1 00:00:01,134 --> 00:00:11,144 (携帯電話の着信音) 2 00:00:11,144 --> 00:00:13,113 (武蔵神楽)ハア…。 3 00:00:13,113 --> 00:00:15,115 (携帯電話の着信音) 4 00:00:15,115 --> 00:00:17,117 誰ですか? 5 00:00:17,117 --> 00:00:23,190 ただ今 複雑な式に挑んでいる途中なので 3日後に かけ直してください。 6 00:00:23,190 --> 00:00:26,326 では。 📞(広瀬一太郎)料理人になったんだね 岳。 7 00:00:26,326 --> 00:00:28,195 (神楽)ハッ…! 8 00:00:28,195 --> 00:00:31,198 📞(広瀬)あと これ テレビ電話だよ。 画面 見て。 9 00:00:31,198 --> 00:00:34,134 母が 君のお父さんに聞いたんだ。 10 00:00:34,134 --> 00:00:38,205 どこの大学にも行かず 東京で 一から修業って。 11 00:00:38,205 --> 00:00:42,175 📞(広瀬)しかも 神楽 知ってたんだ~。 12 00:00:43,143 --> 00:00:46,113 (神楽)そうです 広瀬くん。 13 00:00:46,113 --> 00:00:50,117 北田くんは もう 私たちとは 別の道を歩んでます。 14 00:00:50,117 --> 00:00:52,185 だから 北田くんのことは もう…。 15 00:00:52,185 --> 00:00:54,121 📞(広瀬)さすがだよね。 16 00:00:54,121 --> 00:01:00,127 数学は 発想を変えることの連続だろう!? 岳は 発想を変えたんだ! 17 00:01:00,127 --> 00:01:03,130 料理人という あえて全く違う世界に触れることで→ 18 00:01:03,130 --> 00:01:06,099 数学に新たな発想を生むことができる! 19 00:01:06,099 --> 00:01:11,104 全ては数学のためにやってるんだ! 僕にはわかる。 20 00:01:11,104 --> 00:01:15,108 最高の助手になるよ 彼は。 21 00:01:15,108 --> 00:01:17,110 (鼓動) 《ああ…》 22 00:01:17,110 --> 00:01:20,180 (神楽)広瀬くん 違います。 北田くんは…。 23 00:01:20,180 --> 00:01:25,085 📞(広瀬)まあ 岳には 年末には会えるとして 今日は 神楽 君に話があったんだ。 24 00:01:25,085 --> 00:01:27,087 私に? 25 00:01:27,087 --> 00:01:31,124 《うう… 動悸が…。 広瀬くんの声を聞くと なぜか…》 26 00:01:31,124 --> 00:01:33,093 (息を吐く音) 27 00:01:33,093 --> 00:01:36,096 そうだ… 私からも話が 広瀬くん。 28 00:01:36,096 --> 00:01:39,099 私も あなたの助手になるつもりは…。 29 00:01:39,099 --> 00:01:41,068 ちょっと 結婚してみない? 僕ら。 30 00:01:44,104 --> 00:01:47,174 (神楽)な… 何を言ってるんですか? 31 00:01:47,174 --> 00:01:51,178 📞(広瀬)「合理的」 君も僕も 好きな言葉だろう? 32 00:01:51,178 --> 00:01:55,182 📞宇宙の真理を解くために 君と僕は時間を共にする。 33 00:01:55,182 --> 00:01:59,186 📞ならば 生活自体を共にしたほうが 合理的だ。 34 00:01:59,186 --> 00:02:02,189 📞これが自然な答えだ。 35 00:02:02,189 --> 00:02:06,159 📞これをしないことのほうが 逆に奇妙だ。 まあ 間違いない。 36 00:02:09,096 --> 00:02:14,101 (神楽)広瀬くん… あなたは数式だけで物事を考えすぎる。 37 00:02:14,101 --> 00:02:18,171 周りの人間は あなたの考えについていけません。 38 00:02:18,171 --> 00:02:23,110 📞(広瀬)え~? でも 僕の母さんは 神楽が家族になってくれたら嬉しいって。 