1 00:00:14,114 --> 00:00:16,116 (足音) 2 00:00:16,116 --> 00:00:18,118 (朝倉 海) 何やってんだ? 岳。 3 00:00:18,118 --> 00:00:22,122 (北田 岳)ああっ 海さん! 元気そうで何よりです。 4 00:00:22,122 --> 00:00:26,126 あっ もう約束の時間! 2時間前に着いたつもりが もう…。 5 00:00:26,126 --> 00:00:30,130 待たせたなって言いたいんだけど… 何書いてんだ? それ。 6 00:00:30,130 --> 00:00:32,099 いやあ…。 7 00:00:32,099 --> 00:00:35,135 東京の人の歩幅に 規則性があるように見えたので→ 8 00:00:35,135 --> 00:00:37,104 いろいろ計算を。 9 00:00:37,104 --> 00:00:40,140 これに没頭してたんで 全然待った気にならなかったです。 10 00:00:40,140 --> 00:00:43,110 東京 すごいですね! フフッ。 11 00:00:43,110 --> 00:00:46,113 何言ってるか全然わからん。 12 00:00:46,113 --> 00:00:50,117 すみません。 お忙しいのに わざわざ迎えに来てもらって。 13 00:00:50,117 --> 00:00:53,120 早速 今日から働きます! なんでもしますよ! 14 00:00:53,120 --> 00:00:56,089 意気込みは買うが まあ 落ち着けよ。 15 00:00:56,089 --> 00:00:59,092 店に入るのは明日からでいい。 16 00:00:59,092 --> 00:01:01,094 えっと… じゃあ 今日は何を? 17 00:01:02,095 --> 00:01:04,097 まずは 住む所だ。 18 00:01:08,101 --> 00:01:18,111 ♬~ 19 00:02:47,100 --> 00:02:50,103 父さんが感謝してました 海さんに。 20 00:02:50,103 --> 00:02:53,073 東京での住まい 格安で提供していただけるなんて。 21 00:02:53,073 --> 00:02:57,110 最初は給料も あまり出せないからなあ。 22 00:02:57,110 --> 00:03:00,113 助かります。 奨学金の返済も始まるから…。 23 00:03:00,113 --> 00:03:03,083 ここの一室を自由に使っていいんですか? 24 00:03:03,083 --> 00:03:07,087 ああ。 キッチンはフロアにある。 そこも自由に。 25 00:03:07,087 --> 00:03:12,092 広い! 物置みたいに備品が多いけど それがオシャレ。 26 00:03:12,092 --> 00:03:15,095 地元で東京の相場調べた時 気絶しそうになったもんな。 27 00:03:15,095 --> 00:03:17,097 ヒーッ!! 28 00:03:17,097 --> 00:03:19,099 ここは 何かの店の跡地なんですか? 29 00:03:19,099 --> 00:03:23,103 従業員の蘭菜さんや布袋さんと 一緒に住むとか。 30 00:03:23,103 --> 00:03:26,106 俺の家だよ。 えっ? 31 00:03:26,106 --> 00:03:30,110 蘭菜や布袋は 店の近くで借りてるらしいが よく知らない。 32 00:03:30,110 --> 00:03:32,079 ここには俺しか住んでない。 33 00:03:32,079 --> 00:03:36,083 俺と2人で住むんだよ。 よろしくな 岳。 34 00:03:36,083 --> 00:03:38,085 え… ええ…。 35 00:03:38,085 --> 00:03:40,087 で ここが お前の部屋だ。 36 00:03:40,087 --> 00:03:43,056 しばらく誰も使ってないから…。 37 00:03:47,094 --> 00:03:49,096 (女性)あーっ 海! 38 00:03:50,097 --> 00:03:52,099 ひどいじゃない! 39 00:03:52,099 --> 00:03:54,067 ゆうべ 久しぶりに会ってくれたと思ったら→ 40 00:03:54,067 --> 00:03:57,070 そのまま店に戻って 今まで帰らずに…。 41 00:03:57,070 --> 00:03:59,072 私のこと なんだと思ってるのよ! 42 00:04:00,107 --> 00:04:04,077 あー 忘れてた。 ゆうべ使ったんだった この部屋。 