1 00:00:03,270 --> 00:00:07,107 (カメラのシャッター音) 2 00:00:07,107 --> 00:00:10,177 (一同)おお~! (拍手) 3 00:00:10,177 --> 00:00:13,247 (北田 岳)広瀬くん。 (広瀬一太郎)岳! 4 00:00:13,247 --> 00:00:17,117 楠瀬賞の特別賞 受賞おめでとう。 5 00:00:17,117 --> 00:00:22,122 いやあ それより びっくりした! 岳が料理人に転向するなんて。 6 00:00:22,122 --> 00:00:24,124 い… いや まだ見習いだよ。 7 00:00:24,124 --> 00:00:29,096 この会の食事を岳が作るって聞いて 本当にびっくりしたよ! 8 00:00:29,096 --> 00:00:33,100 でも 料理人になったっていうんなら 一番 適任の人物だよね。 9 00:00:34,134 --> 00:00:36,103 …うん。 10 00:00:36,103 --> 00:00:38,105 君に対してだからこそ→ 11 00:00:38,105 --> 00:00:41,108 僕でないと作れない料理を用意したよ! 12 00:00:41,108 --> 00:00:43,076 ご賞味ください! 13 00:00:45,112 --> 00:00:50,083 《広瀬くんにだからこそ 僕でないと作れない料理…?》 14 00:00:51,118 --> 00:00:55,088 《ない… そんなのないよ…!?》 15 00:00:57,090 --> 00:00:59,092 あっ…。 16 00:00:59,092 --> 00:01:08,101 ♬~ 17 00:01:08,101 --> 00:01:10,103 (朝倉 海)チッ…。 18 00:01:11,104 --> 00:01:13,106 海さん! 19 00:01:13,106 --> 00:01:15,075 海さん 待っ…。 20 00:01:19,179 --> 00:01:22,115 ハア ハア ハア…。 21 00:01:22,115 --> 00:01:24,117 うう…。 22 00:01:29,189 --> 00:01:39,199 ♬~ 23 00:03:09,156 --> 00:03:12,092 ⚞(男子学生)あっ 神楽さ~ん! 24 00:03:12,092 --> 00:03:16,129 神楽さん 今からランチ? 一緒にどう? 25 00:03:16,129 --> 00:03:22,102 東大理一ナンバー1の才女とお食事できるなら 俺たちも嬉しいんだけど…。 26 00:03:28,108 --> 00:03:30,177 (武蔵神楽)ハア…。 27 00:03:30,177 --> 00:03:32,179 ⚞武蔵さん。 28 00:03:35,115 --> 00:03:38,085 き… 北田くん…? 29 00:03:40,120 --> 00:03:44,157 広瀬くんの授賞式の料理を 一品 任されることになった!? 30 00:03:44,157 --> 00:03:49,096 うん。 コースの前菜 魚料理 肉料理 スープ デザートの中で→ 31 00:03:49,096 --> 00:03:53,100 どれかを作れって 海さんが。 酷なことを。 32 00:03:53,100 --> 00:03:58,105 だって 数学の道をリタイアした北田くんが その道を究めようとする広瀬くんの前に→ 33 00:03:58,105 --> 00:04:02,142 おめおめとコック服を着て現れるというのも 拷問でしょうし→ 34 00:04:02,142 --> 00:04:06,113 その上 人生で初めて プロとして料理を出す相手にもなる…。 35 00:04:06,113 --> 00:04:10,083 まともな精神では作れないのでなくって? 36 00:04:10,083 --> 00:04:13,053 どストレートだね 相変わらず 武蔵さん。 37 00:04:14,087 --> 00:04:17,157 …どストレートですか? 私。 38 00:04:17,157 --> 00:04:19,092 無神経ですか? 今のどこが? 39 00:04:19,092 --> 00:04:22,095 いや… いや 武蔵さんらしいです。 40 00:04:23,096 --> 00:04:26,066 うなされるような夢って 節目で よく見るんです。 41 00:04:26,066 --> 00:04:29,102 それにしても 今日のは すごかった。 42 00:04:29,102 --> 00:04:32,105 だって 夢の中で 「これは夢だ」って すぐ気づいたんです。 43 00:04:32,105 --> 00:04:34,107 え…? 44 00:04:34,107 --> 00:04:36,109 (岳の声)夢の中で 広瀬くんは 料理人に転向した僕に→ 45 00:04:36,109 --> 00:04:38,111 盛んに話しかけてきた。 