39 00:02:23,110 --> 00:02:28,081 (神楽)《得体の知れない大きな力に 取り込まれそうになる…》 40 00:02:28,081 --> 00:02:30,117 ううっ…! 41 00:02:30,117 --> 00:02:32,285 《北田くん…!》 42 00:02:32,285 --> 00:02:36,189 📞(広瀬)その件も 授賞式で帰国した時 話そうよ。 43 00:02:36,189 --> 00:02:38,125 📞それと神楽→ 44 00:02:38,125 --> 00:02:41,094 悩んでる後ろの数式 僕 今 証明できたよ。 45 00:02:42,329 --> 00:02:45,198 📞(広瀬)pとqを入れ替えても 集合の位数は同じ。 46 00:02:45,198 --> 00:02:49,202 📞その場合 右辺は条件が弱くなっているだけ。 47 00:02:49,202 --> 00:02:52,406 📞難しく見えるだけの 解く意味もない問題だ。 48 00:02:52,406 --> 00:02:54,207 📞これで解決だ! 49 00:02:54,207 --> 00:02:58,178 📞神楽の貴重な3日を 無駄にせずに済んでよかったよ。 50 00:02:58,178 --> 00:03:00,113 📞じゃあ また! 51 00:03:00,113 --> 00:03:02,282 ハア…。 52 00:03:02,282 --> 00:03:04,117 (電話が切れる音) (不通音) 53 00:03:04,117 --> 00:03:07,254 (神楽)《北田くん。 これだけは言える…》 54 00:03:07,254 --> 00:03:10,123 《料理人の道を選んだあなた》 55 00:03:10,123 --> 00:03:17,230 《あの人と対峙した時 彼を納得させるほどの一品を出さないと→ 56 00:03:17,230 --> 00:03:21,234 あなたは 彼に取り込まれてしまうと思う》 57 00:03:24,137 --> 00:03:28,108 《相当のものを 出さないと…》 58 00:03:31,144 --> 00:03:41,121 ♬~ 59 00:05:09,075 --> 00:05:12,045 (ウィヴィア・ミロ)ご苦労でした みんな~! 60 00:05:16,082 --> 00:05:22,088 年末の数学賞授賞式 それぞれの料理パートが決定しました! 61 00:05:23,190 --> 00:05:25,058 (アネット・バルトリ)なんで ミロが話すの? 62 00:05:25,058 --> 00:05:27,060 (花田今日介)わからない。 63 00:05:27,060 --> 00:05:31,064 なんか まだ… 海さんと布袋さんが話してる。 64 00:05:31,064 --> 00:05:34,067 答えが まとまってないのかな? 65 00:05:36,102 --> 00:05:40,073 (北田 岳)《3つの全てのパートが僕になんて 思ってない》 66 00:05:40,073 --> 00:05:42,075 《今日のレシピを改良して→ 67 00:05:42,075 --> 00:05:47,080 自分が選ばれたパートに照準を絞った一品を 作ることができる!》 68 00:05:47,080 --> 00:05:51,084 《前菜? スープ? 肉料理?》 69 00:05:51,084 --> 00:05:53,053 どれだ!? 70 00:05:53,053 --> 00:05:58,091 ♬~ 71 00:05:58,091 --> 00:06:04,064 (朝倉 海)それでは 合格した各パートの担当を ホワイトボードに書いていく。 72 00:06:04,064 --> 00:06:21,081 ♬~ 73 00:06:28,054 --> 00:06:30,056 (キャップを閉める音) 74 00:06:30,056 --> 00:06:32,058 (王 明剣)ウオオォォーーッ! 75 00:06:32,058 --> 00:06:34,060 やった! やった! 76 00:06:36,196 --> 00:06:38,198 ⚞おめでとう! ⚞よくやったな。 77 00:06:38,198 --> 00:06:41,067 ⚞すごいですね! ⚞おめでとう! 78 00:06:41,067 --> 00:06:43,069 …えっ? 79 00:06:45,038 --> 00:06:48,074 ああっ…。 