282 00:18:53,132 --> 00:18:58,137 僕じゃない。 数学で真理に挑めるのは 彼らだった。 283 00:18:58,137 --> 00:19:03,142 僕じゃなかった…。 僕は真理の世界に挑戦する資格すらなかった。 284 00:19:03,142 --> 00:19:07,113 ただ数学が好きなだけ…。 どこにでもいる人間だった。 285 00:19:07,113 --> 00:19:10,116 理事長の言うとおり 僕は負け犬だ。 286 00:19:10,116 --> 00:19:13,152 もう 僕には 何もできやしないんだ…! 287 00:19:13,152 --> 00:19:15,121 北田…! 288 00:19:15,121 --> 00:19:18,157 帰ろうぜ。 こんな怪しい奴らについてきたのが 間違いだったよ…。 289 00:19:18,157 --> 00:19:21,127 消し飛んだまま終わる気か? 290 00:19:21,127 --> 00:19:27,099 美味しいナポリタンを作りさえすれば お前の状況を救ってやると言ってるのに。 291 00:19:27,099 --> 00:19:29,101 だから 何 言ってるんだよ…。 292 00:19:29,101 --> 00:19:31,137 僕のは素人料理だ…。 293 00:19:31,137 --> 00:19:33,105 お前の→ 294 00:19:33,105 --> 00:19:36,108 数学的思考は料理のためにある。 295 00:19:36,108 --> 00:19:39,111 できないなら 遠慮なく帰ればいい。 296 00:19:39,111 --> 00:19:43,115 自覚してるとおり 負け犬としての人生を歩むか→ 297 00:19:43,115 --> 00:19:46,118 この一縷の望みに託すか…。 298 00:19:46,118 --> 00:19:48,120 選びたまえ。 299 00:19:48,120 --> 00:19:58,097 ♬~ 300 00:19:58,097 --> 00:20:03,135 ハア ハア ハア…。 301 00:20:03,135 --> 00:20:05,104 ハア ハア ハア…。 302 00:20:05,104 --> 00:20:07,139 今日のお客様は6名。 303 00:20:07,139 --> 00:20:12,111 お前がナポリタンを提供するのは 今から約70分後。 304 00:20:12,111 --> 00:20:14,113 よろしく頼む。 305 00:20:19,118 --> 00:20:21,120 《訳がわからない…》 306 00:20:21,120 --> 00:20:24,123 《でも もう 普通に作るしかない!》 307 00:20:24,123 --> 00:20:31,097 ♬~ 308 00:20:31,097 --> 00:20:35,134 《確かに あのナポリタン 信じられないくらい美味しかった》 309 00:20:35,134 --> 00:20:37,103 《でも だからって…》 310 00:20:40,106 --> 00:20:44,110 海さん。 僕のナポリタンのほうが美味しいと 言いましたね。 311 00:20:44,110 --> 00:20:46,112 言ったね。 そんなはずない。 312 00:20:46,112 --> 00:20:49,115 あなたが作ったナポリタンのほうが 格段に美味しかった。 313 00:20:49,115 --> 00:20:53,119 一番衝撃を受けたのは… 麺ののどごし 歯応え→ 314 00:20:53,119 --> 00:20:57,123 僕が美味しいと信じてきたパスタとは 真逆のものだった。 315 00:20:57,123 --> 00:21:00,126 具材の弾力と 絶妙にかみ合って…。 316 00:21:02,094 --> 00:21:07,099 料理の出来上がりを答えとするなら そこから 逆算して 「式」…→ 317 00:21:07,099 --> 00:21:09,135 つまり レシピを組み立てていく。 318 00:21:09,135 --> 00:21:13,139 その過程に 発想の飛躍へ繋がるヒントがあれば→ 319 00:21:13,139 --> 00:21:15,141 わずかでも見逃さない。 320 00:21:15,141 --> 00:21:17,109 得意だろ? 321 00:21:26,118 --> 00:21:31,123 《な… なんで 冷水に浸すんだよ。 冷製パスタでいく気か!?》 322 00:21:31,123 --> 00:21:33,092 《違うって! 北田のナポリタンは→ 323 00:21:33,092 --> 00:21:37,096 熱々のアルデンテに トマトの甘酸っぱさが溶け込んで…》 324 00:21:37,096 --> 00:21:39,098 《それが すごく美味しいのに!》 325 00:21:44,136 --> 00:21:46,138 ほう…。 326 00:21:46,138 --> 00:21:48,140 (亜由)えっ…。 327 00:21:48,140 --> 00:21:50,109 れ… 冷蔵庫!? 328 00:21:50,109 --> 00:21:52,111 何やってんだ 北田! 329 00:21:52,111 --> 00:21:55,147 冷水に浸したパスタを 冷蔵庫に入れるなんてしたら…。 330 00:21:55,147 --> 00:21:57,116 麺がのびきってしまうねえ…。 331 00:21:57,116 --> 00:22:08,127 ♬~ 332 00:22:08,127 --> 00:22:10,129 (寧々)本日のメインディッシュ。 333 00:22:12,131 --> 00:22:14,099 ナポリタンです。 334 00:22:15,134 --> 00:22:23,108 ♬~