46 00:04:38,111 --> 00:04:41,114 でも 違うでしょ。 ねっ。 47 00:04:41,114 --> 00:04:45,085 広瀬くんと僕たちが 会う度に時間を忘れて話すことができたのは→ 48 00:04:45,085 --> 00:04:50,157 3人が3人とも 本気で数学の道を突き進んでたからだ。 49 00:04:50,157 --> 00:04:53,093 今の僕に話しかけてくるわけがない。 50 00:04:53,093 --> 00:04:57,197 「ああ これ 夢だな」って そこで気づいた。 51 00:04:57,197 --> 00:05:01,101 でも 興味を持たれないと思うなら いいんじゃないですか? 52 00:05:01,101 --> 00:05:03,103 広瀬くんのことなど関係なく→ 53 00:05:03,103 --> 00:05:07,107 北田くんが 逆に集中して料理を作れるなら そのほうが。 54 00:05:07,107 --> 00:05:10,110 そのあとの夢の内容が…→ 55 00:05:10,110 --> 00:05:12,179 本当にリアルだったんだ…。 56 00:05:12,179 --> 00:05:16,116 数学を諦めて歩んだ料理の道でさえも 「何もない」と→ 57 00:05:16,116 --> 00:05:20,086 それを一番見られたくない人物に さらされた…。 58 00:05:20,086 --> 00:05:22,355 あの目…。 59 00:05:22,355 --> 00:05:24,324 怖い…。 60 00:05:27,160 --> 00:05:30,163 《こんなにも弱った北田くん…》 61 00:05:31,097 --> 00:05:33,099 た… たまらない。 62 00:05:33,099 --> 00:05:36,102 えっ? あ… いえ。 63 00:05:36,102 --> 00:05:41,074 つまり 広瀬くんのことで弱って 私を頼って 訪ねてきたと…。 64 00:05:41,074 --> 00:05:43,109 そういうことですよね? 65 00:05:43,109 --> 00:05:45,178 そういえば なぜかな…。 66 00:05:45,178 --> 00:05:50,150 そうだね…。 今 話したいのが 武蔵さんしか思い浮かばなかった。 67 00:05:51,084 --> 00:05:53,086 サンドイッチ 食べます? 68 00:05:54,087 --> 00:05:57,090 あっ! やっぱり。 69 00:05:57,090 --> 00:06:01,094 ランチどきに ただ訪ねてくるのは失礼と思ったので→ 70 00:06:01,094 --> 00:06:05,098 ちょうど 僕もサンドイッチ 武蔵さんに作ってきたんです! 71 00:06:05,098 --> 00:06:07,100 保温バッグに入れてきたので ホカホカです。 72 00:06:07,100 --> 00:06:10,070 交換しませんか? (神楽)えっ? 73 00:06:15,108 --> 00:06:18,078 (神楽)サンドイッチ…? これ 揚げてる…? 74 00:06:18,078 --> 00:06:20,080 フフッ…。 75 00:06:22,082 --> 00:06:24,084 (においを嗅ぐ音) 76 00:06:24,084 --> 00:06:34,094 ♬~ 77 00:06:35,128 --> 00:06:43,136 ♬~ 78 00:06:43,136 --> 00:06:46,106 《なんて新食感のサンドイッチ…》 79 00:06:46,106 --> 00:06:50,110 《まず 歯が当たった時のカリッ サクッ。 心地良い加減!》 80 00:06:50,110 --> 00:06:52,112 《同時に かみあふれるジューシーな油》 81 00:06:52,112 --> 00:06:57,117 《サンドイッチのパンを揚げるという発想に 最初の大きなインパクトがあるわ…》 82 00:06:57,117 --> 00:07:01,121 《それが口の中で カリカリのベーコン 甘いトマトソース→ 83 00:07:01,121 --> 00:07:06,126 半熟のスクランブルエッグと合わさって 口の中でフワァッと…!》 84 00:07:06,126 --> 00:07:08,128 こっちは…!? 85 00:07:08,128 --> 00:07:10,130 あっ…。 86 00:07:10,130 --> 00:07:14,100 鮭とほうれん草のホワイトソースが たっぷり! 87 00:07:14,100 --> 00:07:17,103 サクサクの揚げパンと まろやかなホワイトソース…! 88 00:07:17,103 --> 00:07:21,107 上品な塩味…。 