80 00:06:48,074 --> 00:06:50,076 えっ…? 81 00:06:50,076 --> 00:06:54,047 お前にだけ総評がまだだった 岳。 82 00:06:54,047 --> 00:06:59,019 よくやった。 確かに 今のお前の 全てが込められた一品だった。 83 00:07:00,053 --> 00:07:05,058 (布袋勝也)そのとおりだ 北田。 俺は合格点を出した。 84 00:07:05,058 --> 00:07:08,028 ただ 海とミロも→ 85 00:07:08,028 --> 00:07:11,031 お前がエントリーした どのパートも 不可と判断した。 86 00:07:13,066 --> 00:07:15,068 最高だよ! 87 00:07:15,068 --> 00:07:20,140 えっ? えっ? えっ? えっ? 88 00:07:20,140 --> 00:07:25,045 ♬~ 89 00:07:25,045 --> 00:07:27,080 「よくやった」とは→ 90 00:07:27,080 --> 00:07:31,051 岳 お前の全てが込められた 一品だったからこそ→ 91 00:07:31,051 --> 00:07:35,055 より冷静に判断できる材料になった ということさ。 92 00:07:35,055 --> 00:07:38,058 《理解不能! 理解不能!》 93 00:07:38,058 --> 00:07:41,061 《こ… ここで合格しないと…》 94 00:07:41,061 --> 00:07:46,099 《あの広瀬くんの前に立てない。 立つことすらできない…!》 95 00:07:46,099 --> 00:07:49,069 《嫌だ! そんなの… 嫌だ!》 96 00:07:52,072 --> 00:07:55,075 ただ 勘違いしないでくれ 岳。 97 00:07:55,075 --> 00:07:57,077 布袋と話して決めたんだ。 98 00:07:57,077 --> 00:08:00,080 お前のパートは これだよ。 99 00:08:09,089 --> 00:08:12,092 (神楽)北田くん…。 100 00:08:12,092 --> 00:08:17,063 広瀬くんに あなたは… 取り込まれてはダメよ…。 101 00:08:19,165 --> 00:08:25,071 広瀬くんに あなたでしか作れない 最高の一品を作りなさい…! 102 00:08:25,071 --> 00:08:30,076 ♬~ 103 00:08:30,076 --> 00:08:33,079 (海の声)授賞式のギリギリまで→ 104 00:08:33,079 --> 00:08:36,082 俺がデセールの基本技術を教える。 105 00:08:36,082 --> 00:08:41,087 どうなってるんだよ… 何がどうなってるんだよ…。 106 00:08:41,087 --> 00:08:46,059 だが 式当日は お前がレシピを考案し 作るんだ。 岳。 107 00:08:46,059 --> 00:08:52,065 《甘いものなんて… デザートなんて 全く興味ない。 作ったこともない!》 108 00:08:52,065 --> 00:08:54,167 《なんだよ このむちゃくちゃ…》 109 00:08:54,167 --> 00:08:57,170 《何 考えてるんだよ あの人は…!》 110 00:09:03,076 --> 00:09:08,114 (呼び出し音) 111 00:09:08,114 --> 00:09:11,084 📞(アナウンス)留守番電話サービスに接続します。 112 00:09:12,052 --> 00:09:16,056 (魚見亜由)なんだよ… これで もう1週間だぞ。 113 00:09:16,056 --> 00:09:19,058 メッセしても返ってこないしよ…。 114 00:09:20,160 --> 00:09:26,066 (亜由)でかい数学賞の授賞式で料理作る って聞いたから続報待ってたのに→ 115 00:09:26,066 --> 00:09:29,068 音信不通になられちゃ 心配するじゃないか。 116 00:09:29,068 --> 00:09:33,072 どうなってんだよ 岳…。 