43 00:04:04,077 --> 00:04:06,079 海! 44 00:04:06,079 --> 00:04:10,083 まあいいや。 もう帰れ お前。 なんですって!? 45 00:04:10,083 --> 00:04:13,086 今日から ここ 住人が入るから。 46 00:04:13,086 --> 00:04:15,088 住人? 47 00:04:15,088 --> 00:04:18,091 何? この子。 高校生じゃないの~? 48 00:04:18,091 --> 00:04:22,062 海 とうとう 小姓まで抱える身分になったの? 49 00:04:23,096 --> 00:04:25,098 なっ…!! 50 00:04:25,098 --> 00:04:27,067 何すんのよーー!! 51 00:04:27,067 --> 00:04:30,070 な… な… 海? 52 00:04:30,070 --> 00:04:32,072 帰れ。 53 00:04:34,074 --> 00:04:36,109 (女性)海のバカーー!! 54 00:04:36,109 --> 00:04:40,080 岳。 うっ! ううっ…。 55 00:04:41,081 --> 00:04:44,084 ようこそ 東京へ。 56 00:04:48,088 --> 00:04:53,093 (焼ける音) 57 00:04:56,096 --> 00:04:58,098 す… すみません 僕の分まで。 58 00:04:58,098 --> 00:05:02,102 本来なら せめて 家でくらいは 僕が作るべきで。 59 00:05:02,102 --> 00:05:04,104 別にいい。 60 00:05:04,104 --> 00:05:07,073 どのみち 俺が ここに帰ることは ほとんどないからな。 61 00:05:07,073 --> 00:05:09,075 オーナーシェフの悲しい性だ。 62 00:05:09,075 --> 00:05:13,113 営業日は多忙を極めて 家に帰れない。 63 00:05:13,113 --> 00:05:18,118 従業員が帰ったあとも 店のためにやること山積みでさ。 64 00:05:18,118 --> 00:05:20,120 あの じゃあ せめて家事を。 65 00:05:20,120 --> 00:05:23,089 ここの家事は 寧々が来て やってくれる。 66 00:05:23,089 --> 00:05:26,126 料理以外のことは完璧なんだ あの女。 67 00:05:26,126 --> 00:05:29,095 寧々… あのメイドさん。 68 00:05:29,095 --> 00:05:35,101 岳 お前の目的は 真理の扉を開ける料理人になれるかだ。 69 00:05:35,101 --> 00:05:39,105 プロの道で どう成長していくかだけ 考えてくれればいい。 70 00:05:39,105 --> 00:05:41,107 は… はい。 71 00:05:42,108 --> 00:05:44,110 そうして俺の肥やしになってくれなければ→ 72 00:05:44,110 --> 00:05:48,114 役立たずってことで 田舎に帰さなきゃならんからなあ。 73 00:05:50,083 --> 00:05:52,085 (においを嗅ぐ音) 74 00:05:56,122 --> 00:05:58,091 ナポリタン…。 75 00:05:58,091 --> 00:06:01,094 お前と初めて会った時もあった 思い出のナポリタンだ。 76 00:06:01,094 --> 00:06:04,197 お前が あの理事長に出した 一品のアイデアから→ 77 00:06:04,197 --> 00:06:07,100 インスピレーションを得て レシピを構築し直した。 78 00:06:07,100 --> 00:06:09,102 あれの発展型ってことさ。 79 00:06:09,102 --> 00:06:14,107 へえ!? あの時のナポリタンに プラスワンアイデアってことですか! 80 00:06:15,108 --> 00:06:17,110 《とりあえず 食べよう。 おなかすいた》 81 00:06:17,110 --> 00:06:20,113 《見た目は それほど赤くないのに→ 82 00:06:20,113 --> 00:06:22,115 芳醇なトマトの香りがする》 83 00:06:22,115 --> 00:06:26,086 《この深く甘いトマトの香りには勝てない》 84 00:06:30,090 --> 00:06:32,092 あっ…。 85 00:06:34,094 --> 00:06:36,096 うわっ! 86 00:06:40,100 --> 00:06:45,105 (岳の声)あの時のナポリタンに プラスワンアイデアってことですか! 