舌の上でまろやかに溶け合うわ…! 89 00:07:21,107 --> 00:07:23,076 こっちは…!? 90 00:07:24,110 --> 00:07:27,080 (神楽)カレー! ツンと利いたカレーのスパイス…。 91 00:07:27,080 --> 00:07:33,119 じゃがいもと鶏肉とが あふれる油をうま味として 一気に花開く! 92 00:07:33,119 --> 00:07:38,191 具材が閉じ込められたサンドイッチなので ひと口食べてみるまで 中が見えない。 93 00:07:38,191 --> 00:07:43,163 だからこそ まるで びっくり箱のように 驚きと美味しさを楽しめるわ…。 94 00:07:43,163 --> 00:07:47,100 そうです! 食べてみるまでわからない びっくり箱! 95 00:07:47,100 --> 00:07:49,102 美味しさと一緒に→ 96 00:07:49,102 --> 00:07:52,105 次は何が入っているんだろう? と 楽しんでもらいたかった! 97 00:07:52,105 --> 00:07:55,108 そこで思いついたのが この揚げサンドイッチです! 98 00:07:55,108 --> 00:07:58,244 エクストラバージンオリーブオイルで 揚げることで→ 99 00:07:58,244 --> 00:08:01,081 かじった時に ジュワ~ッと華やかな香りが広がります。 100 00:08:01,081 --> 00:08:06,086 それは どの具材であっても 抜群の相性で口に広がってくれる…。 101 00:08:06,086 --> 00:08:11,091 コーティングして閉じ込めるから 味が開く時の瞬発力が よりすごいんです! 102 00:08:11,091 --> 00:08:14,094 そこが 普通のサンドイッチや ホットプレスサンドイッチと→ 103 00:08:14,094 --> 00:08:16,096 決定的に違うんです! 104 00:08:20,100 --> 00:08:22,102 (神楽の声)その顔です。 105 00:08:22,102 --> 00:08:27,073 数学でも料理でも あなたは その顔をしている時が強い。 106 00:08:28,108 --> 00:08:31,111 (神楽の声)北田くんや広瀬くんに出会う前→ 107 00:08:31,111 --> 00:08:35,081 私は たった一人で この数学の世界に没頭していました。 108 00:08:35,081 --> 00:08:40,120 周りに わかり合える人がいない。 数学は こんなに素晴らしいものなのに。 109 00:08:40,120 --> 00:08:43,089 いくら熱く説いても 理解されない。 110 00:08:43,089 --> 00:08:48,094 そして 私も 周りが楽しいと思えるものが理解できない。 111 00:08:48,094 --> 00:08:51,097 数学の世界に没頭すればするほど→ 112 00:08:51,097 --> 00:08:54,100 みんながいる世界と乖離していくことを 意味すると→ 113 00:08:54,100 --> 00:08:56,069 子供ながらに悟りました。 114 00:08:58,171 --> 00:09:00,173 でも そこで覚悟ができた。 115 00:09:00,173 --> 00:09:04,110 離れていってしまうような世界なら 何も惜しくない。 116 00:09:04,110 --> 00:09:06,112 こっちから切り離して 捨ててやる。 117 00:09:06,112 --> 00:09:12,085 一人になればなるほど 数学の道で 私は強くなっているんだと思うことができた。 118 00:09:12,085 --> 00:09:14,087 あなたに会うまでは。 119 00:09:14,087 --> 00:09:16,089 えっ…? 120 00:09:16,089 --> 00:09:18,124 (神楽の声)初めて会った時の北田くん→ 121 00:09:18,124 --> 00:09:25,098 あなたは 私の… 本当に最初の最初 数学にのめり込んだ最初の動機 「楽しい」。 122 00:09:25,098 --> 00:09:28,101 それだけを持ち続けられてる人だった。 123 00:09:28,101 --> 00:09:30,103 武蔵さん…。 124 00:09:30,103 --> 00:09:34,140 (神楽)乖離していく世界 周りの人たちを切り離してやる。 125 00:09:34,140 --> 00:09:36,176 それを意識している時点で→ 126 00:09:36,176 --> 00:09:40,080 私は数学に没入できていないと 気づかされるほどに。 127 00:09:40,080 --> 00:09:44,050 「楽しい」だけに支配されたあなたは 無敵でした。 