117 00:09:33,072 --> 00:09:52,091 ♬~ 118 00:09:52,091 --> 00:09:54,093 おーい 岳? (ノック) 119 00:09:54,093 --> 00:09:56,096 いつまで部屋にこもってる? 120 00:09:56,096 --> 00:09:58,064 せっかくの非番だぜ。 121 00:09:58,064 --> 00:10:03,136 あと3週間しかないんだ。 店で教えるだけじゃ限界がある。 122 00:10:03,136 --> 00:10:06,139 ⚟教えてやるって。 出てこいよ。 123 00:10:06,139 --> 00:10:09,142 ⚟一からパティシエ修業だ。 やらなきゃあ! 124 00:10:09,142 --> 00:10:12,145 ⚟パティシエの最初の仕事は 「クネル」だ。 125 00:10:12,145 --> 00:10:16,149 ⚟ちゃんとアイスとスプーンは 部屋に持ち込んで練習してるんだろ? 126 00:10:16,149 --> 00:10:18,284 ⚟じゃあ とにかく練習だ! 127 00:10:18,284 --> 00:10:22,155 ⚟クネルできなきゃ 次 何も教えられないからさ~。 128 00:10:22,155 --> 00:10:24,124 ⚟クネルやってる? 岳。 129 00:10:25,058 --> 00:10:29,062 もう… 仕方ないな。 大サービスだぜ。 130 00:10:30,096 --> 00:10:33,066 パティシエの最初の最初。 131 00:10:33,066 --> 00:10:37,070 クネルを ここで もう一度教えてやるから よーく聞けよ。 132 00:10:37,070 --> 00:10:40,073 クネルとは アイスを丸くする作業。 133 00:10:40,073 --> 00:10:44,077 アイス屋の店頭で見るだろ? あっちはディッシャーだけど。 134 00:10:44,077 --> 00:10:46,079 スプーンでアイスをすくって→ 135 00:10:46,079 --> 00:10:49,048 丸くツルンとした形に整えて お皿に置く。 136 00:10:49,048 --> 00:10:51,050 こんだけ。 137 00:10:51,050 --> 00:10:54,053 ただし パティシエとして生きる条件は→ 138 00:10:54,053 --> 00:10:59,058 これを均一かつ美しい形で そろえられるようになること。 139 00:10:59,058 --> 00:11:03,062 ちょっとでも スプーンの力加減を間違うと…。 140 00:11:03,062 --> 00:11:07,033 美しくない。 均一を壊す形が添えられる。 141 00:11:07,033 --> 00:11:09,068 こうなってはダメ。 142 00:11:09,068 --> 00:11:12,071 スプーンの先の力加減 角度。 143 00:11:12,071 --> 00:11:16,109 手に感覚を覚えさせるまで 何度も何度も鍛錬。 144 00:11:16,109 --> 00:11:18,044 すると…。 145 00:11:18,044 --> 00:11:24,050 ♬~ 146 00:11:24,050 --> 00:11:26,085 百発百中。 147 00:11:26,085 --> 00:11:30,056 まあるく 全く同じ形をした ひと口アイス。 148 00:11:30,056 --> 00:11:34,060 光り輝く均衡をもって 永遠に並べていくことができる。 149 00:11:34,060 --> 00:11:36,062 パティシエの基本中の基本。 150 00:11:36,062 --> 00:11:38,031 アイスだけではなく→ 151 00:11:38,031 --> 00:11:43,069 デザートにおけるスプーンの繊細な力加減を ここで学び取るんだ。 152 00:11:43,069 --> 00:11:48,041 さあ! これができないと デザートの何も学ぶことはできないぞ! 153 00:11:48,041 --> 00:11:51,811 あと3週間で 岳は50人相手に→ 154 00:11:51,811 --> 00:11:54,047 デザートのレシピを考案して 作らないといけない。 155 00:11:54,047 --> 00:11:57,050 でっきるっかな~? 156 00:11:57,050 --> 00:11:59,052 あむ… んっ! 157 00:11:59,052 --> 00:12:01,154 なんなんですか…。 