87 00:06:45,105 --> 00:06:47,107 そんな範疇じゃない…。 88 00:06:47,107 --> 00:06:51,077 美味しいなんてもんじゃない…。 僕が理事長に出したナポリタンとは…。 89 00:06:51,077 --> 00:06:54,114 北田岳に存分な賛辞を! 90 00:06:54,114 --> 00:06:56,082 次元が違う…。 91 00:06:56,082 --> 00:07:01,087 あのナポリタンのレシピで 僕は 完成に近いと思っていました。 92 00:07:01,087 --> 00:07:05,158 (海の声)インスピレーションを得て レシピを構築し直した。 93 00:07:05,158 --> 00:07:08,061 嘘だ… これは完全に別物…。 94 00:07:08,061 --> 00:07:10,063 なんだ? これは。 なんだ? 95 00:07:11,097 --> 00:07:13,066 《あの時より赤くないのに→ 96 00:07:13,066 --> 00:07:16,069 さらにトマトの風味を 極限まで濃縮したようなソース…》 97 00:07:16,069 --> 00:07:19,105 《しかも… しかも その上→ 98 00:07:19,105 --> 00:07:22,108 プリッとした身のオマールエビの 高級な風味と濃厚なうま味が→ 99 00:07:22,108 --> 00:07:24,077 そのソースに溶け込んで→ 100 00:07:24,077 --> 00:07:28,081 2.0ミリほどの太麺が もっちりとした食感とともに受け止める》 101 00:07:28,081 --> 00:07:32,085 《太麺パスタ×トマトソースという 当たり前の組み合わせが→ 102 00:07:32,085 --> 00:07:34,087 ここまで跳ねるなんて…!》 103 00:07:34,087 --> 00:07:38,091 《アワビ 生ハム オマールエビという 豪華な食材も→ 104 00:07:38,091 --> 00:07:40,093 それぞれが最高のクオリティー》 105 00:07:40,093 --> 00:07:42,095 《そのまま食べても最高だ》 106 00:07:42,095 --> 00:07:47,100 《でも それらが口に入るたびに 複雑な掛け算を起こす…!》 107 00:07:47,100 --> 00:07:50,103 《食べれば食べるほど 新しい感覚が芽生える…》 108 00:07:50,103 --> 00:07:53,073 《ただのナポリタンが なんで ここまで…!》 109 00:07:53,073 --> 00:07:59,079 どうして その味になるか お得意の数式は発動しないのか? 岳。 110 00:08:00,113 --> 00:08:02,082 ショックで…。 111 00:08:02,082 --> 00:08:07,087 今まで僕が使ってきたレシピでは 絶対 この味にならない…。 112 00:08:07,087 --> 00:08:09,089 近づけもしない…。 113 00:08:09,089 --> 00:08:11,091 通用しないことだけが はっきりわかる。 114 00:08:11,091 --> 00:08:13,093 なるほど。 115 00:08:13,093 --> 00:08:16,096 自身のこれまで使った数式と 少しでもリンクしないと→ 116 00:08:16,096 --> 00:08:19,099 数学脳は なすすべなくなるわけか。 117 00:08:20,066 --> 00:08:23,069 それじゃあ 困るんだけどなあ。 118 00:08:24,104 --> 00:08:26,072 なあ 岳。 119 00:08:26,072 --> 00:08:30,110 俺は お前が料理を持って真理の扉を開ける…→ 120 00:08:30,110 --> 00:08:34,114 その目的を果たす右腕になってくれると思って 呼んだんだ。 121 00:08:34,114 --> 00:08:39,085 真理の扉を開ける料理とは どういうものか わかるか? 122 00:08:39,085 --> 00:08:44,090 宇宙史上 まだ誰も発見していない 唯一無二のレシピを築き上げること。 123 00:08:46,092 --> 00:08:49,129 料理の歴史は 人類の歴史そのものだが→ 124 00:08:49,129 --> 00:08:54,100 先人の築き上げた歴史を 俺の手によって分断する。 125 00:08:54,100 --> 00:08:56,102 すなわち→ 126 00:08:56,102 --> 00:09:00,106 俺以前と 俺以後に。 127 00:09:00,106 --> 00:09:04,110 既視感がないと料理が作れないなんてことじゃ 先が思いやられる。 