128 00:09:45,118 --> 00:09:50,090 あっ 昔の話ですよ。 今は私のほうが上です。 あ… はい。 129 00:09:52,125 --> 00:09:57,096 子供だったあの日 会えたことで 私も自分を見直すことができ→ 130 00:09:57,096 --> 00:09:59,165 今 数学者への道を突き進めています。 131 00:09:59,165 --> 00:10:05,171 あなたが 敵に塩を送ったという話ですね。 踏み台にさせてもらいました。 132 00:10:06,106 --> 00:10:12,111 うん。 あまりにも突き抜けていく 広瀬くんの存在に 心が乱されて→ 133 00:10:12,111 --> 00:10:14,280 楽しかっただけの数学は→ 134 00:10:14,280 --> 00:10:18,084 いつの間にか 別の気持ち… 「僕は もっと頑張らなければ」→ 135 00:10:18,084 --> 00:10:22,121 そんな感情ばかりに 支配されるようになってた。 136 00:10:22,121 --> 00:10:25,125 使命感… わかります。 137 00:10:25,125 --> 00:10:29,262 でも 数学の理にとって 人間のそんな感情など関係ない。 138 00:10:29,262 --> 00:10:35,101 現に あの先人たちは誰も皆 飄々と… 等身大で数学に向き合っている。 139 00:10:35,101 --> 00:10:37,103 広瀬くんの名前で→ 140 00:10:37,103 --> 00:10:41,107 「楽しい」をまた見失ってたんじゃないですか? あなたは。 141 00:10:41,107 --> 00:10:43,076 …甘鯛のポワレの時→ 142 00:10:43,076 --> 00:10:47,080 同じことを思い出させてくれましたよね 武蔵さんは。 143 00:10:47,080 --> 00:10:49,082 なのに ここにきて また…。 144 00:10:49,082 --> 00:10:53,086 そうか…。 やっぱり 広瀬くんなんだな。 145 00:10:53,086 --> 00:10:56,089 (神楽の声)「楽しい」だけに支配されたあなたは 無敵でした。 146 00:10:59,092 --> 00:11:03,129 本当は 広瀬くんが あんなにまでなってしまう前…→ 147 00:11:03,129 --> 00:11:10,103 中学生の頃… 3人で ずっと 数学のことを話してた時が一番 私も…。 148 00:11:10,103 --> 00:11:12,105 今は退屈です。 149 00:11:12,105 --> 00:11:16,109 また あの頃みたいに 3人で同じ道を歩むことができたら…。 150 00:11:16,109 --> 00:11:18,111 武蔵さん。 151 00:11:18,111 --> 00:11:20,079 ありがとう! 152 00:11:20,079 --> 00:11:22,081 ありがとう! 153 00:11:22,081 --> 00:11:24,083 (携帯電話の振動音) 154 00:11:24,083 --> 00:11:27,086 電話…。 あっ…。 155 00:11:27,086 --> 00:11:29,088 すみません。 ちょっと 出ますね。 156 00:11:29,088 --> 00:11:31,090 (携帯電話の振動音) 157 00:11:31,090 --> 00:11:33,126 もしもし! 158 00:11:33,126 --> 00:11:36,095 (魚見亜由)おい 岳~! 今日 オフだろ? 家行っていいか~? 159 00:11:36,095 --> 00:11:40,166 また自己ベスト更新した~! 気分 良くってさ~! 160 00:11:40,166 --> 00:11:44,103 台所 貸せよ! 夕食 作りに行ってやるよ~。 161 00:11:44,103 --> 00:11:47,173 亜由さん 声が大きい…。 162 00:11:47,173 --> 00:11:51,110 ありがとうございます。 食べたいですね。 でも 家は…。 163 00:11:51,110 --> 00:11:53,112 あっ…! 164 00:11:55,181 --> 00:11:57,150 岳…? 165 00:11:57,150 --> 00:11:59,085 📞(亜由)お~い 岳? 166 00:11:59,085 --> 00:12:01,087 な… なんで!? 167 00:12:05,158 --> 00:12:09,162 さて 来たる大鳳ホテルの授賞式で提供する ディナー。 168 00:12:09,162 --> 00:12:15,101 前菜 スープ 魚料理 肉料理 デセールの担当を決める。 