158 00:12:01,154 --> 00:12:04,057 本当に なんなんですか…。 159 00:12:04,057 --> 00:12:06,192 なんなんですか! 160 00:12:06,192 --> 00:12:11,197 さすがに… さすがに もう理解ができない。 こればかりは…! 161 00:12:11,197 --> 00:12:14,033 失敗したアイスは 食べ放題だぜ。 162 00:12:14,033 --> 00:12:16,135 練習用のやっすいやつだけど。 163 00:12:16,135 --> 00:12:18,071 太らないようにしなきゃな! 164 00:12:18,071 --> 00:12:20,039 僕の! 165 00:12:20,039 --> 00:12:24,043 広瀬くんへ… 授賞式の列席者へ提供する料理は→ 166 00:12:24,043 --> 00:12:27,046 試食会で見せた あのアイデアです! 167 00:12:27,046 --> 00:12:29,048 あれが僕のレシピです! 168 00:12:29,048 --> 00:12:31,184 前菜からスープ 肉料理へと→ 169 00:12:31,184 --> 00:12:36,289 お客様が食べている途中の料理を改変していき メインディッシュへと導く。 170 00:12:36,289 --> 00:12:40,059 海さんに出会って Kに入って今日まで得た→ 171 00:12:40,059 --> 00:12:44,063 僕の研鑽の全てを凝縮して たどり着いた レシピだった! 172 00:12:44,063 --> 00:12:46,032 ふ~ん。 173 00:12:48,067 --> 00:12:52,038 Kに入って最初 賄いのミッションで 僕は追い詰められました。 174 00:12:52,038 --> 00:12:54,040 でも あの時は 海さんの…→ 175 00:12:54,040 --> 00:12:58,044 そして Kという店の料理に対する姿勢と 向き合うことができた。 176 00:12:58,044 --> 00:13:01,047 肉じゃがでは通用しなかった何か…→ 177 00:13:01,047 --> 00:13:05,018 そこを追求すれば 答えが導かれる状態だった! 178 00:13:06,119 --> 00:13:10,056 道筋があった! 方程式の入り口があった! 179 00:13:10,056 --> 00:13:13,059 海さんに出会って いつも追い詰められる場面があった。 180 00:13:13,059 --> 00:13:15,061 でも その時も同じ。 181 00:13:15,061 --> 00:13:18,064 課題に向き合えば 必ず 理想の一品に たどり着く! 182 00:13:18,064 --> 00:13:20,066 方程式の入り口が存在したんです! 183 00:13:20,066 --> 00:13:22,068 でも これは違う! 184 00:13:22,068 --> 00:13:25,038 デザートをやれなんて これは違う…。 185 00:13:26,072 --> 00:13:28,074 約束したじゃないですか…。 186 00:13:28,074 --> 00:13:31,077 料理をもって神に挑む。 187 00:13:32,078 --> 00:13:37,116 料理で真理の扉を開けにいくって… それには解読の積み重ねだ。 188 00:13:37,116 --> 00:13:42,155 僕は… 僕は 海さんに付いて学び 解読し→ 189 00:13:42,155 --> 00:13:46,125 真理の階段を一歩一歩上がってきた 自負があった! 190 00:13:48,061 --> 00:13:51,064 なんで ここにきて それを…→ 191 00:13:51,064 --> 00:13:53,066 覆されなきゃいけない…。 192 00:13:54,067 --> 00:13:56,102 (呼び出し音) 193 00:13:56,102 --> 00:13:58,071 (呼び出し音) 194 00:13:59,072 --> 00:14:04,043 海! 電話出てよぉーーーっ! 195 00:14:05,078 --> 00:14:09,082 私を あんな形で振る男… 今までいなかった! 