128 00:09:04,110 --> 00:09:07,113 岳 お前の最初の課題は→ 129 00:09:07,113 --> 00:09:12,085 Kのレストランスタッフに 満足のいく賄いを提供することだ。 130 00:09:12,085 --> 00:09:14,087 えっ…!? 131 00:09:14,087 --> 00:09:17,090 いきなりお客様は相手にできない。 132 00:09:17,090 --> 00:09:20,093 長い下積みをやってもらうのは当然だ。 133 00:09:20,093 --> 00:09:25,098 そんなお前が 唯一携われる料理が賄いだ。 134 00:09:25,098 --> 00:09:28,067 うちのスタッフは 全員 舌が肥えててね→ 135 00:09:28,067 --> 00:09:32,072 並大抵の賄いでは満足しない 厄介な連中さ。 136 00:09:33,072 --> 00:09:35,074 えっ? 厄介…!? 137 00:09:35,074 --> 00:09:38,111 特に ミロと布袋→ 138 00:09:38,111 --> 00:09:42,115 2人とも 今すぐ独立しても 必ず星を取れる男たちだ。 139 00:09:42,115 --> 00:09:45,085 事情があって 俺の下にいるだけだからな。 140 00:09:45,085 --> 00:09:48,087 そ… そんな人たちに 僕が賄いを!? 141 00:09:48,087 --> 00:09:53,092 期限は1週間。 スタッフ全員から合格点をもらうこと。 142 00:09:53,092 --> 00:09:55,095 1週間!? 143 00:09:55,095 --> 00:09:57,096 す… 過ぎたら どうなるっていうんですか? 144 00:09:57,096 --> 00:10:01,101 うちに入ってくる者は ほとんど ここで挫折する。 145 00:10:01,101 --> 00:10:06,106 一人でもオーケーが出ない場合は その場で解雇するんだ。 146 00:10:06,106 --> 00:10:08,074 だって 仕方ないだろう? 147 00:10:08,074 --> 00:10:12,111 こんなところで詰まるようじゃ 才能も じきに枯れるのは目に見えてるし→ 148 00:10:12,111 --> 00:10:14,114 俺の肥やしにもならない。 149 00:10:14,114 --> 00:10:16,082 店にいてもらっちゃ困るんだ。 150 00:10:16,082 --> 00:10:18,084 《こ… 肥やし…》 151 00:10:18,084 --> 00:10:21,087 《また言った 肥やし…》 152 00:10:21,087 --> 00:10:24,090 とりあえず 一つだけ助言をする。 153 00:10:24,090 --> 00:10:26,092 さっきも言ったとおり→ 154 00:10:26,092 --> 00:10:29,095 既視感を求めながら 料理を作るようなことをしていると→ 155 00:10:29,095 --> 00:10:31,097 まず通用しないぜ。 156 00:10:31,097 --> 00:10:34,067 今日 作ったのも 既視感のないナポリタン。 157 00:10:34,067 --> 00:10:37,070 どうして こんなに美味しいのか? 158 00:10:37,070 --> 00:10:41,074 見当もつかないままだと 厳しい1週間になるだろう。 159 00:10:41,074 --> 00:10:44,077 これまでの常識を捨てて臨め。 160 00:10:44,077 --> 00:10:48,081 父親に合わす顔がなくなるぜ 岳。 161 00:10:49,082 --> 00:10:52,085 (海の声)俺以前と 俺以後に。 162 00:10:52,085 --> 00:10:54,087 俺の肥やしに…。 163 00:10:54,087 --> 00:10:59,092 《「俺 俺 俺」… 恩人である朝倉海さん》 164 00:10:59,092 --> 00:11:03,096 《この人は 自分本位でしか語らない》 165 00:11:03,096 --> 00:11:06,065 《僕に料理の才能があったとしても→ 166 00:11:06,065 --> 00:11:09,102 彼は それごと 自分に取り込むつもりなのではないかと》 167 00:11:09,102 --> 00:11:12,071 それでは 明日から1週間だ 岳。 168 00:11:12,071 --> 00:11:14,107 幸運を祈る。 