169 00:12:15,101 --> 00:12:19,105 魚料理はミロ デセールは布袋。 これは決定だ。 170 00:12:19,105 --> 00:12:22,108 (布袋勝也)了解。 (ウィヴィア・ミロ)ま~かせ~るギョ~。 171 00:12:22,108 --> 00:12:27,113 (乾 孫六)はあ~ いいなあ。 そんな大きな会場での料理の考案なんて→ 172 00:12:27,113 --> 00:12:33,186 どうせ 他のパートも 海さん 布袋さん ミロの 3人で回しちゃうからな。 173 00:12:33,186 --> 00:12:35,121 時々 オードブルやスープあたりに→ 174 00:12:35,121 --> 00:12:38,124 宍戸さんが食い込めるかどうか ってくらいだし。 175 00:12:38,124 --> 00:12:42,128 一度でいいから担当してみてえなあ~。 176 00:12:42,128 --> 00:12:48,134 まあ こうも実力者が詰まってちゃ 俺の順番 来るなんて ずっと先なんだろうな。 177 00:12:48,134 --> 00:12:54,107 残りの前菜 スープ 肉料理 この3品について…→ 178 00:12:54,107 --> 00:12:57,110 各パート エントリー制とさせてもらう。 179 00:12:59,112 --> 00:13:01,114 俺と布袋とミロ以外の誰かだ。 180 00:13:01,114 --> 00:13:05,118 新人でもいい。 やりたいと思う者が挙手してくれ。 181 00:13:05,118 --> 00:13:08,121 もちろん 複数人エントリーが予想される。 182 00:13:08,121 --> 00:13:13,126 その場合は… 3日後 エントリー者同士で 料理の出来を競ってもらい→ 183 00:13:13,126 --> 00:13:16,129 勝った者が そのパートとなる。 184 00:13:16,129 --> 00:13:19,098 では 挙手を。 やる! やらせてください! 185 00:13:20,099 --> 00:13:23,102 スープ! 冬の時期にうってつけのレシピを 考えてあるんだ。 186 00:13:23,102 --> 00:13:25,104 俺に任せてください! 187 00:13:25,104 --> 00:13:27,106 (王 明剣)待て! スープなら俺だ。 188 00:13:27,106 --> 00:13:31,144 祝賀会向けの上湯 俺にしか作れない! (孫六)王…! 189 00:13:31,144 --> 00:13:36,182 (赤松蘭菜)前菜! 大きい会場での前菜… ずっと温めてたアイデアがあるの。 190 00:13:36,182 --> 00:13:39,152 前菜に 私はエントリーします! 191 00:13:39,152 --> 00:13:42,088 (ダビド・サロ・ペーニャ)肉料理だ! 俺にやられてくれ。 俺だ! 192 00:13:42,088 --> 00:13:46,092 宍戸くん いかないの? (宍戸邦彦)様子を見ている。 193 00:13:49,095 --> 00:13:52,065 北田! お前もエントリーする気か? 194 00:13:55,101 --> 00:13:59,105 会場の料理 どれか1つを お前に作らせる。 195 00:13:59,105 --> 00:14:04,110 《作らせるなんて とんでもないよ 海さん。 そんなのいらない》 196 00:14:04,110 --> 00:14:07,080 《みんな 心の底から作りたい》 197 00:14:07,080 --> 00:14:12,118 《この熱気から 実力で抜け出せないなら 作る資格なんて そもそもないんだ》 198 00:14:12,118 --> 00:14:14,120 僕は…→ 199 00:14:14,120 --> 00:14:16,089 3つのパート全てにエントリーします! 200 00:14:19,092 --> 00:14:21,260 なんだと!? 201 00:14:21,260 --> 00:14:25,064 《広瀬くんの存在を 忘れられるほどに!》 202 00:14:25,064 --> 00:14:29,102 《お客さんに作れる 目の前に大きな目標が迫ってる!》 203 00:14:29,102 --> 00:14:32,105 厳粛な審査をお願いします! 204 00:14:32,105 --> 00:14:35,074 《この楽しさを… 全開に!》 205 00:14:38,077 --> 00:14:43,082 美味しかったよ! 海さんに伝えてください。 また来るって! 206 00:14:43,082 --> 00:14:45,084 (一同)ありがとうございました! 207 00:14:46,085 --> 00:14:49,088 (福田寧々)本日最後のお客様でしたぁ。 