196 00:14:09,082 --> 00:14:12,218 ひどい目に遭わせたまま 連絡もしてこないなんて…。 197 00:14:12,218 --> 00:14:15,188 どれだけ 私のプライドが傷ついたか! 198 00:14:16,055 --> 00:14:21,094 会って話をしなさいよ 海~! ♬~(ミロの鼻歌) 199 00:14:21,094 --> 00:14:23,096 あっ…。 ハッ…! 200 00:14:23,096 --> 00:14:25,064 (ミロ)フウッ! 201 00:14:25,064 --> 00:14:29,068 ハハハハハ…! 202 00:14:29,068 --> 00:14:31,070 ハア~~~。 203 00:14:32,071 --> 00:14:34,073 (岳の声)おかしいですよ! 204 00:14:34,073 --> 00:14:37,076 経験のないデザートを この状況でやるなんて…。 205 00:14:37,076 --> 00:14:39,078 僕は 甘いものに興味ないし…。 206 00:14:39,078 --> 00:14:42,048 おお おお… でも 練習は やっているんだな。 207 00:14:42,048 --> 00:14:45,084 溶けちゃって うまくできてんのかは わからんが。 208 00:14:45,084 --> 00:14:49,055 料理人の修業の一環として いずれ学ぶのはわかります。 209 00:14:49,055 --> 00:14:52,058 でも… でも 今じゃないでしょう!? 210 00:14:52,058 --> 00:14:56,062 お客様に出すんですよ!? 3週間後…。 211 00:14:56,062 --> 00:14:58,064 なんで こんなむちゃなことを…。 212 00:14:58,064 --> 00:15:01,067 試食会のアイデアが足りなかったなら 改良します。 213 00:15:01,067 --> 00:15:06,072 でも 僕の感覚では 限りなく答えに近い感覚があった! 214 00:15:06,072 --> 00:15:09,075 こんな仕打ちを受ける出来のレシピでは なかったはずです! 215 00:15:09,075 --> 00:15:14,046 お願いです! 試食会のアイデアで挑ませてください! 216 00:15:14,046 --> 00:15:17,049 僕のレシピを壊さないでください! 217 00:15:17,049 --> 00:15:19,018 (息を吐く音) 218 00:15:21,120 --> 00:15:24,056 ⚞(ミロ)さすがに教えてあげようよ…。 219 00:15:24,056 --> 00:15:26,025 ん? 220 00:15:29,061 --> 00:15:31,063 えっ…。 221 00:15:31,063 --> 00:15:33,132 ええぇぇーーーっ!? 222 00:15:33,132 --> 00:15:37,136 ⚞何度も 呼び鈴を鳴らしたのに出てこない。 223 00:15:37,136 --> 00:15:41,040 ⚞もう 僕は2人に嫌われてるのかと…。 224 00:15:41,040 --> 00:15:44,043 なんだ ミロ… わざわざ俺たちの家に。 225 00:15:44,043 --> 00:15:48,047 呼び鈴? 気づかなかった。 何か用か? 226 00:15:51,117 --> 00:15:53,052 ⚞ハッ! 227 00:15:53,052 --> 00:15:56,022 開けます 開けますよ! なんで 蹴破ろうとするんです!? 228 00:15:57,056 --> 00:15:59,058 うっ! 229 00:16:04,030 --> 00:16:09,068 海 残り3週間で この状況は かわいそうだよ。 230 00:16:09,068 --> 00:16:12,071 さすがに教えてあげようよ。 231 00:16:12,071 --> 00:16:16,042 ミロ… わざわざ それ言うだけに ここに来たのか? 232 00:16:16,042 --> 00:16:22,048 うん。 あれからずっと元気ない Kの若き太陽 北田岳。 233 00:16:22,048 --> 00:16:24,050 気になって 気になって…。 234 00:16:24,050 --> 00:16:28,187 へえ~。 他人に興味ないお前がね。 