169 00:11:14,107 --> 00:11:17,110 《初めて不気味さを感じた…》 170 00:11:17,110 --> 00:11:19,078 《同時に…》 171 00:11:19,078 --> 00:11:21,114 1週間ですね。 172 00:11:21,114 --> 00:11:24,083 《取り込まれるような存在なら それまでだったんだろう》 173 00:11:25,084 --> 00:11:27,086 望むところです。 174 00:11:27,086 --> 00:11:29,088 《ワクワクする》 175 00:11:29,088 --> 00:11:32,058 《それでこそ 全てを懸けて来た価値がある!》 176 00:11:37,063 --> 00:11:40,099 (福田寧々)これ 岳くんの調理服です~。 177 00:11:40,099 --> 00:11:43,102 あれ? 確か この店の調理服→ 178 00:11:43,102 --> 00:11:46,105 かっちょいい黒だった気がしたんですが。 179 00:11:46,105 --> 00:11:49,108 (寧々)見習いは みんな 白なんです~。 180 00:11:49,108 --> 00:11:54,080 正式に 戦力と認められれば 晴れて~→ 181 00:11:54,080 --> 00:11:56,082 黒~! 182 00:11:56,082 --> 00:11:58,084 そうだったんですか。 183 00:11:58,084 --> 00:12:01,087 そいつは絵的にわかりやすくて いいですね。 184 00:12:01,087 --> 00:12:03,056 (2人)ハッ ハッ ハッ ハッ! 185 00:12:06,092 --> 00:12:11,064 寧々! 事務所に人いるんなら 来客中って札に書いておきな! 186 00:12:11,064 --> 00:12:13,066 貴重な着替えスペースなんだから。 187 00:12:13,066 --> 00:12:16,069 ワーオ! 目の保養ですね。 188 00:12:18,071 --> 00:12:24,077 (蘭菜)賄い作るので頭いっぱいだろうけど 通常業務あるのを忘れないでね。 189 00:12:24,077 --> 00:12:26,079 皿洗いから みんなの仕事を。 190 00:12:26,079 --> 00:12:28,081 はい! それは もちろん…。 191 00:12:28,081 --> 00:12:30,083 後ろ向くな! 192 00:12:31,084 --> 00:12:33,086 お前の最初の課題は→ 193 00:12:33,086 --> 00:12:37,090 Kのレストランスタッフに 賄いを提供することだ。 194 00:12:37,090 --> 00:12:42,095 1週間で全員から合格点をもらえなければ その場で解雇する。 195 00:12:45,064 --> 00:12:47,066 《1週間も かけちゃいけない》 196 00:12:47,066 --> 00:12:50,069 《海さんの肥やしになるために 来たんじゃない》 197 00:12:50,069 --> 00:12:53,072 《今日一日で決めたい》 198 00:12:53,072 --> 00:12:58,077 《最初から 美味しい賄いを作って みんなを納得させる。 今日だ》 199 00:12:58,077 --> 00:13:00,079 《ここが始まりだ…!》 200 00:13:00,079 --> 00:13:06,085 ♬~ 201 00:13:06,085 --> 00:13:11,090 この前 来店された時は 予約客を限定してたので→ 202 00:13:11,090 --> 00:13:13,092 少ない人数でしたが→ 203 00:13:13,092 --> 00:13:17,096 料理人 サービスを合わせましてえ→ 204 00:13:17,096 --> 00:13:21,100 精鋭15人前後が働いておりますう~。 205 00:13:21,100 --> 00:13:28,107 ♬~ 206 00:13:28,107 --> 00:13:30,076 き… 北田岳です。 207 00:13:34,113 --> 00:13:36,082 今日から よろしくお願いします。 208 00:13:43,089 --> 00:13:45,124 (乾 孫六)ジャガイモ。 209 00:13:45,124 --> 00:13:48,094 (孫六)これ 皮むきから全部 ブリュノワーズに切って。 210 00:13:48,094 --> 00:13:52,098 3ミリサイズのサイコロ状に 全て丁寧に合わせて。 