208 00:14:49,088 --> 00:14:51,090 皆さん お疲れさまでした。 209 00:14:51,090 --> 00:14:54,093 (黒崎麗子)お疲れさま メートル・ドテル。 210 00:14:54,093 --> 00:14:57,096 私たちホールは いつもどおりだけど→ 211 00:14:57,096 --> 00:14:59,065 殺伐としてたわね 厨房は…。 212 00:14:59,065 --> 00:15:01,100 (アネット・バルトリ)無理もないです。 213 00:15:01,100 --> 00:15:06,072 (花田今日介)そうだね 無理もないよね。 今日から3日間は…。 214 00:15:08,141 --> 00:15:10,076 (蘭菜)お疲れさま! (王)先に失礼する! 215 00:15:10,076 --> 00:15:13,079 おつ! (ホールスタッフたち)はい お疲れ~。 216 00:15:13,079 --> 00:15:17,049 (海の声)エントリー者同士で 3日後 料理の出来を競ってもらい→ 217 00:15:17,049 --> 00:15:20,086 勝った者が そのパートとなる。 218 00:15:20,086 --> 00:15:22,054 《レシピの考案!》 219 00:15:22,054 --> 00:15:26,058 《今から急いで帰って… 夜の2時くらいまでは自宅で試作できる》 220 00:15:26,058 --> 00:15:28,060 《一分一秒も無駄にできない!》 221 00:15:28,060 --> 00:15:31,030 《絶対 チャンスをモノにする!》 222 00:15:32,131 --> 00:15:34,066 お疲れさまです。 223 00:15:34,066 --> 00:15:38,371 あら 北田くん ゆっくりのお帰りなのねえ。 224 00:15:38,371 --> 00:15:41,073 君こそ 早く帰らなくていいのかい? えっ? 225 00:15:41,073 --> 00:15:45,044 聞いたよ。 みんなが各パートの1つにエントリーする中→ 226 00:15:45,044 --> 00:15:47,079 君は3つ全部にエントリーしたって。 227 00:15:47,079 --> 00:15:53,186 大丈夫なんですかぁ? 入って半年のあなたが そんなむちゃを~。 228 00:15:53,186 --> 00:15:55,087 ちょっと むちゃだったかも…。 229 00:15:55,087 --> 00:16:00,059 でも たくさん考えたいんです 今は。 料理のことだけを たくさん! 230 00:16:02,094 --> 00:16:06,065 (孫六)そんなお前の言葉で さらに みんなが 殺気立ってるのもあるけどな~。 231 00:16:06,065 --> 00:16:08,167 (寧々)孫六さ~ん。 232 00:16:08,167 --> 00:16:13,139 岳… みんな お前に一目置いてる。 けど さすがにミスったな。 233 00:16:13,139 --> 00:16:18,144 みんな 1つのレシピを精査するところ お前は3つだ。 234 00:16:18,144 --> 00:16:20,079 アイデアが散漫になるのは目に見えてる。 235 00:16:20,079 --> 00:16:23,216 自滅してくれて嬉しいよ。 236 00:16:23,216 --> 00:16:25,084 孫六さん。 どんなスープ作るんですか? 237 00:16:25,084 --> 00:16:27,053 言うかあ! 238 00:16:27,053 --> 00:16:30,056 試食し合いませんか? お互いに。 239 00:16:31,057 --> 00:16:34,060 確かに 僕らで競いますけど 覚えてますか? 240 00:16:34,060 --> 00:16:38,064 海さんが 今回のルールの最後に加えた言葉。 241 00:16:38,064 --> 00:16:40,066 審査するのは俺だ。 242 00:16:40,066 --> 00:16:44,070 ちなみに 各パート 誰もレベルに達しない場合は仕方ない。 243 00:16:44,070 --> 00:16:46,072 そのパートは 俺が受け持つ。 244 00:16:46,072 --> 00:16:49,075 なおさら ハードル高いです。 245 00:16:49,075 --> 00:16:53,079 経験のない僕と その次に経験のない孫六さん。 246 00:16:53,079 --> 00:16:58,084 このまま あの人たちと同じ土俵で戦うのは 合理的じゃないと思います。 247 00:16:58,084 --> 00:17:02,054 僕らは 当日までタッグを組みませんか? 孫六さん! 248 00:17:03,089 --> 00:17:05,091 (孫六)確かになあ! 