235 00:16:28,187 --> 00:16:30,089 (ミロ)僕はね→ 236 00:16:30,089 --> 00:16:36,062 最初 会った時からね 君のことが大好きなんだ。 237 00:16:36,062 --> 00:16:38,064 だって 岳は→ 238 00:16:38,064 --> 00:16:41,067 美味しいもの たくさん作るもの。 239 00:16:41,067 --> 00:16:45,071 もっともっと 美味しいもの作ってもらうために→ 240 00:16:45,071 --> 00:16:48,074 海やみんなが厳しいから→ 241 00:16:48,074 --> 00:16:52,078 僕は温か~く見守ることにしたんだ。 242 00:16:52,078 --> 00:16:57,116 教えてください。 じゃあ なぜ 今回 ミロさんは…。 243 00:16:57,116 --> 00:17:04,090 (布袋の声)北田 俺は合格点を出した。 だが 海とミロも 不可と判断した。 244 00:17:04,090 --> 00:17:09,061 (ミロ)だって あれ… 君じゃなくても作れるよ。 245 00:17:11,063 --> 00:17:14,066 (ミロ)前菜 スープ 肉料理。 246 00:17:14,066 --> 00:17:18,137 食事しながら3つのパートが合わさっていく。 247 00:17:18,137 --> 00:17:23,109 斬新なアイデア… 普通なら合格さ! ぜひ 授賞式で見たかったよ。 248 00:17:23,109 --> 00:17:28,047 でもねえ 君。 普通の料理人になりにきたの? 249 00:17:28,047 --> 00:17:32,118 それで 海が わざわざ声かける? 250 00:17:32,118 --> 00:17:38,057 温か~く見守ってきたつもりだったけど わかってなかったのかな~? 251 00:17:38,057 --> 00:17:40,059 (ため息) 252 00:17:40,059 --> 00:17:43,062 岳 お前は…→ 253 00:17:43,062 --> 00:17:49,035 数学という お前にしかない武器を まだ自分のものにできていない。 254 00:17:52,038 --> 00:17:56,042 言うのは2度目だ。 思い出したか? 255 00:17:56,042 --> 00:18:00,079 平たく言うとな 数学から遠くなったんだよ。 256 00:18:00,079 --> 00:18:02,048 試食会での あの3品が→ 257 00:18:02,048 --> 00:18:07,053 数学の世界で 逆算にあたるような 組み立てをしたのはわかるんだ。 258 00:18:07,053 --> 00:18:12,058 びっくり箱を次々開けて 俺たちを答えに誘導しようと…。 259 00:18:12,058 --> 00:18:18,064 だが 数学が関与したのは その逆算というアプローチだけじゃないか。 260 00:18:19,031 --> 00:18:22,068 まだ ノスタルジーという→ 261 00:18:22,068 --> 00:18:26,072 数値で表せない感情を排除しようと臨んだ 肉じゃがのほうが→ 262 00:18:26,072 --> 00:18:29,041 数学を武器として使えていた。 263 00:18:30,076 --> 00:18:33,079 そんなこと言われたって…。 264 00:18:33,079 --> 00:18:36,048 そんなこと… そんな縛りの必要が…。 265 00:18:36,048 --> 00:18:42,054 普通の料理人としてなら 十分 合格なんだよ。 十分さ。 266 00:18:42,054 --> 00:18:44,056 ただ 俺は→ 267 00:18:44,056 --> 00:18:49,161 数学と料理 これを結びつけられるお前の存在に→ 268 00:18:49,161 --> 00:18:52,031 唯一無二の可能性を感じたんだ。 269 00:18:52,031 --> 00:18:59,038 普通の 才能ある料理人だったら お前じゃなくても事足りるんだよ。 270 00:19:03,042 --> 00:19:09,148 恐らくだけど 広瀬って子も 試食会のレシピでは納得しないと思うよ。 271 00:19:09,148 --> 00:19:13,052 岳である必要性が感じられないもの。 