211 00:13:52,098 --> 00:13:54,067 できる? できます! 212 00:13:59,105 --> 00:14:01,107 上出来! 213 00:14:01,107 --> 00:14:04,177 な~んだ! 器用な子じゃないか。 安心した! 214 00:14:04,177 --> 00:14:06,179 はい。 これくらいなら…。 215 00:14:07,080 --> 00:14:09,082 えっ? ああ…。 216 00:14:09,082 --> 00:14:12,085 (ダビド・サロ・ペーニャ) じゃあ これもやってもらおうか。 217 00:14:12,085 --> 00:14:16,089 《お… 大きい。 この人も外国人さんだ…》 218 00:14:25,098 --> 00:14:28,101 《が… 外国人のスタッフが多い…!》 219 00:14:28,101 --> 00:14:31,104 《この店で学ぶために 世界中から集まってるんだ…》 220 00:14:31,104 --> 00:14:34,073 《本当に一線級の厨房なんだ》 221 00:14:36,075 --> 00:14:38,077 《そこに僕はいる》 222 00:14:38,077 --> 00:14:40,079 《数学しかやってこなかった僕が…》 223 00:14:41,080 --> 00:14:44,083 《落ち着いて 等形分割は得意だ》 224 00:14:44,083 --> 00:14:46,085 《いつものように自然に…》 225 00:14:49,088 --> 00:14:52,091 うん。 グッド! 226 00:14:52,091 --> 00:14:55,061 これなら 手伝ってもらうことありそうだな。 227 00:14:55,061 --> 00:14:58,097 ああ。 忙しい時は助かるな。 228 00:14:58,097 --> 00:15:03,069 (孫六)未経験者が来るって 心配してたんだけどな~。 ハハハハハ! 229 00:15:03,069 --> 00:15:05,071 なんでも 数学やってたんだって? 230 00:15:05,071 --> 00:15:08,074 は… はい。 素人ですけど頑張ります。 231 00:15:10,076 --> 00:15:14,080 じゃあ よろしく頼むぜ~。 仕事戻るわ。 232 00:15:14,080 --> 00:15:17,049 あ… あの ところで お二人の名前は? 233 00:15:21,087 --> 00:15:23,089 …名前はいいだろ。 234 00:15:26,092 --> 00:15:28,060 よし みんな 準備できてるか? 235 00:15:28,060 --> 00:15:31,097 今日も ランチ ディナーともに満席だ。 236 00:15:31,097 --> 00:15:34,066 いつもどおり 無駄なく完璧に回そう。 237 00:15:34,066 --> 00:15:36,068 (一同)はい! 238 00:15:36,068 --> 00:15:38,070 楽しみね。 うん 本当。 239 00:15:39,071 --> 00:15:49,081 ♬~ 240 00:15:49,081 --> 00:15:52,084 4番テーブル ヴルーテまだですか? 241 00:15:52,084 --> 00:15:55,087 あと1分30秒待って! メートル・ドテル。 242 00:15:55,087 --> 00:15:57,056 あっ…。 243 00:16:01,127 --> 00:16:03,095 これ 早くミロに回して! (王 明剣)おお! 244 00:16:04,063 --> 00:16:07,066 (布袋勝也)おい お前! アシエット取ってくれ。 245 00:16:07,066 --> 00:16:09,068 えっ…? それだよ! 目の前にあるだろ。 246 00:16:10,069 --> 00:16:12,071 アシエットは小皿! 247 00:16:12,071 --> 00:16:26,085 ♬~ 248 00:16:26,085 --> 00:16:28,087 うわあ! 249 00:16:28,087 --> 00:16:30,089 ああ…! 250 00:16:35,094 --> 00:16:37,096 海! フィレ肉に熱が入ったぞ。 251 00:16:37,096 --> 00:16:39,098 焼きの仕上げに入っていいか? 252 00:16:39,098 --> 00:16:49,108 ♬~ 253 00:16:49,108 --> 00:16:51,077 ああ…。 254 00:16:51,077 --> 00:16:56,082 ♬~ 255 00:16:56,082 --> 00:16:59,085 (王)見習い! 皿そろえとけって言ったろ! 