249 00:17:05,091 --> 00:17:09,095 みんな 気ぃ張って頑張るだろうけど 試食係には苦労するはずだ。 250 00:17:09,095 --> 00:17:13,099 それも素人じゃなく ちゃんとした味覚を持つ試食係! 251 00:17:13,099 --> 00:17:16,102 ここは お前の提案にのっとくぜ! 252 00:17:16,102 --> 00:17:19,105 はい! 我ながら いいアイデアだと思います! 253 00:17:19,105 --> 00:17:23,075 ただよ この提案にゃ 1つ 大きな穴があるぜ 岳。 254 00:17:23,075 --> 00:17:25,111 えっ!? えっ? 255 00:17:25,111 --> 00:17:30,116 俺が嘘つくかもしれねえだろ。 お前のスープ ダメにするアドバイスをよ。 256 00:17:33,085 --> 00:17:37,089 あ… ああ。 そんな手があるのか…。 なるほど。 257 00:17:37,089 --> 00:17:40,092 か… 考えつきませんでした。 258 00:17:40,092 --> 00:17:44,196 嘘をつくか…。 そうか すごい手だ…。 259 00:17:44,196 --> 00:17:48,200 勉強できる奴の頭って 本当 変わってんなあ。 ククッ…。 260 00:17:53,172 --> 00:17:55,141 (においを嗅ぐ音) 261 00:17:56,075 --> 00:17:59,145 お… 美味しい! 美味しいです 孫六さん! 262 00:17:59,145 --> 00:18:01,113 …アドバイスになってねえよ。 263 00:18:04,250 --> 00:18:09,188 お前が作ったスープも さすがだぜ。 体の奥から温まるようだ。 264 00:18:09,188 --> 00:18:11,090 ほ… 本当ですか!? 265 00:18:11,090 --> 00:18:15,061 《とはいえ 味の完成度 発想ともに 俺のスープに分がある》 266 00:18:15,061 --> 00:18:18,097 《ちゃんとアドバイスはしてやるけど…→ 267 00:18:18,097 --> 00:18:24,103 それでも あと3日で 岳のこれが 大きく跳ねる可能性はない気がする》 268 00:18:24,103 --> 00:18:26,072 《安心したぜ》 269 00:18:26,072 --> 00:18:30,076 まあ ただ これ1つ来ても だいぶ地味かもな~。 270 00:18:30,076 --> 00:18:33,079 単純に 弱いって印象が拭えねえかな? 271 00:18:33,079 --> 00:18:43,089 ♬~ 272 00:18:43,089 --> 00:18:47,059 それから 授賞式が12月なんだから もっと季節感を出しても…。 273 00:18:47,059 --> 00:18:50,062 おいー! 人の部屋 なめ回すように見んじゃねえよ! 274 00:18:50,062 --> 00:18:52,064 趣味 悪いな。 275 00:18:52,064 --> 00:18:55,067 そりゃ 海さん家に比べたら 狭いだろうけどさあ! 276 00:18:55,067 --> 00:18:58,070 あっ いえいえ。 でも 気になります。 277 00:18:58,070 --> 00:19:02,041 僕と同じ立場… 地元から出てきて修業する料理人が→ 278 00:19:02,041 --> 00:19:06,145 この東京で どんな生活を送っているのか。 279 00:19:06,145 --> 00:19:09,081 ハハッ。 俺は 親から勘当されて出てきた口だから。 280 00:19:09,081 --> 00:19:14,086 住めりゃいいって この格安アパートが精いっぱいだったんだよ。 281 00:19:14,086 --> 00:19:18,057 俺も 海さん家 住みたかったくらいだ。 か… 勘当!? 282 00:19:18,057 --> 00:19:22,061 俺よ こう見えて 京都の料亭の息子なのよ。 283 00:19:22,061 --> 00:19:24,063 えっ!? 284 00:19:24,063 --> 00:19:27,066 見えねえだと!? 品のかけらもない ちんちくりんだと…!? 285 00:19:27,066 --> 00:19:29,068 言ってないです! 言ってないです! 286 00:19:29,068 --> 00:19:31,070 で… でも 勘当って…。 287 00:19:31,070 --> 00:19:33,072 それと 実家が京料理なのに→ 288 00:19:33,072 --> 00:19:37,043 フランス料理主体の海さんの店にいるって どうして…。 