272 00:19:13,052 --> 00:19:26,032 ♬~ 273 00:19:26,032 --> 00:19:28,067 それならば…→ 274 00:19:28,067 --> 00:19:31,037 どうして デザートなんです…? 275 00:19:36,075 --> 00:19:39,078 教えてください。 どうして…。 276 00:19:41,080 --> 00:19:43,049 どうして…。 277 00:19:47,053 --> 00:19:50,056 さ~て どうしてでしょう? 278 00:19:50,056 --> 00:19:58,064 ♬~ 279 00:19:58,064 --> 00:20:00,066 あっ…。 280 00:20:00,066 --> 00:20:02,068 キャッ! 281 00:20:02,068 --> 00:20:11,077 ♬~ 282 00:20:11,077 --> 00:20:14,046 ああ…! 283 00:20:15,047 --> 00:20:17,049 《逃げよう…》 284 00:20:18,050 --> 00:20:20,119 《逃げよう…!》 285 00:20:20,119 --> 00:20:24,056 《無理だ… もう もう… 無理だ!》 286 00:20:24,056 --> 00:20:26,058 (広瀬)ハハハハ…。 287 00:20:26,058 --> 00:20:29,061 《逃げよう… 逃げよう!》 288 00:20:29,061 --> 00:20:31,063 岳。 289 00:20:31,063 --> 00:20:33,032 《逃げる!》 290 00:20:36,068 --> 00:20:40,039 (店員)お待たせしました。 特製ホットミルクティーです。 291 00:20:47,079 --> 00:20:52,051 《あの地下鉄に乗って 一駅先 そこが深夜バス乗り場…》 292 00:20:52,051 --> 00:20:54,053 (北田勲の声)逃げ出したっていい! 293 00:20:54,053 --> 00:20:57,022 お前には ここっていう 帰る場所があるんだからな! 294 00:20:58,057 --> 00:21:01,060 《もう 何も出て… こない》 295 00:21:01,060 --> 00:21:04,029 《全てを尽くした…》 296 00:21:09,034 --> 00:21:12,071 バス… 時刻表…。 297 00:21:12,071 --> 00:21:15,174 見なきゃ。 最終便は 確か21時だ。 298 00:21:15,174 --> 00:21:18,043 一応 確かめて…。 299 00:21:18,043 --> 00:21:21,046 あっ メッセージや着信が こんなに…。 300 00:21:21,046 --> 00:21:24,049 ほとんど 亜由さんか…。 301 00:21:24,049 --> 00:21:28,053 でも まずは 父さんに帰ることを連絡しないと。 302 00:21:28,053 --> 00:21:30,222 あっ…。 303 00:21:30,222 --> 00:21:35,161 (勲の声)「岳! さっき店のHPの連絡先に 広瀬君がメールをくれていた」 304 00:21:35,161 --> 00:21:38,030 「丁寧なあいさつも もらったぞ!」 305 00:21:38,030 --> 00:21:41,066 「今月に 岳の料理を食べる予定があるんだって!?」 306 00:21:41,066 --> 00:21:45,137 「広瀬君の授賞式か。 すごい楽しみにしていたぞ!!」 307 00:21:45,137 --> 00:21:47,072 「で 授賞式で会う前に広瀬君が→ 308 00:21:47,072 --> 00:21:51,043 岳に見てもらいたいものがあるって言うから こっちに転送しておいたぞ」 309 00:21:51,043 --> 00:21:54,046 「何か 長い文章みたいな……?」 310 00:21:58,117 --> 00:22:02,054 (鼓動) 311 00:22:02,054 --> 00:22:12,064 (荒い息) 312 00:22:12,064 --> 00:22:14,033 ううっ…! 313 00:22:15,067 --> 00:22:23,042 ♬~