256 00:16:59,085 --> 00:17:01,087 す… すみません…。 257 00:17:01,087 --> 00:17:03,089 洗い物まずやれ! 皿がねえと料理も出せねえぞ。 258 00:17:03,089 --> 00:17:05,091 は… はい! 259 00:17:07,093 --> 00:17:10,096 あ… あの 材料切っておきました。 260 00:17:10,096 --> 00:17:12,064 そのボウルの中に…。 261 00:17:13,099 --> 00:17:15,067 あっ…! 262 00:17:15,067 --> 00:17:18,070 均等に切ってって言ったろ。 263 00:17:18,070 --> 00:17:20,072 バラバラだし 皮残ってるやつまであんじゃん。 264 00:17:21,107 --> 00:17:23,075 《最初は問題なく切れてたけど→ 265 00:17:23,075 --> 00:17:27,079 この回転の速さに間に合わせるために 焦ってしまった…》 266 00:17:28,080 --> 00:17:30,082 や… やり直します。 267 00:17:30,082 --> 00:17:32,084 (孫六)いや もういいよ。 268 00:17:32,084 --> 00:17:34,086 帰っていい。 269 00:17:34,086 --> 00:17:36,088 ハア… ハア…。 270 00:17:36,088 --> 00:17:38,090 そ… そんな…。 271 00:17:38,090 --> 00:17:40,092 いや 本当に。 272 00:17:40,092 --> 00:17:44,063 だって 足にきてんじゃん 開店1時間ちょっとで。 273 00:17:44,063 --> 00:17:47,066 (荒い息) 274 00:17:47,066 --> 00:17:50,102 いや 大丈夫です。 やりま… あっ…! 275 00:17:50,102 --> 00:18:02,081 ♬~ 276 00:18:03,082 --> 00:18:07,086 はあ… 情けない…。 277 00:18:07,086 --> 00:18:12,091 技術とか素質とか 今は それ以前の問題だ…。 278 00:18:12,091 --> 00:18:16,095 体力とスピード… 肉体労働だ。 279 00:18:16,095 --> 00:18:20,099 お客さんを相手に戦う生きた厨房…→ 280 00:18:20,099 --> 00:18:24,070 あそこまでギリギリのスピードで 回転するものだなんて…。 281 00:18:24,070 --> 00:18:29,075 体力なんて 全然自信がない… 数学一辺倒だった僕が。 282 00:18:29,075 --> 00:18:33,079 才能がないと見たら 1週間で解雇する。 283 00:18:34,080 --> 00:18:36,082 いや… いや…! 284 00:18:36,082 --> 00:18:40,086 《それでも 料理の腕なんだ 肝心なのは…》 285 00:18:40,086 --> 00:18:44,156 《だって 海さんは 賄いが判断基準だと言った》 286 00:18:44,156 --> 00:18:48,060 《最初から みんなの動きに ついていけないのは仕方ない。 そうだ!》 287 00:18:48,060 --> 00:18:50,062 岳く~ん。 (おなかが鳴る音) 288 00:18:50,062 --> 00:18:54,066 ランチタイム終了から しばらく経ちました。 (おなかが鳴る音) 289 00:18:54,066 --> 00:18:59,071 そろそろ賄いの準備に入ってもらって 大丈夫ですかあ? 290 00:18:59,071 --> 00:19:03,075 …足にきてるんですかあ? 291 00:19:04,076 --> 00:19:10,082 そんなに疲れていたら 満足に賄いも作れないのでは? 292 00:19:10,082 --> 00:19:15,087 他の方に代わってもらいましょうかあ? (おなかが鳴る音) 293 00:19:15,087 --> 00:19:18,090 《正直 業務で いっぱいいっぱいすぎた》 294 00:19:18,090 --> 00:19:20,092 《本当は もっと→ 295 00:19:20,092 --> 00:19:23,062 スタッフの皆さんが作ってるところを 観察して→ 296 00:19:23,062 --> 00:19:27,066 できれば 残りものを味見させてもらって 少しでも嗜好を知りたかった…》 297 00:19:27,066 --> 00:19:30,069 《課題なんだ。 