289 00:19:38,077 --> 00:19:42,048 (孫六) 京料理ってよ 本当 封建的な世界なんだよ。 290 00:19:42,048 --> 00:19:46,152 繊細で わびさびを表現しながら 素材の神髄を生かす…→ 291 00:19:46,152 --> 00:19:49,088 受け継がれた伝統の技法。 292 00:19:49,088 --> 00:19:54,060 そこに人生を投じたおやじの作る料理は どれも素晴らしかった。 293 00:19:54,060 --> 00:19:58,064 だが同時に 伝統的な技法や仕組みに ガチガチに縛られてるって→ 294 00:19:58,064 --> 00:20:00,132 手伝いながら ずっと思ってた。 295 00:20:00,132 --> 00:20:02,101 (孫六の父親)孫六! 296 00:20:02,101 --> 00:20:06,105 包丁技法ひとつに 何 ケチつけてやがる 半人前が! 297 00:20:06,105 --> 00:20:08,074 息子だからって容赦しねえぞ! 298 00:20:08,074 --> 00:20:10,176 ケ… ケチなんかつけてねえよ おやじ。 299 00:20:10,176 --> 00:20:16,082 素晴らしい技法だと思うぜ。 和の包丁の技術は 世界に通用する! 300 00:20:16,082 --> 00:20:19,085 だけど それが どこでなんのために必要なのかって→ 301 00:20:19,085 --> 00:20:23,089 そこまで考えて習ったほうが いいと思うんだよ! 302 00:20:23,089 --> 00:20:25,091 これは伝統なんだ! 303 00:20:25,091 --> 00:20:28,060 伝統を身につけるのに 何を理由がいるっていうんだ! 304 00:20:29,061 --> 00:20:31,097 (孫六の声)息子だからとか関係なくってよ。 305 00:20:31,097 --> 00:20:34,100 俺は疑問を すぐに口にしちまうから→ 306 00:20:34,100 --> 00:20:38,104 伝統に誇りを持ったおやじに 誰よりも怒られてた。 307 00:20:38,104 --> 00:20:40,172 でも それはいいんだ。 308 00:20:40,172 --> 00:20:44,143 それより 歴史ある うちの店は 下積みも 特に長くてよ…。 309 00:20:44,143 --> 00:20:49,081 そんな弟子たちが何も言わねえで 俺たち親子の様子を見てるだけだった時→ 310 00:20:49,081 --> 00:20:51,083 これで本当にいいのか? って。 311 00:20:51,083 --> 00:20:54,086 他の分野の料理も見てみたい。 312 00:20:54,086 --> 00:20:57,089 世界の食の最前線… 東京まで来てみた。 313 00:20:57,089 --> 00:21:01,093 ありとあらゆる料理を食い歩いて 何も思わなかったら→ 314 00:21:01,093 --> 00:21:03,095 俺の考えが甘かったってことだ。 315 00:21:03,095 --> 00:21:08,067 おやじに頭下げて 京料理一本に身を捧げよう。 316 00:21:08,067 --> 00:21:11,070 その心意気で向かった店のひとつがKだった。 317 00:21:13,105 --> 00:21:15,074 これだ…。 318 00:21:15,074 --> 00:21:19,111 和も洋もねえ。 料理の可能性に垣根がねえ…。 319 00:21:19,111 --> 00:21:23,082 これだ…。 俺が ずっと求めていたのは…。 320 00:21:25,084 --> 00:21:29,088 (孫六の声)海さんのおかげさ。 だから Kでチャンスが欲しい。 321 00:21:30,089 --> 00:21:32,057 本当に強い気持ちです。 322 00:21:32,057 --> 00:21:37,062 京料理を捨ててまで 海さんの示す道を歩もうと…。 323 00:21:37,062 --> 00:21:41,033 バーカ 違うよ。 それでも俺は おやじを尊敬してるんだ。 324 00:21:42,067 --> 00:21:46,238 (孫六)海さんの全てを吸収して いつか 京都に戻る。 325 00:21:46,238 --> 00:21:51,076 海さんの示す道で得られるものと 京料理とを融合させて→ 326 00:21:51,076 --> 00:21:55,080 その可能性を一気に広げる 革命家になってやる。 327 00:21:55,080 --> 00:21:57,049 それが俺の夢さ! 328 00:22:00,052 --> 00:22:11,063 ♬~ 329 00:22:15,067 --> 00:22:23,075 ♬~