なんでもいいってわけじゃない》 298 00:19:30,069 --> 00:19:33,072 《でも あまりにも余裕がなさすぎた》 299 00:19:33,072 --> 00:19:36,108 《情けない… ノーヒント ノープランだ…》 300 00:19:36,108 --> 00:19:39,078 代わってもらいましょうよ~。 301 00:19:39,078 --> 00:19:43,082 ここの仕事は過酷なので 誰でも疲れます。 302 00:19:43,082 --> 00:19:46,085 仕方ないことですよ~。 303 00:19:49,088 --> 00:19:51,123 寧々さん 今 なんて? 304 00:19:51,123 --> 00:19:56,095 (寧々)えっ? 誰でも疲れるから仕方ないって…。 305 00:19:58,097 --> 00:20:00,099 それだ! 306 00:20:00,099 --> 00:20:07,106 ♬~ 307 00:20:07,106 --> 00:20:13,079 Kの賄いのルールは 材料 機具ともに何を使っても自由。 308 00:20:13,079 --> 00:20:18,084 ベストの賄いを作るためなら 原価に際限なくやってください。 309 00:20:18,084 --> 00:20:21,087 そうなんですか!? でも そこまで必要ないです。 310 00:20:22,088 --> 00:20:27,059 今日 皆さんが使ったジャガイモ ニンジンなどの野菜の残り 牛肉も…。 311 00:20:27,059 --> 00:20:30,062 料理に使わなかった部位を回してください。 312 00:20:32,064 --> 00:20:36,068 余りもので作るってことか? 店に優しいなあ お前。 313 00:20:39,071 --> 00:20:41,107 これも使います。 314 00:20:41,107 --> 00:20:45,077 何!? それ お前が失敗した ブリュノワーズの山じゃんか。 315 00:20:45,077 --> 00:20:47,079 まだ残ってたのか。 316 00:20:47,079 --> 00:20:49,081 完成品から逆算する。 317 00:20:49,081 --> 00:20:53,052 皆さんが今 一番美味しいと思える一品。 318 00:20:57,089 --> 00:21:01,060 (蘭菜)《ゴロゴロのジャガイモとニンジン タマネギ》 319 00:21:01,060 --> 00:21:04,063 《そこに 牛肉の残りを使う?》 320 00:21:04,063 --> 00:21:07,099 《えらく大味な賄いになりそうだけど…》 321 00:21:07,099 --> 00:21:13,072 《北田岳 あの男のことだもの 必ず意表を突く一品に仕上げてくる!》 322 00:21:14,073 --> 00:21:16,075 ふうー…。 323 00:21:16,075 --> 00:21:18,077 あっ…。 324 00:21:20,079 --> 00:21:24,083 《ん? 塩? 塩を入れるタイミング→ 325 00:21:24,083 --> 00:21:27,052 そんなに集中しないといけないものなの?》 326 00:21:29,088 --> 00:21:32,091 まあ 蘭菜さん 向こうで待とうぜ。 327 00:21:32,091 --> 00:21:37,062 この店の一員になれるかどうか 試験が始まってるんだ。 328 00:21:37,062 --> 00:21:39,064 集中させてやろうよ。 329 00:21:43,068 --> 00:21:45,104 (孫六)お… おいおい おいおい! 330 00:21:45,104 --> 00:21:48,107 ちょっと待てよ これ! 331 00:21:48,107 --> 00:21:50,075 賄いです! 332 00:21:51,076 --> 00:21:53,078 あっ…。 333 00:21:53,078 --> 00:21:55,080 正気か? 334 00:21:56,081 --> 00:22:00,085 (孫六)なんの変哲もない 肉じゃがだって~!? 335 00:22:00,085 --> 00:22:02,188 (布袋)いや ちょっと待て。 336 00:22:02,188 --> 00:22:04,089 (においを嗅ぐ音) 337 00:22:04,089 --> 00:22:08,093 この立ち上る香り すごい。 大変な香ばしさだ。 338 00:22:10,095 --> 00:22:12,064 ご賞味ください! 339 00:22:18,103 --> 00:22:20,105 フッ…。 340 00:22:20,105 --> 00:22:28,080 ♬~